JP5217278B2 - 空気電池システム - Google Patents
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Description
が酸化反応や加水分解反応により劣化することを防止するものであった。
まず、本発明の空気電池システムについて説明する。本発明の空気電池システムは、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、Liイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも上記セパレータに含浸され、フッ素を含有するフッ素含有電解液と、を有する空気電池セルと、上記空気電池セルの放電を終止させる放電制御部と、を有し、上記放電制御部の放電終止電圧が、Li金属基準で2.3V以上であることを特徴とするものである。
Li++e−+O2 → Li2O or Li2O2 反応(1)
Li++F− → LiF 反応(2)
以下、本発明の空気電池システムについて、空気電池システムの部材と、空気電池システムの構成とに分けて説明する。
まず、本発明の空気電池システムの部材について説明する。本発明の空気電池システムは、通常、空気電池セルおよび放電制御部を有する。以下、本発明の空気電池システムの部材について、(1)空気電池セル、および(2)放電制御部に分けて説明する。
まず、本発明に用いられる空気電池セルについて説明する。本発明に用いられる空気電池セルは、通常、空気極、負極、セパレータ、フッ素含有電解液および電池ケースを有するものである。
本発明に用いられる負極は、Liイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する。
本発明に用いられる空気極は、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する。本発明においては、酸素が空気極内でLiイオンと反応し、導電性材料の表面にリチウム酸化物が生成する。そのため、上記空気極層は、酸素およびLiイオンのキャリアであるフッ素含有電解液が充分に移動できる程度の空隙を有している。
本発明に用いられるフッ素含有電解液は、少なくとも1種類のフッ素含有材料を含有するものである。上記フッ素含有材料は、電解質(フッ素含有電解質)であっても良く、溶媒(フッ素含有溶媒)であっても良く、添加剤(フッ素含有添加剤)であっても良い。中でも、本発明においては、フッ素含有電解液に含まれるフッ素含有材料が、フッ素含有電解質および/またはフッ素含有溶媒であることが好ましい。
本発明に用いられるセパレータは、上記空気極層および上記負極層の間に設置されるものである。上記セパレータとしては、空気極層と負極層とを分離し、フッ素含有電解液を保持する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布;およびリチウムポリマー電池に使用されているポリマー材料等を挙げることができる。
本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述した空気極、負極、セパレータ、フッ素含有電解液を収納することができれば特に限定されるものではないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒型等を挙げることができる。また、本発明に用いられる電池ケースは、開放型電池ケースであっても良く、密閉型電池ケースであっても良い。
次に、本発明に用いられる放電制御部について説明する。本発明に用いられる放電制御部は、上記空気電池セルの放電を終止させる機能を有するものである。本発明においては、放電制御部の放電終止電圧が、通常、Li金属基準で2.3V以上に設定されている。すなわち、空気電池セルの電圧が、放電終止電圧よりも低くなると、放電制御部が作動し放電が終止する。なお、放電終止電圧の好ましい範囲等については、上述した通りである。
次に、本発明の空気電池システムの構成について説明する。本発明の空気電池システムは、空気電池セルおよび放電制御部を有するものである。以下、本発明の空気電池システムの構成について、(1)空気電池セルの構成、および(2)放電制御部の配置に分けて説明する。
まず、本発明における空気電池セルの構成について説明する。本発明における空気電池セルの構成は、上述した空気極、負極、セパレータ、フッ素含有電解液、および電池ケースを有するものであれば特に限定されるものではなく、任意の構成をとることができる。また、本発明に用いられる電極体(空気極、負極およびセパレータ)の形状としては、特に限定されるものではないが、具体的には、平板型、円筒型、捲回型等を挙げることができる。
次に、本発明における放電制御部の配置について説明する。図5は、本発明に用いられる放電制御部を説明する説明図である。空気電池セル101は、外部端子−V105と外部端子+V104にスイッチ回路103(放電終止部)を介して接続されている。また、外部端子−V105と外部端子+V104には負荷107が接続されている。さらに空気電池101に並列に充放電制御回路102が接続されている。この充放電制御回路102は、空気電池101の電圧をモニターする機能を備えている(モニター部)。空気電池101がある放電電圧に到達すると、スイッチ回路103がOFFするように充放電回路102から信号が出力される。これにより放電終了状態となる。なお、図5において、符号108は空気電池の空気極端子を示し、符号109は空気電池の負極端子を示している。
次に、本発明の空気電池セルの制御方法について説明する。本発明の空気電池セルの制御方法は、導電性材料を含有する空気極層および上記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、Liイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層および上記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、上記空気極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも上記セパレータに含浸され、フッ素を含有するフッ素含有電解液と、を有する空気電池セルを用い、上記空気電池セルの電圧が、Li金属基準で2.3V以上の段階で放電を終止し、充電を行うことを特徴とするものである。
[実施例1]
(空気電池セルの作製)
本実施例においては、コインセル型の空気リチウム電池を作製した。なお、以下のコインセルの組立はアルゴンボックス内で行った。
コインセルの模式図を図6に示す。負極ケース32、空気極ケース30はともにSUS材からなり、空気極ケース30は、直径2mmの貫通孔39を複数開けられている。負極ケース32の上には、金属リチウム箔34が設置されている。金属リチウム34は、厚み250μmのシートを直径18mmで打ち抜いたものを使用した。その金属リチウム箔34の上にポリエチレン製セパレータ35を設置した。セパレータ35は厚み25μmで直径19.5mmに打ち抜いたものを使用した。
得られたコインセルを用いて、サイクル試験を行った。サイクル試験の条件は、以下の通りである。
充電条件:10mA/g(カーボン当たりの電流)、4.8Vcut(vs Li金属)
放電条件:10mA/g(カーボン当たりの電流)
放電終止電圧:2.3V(vs Li金属)
サイクル試験の結果を表1に示す。なお、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除したものを容量維持率とした。
実施例1と同様のコインセルを用い、放電終止電圧を2.5Vとしたこと以外は、実施例1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例1と同様のコインセルを用い、放電終止電圧を2.6Vとしたこと以外は、実施例1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例1と同様のコインセルを用い、放電終止電圧を2.7Vとしたこと以外は、実施例1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例1と同様のコインセルを用い、放電終止電圧を2.0Vとしたこと以外は、実施例1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例1〜4および比較例1で行ったサイクル試験の結果を下記表1に示す。
1a … 下部絶縁ケース
1b … 上部絶縁ケース
2 … 負極集電体
2´ … 負極リード
3 … 負極層
4 … 空気極層
5 … 空気極メッシュ
6 … 空気極集電体
6´ … 空気極リード
7 … セパレータ
8 … 微多孔膜
9 … フッ素含有電解液
Claims (5)
- 導電性材料を含有する空気極層および前記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、Liイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、前記空気極層および前記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸され、フッ素を含有し、Li金属基準で2.3V未満においてLiFが生じるフッ素含有電解液と、を有する空気電池セルと、
前記空気電池セルの放電を終止させる放電制御部と、を有し、
前記放電制御部の放電終止電圧が、Li金属基準で2.3V以上であることを特徴とする空気電池システム。 - 前記放電終止電圧が、Li金属基準で2.6V以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気電池システム。
- 前記フッ素含有電解液が、フッ素含有電解質を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気電池システム。
- 前記フッ素含有電解質が、LiPF6であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の空気電池システム。
- 導電性材料を含有する空気極層および前記空気極層の集電を行う空気極集電体を有する空気極と、Liイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層および前記負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、前記空気極層および前記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸され、フッ素を含有し、Li金属基準で2.3V未満においてLiFが生じるフッ素含有電解液と、を有する空気電池セルを用い、
前記空気電池セルの電圧が、Li金属基準で2.3V以上の段階で放電を終止し、充電を行うことを特徴とする空気電池セルの制御方法。
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