JP5680952B2 - 熱線遮蔽ガラス、及びこれを用いた複層ガラス - Google Patents
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Description
従って、本発明の目的は、熱線遮蔽性、特に断熱性に優れ、低コストで製造可能であり、且つ雨、結露、湿気等の水分の存在下における耐久性が高い熱線遮蔽ガラスを提供することにある。
(式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、又はR 1 及びR 2 が一緒になって任意に置換されていても良い炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、nは50〜1000の整数を表す)で表される繰り返し単位を含むポリチオフェン誘導体であり、前記熱線反射層の表面抵抗値が、10000Ω/□以下であり、前記熱線反射層の層厚が、100〜2000nmであることを特徴とする熱線遮蔽ガラスによって達成される。
(1)前記アルコキシシランが、下記式(I):
Si(OR1)4 (I)
[但し、式中R1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基を表し、4個のOR1は同一でも異なっていても良い。]
で表されるテトラアルコキシシラン、及び/又は下記式(II):
R2R3 nSi(OR4)3−n (II)
[但し、式中、R2は炭素原子数1〜15個の有機基を表し、R3はメチル基又はエチル基を表し、R4は炭素原子数1〜3個のアルキル基を表し、nは0又は1であり、複数個のOR4は同一でも異なっていても良い。]
で表されるアルコキシシランである。有機ケイ素化合物を含む組成物が、これらのアルコキシシラン、その加水分解物及び/又はその加水分解物の縮合物を含むことにより、より耐水性の高い表面保護層とすることができる。
(2)前記有機ケイ素化合物を含む組成物が、上記式(I)で表されるテトラアルコキシシラン、及び上記式(II)で表されるアルコキシシランを含む混合物の加水分解物の縮合物を含む。表面保護層を、このようなアルコキシシランの加水分解物の縮合物を含む組成物から形成することにより、更に硬質層とすることができ、より耐水性の高い表面保護層とすることができるとともに、熱線反射層を擦り傷等の物理的損傷からも保護することができる。
(3)前記テトラアルコキシシランが、テトラエトキシシラン及び/又はテトラメトキシシランである。
(4)前記式(II)におけるR2が、エポキシ基を含む有機基である。これにより、導電性高分子からなる熱線反射層との接着性が向上し、更に耐水性を向上することができる。
(5)前記式(II)で表されるアルコキシシランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である。これらのトリアルコキシシランは、加水分解反応物及び縮合物を生成させ易く、接着性が高く、可とう性のある、より耐水性が高い表面保護層を形成させるのに適している。
Si(OR1)4 (I)
[但し、式中R1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基を表し、4個のOR1は同一でも異なっていても良い。]
で表されるテトラアルコキシシラン、及び/又は下記式(II):
R2R3 nSi(OR4)3−n (II)
[但し、式中、R2は炭素原子数1〜15個の有機基を表し、R3はメチル基又はエチル基を表し、R4は炭素原子数1〜3個のアルキル基を表し、nは0又は1であり、複数個のOR4は同一でも異なっていても良い。]
で表されるトリ又はジアルコキシシラン、アルコキシシランの加水分解物及び/又はその縮合物を含む組成物を用いることが好ましい。これらの複数のアルコキシ基を有するアルコキシシランであれば、加水分解反応させ、更に縮合反応させることで、より耐水性が向上された表面保護層15を形成することができる。
上記式(II)で表されるアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の1種又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。式(II)で表されるアルコキシシランにおいて、nは0が好ましく、特に、エポキシ基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。これらのトリアルコキシシランであれば、加水分解反応物及び縮合物を生成させ易く、接着性が高く、可とう性のある、より耐水性が向上された表面保護層15を形成させることができる。
本発明において、接着剤層12、透明プラスチックフィルム13は無くても良く、熱線反射層14がガラス板11の表面上に直接形成されていても良い。
熱線反射層14を形成する導電性高分子は、参考として、一般に共役型の二重結合を基本骨格に有する有機高分子で、具体的にはポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフラン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、これらの誘導体、及びこれらを構成する単量体の共重合物から選ばれた導電性高分子のいずれか1種又は2種以上の混合物が好ましく挙げられる。本発明においては、水又はその他の溶媒に対して可溶性、又は分散性を有し、高い導電性及び透明性を示す、ポリチオフェン誘導体であり、下記式(III):
式(III)におけるR 1 及びR 2 として、好ましくはメチル基又はエチル基であるか、R1及びR2が一緒になって形成するメチレン基、エチレン−1,2基又はプロピレン−1,3基である。特に好ましいポリチオフェン誘導体としては、下記式(IV):
別の層を形成する場合、又は表面保護層15を有機ケイ素化合物とバインダ樹脂とを含む組成物を塗工し、硬化させる方法で形成する場合、用いるバインダ樹脂としては、特に制限は無い。熱線反射層14を雨水、結露、湿気等の水分から保護し、更に表面を擦り傷、欠き傷等の物理的な損傷から保護するために、硬化性の合成樹脂である紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。特に、紫外線硬化性樹脂は、より短時間で硬化させることができ、生産性に優れているので好ましい。紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができ、紫外線硬化性樹脂は光重合開始剤等とともに紫外線硬化性樹脂組成物とし、熱硬化性樹脂は熱重合開始剤等とともに熱硬化性樹脂組成物(これらの組成物をバインダ樹脂組成物ともいう。)として使用する。
本発明におけるガラス板は透明基板であれば良く、例えば、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンブチレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック製の基板又はフィルムを用いてもよい。耐候性、耐衝撃性等の点でガラス板が好ましい。ガラス板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。
本発明における透明プラスチックフィルムは、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)なプラスチックフィルムであれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルム等を挙げることができ、特に加工時の熱、溶剤、折り曲げ等の負荷に対する耐性が高く、透明性が高い点で、PETフィルムが好ましい。また、透明プラスチックフィルム表面には、接着性を向上させるために、予めコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー層コート処理などの接着処理を施してもよく、共重合ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等の易接着層を設けてもよい。透明プラスチックフィルムの厚さは、一般に、1μm〜10mm、好ましくは10〜400μmであり、特に20〜200μmが好ましい。
本発明における接着剤層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン系共重合体を使用することができる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。また、接着剤層には、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系粘着剤、SEBS及びSBS等の熱可塑性エラストマー等も用いることができる。なかでも、優れた接着性を示し、高い透明性を有することからEVAを用いるのが好ましい。
また、接着剤層は、更に架橋助剤や接着向上剤としてシランカップリング剤を含むのが好ましい。
本発明の熱線遮蔽ガラスは、複層ガラスに用いられるのが好ましい。本発明の熱線遮蔽ガラスを複層ガラスとすることにより、更に、熱線反射層を雨水、結露、湿気等の水分から保護するとともに擦り傷、掻き傷等の物理的損傷からも保護することができるので、更に長期間性能を維持することができる。
本発明の複層ガラスを、比較的、緯度が低い地域など、温暖な地域において複層ガラスを建築物や車両などに使用する場合には、ガラス板が室内側、熱線遮蔽ガラスが室外側に配置されるのが好ましい。太陽光や室外から照射される赤外線を効果的に遮蔽できるからである。一方、本発明の複層ガラスを比較的、緯度が高い地域など、寒冷地域で使用する場合には、ガラス板が室外側、熱線遮蔽ガラスが室内側に配置されるのが好ましい。
室内から放射される暖房等の赤外線を反射して逃がさず(断熱性)、暖房効率を高めることができるからである。本発明の複層ガラスは断熱性に優れるので、寒冷地域でより有効に使用することができる。
[実施例1]
(1)熱線反射層の形成
PETフィルム(厚さ100μm)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の混合物の水分散液(PT−400MF_b01(ナガセケムテック社製)固形分1.3質量%)を、バーコーターを用いて塗布し、135℃、1分間乾燥させ、PETフィルム上に熱線反射層(厚さ約300nm)を形成した。
(2)表面保護層の形成
下記配合のアルコキシシランを下記配合の酸性溶液により加水分解したアルコキシシラン液をバーコーターにより、上記熱線反射層の表面に塗工し、130℃、1分加熱後、60℃、48時間エージング処理し、厚さ500nmのアルコキシシラン加水分解物の縮合物からなる表面保護層を形成した。
(配合)
テトラアルコキシシラン:10質量部
3−グリシドキシトリメトキシシラン(KBM403(信越シリコーン社製)):10質量部
酢酸水溶液(酢酸濃度:30質量%):5質量部
メタノール:10質量部
水:10質量部
(3)接着剤層の作製
下記配合の組成物を、カレンダ成形法によりシート状に圧延し、接着剤層(厚さ0.4mm)を得た。なお、配合物の混練は80℃で15分行い、またカレンダロールの温度は80℃、加工速度は5m/分であった。
(配合)
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニルの含有量25質量部;ウルトラセン635(東ソー社製)):100質量部、
有機過酸化物(tert−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキシルカーボネート;トリゴノックス117(化薬アクゾ社製):2.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート;TAIC(登録商標)(日本化成社製)):2質量部、
シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;KBM503(信越化学社製)):0.5質量部
紫外線吸収剤:(ユビナール3049(BASF社製)):0.5質量部
(4)熱線遮蔽ガラスの作製
ガラス板(厚さ3mm)上に、接着剤層、上記PETフィルム(表面に熱線反射層、表面保護層がこの順で形成されている)この順で積層した。得られた積層体を、100℃で30分間加熱することにより仮圧着を行った後、オートクレーブ中で圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加熱した。これにより、接着剤層を硬化させて、ガラス板とPETフィルム間が接着一体化された熱線遮蔽ガラス(図1)を得た。
熱線反射層のポリチオフェン誘導体として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸の混合物の水分散液(CLEVIOS P HC V4(HC スタルク社製)固形分1.3質量%)を用いた以外は、実施例1と同様に熱線遮蔽ガラスを作製した。
(1)熱線反射層の形成
実施例1(1)と同様に熱線反射層(厚さ約300nm)を形成した。
(2)接着剤層の作製
実施例1(3)と同様に、接着剤層を作製した。
(3)熱線遮蔽ガラスの作製
表面保護層が形成されていないこと以外は、実施例1(4)と同様に、熱線遮蔽ガラスを作製した。
(1)熱線反射層の形成
実施例1(1)と同様に熱線反射層(厚さ約300nm)を形成した。
(2)表面保護層の形成
上記熱線反射層の表面に、下記配合の塗工液をロールコーターにより塗工し、80℃、1分乾燥後、塗工層の表面に紫外線照射(高圧水銀灯、照射距離20cm、照射時間5秒)して、厚さ500nmのアクリル樹脂からなる表面保護層を形成した。
(配合)
ジペンタヘキサアクリレート(DPHA):40質量部
光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)184(BASFジャパン社製)):2質量部
メチルイソブチルケトン:180質量部
(3)接着剤層の作製
実施例1(3)と同様に、接着剤層を作製した。
(4)熱線遮蔽ガラスの作製
実施例1(4)と同様に、熱線遮蔽ガラスを作製した。
(1)ハードコート層の形成
PETフィルム(厚さ100μm)上に、下記配合の塗工液をロールコーターにより塗工し、80℃、1分乾燥後、塗工層の表面に紫外線照射(高圧水銀灯、照射距離20cm、照射時間5秒)して、厚さ500nmのハードコート層を形成した。
(配合)
ジペンタヘキサアクリレート(DPHA):40質量部
光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)184(BASFジャパン社製)):2質量部
メチルイソブチルケトン:180質量部
(2)接着剤層の作製
実施例1(3)と同様に、接着剤層を作製した。
(3)合わせガラスの作製
ガラス板(厚さ3mm)上に、接着剤層、PETフィルム(表面にハードコート層が形成されている)を積層した。得られた積層体を、100℃で30分間加熱することにより仮圧着を行った後、オートクレーブ中で圧力13×105Pa、温度140℃の条件で30分間加熱した。これにより、接着剤層を硬化させて、ガラス板とPETフィルム間が接着一体化された合わせガラスを得た。
(1)熱線反射層の形成
PETフィルム(厚さ100μm)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸含有の水分散液(CLEVIOS P HC V4(HC スタルク社製)固形分1.3質量%)と実施例1(2)記載の加水分解したアルコキシシランとを固形分比で70:30になるように混合し、バーコーターを用いて塗布し、135℃、1分間乾燥させ、60℃、48時間エージング処理し、PETフィルム上に熱線反射層(厚さ約450nm)を形成した。
(2)接着剤層の作製
実施例1(3)と同様に、接着剤層を作製した。
(3)熱線遮蔽ガラスの作製
表面保護層が形成されていないこと以外は、実施例1(4)と同様に、熱線遮蔽ガラスを作製した。
(1)熱線反射層の形成
PETフィルム(厚さ100μm)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸含有の水分散液(CLEVIOS P HC V4(HC スタルク社製)固形分1.3質量%)と実施例1(2)記載の加水分解したアルコキシシランとを固形分比で30:70になるように混合し、バーコーターを用いて塗布し、135℃、1分間乾燥させ、60℃、48時間エージング処理し、PETフィルム上に熱線反射層(厚さ約1000nm)を形成した。
(2)接着剤層の作製
実施例1(3)と同様に、接着剤層を作製した。
(3)熱線遮蔽ガラスの作製
表面保護層が形成されていないこと以外は、実施例1(4)と同様に、熱線遮蔽ガラスを作成した。
(1)耐水性
各試料ガラス表面に、水を含むガーゼを載せ、23℃、24時間放置し、導電性高分子からなる熱線反射層の状態を目視観察した。熱線反射層に変化が無い場合を○、熱線反射層の溶解等が認められた場合を×とした。
(2)表面硬度
各試料ガラス表面を、不織布(ベンコット:旭化成せんい社製)を用いて50回摩擦し、外観を評価した。外観変化が無い場合を○、膜の剥がれ等の外観に変化があった場合を×とした。
(3)放射率
JISR3106に準拠して測定した。なお、各試料ガラスについて、初期放射率及び温度50℃、湿度90%RHの高温高湿下で500時間放置後の放射率を測定し、その変化量を算出した。
各ガラス試料の評価結果を表1に示す。
11、21、27:ガラス板
12、22: 接着剤層
13、23:透明プラスチックフィルム
14、24:熱線反射層
15、25:表面保護層
28:中空層
29:スペーサー
30:複層ガラス
Claims (8)
- ガラス板、及びその表面に設けられた導電性高分子からなる熱線反射層を含む熱線遮蔽ガラスであって、前記熱線反射層の表面に表面保護層を備え、且つ前記表面保護層が、アルコキシシラン、該アルコキシシランの加水分解物、及び該加水分解物の縮合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む組成物から形成されており、
前記表面保護層の層厚が、200〜1000nmであり、
前記導電性高分子が、下記式(III):
前記熱線反射層の表面抵抗値が、10000Ω/□以下であり、
前記熱線反射層の層厚が、100〜2000nmであることを特徴とする熱線遮蔽ガラス。 - 前記アルコキシシランが、下記式(I):
Si(OR1)4 (I)
[但し、式中R1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基を表し、4個のOR1は同一でも異なっていても良い。]
で表されるテトラアルコキシシラン、及び/又は下記式(II):
R2R3 nSi(OR4)3−n (II)
[但し、式中、R2は炭素原子数1〜15個の有機基を表し、R3はメチル基又はエチル基を表し、R4は炭素原子数1〜3個のアルキル基を表し、nは0又は1であり、複数個のOR4は同一でも異なっていても良い。]
で表されるアルコキシシランである請求項1に記載の熱線遮蔽ガラス。 - 前記有機ケイ素化合物を含む組成物が、下記式(I):
Si(OR1)4 (I)
[但し、式中R1は、炭素原子数1〜10個のアルキル基を表し、4個のOR1は同一でも異なっていても良い。]
で表されるテトラアルコキシシラン、及び下記式(II):
R2R3 nSi(OR4)3−n (II)
[但し、式中R2は、炭素原子数1〜15個の有機基を表し、R3は、メチル基又はエチル基を表し、R4は炭素原子数1〜3個のアルキル基を表し、nは0又は1であり、複数個のOR4は同一でも異なっていても良い。]
で表されるアルコキシシランを含む混合物の加水分解物の縮合物を含む請求項1又は2に記載の熱線遮蔽ガラス。 - 前記テトラアルコキシシランが、テトラエトキシシラン及び/又はテトラメトキシシランである請求項2又は3に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 前記式(II)におけるR2が、エポキシ基を含む有機基である請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 前記式(II)で表されるアルコキシシランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種である請求項2〜5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 前記熱線反射層の表面放射率が、0.7以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱線遮蔽ガラス。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱線遮蔽ガラスと、別のガラス板とが、間隙をおいて、前記表面保護層が当該別のガラス板に対向するように配置され、その間隙により中空層が形成されていることを特徴とする複層ガラス。
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