JP5219349B2 - ノイズキャンセルヘッドホン - Google Patents

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本発明は、デジタル・シグナル・プロセッサ(以下「DSP」という)を用いたノイズキャンセルヘッドホンに関するものであって、特に、利用者が任意にキャンセルするノイズの条件を設定変更できて、再生音質にも優れたノイズキャンセルヘッドホンに関するものである。
例えば、テーププレーヤ、CDプレーヤ、MDプレーヤなどの携帯型の音楽プレーヤが普及し、最近ではハードディスク型やフラッシュメモリ型などの、より小型で大容量の携帯型音楽プレーヤが急速に普及しつつある。このような携帯型音楽プレーヤの普及に伴い、それに使用するヘッドホンもより高性能のものが求められ、さらに、街頭や乗り物の中で音楽を聴こうとする場合に、周囲の騒音に邪魔されることなく、音楽のみが聞こえるようにしたノイズキャンセルヘッドホンも望まれるようになってきた。音楽の再生音に混じって周囲の騒音が耳に入ると、ヘッドホンで再生される音楽が高音質のものであっても、騒音によってかき消されてしまい、高音質の音楽を楽しむことができなくなるからである。また、騒音の中で音楽を聴こうとすると、音量を上げて聞きがちになり、音量を上げることによってヘッドホンから外に向かって音漏れが生じ、乗り物などの中では周囲の人たちにとって不愉快な騒音源になるという問題もある。このような背景があって、ノイズキャンセルヘッドホンが普及し始めている。
現在市販されているノイズキャンセルヘッドホンの大半はアナログ方式のノイズキャンセルヘッドホンである。これは、ヘッドホンに組み込んだマイクロホンで周囲の音(再生音に対しては騒音であるから、以下「騒音」という)を捉え、捉えた騒音の位相を反転して、音楽プレーヤからの再生信号に混合する方式である。外部からヘッドホン内部に侵入する騒音は、位相が反転された信号で打ち消され、音楽プレーヤからの再生信号のみが使用者の耳に入るという仕組みである。その概要を示す図4において、符号42で示すノイズNは、ヘッドホンに装着されたマイクロホンで捉えられる周囲の騒音であって、アナログ回路40が備えている位相反転器44において位相を180度反転した−N’の信号となる。騒音信号の反転信号−N’と、プレーヤによって再生される再生信号Sは混合器46によって加算され、この加算された信号で図示しない音響変換器すなわちスピーカが駆動される。ヘッドホン内部には騒音Nが回り込む。この回り込んだ騒音Nはその反転信号−N’と合成されて符号48で示すようにN−N’の信号となり、騒音Nの大半は反転信号−N’でキャンセルされて、使用者はほぼ再生音Sのみを聴くことができる、という仕組みになっている。また、上記混合機器46の代わりに、騒音Nの逆位相の音を発生する信号音響変換素子(スピーカ)を設けて、騒音Nをキャンセルするものもある。
最近では、デジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンも提案されている。その例を図5に示す。図5において、符号50はデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンの主体をなすデジタル信号処理に特化したプロセッサ(以下「DSP」という)を示す。DSP50は、ヘッドホンに組み込まれたマイクロホンで捉えられる騒音信号N(52)を周波数分析する高速フーリエ変換器(以下「FFT」という)54と、FFT54で周波数分析することにより得られる周波数特性56から、キャンセルする周波数帯域を選択する選択部58と、選択された周波数帯域の信号を逆フーリエ変換して周波数選択されたキャンセル音信号−N’’を生成する逆フーリエ変換器(IFFT)60と、プレーヤによる再生信号Sと上記キャンセル音信号−N’’を加算して出力する加算器64を備えている。ヘッドホンに回り込んで侵入する騒音Nは、上記キャンセル音−N’’と合成されてN−N’’の信号66となり、騒音Nの大半はキャンセルされて、使用者はほぼ再生音Sのみを聴くことができる。
アナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンの先行技術として、例えば、特許文献1,特許文献2記載の発明などがある。騒音Nの逆位相の音を発生する信号音響変換素子を設けた例として特許文献3記載の発明がある。デジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンの先行技術として、例えば、特許文献4記載の発明がある。
特開平11―308685号公報 特開平11―237889号公報 特開2000―59876号公報 特開平09―93684号公報
図4に示すようなアナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンによれば、コイル(インダクタンス)やコンデンサ(キャパシタンス)及び抵抗を用いて位相を反転する回路を構成しているため、(1)位相を反転するときにパワースペクトルを正確に反転することができない、(2)位相を反転する時に、遅延を正確に実現することができない、すなわち、騒音に対して逆位相信号が遅延する、といった問題があり、結果として十分なキャンセル効果を得ることができない。
また、アナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンは、キャンセルする騒音Nの特性に合わせて位相反転回路を設計するため、例えば利用者が特定の周波数帯域の騒音Nだけはキャンセルしたくない、または、一定音量以上の騒音Nだけをキャンセルしたいなどの多様な嗜好に合わせた回路設計をすることはできない。仮に、利用者が好みによってノイズキャンセル特性を設定・変更できるようにするならば、設定可能な数だけ位相反転回路が必要になり現実的な解決ではない。
図5に示すような従来のデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンによれば、(1)
FFT及びIFFTにおいて計算に時間を要し、騒音Nの位相変化に対して計算結果の位相が対応せず、十分なキャンセル効果を得ることが出来ない、(2)騒音の周波数ごとにキャンセル音を計算するため、計算に長い時間を要し、計算時間を節約するために周波数帯域を狭めなければキャンセル効果を得ることができず、結果として十分なキャンセル効果を得ることができない。
そこで、本出願人は、周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号とキャンセルノイズを加算して信号音響変換素子に入力する加算器と、を備えた、デジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンに関して先に特許出願した(特願2005−145868参照)。
また、本出願人は、ヘッドホンを装着した状態では、ヘッドホンの筐体が高音領域(高い周波数領域)において遮音効果を持ち、ヘッドホンの筐体を回り込んで耳に伝わる騒音は低音領域であることに着目し、騒音信号の予測量を減らすことで、予測処理を高精度かつ高速に行えるようにするために、低音領域についてノイズキャンセルするノイズキャンセルヘッドホンに関して先に出願した(特願2005−377193参照)。
また、本出願人は、上記ノイズキャンセルヘッドホンの騒音信号予測処理について、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタを用いてリアルタイム処理行なう際に、騒音信号を1回サンプリングするごとに将来に向かってN回目のサンプリングまで予測することができるようにし、予測精度を高める一方、予測処理に必要なデータ量の低減を可能にして、小規模の処理デバイスでも迅速な処理を可能にした実用性の高いノイズキャンセルヘッドホンに関して先に出願した(特願2006−006251参照)。
上記出願にかかるノイズキャンセルヘッドホンによれば、マイクロホンで変換される過去の騒音信号から将来発生する騒音信号を予測し、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成し、このキャンセルノイズによって周囲の騒音をキャンセルするように構成されているため、キャンセルノイズ生成手段による計算遅れや動作遅れがあっても、実際に生じるノイズの位相変化に対応してノイズをキャンセルすることができる。
しかし、本出願人による上記先の特許出願にかかるノイズキャンセルヘッドホンにおいて未解決課題がある。上記デジタルノイズキャンセルヘッドホンは、効率的にキャンセルノイズを生成することで、騒音Nを打ち消すことを目的としている。このため、キャンセル対象とする騒音Nの周波数帯域は、予め設計段階で固定する必要があり、この設計に基づいてスピーカの周波数特性を決定することになるため、再生音を高音質で出力するためのスピーカ選択は行なうことができない。したがって、高音質のノイズキャンセルヘッドホンを得ることが困難である。
上記課題を解決するために、また、利用者の嗜好によるキャンセルする騒音Nの周波数帯域を任意に設定変更できるようにするためには、複数の周波数帯域に対応するキャンセルノイズ生成手段を備えることが必要となる。そのためには、複数のDSP50を使用することが必要となるため、ヘッドホン筐体内のスペースによって収めることができるDSP50の数が制限されるという限界があった。
また、マイクがスピーカから出力された再生音も騒音Nと一緒に捉えてしまい、そのままキャンセルノイズ生成処理に用いため、再生音の出力レベルが減衰し、音が小さくなるという課題も生じる。さらに、再生音に含まれる高周波帯域の信号の処理は位相が変化してしまうので、再生音そのものが結果として騒音源となってしまうという課題も生じる。これを回避するために、スピーカからの再生音を集音しない位置にマイクを設置することが必要となるが、従来のノイズキャンセルヘッドホンでは、ヘッドホン筐体を利用者が触った際の接触音なども騒音Nとして検知してしまうので、キャンセルノイズ生成処理はさらに困難になる。そのため、マイクの設置位置はスピーカ側にせざるを得なかった。また、スピーカ側にマイクが設置されるために、ハウリングが発生する懸念がある。これを回避するためには、スピーカの周波数特性を調整する必要があり、高音質のノイズキャンセルヘッドホンを実現することはさらに困難であった。
さらに、図5に示すようなデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンでは、DSP内のデジタル回路で構成される加算器64によって、キャンセルノイズと再生信号Sを加算するために、DSPを駆動する電源(主に乾電池を用いる例が多い)の電圧が低下すると、DSPが動作しなくなり、再生信号Sをスピーカから出力することが出来なくなっていた。
本発明は、上記の様々な課題を鑑みてなされたもので、利用者が任意に設定変更することができ、かつ、高音質な再生信号を出力することができるようにスピーカの周波数特性に合わせたノイズキャンセル機能を有し、駆動電源電圧が低下した場合であっても少なくとも再生信号はスピーカから出力することができるデジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンを提供することを目的とする。
本発明は、周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、上記マイクロホンで変換される騒音信号の位相を反転させてノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、オーディオ信号と上記ノイズキャンセル信号を混合して信号・音響変換素子に入力する混合器と、を備えるノイズキャンセルヘッドホンにおいて、上記ノイズキャンセル信号生成手段の動作条件を記憶する記憶手段と、上記記憶手段から動作条件の読出し条件を選択する選択手段と、を有し、上記記憶手段は、少なくともフィルタ係数、キャンセル効果量および上記騒音の音量レベルが上記ノイズキャンセル信号を生成する必要があるレベルか否かをチェックするために用いられる閾値を記憶したものであり、上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている動作条件の中から任意の動作条件を選択するものであり、上記ノイズキャンセル信号生成手段は、デジタル・シグナル・プロセッサで構成されるとともに、上記選択手段によって上記記憶手段から読み出された動作条件に基づいて動作するよう構成され、上記混合器は、アナログ信号の混合器であるとともに、上記デジタル・シグナル・プロセッサの外に設けられている、ことを最も主要な特徴とする。
また、本発明は上記のノイズキャンセルヘッドホンにおいて、上記マイクロホンが、ヘッドホン筐体内であって上記信号・音響変換素子から出力される信号による音響空間外に設置されていることを特徴とする。
本発明によれば、デジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンにおいて、キャンセルするノイズの周波数特性を任意に設定、変更することができ、かつ、スピーカ本来の周波数特性を犠牲にすることなく、ハウリングも発生しない、高音質な再生音を楽しむことができるノイズキャンセルヘッドホンを得ることができる。また、ノイズキャンセル用回路の駆動電源電圧が低下し、デジタル回路の動作が停止しても、再生音を楽しむことができる。
さらに、キャンセルするノイズの帯域、ノイズの音量レベルやノイズのキャンセルレベルを任意に変更することができる。
以下、本発明にかかるノイズキャンセルヘッドホンの実施形態について、図を用いて説明する。図1は左右一対で構成されるノイズキャンセルヘッドホン筐体の片側を示した概略図である。図1において筐体1には、当該ノイズキャンセルヘッドホンの利用者の周囲のノイズN(52)がマイク10によって集音されるように筐体1の一部に設けた貫通孔20と、筐体1の外側に向けて設置されているマイク10と、マイク10が集音したノイズNに対して、ノイズキャンセル信号を生成するDSP51と、DSP51が生成したノイズキャンセル音に音源Sから入力された再生音を混合するアナログミキサ65と、アナログミキサ65の出力を利用者の耳100に向けて出力するスピーカ30が備わっている。
また、筐体1にはDSP51の駆動電源である図示しない電池が収まっている。また、筐体1には、利用者が選択することができる切替えスイッチ(SW1,SW2、SW3)が備わっている。このSW1、SW2、SW3は、DSP51の処理に必要な設定を利用者が任意に選択するためのものである。
図1に示すように、マイク10をスピーカ30の反対側、すなわち、外側に向かって設置することにより、スピーカ30から出力される再生音をマイク10が集音することなくハウリングの発生を防ぐことができ、かつ、スピーカの周波数特性を犠牲にすることなく、高音質のノイズキャンセルヘッドホンを得ることができる。
次に、本発明にかかるノイズキャンセルヘッドホンのノイズキャンセル処理の実施形態について図を用いて説明する。図2は、本発明に係るノイズキャンセルヘッドホンの筐体1に収められるDSP51、アナログミキサ65からなる処理回路の機能ブロック図である。図2において、DSP51は、マイク10(図1参照)が集音したノイズN(52)の音量をチェックするノイズレベルチェック部53と、ノイズNを周波数分析する高速フーリエ変換器(FFT)54と、FFT54で周波数分析することにより得られる周波数特性56のうち、キャンセルしたい周波数帯域などを内部メモリ55に記憶されている各種パラメータによって選択する動作選択部59と、SW1・SW2・SW3によって内部メモリ53に記憶されているパラメータを選択してノイズレベルチェック部53とキャンセル動作選択部59に通知するパラメータ選択部57と、キャンセル動作選択部59で選択されたパラメータに基づいて周波数帯域の信号を逆フーリエ変換してノイズキャンセル信号−N’’を生成する逆フーリエ変換器(IFFT)60を備えている。このように、ノイズキャンセル信号−N’’を生成する信号処理回路はDSPからなり、この実施例はデジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンを構成している。
アナログミキサ65は、DSPに含まれる上記IFFT60から出力されたノイズキャンセル信号−N’’62とプレーヤによる再生信号Sとをミックスしてスピーカ30に出力する。ヘッドホンに回り込んで侵入する騒音Nは、上記ノイズキャンセル信号−N’’と合成されてN−N’’の信号となり、騒音Nの大半はキャンセルされて、使用者はほぼ再生音Sのみを聴くことができる。なお、ノイズキャンセル信号−N’’は、図示しないD/A変換器によるアナログ信号に変換されてアナログミキサ65に入力される。
内部メモリ55に記憶される複数のパラメータは、例えばフィルタ係数、キャンセル効果量、キャンセルレベルであって、これらを任意に指定可能なものである。フィルタ係数は、所定の周波数帯域のノイズに対してのみノイズキャンセル信号−N’’を生成するようにするBPF(Band Pass Filter)、所定の周波数帯以下のノイズに対してのみノイズキャンセル信号−N’’を生成するようにするLPF(Low Pass Filter)、所定の周波数帯以上のノイズに対してのみノイズキャンセル信号−N’’を生成するようにするHPF(High Pass Filter)に相当する処理をDSPが行なうことを可能にするFIRフィルタの係数を設定するパラメータである。
キャンセル効果量は、ノイズキャンセル信号−N’’の音量レベルを選択するパラメータである。このパラメータによって、ノイズNを完全にキャンセルすることなく、利用者の嗜好に応じて、ノイズNを低減させることが可能になる。
キャンセルレベルは、マイク10が集音したノイズNの音量レベルが、ノイズキャンセル信号生成処理を行なう必要があるレベルであるか否かをチェックする処理に用いる閾値を示すパラメータである。一定音量以上のノイズNがマイク10から入力された場合にのみ、IFFTによるノイズキャンセル信号−N’’を生成する処理を行なうようにし、一定未満のノイズNであれば、ノイズキャンセル信号−N’’の生成を行なわないように選択することができるようになる。
図3は、DSP51におけるノイズキャンセル信号−N’’を生成する処理の流れを示すフローチャートである。まず、マイク10から入力されたノイズNが内部メモリ55に記憶されているキャンセルレベル以上に相当する音量であるか否かを判定する処理を行なう(201)。当該判定処理の結果、キャンセルレベル以上に相当する音量であると判定されなければ、ノイズキャンセル信号−N’’を生成する処理は行なわずに処理を終了する(201のN)。次に、ノイズNに対してFFT54による周波数分析処理(202)を行い、この処理によって得られるノイズNの周波数特性に対してフィルタ処理を行なう(203)。この処理で用いられるFIRフィルタ係数は、SW1の選択によって内部メモリ55から読み出される。
次にSW2の選択によって内部メモリ55から読み出されたキャンセル効果量を示すパラメータを用いて、上記フィルタ処理された周波数特性をIFFT60による逆フーリエ変換処理を行なってノイズキャンセル信号−N’’を生成する(204)。
上記生成されたノイズキャンセル信号−N’’すなわち、ノイズNの信号の位相信号をアナログミキサ65に出力する(205)。
上記のようにマイク10が捉えたノイズNの音量に応じたノイズキャンセル処理、特定の周波数帯におけるノイズのみをキャンセルする処理、ノイズのキャンセル量を利用者の選択によって切替える処理を行なうことができるノイズキャンセルヘッドホンを得ることができ、これによって、利用者の嗜好や周囲の使用環境によって、最適なノイズキャンセルを行なうことが可能となる。
ノイズキャンセルヘッドホンの主体をなすDSP51は、その動作電源である電池が装填されていないとき、あるいは電源電圧が低下すると動作することができない。従来のデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンであれば、DSPが動作しなければ、ノイズキャンセル動作のみでなく、再生信号Sによる音声の出力もできない。その点、図示の実施例によれば、ノイズキャンセル信号−N″と再生信号Sを、DSP51の外に設けたアナログミキサ65で混合する構成になっているため、DSP51が動作しなければノイズキャンセル信号−N″が生成されないだけであり、アナログミキサ65を介して再生信号Sがスピーカに入力され、スピーカから出力される再生音を聴くことができる。
本発明に係るノイズキャンセルヘッドホンの構造の例を示す概略図である。 本発明に係るノイズキャンセルヘッドホンに搭載される処理回路の例を示すブロック図である。 本発明に係るノイズキャンセル処理の流れを示すフローチャートである。 従来のアナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンの例を示すブロック図である。 従来のデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンの例を示すブロック図である。
符号の説明
1 筐体
10 マイク
30 スピーカ
51 DSP
65 アナログミキサ
100 耳

Claims (5)

  1. 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、
    上記マイクロホンで変換される騒音信号の位相を反転させてノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、
    オーディオ信号と上記ノイズキャンセル信号を混合して信号・音響変換素子に入力する混合器と、を備えるノイズキャンセルヘッドホンにおいて、
    上記ノイズキャンセル信号生成手段の動作条件を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段から動作条件の読出し条件を選択する選択手段と、
    を有し、
    上記記憶手段は、少なくともフィルタ係数、キャンセル効果量および上記騒音の音量レベルが上記ノイズキャンセル信号を生成する必要があるレベルか否かをチェックするために用いられる閾値を記憶したものであり、
    上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている動作条件の中から任意の動作条件を選択するものであり、
    上記ノイズキャンセル信号生成手段は、デジタル・シグナル・プロセッサで構成されるとともに、上記選択手段によって上記記憶手段から読み出された動作条件に基づいて動作するよう構成され、
    上記混合器は、アナログ信号の混合器であるとともに、上記デジタル・シグナル・プロセッサの外に設けられている、
    ことを特徴とするノイズキャンセルヘッドホン。
  2. 前記フィルタ係数は、所定の周波数帯域の騒音信号に対してのみノイズキャンセル信号を生成するバンド・パス・フィルター、所定の周波数帯域以下の騒音信号に対してのみノイズキャンセル信号を生成するロー・パス・フィルターまたは所定の周波数帯域以上の騒音信号に対してのみノイズキャンセル信号を生成するハイ・パス・フィルターに相当する係数から選択可能である、
    ことを特徴とする請求項1記載のノイズキャンセルヘッドホン。
  3. 上記マイクロホンは、ヘッドホン筐体内であって上記信号・音響変換素子から出力される信号による音響空間外に設置されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のノイズキャンセルヘッドホン。
  4. 上記ノイズキャンセルヘッドホンは、ヘッドホンユニットを左右に有するステレオヘッドホンであって、
    左右のヘッドホンユニットにマイクロホンを備え、このマイクロホンで変換される騒音信号に基づき、ノイズキャンセル信号生成手段がノイズキャンセル信号を生成し、左右のヘッドホンユニットごとにそれぞれのオーディオ信号と上記ノイズキャンセル信号を混合する混合器を備えている、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のノイズキャンセルヘッドホン。
  5. 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号の位相を反転させてノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、
    ーディオ信号と上記ノイズキャンセル信号を混合して信号・音響変換素子に入力する混合器と、
    上記ノイズキャンセル信号生成手段の動作条件を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段から動作条件の読出し条件を選択する選択手段と、
    を備え、
    上記記憶手段は、少なくともフィルタ係数、キャンセル効果量および上記騒音の音量レベルが上記ノイズキャンセル信号を生成する必要があるレベルか否かをチェックするために用いられる閾値を記憶したものであり、
    上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている動作条件の中から任意の動作条件を選択するものであり、
    上記ノイズキャンセル信号生成手段は、デジタル・シグナル・プロセッサで構成されるとともに、上記選択手段によって上記記憶手段から読み出された動作条件に基づいて動作するよう構成され、
    上記混合器は、アナログ信号の混合器であるとともに、上記デジタル・シグナル・プロセッサの外に設けられている、
    ことを特徴とするノイズキャンセルヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法であって、
    ヘッドホン筐体内であって上記信号・音響変換素子から出力される信号による音響空間外に設置されているマイクロホンが捉える騒音の音量レベルが選択手段に基づいて記憶手段から読み出した動作条件が規定する騒音レベルをチェックする閾値以上であることを検知し、上記動作条件に基づいて選択されるFIRフィルタ係数と上記動作条件に基づいて選択される出力音量レベルでノイズキャンセル信号を生成し、アナログ回路で構成された加算器に出力することを特徴とするヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法。
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