JP2006136524A - ブラシ用毛材およびブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、高い清掃性と耐久性を兼ね備えたブラシ用毛材およびこの毛材を用いたブラシを提供する。
【解決手段】芯部の繊維軸と垂直方向の断面形状が、外周長Tと外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.20〜2.50の範囲の異形断面である芯鞘複合モノフィラメントからなり、その少なくとも片方の先端部において、芯部4が鞘部5に覆われずに露出していることを特徴とするブラシ用毛材。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、高い清掃性と耐久性とを兼ね備えたブラシ用毛材およびこの毛材を用いたブラシに関するものである。
歯ブラシ、化粧ブラシ、ボディブラシなどに使用するブラシ用毛材としては、従来から合成樹脂製モノフィラメントからなる毛材が広く使用されている。特に、ポリアミド系樹脂は、適度な硬さと回復性を有しており、中でも特にナイロン610やナイロン612は、吸湿しにくいために弾性変化も小さいという特性を活かして、ブラシ毛材としてよく使用されている。
また、ポリエステル系樹脂も、吸湿による弾性変化がなく、耐久性にも優れることからブラシ用毛材に使用されており、特にポリブチレンテレフタレートは、柔軟性に優れるという特性を活かして、歯ブラシ用毛材としてよく使用されている。
さらに、近年では、清掃性の向上などを目的として、様々な加工を施されたブラシ用毛材が使用されており、例えば、ポリエステル系樹脂からなるブラシ用毛材の先端部を、アルカリ液などを使用して溶解し、先鋭状に加工することにより、狭い隙間部分をも清掃できるようにしたブラシ用毛材や、芯鞘複合構造の毛材の先端部において芯部のみ露出させたブラシ用毛材などがその例である。
中でも芯鞘複合構造のブラシ用毛材は、芯部と鞘部に互いに異なる合成樹脂を使用することにより、清掃性のほか、柔軟性などの特性を付与できることから、特に注目されている。
例えば、異なる樹脂を使用した2層以上の多重芯構造フィラメントからなり、その毛材の先端部分をテーパー状に加工するとともに、テーパー部に段差部を形成した歯ブラシ用毛材(例えば、特許文献1参照)が知られている。しかしながら、この歯ブラシ用毛材を使用した歯ブラシは、テーパー状の毛先が歯の狭い隙間部分に入りやすく、ソフトな触感が得られるなどの効果が得られるものの、毛先が柔らかすぎるために汚れを掻き出す力が弱く、さらに使用を繰り返すうちに芯部と鞘部が剥離し易くなることから、清掃性と耐久性に欠けるという問題があった。
特開2003−169718号公報
本発明は、上記の従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明の目的は、ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、高い清掃性と耐久性を兼ね備えたブラシ用毛材およびこの毛材を用いたブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、芯部の繊維軸と垂直方向の断面形状が、外周長Tと外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.20〜2.50の範囲の異形断面である芯鞘複合モノフィラメントからなり、その少なくとも片方の先端部において、芯部が鞘部に覆われずに露出していることを特徴とするブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明のブラシ用毛材においては、
前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部を構成する成分がポリアミド系樹脂であり、かつ鞘部を構成する成分がポリエステル系樹脂であること、
前記露出した芯部の長さが0.5〜6mmの範囲にあること、および
前記芯鞘複合モノフィラメントの直径が0.07〜0.30mmの範囲であり、かつ繊維軸と垂直方向の断面における芯部/鞘部の断面積比が20/80〜80/20の範囲にあること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことによりさらに好ましい効果を取得することができる。
また、本発明のブラシは、前記ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする。
本発明によれば、以下に説明するとおり、ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、狭い隙間に毛先が入りやすく、汚れを掻き出しやすいなどの清掃性に優れ、芯部と鞘部との剥離に強く、毛材が広がりにくいなどの耐久性に優れたブラシ用毛材が得られる。
そして、本発明のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したブラシ、例えば歯ブラシ、化粧ブラシおよびボディブラシなどは、上記の特性を十分に発揮するものである。
以下に本発明のブラシ用毛材について図面にしたがって詳細に説明する。
図1は本発明のブラシ用毛材の一例を示した拡大側面図である。図1の1はブラシ用毛材、2は先端部、3は本体部、Hは先端部2の長さ、Dはブラシ用毛材1の直径をそれぞれ示している。そして、ブラシ用毛材1は芯鞘複合モノフィラメントからなり、先端部2は芯鞘複合モノフィラメントの芯部が鞘部に覆われずに露出した部分から構成されている。
図2の(a)〜(c)は、本発明の条件を満たすブラシ用毛材1を、図1のI−Iにおいて切断した場合の断面を表した断面図であり、図2の4は芯部、5は鞘部、実線Tは芯部4の断面形状の外周長、波線Lは芯部4の断面形状に外接する円の円周長をそれぞれ示している。
図3の(d)〜(f)は、本発明の条件を満たさないブラシ用毛材1を、図2の(a)〜(c)と同じように見た場合の断面を表した断面図であり、同じく4は芯部、5は鞘部、実線Tは芯部4の断面形状の外周長、波線Lは芯部4の断面形状に外接する円の円周長をそれぞれ示している。
本発明のブラシ用毛材をブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、高い清掃性と耐久性を兼ね備えた毛材を得るためには、図1に示すように、ブラシ用毛材1が芯鞘複合モノフィラメントからなり、このブラシ用毛材の少なくとも片方の先端部2が、鞘部5に覆われずに露出している芯部4から構成されるとともに、図2の(a)〜(c)に示すように、芯部4の繊維軸と垂直方向の断面形状が、外周長Tと外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.20〜2.50の範囲の異形断面であることが必要であり、さらには、T/Lの値が1.30〜2.30の範囲となる異形断面であることが好ましい。
毛材の少なくとも片方にある先端部2において、芯部4が鞘部5に覆われておらず露出していない場合は、ブラシとして使用した場合に、狭い隙間に先端部2が入り込みにくくなり、十分な清掃性が得られなくなるばかりか、優れた感触が得られにくくなるため好ましくない。
また、繊維軸と垂直方向の芯部4の断面形状は、丸形以外の異形断面であれば特に限定はされないが、T/Lの値が上記の範囲を下回る場合(例えば、図3の(d)や(e))は、清掃性の欠ける毛材となりやすくなるばかりか、芯部4と鞘部5との接着が弱く剥離しやすくなる傾向となるため好ましくない。逆に、T/Lの値が上記の範囲を上回る場合(例えば、図3の(f))は、ブラシとして使用した場合に、芯部4と鞘部5との剥離こそ強いものの、芯部4の繊度が小さくなるために先端部2が折れ曲がりやすくなり、使用を繰り返していくうちに毛材が広がりやすくなるばかりか、アルカリ液などを使用して鞘部5を溶解する際に、芯部4の凹部分に鞘部5を構成する合成樹脂が溶解せずに残りやすい傾向となり、その結果芯部4が露出しにくくなるため好ましくない。
したがって、上記のように構成することにより、芯部4がその断面に適度な凹凸部を有し、ブラシ用毛材1の先端に露出した先端部2の側面にも適度な凹凸状態が保持されるため、ブラシとして使用した場合には、高い清掃性が得られるばかりか、芯部4と鞘部5との接触面積が拡大するため、剥離耐久性に強いブラシ用毛材が得られるのである。
次に、本発明のブラシ用毛材1の芯部4と鞘部5を構成する成分については特に限定されず、芯鞘複合紡糸が可能な熱可塑性の合成樹脂から任意に選択することができるが、芯部4の構成成分としては、適度な硬さと回復性を有するナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、およびこれら共重合などのポリアミド系樹脂を好ましく使用することができ、中でも吸湿しにくいために弾性変化も小さいナイロン610やナイロン612を好ましく使用することが出きる。
一方、鞘部5の構成成分としては、吸湿による弾性変化がなく耐久性にも優れ、アルカリ液などに容易に溶解するポリエステル系樹脂を好ましく使用することができ、中でもブラシとしての柔軟性に優れるポリブチレンテレフタレートを好ましく使用することができる。
なお、芯部4および鞘部5を構成する合成樹脂には、本発明が意図する効果を阻害しない限り、耐熱剤、耐候剤、耐光剤、酸化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、着色剤および可塑剤などの添加剤を任意に含有せしめることもできる。
さらに、本発明のブラシ用毛材1においては、先端部2の長さHが0.5〜6mm、好ましくは1〜5mmの範囲にあることが好ましい。Hの値が上記範囲を下回る場合は、ブラシとして使用した際に、毛材先端部2が隙間に十分入り込めず、清掃性が低下しやすくなるばかりか、毛材先端部2の毛腰が高くなるため、優れた感触が得られにくくなるため好ましくない。逆に、Hの値が上記の範囲を上回る場合は、ブラシとして使用した際に、良好な感触は得られるものの、先端部2が折れ曲がりやすくなり、清掃性の低下の原因を招くことになるため好ましくない。
さらにまた、ブラシ用毛材1の本体部3の直径Dは、使用するブラシ用途によって適宣選択され、特に限定されないが、ブラシとして使用した場合の感触と清掃性のバランスから、0.07〜0.30mm、さらには、0.10〜0.25mmの範囲にすることが好ましい。なお、ブラシ用毛材1の本体部3の繊維軸と垂直方向の断面形状については、上述のとおり、芯部4の断面形状が丸形以外の形状で、かつT/Lの値が上記の範囲内であればいかなる形状であってもよく、例えば、丸形、楕円形、多葉形、多角形、連円形などから、使用するブラシ用途に応じて適宜選択することができる。
上記の条件のほか、本発明のブラシ用毛材1の繊維軸と垂直方向の断面における芯部4と鞘部5の断面積比は、20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/30の範囲にあることが望ましい。芯部の断面積比が上記の範囲を下回る場合は、ブラシとして使用した際に、優れた感触が得られるものの、芯部4の繊度が小さくなるために、毛材先端部2の折れ曲がりやブラシ用毛材1の広がりのほか、汚れを掻き出す力も低下しやすくなり、さらにはブラシ用毛材1の束がまとまりにくくなるため好ましくない。逆に、芯部の断面積比が上記の範囲を上回る場合は、ブラシとして使用した際に、狭い隙間に毛材先端部2が入り込めず、清掃性が得られにくくなるばかりか、優れた感触も得られにくくなる傾向となるため好ましくない。
次に、本発明のブラシ用毛材1の製造方法について説明する。
本発明のブラシ用毛材1は、例えば、芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸して得た後、芯鞘複合モノフィラメントをブラシ用途に応じた長さにカットし、カットした芯鞘複合モノフィラメントの少なくとも片方の先端部において、酸やアルカリなどによる溶解法や研磨処理法により、芯部4を露出せしめることによって得ることができる。
具体的に、芯部4がポリアミド系樹脂、鞘部5がポリエステル系樹脂からなるブラシ用毛材1の製造方法を例に挙げるならば、まず、公知の芯鞘複合型溶融紡糸機の芯部4形成側にポリアミド樹脂、鞘部5形成側にポリエステル樹脂を供給し、紡糸機内で溶融混練した後、芯鞘複合口金孔から溶融状態の合成樹脂を共押し出し、冷却浴に導いて冷却固化する。次に、冷却固化した芯鞘複合モノフィラメンの未延伸糸を所望の倍率で加熱延伸し、さらに必要に応じて熱セットし、一旦束状に巻き取る。
そして、巻き取られた芯鞘複合モノフィラメンをブラシ用途に応じた長さにカットし、カットした芯鞘複合モノフィラメントの少なくとも片方の先端部を水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ液に浸漬し、鞘部5を溶解して芯部4を露出させる。なお、アルカリ液に浸漬させる際には、アルカリ液濃度、アルカリ液温度、浸漬深さおよび浸漬時間などを適宣調整することにより、芯部4の露出長さHを変えることができる。また、上述のとおり、芯部4の露出方法としては、研磨処理による方法も挙げられるが、芯部4の形状を崩すことなく、本発明が意図するブラシ用毛材1の形状を得るためには、酸またはアルカリなどによる溶解法が好ましい。
本発明のブラシは、上記のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したものであるが、その製造方法は従来公知の方法を適用することができ、例えば本発明のブラシ用毛材の複数本または本発明のブラシ用毛材と他のブラシ用毛材とを合わせた複数本を束ね、これを基台の植毛孔に、露出した芯部4からなる先端部3が毛先側となるようにして植毛することにより、製造することができる。
そして、本発明のブラシは、歯ブラシ、化粧ブラシおよびボディブラシ以外にも、クリーニングブラシ、ペイントブラシ、各種洗浄ブラシ用途などの各種ブラシ分野へ幅広く応用することができる。
かくしてなる本発明のブラシ用毛材1は、ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、狭い隙間に毛先が入りやすく、汚れを掻き出しやすいなどの清掃性に優れ、芯部4と鞘部5との剥離に強く、ブラシ用毛材1が広がりにくいなどの耐久性に優れたものである。
そして、本発明のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したブラシ、例えば歯ブラシ、化粧ブラシおよびボディブラシなどは、上記の特性を十分に発揮するものである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、実施例における毛材の評価は次の方法により行った。
なお、以下に記載する評価用の歯ブラシは、実施例および比較例で得られたブラシ用毛材を、植毛域9mm×22mmに34箇所の植毛孔を有する歯ブラシ用基台に、20本/孔、かつ毛丈10mmとなるように植毛したものである。
[芯部の外周長T、外接円周長L、およびT/L]
得られた芯鞘複合モノフィラメント試料をミクロトームで輪切りにし、その切片の断面を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lを測定した。そして、測定したそれぞれの値からT/Lの値を計算して求めた。
[清掃性]
10mm立方のアクリル板の上表面に幅1mm、高さ3mmの溝を設けた擬似歯モデルを作成し、溝の内表面も含め、アクリル板上表面一体に歯垢染色液(プラークチェック液)を均一に付着させた。そして、作成した歯ブラシを使用して、アクリル板上表面を、垂直荷重350g、振幅長30mm、かつ振幅速度180往復/分の条件で3分間ブラッシングを行い、その後、ブラッシングにより歯垢染色液が除去された部分の面積を、(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して測定し、その面積をブラッシング前の歯垢染色液付着総面積に対する百分率(%)で表すことにより、評価値とした。この評価値が大きいほど清掃性に優れていることを示す。
[剥離性]
上記の清掃性における評価と同じ条件、かつ擬似歯モデルを使用して、2時間ブラッシングを行ない、その後、歯ブラシ毛材を観察し、芯部と鞘部の剥離の有無を目視で判定した。
[毛材の広がり易さ]
上記の清掃性における評価と同じ条件、かつ擬似歯モデルを使用して、2時間ブラッシングを行ない、その後、歯ブラシの毛材植毛幅を測定し、その幅をブラッシング前の植毛幅に対する百分率(%)で表し、評価値とした。この評価値が小さいほど広がりにくい毛材であることを示す。
[毛材の感触]
15名のモニターに歯ブラシを実際に使用してもらい、使用時の毛材の感触について次の5段階で評価を行った。
1・・・毛先の歯や歯茎への当たりが硬く、歯茎に強い刺激を感じた、
2・・・毛先の歯や歯茎への当たりがやや硬く、歯茎への刺激がやや残った、
3・・・毛先の歯や歯茎への当たりに問題はなく、歯茎への刺激もなかった、
4・・・毛先の歯や歯茎への当たりが良く、歯茎への触感も良好であった、
5・・・毛先の歯や歯茎への当たりが極めて良好で、歯茎への感触も優れていた。
[実施例1]
芯成分にナイロン610樹脂(東レ(株)社製 M2001、以下、N610と言う)、鞘成分にポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)社製 1200S、以下、PBTと言う)を使用し、芯鞘複合紡糸機に供給、溶融混練した後、芯部の断面形状が図2(b)となる芯鞘複合口金孔から両方の樹脂を共押し出し、引き続き冷却、延伸、熱セツトすることにより、直径Dが0.200mm、芯鞘断面積比が50/50、芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが1.30の芯鞘型複合モノフィラメントを得た。
次に、得られた芯鞘複合型モノフィラメントを直径50mm、長さ28mmの繊維束した後、毛材先端部の長さHが2mmとなるようにアルカリ溶解法で芯鞘複合モノフィラメントの両端の鞘部を減量加工し、芯部を露出させることにより、ブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[実施例2]
芯成分にナイロン612樹脂(ダイセルヒュルス(株)社製 D14、以下、N612と言う)を使用し、芯部の断面形状が図2(c)となる芯鞘複合口金を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが2.00の芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[実施例3]
芯部の断面形状が図2(a)となる芯鞘複合口金を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが1.40の芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[実施例4]
芯鞘断面積比を30/70したこと以外は、実施例3と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[実施例5]
毛材先端部の長さHが6mmとなるように芯鞘複合モノフィラメントの両端の鞘部を減量加工し、芯部を露出させたこと以外は、実施例3と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[実施例6]
芯成分にナイロン6樹脂(東レ(株)社製 M1021T、以下、N6と言う)を使用したこと以外は、実施例3と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[比較例1]
芯部の断面形状が図3(d)となる芯鞘複合口金を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが1.00の芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[比較例2]
芯部の断面形状が図3(e)となる芯鞘複合口金を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが0.95の芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[比較例3]
芯部の断面形状が図3(f)となる芯鞘複合口金を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが2.80の芯鞘複合モノフィラメントを溶融紡糸したこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
[比較例4]
アルカリ溶解法を行わず、毛材先端部に芯部を露出させなかったこと以外は、実施例3と同じ条件でブラシ用毛材を作成した。そして、得られたブラシ用毛材を歯ブラシとして植毛し、各評価を行った。
上記の各実施例および比較例で得られた歯ブラシについての評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2006136524
表1の結果から明らかなように、本発明のブラシ用毛材を植毛してなる歯ブラシ(実施例1〜6)は、優れた感触が得られるとともに、高い清掃性と耐久性を兼ね備えたものであった。
これに対し、本発明の条件を満たさないブラシ用毛材を植毛してなる歯ブラシ(比較例1〜4)は、感触、清掃性、耐久性のいずれかが実施例に比べ劣るものであり、例えば、芯部が丸形断面のブラシ用毛材を使用した比較例1の歯ブラシは、清掃性に欠けるとともに、芯部と鞘部が剥離しやすく、芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが1.20を下回るブラシ用毛材を使用した比較例2の歯ブラシも、清掃性に欠けるとともに、芯部と鞘部が剥離しやすく、逆に、芯部の外周長Tと外接円周長Lの比T/Lが2.50を上回るブラシ用毛材を使用した比較例3の歯ブラシは、毛材が広がりやすいため清掃性に欠け、さらに毛材先端部において芯部が露出していないブラシ用毛材を使用した比較例4の歯ブラシは、清掃性と感触に欠けるものであった。
本発明のブラシ用毛材は、ブラシとして使用した場合に、優れた感触が得られるとともに、狭い隙間に毛先が入りやすく、汚れを掻き出しやすいなどの清掃性に優れ、芯部と鞘部との剥離に強く、毛材が広がりにくいなどの耐久性に優れたものであるから、このブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用した歯ブラシ、化粧ブラシおよびボディブラシなどのブラシにおいては、これらの効果が余りなく発揮される。また、本発明のブラシ用毛材は、上記ブラシのほか、クリーニングブラシ、ペイントブラシ、各種洗浄ブラシ用途などの各種ブラシ分野へ幅広く応用することができるものである。
本発明のブラシ用毛材の一例を示す拡大側面図。 本発明の条件を満たすブラシ用毛材の繊維軸と垂直方向の断面図。 本発明の条件を満たさないブラシ用毛材の繊維軸と垂直方向の断面図。
符号の説明
1 ブラシ用毛材
2 先端部
3 本体部
4 芯部
5 鞘部
H 先端部の長さ(mm)
D 本体部の直径(mm)
T 芯部の断面形状の外周長(mm)
L 芯部の断面形状に外接する円の円周長(mm)

Claims (5)

  1. 芯部の繊維軸と垂直方向の断面形状が、外周長Tと外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.20〜2.50の範囲の異形断面である芯鞘複合モノフィラメントからなり、その少なくとも片方の先端部において、芯部が鞘部に覆われずに露出していることを特徴とするブラシ用毛材。
  2. 前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部を構成する成分がポリアミド系樹脂であり、かつ鞘部を構成する成分がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のブラシ用毛材。
  3. 前記露出した芯部の長さが0.5〜6mmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のブラシ用毛材。
  4. 前記芯鞘複合モノフィラメントの直径が0.07〜0.30mmの範囲であり、かつ繊維軸と垂直方向の断面における芯部/鞘部の断面積比が20/80〜80/20の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシ用毛材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用したことを特徴とするブラシ。
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