JP2011218088A

JP2011218088A - ブラシ用毛材およびブラシ

Info

Publication number: JP2011218088A
Application number: JP2010093186A
Authority: JP
Inventors: Isao Tanaka; 庸田中
Original assignee: Toray Monofilament Co Ltd
Current assignee: Toray Monofilament Co Ltd
Priority date: 2010-04-14
Filing date: 2010-04-14
Publication date: 2011-11-04

Abstract

【課題】耐久性および清掃性に優れると共に、使用感にも優れたブラシ用毛材およびブラシを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂製モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記モノフィラメントは、ナイロン樹脂からなる海部と、ナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる３〜５個の異形断面島部との海島複合構造を有しており、かつ前記カットブリッスルの少なくとも一端では、前記海部から前記異形断面島部が外部へ突出していることを特徴とするブラシ用毛材。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性および清掃性に優れると共に、使用感にも優れたブラシ用毛材およびこのブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したブラシに関するものである。

従来、合成樹脂製のブラシ用毛材、特に歯ブラシ用毛材においては、歯間部や歯頸部、小窩裂溝等は歯垢が堆積しやすく、しかも堆積した歯垢の除去が困難であることから、これら口腔内細部が効果的に清掃できる歯ブラシが求められている。

これら口腔内細部の清掃を目的とした歯ブラシとしては、先端にテーパー加工を施した毛材を植毛した歯ブラシ（例えば、特許文献１参照）が提案されているが、この歯ブラシは毛材が先細であるため、毛材先端を口腔内細部に挿入しやすいという利点がある反面、比較的鋭利な先端構造を有するため、毛材により歯肉を傷つけたり痛みを感じさせたりする欠点があった。また、毛材をブラシ基台に植毛した場合に、植毛部の毛腰は問題無いが、毛材先端方向に向かうと先細状態になっていることから、毛腰の低下に加えて清掃対象部位に対して毛材先端部が接触する合計面積が少ないことから、刷掃力が弱く、必ずしも満足行く歯垢除去効果が得られないという問題もあった。

また、易溶解成分を含むポリマーの混合体を溶融紡糸機にて紡糸し、得られたモノフィラメントをハンドルに植毛した後、このモノフィラメントの先端部を苛性ソーダ水溶液等の加水分解薬剤に浸漬して浸食させることにより、先端がランダムに分割した複合モノフィラメントからなる毛材（例えば、特許文献２参照）が提案されているが、これら先端を複数本化した複合モノフィラメントを毛材に使用したブラシは、被清掃物との接触が先端細毛で行われるため、触感が柔らかく被清掃物を傷つけることなく、しかも先端以外は全体が一本化したモノフィラメントであるため、適度な毛腰も発揮できるという一般的な効果が得られるが、易溶解成分の溶解により先端が複数の繊維に分割しているため、毛材の本体となるモノフィラメントの本数や直径の制御が困難になるばかりか、使用途上で分割部分の根元が裂けて当初の毛腰が得られなくなるという問題があった。

さらに、ポリエステル樹脂製の海部の中にポリアミド樹脂製の２〜５個の島部を散在させた海島型複合繊維が植毛台に植毛され、植毛された海島型複合繊維は植毛基部から一定の長さにわたり島部と海部からなる複合部を有し、それより先端側については島部のみ露出させて３〜５本の芯糸が所定長形成され、複合部の端部側所定範囲にテーパー加工が施してある海島型複合繊維を毛材に使用した歯ブラシ（例えば、特許文献３参照）が提案されているが、この場合にも先に述べた技術と同様に、島部の触感が柔らかく、歯肉への触感が柔らかく歯肉を傷つける、痛みを感じさせないものではあるものの、使用途上で端部側に形成されたテーパー加工部は先細状態となり、毛腰の低下に加えて、端部の耐久性が低下すると共に、分割の根元が裂けて更に毛腰が低下するという問題があり、歯間部や歯頸部、小窩裂溝等の口腔内細部の清掃を目的とした歯ブラシとしての使用は困難という問題点があった。

特許第３１４５２１３号公報特開平７−２３１８１３号公報特開平９−３２２８２１号公報

本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。

したがって、本発明の目的は、従来の海島複合繊維からなるブラシ用毛材に比べて、耐久性および清掃性に優れると共に、使用感にも優れたブラシ用毛材およびこのブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したブラシを提供することにある。

上記目的を達成するために本発明によれば、熱可塑性樹脂製モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記モノフィラメントは、ナイロン樹脂からなる海部と、ナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる３〜５個の異形断面島部との海島複合構造を有しており、かつ前記カットブリッスルの少なくとも一端では、前記海部から前記異形断面島部が外部へ突出していることを特徴とするブラシ用毛材が提供される。

なお、本発明のブラシ用毛材おいては、前記異形断面島部を構成するナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートから選ばれた少なくとも一種のポリエステル系樹脂であることが、好ましい条件として挙げられ、この条件を満たした場合には、さらに優れた性能を発揮する。

また、本発明のブラシ製品は、前記ブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したことを特徴とする。

本発明によれば、以下に説明するとおり、従来の海島複合繊維からなるブリッスルの先端から島部が露出したブラシ用毛材に比べて、耐久性および清掃性に優れると共に、使用感にも優れたブラシ用毛材およびこのブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したブラシを得ることができる。

図１（ａ）は本発明のブラシ用毛材の一例を示した側面図であり、図１（ｂ）はブラシ用毛材１を構成する海島複合モノフィラメントからなるブリッスルの一例を示した側面図であり、図１（ｃ）〜（ｈ）はブラシ用毛材１の繊維軸方向に垂直に切断した断面（Ｘ−Ｘ′）拡大図の数例を示したものである。

以下、本発明のブラシ用毛材について図面に従って説明する。

図１（ａ）は本発明のブラシ用毛材の一例を示した側面図であり、１はブラシ用毛材、２は島部、３は海部を示す。図１（ｂ）は海島複合モノフィラメントからなるブリッスルの側面図であり、４は海島複合モノフィラメントからなるブリッスルを示す。図１（ｃ）〜（ｈ）はブラシ用毛材１の繊維軸方向に垂直に切断した断面（Ｘ−Ｘ′）拡大図の数例を示す。

すなわち、本発明のブラシ用毛材１は、繊維軸方向に垂直に切断した断面に海部３と異形断面島部２とを有し、この異形断面島部２の数が３個以上５個以下の範囲にある海島複合モノフィラメントからなるブリッスル４からなるブラシ用毛材であって、前記ブリッスル４の少なくとも一端では、化学的処理等により海部３を溶解させることにより、海部３から異形断面島部２が突出していることを特徴とする。

かかる構成からなる本発明のブラシ用毛材においては、従来の海島複合繊維からなるブリッスルの端部に島部が露出したブラシ用毛材に比べて、化学的処理等で海部を溶解することで、端部から硬質樹脂で形成された異形断面島部２を突出させていることから、この異形断面島部が植毛基部と同等の毛腰を保持しており、突出した異形断面島部２によって、高い清掃性を有すると共に耐久性に優れたブラシ用毛材を得ることができる。

本発明のブラシ用毛材１を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であることが重要である。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリルニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテル、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリカーボネート、各種エラストマー等が挙げられ、通常繊維化に用いられる樹脂であれば制限されない。

これら熱可塑性樹脂の中から海部３成分の好適例としては、各種ナイロン系樹脂、具体的にはナイロン６、ナイロン６６、ナイロン６１０、ナイロン６１２，ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン４６、ナイロン６Ｔ、ナイロン９Ｔ、ナイロンＭＸＤ６等が挙げられ、それぞれ一種または二種以上が用いられる。かかる樹脂の選択あるいは組み合わせはブラシ用毛材の用途、目的に応じて適宜行われる。この中でも、ナイロン６、ナイロン６６、ナイロン６１０、ナイロン６１２がブラシとして要求される高弾性、耐摩耗性、屈曲回復性、等の特性が良好であり好ましく用いられる。

また、異形断面島部２成分の好適例としては、各種ポリエステル系樹脂、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、それぞれ一種または二種以上が用いられる。かかる樹脂の選択あるいは組み合わせはブラシ用毛材の用途、目的に応じて適宜行われる。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートから選ばれた少なくとも一種が、ブラシとして要求される高弾性、耐摩耗性、屈曲回復性等の特性が良好であり、好ましく用いられる。

そして、各樹脂の溶解性が下記の範囲となるように、異形断面島部２と海部３を構成する熱可塑性樹脂を選択し、組み合わせて使用することが肝要である。

本発明のブラシ用毛材１を構成する海島複合モノフィラメントにおいて、異形断面島部２の数は、３個以上５個以下であることが望ましい。さらに好ましくは４個以上５個以下である。

異形断面島部２が２個以下の場合は、細部の清掃対象部位に到達することなく、ブラシとしての清掃性に劣る。また、６個以上であると、異形断面島部２の直径が細くなることから、ブラシとして使用した場合に細部への挿入性、到達性は良好であるが、異形断面島部２単体の硬さが柔らかくなることから、ブラシとして使用した場合の清掃性が低下するため好ましくない。

本発明のブラシ用毛材１を構成する海島複合モノフィラメントにおいて、異形断面島部２の断面形状は、図１（ｃ）〜（ｈ）に示す様々な異形断面をとることができるが、これらに限定されるものではない。

ここで、島部が円形断面の場合には、細部への挿入性、到達性は良好であるが、島部の先端部のみで清掃されることになり、側面部では清掃効果が低下するため好ましくない。

本発明のブラシ用毛材１において、ブリッスル４の端部に突出した異形断面島部２を形成させるには、海島複合モノフィラメントを必要長に切断したカットブリッスル４の少なくとも一端を、硫酸、蟻酸などの強酸またはメタクレゾールなどのフェノール類を使用した混和溶液へ浸漬させ溶解処理をすることにより、カットブリッスル４の海部３のみを溶解させ、突出した異形断面島部２を形成させる方法が好ましく採用される。

ここで、突出した異形断面島部２の形成方法がアルカリ溶解方法であると、異形断面島部２が溶解して中空部を有する端部が形成されることになるが、このブラシ用毛材は島部２が溶解されていることにより、細部への進入性および強度が低下するため好ましくない。

また、本発明のブラシ用毛材においては、ブリッスルの端部から突出した異形断面島部の長さは、０．８〜２．５ｍｍの範囲にあることが望ましく、０．８ｍｍ未満では十分な清掃性が得られず、２．５ｍｍを越えると突出した島部の強度が低下する傾向が招かれる。

本発明のブラシ用毛材の繊維軸方向に切断した断面（Ｘ−Ｘ′）に形成されている海部３の断面形状は、特に制限するものではなく、具体的には、円形、または、四角形、六角形などの多角形、さらは、四葉形、六葉形、八葉形などの多葉形などが挙げられるが、ブラシ用毛材には耐久性および清掃性が要求されるため、そのバランスに優れるとの理由から、中でも円形断面形状であることが好ましい。

本発明のブラシ用毛材に使用する海島複合モノフィラメントの直径は、０．１００ｍｍ以上０．５００ｍｍ未満であることが望ましい。さらに、好ましくは０．１５０ｍｍ以上０．３５０ｍｍ未満である。

直径が０．１００ｍｍ以下であると、細部への挿入性、到達性は良好であるが、ブラシとして使用した場合のブラシ用毛材の毛腰が柔軟になるため清掃性に劣り、また、直径が０．５００ｍｍ以上であると、島部単体の直径が太くなることから異形断面島部の毛腰が硬くなり、細部への挿入性、到達性が劣り、清掃性が低下するばかりか、清掃対象物へキズを付けることになり、ブラシ性能が低下する傾向が招かれる。

本発明のブラシ用毛材において、異形断面島部２の外接円直径は、０．０２０ｍｍ以上０．１２０ｍｍ未満であることが望ましい。さらに好ましくは０．０３０ｍｍ以上０．１００ｍｍ未満である。

また、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、海島複合モノフィラメントの海部および島部を構成する熱可塑性樹脂には、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、抗菌剤、蛍光増白剤、染料および顔料などの慣用の各種添加剤が含まれていてもよい。

さらにまた、上記添加剤と共に研磨剤または磨き剤、具体的には、クレー、シリカ、炭酸カルシウムまたはアパタイトおよびそれらの混合物が含まれていてもよい。

上記ブラシ用毛材を毛材の少なくとも一部に使用した本発明のブラシは、公知の方法にて製造することができ、ブラシ自体の製造方法については特に限定されない。

以上、説明したとおり、本発明のブラシ用毛材は、従来の海島複合繊維からなるブリッスルの端部から島部が露出したブラシ用毛材に比べて、端部が植毛基部と同等の毛腰を有し、硬質樹脂で形成した異形断面島部が清掃対象部位の細部に到達するため、優れた清掃性を有すると共に、端部の強度向上による耐久性に優れた特性をも兼ね備えたものである。

そして、本発明のブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したヘアブラシ、ボディブラシ、歯ブラシ、洋服用ブラシ、掃除用ブラシ、トイレブラシ、洗車用ブラシ、絵筆、ペンキ用ブラシ、工業用ブラシ、化粧用ブラシ等のブラシ製品、特に歯ブラシは、これらの特性を十分発揮し、その実用性が極めて高いものである。

以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明のブラシ用毛材の評価方法については、次の通り行った。すなわち、実施例に示すブラシ用毛材を３０穴の歯ブラシハンドルに毛丈１３ｍｍになるよう処理したブラシ用毛材を植毛して歯ブラシを作製しこの歯ブラシについて以下の評価を実施した。

〔清掃性評価〕
上記の歯ブラシを使用し、この歯ブラシに対して摺動面裏側から垂直に２００ｇの荷重をかけて、仮想汚れを塗布したステンレス製波板に対して、振幅１４ｍｍ、スピード１５０ｒｐｍで３０００回摺動させ、仮想汚れの除去率を測定した。汚れ除去率は波板凸部表面について算出した。
除去率が８０％以上で○、５０％以上８０％以下で△、５０％以下で×とする。

〔耐久性評価〕
清掃性評価と同じ仕様の歯ブラシを作製し、この歯ブラシに対して摺動面裏側から垂直に５００ｇの荷重を掛け、３７℃の温水を滴下させた状態でステンレス製の波板に対して歯ブラシの長手方向に２万回摺動運動させ、ブラシ部の毛開き率（Ｋ）を測定した。毛開き率の算出方法は、初期状態におけるブラシ部摺動面の横幅Ａｍｍ、摺動後の横幅Ｂｍｍとしたとき、Ｋ＝（Ｂ−Ａ）／Ａ×１００（％）とした。
毛開き率が３０％以下で○、３０％以上５０％以下で△、５０％以上で×とする。

〔使用感評価〕
清掃性評価は２０名を対象とし、実施例１、比較例１、比較例４の歯ブラシを作製し、１０日間使用した時の「刺激」の項目について確認をした。
「刺激」評価での判定基準は感じる、どちらとも言えない、感じないとする。

〔実施例１〕
海部構成樹脂としてナイロン（東レ（株）製アミランＭ２００１、以下ナイロンという）、島部構成樹脂としてポリプチレンテレフタレート（東レ（株）製トレコン１２００Ｓ、以下ＰＢＴ）を用い、複合溶融紡糸機に供給し、５本の異形断面島部が海部内に散在したノズルから溶融押出し、直ちに３０℃の水中で冷却し、続いて５５℃の温水、さらに１００℃の乾熱下で４．１倍に延伸した後、乾熱雰囲気中で弛緩熱処理を行った。このようにして得られた外接円直径が０．０４０ｍｍの二等辺三角形の異形断面島部が５個存在し、直径が０．２３０ｍｍの円形断面海島複合モノフィラメントを束状に巻き取った。

次に、巻き取られた束状の海島複合繊維の周囲に紙テープを巻いて直径４３ｍｍの毛束とし、さらに３０ｍｍの長さに切断し、カットブリッスルを得た。

得られたカットブリッスルの端部を加温した塩化カルシウム−メタノール溶液とメタクレゾールとの混和液に浸漬して、端部のナイロンよりなる海成分を選択的に溶解除去し、ＰＢＴからなる異形断面島部を１ｍｍ露出形成したブラシ用毛材を得た。

得られたブラシ用毛材を使用して歯ブラシを作製し、特性の評価を実施した結果を表１および表２に示した。

〔実施例２〕
実施例１において、異形断面島部構成樹脂をポリエチレンテレフタレート（東レ（株）製Ｔ７０１Ｔ、以下ＰＥＴとする）に、異形断面島部本数を４本に、それぞれ変更した以外は、同様の方法でブラシ用毛材を作製した。

得られたブラシ用毛材を使用して歯ブラシを作製し、特性の評価を実施した結果を表１に示した。

〔実施例３〕
実施例２において、島部構成樹脂をポリトリメチレンテレフタレート（ＳｈｅｌｌＣｈｅｍｉｃａｌｓ製ＣＯＲＴＥＲＲＡＣＰ５１３０００以下ＰＴＴとする）に変更した以外は、同様の方法でブラシ用毛材を作製した。

〔実施例４〕
実施例１において、島部本数を３本に変更した以外は、同様の方法でブラシ用毛材を作製した。

〔比較例１〕
実施例１において、海部構成樹脂をＰＢＴに、異形断面島部構成樹脂をナイロンに、それぞれ変更し、突出した島部の溶解形成方法をＮａＯＨ（水酸化ナトリウム）水溶液中浸漬に変更した以外は、同様な方法でブラシ用毛材を作製した。

〔比較例２〕
実施例１において、海部構成樹脂の溶解処理を行わなかった以外は、同様な方法でブラシ用毛材を作製した。

〔比較例３〕
実施例１において、島部断面形状を二等辺三角形に変更し、島部本数を８本に変更した以外は、同様な方法でブラシ用毛材を作製した。

得られたブラシ用毛材を使用して歯ブラシを作製し、特性評価を実施した結果を表１に示した。

〔比較例４〕
実施例１において、海部構成樹脂をＰＢＴとし、海部に散在させた島部を０本に変更した以外は、同様な方法でブラシ用毛材を作製した。

得られたブラシ用毛材を使用して歯ブラシを作製し、特性評価を実施した結果を表１および表２に示した。

〔比較例５〕
実施例１において、海部に散在させた島部を０本に変更した以外は、同様な方法でブラシ用毛材を作製した。

また、実施例１、比較例１、比較例４の歯ブラシについて、使用感を評価した結果を表２に示した。

表１および表２の結果から、実施例１〜４に示した本発明のブラシ用毛材を使用した歯ブラシは、異形断面島部をポリエステル樹脂にて形成していることにより、毛材の強度が向上しているため、優れた清掃性および耐久性を有していると共に、良好な使用感をも有しており、実用性の高いものであった。

これに対して、本発明の条件を満足しないブラシ用毛材を使用した歯ブラシは、清掃性および／または耐久性に欠け、さらには使用感に欠けたものとなることが分かる。

本発明のブラシ用毛材は、従来の海島複合繊維からなるブリッスルの先端から島部が露出したブラシ用毛材に比べて、耐久性および清掃性に優れると共に、使用感にも優れたものであり、このブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したヘアブラシ、ボディブラシ、歯ブラシ、洋服用ブラシ、掃除用ブラシ、トイレブラシ、洗車用ブラシ、絵筆、ペンキ用ブラシ、工業用ブラシ、化粧用ブラシ等のブラシ製品、特に歯ブラシは、これらの特性を充分発揮し、その実用性が極めて高い。

１・・・ブラシ用毛材
２・・・異形断面島部
３・・・海部
４・・・ブリッスル

Claims

熱可塑性樹脂製モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記モノフィラメントは、ナイロン樹脂からなる海部と、ナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる３〜５個の異形断面島部との海島複合構造を有しており、かつ前記カットブリッスルの少なくとも一端では、前記海部から前記異形断面島部が外部へ突出していることを特徴とするブラシ用毛材。
前記異形断面島部を構成するナイロン樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートから選ばれた少なくとも一種のポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項１に記載のブラシ用毛材。
請求項１または２に記載のブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したことを特徴とするブラシ。