JP5223056B2 - ブラシ用毛材およびブラシ - Google Patents

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本発明は、優れた清掃性機能を有し、かつこの清掃性機能低下の度合いを的確に捉えてブラシの交換時期を容易に判断することができるインジケータ機能を備えたブラシ用毛材およびこのブラシ用毛材を使用したブラシに関するものである。
従来からブラシ用毛材には、安価で容易に加工できることから合成樹脂モノフィラメントが使用されている。
特に近年では、ブラシに様々な機能が要求されてきており、ブラシに使用される毛材にも様々な形態や機能を持つものが提案されている。
例えば、毛先をテーパー状に加工した歯ブラシ用毛材(例えば、特許文献1参照)は、毛先が歯間に入りやすいために狭い部分の歯垢を落としやすく、また触感性にも優れているために歯茎へのマッサージ効果が得られるなど、従来の歯ブラシ用毛材にはない特異的な機能を発揮するものであった。
また、清掃性機能を高めることを目的として、毛先が複数に分岐され、且つテーパー状に加工された毛材(例えば、特許文献2参照)、芯鞘複合構造の毛材をテーパー状に加工し、毛先において芯部を露出せしめた毛材(例えば、特許文献3参照)、クリンプ(波状)加工が施されたテーパー状の毛材(例えば、特許文献4参照)などがこれまでに報告されている。
しかし、いかに清掃性の高い毛材を使用したとしても、その使用方法や使用状況によって毛材の耐久性は大きく変わる。その例として歯ブラシがある。歯ブラシは、使用を続けていくと毛開きや摩耗などが生じるため、通常ならば1〜2ヶ月で交換する場合が多い。しかし、歯ブラシの利用者によっては、力を入れて歯磨きする人もあれば、短時間で歯磨きを済ませる人がいるなど、個人によって磨き方に差があり、その結果、歯ブラシを半月で交換する人もいれば、3〜4ヶ月で交換する人もおり、ブラシ交換時期を適正に判断して使用している利用者は少ない。
特に同じ歯ブラシを長期間使用する人の中には、歯ブラシが毛開きや摩耗して、既に清掃性機能が低下している状態にあるに関わらず使用を続けている人がいるため、日常的に歯を磨いていても歯周病や歯肉炎などの病気を患う人が多い。
このように、清掃性機能を高めるために開発されたブラシであっても、その使用方法、特にブラシの交換時期を見誤ってしまったために、本来の機能を著しく失ったり、さらには他の弊害をもたらしたりするなどの問題が生じていることから、ブラシまたは毛材自体に何らかのブラシ交換時期を示すインジケータ機能を付与する技術が求められていた。
特許第3145213号公報 特開2001−169827号公報 特開2003−169718号公報 特開2003−245134号公報
本発明は、上記従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。すなわち、本発明は、優れた清掃性機能を有し、かつこの清掃性機能低下の度合いを的確に捉えてブラシの交換時期を容易に判断することができるインジケータ機能を備えたブラシ用毛材およびこのブラシ用毛材を使用したブラシの提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明によれば、合成樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記カットブリッスルの長さ方向に垂直な断面は、単位断面要素が連結部を介して複数連結した異形断面形状からなり、前記単位断面要素の直径をD、前記連結部の厚さをTとした場合のT/Dの値が0.2〜0.8の範囲にあり、前記単位断面要素のうち少なくとも1つが、他の単位断面要素とは異なる色に着色されていることを特徴とするブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明のブラシ用毛材においては、下記の先割れ評価試験により評価した先割れ回数が10000〜70000回の範囲にあること
[先割れ評価試験]一辺が20mmのABS製板片に64箇所の植毛孔を設けた基台を準備し、この基台の植毛孔に前記ブラシ用毛材を20本/孔の密度で植毛してブラシを作成する。その後、幅0.5mmかつ深さ1mmの溝を6本/cm有する金属板の表面に前記ブラシを垂直荷重350gで押し当て、前記溝に対して垂直な方向に振幅40mmかつ速度180往復/分でブラシを摺動させた際に、植毛した全ブラシ用毛材の50%以上の毛先に先割れが生じた時点の摺動回数を先割れ回数とする。
前記カットブリッスルが2〜8個の単位断面要素を有すること、
前記単位断面要素のうち少なくとも1つが、他の単位断面要素とは異なる合成樹脂からなること
さらに好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことにより、ブラシに使用した場合にブラシの清掃性機能低下の度合いを的確に示し、かつブラシの交換時期を容易に判断することができる。
また、本発明のブラシ、特に歯ブラシは、上記ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とし、歯ブラシの不適切な使用による歯周病や歯肉炎などの病気を予防する効果が得られる。
本発明によれば下記に説明するとおり、従来のブラシと同等以上の優れた清掃性機能を有し、かつブラシの交換時期を適正に判断することができるインジケータ機能を有するブラシ用毛材およびブラシが得られる。
以下、本発明について図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1(イ)〜(ヘ)は本発明のブラシ用毛材を構成するブリッスルの数例を示す断面図、図2(A)、(B)は本発明のブラシ用毛材の一例を示した拡大模式図である。
図1に示したように、本発明のブラシ用毛材を構成するブリッスルは、その長さ方向に垂直な断面が、単位断面要素3が連結部4を介して複数連結した異形断面形状からなることを特徴としている。
なお、図1において、各断面(イ)〜(ヘ)中のDおよびTは、それぞれ単位断面要素3の直径およびこれら単位断面要素3間に介在する連結部4の厚さを示している。
本発明のブラシ用毛材は、このように単位断面要素3が連結部4を介して複数連結した異形断面であることから、これをブラシに植毛してある程度の使用した時に、ブリッスルの先端においてその毛先が単位断面要素3ごとに先割れし、ブラシの交換時期を知らせるインジケータ機能を有するのである。
すなわち、図2(A)に示した本発明のブラシ用毛材の一例を示した拡大模式図において、通常時のブラシ用毛材1は、その一端aを長手方向Pから見た場合の毛先2の状態が、3つの単位断面要素3が連結部4を介して連結した異形断面形状となっている。
しかるに、この毛材をブラシに植毛してある程度の使用した場合には、図1(B)に示したように、ブラシ用毛材1’の一端aの毛先2’は、3つの単位断面要素3’が分割して先割れ状態となるため、これによりブラシの交換時期を知らせるインジケータ機能を発揮することになるのである。
そして、本発明のブラシ用毛材1の断面において、複数の単位断面要素が連結する連結部の厚さをT、単位断面要素の直径をDとした場合のT/Dの値が0.2〜0.8の範囲にあることが必要であり、さらには0.3〜0.6の範囲にあることがより好ましい。
これは、T/Dの値が上記範囲を下まわると先割れがし易くなる傾向にあり、逆に上記範囲を上まわると先割れしにくく、適正なブラシ交換時期が示されにくくなるからである。
なお、本発明のブラシ用毛材1においては、図1の(ヘ)のように、連結する単位断面要素どうしの直径Dが異なる場合も考えられるが、この場合のT/Dの値は、小さい単位断面要素の直径Dで計算する。
また、本発明のブラシ用毛材1は、上記の先割れ評価試験により評価した先割れ回数が10000〜70000回の範囲にあることが好ましく、さらには20000〜50000回の範囲にあることがより好ましい。
これは、先割れ回数が上記範囲を下まわる場合は、先割れが早く生じてしまうため、ブラシに使用した際には早い時点で清掃性機能の低下を招き、ブラシ交換時期を適切に判断することが難しくなり、逆に先割れ回数が上記範囲を上まわる場合は、ブラシが毛開きして清掃性機能の低下を招いているにも関わらずブラシ用毛材1が先割れしていないため、ブラシ交換時期を適切に判断することが難しくなるという理由によるものである。
なお、各単位断面要素3の数は、2つ以上の複数であれば特に限定されないが、多過ぎると先割れがし易くなる傾向にあり、適正なブラシ交換時期を示しにくくなることから、単位断面要素3の数は2〜8個であることが好ましく、更には2〜5個であることがより好ましい。
そして、各単位断面要素3の連結形態は特に限定はされず、例えば図1に示すように、2つの単位断面要素3が連結部4を介して連結したもの(イ)、3つの単位断面要素3が連結部4を介して連結したもの(ロ)、4つの単位断面要素3が連結部4を介して連結したもの(ハ)もあれば、単位断面要素の数が同じであっても3つの単位断面要素が並列に連結したもの(ニ)、1つの単位断面要素の周囲に3つの単位断面要素が連結したもの(ホ)、単位断面要素の異なるものどうしが連結したもの(ヘ)などが挙げられる(図1(ニ)〜(ヘ)では符号3,4を省略している)。
本発明のブラシ用毛材1を構成する合成樹脂素材については、溶融紡糸可能な合成樹脂であれば特に限定はされず、例えば、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド(以下、ナイロン610と言う)、ポリヘキサメチレンドデカミド、ナイロン46、ナイロンMDX6、ナイロン11、ナイロン12、ポリ(カプラミド/ヘキサメチレンアジパミド)共重合体およびポリ(カプラミド/ラウラミド)共重合体などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと言う)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと言う)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(以下、PTTと言う)、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンクロライド・テトラフルオロエチレン共重合体、フルオロビニルエーテルなどのフッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などから1種類または2種類以上を適宜選択して使用することができる。
中でも強伸度、収縮率および屈曲回復性などの各種物性を均衡に兼ね備えたブラシ用毛材が得られやすいことから、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも一種の使用がより好ましい。
なお、ブラシ用毛材1を構成する合成樹脂素材としてポリエステル系樹脂、特にPBTを使用した場合は、ブラシ用毛材1の一端をアルカリ溶液で溶解することによりテーパー状の分岐毛を形成させることができ、一端にインジケータ機能を持ち、もう一端に清掃性に優れたテーパー毛を持つブラシ用毛材が得られる。
また、本発明のブラシ用毛材1は、これをブラシに植毛してある程度の使用した時に、その毛先が先割れしてブラシ交換時期を示すインジケータ機能を発揮しなければならない。そのため、単位断面要素3が全て同じ合成樹脂からなる場合は、単位断面要素3の数を上記範囲に適宜選択することによって先割れする時期をコントロールし、より適正なブラシ交換時期を示すことができるが、合成樹脂同士の相溶性の違いを利用して、各単位断面要素3のうち少なくとも1つを他の単位断面要素とは異なる合成樹脂にすることによっても、先割れする時期をコントロールし、より適正なブラシ交換時期を示すことができる。
例えば、異なる合成樹脂同士の組合せとしては、ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂とフッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂とフッ素系樹脂などを挙げることができる。
さらに、本発明のブラシ用毛材1においては、各単位断面要素3のうち少なくとも1つが他の単位断面要素とは異なる色になっている場合には、先割れした際の状態が目視で確認しやすいために好ましい。なお、色の選択については、使用するブラシの種類に応じて適宜選択することができ、特に限定はされない。
さらにまた、本発明のブラシ用毛材1には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その目的に応じて、各種無機微粒子、各種金属微粒子および架橋高分子粒子などの粒子類のほか、公知の抗酸化剤、耐光剤、耐侯剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤および各種強化繊維類などを適宜任意に添加することも可能である。
本発明のブラシ用毛材1の単位断面要素3の断面形状については特に限定はなく、例えば丸形、三角形、四角形、五角形などと言った多角形、三葉形、五葉形、八葉形などの多葉形、楕円形、トラック形などの扁平形、星形であってもよい。
本発明のブラシ用毛材1の製造には特に特殊な方法を用いる必要なく、例えば異形断面用の口金を使用したり、公知の複合紡糸機と複合口金を使用したりして合成樹脂モノフィラメントを紡糸し、得られた合成樹脂モノフィラメントを必要な長さにカットしてカットブリッスルを作る方法が挙げられる。
また、本発明のブラシ用毛材1には、例えば、銀イオンを担持させたリン酸塩系、ゼオライト系、ヒドロキシアパタイト系抗菌剤のほか、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル産亜鉛、ギ酸亜鉛などの亜鉛化合物、ベンゼトニウム、ベンザルコニウム、セチルピリジウム、クロルヘキシジンなどのカチオン系抗菌剤、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレートなどの茶カテキン、アナターゼ型またはルチル型二酸化チタンなどの光触媒を付着および/または含有せしめて抗菌効果を付与することもできる。
こうして得られたブラシ用毛材1は、ブラシの清掃性機能低下の度合いを的確に示すインジケータ機能を兼ね備えていることから、歯ブラシ、ボディブラシ、クリーニングブラシ、工業用ブラシなど清掃用途に使用した場合には、これらブラシの交換時期を的確かつ容易に判断することができる。
特に、歯ブラシの場合は、毛材が摩耗した状態や毛開きした状態で使用を続けると、清掃性機能が著しく低下するために歯周病や歯肉炎などの病気を招く恐れがある。そのため、清掃性機能と適正なブラシ交換時期を示すインジケータ機能を有する本発明のブラシ用毛材を歯ブラシに使用した場合には、こうした病気を未然に防ぐことが可能であることから、極めて有用性が高いものであると言える。
以下、本発明のブラシ用毛材について、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明のブラシ用毛材はその要旨を超えない限り以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例におけるブラシの実用評価については以下の通り行ったものである。
[先割れ評価試験]
一辺が20mmのABS製板片に64箇所の植毛孔を設けた基台を準備し、この基台の植毛孔に前記ブラシ用毛材を20本/孔の密度で植毛してブラシを作成する。その後、幅0.5mmかつ深さ1mmの溝を6本/cm有する金属板の表面に前記ブラシを垂直荷重350gで押し当て、前記溝に対して垂直な方向に振幅40mmかつ速度180往復/分でブラシを摺動させた際に、植毛した全ブラシ用毛材の50%以上の毛先に先割れが生じた時点の摺動回数を先割れ回数とする。
[清掃性評価試験]
1辺40mm、高さ10mmのアクリル板の表面に幅0.5mm、深さ1mmの溝を6本/cmを設け、このアクリル板の表面に染色液を均一に塗布して1時間乾燥させた。
その後、先割れ評価試験前のブラシ(I)と先割れ評価試験後のブラシ(II)を使用してアクリル板の表面を3分間ブラッシングして染色液の除去面積を求めた。
そして、ブラシ(I)およびブラシ(II)による染色液の除去面積をそれぞれS1およびS2とした際のS2/S1の値を清掃性評価値とした。なお、この値が0.4〜0.6の範囲にある時にブラシ交換時期になったと判断する。
また、ブラッシング条件は、先割れ評価試験と同じ、ブラシの垂直荷重350g、ブラッシングの振幅40mm、振幅速度180往復/分で行った。
さらに、下記比較例で使用した先割れしない毛材については、先割れ評価試験で40000万回摺動した後のものをブラシ(II)とした。
[ブラシ交換時期の判断容易性]
20名の被験者に先割れ評価試験後のブラシについて、毛材の先割れ状態または毛材の状態から、当ブラシが交換時期になったか否かの判断を次の3つの数値で評価してもらった。そして、20名分の数値を平均し、その値を判断容易性の評価値とした。この値が小さいほど判断がし易いことを示す。
1・・・容易に判断することができた、
2・・・大体判断することができた、
3・・・よく判断することができなかった。
〔実施例1〕
PBT(東レ(株)製 トレコン1200S、以下同じ)を紡糸機に供給して溶融混練した後、紡糸口金から押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、図1(ロ)と同じ断面形状(T/D=0.72)の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、これをブラシ用毛材として使用した。
〔実施例2〕
紡糸口金を替えて、断面形状を図1(ホ)(T/D=0.72)に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を得た。
〔実施例3〕
さらに紡糸口金を替えて、断面形状を図1(ホ)(T/D=0.50)に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を得た。
〔実施例4〕
PBTとナイロン610(東レ(株)製 CM2001、以下同じ)とを複合紡糸機に供給して溶融混練した後、複合口金からこれら合成樹脂を共押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、中心にPBTからなる単位断面要素とその周囲にナイロン610からなる3つの単位断面要素を有し、図1(ホ)(T/D=0.50)と同じ断面形状の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、これをブラシ用毛材として使用した。
〔実施例5〕
PBTに青の顔料を練り込み、青のPBTマスターバッチを作製した。そして、PBTおよびPBTとPBTマスターバッチとの混合物をそれぞれ複合紡糸機に供給して溶融混練した後、紡糸口金からこれら合成樹脂を共押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、3つの単位断面要素のうち1つが青色に着色し、図1(ロ)(T/D=0.72)と同じ断面形状の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、これをブラシ用毛材として使用した。
〔実施例6〕
ナイロン610紡糸機に供給して溶融混練した後、紡糸口金から押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、図1(イ)と同じ断面形状(T/D=0.41)の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
〔実施例7〕
口金を替えて、断面形状を図1(ヘ)(T/D=0.41)に変更したこと以外は、実施例6と同じ方法でブラシ用毛材を得た。
〔比較例1〕
PBTを溶融紡糸機に供給し、溶融紡糸機内で溶融混練した後、紡糸口金から合成樹脂を押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、丸断面の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、これをブラシ用毛材として使用した。
〔比較例2〕
PBTを溶融紡糸機に供給して溶融混練した後、紡糸口金から合成樹脂を押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、丸断面の合成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、さらにカットブリッスルを水酸化ナトリウム溶液に浸漬して、毛先をテーパー状に加工し、これをブラシ用毛材として使用した。
〔比較例3〕
ナイロン610に青の顔料を練り込み、青のナイロン610マスターバッチを作製した。そしてPBTおよびナイロン610とナイロン610マスターバッチとの混合物を複合紡糸機に供給して溶融混練した後、複合口金からこれら合成樹脂を共押出し、さらに冷却固化、加熱延伸および熱処理を施して、鞘成分がPBTで芯成分がナイロン610からなる芯鞘複合構造の成樹脂モノフィラメントを製糸した。
そして、得られた合成樹脂モノフィラメントを長さ30mmにカットしてカットブリッスルにし、さらにカットブリッスルを水酸化ナトリウム溶液に浸漬して芯成分を毛先から露出させ、露出した芯部が青色に着色したブラシ用毛材を作製した。
以上、得られたブラシ用毛材の評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
紡糸口金を替えて、断面形状を図1(ロ)(T/D=0.87)に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を得た。
Figure 0005223056
表1の結果から明らかなように、本発明のブラシ用毛材(実施例1〜5)は、従来のブラシ用毛材(比較例1〜4)に比べて、ブラシに使用した場合にブラシの清掃性機能低下の度合いを的確に示し、かつブラシの交換時期を容易に判断することができるものであることが分かる。
また、本発明のブラシ用毛材においては、単位断面要素の数やその連結形態、連結部の厚さや使用する合成樹脂の組合せによって先割れのし易さが異なることから、使用するブラシの種類によってブラシの交換時期を適宜コントロールすることが可能である。
さらに、実施例4に示すように、単位断面要素のうち少なくとも1つに色を着色させることにより、ブラシ交換時期をさらに容易に判断することができる。
本発明のブラシ用毛材は、優れた清掃性機能を有すると共に、ブラシの清掃性機能低下の度合いを的確に示すインジケータ機能を備えていることから、歯ブラシ、ボディブラシ、クリーニングブラシ、工業用ブラシなど清掃用途に使用した場合には、これらブラシの交換時期を的確かつ容易に判断することができる。
特に、歯ブラシの場合は、毛材が摩耗した状態や毛開きした状態で使用を続けると、清掃性機能が著しく低下するために歯周病や歯肉炎などの病気を招く恐れがあるが、本発明のブラシ用毛材は、ブラシの清掃性機能低下の度合いを的確に示すインジケータ機能を兼ね備えているため、歯ブラシに使用した場合には、より好ましくその効果を発揮することができる。
図1(イ)〜(ヘ)は本発明のブラシ用毛材を構成するブリッスルの数例を示す断面図である。 図2(A)、(B)は本発明のブラシ用毛材の一例を示した拡大模式図である。
符号の説明
1、1’ ブラシ用毛材
2、2’ 長手方向Pから見た場合の毛先の状態図
3、3’ 単位断面要素
4、4’ 連結部
a ブラシ用毛材1の一端
P ブラシ用毛材1の長手方向
T 単位断面要素どうしの連結部の厚さ
D 単位断面要素の直径

Claims (6)

  1. 合成樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記カットブリッスルの長さ方向に垂直な断面は、単位断面要素が連結部を介して複数連結した異形断面形状からなり、前記単位断面要素の直径をD、前記連結部の厚さをTとした場合のT/Dの値が0.2〜0.8の範囲にあり、前記単位断面要素のうち少なくとも1つが、他の単位断面要素とは異なる色に着色されていることを特徴とするブラシ用毛材。
  2. 下記の先割れ評価試験により評価した先割れ回数が10000〜70000回の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のブラシ用毛材。
    [先割れ評価試験]一辺が20mmのABS製板片に64箇所の植毛孔を設けた基台を準備し、この基台の植毛孔に前記ブラシ用毛材を20本/孔の密度で植毛してブラシを作成する。その後、幅0.5mmかつ深さ1mmの溝を6本/cm有する金属板の表面に前記ブラシを垂直荷重350gで押し当て、前記溝に対して垂直な方向に振幅40mmかつ速度180往復/分でブラシを摺動させた際に、植毛した全ブラシ用毛材の50%以上の毛先に先割れが生じた時点の摺動回数を先割れ回数とする。
  3. 前記カットブリッスルが2〜8個の単位断面要素を有する異形断面形状からなることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシ用毛材。
  4. 前記単位断面要素のうち少なくとも1つが、他の単位断面要素とは異なる合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシ用毛材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とするブラシ。
  6. 歯ブラシであることを特徴とする請求項5に記載のブラシ。
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