JP2006230543A - ブラシ用毛材およびブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラシに使用した場合に、清掃性、耐久性および触感性に優れ、様々な用途に適用可能なブラシ用毛材およびそれを用いたブラシの提供。
【解決手段】複合繊維からなるブラシ用毛材であって、複合繊維が扁平断面形状を有する一つ以上の扁平芯部と扁平芯部の少なくとも一部を覆う被覆部から構成され、扁平芯部および被覆部は溶媒に対して互いに溶解速度の異なる熱可塑性樹脂からなり、扁平芯部が溶媒に対して溶解しないか、または溶解速度が遅い熱可塑性樹脂、および被覆部が扁平芯部の熱可塑性樹脂よりも溶解速度の速い熱可塑性樹脂からなるとともに、ブラシ用毛材の片端部または両端部において、扁平芯部が被覆部に覆われず露出していることを特徴とするブラシ用毛材。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシに使用した場合の清掃性が高く、耐久性と触感性に優れ、様々な用途に適用可能なブラシ用毛材およびこの毛材を使用したブラシに関するものである。
熱可塑性樹脂からなるブラシ用毛材は、使用するブラシ用途に応じて、その大きさ、形状、素材、その他諸物性など様々なものが存在する。
特に最近では、毛先が先鋭状のブラシ用毛材を使用した各種ブラシが市場に数多く出ており、毛先が尖鋭状であるために狭い隙間の汚れを掻き出しやすく、触感性に優れるなどの理由から、特に歯ブラシ用途に多用されている。
しかしながら、毛先が先鋭状のブラシ用毛材は、毛材と被清掃体との接触面が小さく、また毛先が柔らかいために被清掃体表面の汚れをかき落とす能力が低いといった問題を抱えていた。
この問題に対して、毛先がヘラ状、スクレーパー状またはこれに類する扁平断面形状のブラシ用毛材(例えば、特許文献1〜6参照)を用いたブラシが知られている。しかしこれらのブラシ用毛材の毛先は、主にヤスリやグラインダー等の研磨加工により形成されたものであるため、毛先の形状にバラツキが生じやすく、ブラシに使用した場合には清掃斑が生じやすいこと、研磨加工の結果、毛先が傷ついて割れやすいこと、および毛材が摩耗しやすく耐久性に劣ることなどの問題があった。
また、断面を扁平形状や矩形状にしたブラシ用毛材(例えば、特許文献7参照)が知られている。このブラシ用毛材は、扁平形状または矩形状の孔を有する口金を用いて溶融紡糸したモノフィラメントからなり、毛先を研磨加工する必要がないため、清掃斑や耐久性の低下などの問題はないものの、長径方向に曲がりやすく、短径方向に曲がりにくいといった曲げに対して異方正を有するため、実際にブラシに使用した場合には、極めて触感性に欠けたブラシとなりやすく、その用途も金属表面やプラスチック表面など比較的硬い表面を清掃するブラシに限定され、使用範囲は極めて限られていた。
さらに、ブラシ用毛材には、高い清掃性を持ちつつ、使用するブラシ用途に応じて様々な機能発現が要求される。そのため、全て同一素材で構成されている従来の毛先が扁平断面形状のブラシ用毛材は、例えば、毛先は清掃性が高く、毛材本体は柔軟性・弾力性に優れるなど、用途に応じた特性が発現しにくく、様々な用途に適用可能なブラシを得ることが難しかった。
特開2000−33010号公報 特開2000−139568号公報 特開2000−189251号公報 特開2000−354520号公報 特開2002−360343号公報 特開2004−16284号公報 特開2001−169829号公報
本発明は、上記の従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、ブラシに使用した場合の清掃性が高く、触感性や耐久性に優れ、様々な用途に適用可能なブラシ用毛材およびこの毛材を使用したブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、複合繊維からなるブラシ用毛材であって、複合繊維が扁平断面形状を有する一つ以上の扁平芯部と扁平芯部の少なくとも一部を覆う被覆部とから構成され、扁平芯部および被覆部は溶媒に対して互いに溶解速度の異なる熱可塑性樹脂からなり、扁平芯部が溶媒に対して溶解しないか、または溶解速度が遅い熱可塑性樹脂からなり、被覆部が扁平芯部の熱可塑性樹脂よりも溶解速度の速い熱可塑性樹脂からなるとともに、ブラシ用毛材の片端部または両端部において、扁平芯部が被覆部に覆われず露出していることを特徴とするブラシ用毛材が提供される。
また、本発明においては、
複合繊維の扁平芯部の断面の長径/短径比が1.5〜20の範囲にあること、
ブラシ用毛材の片端部または両端部における扁平芯部の露出長さが、0.2〜5mmの範囲にあること、
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
また、本発明のブラシは上記のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とし、特に上記のブラシ用毛材を歯ブラシに使用した場合は、さらに清掃性、触感性や耐久性を十分に発揮し、様々な用途に適用可能なブラシとなる。
本発明のブラシ用毛材は、毛先が扁平断面形状であるため、被清掃体表面の汚れをかき落とす能力が高く、耐久性と触感性に優れるとともに、毛先と毛材本体の特性がそれぞれ異なるため、様々な用途に適用可能であり、且つ特異的なブラシ用毛材となる。
以下、本発明を図に従って具体的に説明する。
図1は本発明のブラシ用毛材の一例を表したものであり、(i)は斜視図、(ii)は側面図、および(iii)は(ii)のA−A線断面図をそれぞれ示している。そして、1はブラシ用毛材、2は扁平芯部、3は被覆部をそれぞれ示している。
図1に示すように、本発明のブラシ用毛材は繊維軸方向に伸びる扁平断面形状の扁平芯部2および被覆部3から構成される複合繊維からなり、毛材先端部において扁平芯部2が被覆部3に覆われずに露出していることを特徴とする。
本発明のブラシ用毛材を構成する扁平芯部2および被覆部3は、溶媒に対してそれぞれ溶解速度の異なる熱可塑性樹脂からなり、扁平芯部2は溶媒に対して溶解しないか、または溶解速度が遅い熱可塑性樹脂、および被覆部3は扁平芯部2を構成する熱可塑性樹脂よりも溶解速度の速い熱可塑性樹脂からなることが必要である。
そして、本発明のブラシ用毛材は、その毛先を溶媒に浸漬して扁平芯部2の一部および被覆部3、または被覆部3のみを溶解し、扁平芯部2を露出せしめることにより得られる。この溶媒による溶解加工方法を利用すれば、従来の研磨加工による加工方法に比べ、毛先と毛材本体部にそれぞれ特異性を付与することができ、毛先の形状バラツキのほか、ブラシに使用した場合の清掃斑の発生を抑え、毛先の耐久性を十分に維持することができる。
具体的に、扁平芯部2と被覆部3の熱可塑性樹脂の組合せとしては、熱可塑性樹脂であれば特に限定はされないが、溶媒を使用して被覆部3を容易に溶解し、扁平芯部2を露出せしめることができればよく、例えば、次の場合が挙げられる。
すなわち、扁平芯部2がポリアミド系樹脂、被覆部3がポリエステル系樹脂からなる場合は、アルカリ性溶液を使用することで扁平芯部2を露出せしめることができ、扁平芯部2がポリエステル系樹脂、同じく被覆部3がポリアミド系樹脂からなる場合は、酸性溶液を使用することで扁平芯部2を露出せしめることができ、扁平芯部2がポリフェニレンファルファイド樹脂またはフッ素系樹脂からなり、被覆部3がポリエステル系樹脂および/またはポリアミド系樹脂からなる場合は、アルカリ性溶液または酸性溶液を使用することで扁平芯部2を露出せしめることができる。
ここで、上記のポリアミド系樹脂としては、各種ラクタム類の開環重合、各種ジアミン類と各種ジカルボン酸類との重縮合および各種アミノカルボン酸類の重縮合によって得られる各種ポリアミド類、およびこれらの重縮合と開環重合とを組み合わせた共重合ポリアミド類であり、例えば、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ナイロン46、ナイロンMDX6、ナイロン11、ナイロン12、ポリ(カプラミド/ヘキサメチレンアジパミド)共重合体およびポリ(カプラミド/ラウラミド)共重合体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、上記のポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートまたはこれら2種類以上の共重合体またはブレンドをしたものが挙げられ、中でも触感性に優れるとの理由から、ポリブチレンテレフタレートを好ましく使用することができる。
なお、本発明で使用するポリエステル系樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分およびジオール成分を共重合成分として含有せしめることができ、例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびデカリンジカルボン酸などが挙げられ、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族グリコール、o−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどの芳香族グリコール、およびヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジフェノール類などが挙げられるが、これらの中から2種以上を選択して適宜使用することもできる。
さらに、上記のポリフェニレンサルファイド樹脂としては、その構成単位の85モル%以上がp−フェニレンサルファイド単位からなるものが好ましく、15モル%以下の範囲で他の共重合成分を含有させたものでもよい。
さらにまた、上記のフッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレンクロライド・テトラフルオロエチレン共重合体、フルオロビニルエーテルなどが挙げられる。
なお、上記の熱可塑性樹脂には、発明の効果を阻害しない範囲であれば、その目的に応じて、各種無機粒子、各種金属粒子および架橋高分子粒子などの粒子類のほか、公知の抗酸化剤、耐光剤、耐侯剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤および各種強化繊維類などを適宜任意に添加せしめることもできる。
本発明のブラシ用毛材となる複合繊維の断面は、図1の(iii)に示すように扁平芯部2が1つのみではなく、図2の(a)、(b)、(c)に示すように複数個存在していてもよいが、その個数が多くなるほど扁平芯部2が一つ一つ小さくなるため、被清掃体の表面の汚れをかき落とす能力が得られにくい傾向にある。したがって扁平芯部2の個数は1〜5個、さらには1〜3個の範囲が好ましい。
また、本発明のブラシ用毛材となる複合繊維の断面は、図2の(d)、(e)に示すように、扁平芯部2が全て被覆部3で覆われたものでも良く、また図2の(f)に示すように、扁平芯部2がそれぞれ異なる方向に向いていても良く、さらには図2の(g)のように楕円形の扁平芯部2や、図2の(h)に示すように長方形の扁平芯部2と楕円形の扁平芯部2を組み合わせたものであっても良い。このように様々な扁平芯部2を組み合わせることでブラシ毛材として特異的な機能を様々に発現させることも可能である。
さらに、扁平芯部2の断面形状は、長径/短径比が1.5〜20の範囲にあることが好ましく、さらには2〜10の範囲にあることが好ましい。長径/短径比が上記範囲を下回る場合は、触感性に欠けたブラシとやすくなり、逆に、上記範囲を上回る場合は、清掃性と耐久性の低いブラシとなりやすい。
さらにまた、ブラシ用毛材の毛先における扁平芯部2の露出長さが、0.2〜5mmの範囲にあることが好ましく、さらには0.5〜3mmの範囲にあることが好ましい。扁平芯部2の露出長さが上記範囲を下回る場合は、触感性に欠けたブラシとやすくなり、逆に、上記範囲を上回る場合は、清掃性と耐久性に欠けたブラシとなりやすい。
次に、本発明のブラシ用毛材の製造方法について説明する。
本発明のブラシ用毛材となる複合繊維の製造方法については、何ら特殊な製造装置を用いる必要はなく、例えば、公知の複合型溶融紡糸機と複合口金を用いることにより製造することができる。
例えば、扁平芯部2がポリアミド系樹脂、被覆部3がポリエステル系樹脂からなるブラシ用毛材製造するに際しては、ポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂をそれぞれエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、それぞれの熱可塑性樹脂の融点より20〜100℃高い温度で溶融混練し、複合口金孔から熱可塑性樹脂の溶融物を押し出す。
次に、押し出された熱可塑性樹脂溶融物は、冷却浴中で冷却固化した後、90〜200℃の温度条件下で3.5〜6.0倍に加熱延伸し、さらに必要に応じて加熱弛緩処理を施して巻き取られる。
なお、得られた複合繊維には、その繊維軸方向に波形状を付与することもでき、波形状を付与することによりさらに触感性に優れたブラシの取得が期待できる。ここで波形状を付与する方法としては、公知の方法、例えば、1対からなる所定形状のギヤの間に複合繊維を通過させて波形状を付与するなどの方法が挙げられる。
そして、巻き取られた複合繊維はブラシ用途に応じた長さにカットされ、カットされた毛材の片端部または両端部をアルカリ溶液に浸漬し、扁平芯部2を被覆部3から露出せしめる。そして得られたブラシ用毛材は各用途のブラシに使用される。
なお、本発明のブラシ用毛材となる複合繊維の断面形状としては、円形、中空、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドックボーン状、および繭型などが挙げられ、特に円形以外の異形断面形状を有する場合は、ブラシ用毛材を使用した際に、さらに清掃性の高いブラシを取得することができる。
さらに、本発明のブラシ用毛材の表面および/または内部に抗菌作用を有する物質を付着および/または含有せしめることにより、ブラシに抗菌効果を取得することもできる。ここで抗菌作用を有する物質としては、例えば、銀イオンを担持させたリン酸塩系、ゼオライト系、ヒドロキシアパタイト系抗菌剤のほか、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル産亜鉛、ギ酸亜鉛などの亜鉛化合物、ベンゼトニウム、ベンザルコニウム、セチルピリジウム、クロルヘキシジンなどのカチオン系抗菌剤、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレートなどの茶カテキン、アナターゼ型またはルチル型二酸化チタンなどの光触媒などが挙げられる。
以上、説明したとおり、本発明のブラシ用毛材は、毛先が扁平断面形状であるため、被清掃体表面の汚れをかき落とす能力が高く、耐久性と触感性に優れるとともに、毛先と毛材本体の特性がそれぞれ異なるため、歯ブラシの他、ボディブラシ、クリーニングブラシなどの各種清掃用ブラシなど、様々な用途に適用可能で、且つ特異的なブラシ用毛材となる。
例えば、扁平芯部2にポリアミド系樹脂、被覆部3にポリエステル系樹脂を使用した場合は、毛先が柔軟で、毛材本体に弾力性を有するブラシ用毛材となり、扁平芯部2にポリエステル系樹脂、被覆部3にポリアミド系樹脂を使用した場合は、毛先が硬く、毛材本体に柔軟性を有するブラシ用毛材となり、扁平芯部2にポリフェニレンサルファイド樹脂、被覆部3にポリアミド系樹脂を使用した場合は、さらに毛先が硬く、毛材本体に柔軟性を有するブラシ用毛材となり、扁平芯部2にポリフェニレンサルファイド樹脂、被覆部3にポリエステル系樹脂を使用した場合は、毛先が硬く、毛材本体に弾力性を有するブラシ用毛材となる。
特に本発明のブラシ用毛材を歯ブラシに使用した場合には、歯の表面の歯垢をかき落とし、清掃性の高い歯ブラシが得られるばかりか、毛先が歯茎に接触しやすく、毛先の形状バラツキがないために、歯茎を傷付けず、さらにマッサージ効果も期待でき、歯槽膿漏予防ができる。
以下、本発明のブラシ用毛材について、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例においては、ブラシ用毛材を歯ブラシとして使用し、ブラシ用毛材の諸物性および歯ブラシの実用評価については以下の通り行った。
また、各評価で使用した歯ブラシは、実施例および比較例で得られたブラシ用毛材を、植毛域9mm×22mmに34箇所の植毛孔を有するABS製基台に、20本/孔、且つ毛丈10mmとなるように植毛したものである。
[扁平芯部の断面の長径/短径比]
得られた複合繊維試料をミクロトームで輪切りにし、その切片の断面を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して長径と短径を測定した。そして、測定したそれぞれの値から長径/短径比を求めた。
[扁平芯部の露出長さ]
得られたブラシ用毛材の毛先を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して観察し、扁平芯部の露出長さを測定した。
[清掃性]
10mm立方のアクリル板の上表面に歯垢染色液(プラークチェック液)を均一に付着させ、作成したブラシを使用して、アクリル板上表面を、垂直荷重350g、振幅長30mm、且つ振幅速度180往復/分の条件でブラッシングを行い、0.5分毎清掃面を観察しながら、歯垢染色液が完全に除去された時間を測定した。この時間が短いほど清掃性に優れていることを示す。
[耐久性]
摺動面が波形状のステンレス板に垂直荷重500gでブラシを接触させながらブラシを振幅長30mm、且つ振幅速度180往復/分の条件で摺動運動させ、500回毎毛先の状態を観察し、毛先に割れや摩耗発生した時の摺動回数を耐久性評価の値とした。この回数が大きいほど耐久性に優れることを示す。
[触感性]
15名のモニターにブラシの触感性について、次の5段階で評価してもらった。
1・・・毛先の当たり方が極めて良好で、歯茎への感触も優れていた、
2・・・毛先の当たり方が良く、触感も良好であった、
3・・・毛先の当たり方に問題はなく、刺激もなかった、
4・・・毛先の当たり方が悪く、やや刺激が残った、
5・・・毛先の当たり方が非常に悪く、強い刺激を感じた。
〔実施例1〕
扁平芯部にナイロン610樹脂(東レ(株)社製 M2001、以下、N610と言う)、被覆部にポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)社製 T250M、以下、PETと言う)を使用し、各樹脂を公知の複合型溶融紡糸機に供給して溶融混練し、複合紡糸口金から各樹脂の溶融物を押し出し、溶融物を冷却固化して未延伸を得た。その後、巻き取ることなく、温水浴および乾熱熱風浴中で5.5倍に加熱延伸し、さらに乾熱熱風浴中で0.98倍に加熱弛緩処理を施すことによって、図1の(iii)に示す断面形状を有し、且つ直径約190μm、扁平芯部の断面の長径/短径比が5となる複合繊維を製糸し、一端巻き取った。
そして巻き取られた複合繊維を複数本に束ね、毛材の全長が31mmになるように複合繊維の束をカットした後、カットした両面を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、扁平芯部の露出長さが約0.6mmになるように露出せしめた。
こうして得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例2〕
被覆部にポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)社製 M1200S、以下、PBTと言う)を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を得た。そして、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
図2の(e)に示す断面形状を有し、且つ直径約190μm、扁平芯部の断面の長径/短径比が5となる複合繊維を製糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を得た。そして、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例4〕
図2の(e)に示す断面形状を有し、且つ直径約190μm、扁平芯部の断面の長径/短径比が12となる複合繊維を製糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を得た。そして、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例5〕
扁平芯部の露出長さが約3.5mmになるように露出せしめたこと以外は実施例3と同じ条件でブラシ用毛材を得た。そして、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例6〜9〕
扁平芯部にポリフェニレンサルファイド樹脂(東レ(株)社製 E2080、以下、PPSと言う)、PET、PBTまたはポリフッ化ビニリデン樹脂(ソルベイソレクシス社製 1012、以下、PVDFと言う)、被覆部にナイロン6樹脂(東レ(株)社製 M1021T、以下、N6と言う)を使用し、蟻酸水溶液を用いて扁平芯部を露出せしめたこと以外は実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を得た。そして、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
PBTをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給して溶融混練し、紡糸口金からPBTの溶融物を押し出し、溶融物を冷却固化して未延伸を得た。その後、巻き取ることなく、温水浴および乾熱熱風浴中で5.5倍に加熱延伸し、さらに乾熱熱風浴中で0.98倍に加熱弛緩処理を施すことによって、直径約190μmの丸断面繊維を製糸し、一端巻き取った。
次に巻き取られた丸断面繊維を複数本に束ね、毛材の全長が31mmになるように複合繊維の束をカットした後、カットした両面を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、毛先が尖鋭状になるように加工した。
そして得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例2〕
比較例1で得られたブラシの毛先を1000のヤスリで研磨し、毛先をヘラ状に加工した。得られたブラシの評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
PBTをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給して溶融混練し、紡糸口金からPBTの溶融物を押し出し、溶融物を冷却固化して未延伸を得た。その後、巻き取ることなく、温水浴および乾熱熱風浴中で5.5倍に加熱延伸し、さらに乾熱熱風浴中で0.98倍に加熱弛緩処理を施すことによって、長径約190μm、短径約40μmの扁平断面繊維を製糸し、一端巻き取った。
次に巻き取られた扁平断面繊維を複数本に束ね、毛材の全長が31mmになるように扁平断面繊維の束をカットし、得られたブラシ用毛材を使用してブラシを作成した。得られたブラシの評価結果を表1に示す。
Figure 2006230543
表1から明らかなように、本発明の条件を満たすブラシ用毛材(実施例1〜9)は、ブラシに使用した場合、被清掃体表面の汚れをかき落とす能力が高く、清掃斑も発生しないなど清掃性に優れるとともに、毛先の耐久性と触感性に優れたものであった。
また、扁平芯部と被覆部の素材を変えることで様々な特徴を発現することができ、例えば、扁平芯部にN610、被覆部にPETを使用した場合(実施例1)は、毛先が柔軟で、毛材本体に弾力性を有するため、触感性に優れたブラシとなり、扁平芯部にN610、被覆部にPBTを使用した場合(実施例2)は、実施例1よりも毛材本体に柔軟性を有するため、さらに触感性に優れたブラシとなり、扁平芯部にPET、被覆部にN6を使用した場合(実施例7)は、実施例2よりも毛先が硬いために、さらに清掃性に優れたブラシとなり、扁平芯部にPPS、被覆部にN6を使用した場合(実施例6)は、実施例7よりも毛先が硬いために、さらに清掃性の優れたブラシとなる。
そして、扁平芯部の断面の長径/短径比、個数、および露出長さを適宜変えた場合(実施例3〜5)は、さらに触感性に優れたブラシとなる。
これに対し、本発明の条件を満たさない場合(比較例1〜3)は、清掃性、耐久性および触感性のいずれかが欠けたブラシ用毛材となり、例えば、毛先が扁平断面形状でなく、先鋭状にした場合(比較例1)は、毛先と被清掃体との接触面積が小さいために清掃性に欠けたブラシ用毛材となり、毛先を研磨加工して扁平断面形状に加工した場合は(比較例2)は、毛先の扁平断面形状にバラツキが生じ、清掃性、耐久性、さらには触感性に欠けたブラシ用毛材となり、断面を扁平形状にした場合(比較例3)は、曲げに対して異方正を有するため触感性に欠けたブラシ用毛材となる。
本発明のブラシ用毛材は、毛先が扁平断面形状であるため、被清掃体表面の汚れをかき落とす能力が高く、耐久性と触感性に優れるとともに、毛先と毛材本体の特性がそれぞれ異なるため、歯ブラシの他、ボディブラシ、クリーニングブラシなどの各種清掃用ブラシなど、様々な用途に適用可能で、且つ特異的なブラシ用毛材となる。
図1の(i)〜(iii)は、それぞれ本発明のブラシ用毛材の一例を示す斜視図、側面図、および(ii)のA−A線断面図である。 図2の(a)〜(h)は本発明のブラシ用毛材となる複合繊維の断面図である。
符号の説明
1 ブラシ用毛材
2 扁平芯部
3 被覆部

Claims (5)

  1. 複合繊維からなるブラシ用毛材であって、複合繊維が扁平断面形状を有する一つ以上の扁平芯部と扁平芯部の少なくとも一部を覆う被覆部とから構成され、扁平芯部および被覆部は溶媒に対して互いに溶解速度の異なる熱可塑性樹脂からなり、扁平芯部が溶媒に対して溶解しないか、または溶解速度が遅い熱可塑性樹脂からなり、被覆部が扁平芯部の熱可塑性樹脂よりも溶解速度の速い熱可塑性樹脂からなるとともに、ブラシ用毛材の片端部または両端部において、扁平芯部が被覆部に覆われず露出していることを特徴とするブラシ用毛材。
  2. 前記複合繊維の扁平芯部の断面の長径/短径比が1.5〜20の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のブラシ用毛材。
  3. 前記ブラシ用毛材の片端部または両端部における扁平芯部の露出長さが、0.2〜5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシ用毛材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とするブラシ。
  5. 歯ブラシであることを特徴とする請求項4に記載のブラシ。
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