JP2009269806A - 合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた接着性を損なうことなく、熱線遮蔽性や導電性などの種々の機能を有する機能性中間膜を用いた合わせガラスを提供する。
【解決手段】一対の透明基材(120a及び120b)と、前記透明基材(120a及び120b)の間に配置された機能性中間膜(110)とを有する合わせガラスであって、
前記機能性中間膜(110)が、接着樹脂層(111a)、機能性層(112)、及び接着樹脂層(111b)がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機、自動車のフロントガラスやサイドガラス、又は建築物の窓ガラスなどに用いられる熱線(赤外線)遮蔽性などの各種機能を有する合わせガラスに関する。
一般に自動車に用いるガラス、特にフロントガラスには、ガラス板の間に透明の接着樹脂層(中間膜)を挟持させた構造の合わせガラスが使用されている。この接着樹脂層は、例えばPVB膜、EVA膜等から形成され、この接着樹脂層の存在により、合わせガラスの耐貫通性等が向上している。また外部からの衝撃に対し、破損したガラスの破片は接着樹脂層に貼着したままとなるので、その飛散を防止している。このため、例えば自動車の合わせガラスが、盗難や侵入等を目的として破壊されても窓の開放を自由にすることができないため、防犯用ガラスとしても有用である。
一方、例えば自動車のドアガラス及び嵌め込みガラスは、一般に事故で破壊されることが少なく、したがって上記フロントガラス程の耐貫通性等は必要としないので、僅かに強化された強度の低い1枚のガラス板が使用されている。ところが、このような1枚のガラス板のみを使用した場合、以下のような欠点がある。即ち、(1)耐衝撃性、耐貫通性等の点で合わせガラスに劣る、(2)盗難や侵入等を目的として破壊されると、割れて多数の破片となり、窓の開放を自由に行うことができるなどである。このため、ドアガラス及び嵌め込みガラス等にも、合わせガラスのような特性のガラスを使用することも検討されている。このような用途に適したガラスとして、ガラス板とプラスチックフィルムとを、透明接着樹脂層を介して接着したフィルム強化ガラスが、例えば特許文献1及び2に記載されている。このような合わせガラスの2枚ガラス板、或いはフィルム強化ガラスのガラス板とプラスチックフィルムとを接着する透明接着樹脂層は、上述のように、優れた接着性と、耐貫通性が求められている。
上記の合わせガラスは、一般に、優れた接着性と耐貫通性を有しており、安全性には優れているが、熱線遮断性については考慮されていない。熱線遮断機能を有するガラスとしては、例えば、熱線カットガラスが市販されている。この熱線カットガラスは、直接太陽光の遮断を目的として、金属等の蒸着、スパッタリング加工によって、ガラス板の表面に金属/金属酸化物の多層コーティングが施されたものである。この多層コーティングは、外部からの擦傷に弱く、耐薬品性も劣る。このようなガラスは、例えば、EVA等からなる中間膜を積層して合わせガラスとされるのが一般的である。また上記熱線カットガラスは、金属を使用しているので、透明性が低下したり、電磁波の透過を阻害し、携帯電話、カーナビ等の通信機能に悪影響をもたらすとの問題がある。
そこで、合わせガラス用中間膜(接着樹脂層)中に熱線遮蔽性金属酸化物を分散させた合わせガラスが提案されている。例えば、特許文献3には、ポリビニルブチラールなどの軟質樹脂に、酸化スズ又は酸化インジウムなどの熱線遮蔽性金属酸化物を分散させた中間膜を用いた合わせガラスが開示されている。
特開2002−046217号公報 特開2002−068785号公報 特開平8−217500号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記特許文献3に記載の中間膜では、金属酸化物などの機能性材料を添加するため中間膜本来の特性、特に接着性を損なう場合があることが明らかとなった。
したがって、本発明は、優れた接着性を損なうことなく、熱線遮蔽性や導電性などの種々の機能を有する機能性中間膜を用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
上記目的は、一対の透明基材と、前記透明基材の間に配置された機能性中間膜とを有する合わせガラスであって、
前記機能性中間膜が、接着樹脂層、機能性層、及び接着樹脂層がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラスにより達成できる。
本発明の合わせガラスでは、一対の接着樹脂層の間に機能性層が配置された機能性中間膜を用いている。すなわち、機能性中間膜では、接着樹脂層により透明基材及び機能性層との優れた接着性を確保し、機能性層により中間膜に種々の機能を付与することが可能となる。さらに、機能性中間膜にポリエチレンテレフタレートなどの硬質基材を使用していないため、合わせガラスを用途に合わせて容易に湾曲形状にすることができる。
図1に本発明の合わせガラスの断面図を示す。本発明の合わせガラスは、二枚の透明基材(120a及び120b)と、前記透明基材(120a及び120b)の間に配置された機能性中間膜(110)とから構成され、機能性中間膜により二枚の透明基材が接着一体化されている。さらに、機能性中間膜(110)は、接着樹脂層(111a)、機能性層(112)、及び接着樹脂層(111b)がこの順で積層された構成を有する。このように、優れた接着性を有する接着樹脂層(111a及び111b)を用いて機能性層(112)を挟持することにより、透明基材(120a及び120b)と機能性層(112)とを強く接着一体化することが可能となる。これにより、機能性層(112)には接着樹脂を含有するなどの接着性を付与する必要がなく、機能性層(112)において熱線遮蔽性や導電性などの種々の機能性を高く確保することができる。したがって、本願発明の合わせガラスは、接着性及び熱線遮蔽性や導電性などの種々の機能性の双方が優れる。さらに、中間膜にポリエチレンテレフタレートなどの硬質基材を使用していないため、合わせガラスを容易に湾曲形状にすることができる。
(機能性層)
機能性層は、金属、金属酸化物、金属窒化物などの機能性材料を含む導電層、電磁波遮蔽層、熱線遮蔽層、及び紫外線吸収層が挙げられる。また、種々の機能性材料を添加することにより、複数の機能を有する機能性層とすることもできる。なかでも、機能性層は、熱線遮蔽層であるのが好ましい。
このような機能性層は、バインダ樹脂中に機能性材料が分散された層である。機能性層は、優れた接着性を有する層を形成できることから、機能性材料を含む、熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物の硬化層であるのが好ましい。なかでも、機能性材料を含む光硬化性樹脂組成物の硬化層であるのが好ましい。光硬化性樹脂組成物により機能性層を作製する場合、過剰な熱を与えないため隣接する接着樹脂層が歪むのを抑制することができ、接着樹脂層と機能性層とのより強い接着性を確保することができる。
熱硬化性樹脂組成物は、例えば、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を含むのが好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤としてブロックイソシアネートを含有するのが好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、紫外線、X線、γ線、電子線などの照射により直接又は光重合開始剤の作用を受けて硬化を開始する樹脂組成物である。光硬化性樹脂組成物は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、及びアクリル樹脂などのバインダ樹脂を含む。これらは一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
なかでも、機能性材料を高分散させて接着樹脂層との接着性に優れ、さらに耐久性にも優れる機能性層が得られることから、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好ましい。
フッ素樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、フルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)及びエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、下記構造:
Figure 2009269806
(n=10〜1000)
を有する重合体Aを挙げることができる。これらの中で、上記重合体A、フルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)が好ましい。これらの(共)重合体は、さらに官能基(例、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、(メタ)アクリロイロキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、スルホニル基、アクリレート型イソシアヌレート基、硫酸塩基)を有していても良い。市販されているフッ素樹脂の好ましい例としては、ルミフロン(登録商標、旭硝子(株)製)、サイトップ(登録商標、旭硝子(株)製)、ゼッフル(登録商標、ダイキン化学(株)製)、オプツール(登録商標、ダイキン化学(株)製)を挙げることができる。
シリコーン樹脂の例としては、ストレートシリコーンワニス及び変性シリコーンワニスを挙げることができる。ストレートシリコーンワニスは、通常、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシランの加水分解重合により製造される(使用時は、一般に塗布後、100℃以上で硬化される)。変性シリコーンワニスは、シリコーンワニスにアルキド、ポリエステル、アクリル、エポキシ等の樹脂を反応させたものである。市販されているシリコーン樹脂の好ましい例としては、シリコーンワニスKRシリーズ(信越化学(株)製)を挙げることができる。
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を挙げることができる。
またアクリル樹脂としては、アクリロニトリルエチレンプロピレンゴムスチレン共重合体(AES)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)等の熱可塑性アクリル樹脂、或いは熱硬化性アクリル樹脂(自己硬化型、又はポリイソシアネート、アミノ樹脂、ポリエステル若しくはエポキシ樹脂による架橋タイプ)を挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物は、紫外線照射により硬化させる場合、さらに光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤としては、樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上の混合で使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
光硬化性樹脂組成物は、紫外線照射により硬化させる場合、さらに重合性モノマー、オリゴマーを含んでいてもよい。重合性モノマー、オリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
なかでも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
機能性層に用いられる機能性材料は、金属、金属酸化物、金属窒化物などであり、これらの機能性材料により導電性、電磁波遮蔽性、熱線遮蔽性、紫外線吸収性を有する機能性層を形成することができる。なかでも、機能性層としては、本願発明による効果を高く発揮できることから、機能性材料として熱線遮蔽剤を使用した熱線遮蔽層が好ましく挙げられる。
なお、本発明において、熱線とは、一般に赤外線、特に太陽光線の中でも温度を高く上昇させる780nm以上の波長を有する赤外線を意味する。
熱線遮蔽剤としては、ZnO、SnO2、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛などの金属酸化物の他、タングステン酸化物、及び複合タングステン酸化物などからなる熱線遮蔽剤が挙げられる。これらは、一種単独で使用されてもよく、二種以上を併用してもよい。なかでも、近赤外線の強力な吸収を有していることから、タングステン酸化物及び複合タングステン酸化物が好ましい。
タングステン酸化物は、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表される酸化物である。また、複合タングステン酸化物は、上記タングステン酸化物に、元素M(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素)を添加した組成を有するものである。これにより、z/y=3.0の場合も含めて、WyOz中に自由電子が生成され、近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現し、1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となる。本発明では、複合タングステン酸化物が好ましい。
上述した一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物において、タングステンと酸素との好ましい組成範囲は、タングステンに対する酸素の組成比が3よりも少なく、さらには、当該赤外線遮蔽材料をWyOzと記載したとき、2.2≦z/y≦2.999である。このz/yの値が、2.2以上であれば、赤外線遮蔽材料中に目的以外であるWO2の結晶相が現れるのを回避することが出来るとともに、材料としての化学的安定性を得ることが出来るので有効な赤外線遮蔽材料として適用できる。一方、このz/yの値が、2.999以下であれば必要とされる量の自由電子が生成され効率よい赤外線遮蔽材料となり得る。
複合タングステン酸化物は、安定性の観点から、一般に、MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、(0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3)で表される酸化物であることが好ましい。アルカリ金属は、水素を除く周期表第1族元素、アルカリ土類金属は周期表第2族元素、希土類元素は、Sc、Y及びランタノイド元素である。特に、赤外線遮蔽材料としての光学特性、耐候性を向上させる観点から、M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちの1種類以上であるものが好ましい。
また、複合タングステン酸化物は、シランカップリング剤で処理されていることが好ましい。優れた分散性が得られ、優れた赤外線カット機能、透明性が得られる。
元素Mの添加量を示すx/yの値が0.001より大きければ、十分な量の自由電子が生成され赤外線遮蔽効果を十分に得ることが出来る。元素Mの添加量が多いほど、自由電子の供給量が増加し、赤外線遮蔽効果も上昇するが、x/yの値が1程度で飽和する。また、x/yの値が1より小さければ、熱線遮蔽層中に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。
酸素量の制御を示すz/yの値については、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物においても、上述のWyOzで表記される赤外線遮蔽材料と同様の機構が働くことに加え、z/y=3.0においても、上述した元素Mの添加量による自由電子の供給があるため、2.2≦z/y≦3.0が好ましく、さらに好ましくは2.45≦z/y≦3.0である。
さらに、複合タングステン酸化物が六方晶の結晶構造を有する場合、当該酸化物の可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。
この六角形の空隙に元素Mの陽イオンが添加されて存在するとき、可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。ここで、一般的には、イオン半径の大きな元素Mを添加したとき当該六方晶が形成され、具体的には、Cs、K、Rb、Tl、In、Ba、Sn、Li、Ca、Sr、Feを添加したとき六方晶が形成されやすい。勿論これら以外の元素でも、WO6単位で形成される六角形の空隙に添加元素Mが存在すれば良く、上記元素に限定される訳ではない。
六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物が均一な結晶構造を有するとき、添加元素Mの添加量は、x/yの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33である。x/yの値が0.33となることで、添加元素Mが、六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。
また、六方晶以外では、正方晶、立方晶のタングステンブロンズも赤外線遮蔽効果がある。そして、これらの結晶構造によって、近赤外線領域の吸収位置が変化する傾向があり、立方晶<正方晶<六方晶の順に、吸収位置が長波長側に移動する傾向がある。また、それに付随して可視光線領域の吸収が少ないのは、六方晶<正方晶<立方晶の順である。このため、より可視光領域の光を透過して、より赤外線領域の光を遮蔽する用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。
また、本発明の複合タングステン酸化物の表面が、Si、Ti、Zr、Alの一種類以上を含有する酸化物で被覆されていることは、耐候性の向上の観点から好ましい。
本発明の複合タングステン酸化物は、例えば下記のようにして製造される。
上記一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物、及び/又は、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物は、タングステン化合物出発原料を不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
タングステン化合物出発原料には、3酸化タングステン粉末、もしくは酸化タングステンの水和物、もしくは、6塩化タングステン粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム粉末、もしくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上であることが好ましい。
ここで、タングステン酸化物を製造する場合には製造工程の容易さの観点より、タングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、を用いることがさらに好ましく、複合タングステン酸化物を製造する場合には、出発原料が溶液であると各元素を容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、6塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気もしくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述した粒径のタングステン酸化物、または/及び、複合タングステン酸化物を得ることができる。
また、上記元素Mを含む一般式MxWyOzで表される複合タングステン酸化物は、上述した一般式WyOzで表されるタングステン酸化物のタングステン化合物出発原料と同様であり、さらに元素Mを、元素単体または化合物の形で含有するタングステン化合物を出発原料とする。ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
ここで、不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な着色力を有し熱線遮蔽剤として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N2等の不活性ガスを用いることが良い。また、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100〜650℃で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650〜1200℃の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないがH2が好ましい。また還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元雰囲気の組成として、H2が体積比で0.1%以上が好ましく、さらに好ましくは2%以上が良い。0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された原料粉末はマグネリ相を含み、良好な赤外線遮蔽特性を示し、この状態で熱線遮蔽剤として使用可能である。しかし、酸化タングステン中に含まれる水素が不安定であるため、耐候性の面で応用が限定される可能性がある。そこで、この水素を含む酸化タングステン化合物を、不活性雰囲気中、650℃以上で熱処理することで、さらに安定な熱線遮蔽剤を得ることができる。この650℃以上の熱処理時の雰囲気は特に限定されないが、工業的観点から、N2、Arが好ましい。当該650℃以上の熱処理により、熱線遮蔽剤中にマグネリ相が得られ耐候性が向上する。
本発明の複合タングステン酸化物は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤が好ましい。これによりバインダ樹脂との親和性が良好となり、透明性、熱線カット性の他、各種物性が向上する。
シランカップリング剤の例として、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシアクリルシランを挙げることができる。ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、トリメトキシアクリルシランが好ましい。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また上記化合物の含有量は、複合タングステン酸化物100質量部に対して5〜20質量部で使用することが好ましい。
本発明で使用される熱線遮蔽剤の平均粒子径は、透明性を保持する観点から、10〜800nm、特に10〜400nmであるのが好ましい。これは、800nmよりも小さい粒子は、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光線領域の視認性を保持し、同時に効率良く透明性を保持することができるからである。特に可視光領域の透明性を重視する場合は、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。この粒子による散乱の低減を重視するとき、平均粒子径は20〜200nm、特に20〜100nmが好ましい。なお、熱線遮蔽剤の平均粒子径は、熱線遮蔽層(機能性層)の断面を透過型電子顕微鏡により倍率100万倍程度で観測し、少なくとも100個の熱線遮蔽剤の面積円相当径を求めた数平均値とする。
熱線遮蔽層における熱線遮蔽剤の含有量は、バインダ樹脂100質量部に対して、10〜500質量部、さらに20〜500質量部、特に30〜300質量部であるのが好ましい。
機能性層、好ましくは熱線遮蔽層の厚さは、通常は0.1〜50μm、好ましくは1〜50μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。
(接着樹脂層)
次に、本発明の合わせガラスに使用される接着樹脂層としては、ポリビニルブチラールを含む層(PVB層)、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む層(EVA層)、及びこれらの層の積層体が好ましく挙げられる。なかでも、優れた接着性を有することからEVA層を用いるのが好ましい。
PVB層を構成するPVB樹脂組成物は、一般に、PVB樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤等を含んでいる。PVB樹脂として、ポリビニルアセタール単位が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重量%で、平均重合度が200〜3000、特に300〜2500であるものが好ましい。
PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐酸系可塑剤を挙げることができる。
一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコールとの反応によって得られるエステルが好ましく、特に、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、トリエチレングリコール−ジ−n−オクトエートが好ましい。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコールとのエステルも使用することができる。
多塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素原子数4〜8個の直鎖状又は分岐状アルコールとのエステルが好ましく、特に、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペートが好ましい。
燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフォスフェート等が好ましい。
PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が少ないと成膜性が低下し、多すぎると耐熱時の耐久性等が損なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100質量部に対して可塑剤を一般に5〜50質量部、特に10〜40質量部含むことが好ましい。
本発明のPVB樹脂組成物は、紫外線吸収剤(UV吸収剤)として、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物及び、ヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。ベンゾフェノン系化合物が、黄変性が抑制され好ましい。
上記ベンゾフェノン系化合物の好ましい例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノン、2,2'、4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノンを挙げることができ、特に2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノンが好ましい。
PVB層においては、上記紫外線吸収剤を、PVB100質量部に対して0.05〜1.0質量部(特に0.1〜0.2質量部)使用することが好ましい。
さらにPVB樹脂組成物は、脂肪酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩(一般に接着力調整剤として使用)を含んでも良い。
上記脂肪酸のアルカリ土類金属塩の例としては、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オクチル酸カルシウム、ギ酸バリウム、酢酸バリウム、乳酸バリウム、ステアリン酸バリウム、オクチル酸バリウム等;また脂肪酸のアルカリ金属塩の例としては、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、乳酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オクチル酸カリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オクチル酸ナトリウム等を挙げることができる。
PVB樹脂組成物には、更に劣化防止のために、安定剤、酸化防止剤等の添加剤が添加されていても良い。
次に、EVA層に用いられるEVAは、酢酸ビニル含有率が、EVA100質量部に対して、23〜38質量部であり、特に23〜28質量部であることが好ましい。この酢酸ビニル含有率が、23質量部未満であると、高温で架橋硬化させる場合に得られる樹脂の透明度が充分でなく、逆に38質量部を超えると防犯用ガラスにした場合の耐衝撃性、耐貫通性が不足する傾向となる。またEVAのメルト・フロー・インデックス(MFR)が、4.0〜30.0g/10分、特に8.0〜18.0g/10分であることが好ましい。予備圧着が容易になる。
EVA層を構成するEVA樹脂組成物は、上記EVAに、有機過酸化物を含むことができる。
有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも併用することもできる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化(貼り合わせ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
この有機過酸化物の例としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、コハク酸パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレーオ及び2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げることができる。
EVA層は、膜の種々の物性(機械的強度、接着性、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物を含んでいることが好ましい。
使用するアクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。
多官能化合物(架橋助剤)としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に複数のアクリル酸あるいはメタクリル酸をエステル化したエステル、さらに前述のトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートを挙げることができる。
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
本発明では、上記EVA層と透明基材との接着力をさらに高めるために、接着向上剤として、シランカップリング剤を添加することができる。
このシランカップリング剤の例として、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また上記化合物の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。
前記の可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
EVA層は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物及び、ヒンダードアミン系化合物を挙げることができる。黄変を抑制する観点から、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
EVA層においては、上記紫外線吸収剤を、EVA100質量部に対して0.05〜1.0質量部(特に0.1〜0.2質量部)使用することが好ましい。
接着樹脂層の厚さは、100〜2000μm、特に400〜1000μmであるのが好ましい。
(透明基材)
本発明の合わせガラスに用いられる透明基材は、特に限定されないが、例えば、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、プラスチックフィルムを用いてもよい。前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンアフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルムを挙げることができる。この他にも、熱線遮蔽性を付与するために、スパッタリングなどにより銀などからなる金属薄膜が形成されたガラス板なども挙げられる。これらのうち、PETフィルムが好ましい。透明基板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。
なお、本発明において、合わせガラスにおける「ガラス」とは透明基板全般を意味するものであり、したがって「合わせガラス」とは透明基板に中間膜を挟持してなるものを意味する。
合わせガラスにおいて中間膜の両側に配置されるそれぞれの透明基板は、同一の透明基板を用いてもよく、異なる透明基板を組み合わせて用いてもよい。透明基板の強度と合わせガラスの用途とを考慮して、透明基板の組み合わせを決定するのが好ましい。
本発明の合わせガラスにおける透明基板が、一方がガラス板で、他方がプラスチックフィルムである場合、耐衝撃性、耐貫通性、透明性等において適度な性能を有するように設計することもできる。このため、例えば各種車体、ビル等に装備される窓ガラス等のガラス、又はショーケース、ショーウインド等のガラスに使用することができる。
また、透明基板が共にガラス板の場合は、特に優れた耐衝撃性、向上した耐貫通性を示すように設計することができ、合わせガラスを含む種々な用途に使用することができる。
一方がプラスチックフィルムの合わせガラス、例えば自動車のサイドガラス及び嵌め込みガラスの場合、フロントガラス程の厚さは必要としないため、プラスチックフィルム3の厚さは、0.02〜2mmの範囲が一般的であり、0.02〜1.2mmの範囲が好ましい。中間膜及びプラスチックフィルムの厚さは、当該ガラスを使用する場所等に応じて変えることができる。
本発明で使用されるガラス板は、通常珪酸塩ガラスである。ガラス板厚は、フィルム強化ガラスの場合、それを設置する場所等により異なる。例えば、自動車のサイドガラス及び嵌め込みガラスに使用する場合、フロントガラスのように厚くする必要はなく、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。前記1枚のガラス板1は、化学的に、或いは熱的に強化させたものである。
自動車のフロントガラス等に適当な両方がガラス板である合わせガラスの場合は、ガラス板の厚さは、0.5〜10mmが一般的であり、1〜8mmが好ましい。
本発明の合わせガラスが透明基板としてプラスチックフィルムを有する場合、プラスチックフィルム表面にはさらにハードコート層を有するのが好ましい。これに合わせガラスに耐傷付き性を付与することができる。
(製造方法)
次に、上述した本発明の合わせガラスの製造方法について説明する。本発明の合わせガラスでは二枚の接着樹脂層の間に機能性層が挟持されてなる中間膜を用いているが、当該方法では未硬化の接着樹脂層上に機能性層を直接形成した後、接着樹脂層を硬化させることを特徴とする。これにより、各層を形成する際に接着樹脂層にシワや歪みが発生するのを抑制し、透明基材及び各層間の接着性に優れる合わせガラスを製造することができる。
本発明の合わせガラスの製造方法は、下記工程;
接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布し、前記接着樹脂層上に機能性層が形成された積層体(A)を得る工程と、
前記積層体(A)の接着樹脂層上に透明基材を配置し、前記積層体(A)の機能性層上に接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層及び透明基材をこの順で配置し、これにより得られた積層体(B)を加熱する工程と、
を有する。
まず、接着樹脂層上に機能性層が形成された積層体(A)を得る工程では、接着樹脂組成物を製膜してなる機能性層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布する。
接着樹脂層としては、上述した通り、EVA層及びPVB層、特にEVA層が好ましく用いられる。EVA層を作製するには、例えば、上記EVA及び有機過酸化物などを含む組成物を、通常の押出成形、カレンダ成形(カレンダリング)等により成形して層状物を得る方法などを用いることができる。また、PVB層も、上記と同様に、例えば、上記PVB、紫外線吸収剤等を含む組成物を、通常の押出成形、カレンダ成形(カレンダリング)等により製膜して層状物を得る方法を用いることができる。
組成物の混合は、40〜90℃、特に60〜80℃の温度で加熱混練することにより行うのが好ましい。また、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、40〜90℃、特に50〜80℃とするのが好ましい。
また、上記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することにより層状物を得ることもできる。
次に、上記の通りにして得られた接着樹脂層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布する。
塗布液は、有機溶剤中に機能性材料と、熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物を分散又は溶解させることにより調製される。
有機溶剤としては、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、アルデヒド系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、及び含窒素複素環式化合物系溶剤などが挙げられる。なかでも、接着樹脂層にシワや歪みが発生するのを高く抑制できることから、炭化水素系溶剤が好ましく挙げられる。
炭化水素系有機溶剤として、具体的には、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、オレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。なかでも、トルエン、シクロヘキサン、又はシス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
塗布液における有機溶剤の含有量は、塗布液の全量に対して、1〜99質量%、特に40〜80質量%とするのが好ましい。これにより、接着樹脂層における歪みやシワの発生を抑制できる。
塗布液の塗布方法は、特に制限されず、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、スピンコート法、リバースロールコート法、ダイレクトグラビア法、グラビアリバース法、リップコート法、マイクログラビア法などの方法により行うことができる。
接着樹脂層上に形成された塗布層は、好ましくは、電子線照射、紫外線などの光照射、又は加熱により硬化させて、機能性層を得る。加熱により硬化させる場合、前記硬化は、接着樹脂層上に塗布液を塗布した直後に行ってもよく、後工程で積層体(B)を加熱する際に同時に行ってもよい。優れた接着性を有する層を形成できることから、塗布液を塗布した後、得られた塗布層を電子線又は光を照射することにより硬化させるのが好ましい。したがって、塗布液には光硬化性樹脂組成物を使用するのが好ましい。
電子線照射の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線照射の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。接着樹脂層におけるシワや歪みの発生を抑制できることから、紫外線照射が好ましい。
次に、本発明の方法では、上記工程により得られた積層体(A)の接着樹脂層上に透明基材を配置し、前記積層体の機能性層上に接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層及び透明基材をこの順で配置し、これにより得られた積層体(B)を加熱する工程を実施する。前記加熱により、積層体(B)中に含まれる接着樹脂を硬化させて、透明基材と各層間を接着一体化することが可能となる。
前記積層体の機能性層上に配置する接着樹脂層は、積層体(A)に含まれる接着樹脂層と同様にして得ることができる。
前記加熱(本接着)は、40〜200℃で1〜120分間、特に60〜150℃で1〜20分間行うのが好ましい。また、前記加熱は、積層体(B)を1.0×103Pa〜5.0×107Paの圧力で加圧しながら行うのが好ましい。これにより、接着樹脂層にシワや歪みが発生するのを抑制し、透明基材と各層間との接着性を向上させることができる
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
1.接着樹脂層の作製
下記の配合を原料としてカレンダ成形法により接着樹脂層(厚さ400μm)を製膜した。なお、配合物の混練は80℃で15分行い、またカレンダロールの温度は80℃、加工速度は5m/分であった。
配合;
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
架橋剤(tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート;日本油脂株式会社製 パーブチル(登録商標)E)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート;日本化成株式会社 TAIC(登録商標))2質量部、
シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ6030)0.5質量部
2.熱線遮蔽層の作製
上記で製膜した接着樹脂層上に、下記配合の熱線遮蔽層形成用塗布液をバーコータにより塗布し、照射線量500mJ/m2で1秒間紫外線を照射して塗布液を硬化させることにより、接着樹脂層上に熱線遮蔽層(厚さ1μm)が形成された積層体(A)を得た。
配合;
官能基含有フッ素樹脂(オプツールAR−110(前記重合体A)、ダイキン工業(株)製)100質量部、
光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)製)2質量部、
セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3) 15質量部
炭化水素系有機溶剤(トルエン) 85質量部
3.熱線遮蔽性合わせガラスの作製
上記で作製した積層体(A)の接着樹脂層上にガラス基板(厚さ3mm)を配置し、前記積層体(A)の熱線遮蔽層上に上記と同様に作製した他の接着樹脂層及びガラス基板(厚さ3mm)を積層した。これにより得られた積層体(B)をオートクレーブ中、圧力1.3×106Pa、温度140℃の条件で30分間加熱した。これにより、接着樹脂層を硬化させて、透明基材と各層間が接着一体化された合わせガラスを得た。
(比較例1)
1.熱線遮蔽層の作製
下記に示す配合で各材料を、ロールミルに供給し、80℃で混練して組成物を調製した。前記組成物を、カレンダロール温度80℃、加工速度5m/分で、カレンダ成形し、放冷することにより、熱線遮蔽層(厚さ800μm)を作製した。
配合;
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3)0.2質量部、
架橋剤(tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート;日本油脂株式会社製 パーブチル(登録商標)E)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート;日本化成株式会社 TAIC(登録商標))2質量部、
シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ6030)0.5質量部
2.合わせガラスの作製
二枚のガラス基板(厚さ3mm)の間に、上記で作製した熱線遮蔽層を挟み込み、これにより得られた積層体をオートクレーブ中、100℃で30分間加熱することにより仮圧着を行った後、圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加熱し、合わせガラスを得た。
(評価)
上記で作製した各合わせガラスについて、耐久試験後の剥離の発生の有無を下記の手順に従って評価した。
上記で作製した各合わせガラスに、温度85℃、湿度85%RHの環境下、300〜400nm波長の紫外線を1KW/m2の強度で120日間照射した後、剥離の発生の有無を目視により評価した。実施例1の合わせガラスでは剥離の発生がなかったのに対して、比較例1の合わせガラスではガラス基板と熱線遮蔽層との間で剥離が発生していた。
本発明の合わせガラスの断面図を示す。
符号の説明
110 機能性中間膜
111a、111b 接着樹脂層
112 機能性層
120a、120b 透明基材

Claims (11)

  1. 二枚の透明基材の間に機能性中間膜が挟持されて接着一体化されてなる合わせガラスであって、
    前記機能性中間膜が、接着樹脂層、機能性層、及び接着樹脂層がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラス。
  2. 前記機能性層が、熱線遮蔽層であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記機能性層が、機能性材料を含む熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物の硬化層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合わせガラス。
  4. 前記樹脂組成物が、フッ素樹脂及び/又はシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項3に記載の合わせガラス。
  5. 前記機能性材料が、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物からなる熱線遮蔽剤であることを特徴とする請求項3又は4に記載の合わせガラス。
  6. 前記接着樹脂層が、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む層からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  7. 接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布し、前記接着樹脂層上に機能性層が形成された積層体(A)を得る工程と、
    前記積層体(A)の接着樹脂層上に透明基材を配置し、前記積層体(A)の機能性層上に接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層及び透明基材をこの順で配置し、これにより得られた積層体(B)を加熱する工程と、
    を有することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
  8. 前記塗布液が、炭化水素系有機溶剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の合わせガラスの製造方法。
  9. 前記塗布液を塗布した後、得られた塗布層を電子線及び/又は光の照射により硬化させることを特徴とする請求項7又は8に記載の合わせガラスの製造方法。
  10. 前記加熱を、40〜200℃で1〜120分間行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
  11. 前記加熱を、前記積層体(B)を1.0×103Pa〜5.0×107Paの圧力で加圧しながら行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
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