JP5034730B2 - 信号処理装置、信号処理方法、プログラム、ノイズキャンセリングシステム - Google Patents
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Description
一般的にノイズキャンセリングシステムでは、上記各特許文献に記載されるように、音響再生装置側にノイズ検出用のマイクロフォンが備えられ、その収音信号に基づきノイズ成分を打ち消すような逆相信号を生成してこれをオーディオ信号側に加算することで、ノイズキャンセルを実現するようにされている。
この点を考慮したものとして、現状では、ノイズキャンセル機能(NC機能)をオンとするNCモードと、NC機能をオフとして外部音の収音信号をオーディオ信号側に加算するモニタモードとの選択が可能とされた商品も見受けられる。
しかしながら、このような構成では、モニタモード時にオーディオコンテンツに基づく音の出力が継続されるものの、NC機能はオフとされてしまうので、この場合のモニタモード時には不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことが問題となる。
また、このようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまうことによって、かえって必要な音声帯域の音を聴取しずらくなってしまうケースも生じうる。つまり、上記のようにしてモニタ信号がオーディオ信号側に加算されはするものの、外部の不要な帯域の騒音も混入することで、場合によっては対象とする音声の聴取が困難となってしまう可能性がある。
つまり、本発明の信号処理装置は、聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理装置であって、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段を備える。
また、第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段を備える。
さらに、上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備える。
そして、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成されるものである。
すなわち、本発明のノイズキャンセリングシステムは、聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられた音響再生装置と、上記音響再生装置に対する駆動信号を生成するための信号処理装置とを備えて構成されるものであって、上記音響再生装置が、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンを備える。
また、上記信号処理装置としては、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段を備える。
また、第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段を備える。
さらに、上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備える。
そして、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成されるものである。
そして、上記構成によれば、音響再生装置に対する駆動信号として、第1の動作モード時には、ノイズキャンセル信号が加算されたオーディオ信号に基づく駆動信号が生成され、また第2の動作モード時には、上記ノイズキャンセル信号が加算されたオーディオ信号と上記モニタ用信号との双方に基づく駆動信号が生成される。つまりこれにより、ノイズキャンセル(以下、単にNCとも表記する)を行うNCモードと、NC機能をオンとさせつつ上記モニタ用信号に基づく外部音声の聴取を行わせるためのモニタモードとの切換を行うことができる。
このようにモニタモード時においてもNC機能をオンとしておくことができれば、従来のようにモニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としての信号処理装置について説明するための図として、第1の実施の形態の信号処理装置を備えて構成されたヘッドホン1の内部構成を示している。なお、以下の説明では、簡単のために1チャンネル分のオーディオ信号に対応した構成のみを示すが、複数チャンネルのオーディオ信号に対応する構成とする場合には、各チャンネルごとに以下で説明する構成を設けるものとすればよい。
また、以下の説明において、「ノイズキャンセル」については単に「NC」とも表記する。
また、ヘッドホン1に対しては、ノイズキャンセル動作を行うにあたって外部音を収音するためのマイクロフォン3が備えられる。このマイクロフォン3は、フィードフォワード方式(FF方式)によるノイズキャンセリングシステムに対応した収音動作を可能とするために、次の図2(a)に示されるようにしてヘッドホン1に形成される装着部1Aの外側に対して設けられる。
上記装着部1Aとしては、当該ヘッドホン1における、聴取者の耳に対して装着される部分となる。そして、上記マイクロフォン3としては、図のようにして装着部1Aの外側に対して表出するように設けられ、これによって外部音を収音することができるようにされる。
図1において、マイクロフォン3による収音信号は、マイクアンプ4にて増幅された後、図示するようにしてFF方式NC信号生成部5と、モニタ信号生成部7とに分岐して入力される。
ここで、この場合の収音信号については、図示するようにしてマイナス(−)極性により入力するものとする。これは、当該収音信号に基づきFF方式NC信号生成部5によって生成されるNC信号の成分が、外界で生じるノイズ音に対する逆相成分となるようにしてオーディオ信号側に加算されるようにするためである。
FF方式NC信号生成部5によって上記信号特性αが与えられて生成されたNC信号は、加算器6に対して供給される。
図3は、この場合の信号特性αが与えられて生成されるNC信号によるノイズ低減特性を示している。なお、この図では横軸を外部音の周波数、縦軸をNC信号によるノイズ低減量としてノイズ低減特性を示している。
図示するようにして、この場合の信号特性αによっては、図中の破線により示す音声帯域よりも低い周波数帯域でノイズ低減効果が得られるようにしている。具体的には、およそ300Hz以下の低域部分を対象としてノイズ低減効果が得られるようにしている。
ここで、上述もしたようにこの場合のマイクアンプ4からは、−極性による収音信号が出力されるので、FF方式NC信号生成部5より出力される上記NC信号としても、その極性は−極性となる。従って、上記加算器6からドライブ回路8に対して供給される信号としては、オーディオ信号に対して−極性によるNC信号が重畳されたものとなる。
本実施の形態の場合のドライブ回路8によっては、いわゆるBTL(Bridged TransLess)接続としての構成によって振動板が駆動されるようになっている。具体的に、この場合のドライブ回路8には2つの反転アンプ8a、8bが備えられ、これらが相互に逆相動作するようにして構成されている。
この反転アンプ8aにより極性が反転された上記加算器6からの出力信号は、図示するようにして振動板ユニット2に対する−極性側のドライブ信号として供給されることになる。この場合、オーディオ信号の極性を基準として考えれば、反転アンプ8aの出力は−極性となるものである。
また、図示するようにして上記反転アンプ8aの出力信号は分岐されて、反転アンプ8bに対し(後述する加算器8cを介し)て入力されるようになっている。これにより反転アンプ8bからは、上記反転アンプ8aからの入力信号の極性がさらに反転された信号が出力され、当該反転アンプ8bによる出力信号は振動板ユニット2に対する+極性側のドライブ信号として供給される。
周知のように、このようなBTL接続としての構成を採ることで、いわゆるシングルエンド接続とする場合に比べ、電圧の振れ幅が略2倍となって略4倍のパワーによって振動板を駆動することができ、より効率的な駆動が実現され、またS/N的にも有利とすることができる。
モニタ信号生成部7は、HPF(ハイパスフィルタ)7aとゲイン回路7bとを備え、上述したマイクアンプ4からの収音信号は、HPF7aに対して入力される。ここで、HPF7aのカットオフ周波数としては、聴感上耳障りとされるノイズ成分が多分に含まれる低域の成分を除去するようにして設定される。具体的には、先の図3にて説明した300Hz以下の帯域をカットするように設定される。これによって、低域の耳障りなノイズ成分が除去され、例えば車内アナウンスなどの外部の音声が聴取し易くなるようにされたモニタ信号が得られるように図られている。
HPF7aにより生成されたモニタ信号は、ゲイン回路7bにて所定のゲインが与えられて増幅された後、モニタ信号生成部7から出力される。
ここで、スイッチSWを介して上記加算器8cに入力されるモニタ信号の極性は、先に説明したマイクアンプ4からの収音信号の極性に応じて−極性とされている。このことで、上記反転アンプ8bから出力されるモニタ信号成分の極性としては、+極性となるようにされる。この結果、振動板ユニット2に対する+極性側のドライブ信号に対して+極性によるモニタ信号成分を重畳することができ、これによって振動板ユニット2から上記モニタ信号に応じた音が適正に出力されるようにすることができる。
また、このことによれば、モニタモード時においてもNC機能はオンとしておくことができるようになる。これにより、モニタモード時にNC機能をオフとしてしまう従来手法のように、モニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
また、上記のようにしてモニタモード時においてもNC機能をオンとしておくことができることで、従来のようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまい、聴取されるべきモニタ信号の成分が他の外部ノイズによってかき消されてしまうといったことを効果的に防止することができる。
続いて、第2の実施の形態について次の図2を参照して説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の場合のように信号処理装置をヘッドホン装置側に備えるのではなく、オーディオ信号を再生するオーディオプレイヤ側に備えるようにしたものである。図2では、このように信号処理装置を内蔵して構成されたオーディオプレイヤ12と、ヘッドホン11とを備えて構成されるノイズキャンセリングシステム10の構成を示している。
なお、図2において、既に先の図1にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
また、この場合の振動板ユニット2に対しては、オーディオプレイヤ12側に備えられる+極側出力端子To1、−極側出力端子To2を介して入力される+極性側ドライブ信号、−極性側ドライブ信号が供給される。
さらに、上記マイクロフォン3による収音信号が、オーディオプレイヤ12側に備えられるマイク入力端子Tminを介して、オーディオプレイヤ12側のマイクアンプ4に対して供給されるようになっている。
なお、ここでは図示の都合上省略したが、ヘッドホン11側には、実際には上記+極側出力端子To1に接続される+極側入力端子、上記−極側出力端子To2に接続される−極側出力端子が備えられ、上記+極性側ドライブ信号、上記−極性側ドライブ信号は、上記+極側入力端子、上記−極側入力端子を介してそれぞれ入力されるものとなる。同様にヘッドホン11側には、上記マイク入力端子Tminと接続されるマイク出力端子が備えられ、マイクロフォン3による収音信号は上記マイク出力端子から出力されて上記マイクアンプ4に対して供給されるものとなる。
但しこの場合、上記加算器6に対して入力されるオーディオ信号としては、図示されない再生部により再生出力されたオーディオ信号となる。つまり、この場合のオーディオプレイヤ12には、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ、或いはCD(Compact Disc)などのリムーバブルメディアに記録されたオーディオコンテンツを再生する再生部が備えられており、上記加算器6には、当該再生部により再生されたオーディオ信号が入力されることになる。
また、この場合のドライブ回路8から出力される+極性側ドライブ信号は上述した+極側出力端子To1に供給され、また−極側ドライブ信号は−極側出力端子To2に対して供給されるようになっている。
図5は、第3の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム15の構成を示している。なお、この図において、既に図1、図4にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
図示するようにして、第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15は、先に説明したヘッドホン11と、オーディオプレイヤ16とを備えて構成される。
このFF方式NC信号生成部19は、外部音のうち第1の周波数以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定された第1の信号特性α(以下、α1と表記)と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定された第2の信号特性α(α2と表記)の何れか一方の信号特性αを、マイクアンプ4より入力される収音信号に対して選択的に与えるように構成される。
具体的に、この場合の上記第1の周波数は例えば1kHzとされ、上記第2の周波数は300Hzとされる。すなわち、この場合のFF方式NC信号生成部19によれば、1kHz以下の帯域成分をキャンセルするようにして設定された信号特性α1と、300Hz以下の帯域成分をキャンセルするようにして設定された信号特性α2の何れかを、上記収音信号に対して選択的に与えるように構成されている。
この場合、制御部18に対しては、操作部17からの操作信号が供給される。
操作部17は、例えばオーディオプレイヤ16の筐体外部に表出するようにして設けられた複数の操作子を備え、操作の行われた操作子に対応する操作入力信号を上記制御部18に対して供給するように構成される。
先ず、ステップS101では、NC/モニタモード切替操作を待機する。つまり、操作部17からの操作入力信号に基づき、NCモード/モニタモードの切り替え操作が行われたとされる状態となるまで待機する。
つまり、この場合の切り替え操作はNCモードからモニタモードへの切り替え操作となるので、NC上限周波数が1kHzから300Hzにシフトされるように、FF方式NC信号生成部19に対して信号特性α2を選択させるように制御を行う。
すなわち、この場合の切り替え操作はNCモードへの切り替え操作となるので、NC上限周波数が300Hzから300Hzにシフトされるように、FF方式NC信号生成部19に対して信号特性α1を選択するように制御を行う。
このステップS106による処理、または上述したステップS104による処理を実行すると、図示するようにしてRETURNとなる
このような第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15によれば、NCモード時にはNC効果が向上し、またモニタモード時においては、上述のようにしてNC対象上限周波数が例えば300Hz以下など音声帯域よりも低い周波数にシフトされることで、モニタ信号に基づく音声帯域成分がキャンセルされてしまうことを防止することができる。
この結果、NCモード時におけるNC効果の向上と、モニタモード時における外部音声のモニタ性能の向上との両立を図ることができる。
ここで、これまでの説明では、信号処理装置を形成する各部をアナログ回路により構成することを前提として説明を行ったが、例えば上述のようにして信号特性αの切り替えが可能なFF方式NC信号生成部19をアナログ回路により実現するとした場合、1つのフィルタ回路により信号特性を可変とすることは実用上非常に困難となるので、例えば信号特性α1を与えるように構成されたフィルタ回路と、信号特性α2を与えるように構成されたフィルタ回路と、さらに入力信号を何れのフィルタ回路に入力させるかを選択するスイッチを設けておき、当該スイッチの切り替え制御によって収音信号に何れかの信号特性αを与えるように構成することになる。
そこで、第4の実施の形態では、図5にて説明したFF方式NC信号生成部19としての動作を、DSP(Digital Signal Processor)によるデジタル信号処理によって実現するように構成する。
この場合、図中のDSP24によっては、FF方式NC信号生成部19に対応する動作と共に、加算器6による入力オーディオ信号とNC信号との加算動作、及びモニタ信号生成部7によるモニタ信号の生成動作、さらにはスイッチSWによるドライブ回路8への出力信号の選択動作も実現させるものとしている。
また、図示するようにこの場合は、先の図5に示した制御部18に代えて、制御部22が設けられる。この場合の制御部22は、操作部17からの操作入力信号に基づき先の図6に示したステップS101・S102と同様の処理を行って、NCモードへの切り替え操作又はモニタモードへの切り替え操作の何れが行われたかを判別するようにされる。そして、NCモードへの切り替え操作が行われたとした場合は、NCモード指示信号をDSP24に供給し、モニタモードへの切り替え操作が行われたとした場合はモニタモード指示信号をDSP24に供給するようにされる。
図8(a)はNCモード指示信号が供給された場合、図8(b)はモニタモード指示信号が供給された場合を示す。
同様にして、モニタ信号生成部7としての動作を可能とするために、入力信号(収音信号)に対して所定の周波数−振幅特性を与えるためのデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソース、及び加算器6に対応した加算動作を実現するためのハードウエアリソースが与えられている。
さらに、この場合は、モニタ信号の極性を反転させる反転回路としての動作を実現するためのハードウエアリソースも与えられることになる。
ここで図7を参照してわかるように、DSP24の出力は1系統のみで、例えば先の第3の実施の形態のようにドライブ回路8に対してNC信号・オーディオ信号の組とモニタ信号とを分けて出力するものとはされていない。すなわち、反転アンプ8bによるモニタ信号の極性反転は行われないものとなっているので、DSP24内にてモニタ信号の極性を反転させるものである。
また、上記A/D変換器23を介して入力された収音信号については、図中モニタ信号生成部24dとしての、上述したモニタ信号生成部7に対応するデジタルフィルタとしてのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理により、この場合は300Hz以下の成分が除去され且つ所要のゲインが与えられるようにして周波数−振幅特性を与えて、モニタ信号を生成する。
また、このようにして生成されたモニタ信号については、図中の極性反転部24eとしての、上述した反転回路を実現するためのハードウエアリソースを用いた極性反転動作により、極性を反転させる。
さらに、図中加算器24fとして、上記α2フィルタ24cにより生成されたNC信号と上記極性反転部24eにより極性反転されたモニタ信号と、さらにA/D変換器25を介して入力されるオーディオ信号とを上述した加算器としてのハードウエアリソースを用いて加算する。
そして、この加算器24fによる加算結果がD/A変換器26に対して供給される。
ここで、図7にも示されているように、この場合は、DSP24においてモニタ信号の生成を行うようにした関係から、ドライブ回路8における加算器8cは省略され、反転アンプ8bに対しては反転アンプ8aからの出力信号のみが入力されるようになっている。
また、第4の実施の形態では、モニタ信号生成部7の動作もDSP24によるデジタル信号処理で実現するものとしているが、このことによれば、アナログ回路によるモニタ信号生成部7の実装スペースを省略することができ、この点でも装置小型化、部品点数の省略、低コスト化を図ることができる。なお、このような装置小型化や低コスト化の効果は、DSP24のデジタル信号処理により加算器6、スイッチSWとしての動作も実現するようにしたことについても同様のことが言える。
第5の実施の形態は、FF方式によるノイズキャンセル動作と共に、フィードバック方式(以下、単にFB方式とする)によるノイズキャンセル動作も併せて行うようにするものである。
第5の実施の形態では、第1の実施の形態のヘッドホン1に対し、FB方式によるノイズキャンセル動作を行うための構成を追加したヘッドホン30とする場合を例示する。
先ず、この場合のヘッドホン30に対しては、FB方式に対応した収音動作を行うための、マイクロフォン31が設けられる。
周知のように、FB方式によるノイズキャンセリングシステムでは、振動板から出力される音と、外部から伝わるノイズとが、ヘッドホンを装着した聴取者によって聴取される位置(聴取点)に近接する位置に対して、マイクロフォンを設けるようにされる。つまり、FB方式に対応して設けられる上記マイクロフォン31によっては、装着部1Aの内部空間に得られる、振動板からの出力音と外部ノイズに基づく音との双方を収音することが前提とされている。
このために、上記マイクロフォン31としては、少なくともヘッドホン30における装着部1Aの内側において設けられ、振動板と近接するようにして配置される。
なお、上記マイクアンプ32を介してFB方式NC信号生成部33に対して入力される収音信号についても、先のFF方式の場合と同様の主旨より−極性で入力されるようにしておく。
また、FB方式NC信号生成部33に設定される上記信号特性βによるノイズ低減特性としても、先の図3で示したものと同様に、外部音の例えば300Hz以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定されている。
この場合の加算器6は、オーディオ入力端子TAinを介して入力されたオーディオ信号と、上記FB方式NC信号生成部33からのNC信号と、FF方式NC信号生成部5からのNC信号とを加算し、その結果得られる信号を加算信号としてドライブ回路8内の反転アンプ8aに対して供給する。
ここで、FF方式とFB方式とでは、相互にトレードオフとなるような関係を有するものとなっている。つまり、FF方式では、ノイズを有効にキャンセル(減衰)できる周波数帯域は比較的広く、系の安定性も高いものとされるが、一方で、充分なノイズキャンセル量が得られにくいものとなることが知られている。このために、例えばノイズ音源との位置関係などの状況によっては、信号特性αの設定にあたって想定したノイズキャンセリング系の伝達関数と合致しなくなり、例えば特定の周波数帯域にて充分なノイズキャンセル効果が得られなくなってしまうような可能性のあることが指摘されている。この場合、実際には広い周波数帯域にわたってノイズキャンセルが有効にはたらいているのにも関わらず、或る特定の周波数帯域においてのみノイズが目立ってしまうような現象が生じるということになり、聴感上は、ノイズキャンセル効果を感じにくくなる。
これに対し、FB方式は、ノイズをキャンセルできる周波数帯域は狭いものの、充分なノイズキャンセル量が得られるという特徴を持つものとして知られている。このことからすると、FF方式に対してFB方式を組み合わせてノイズキャンセリングシステムを構築すれば、相互の不利な点を補い合うことで、より有効なノイズキャンセル動作を実現することができ、その分ノイズキャンセル効果の向上を図ることができる。
第6の実施の形態は、第5の実施の形態と同様にFF方式によるノイズキャンセルとFB方式によるノイズキャンセルとを組み合わせるものとした上で、FB方式のノイズキャンセル系における信号特性βを、NCモード時とモニタモード時とで切り替えるようにするものである。また、先の第4の実施の形態と同様に、信号特性を切り替えてNC信号を生成するための構成を、DSPによるデジタル信号処理で実現するものである。
先ず、ヘッドホン36は、先の図4などに示したヘッドホン11に対し、FB方式に対応するマイクロフォン31が追加的に設けられたものとなる。この場合もマイクロフォン31としては装着部1Aの内側において振動板と近接する位置に配置されるようにして設けられる。
先ず、ヘッドホン36に対し2つ設けられたマイクロフォン(3,31)からのそれぞれの収音信号を入力するために、マイク入力端子Tminを2つ備える。この場合、FF方式に対応するマイクロフォン3からの収音信号を入力する端子はマイク入力端子Tmin1とし、FB方式に対応するマイクロフォン31からの収音信号を入力する端子はマイク入力端子Tmin2とする。マイクロフォン3から上記マイク入力端子Tmin1を介して入力された収音信号は、オーディオプレイヤ37内のマイクアンプ4に対して供給される。また、マイクロフォン31から上記マイク入力端子Tmin2を介して入力された収音信号は、オーディオプレイヤ37内のマイクアンプ32に対して供給される。
なお、図示は省略したが、この場合もヘッドホン36側には、実際には上記各マイク入力端子Tminと接続されるマイク出力端子が備えられるものとなる。また、図示するようにこの場合もマイクロフォン31からの収音信号は上記マイクアンプ32に−極性により入力されるようにしておく。
この場合、DSP39は、NC上限周波数を1kHzとする信号特性β1と、NC上限周波数を300Hzとする信号特性β2の何れかを収音信号に対して与えることが可能となるように、ハードウエアリソースが与えられている。つまり、信号特性β1/信号特性β2を可変的に与えることが可能なデジタルフィルタとしてのハードウエアリソースが与えられている。その上で、上記制御部40からのNCモード指示に応じては上記信号特性β1を与え、モニタモード指示に応じては上記信号特性β2を与えるようにして、上記デジタルフィルタの係数を変更するようにプログラミングがなされている。
なお、この場合もプログラミングは、DSP39が読み出し可能なメモリ27内にプログラムを格納することで行われる。この場合、メモリ27内には、DSP39に次の図11で説明する動作を行わせるDSPプログラム27bが格納されている。
このβ1フィルタ39aとしてのデジタル信号処理により信号特性β1が付与された上記収音信号(NC信号)は、D/Aコンバータ26に対して供給される。
なお、FF方式については、モニタモード時のNC上限周波数は1kHzのままとなるが、上述もしたようにFF方式によるノイズ低減効果は比較的低めである点、及びモニタモード時にはモニタ信号成分の聴取上問題となる低域成分がより強固に低減されるという点より、この場合のモニタ信号成分の聴取は問題なく行うことができる。
或いは、FF方式側の信号特性αについては低域成分の除去のみとして割り切るものとし、NC上限周波数を300Hzに設定することもできる。
第7の実施の形態は、上記により説明した第6の実施の形態のノイズキャンセリングシステム35の構成に基づいた上で、モニタモード時において、さらにFF方式側の方もNC上限周波数を1kHz→300Hzに変更するものである。
そして、このようにNC上限周波数を可変とする(つまり信号特性αを可変とする)ことに対応させて、FF方式側のNC信号生成系の動作もDSPによるデジタル信号処理で実現するように構成する。さらには、モニタ信号の生成系についてもDSPによるデジタル信号処理で実現する。
図示するようにして第7の実施の形態のノイズキャンセリングシステム41は、先の図10に示したものと同様にFF方式に対応するマイクロフォン3及びFB方式に対応するマイクロフォン31が備えられたヘッドホン36を備えると共に、オーディオプレイヤ42を備えている。
オーディオプレイヤ42は、先の図7に示したオーディオプレイヤ21と同様にマイクアンプ4、A/D変換器23、D/A変換器26、ドライブ回路8、操作部17、制御部22を備えている。このオーディオプレイヤ42においては、先の第6の実施の形態の場合と同様にヘッドホン36におけるマイクロフォン3からの収音信号がマイク入力端子Tmin1を介して上記マイクアンプ4に対して入力されるようになっている。そして、当該マイクアンプ4にて増幅された収音信号は、上記A/D変換器23を介してDSP43に入力される。
また、ヘッドホン36におけるマイクロフォン31からの収音信号についても、先の第6の実施の形態と同様にマイク入力端子Tmin2を介してマイクアンプ32に対して入力され、当該マイクアンプ32にて増幅された収音信号が、A/D変換器38を介してDSP43に対して入力される。
さらに、上記A/D変換器23を介して入力された収音信号に対しては、モニタ信号生成部24dとしてのデジタル信号処理を行ってモニタ信号を生成し、当該モニタ信号生成部24dにより生成されたモニタ信号を、極性反転部24eとしてのデジタル信号処理によって極性反転させる。
そして、図中加算器43bとしてのデジタル信号処理により、上記α2フィルタ24cにより生成したNC信号と、上記β2フィルタ39bにより生成したNC信号と、上記極性反転部24dにより生成されたモニタ信号と、さらにA/D変換器25を介して入力されるオーディオ信号とを加算する。この加算器43bによる加算結果としてもD/A変換器26に対して供給される。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば各実施の形態では、ドライブ回路8として、いわゆるBTL接続により振動板を駆動する場合の構成を例示したが、これに代えて通常のシングルエンド接続により駆動する構成とすることもできる。
図14は、シングルエンド接続とする場合に対応する信号処理装置の構成を示している。この図において、マイクロフォン(3、31)と振動板ユニット2とを除く部分が、信号処理装置の構成と考えればよい。すなわち、これらマイクロフォンと振動板ユニットとを備えるヘッドホン装置に対し信号処理装置を一体的に組み込むものとするか、或いはヘッドホン装置としては上記マイクロフォンと振動板ユニットのみを備えるものとし、信号処理装置をオーディオプレイヤ側に組み込むものとするかは適宜変更可能なものである。
図14(a)は、FF方式によるNC動作のみを行うとした場合の構成、図14(b)はFF方式によるNC動作とFB方式によるNC動作の双方を行う場合の構成を示している。
FF方式NC信号生成部5にて生成されたNC信号は、加算器6に供給され、ここでオーディオ信号と加算される。一方、モニタ信号生成部7で生成されたモニタ信号は、反転回路45に供給され、ここで極性が反転された後、スイッチSWを介して上記加算器6に供給される。
ここで、シングルエンド接続の場合、上記加算器6による加算信号を入力してドライブ信号を生成するドライブ回路としては、図示するように非反転アンプ46を備えるものとなる。従って、この場合のドライブ回路では、BTL接続とする場合のようにモニタ信号の極性を反転する部位が形成されないので、上記のようにしてモニタ信号について極性反転を行うための(つまり正相に戻すための)反転回路45を設けることになる。
また、図14では各部をアナログ回路により構成する場合を例示したが、図中一点鎖線により囲う部分の一部または全部の動作を、DSPによるデジタル信号処理で実現するように構成することもできる。また、この場合もFF方式によるNC信号の生成、FB方式によるNC信号の生成を行うにあたっては、NCモード/モニタモードの切り替えに応じ信号特性を変更するように構成することもできる。
このようにして、少なくともモニタモードとしての動作が得られるように構成することで、聴取者に対しては、NC機能をオンとさせつつモニタ信号に基づく外部音声の聴取を行わせることができる。つまり、この場合としてもモニタモード時においてNC機能をオンとしておくことができることに変わりはなく、これにより、従来のようにモニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
また、このようにモニタモード時においてもNC機能がオンとなるようにされることで、従来のようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまい、聴取されるべきモニタ用信号の成分が他の外部ノイズによってかき消されてしまうといったことを効果的に防止することができる。
なお、この場合もヘッドホン装置側には振動板ユニットとマイクロフォンのみを備えるものとし、他の部分をオーディオプレイヤ側に備えるようにすることもできる。
また、このように常時モニタモードとしての動作が行われるようにする構成を、DSPによるデジタル信号処理で実現することもできる。その場合のDSPとしては、マイクアンプ4からの収音信号に基づきNC信号とモニタ信号を生成すると共に、入力されるオーディオ信号と、上記NC信号とモニタ信号とを加算して出力するようにプログラミングされればよい。また、この場合もFF方式のみでなく、FB方式によるノイズキャンセルも併せて行うようにすることもできる。
また、シングルエンド接続時においても、このようにモニタ信号を増幅しておくものとすれば、その分モニタ信号の音量を上げることができるので、モニタ信号成分がより聴取され易くなるようにできる。
なお、特にシングルエンド接続とする場合など、特にモニタ信号を強調する必要性に乏しい場合などには、敢えてゲイン回路7bを設けること(或いはゲイン回路7bに対応したDSPによる増幅のためのデジタル信号処理の追加)は不要とすることができる。
また、同様に、モニタモード時に対応して設定する信号特性α2・信号特性β2によるNC上限周波数は300Hzとする場合を例示したが、これら信号特性α2・信号特性β2によるNC上限周波数としては、少なくとも音声帯域成分の聴取の妨げとなるとされる低域のノイズ成分を低減できるようにして設定されたものであればよい。
Claims (11)
- 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理装置であって、
上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段と、
第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段と、
上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と
を備えると共に、
上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、
上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成される
信号処理装置。 - 上記選択出力手段は、
上記入力オーディオ信号に対して上記第1ノイズキャンセル信号を加算して出力する加算器と、
上記第1収音信号を入力し、少なくとも上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて上記モニタ用信号を生成するフィルタ回路と、
上記フィルタ回路を介して生成された上記モニタ用信号を入力し、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて上記モニタ用信号の出力をオン/オフするように構成されたスイッチとを備えて構成される
請求項1に記載の信号処理装置。 - 少なくとも上記第1ノイズキャンセル信号生成手段による動作が、デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理によって実行されるように構成されている
請求項1に記載の信号処理装置。 - 上記音響再生装置には、上記装着部の内側に対して第2マイクロフォンが設けられており、
上記第2マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第2収音信号を入力すると共に、当該第2収音信号に対し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードバック方式に対応する信号特性を与えることで、第2ノイズキャンセル信号を生成する第2ノイズキャンセル信号生成手段をさらに備え、
上記選択出力手段は、
上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号と、さらに上記第2ノイズキャンセル信号とを加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記モニタ用信号とを出力する
請求項1に記載の信号処理装置。 - 上記選択出力手段は、
上記入力オーディオ信号に対して上記第1ノイズキャンセル信号と上記第2ノイズキャンセル信号とを加算して出力する加算器と、
上記第1収音信号を入力し、少なくとも上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて上記モニタ用信号を生成するフィルタ回路と、
上記フィルタ回路を介して生成された上記モニタ用信号を入力し、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて上記モニタ用信号の出力をオン/オフするように構成されたスイッチとを備えて構成される
請求項4に記載の信号処理装置。 - 上記第2ノイズキャンセル信号生成手段は、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、
上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第2収音信号に対する信号特性付与を行うように構成される
請求項4に記載の信号処理装置。 - 少なくとも上記第2ノイズキャンセル信号生成手段による動作が、デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理によって実行されるように構成されている
請求項6に記載の信号処理装置。 - さらに上記選択出力手段による動作が上記デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理で実行されるように構成されている
請求項3又は請求項7何れかに記載の信号処理装置。 - 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理方法であって、
上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手順と、
第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手順により生成した上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手順と、
上記選択出力手順の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手順と
を有すると共に、
上記第1ノイズキャンセル信号生成手順では、
上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行う
信号処理方法。 - 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板を駆動するための駆動信号を生成するにあたって、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号とオーディオ信号とを入力して処理するようにされた信号処理装置によって実行されるプログラムであって、
上記第1収音信号に対し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成処理と、
第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成処理により生成した上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力処理と
を上記信号処理装置に実行させると共に、
上記第1ノイズキャンセル信号生成処理が、
上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行う処理とされる
プログラム。 - 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられた音響再生装置と、上記音響再生装置に対する駆動信号を生成するための信号処理装置とを備えて構成されるノイズキャンセリングシステムであって、
上記音響再生装置は、
上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンを備え、
上記信号処理装置は、
上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段と、
第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段と、
上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段と
を備えると共に、
上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、
上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成される
ノイズキャンセリングシステム。
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