JP5215071B2 - 装飾合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、意匠性に優れる模様を有する基材フィルムを含む装飾合わせガラスに関する。
従来から、ガラス板の間に中間膜として透明接着剤層を挟持させた構造を有する合わせガラスが知られている。合わせガラスでは、中間膜の存在により、耐貫通性等が向上している。このため、例えば自動車の合わせガラスが、盗難や侵入等を目的として破壊されても窓の開放を自由にすることができないため、防犯用ガラスとしても有用である。また外部からの衝撃に対し、破損したガラスの破片は中間膜に貼着したままとなるので、その飛散を防止している。
このような合わせガラスは、航空機、自動車のフロントガラスやサイドガラス、あるいは、建築物の窓ガラスとして用いられている。したがって、合わせガラスは、耐貫通性や割れたガラスの飛散防止などの安全性を確保するとともに、高度な透明度が必要とされている。このような特性の他にも、さらなる高機能が付加された合わせガラスが採用されている。
従来の合わせガラスにおける中間膜としては、ポリビニルブチラール樹脂(以下、「PVB」とも言う)及び可塑剤を含む組成物をシート状に成形したPVB樹脂膜が使用されている(特許文献1)。PVBは、耐衝撃性、耐貫通性などに優れる一方で、上述した水分の影響を受けやすく耐湿性が十分ではない。すなわち、高温時の湿気ないし水の透過により、経時的に中間膜において曇点(白点)を生じ、合わせガラスの外観特性、透明性の低下を招く場合があった。そこで、PVBの代わりに耐湿性、遮音性に優れ、安価であるエチレン酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」とも言う)を含む樹脂膜が合わせガラス用中間膜として提案されている(特許文献2)。
また、近年では、合わせガラスを、外装材、内装材の壁や窓だけでなく、さらにスクリーン、照明器具、造形作品などの用途にも用いるようになっている。このように用途が多様化するにつれて、合わせガラスには、様々な形状を有する模様や色彩を付して意匠性を高めることにより利用価値の向上が図られている。例えば、特許文献3では、所定模様に印刷されたインキ層を有する基材フィルムを2枚の接着樹脂膜の間に有する中間膜を、2枚のガラス板の間に介在させて接合一体化させた装飾合わせガラスが開示されている。
特開2006−160562号公報 特開昭57−196747号公報 特開平08−157239号公報
しかしながら、従来の接着樹脂膜及び基材フィルムを用いた装飾用合わせガラスを高温高湿環境下で長期間に亘り使用すると、基材フィルムとインキ層との剥離が生じ、装飾合わせガラスの透明性や意匠性などの外観的特徴が低下する問題があった。
したがって、本発明は、透明性や意匠性などの外観的特徴を長期間に亘り維持することができる装飾合わせガラスを提供することを目的とする。
上述した装飾合わせガラス内部における基材フィルムとインキ層との剥離は、インキ層が、基材フィルムよりも接着樹脂膜と強く接着することに起因して生じると考えられる。すなわち、接着樹脂膜とインキ層とが強く接着するために、高温高湿環境下での長期間に亘る使用においてガラス内部に水分が侵入した場合に、インキ層と基材フィルムとの接着性が経時的に低下し、これらの層が剥離することによって発生すると考えられる。
本発明者はこのような知見に基づき種々の検討をした結果、インキ層を形成する基材フィルムに易接着処理を施すことにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、所定模様に印刷されたインキ層を有する基材フィルムを2枚の接着樹脂膜の間に有する中間膜を、2枚の透明基板の間に介在させて接合一体化させた装飾合わせガラスであって、
前記基材フィルムが易接着処理され、且つ
前記接着樹脂膜が、エチレン酢酸ビニル共重合体、架橋剤、架橋助剤及びシランカップリング剤を含み、
前記インキ層は、インクジェット印刷法により形成されていることを特徴とする装飾合わせガラスにより上記課題を解決する。
以下、本発明の装飾合わせガラスの好適な実施形態を列記する。
(1)前記基材フィルムが透明接着樹脂を含む易接着処理層を有する。
(2)前記透明接着樹脂がアクリル樹脂である。
(3)前記基材フィルムはコロナ処理またはプラズマ処理されていてもよい。
まず、本発明の装飾合わせガラスの模式断面図を図1に示す。本発明の装飾合わせガラスは、図1に示すように、所定模様に印刷されたインキ層111を有する基材フィルム112を2枚の接着樹脂膜113の間に有する中間膜110を、2枚の透明基板120の間に介在させて接合一体化させた構成を有する。
このような構成を有する本発明の装飾合わせガラスは、前記基材フィルムが易接着処理されている。易接着処理によりインキ層と基材フィルムとの接着性が向上されることで、インキ層−中間膜間とインキ層−基材フィルム間との接着性の差が小さくなり、インキ層と基材フィルムとの高温高湿環境下での長期間に亘る使用における、基材フィルムとインキ層との剥離を抑制することが可能となる。したがって、本発明の装飾合わせガラスは、透明性や意匠性などの外観的特徴を長期間に亘り維持することができる。
(易接着処理)
基材フィルムの易接着処理は、ポリエチレンテレフタレートなどからなる基材フィルムとインキ層との接着性を向上させるために行われる。
前記易接着処理された基材フィルムとして、具体的には、(i)透明接着樹脂を含む易接着樹脂層を有する基材フィルム、(ii)コロナ処理またはプラズマ処理された基材フィルム、(iii)Si、Ti、Sn、Al及びZnなどの金属の酸化物からなる易接着処理層を有する基材フィルムが好ましく挙げられる。これらの方法であれば、簡易な方法により易接着処理を実施することができ、製造効率の向上に繋がる。なかでも、透明性を低下させることなく高い接着性を基材フィルムに付与することができることから、(i)及び(ii)の易接着処理された基材フィルムが好ましい。
まず、(i)透明接着樹脂を含む易接着樹脂層を有する基材フィルムについて説明する。
前記透明接着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、および酢酸ビニル樹脂が好ましく用いられる。
前記ポリエステル樹脂として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、2,6−ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
前記ポリウレタン樹脂として、具体的には、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂などを用いることができる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、および、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が、単独または2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
高分子ジオール化合物としては、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸などの二塩基酸の1種または2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどのグリコール類の1種または2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類などのポリエステルジオール化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイド付加物などのポリエーテルジオール化合物などの各種高分子ジオール化合物を単独または2種以上混合して使用できる。これらの高分子ジオール化合物は、数平均分子量が300〜6,000のものが好ましい。前記高分子ジオール化合物に加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3メチル−1,5−ペンタンジオールなどのアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの低分子ジオール化合物を単独または2種以上混合して併用することができる。前記有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基/水酸基の当量比が通常、(1.3〜3.0)/1.0、より好ましくは、(1.5〜2.0)/1.0となる範囲である。
鎖伸長剤としては、低分子量のジアミン化合物、ジオール化合物などが使用でき、反応停止剤としては、モノアミン化合物、モノアルコール化合物などが使用できる。
本発明では、上記材料から公知の方法により製造できるポリウレタン樹脂がそのまま使用できる。ポリウレタン樹脂としては、重量平均分子量が5000〜20万のものが好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ウレタン樹脂(2液硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂)を使用することもできる。
前記アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキルエステル類のホモポリマーが使用できるが、特にポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートまたはポリブチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルの重合によって得られる樹脂である。また、前記酢酸ビニル樹脂は、ポリ酢酸ビニル樹脂中の50%未満の酢酸ビニル単位が加水分解された樹脂も含む。また、上記酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体だけでなく、酢酸ビニルと他のモノマー(例えば、エチレン等のオレフィン)とを共重合して得られ、酢酸ビニル単位が50モル%以上である共重合体も含む。前記酢酸ビニル樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
透明接着樹脂として上述したもののうち、インキ層及び中間膜と高い接着性を有することからアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、特にアクリル樹脂が好ましく用いられる。
透明接着樹脂を含む易接着樹脂層は、必要に応じて、硬化剤、ラジカル重合開始剤などをさらに含有していてもよい。
硬化剤は、透明接着樹脂がヒドロキシル基を有する場合には、アミノ樹脂を用いることができる。前記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル等の少なくとも1種とホルムアルデヒドから合成される樹脂であって、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコールによってメチロール基の一部または全部をアルキルエーテル化したものが用いられる。アミノ樹脂の含有量は、ヒドロキシル基を有する透明接着樹脂100質量部に対して、通常は5〜50質量部で用いられる。
硬化剤は、透明接着樹脂がグリシジル基を有する場合には、ポリアミン、ポリカルボン酸、酸無水物などが挙げられる。
ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス−(ヘキサメチレン)トリアミン、ジシアンジアミド、ジアセトンアクリルアミド、ポリオキシプロピレンジアミン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノ−1−シクロへキシルアミノプロパン、4,4'−ジアミノジシクロへキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ジメチルシクロへキシルアミノプロパンと4,4'−ジアミノジシクロへキシルアミノプロパンの混合物、4,4'−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,3−トルイレンジアミン、3,4−トルイレンジアミン、メタキシリレンジアミン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、フタル酸、ヒドロキシイソフタル酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸、クロレンデック酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸などが挙げられる。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水クロレンデック酸、無水セバシン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、シクロペンタン・テトラカルボン酸二水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水メチルナジック酸などが挙げられる。
上述したグリシジル基を有する透明接着樹脂の硬化剤の含有量は、グリシジル基を有する透明接着樹脂100質量部に対して、通常は0.1〜5質量部で用いられる。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物およびアゾ系熱重合開始剤などの熱重合開始剤;アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサンソン類、ホスフィン酸化物、ケタール類、キノン類などの光重合開始剤を挙げることができる。なかでも、有機過酸化物が好ましく挙げられる。
透明接着樹脂を含む易接着樹脂層は、さらに、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいてもよく、場合によってはカーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を少量含んでも良い。
上記の通りにして得られた透明接着樹脂を含む易接着処理層の厚さは、0.05〜5μm、特に0.1〜2μmとするのが好ましい。前記易接着処理層の厚さを前記範囲内とすることで、十分な接着性が得られる。
基材フィルム上に透明接着樹脂を含む易接着処理層を形成するには、透明接着樹脂及び必要に応じて上述したその他の成分を含む溶液を基材フィルム上に塗布及び乾燥させる方法などを用いて行えばよい。
また、透明接着樹脂を含む易接着処理層を形成する基材フィルムには、後述するコロナ処理またはプラズマ処理が行われてもよい。すなわち、コロナ処理またはプラズマ処理された基材フィルム上に透明接着樹脂を含む易接着処理層を形成してもよい。これにより、基材フィルムとインキ層との接着性をより向上させることができる。
次に、(ii)コロナ処理またはプラズマ処理された基材フィルムについて説明する。コロナ処理またはプラズマ処理によれば、基材フィルムの光透過性を維持したまま、基材フィルムの表面に微細な凹凸を生じさせ、基材フィルムとインキ層との接着性を向上させることができる。
コロナ処理は、電線に高電圧を欠けた場合のように強い電場の領域が局在するときに、この領域に限定された局部的な放電(コロナ放電)が生じる。この放電下に基材フィルムを介在させて表面活性化処理を行うものである。
基材フィルムにコロナ処理を行うには、当業者が入手可能な一般的なコロナ処理機によって行えばよい。コロナ放電は通常交流を用いるが、正又は負のコロナを必要に応じて用いてもよい。一般には、高周波発信器と電極を有する連続処理が可能なコロナ放電処理装置を用いて、基材フィルムをコロナ放電電極と対電極の間を通過させて連続的に処理を行う。
また、前記プラズマ処理は、低圧下のガス雰囲気に高電圧を印加し、持続するグロー放電に透明基板をさらし、グロー放電中に生成した電子、イオン、励起原子、ラジカル、紫外線等の活性粒子で基材フィルムの表面を処理するものである。
前記プラズマ処理は、当業者が入手可能な一般的なプラズマ処理機を用いて行えばよい。プラズマ放電を減圧下で行う方式と大気圧下で行う方式とがあるが、処理装置の設備費用の点からは大気圧下で放電する方式が好ましく用いられ得る。
プラズマガスを形成するのに用いられ得るガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオン、ラドン、窒素等の不活性ガス、また酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、カーボンテトラフルオライド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等である。また、公知のフッ化ガス、上記ガスの混合ガスでも良い。好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、アルゴン/ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/シラン等が挙げられる。
プラズマ処理する際の系内のガス圧は、0.001〜0.1Torr、好ましくは0.01〜0.5Torrで、1〜5分間処理するのが好ましい。
(基材フィルム)
上述した易接着処理が施される基材フィルムの材質としては、ナイロン、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロースおよび三酢酸セルロース、塩化ビニルポリマーおよびコポリマーなどが挙げられる。加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であることから、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びポリメチルメタクリレートが好ましく挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
基材フィルムの厚さは、通常は、20〜500μm程度である。基材フィルムには、必要に応じて、ゴム成分、体質顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などをさらに添加してもよい。
(インキ層)
インキ層は、バインダー樹脂を含むビヒクル中に、色料及び必要に応じて添加剤を添加したインキを、インクジェット印刷法により所定の模様に印刷することにより形成することができる。
前記インキに用いられるビヒクルとして、例えば、セルロース誘導体、スチレン樹脂又はスチレン共重合体、アクリル樹脂、ビニル重合体、熱硬化性樹脂、フッ素樹脂などのバインダー樹脂が用いられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
セルロース誘導体としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。スチレン樹脂としてはポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等が挙げられる。アクリル樹脂としてはポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等が挙げられる。ビニル重合体としてはポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン/尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等がある。また、フッ素樹脂とは、フルオロオレフィン単位を有する樹脂であり、フルオロオレフィン単位の原料としては、例えばテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどを使用することができる。特に、好ましいフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。
また、前記インキに用いられるビヒクルには、溶剤を用いることもできる。前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記インキに用いられる色料としては、公知の顔料や染料で良く、例えばチタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、黄鉛、チタンイエロー、群青、コバルトブルー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、或いは、アルミニウム、真鍮、等の鱗片状箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を使用できる。
また、前記インキに必要に応じて用いられる添加剤としては、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性アルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹脂、テンペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン系樹脂などの樹脂を添加したり、可塑剤、ワックス、ドライヤー、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、抑泡剤、沈降防止剤、皮張り防止剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、平滑剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、帯電防止剤、安定剤、難燃剤、表面張力調節剤、界面活性剤、粘度調節剤など、従来公知のものを合わせガラスの用途に応じて用いればよい。
上述したインキを易接着処理された基材フィルム上に所定の模様に印刷する方法としてはインクジェット印刷を用いる。また、インキが硬化剤を含む場合などには、印刷したインキに電子線を照射硬化させることができる。
インキ層の模様は、例えば、木目、石目、布目、砂目、皮絞模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタを1種又は2種以上を組合わせた模様など、合わせガラスの用途に合わせて種々の模様が用いられる。
(接着樹脂膜)
本発明の装飾合わせガラスに用いられる接着樹脂膜は、上述した所定模様に印刷されたインキ層を有する基材フィルムと、透明基板とを接合一体化させるために用いられる。前記接着樹脂膜は、装飾合わせガラスを作製する際の加熱加圧時に架橋硬化されること等により、透明基板などを接合一体化できる透明接着樹脂を含む膜などが用いられる。
本発明の装飾合わせガラスでは、このような接着樹脂膜に用いられる透明接着樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いるのが特に好ましい。EVAによれば、優れた接着性を有し、透明基板などを強く接合一体化できることから、得られる装飾合わせガラスの耐久性を向上させることができる。
前記エチレン酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニル単位の含有量が、エチレン酢酸ビニル共重合体100質量部に対して20〜35質量%、特に24〜28質量%のものを用いるのが好ましい。酢酸ビニル単位の含有量が、20質量%未満であると中間膜の透明性が充分でない恐れがあり、35質量%を超えると各層を加熱圧着する際に中間膜の硬さが不十分となる恐れがある。
前記接着樹脂膜は、EVAの他に、架橋剤を含むこれにより、EVAの架橋密度を向上させることができ、優れた接着力を発現することが可能となる。
前記架橋剤としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生する有機過酸化物を使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐火炎熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
前記有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から例えば、ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、スクシニックアシドパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイル+ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサネート、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンtert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイックアシド、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等が挙げられる。
また、前記ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。また、架橋剤は1種でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
架橋剤としては、有機過酸化物、特にtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく挙げられる。この有機過酸化物であれば、EVAの架橋密度を向上させることができる。
前記接着樹脂膜における架橋剤の含有量は、EVA100質量部に対して、好ましくは0.05〜5.0質量部、より好ましくは0.1〜3.0質量部である。架橋剤の含有量は、多すぎると透明接着剤との相溶性が悪くなる恐れがある。
前記接着樹脂膜は、必要に応じて、架橋助剤を含んでいてもよい。前記架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させ、中間膜の機械的強度を向上させることができる。この目的に供される架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、公知のものとしてトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等も挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。これらの架橋助剤は、透明接着樹脂100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部で使用される。
さらに、前記接着樹脂膜は、膜の種々の物性(機械的強度、接着性、透明度等の光学的特性、耐火炎熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、必要に応じて、可塑剤、接着向上剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
前記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
上記接着樹脂膜は、前記接着向上剤としてシランカップリング剤を含む。前記シランカップリング剤の例として、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また前記接着向上剤の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。
さらに、前記接着樹脂膜には、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
前記光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(いずれも株式会社ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
前記老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
なお、前記接着樹脂膜の厚さは、特に制限されず、2μm〜2mmであればよい。
上述した接着樹脂膜を作製するには、EVAの他、上述した各主成分を必要に応じて加温しながらロールミルにて混練し、これにより得られた混合物を押出成形、カレンダー成形、Tダイ成形等の成膜方法にてシート状に成形する方法が用いられる。あるいは前記混合物を適当な溶剤によって溶かして溶液状にし、この溶液をロールコーター、あるいはナイフコーター、ドクターブレードのような塗布機を用いて適当な支持体上に塗布し、乾燥させてシート状に成形する方法を用いることができる。なお、製膜時の加熱温度は、40〜90℃、特に50〜80℃とするのが好ましい。
(透明基板)
本発明の装飾合わせガラスに用いられる二枚の透明基板は、同一の透明基板を用いてもよく、異なる透明基板を組み合わせて用いてもよい。透明基板の強度と合わせガラスの用途とを考慮して、透明基板の組み合わせを決定するのが好ましい。
なお、本発明において、合わせガラスにおける「ガラス」とは透明基板全般を意味するものであり、したがって「合わせガラス」とは透明基板に少なくとも中間膜を挟着してなるものを意味する。
前記透明基板としては、特に限定されないが、例えば珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、プラスチックフィルムを用いてもよい。前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンアフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルムを挙げることができる。なかでも、ガラス基板及びPETフィルムが好ましく、特にガラス基板が好ましい。透明基板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。
本発明の装飾合わせガラスは、所定模様に印刷されたインキ層を有する基材フィルムを2枚の接着樹脂膜の間に配置された中間膜を、さらに二枚の透明基板で挟持し、接合一体化させた構成を有する。このような合わせガラスは、上述した透明基板、接着樹脂膜、インキ層を有する基材フィルム、接着樹脂膜、及び透明基板をこれらの順に積層した後、積層体を脱気し、加熱下に押圧することにより、熱線遮蔽性中間膜に含まれるEVAを架橋硬化して、各層を接合一体化することにより得られる。
前記架橋は、前記積層体を、一般に100〜150℃、特に130℃付近で、10分〜120分、好ましくは10分〜60分、加熱処理することにより行われる。前記架橋は、例えば80〜120℃の温度で予備圧着した後に行われてもよい。前記加熱処理は、例えば130℃で10〜30分間(雰囲気温度)が特に好ましい。また、前記加熱処理は0〜800KPaのプレス圧力を積層体に加えながら行うのが好ましい。架橋後の積層体は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
本発明による装飾合わせガラスは、高温高湿環境での長期間に亘る使用において、基材フィルムとインキ層と中間膜とが強く接着していることから、これらの剥離が高く抑制される。したがって、透明性や意匠性などの外観的特徴を高く維持することができる。このような装飾合わせガラスは、以下のような用途に好適に使用することができる。すなわち、自動車の嵌め込みガラス、サイドガラス及びリヤガラス、鉄道車両、例えば普通車両、急行車両、特急車両及び寝台車両等の乗客出入り用開閉ドアの扉ガラス、窓ガラス及び室内ドアガラス、ビル等の建物における窓ガラス及び室内ドアガラス等、室内展示用ショーケース及びショーウィンドウ、水槽などである。しかしながら、用途がこれらに限定されるわけでなない。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
まず、易接着処理された基材フィルムとして、コロナ処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ200μm、Viewcol社製)を用意した。
このコロナ処理された基材フィルムのコロナ処理された面上に、インクジェット印刷法によりインキを所定の模様に印刷し、室温で乾燥させて、インキ層を形成した。
次に、下記配合1で各材料をロールミルに供給して80℃で混練し、得られた組成物をカレンダロール温度80℃、加工速度5m/分で、カレンダ成形し、放冷することにより、EVA接着樹脂膜(厚さ0.4mm)を作製した。
配合1;
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
架橋剤(1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)2.0質量部、
シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.5質量部
そして、易接着処理され且つインキ層が形成された基材フィルムを、2枚の前記EVA接着樹脂膜で挟持して中間膜を得、これをさらに2枚のガラス基板(厚さ3mm)で挟持した。これにより得られた積層体をゴム袋に入れて真空脱気し、100℃の温度で予備圧着した。更に、これをオートクレーブに入れ、圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加圧加熱処理して装飾合わせガラスを得た。
(実施例2)
アクリル樹脂系組成物を塗布することにより易接着処理層(厚さ5μm)が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、サンシェード工業株式会社製)を、易接着処理された基材フィルムとして用いた以外は、実施例1と同様にして、装飾合わせガラスを作製した。
(比較例1)
易接着処理された基材フィルムに変えて、易接着処理がされていないポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ125μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして装飾合わせガラスを作製した。
(比較例2)
下記配合2で、各材料をロールミルに供給して80℃で混練し、得られた組成物を厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟み、プレス成形機にて120℃、10MPaでプレス成形した。放冷し室温になった後にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、PVB接着樹脂膜(厚さ0.4mm)を作製した。
配合2:
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1750、全アセタール化度83質量%)100質量部
可塑剤(トリエチレングリコール−ジ(2−エチルブチレート)33質量部
次に、EVA接着樹脂膜に代えてPVB接着樹脂膜を用いた以外は、実施例1と同様にして装飾合わせガラスを作製した。
(比較例3)
アクリル樹脂系組成物を塗布することにより易接着処理層(厚さ5μm)が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、サンシェード工業株式会社製)を、易接着処理された基材フィルムとして用い、さらに、EVA接着樹脂膜に代えて比較例2と同様にして作製したPVB接着樹脂膜を用いた以外は、実施例1と同様にして装飾合わせガラスを作製した。
(比較例4)
まず、易接着処理された基材フィルムとして、コロナ処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ200μm、Viewcol社製)を用意した。
このコロナ処理された基材フィルムのコロナ処理された面上に、インクジェット印刷法によりインキを所定の模様に印刷し、室温で乾燥させて、インキ層を形成した。
次に、下記配合1で各材料をロールミルに供給して80℃で混練し、得られた組成物をカレンダロール温度80℃、加工速度5m/分で、カレンダ成形し、放冷することにより、EVA接着樹脂膜(厚さ0.4mm)を作製した。
配合1;
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
架橋剤(1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)2.0質量部、
シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.5質量部
次に、易接着処理され且つインキ層が形成された基材フィルムを、2枚のEVA接着樹脂膜で挟持して中間膜を得、これをポリ塩化ビニルシート(三菱樹脂株式会社製 アルトロン(登録商標)、厚さ100μm、)及びガラス基板(厚さ3mm)で挟持した。これにより得られた積層体をゴム袋に入れて真空脱気し、100℃の温度で予備圧着した。更に、これをオートクレーブに入れ、圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加圧加熱処理することにより、装飾合わせガラスを得た。
(比較例5)
アクリル樹脂系組成物を塗布することにより易接着処理層(厚さ5μm)が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、サンシェード工業株式会社製)を、易接着処理された基材フィルムとして用いた以外は、比較例4と同様にして、装飾合わせガラスを得た。
(比較例6)
下記配合2で、各材料をロールミルに供給して80℃で混練し、得られた組成物を厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟み、プレス成形機にて120℃、10MPaでプレス成形した。放冷し室温になった後にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、PVB接着樹脂膜(厚さ0.4mm)を作製した。
配合2:
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1750、全アセタール化度83質量%)100質量部
可塑剤(トリエチレングリコール−ジ(2−エチルブチレート)33質量部
次に、EVA接着樹脂膜に代えてPVB接着樹脂膜を用いた以外は、比較例4と同様にして、装飾合わせガラスを得た。
(比較例7)
アクリル樹脂系組成物を塗布することにより易接着処理層(厚さ5μm)が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ50μm、サンシェード工業株式会社製)を、易接着処理された基材フィルムとして用い、さらに、EVA接着樹脂膜に代えて比較例6と同様にして作製したPVB接着樹脂膜を用いた以外は、比較例4と同様にして、装飾合わせガラスを作製した。
(評価)
上記で作製した装飾合わせガラスを、それぞれ温度85℃、湿度85%RHの環境下に放置し、インキ層と基材フィルムとの剥離の発生の有無を目視により評価した。結果を表1に示す。なお、表1において、剥離の発生がなかったものを「○」とし、剥離が発生したものを「×」とする。
Figure 0005215071

本発明の装飾合わせガラスの模式断面図を示す。
符号の説明
110 中間膜、
111 インキ層、
112 基材フィルム、
113 接着樹脂膜、
120 透明基板。

Claims (4)

  1. 所定模様に印刷されたインキ層を有する基材フィルムを2枚の接着樹脂膜の間に有する中間膜を、2枚の透明基板の間に介在させて接合一体化させた装飾合わせガラスであって、
    前記基材フィルムが易接着処理され、且つ
    前記接着樹脂膜が、エチレン酢酸ビニル共重合体、架橋剤、架橋助剤及びシランカップリング剤を含み、
    前記インキ層は、インクジェット印刷法により形成されていることを特徴とする装飾合わせガラス。
  2. 前記基材フィルムが、透明接着樹脂を含む易接着処理層を有することを特徴とする請求項1に記載の装飾合わせガラス。
  3. 前記透明接着樹脂が、アクリル樹脂である請求項2に記載の装飾合わせガラス。
  4. 前記基材フィルムが、コロナ処理またはプラズマ処理されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾合わせガラス。
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