JP2009269806A - 合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の透明基材(120a及び120b)と、前記透明基材(120a及び120b)の間に配置された機能性中間膜(110)とを有する合わせガラスであって、
前記機能性中間膜(110)が、接着樹脂層(111a)、機能性層(112)、及び接着樹脂層(111b)がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラス。
【選択図】図1
Description
前記機能性中間膜が、接着樹脂層、機能性層、及び接着樹脂層がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラスにより達成できる。
機能性層は、金属、金属酸化物、金属窒化物などの機能性材料を含む導電層、電磁波遮蔽層、熱線遮蔽層、及び紫外線吸収層が挙げられる。また、種々の機能性材料を添加することにより、複数の機能を有する機能性層とすることもできる。なかでも、機能性層は、熱線遮蔽層であるのが好ましい。
を有する重合体Aを挙げることができる。これらの中で、上記重合体A、フルオロエチレンビニルエーテル(FEVE)が好ましい。これらの(共)重合体は、さらに官能基(例、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、(メタ)アクリロイロキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、スルホニル基、アクリレート型イソシアヌレート基、硫酸塩基)を有していても良い。市販されているフッ素樹脂の好ましい例としては、ルミフロン(登録商標、旭硝子(株)製)、サイトップ(登録商標、旭硝子(株)製)、ゼッフル(登録商標、ダイキン化学(株)製)、オプツール(登録商標、ダイキン化学(株)製)を挙げることができる。
次に、本発明の合わせガラスに使用される接着樹脂層としては、ポリビニルブチラールを含む層(PVB層)、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む層(EVA層)、及びこれらの層の積層体が好ましく挙げられる。なかでも、優れた接着性を有することからEVA層を用いるのが好ましい。
本発明の合わせガラスに用いられる透明基材は、特に限定されないが、例えば、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、プラスチックフィルムを用いてもよい。前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンアフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルムを挙げることができる。この他にも、熱線遮蔽性を付与するために、スパッタリングなどにより銀などからなる金属薄膜が形成されたガラス板なども挙げられる。これらのうち、PETフィルムが好ましい。透明基板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。
次に、上述した本発明の合わせガラスの製造方法について説明する。本発明の合わせガラスでは二枚の接着樹脂層の間に機能性層が挟持されてなる中間膜を用いているが、当該方法では未硬化の接着樹脂層上に機能性層を直接形成した後、接着樹脂層を硬化させることを特徴とする。これにより、各層を形成する際に接着樹脂層にシワや歪みが発生するのを抑制し、透明基材及び各層間の接着性に優れる合わせガラスを製造することができる。
接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布し、前記接着樹脂層上に機能性層が形成された積層体(A)を得る工程と、
前記積層体(A)の接着樹脂層上に透明基材を配置し、前記積層体(A)の機能性層上に接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層及び透明基材をこの順で配置し、これにより得られた積層体(B)を加熱する工程と、
を有する。
1.接着樹脂層の作製
下記の配合を原料としてカレンダ成形法により接着樹脂層(厚さ400μm)を製膜した。なお、配合物の混練は80℃で15分行い、またカレンダロールの温度は80℃、加工速度は5m/分であった。
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
架橋剤(tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート;日本油脂株式会社製 パーブチル(登録商標)E)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート;日本化成株式会社 TAIC(登録商標))2質量部、
シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ6030)0.5質量部
上記で製膜した接着樹脂層上に、下記配合の熱線遮蔽層形成用塗布液をバーコータにより塗布し、照射線量500mJ/m2で1秒間紫外線を照射して塗布液を硬化させることにより、接着樹脂層上に熱線遮蔽層(厚さ1μm)が形成された積層体(A)を得た。
官能基含有フッ素樹脂(オプツールAR−110(前記重合体A)、ダイキン工業(株)製)100質量部、
光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)製)2質量部、
セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3) 15質量部
炭化水素系有機溶剤(トルエン) 85質量部
上記で作製した積層体(A)の接着樹脂層上にガラス基板(厚さ3mm)を配置し、前記積層体(A)の熱線遮蔽層上に上記と同様に作製した他の接着樹脂層及びガラス基板(厚さ3mm)を積層した。これにより得られた積層体(B)をオートクレーブ中、圧力1.3×106Pa、温度140℃の条件で30分間加熱した。これにより、接着樹脂層を硬化させて、透明基材と各層間が接着一体化された合わせガラスを得た。
1.熱線遮蔽層の作製
下記に示す配合で各材料を、ロールミルに供給し、80℃で混練して組成物を調製した。前記組成物を、カレンダロール温度80℃、加工速度5m/分で、カレンダ成形し、放冷することにより、熱線遮蔽層(厚さ800μm)を作製した。
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部)100質量部、
セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3)0.2質量部、
架橋剤(tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート;日本油脂株式会社製 パーブチル(登録商標)E)2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート;日本化成株式会社 TAIC(登録商標))2質量部、
シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ6030)0.5質量部
二枚のガラス基板(厚さ3mm)の間に、上記で作製した熱線遮蔽層を挟み込み、これにより得られた積層体をオートクレーブ中、100℃で30分間加熱することにより仮圧着を行った後、圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加熱し、合わせガラスを得た。
上記で作製した各合わせガラスについて、耐久試験後の剥離の発生の有無を下記の手順に従って評価した。
111a、111b 接着樹脂層
112 機能性層
120a、120b 透明基材
Claims (11)
- 二枚の透明基材の間に機能性中間膜が挟持されて接着一体化されてなる合わせガラスであって、
前記機能性中間膜が、接着樹脂層、機能性層、及び接着樹脂層がこの順で積層されてなることを特徴とする合わせガラス。 - 前記機能性層が、熱線遮蔽層であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
- 前記機能性層が、機能性材料を含む熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物の硬化層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合わせガラス。
- 前記樹脂組成物が、フッ素樹脂及び/又はシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項3に記載の合わせガラス。
- 前記機能性材料が、タングステン酸化物及び/又は複合タングステン酸化物からなる熱線遮蔽剤であることを特徴とする請求項3又は4に記載の合わせガラス。
- 前記接着樹脂層が、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む層からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の合わせガラス。
- 接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層上に、機能性材料と熱硬化性及び/又は光硬化性の樹脂組成物とを含む塗布液を塗布し、前記接着樹脂層上に機能性層が形成された積層体(A)を得る工程と、
前記積層体(A)の接着樹脂層上に透明基材を配置し、前記積層体(A)の機能性層上に接着樹脂組成物を製膜してなる接着樹脂層及び透明基材をこの順で配置し、これにより得られた積層体(B)を加熱する工程と、
を有することを特徴とする合わせガラスの製造方法。 - 前記塗布液が、炭化水素系有機溶剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記塗布液を塗布した後、得られた塗布層を電子線及び/又は光の照射により硬化させることを特徴とする請求項7又は8に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記加熱を、40〜200℃で1〜120分間行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記加熱を、前記積層体(B)を1.0×103Pa〜5.0×107Paの圧力で加圧しながら行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
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