JP5034730B2 - 信号処理装置、信号処理方法、プログラム、ノイズキャンセリングシステム - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法、プログラム、ノイズキャンセリングシステム Download PDF

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Description

本発明は、いわゆるヘッドホンやイヤホンなどの音響再生装置に対する駆動信号を生成するための信号処理装置として、特にノイズキャンセルを行うための駆動信号を生成する信号処理装置とその方法に関する。また、上記音響再生装置と上記信号処理装置とを備えて構成されるノイズキャンセリングシステムに関する。
特開平3−214892号公報 特開平3−96199号公報
例えばヘッドホンやイヤホンなどの音響再生装置によってオーディオコンテンツを聴取するということが一般的に行われている。そして、このように音響再生装置によってオーディオコンテンツが聴取される際に生じる外部ノイズを抑圧して、遮音効果を高めるようにされたノイズキャンセリングシステムが実用化されている。
一般的にノイズキャンセリングシステムでは、上記各特許文献に記載されるように、音響再生装置側にノイズ検出用のマイクロフォンが備えられ、その収音信号に基づきノイズ成分を打ち消すような逆相信号を生成してこれをオーディオ信号側に加算することで、ノイズキャンセルを実現するようにされている。
ここで、当然のことながらノイズキャンセリングシステムでは、遮音・消音効果の向上を図ることが重視されるが、一方で、ユーザのニーズとしては、例えば人に話しかけられた際や、電車、バス、飛行機など公共機関利用時のアナウンスを聞き取りたいとしたときなど、外界で生じる音(特に音声帯域の音)も同時に聴取したいとの要望もある。
この点を考慮したものとして、現状では、ノイズキャンセル機能(NC機能)をオンとするNCモードと、NC機能をオフとして外部音の収音信号をオーディオ信号側に加算するモニタモードとの選択が可能とされた商品も見受けられる。
しかしながら、このような構成では、モニタモード時にオーディオコンテンツに基づく音の出力が継続されるものの、NC機能はオフとされてしまうので、この場合のモニタモード時には不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことが問題となる。
また、このようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまうことによって、かえって必要な音声帯域の音を聴取しずらくなってしまうケースも生じうる。つまり、上記のようにしてモニタ信号がオーディオ信号側に加算されはするものの、外部の不要な帯域の騒音も混入することで、場合によっては対象とする音声の聴取が困難となってしまう可能性がある。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、信号処理装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の信号処理装置は、聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理装置であって、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段を備える。
また、第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段を備える。
さらに、上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備える。
そして、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成されるものである。
また、ノイズキャンセリングシステムとして以下のように構成することとした。
すなわち、本発明のノイズキャンセリングシステムは、聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられた音響再生装置と、上記音響再生装置に対する駆動信号を生成するための信号処理装置とを備えて構成されるものであって、上記音響再生装置が、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンを備える。
また、上記信号処理装置としては、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段を備える。
また、第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段を備える。
さらに、上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段を備える。
そして、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成されるものである。

ここで、聴感上耳障りとされるノイズや、人の会話など音声の聴取上妨げとなるノイズの多くの成分は、音声帯域よりも低い周波数帯域にあるものとされる。従って、上記のようにして外部音声の収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号としては、ノイズ成分としての低域成分が除去された、音声聴取上有利な信号を得ることができる。
そして、上記構成によれば、音響再生装置に対する駆動信号として、第1の動作モード時には、ノイズキャンセル信号が加算されたオーディオ信号に基づく駆動信号が生成され、また第2の動作モード時には、上記ノイズキャンセル信号が加算されたオーディオ信号と上記モニタ用信号との双方に基づく駆動信号が生成される。つまりこれにより、ノイズキャンセル(以下、単にNCとも表記する)を行うNCモードと、NC機能をオンとさせつつ上記モニタ用信号に基づく外部音声の聴取を行わせるためのモニタモードとの切換を行うことができる。
上記のようにして本発明によれば、ノイズキャンセルを行うNCモードと、NC機能をオンとさせつつモニタ用信号に基づく外部音声の聴取を行わせるモニタモードとの切換を行うことができる。つまりこれにより、モニタモード時においても、NC機能をオンとしておくことができる。
このようにモニタモード時においてもNC機能をオンとしておくことができれば、従来のようにモニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
また、モニタモード時においてもNC機能がオンとなるようにされることで、従来のようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまい、聴取されるべきモニタ用信号の成分が他の外部ノイズによってかき消されてしまうといったことを効果的に防止することができる。
以上より、上記本発明によれば、ノイズキャンセルによる遮音・消音効果と、外部の例えばアナウンスなどの必要な音声を聴取させる機能との両立を図ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としての信号処理装置について説明するための図として、第1の実施の形態の信号処理装置を備えて構成されたヘッドホン1の内部構成を示している。なお、以下の説明では、簡単のために1チャンネル分のオーディオ信号に対応した構成のみを示すが、複数チャンネルのオーディオ信号に対応する構成とする場合には、各チャンネルごとに以下で説明する構成を設けるものとすればよい。
また、以下の説明において、「ノイズキャンセル」については単に「NC」とも表記する。
図1において、先ずヘッドホン1には振動板ユニット2が備えられている。この振動板ユニット2は、後述するドライブ回路8からのドライブ信号(ドライブ電圧)に基づき内部の振動板を振動させて、上記ドライブ信号に応じた音を出力するように構成される。
また、ヘッドホン1に対しては、ノイズキャンセル動作を行うにあたって外部音を収音するためのマイクロフォン3が備えられる。このマイクロフォン3は、フィードフォワード方式(FF方式)によるノイズキャンセリングシステムに対応した収音動作を可能とするために、次の図2(a)に示されるようにしてヘッドホン1に形成される装着部1Aの外側に対して設けられる。
図2(a)は、上記装着部1Aを含むヘッドホン1の外観の一部分を抽出して示している。先ず、この図からも理解されるように、本実施の形態では、ヘッドホン1としていわゆる密閉型のヘッドホン装置を想定している。
上記装着部1Aとしては、当該ヘッドホン1における、聴取者の耳に対して装着される部分となる。そして、上記マイクロフォン3としては、図のようにして装着部1Aの外側に対して表出するように設けられ、これによって外部音を収音することができるようにされる。
なお、ヘッドホン1としては、図2(b)に示すようないわゆるインナー型(イヤホン)とすることもできる。この場合の装着部1Aとしても、図示するようにして聴取者の耳に対して装着される部分となり、マイクロフォン3としても、同様に装着部1Aの外側に対して表出するようにして設けられるようにすればよい。
また、図示は省略したが、図1に示される振動板ユニット2としては、上記装着部1Aの内側に振動板が配置されるようにして設けられるものとなる。
説明を図1に戻す。
図1において、マイクロフォン3による収音信号は、マイクアンプ4にて増幅された後、図示するようにしてFF方式NC信号生成部5と、モニタ信号生成部7とに分岐して入力される。
ここで、この場合の収音信号については、図示するようにしてマイナス(−)極性により入力するものとする。これは、当該収音信号に基づきFF方式NC信号生成部5によって生成されるNC信号の成分が、外界で生じるノイズ音に対する逆相成分となるようにしてオーディオ信号側に加算されるようにするためである。
FF方式NC信号生成部5には、FF方式によるノイズキャンセリングシステムに対応する信号特性αが設定され、上記マイクアンプ4からの入力される収音信号に対して当該信号特性αを与えるように構成される。この信号特性αは、FF方式によるノイズキャンセリングシステムの系中における各回路や空間の伝達関数を考慮して、外部音がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにするためのNC信号が生成されるように、収音信号に対して与えるべきとして設定された信号特性(周波数−振幅特性や周波数−位相特性)となる。このような信号特性αを入力信号に対して与えるFF方式NC信号生成部5としては、例えばフィルタ回路で構成することができる。
FF方式NC信号生成部5によって上記信号特性αが与えられて生成されたNC信号は、加算器6に対して供給される。
ここで、本実施の形態の場合、上記FF方式NC信号生成部5に設定される信号特性αとしては、外部音の所定周波数以下の帯域成分のみがキャンセルされるような特性を設定するものとしている。
図3は、この場合の信号特性αが与えられて生成されるNC信号によるノイズ低減特性を示している。なお、この図では横軸を外部音の周波数、縦軸をNC信号によるノイズ低減量としてノイズ低減特性を示している。
図示するようにして、この場合の信号特性αによっては、図中の破線により示す音声帯域よりも低い周波数帯域でノイズ低減効果が得られるようにしている。具体的には、およそ300Hz以下の低域部分を対象としてノイズ低減効果が得られるようにしている。
なお、確認のために述べておくと、人の会話を妨げたり聴感上耳障りとされるノイズ成分の多くは、300Hz以下の低域に含まれるものとなっている。従って上記により説明した信号特性αの設定によれば、音声帯域成分を聴取する上で障害となるとされるノイズ成分の大部分がキャンセルされるようにすることができる。
図1において、ヘッドホン1には、オーディオ入力端子TAinが設けられる。このオーディオ入力端子TAinには、図示されない外部のオーディオプレイヤなどオーディオコンテンツを再生出力する再生装置からのオーディオ信号が入力される。そして、このようにして入力されたオーディオ信号は、図示するようにして加算器6に入力される。
加算器6は、上述のようにしてFF方式NC信号生成部5から供給されたNC信号と、上記オーディオ信号とを加算し、ドライブ回路8に対して出力する。
ここで、上述もしたようにこの場合のマイクアンプ4からは、−極性による収音信号が出力されるので、FF方式NC信号生成部5より出力される上記NC信号としても、その極性は−極性となる。従って、上記加算器6からドライブ回路8に対して供給される信号としては、オーディオ信号に対して−極性によるNC信号が重畳されたものとなる。
ドライブ回路8は、入力信号を増幅して振動板ユニット2内の振動板を駆動するためのドライブ信号を生成する。
本実施の形態の場合のドライブ回路8によっては、いわゆるBTL(Bridged TransLess)接続としての構成によって振動板が駆動されるようになっている。具体的に、この場合のドライブ回路8には2つの反転アンプ8a、8bが備えられ、これらが相互に逆相動作するようにして構成されている。
上記反転アンプ8aには、上述した加算器6からの出力信号が入力される。反転アンプ8aは、入力された上記加算器6からの出力信号の極性を反転させて出力する。
この反転アンプ8aにより極性が反転された上記加算器6からの出力信号は、図示するようにして振動板ユニット2に対する−極性側のドライブ信号として供給されることになる。この場合、オーディオ信号の極性を基準として考えれば、反転アンプ8aの出力は−極性となるものである。
また、図示するようにして上記反転アンプ8aの出力信号は分岐されて、反転アンプ8bに対し(後述する加算器8cを介し)て入力されるようになっている。これにより反転アンプ8bからは、上記反転アンプ8aからの入力信号の極性がさらに反転された信号が出力され、当該反転アンプ8bによる出力信号は振動板ユニット2に対する+極性側のドライブ信号として供給される。
周知のように、このようなBTL接続としての構成を採ることで、いわゆるシングルエンド接続とする場合に比べ、電圧の振れ幅が略2倍となって略4倍のパワーによって振動板を駆動することができ、より効率的な駆動が実現され、またS/N的にも有利とすることができる。
また、ヘッドホン1に対しては、外部音の特に音声帯域の音の聴取(モニタリング)を可能とするためのモニタ信号を生成する系として、モニタ信号生成部7、スイッチSW、加算器8cが備えられている。
モニタ信号生成部7は、HPF(ハイパスフィルタ)7aとゲイン回路7bとを備え、上述したマイクアンプ4からの収音信号は、HPF7aに対して入力される。ここで、HPF7aのカットオフ周波数としては、聴感上耳障りとされるノイズ成分が多分に含まれる低域の成分を除去するようにして設定される。具体的には、先の図3にて説明した300Hz以下の帯域をカットするように設定される。これによって、低域の耳障りなノイズ成分が除去され、例えば車内アナウンスなどの外部の音声が聴取し易くなるようにされたモニタ信号が得られるように図られている。
HPF7aにより生成されたモニタ信号は、ゲイン回路7bにて所定のゲインが与えられて増幅された後、モニタ信号生成部7から出力される。
なおここでは、上記モニタ信号生成部7として、明示的にHPF7aとゲイン回路7bとを分けた構成とする場合を例示しているが、実際においてモニタ信号生成部7としては、上記のような所定の周波数以下の帯域成分が除去されて所定のゲインが与えられた信号を得るための周波数−振幅特性を与えるフィルタ回路などで一体的に構成することができる。
上記モニタ信号生成部7から出力されたモニタ信号は、スイッチSWを介して、加算器8cに供給される。加算器8cは、先に説明した反転アンプ8aからの出力信号と、上記スイッチSWを介して入力されるモニタ信号とを加算して、反転アンプ8bに出力する。
ここで、スイッチSWを介して上記加算器8cに入力されるモニタ信号の極性は、先に説明したマイクアンプ4からの収音信号の極性に応じて−極性とされている。このことで、上記反転アンプ8bから出力されるモニタ信号成分の極性としては、+極性となるようにされる。この結果、振動板ユニット2に対する+極性側のドライブ信号に対して+極性によるモニタ信号成分を重畳することができ、これによって振動板ユニット2から上記モニタ信号に応じた音が適正に出力されるようにすることができる。
また、ヘッドホン1には、上記スイッチSWをオン/オフさせるための操作子9が設けられる。この場合、操作子9は例えば押圧操作が可能なボタンなどの操作子とされ、当該操作子9に対する操作に連動して上記スイッチSWがオン/オフされるように構成されている。つまりこの場合、上記操作子9の操作によりスイッチSWがオフとされる場合には、ドライブ回路8に対しては加算器6による加算信号(オーディオ信号にNC信号が加算された信号)のみが供給されて、ノイズキャンセル機能のみがオンとされ、また、スイッチSWがオンとされる場合には、ドライブ回路8に対して上記加算信号と共に上記モニタ信号が供給されて、NC機能のオン状態が維持されつつ、外部音声のモニタ機能がオンとなるようにされる。
なお、上記説明からも理解されるように、この場合は操作子9の操作に連動してNC動作のみが行われるNCモードと、モニタ信号が出力されるモニタモードとの切り替えが行われるものとなる。つまりこの場合においては、操作子9がNCモード/モニタモードの切り替え指示を行うための手段となる。
上記のようにして第1の実施の形態の信号処理装置によれば、ノイズキャンセルを行うNCモードと、NC機能をオンとさせつつモニタ用信号に基づく外部音声の聴取を行わせるモニタモードとの切換を行うことができる。
また、このことによれば、モニタモード時においてもNC機能はオンとしておくことができるようになる。これにより、モニタモード時にNC機能をオフとしてしまう従来手法のように、モニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
また、上記のようにしてモニタモード時においてもNC機能をオンとしておくことができることで、従来のようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまい、聴取されるべきモニタ信号の成分が他の外部ノイズによってかき消されてしまうといったことを効果的に防止することができる。
また、第1の実施の形態では、例えば300Hz以下の帯域など、音声帯域よりも低い低域の成分のみをキャンセルするようにして信号特性αを設定しているので、モニタモード時において聴取されるべき音声帯域の成分までもがキャンセルされてしまうといったことを効果的に防止することができる。
<第2の実施の形態>
続いて、第2の実施の形態について次の図2を参照して説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の場合のように信号処理装置をヘッドホン装置側に備えるのではなく、オーディオ信号を再生するオーディオプレイヤ側に備えるようにしたものである。図2では、このように信号処理装置を内蔵して構成されたオーディオプレイヤ12と、ヘッドホン11とを備えて構成されるノイズキャンセリングシステム10の構成を示している。
なお、図2において、既に先の図1にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、この場合のヘッドホン11においても、振動板ユニット2とマイクロフォン3が備えられる。図示は省略するが、このヘッドホン11としても装着部1Aを有する。なお、この場合も当該装着部1Aに対する上記振動板ユニット2、マイクロフォン3の各形成位置は、先の第1の実施の形態のヘッドホン1の場合と同様となる。
また、この場合の振動板ユニット2に対しては、オーディオプレイヤ12側に備えられる+極側出力端子To1、−極側出力端子To2を介して入力される+極性側ドライブ信号、−極性側ドライブ信号が供給される。
さらに、上記マイクロフォン3による収音信号が、オーディオプレイヤ12側に備えられるマイク入力端子Tminを介して、オーディオプレイヤ12側のマイクアンプ4に対して供給されるようになっている。
なお、ここでは図示の都合上省略したが、ヘッドホン11側には、実際には上記+極側出力端子To1に接続される+極側入力端子、上記−極側出力端子To2に接続される−極側出力端子が備えられ、上記+極性側ドライブ信号、上記−極性側ドライブ信号は、上記+極側入力端子、上記−極側入力端子を介してそれぞれ入力されるものとなる。同様にヘッドホン11側には、上記マイク入力端子Tminと接続されるマイク出力端子が備えられ、マイクロフォン3による収音信号は上記マイク出力端子から出力されて上記マイクアンプ4に対して供給されるものとなる。
オーディオプレイヤ12側に備えられる信号処理装置の構成は、先の図1に示したものと同様となる。すなわち、この場合もマイクアンプ4、FF方式NC信号生成部5、加算器6、モニタ信号生成部7(HPF7a、ゲイン回路7b)、ドライブ回路8(反転アンプ8a、非反転アンプ8b、加算器8c)、スイッチSW、操作子9が設けられている。
但しこの場合、上記加算器6に対して入力されるオーディオ信号としては、図示されない再生部により再生出力されたオーディオ信号となる。つまり、この場合のオーディオプレイヤ12には、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ、或いはCD(Compact Disc)などのリムーバブルメディアに記録されたオーディオコンテンツを再生する再生部が備えられており、上記加算器6には、当該再生部により再生されたオーディオ信号が入力されることになる。
また、この場合のドライブ回路8から出力される+極性側ドライブ信号は上述した+極側出力端子To1に供給され、また−極側ドライブ信号は−極側出力端子To2に対して供給されるようになっている。
このような第2の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム10の構成によっても、先の第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
図5は、第3の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム15の構成を示している。なお、この図において、既に図1、図4にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
図示するようにして、第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15は、先に説明したヘッドホン11と、オーディオプレイヤ16とを備えて構成される。
第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15では、上記オーディオプレイヤ16において、NCモード/モニタモードの切り替えに応じて収音信号に与える信号特性αを切り替えることで、NCモード時とモニタモード時とでノイズキャンセルの対象帯域の切り替えが行われるようにしたものである。
図5において、この場合のオーディオプレイヤ16では、FF方式NC信号生成部5に代えて、FF方式NC信号生成部19が備えられている。
このFF方式NC信号生成部19は、外部音のうち第1の周波数以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定された第1の信号特性α(以下、α1と表記)と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定された第2の信号特性α(α2と表記)の何れか一方の信号特性αを、マイクアンプ4より入力される収音信号に対して選択的に与えるように構成される。
具体的に、この場合の上記第1の周波数は例えば1kHzとされ、上記第2の周波数は300Hzとされる。すなわち、この場合のFF方式NC信号生成部19によれば、1kHz以下の帯域成分をキャンセルするようにして設定された信号特性α1と、300Hz以下の帯域成分をキャンセルするようにして設定された信号特性α2の何れかを、上記収音信号に対して選択的に与えるように構成されている。
そして、上記FF方式NC信号生成部19にて何れの信号特性αを付与させるかを選択制御するための構成として、図示する制御部18が設けられる。制御部18は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリを備えたマイクロコンピュータで構成される。
この場合、制御部18に対しては、操作部17からの操作信号が供給される。
操作部17は、例えばオーディオプレイヤ16の筐体外部に表出するようにして設けられた複数の操作子を備え、操作の行われた操作子に対応する操作入力信号を上記制御部18に対して供給するように構成される。
この場合、上記操作部17を介したユーザの操作入力としては、少なくともNCモード/モニタモードの切り替え操作が可能とされる。制御部18は、このようなNCモード/モニタモードの切り替え操作に応じて、スイッチSWのオン/オフ制御を行うと共に、FF方式NC信号生成部19における信号特性α1/信号特性α2の選択制御を行う。
図6は、上記のようなNCモード/モニタモードの切り替え操作に応じて行われる、制御部18の処理動作を示している。なお、この図6に示される処理動作は制御部18におけるCPUが上述したメモリに格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
先ず、ステップS101では、NC/モニタモード切替操作を待機する。つまり、操作部17からの操作入力信号に基づき、NCモード/モニタモードの切り替え操作が行われたとされる状態となるまで待機する。
そして、NCモード/モニタモードの切り替え操作が行われたとした場合は、ステップS102に進み、現在のモードがNCモードであるかを判別する。現在のモードがNCモードであるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS103に進み、スイッチSWをオンとした後、ステップS104において、NC上限周波数を1kHz→300Hzに変更するための処理を行う。
つまり、この場合の切り替え操作はNCモードからモニタモードへの切り替え操作となるので、NC上限周波数が1kHzから300Hzにシフトされるように、FF方式NC信号生成部19に対して信号特性α2を選択させるように制御を行う。
一方、上記ステップS102において、現在のモードがNCモードではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS105に進んでスイッチSWをオフとした後、ステップS106において、NC上限周波数を300Hz→1kHzに変更するための処理を行う。
すなわち、この場合の切り替え操作はNCモードへの切り替え操作となるので、NC上限周波数が300Hzから300Hzにシフトされるように、FF方式NC信号生成部19に対して信号特性α1を選択するように制御を行う。
このステップS106による処理、または上述したステップS104による処理を実行すると、図示するようにしてRETURNとなる
図5において、制御部18によりこの図6に示す処理動作が実行されることで、この場合のNCモード時には、1kHzをNC上限周波数としたNC動作が実行される。一方で、モニタモード時には、NC上限周波数が上記NCモード時から低域側にシフトされて、300Hzまでの帯域を対象としたNC動作が行われると共に、モニタ信号に基づく音声出力が行われる。
このような第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15によれば、NCモード時にはNC効果が向上し、またモニタモード時においては、上述のようにしてNC対象上限周波数が例えば300Hz以下など音声帯域よりも低い周波数にシフトされることで、モニタ信号に基づく音声帯域成分がキャンセルされてしまうことを防止することができる。
この結果、NCモード時におけるNC効果の向上と、モニタモード時における外部音声のモニタ性能の向上との両立を図ることができる。
<第4の実施の形態>
ここで、これまでの説明では、信号処理装置を形成する各部をアナログ回路により構成することを前提として説明を行ったが、例えば上述のようにして信号特性αの切り替えが可能なFF方式NC信号生成部19をアナログ回路により実現するとした場合、1つのフィルタ回路により信号特性を可変とすることは実用上非常に困難となるので、例えば信号特性α1を与えるように構成されたフィルタ回路と、信号特性α2を与えるように構成されたフィルタ回路と、さらに入力信号を何れのフィルタ回路に入力させるかを選択するスイッチを設けておき、当該スイッチの切り替え制御によって収音信号に何れかの信号特性αを与えるように構成することになる。
しかしながら、このような構成とした場合には、フィルタ回路を複数備える分、回路実装スペースの拡大化に伴う装置の大型化や、コストアップなどの問題を生じさせる。
そこで、第4の実施の形態では、図5にて説明したFF方式NC信号生成部19としての動作を、DSP(Digital Signal Processor)によるデジタル信号処理によって実現するように構成する。
図7は、第4の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム20の構成を示している。第4の実施の形態のノイズキャンセリングシステム20は、先の第3の実施の形態のノイズキャンセリングシステム15の構成に基づいた上で、オーディオプレイヤ側の一部の構成のみを変更したものとなる。従って、この図7において、既に第3の実施の形態までで説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
図7において、この場合のノイズキャンセリングシステム20では、第3の実施の形態の場合のオーディオプレイヤ16に代えて、オーディオプレイヤ21が備えられる。
この場合、図中のDSP24によっては、FF方式NC信号生成部19に対応する動作と共に、加算器6による入力オーディオ信号とNC信号との加算動作、及びモニタ信号生成部7によるモニタ信号の生成動作、さらにはスイッチSWによるドライブ回路8への出力信号の選択動作も実現させるものとしている。
この場合、マイクアンプ4からの収音信号は、A/D変換器23を介してデジタル信号に変換されてDSP24に入力される。また、オーディオ信号はA/D変換器25を介してデジタル信号に変換されDSP24に入力される。
また、図示するようにこの場合は、先の図5に示した制御部18に代えて、制御部22が設けられる。この場合の制御部22は、操作部17からの操作入力信号に基づき先の図6に示したステップS101・S102と同様の処理を行って、NCモードへの切り替え操作又はモニタモードへの切り替え操作の何れが行われたかを判別するようにされる。そして、NCモードへの切り替え操作が行われたとした場合は、NCモード指示信号をDSP24に供給し、モニタモードへの切り替え操作が行われたとした場合はモニタモード指示信号をDSP24に供給するようにされる。
DSP24は、上記制御部22からのNCモード指示信号、モニタモード指示信号の供給に応じ、次の図8の模式図に示されるような動作をデジタル信号処理によって実行するようにしてハードウエア構成が与えられ、且つプログラミングされている。図8では、DSP24のデジタル信号処理で実現される動作をブロック化して模式的に示している。またこの図では、図7に示されるA/D変換器23、A/D変換器25、D/A変換器26も併せて示している。
図8(a)はNCモード指示信号が供給された場合、図8(b)はモニタモード指示信号が供給された場合を示す。
先ず、DSP24には、FF方式NC信号生成部19としての動作を可能とするために、信号特性α1/信号特性α2の切り替えが可能なフィルタ処理を行うデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソースが与えられている。このようなデジタルフィルタとしては、例えば入力信号(この場合はA/D変換器23を介して入力される収音信号)に対して複数のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタを縦列または並列接続したものを挙げることができる。すなわち、これらのフィルタに与える係数を変更することで、信号特性α1と信号特性α2の切り替えが可能となるものである。
同様にして、モニタ信号生成部7としての動作を可能とするために、入力信号(収音信号)に対して所定の周波数−振幅特性を与えるためのデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソース、及び加算器6に対応した加算動作を実現するためのハードウエアリソースが与えられている。
さらに、この場合は、モニタ信号の極性を反転させる反転回路としての動作を実現するためのハードウエアリソースも与えられることになる。
ここで図7を参照してわかるように、DSP24の出力は1系統のみで、例えば先の第3の実施の形態のようにドライブ回路8に対してNC信号・オーディオ信号の組とモニタ信号とを分けて出力するものとはされていない。すなわち、反転アンプ8bによるモニタ信号の極性反転は行われないものとなっているので、DSP24内にてモニタ信号の極性を反転させるものである。
先ず図8(a)において、制御部22からのNCモード指示信号が供給された場合は、A/D変換器23を介して入力されるデジタル信号による収音信号に対し、図中α1フィルタ24aとしてのデジタル信号処理を行う。すなわち、上述したデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理によって、上記収音信号に対して信号特性α1を付与する。また、当該α1フィルタ24aにより信号特性を付与した上記収音信号(NC信号)と、A/D変換器25を介して入力されるデジタル信号によるオーディオ信号とを、上述した加算器としてのハードウエアリソースを用いて加算する(図中加算器24b)。これらNC信号と収音信号とが加算された信号は、D/Aコンバータ26に対して供給される。
また、図8(b)において、制御部22からのモニタモード指示信号が供給された場合は、A/D変換器23を介して入力される収音信号に対し、図中α2フィルタ24cとしての、上述したデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理によって信号特性α2を付与したNC信号を生成する。
また、上記A/D変換器23を介して入力された収音信号については、図中モニタ信号生成部24dとしての、上述したモニタ信号生成部7に対応するデジタルフィルタとしてのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理により、この場合は300Hz以下の成分が除去され且つ所要のゲインが与えられるようにして周波数−振幅特性を与えて、モニタ信号を生成する。
また、このようにして生成されたモニタ信号については、図中の極性反転部24eとしての、上述した反転回路を実現するためのハードウエアリソースを用いた極性反転動作により、極性を反転させる。
さらに、図中加算器24fとして、上記α2フィルタ24cにより生成されたNC信号と上記極性反転部24eにより極性反転されたモニタ信号と、さらにA/D変換器25を介して入力されるオーディオ信号とを上述した加算器としてのハードウエアリソースを用いて加算する。
そして、この加算器24fによる加算結果がD/A変換器26に対して供給される。
このようなDSP24によれば、先の図5に示した構成と同様に、NCモード時にはドライブ回路8内の反転アンプ8aに対して信号特性α1に基づくNC信号とオーディオ信号とが加算された信号を供給することができる。また、モニタモード時には、上記反転アンプ8aに対して信号特性α2に基づくNC信号とオーディオ信号と、さらにモニタ信号とが加算された信号を出力することができる。
ここで、図7にも示されているように、この場合は、DSP24においてモニタ信号の生成を行うようにした関係から、ドライブ回路8における加算器8cは省略され、反転アンプ8bに対しては反転アンプ8aからの出力信号のみが入力されるようになっている。
なお、確認のために述べておくと、上記により説明したDSP24における各動作は、DSP24に対するプログラミングにより実現される。具体的に、この場合のオーディオプレイヤ21には、DSP24が読み出し可能なメモリ27が備えられ、当該メモリ27内に格納されるDSPプログラム27aに従ってDSP24が動作することで、上記により説明した各動作が実現されるものである。
上記により説明した第4の実施の形態のように、DSP24によるデジタル信号処理によって信号特性α1/信号特性α2の切り替え動作を行うように構成するものとすれば、例えばこのような切り替え構成をアナログ回路により実装するとした場合と比較して、部品点数の削減、それに伴う低コスト化、及び回路実装面積の縮小化による装置の小型化が図られる。
また、第4の実施の形態では、モニタ信号生成部7の動作もDSP24によるデジタル信号処理で実現するものとしているが、このことによれば、アナログ回路によるモニタ信号生成部7の実装スペースを省略することができ、この点でも装置小型化、部品点数の省略、低コスト化を図ることができる。なお、このような装置小型化や低コスト化の効果は、DSP24のデジタル信号処理により加算器6、スイッチSWとしての動作も実現するようにしたことについても同様のことが言える。
なお、確認のために述べておくと、これら装置小型化や部品点数の削減などの効果は、オーディオプレイヤ21において、他の機能部位(例えば各種音声信号処理を実現する機能部位)と共用のDSP(及びA/D変換器、D/A変換器)が備えられていることを前提としたものである。つまり、もともと他の機能部位の動作実現のためのDSPが備わっていれば、そのDSPに対するプログラミングを変更するのみで、先の図8に示した第4の実施の形態としての動作を実現させることができ、このことを考慮すれば、別途のアナログ回路による追加構成は不要とすることができ、装置小型化や部品点数の削減等の効果を得ることができるということである。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態は、FF方式によるノイズキャンセル動作と共に、フィードバック方式(以下、単にFB方式とする)によるノイズキャンセル動作も併せて行うようにするものである。
第5の実施の形態では、第1の実施の形態のヘッドホン1に対し、FB方式によるノイズキャンセル動作を行うための構成を追加したヘッドホン30とする場合を例示する。
図9は、第5の実施の形態としてのヘッドホン30の内部構成を示している。なお、この図においても既にこれまでで説明済みの部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、この場合のヘッドホン30に対しては、FB方式に対応した収音動作を行うための、マイクロフォン31が設けられる。
周知のように、FB方式によるノイズキャンセリングシステムでは、振動板から出力される音と、外部から伝わるノイズとが、ヘッドホンを装着した聴取者によって聴取される位置(聴取点)に近接する位置に対して、マイクロフォンを設けるようにされる。つまり、FB方式に対応して設けられる上記マイクロフォン31によっては、装着部1Aの内部空間に得られる、振動板からの出力音と外部ノイズに基づく音との双方を収音することが前提とされている。
このために、上記マイクロフォン31としては、少なくともヘッドホン30における装着部1Aの内側において設けられ、振動板と近接するようにして配置される。
そして、上記マイクロフォン31により得られる収音信号に基づき、FB方式によるNC信号を生成するための系として、マイクアンプ32、FB方式NC信号生成部33が設けられる。マイクアンプ32は、上記マイクロフォン31により得られる収音信号を入力し、これを増幅してFB方式NC信号生成部33に供給する。
なお、上記マイクアンプ32を介してFB方式NC信号生成部33に対して入力される収音信号についても、先のFF方式の場合と同様の主旨より−極性で入力されるようにしておく。
FB方式NC信号生成部33は、FB方式によるノイズキャンセリングシステムに対応する信号特性βが設定され、上記マイクアンプ32より入力される収音信号に対して当該信号特性βを与える。信号特性βは、FB方式によるノイズキャンセリングシステムの系中における各回路や空間の伝達関数を考慮して、外部音がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにするためのNC信号が生成されるように、収音信号に対して与えるべきとして設定された信号特性(周波数−振幅特性や周波数−位相特性)となる。このFB方式NC信号生成部33としても、例えばフィルタ回路で構成することができる。
また、FB方式NC信号生成部33に設定される上記信号特性βによるノイズ低減特性としても、先の図3で示したものと同様に、外部音の例えば300Hz以下の帯域成分がキャンセルされて聴取者に聴取されるようにして設定されている。
FB方式NC信号生成部33により上記信号特性βが与えられた収音信号(NC信号)は、加算器6に供給される。
この場合の加算器6は、オーディオ入力端子TAinを介して入力されたオーディオ信号と、上記FB方式NC信号生成部33からのNC信号と、FF方式NC信号生成部5からのNC信号とを加算し、その結果得られる信号を加算信号としてドライブ回路8内の反転アンプ8aに対して供給する。
このような構成により、FF方式・FB方式の双方の方式によるノイズキャンセル動作が併行して行われるようにすることができる。
ここで、FF方式とFB方式とでは、相互にトレードオフとなるような関係を有するものとなっている。つまり、FF方式では、ノイズを有効にキャンセル(減衰)できる周波数帯域は比較的広く、系の安定性も高いものとされるが、一方で、充分なノイズキャンセル量が得られにくいものとなることが知られている。このために、例えばノイズ音源との位置関係などの状況によっては、信号特性αの設定にあたって想定したノイズキャンセリング系の伝達関数と合致しなくなり、例えば特定の周波数帯域にて充分なノイズキャンセル効果が得られなくなってしまうような可能性のあることが指摘されている。この場合、実際には広い周波数帯域にわたってノイズキャンセルが有効にはたらいているのにも関わらず、或る特定の周波数帯域においてのみノイズが目立ってしまうような現象が生じるということになり、聴感上は、ノイズキャンセル効果を感じにくくなる。
これに対し、FB方式は、ノイズをキャンセルできる周波数帯域は狭いものの、充分なノイズキャンセル量が得られるという特徴を持つものとして知られている。このことからすると、FF方式に対してFB方式を組み合わせてノイズキャンセリングシステムを構築すれば、相互の不利な点を補い合うことで、より有効なノイズキャンセル動作を実現することができ、その分ノイズキャンセル効果の向上を図ることができる。
なお、第5の実施の形態では、第1の実施の形態のヘッドホン1に対し、FB方式によるノイズキャンセル動作を行うための構成を追加したヘッドホン30とする場合を例示したが、上記により説明したFB方式によるノイズキャンセル動作を行うための構成は、例えば第2の実施の形態のオーディオプレイヤ12、第3の実施の形態のオーディオプレイヤ16に対しても同様に適用することができる。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態は、第5の実施の形態と同様にFF方式によるノイズキャンセルとFB方式によるノイズキャンセルとを組み合わせるものとした上で、FB方式のノイズキャンセル系における信号特性βを、NCモード時とモニタモード時とで切り替えるようにするものである。また、先の第4の実施の形態と同様に、信号特性を切り替えてNC信号を生成するための構成を、DSPによるデジタル信号処理で実現するものである。
図10は、第6の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム35の構成を示している。図示するようにしてノイズキャンセリングシステム35は、ヘッドホン36とオーディオプレイヤ37とを備えるものとなる。なお、この図においても既に説明済みの部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、ヘッドホン36は、先の図4などに示したヘッドホン11に対し、FB方式に対応するマイクロフォン31が追加的に設けられたものとなる。この場合もマイクロフォン31としては装着部1Aの内側において振動板と近接する位置に配置されるようにして設けられる。
また、オーディオプレイヤ37は、先の図4に示したオーディオプレイヤ12と同様にマイクアンプ4、FF方式NC信号生成部5、加算器6、モニタ信号生成部7、スイッチSW、ドライブ回路8が備えられた上で、以下の点が変更される。
先ず、ヘッドホン36に対し2つ設けられたマイクロフォン(3,31)からのそれぞれの収音信号を入力するために、マイク入力端子Tminを2つ備える。この場合、FF方式に対応するマイクロフォン3からの収音信号を入力する端子はマイク入力端子Tmin1とし、FB方式に対応するマイクロフォン31からの収音信号を入力する端子はマイク入力端子Tmin2とする。マイクロフォン3から上記マイク入力端子Tmin1を介して入力された収音信号は、オーディオプレイヤ37内のマイクアンプ4に対して供給される。また、マイクロフォン31から上記マイク入力端子Tmin2を介して入力された収音信号は、オーディオプレイヤ37内のマイクアンプ32に対して供給される。
なお、図示は省略したが、この場合もヘッドホン36側には、実際には上記各マイク入力端子Tminと接続されるマイク出力端子が備えられるものとなる。また、図示するようにこの場合もマイクロフォン31からの収音信号は上記マイクアンプ32に−極性により入力されるようにしておく。
また、この場合のFF方式NC信号生成部5では、信号特性αとして、信号特性α2が設定される。すなわち、この場合のFF方式ノイズキャンセル動作によるNC上限周波数は、1kHzとなるようにされる。
また、上記マイクアンプ32によって増幅された収音信号に基づき、FB方式によるNC信号を生成するための構成として、図示するA/D変換器38、DSP39及びメモリ27、D/A変換器26が備えられている。また、操作部17にて行われたNCモード/モニタモードの切り替え操作に応じて、DSP39にNCモード/モニタモード指示を行う制御部40が備えられる。この制御部40は、上記NCモード/モニタモードの切り替え操作に応じてスイッチSWのオン/オフ制御するという点を除いては、先の図7に示した制御部22と同様となる。
DSP39は、上記A/D変換器38を介して入力されるマイクアンプ32からの収音信号に対して、上記制御部40からのNCモード/モニタモード指示に応じた信号特性βを与えることで、NCモード時/モニタモード時でNC上限周波数を異ならせるようにしてFB方式のNC信号を生成する。
この場合、DSP39は、NC上限周波数を1kHzとする信号特性β1と、NC上限周波数を300Hzとする信号特性β2の何れかを収音信号に対して与えることが可能となるように、ハードウエアリソースが与えられている。つまり、信号特性β1/信号特性β2を可変的に与えることが可能なデジタルフィルタとしてのハードウエアリソースが与えられている。その上で、上記制御部40からのNCモード指示に応じては上記信号特性β1を与え、モニタモード指示に応じては上記信号特性β2を与えるようにして、上記デジタルフィルタの係数を変更するようにプログラミングがなされている。
なお、この場合もプログラミングは、DSP39が読み出し可能なメモリ27内にプログラムを格納することで行われる。この場合、メモリ27内には、DSP39に次の図11で説明する動作を行わせるDSPプログラム27bが格納されている。
図11は、上記DSP39のデジタル信号処理で実現される動作をブロック化して模式的に示している。なお、この図では図10に示されるA/D変換器23、D/A変換器26も併せて示している。図11(a)はNCモード指示信号が供給された場合、図11(b)はモニタモード指示信号が供給された場合を示している。
図11(a)に示されるようにして、制御部40からのNCモード指示信号が供給された場合は、A/D変換器23を介して入力されるデジタル信号による収音信号に対し、図中β1フィルタ39aとしてのデジタル信号処理を行う。すなわち、上述したデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理によって、上記収音信号に対して信号特性β1を付与する。
このβ1フィルタ39aとしてのデジタル信号処理により信号特性β1が付与された上記収音信号(NC信号)は、D/Aコンバータ26に対して供給される。
また、図11(b)において、制御部40からのモニタモード指示信号が供給された場合は、A/D変換器23を介して入力される収音信号に対し、図中β2フィルタ39bにより、上述したデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソースを用いたデジタル信号処理によって信号特性β2を付与したNC信号を生成する。そして、上記β2フィルタ39bにより生成されたNC信号はD/Aコンバータ26に対して供給される。
図10において、上記DSP39により生成され、D/A変換器26にてアナログ信号に変換されたNC信号は、加算器6に供給される。この場合の加算器6は、上記D/A変換器26より入力されたFB方式によるNC信号と、FF方式NC信号生成部5により生成されたFF方式によるNC信号と、さらにオーディオ信号とを加算し、その結果を加算信号としてドライブ回路8内の反転アンプ8aに対して供給する。
上記構成によるノイズキャンセリングシステム35によれば、NCモード時には、FF方式NC信号生成部5により生成されたNC信号(NC上限周波数=1kHz)と、DSP39により生成されたNC信号(NC上限周波数=1kHz)とに基づくノイズキャンセル動作が行われることになる。そして、モニタモード時には、制御部40によるスイッチSWの制御によりモニタ信号がドライブ回路8に対して出力されると共に、上述したDSP39の動作によってFB方式によるNC信号についてそのNC上限周波数が300Hzに変更されてノイズキャンセル動作が行われることになる。
上記のようにして第6の実施の形態では、FF方式についてはNCモード・モニタモードの両モード時でNC上限周波数は1kHzで変化させず、一方でFB方式については、モニタモード時のNC上限周波数を1kHzから300Hzにシフトさせるようにしている。このような手法によれば、NCモード時には、FF方式・FB方式の両方式によってNC上限周波数を1kHzとしたNC動作を併行して行うことができ、より大きなNC効果を得ることができる。一方で、モニタモード時には、FB方式によるNC上限周波数が音声帯域よりも低域側にシフトされることで、耳障りな低域ノイズをより多く低減することができる。
なお、FF方式については、モニタモード時のNC上限周波数は1kHzのままとなるが、上述もしたようにFF方式によるノイズ低減効果は比較的低めである点、及びモニタモード時にはモニタ信号成分の聴取上問題となる低域成分がより強固に低減されるという点より、この場合のモニタ信号成分の聴取は問題なく行うことができる。
或いは、FF方式側の信号特性αについては低域成分の除去のみとして割り切るものとし、NC上限周波数を300Hzに設定することもできる。
<第7の実施の形態>
第7の実施の形態は、上記により説明した第6の実施の形態のノイズキャンセリングシステム35の構成に基づいた上で、モニタモード時において、さらにFF方式側の方もNC上限周波数を1kHz→300Hzに変更するものである。
そして、このようにNC上限周波数を可変とする(つまり信号特性αを可変とする)ことに対応させて、FF方式側のNC信号生成系の動作もDSPによるデジタル信号処理で実現するように構成する。さらには、モニタ信号の生成系についてもDSPによるデジタル信号処理で実現する。
図12は、第7の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム41の構成を示している。なお、この図においても既に説明済みの部分については同一符号を付して説明を省略する。
図示するようにして第7の実施の形態のノイズキャンセリングシステム41は、先の図10に示したものと同様にFF方式に対応するマイクロフォン3及びFB方式に対応するマイクロフォン31が備えられたヘッドホン36を備えると共に、オーディオプレイヤ42を備えている。
オーディオプレイヤ42は、先の図7に示したオーディオプレイヤ21と同様にマイクアンプ4、A/D変換器23、D/A変換器26、ドライブ回路8、操作部17、制御部22を備えている。このオーディオプレイヤ42においては、先の第6の実施の形態の場合と同様にヘッドホン36におけるマイクロフォン3からの収音信号がマイク入力端子Tmin1を介して上記マイクアンプ4に対して入力されるようになっている。そして、当該マイクアンプ4にて増幅された収音信号は、上記A/D変換器23を介してDSP43に入力される。
また、ヘッドホン36におけるマイクロフォン31からの収音信号についても、先の第6の実施の形態と同様にマイク入力端子Tmin2を介してマイクアンプ32に対して入力され、当該マイクアンプ32にて増幅された収音信号が、A/D変換器38を介してDSP43に対して入力される。
DSP43は、例えば先の図8などで説明した信号特性付与のためのデジタルフィルタ、モニタ信号生成のためのデジタルフィルタを実現するためのハードウエアリソース、及びモニタ信号の極性反転のためのハードウエアリソース、さらにNC信号とモニタ信号を加算するためのハードウエアリソースが与えられている。そして、これらのハードウエアリソースを用いて、次の図13に示されるような動作が行われるようにしてプログラミングがなされている。この場合のDSP43に対してもメモリ27が備えられ、当該メモリ27内に格納されるDSPプログラム27cに従ってDSP43が動作することで、図13に示される各動作が実現される。
先ず、図13(a)に示されるようにして、制御部22からのNCモード指示に応じては、A/D変換器23を介して入力される収音信号に対し、先に説明したα1フィルタ24aとしてのデジタル信号処理によって信号特性α1を付与することでFF方式によるNC信号を生成し、且つ上記A/D変換器38を介して入力される収音信号に対し先の図12にて説明したβ1フィルタ39aとしてのデジタル信号処理により信号特性β1を付与することでFB方式によるNC信号を生成すると共に、これらFF方式によるNC信号と、FB方式によるNC信号と、さらにA/D変換器25を介して入力されるオーディオ信号とを、加算器43aとしてのデジタル信号処理によって加算する。加算器43aとしてのデジタル信号処理による加算結果はD/A変換器26に対して供給される。
また、図13(b)において、上記制御部22からモニタモード指示に応じては、A/D変換器23を介して入力される収音信号に対し、α2フィルタ24cとしてのデジタル信号処理によって信号特性α2を付与したFF方式によるNC信号を生成し、且つ上記A/D変換器38を介して入力される収音信号に対してβ2フィルタ39bとしてのデジタル信号処理によって信号特性β2を付与したFB方式によるNC信号を生成する。
さらに、上記A/D変換器23を介して入力された収音信号に対しては、モニタ信号生成部24dとしてのデジタル信号処理を行ってモニタ信号を生成し、当該モニタ信号生成部24dにより生成されたモニタ信号を、極性反転部24eとしてのデジタル信号処理によって極性反転させる。
そして、図中加算器43bとしてのデジタル信号処理により、上記α2フィルタ24cにより生成したNC信号と、上記β2フィルタ39bにより生成したNC信号と、上記極性反転部24dにより生成されたモニタ信号と、さらにA/D変換器25を介して入力されるオーディオ信号とを加算する。この加算器43bによる加算結果としてもD/A変換器26に対して供給される。
上記構成による第7の実施の形態としてのノイズキャンセリングシステム41によれば、モニタモード時にはFF方式側においてもNC上限周波数が300Hzに下げられることになり、これによってNCモード時の強固なNC効果を維持しつつ、モニタモード時にはモニタ信号成分がより聴取され易くなるようにすることができる。
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば各実施の形態では、ドライブ回路8として、いわゆるBTL接続により振動板を駆動する場合の構成を例示したが、これに代えて通常のシングルエンド接続により駆動する構成とすることもできる。
図14は、シングルエンド接続とする場合に対応する信号処理装置の構成を示している。この図において、マイクロフォン(3、31)と振動板ユニット2とを除く部分が、信号処理装置の構成と考えればよい。すなわち、これらマイクロフォンと振動板ユニットとを備えるヘッドホン装置に対し信号処理装置を一体的に組み込むものとするか、或いはヘッドホン装置としては上記マイクロフォンと振動板ユニットのみを備えるものとし、信号処理装置をオーディオプレイヤ側に組み込むものとするかは適宜変更可能なものである。
図14(a)は、FF方式によるNC動作のみを行うとした場合の構成、図14(b)はFF方式によるNC動作とFB方式によるNC動作の双方を行う場合の構成を示している。
図14(a)において、この場合もマイクロフォン3からマイクアンプ4を介して入力される収音信号は、先の図1の構成と同様にFF方式NC信号生成部5とモニタ信号生成部7とに分岐して供給される。この場合もマイクロフォン3からの収音信号については−極性入力する。
FF方式NC信号生成部5にて生成されたNC信号は、加算器6に供給され、ここでオーディオ信号と加算される。一方、モニタ信号生成部7で生成されたモニタ信号は、反転回路45に供給され、ここで極性が反転された後、スイッチSWを介して上記加算器6に供給される。
ここで、シングルエンド接続の場合、上記加算器6による加算信号を入力してドライブ信号を生成するドライブ回路としては、図示するように非反転アンプ46を備えるものとなる。従って、この場合のドライブ回路では、BTL接続とする場合のようにモニタ信号の極性を反転する部位が形成されないので、上記のようにしてモニタ信号について極性反転を行うための(つまり正相に戻すための)反転回路45を設けることになる。
また、図14(b)では、マイクロフォン31が追加され、当該マイクロフォン31からの収音信号(この場合も−極性入力)がマイクアンプ32を介してFB方式NC信号生成部33に入力され、当該FB方式NC信号生成部33にて生成されたNC信号が、加算器6に対して供給される。それ以外の構成は、図14(a)の場合と同様となる。
なお、スイッチSWについては、図1の場合のように操作子9の操作と連動してオン/オフさせる構成とするか、或いは図5などの場合のように制御部の制御に基づきオン/オフさせる構成とするかは適宜選択すればよい。
また、図14では各部をアナログ回路により構成する場合を例示したが、図中一点鎖線により囲う部分の一部または全部の動作を、DSPによるデジタル信号処理で実現するように構成することもできる。また、この場合もFF方式によるNC信号の生成、FB方式によるNC信号の生成を行うにあたっては、NCモード/モニタモードの切り替えに応じ信号特性を変更するように構成することもできる。
また、これまでの説明では、NCモードとモニタモードの切り替えを可能とする場合を例示したが、例えば次の図15に示されるようにして、常時、モニタモードとしての動作が行われるように構成することもできる。つまり、図15に示されるヘッドホン50のように、例えば図1に示す構成からスイッチSWを省略した構成とすればよい。
このようにして、少なくともモニタモードとしての動作が得られるように構成することで、聴取者に対しては、NC機能をオンとさせつつモニタ信号に基づく外部音声の聴取を行わせることができる。つまり、この場合としてもモニタモード時においてNC機能をオンとしておくことができることに変わりはなく、これにより、従来のようにモニタモード時に不要な外部ノイズが混入した状態でユーザにオーディオコンテンツを聴取させてしまうことを効果的に防止することができる。
また、このようにモニタモード時においてもNC機能がオンとなるようにされることで、従来のようにモニタモード時にNC機能がオフとされてしまい、聴取されるべきモニタ用信号の成分が他の外部ノイズによってかき消されてしまうといったことを効果的に防止することができる。
なお、この場合もヘッドホン装置側には振動板ユニットとマイクロフォンのみを備えるものとし、他の部分をオーディオプレイヤ側に備えるようにすることもできる。
また、このように常時モニタモードとしての動作が行われるようにする構成を、DSPによるデジタル信号処理で実現することもできる。その場合のDSPとしては、マイクアンプ4からの収音信号に基づきNC信号とモニタ信号を生成すると共に、入力されるオーディオ信号と、上記NC信号とモニタ信号とを加算して出力するようにプログラミングされればよい。また、この場合もFF方式のみでなく、FB方式によるノイズキャンセルも併せて行うようにすることもできる。
また、これまでの説明では、モニタ信号生成部7においてゲイン回路7bを設け、モニタ信号を増幅させるものとしたが、このようにモニタ信号を増幅させておくことで、BTL接続に対応する構成とした場合における、オーディオ信号側に対するモニタ信号側の音量低下の防止を図ることができる。つまり、例えば図1に示されるBTL接続に対応する構成によれば、モニタ信号は反転アンプ8b側にのみ入力され、振動板ユニット2の片側の端子に対してしか印加されないものとなる。これに対し、オーディオ信号(及びNC信号)側は振動板ユニット2の両端子に印加されるので、この点でモニタ信号の音量低下が生じる。このため、各実施の形態で例示したようにゲイン回路7bによりモニタ信号を増幅しておくことで、このような音量低下の防止が図られる。
また、シングルエンド接続時においても、このようにモニタ信号を増幅しておくものとすれば、その分モニタ信号の音量を上げることができるので、モニタ信号成分がより聴取され易くなるようにできる。
なお、特にシングルエンド接続とする場合など、特にモニタ信号を強調する必要性に乏しい場合などには、敢えてゲイン回路7bを設けること(或いはゲイン回路7bに対応したDSPによる増幅のためのデジタル信号処理の追加)は不要とすることができる。
また、これまでの説明では、NCモード時に対応して設定する信号特性α1・信号特性β1によるNC上限周波数を1kHzとする場合を例示したが、これはあくまで一例を示したものに過ぎず、信号特性α1・信号特性β1によるNC上限周波数としては、少なくともオーディオ信号成分の聴取上妨げとなる周波数帯域を低減できるようにして設定されたものであればよい。
また、同様に、モニタモード時に対応して設定する信号特性α2・信号特性β2によるNC上限周波数は300Hzとする場合を例示したが、これら信号特性α2・信号特性β2によるNC上限周波数としては、少なくとも音声帯域成分の聴取の妨げとなるとされる低域のノイズ成分を低減できるようにして設定されたものであればよい。
また、これまでの説明では、本発明の信号処理装置が、ヘッドホン単体、或いはヘッドホンと当該ヘッドホンと有線接続されるオーディオプレイヤとを備えて構成されたノイズキャンセリングシステムに適用される場合を例示したが、いわゆるヘッドセットなどにも本発明の信号処理装置を適用することができる。つまり、上記ヘッドセットとして、例えば無線により外部のオーディオプレイヤ(例えばオーディオ再生機能付きの携帯電話機など)からの再生オーディオ信号を受信し、当該受信したオーディオ信号に基づき、有線接続されたヘッドホンの振動板を駆動するように構成された装置に対しても適用可能である。この場合、ヘッドホンには振動板ユニットとマイクロフォンを備え、上記ヘッドセット側に本発明の信号処理装置としての構成を与えるものとすればよい。
本発明の第1の実施の形態としての信号処理装置を備えたヘッドホンの内部構成を示したブロック図である。 ヘッドホンに設けられる装着部とマイクロフォンの配置位置との関係を模式的に示した図である。 第1の実施の形態の信号処理装置で生成されるノイズキャンセル(NC)信号によるノイズ低減特性を示した図である。 第2の実施の形態としての信号処理装置を備えたノイズキャンセリングシステムの内部構成を示したブロック図である。 第3の実施の形態としての信号処理装置を備えたノイズキャンセリングシステムの内部構成を示したブロック図である。 第3の実施の形態の信号処理装置としての動作を実現するために実行されるべき処理動作を示したフローチャートである。 第4の実施の形態としての信号処理装置を備えたノイズキャンセリングシステムの内部構成を示したブロック図である。 第4の実施の形態の信号処理装置が備えるDSPにより行われる動作を模式的に示した図である。 第5の実施の形態としての信号処理装置を備えたヘッドホンの内部構成を示したブロック図である。 第6の実施の形態としての信号処理装置を備えたノイズキャンセリングシステムの内部構成を示したブロック図である。 第6の実施の形態の信号処理装置が備えるDSPにより行われる動作を模式的に示した図である。 第7の実施の形態としての信号処理装置を備えたノイズキャンセリングシステムの内部構成を示したブロック図である。 第7の実施の形態の信号処理装置が備えるDSPにより行われる動作を模式的に示した図である。 シングルエンド接続とする場合に対応する変形例としての信号処理装置の構成を示したブロック図である。 常時モニタモードとする場合に対応する変形例としての信号処理装置の構成を示したブロック図である。
符号の説明
1,11,30,36,50 ヘッドホン、1A 装着部、2 振動板ユニット、3,31 マイクロフォン、4,32 マイクアンプ、5,19 FF方式NC信号生成部、6 加算器、7 モニタ信号生成部、7a HPF、7b ゲイン回路、8 ドライブ回路、8a,8b 反転アンプ、9 操作子、10,15,20,35,41 ノイズキャンセリングシステム、12,16,21,37,42 オーディオプレイヤ、17 操作部、18,22,40 制御部、23,25,38 A/D変換器、24,39,43 DSP、24a α1フィルタ、24c α2フィルタ、24d モニタ信号生成部、24e 極性反転部、26 D/A変換器、33 FB方式NC信号生成部、39a β1フィルタ、39b β2フィルタ、45 反転回路、46 非反転アンプ、SW スイッチ

Claims (11)

  1. 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理装置であって、
    上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段と、
    第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段と、
    上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段
    を備えると共に、
    上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、
    上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成される
    信号処理装置。
  2. 上記選択出力手段は、
    上記入力オーディオ信号に対して上記第1ノイズキャンセル信号を加算して出力する加算器と、
    上記第1収音信号を入力し、少なくとも上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて上記モニタ用信号を生成するフィルタ回路と、
    上記フィルタ回路を介して生成された上記モニタ用信号を入力し、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて上記モニタ用信号の出力をオン/オフするように構成されたスイッチとを備えて構成され
    求項1に記載の信号処理装置。
  3. 少なくとも上記第1ノイズキャンセル信号生成手段による動作が、デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理によって実行されるように構成されてい
    請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 上記音響再生装置には、上記装着部の内側に対して第2マイクロフォンが設けられており、
    上記第2マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第2収音信号を入力すると共に、当該第2収音信号に対し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードバック方式に対応する信号特性を与えることで、第2ノイズキャンセル信号を生成する第2ノイズキャンセル信号生成手段をさらに備え、
    上記選択出力手段は、
    上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号と、さらに上記第2ノイズキャンセル信号とを加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記モニタ用信号とを出力す
    求項1に記載の信号処理装置。
  5. 上記選択出力手段は、
    上記入力オーディオ信号に対して上記第1ノイズキャンセル信号と上記第2ノイズキャンセル信号とを加算して出力する加算器と、
    上記第1収音信号を入力し、少なくとも上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて上記モニタ用信号を生成するフィルタ回路と、
    上記フィルタ回路を介して生成された上記モニタ用信号を入力し、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて上記モニタ用信号の出力をオン/オフするように構成されたスイッチとを備えて構成され
    請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 上記第2ノイズキャンセル信号生成手段は、上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、
    上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第2収音信号に対する信号特性付与を行うように構成され
    請求項4に記載の信号処理装置。
  7. 少なくとも上記第2ノイズキャンセル信号生成手段による動作が、デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理によって実行されるように構成されてい
    請求項6に記載の信号処理装置。
  8. さらに上記選択出力手段による動作が上記デジタルシグナルプロセッサによるデジタル信号処理で実行されるように構成されてい
    請求項3又は請求項7何れかに記載の信号処理装置。
  9. 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板の駆動信号を生成するための信号処理方法であって、
    上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手順と、
    第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手順により生成した上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手順と、
    上記選択出力手順の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手順
    を有すると共に、
    上記第1ノイズキャンセル信号生成手順では、
    上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行う
    信号処理方法。
  10. 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられ、上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンが備えられた音響再生装置における、上記振動板を駆動するための駆動信号を生成するにあたって、上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号とオーディオ信号とを入力して処理するようにされた信号処理装置によって実行されるプログラムであって、
    上記第1収音信号に対し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成処理と、
    第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成処理により生成した上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力処理
    上記信号処理装置に実行させると共に、
    上記第1ノイズキャンセル信号生成処理が、
    上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行う処理とされる
    プログラム。
  11. 聴取者の耳に対して装着される装着部を有し、上記装着部の内側に音響再生のための振動板が備えられた音響再生装置と、上記音響再生装置に対する駆動信号を生成するための信号処理装置とを備えて構成されるノイズキャンセリングシステムであって、
    上記音響再生装置は、
    上記装着部の外側に外部音を収音するようにして設けられた第1マイクロフォンを備え、
    上記信号処理装置は、
    上記第1マイクロフォンによる収音動作に基づき得られる第1収音信号を入力し、上記外部音の所定周波数以下の帯域成分がキャンセルされて上記聴取者に聴取されるようにして設定されたフィードフォーワード方式に対応する信号特性を与えることで、第1ノイズキャンセル信号を生成する第1ノイズキャンセル信号生成手段と、
    第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示として、上記第1の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、入力オーディオ信号に対し、上記第1ノイズキャンセル信号生成手段により生成された上記第1ノイズキャンセル信号を加算した加算信号を出力し、上記第2の動作モードへの切り替え指示がなされた場合は、上記加算信号と、上記第1収音信号の所定周波数以上の帯域成分を通過させて生成したモニタ用信号とを出力する選択出力手段と、
    上記選択出力手段の出力信号に基づき、上記音響再生装置における上記振動板を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成手段
    を備えると共に、
    上記第1ノイズキャンセル信号生成手段が、
    上記第1の動作モードと第2の動作モードとの切り替え指示に応じて、上記信号特性として、第1の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第1の信号特性と、上記第1の周波数よりも低い第2の周波数以下の帯域成分をキャンセルするための第2の信号特性の何れか一方を選択して上記第1収音信号に対する信号特性付与を行うように構成される
    ノイズキャンセリングシステム。
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