JP2005288867A - 窓用透明遮熱フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、窓用遮熱フィルムに導電性高分子を使用するにあたって、安定性が不十分であるため、高い熱線遮蔽性および可視光透過性を長期間に亘って維持できない点である。
【解決手段】 本発明は、高い熱線遮蔽性および可視光透過性を得るため、遮熱層に導電性高分子を使用するとともに、その高い熱線遮蔽性能を長期間に亘って維持するため、保護層と紫外線吸収層を設けることを主要な特徴とするものである。上記課題は、以下の各発明により解決される。
(1)表面保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層、粘着剤層からなる透明遮熱フィルムであり、遮熱層が導電性高分子を使用してなる透明遮熱フィルム。
(2)導電性高分子がポリアニリンである透明遮熱フィルム。

Description

本発明は、熱線遮蔽性に優れる透明遮熱フィルムに関するものである。
建築物、乗り物、または冷蔵、冷凍ショーケース等において、省エネルギー化を図る目的で、窓ガラスに赤外線を反射または吸収する機能を付与することが提案されている。
例えば、特許文献1、2のように、透明PETフィルム上にアルミニウム、銀または金等の金属薄膜を蒸着若しくはスパッタリングにより形成し、赤外線反射フィルムとして、窓ガラスに貼着する方法が提案されている。しかし、金属薄膜を蒸着またはスパッタリングしたフィルムは、可視光透過率(Tv)と日射透過率(Ts)の比(Tv/Ts)が1.2から1.7程度であり、熱線遮蔽性を高めるため日射透過率を下げると、可視光透過率が低くなり、逆に外光を取り入れるため可視光透過率を高くすると、日射透過率が上昇し熱線遮蔽性が低下するという問題があった。また、Tv/Tsが1.5から1.7と比較的遮熱性能の優れるものは、可視光透過率が40%以下と低いものであった。更に、可視光を反射するため鏡状となり、反射した光が周囲に及ぼす光害が問題となっている。
また、特許文献3では、蒸着やスパッタリングの代わりに錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子、またはアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子を塗布した赤外線吸収フィルムとして、窓ガラスに貼着する方法が提案されている。しかし、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子や、アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子を塗布したフィルムは、金属薄膜を蒸着またはスパッタリングしたフィルムに比べて可視光透過率は高いものの、同様に、可視光透過率(Tv)と日射透過率(Ts)の比(Tv/Ts)が1.2から1.5程度であり、熱線遮蔽性を高めるため日射透過率を下げると、可視光透過率が低くなり、逆に外光を取り入れるため可視光透過率を高くすると、日射透過率が上昇し熱線遮蔽性が低下するという問題があった。
一方、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン等の導電性高分子は、赤外線を吸収する特性を有することが知られており、このような特性を利用したフィルム等が提案されている。例えば、特許文献4では、ポリアニリンを使用した熱線遮断作用を有するフィルムおよびシートが、特許文献5では、同じくポリアニリンを使用した赤外線フィルターが提案されている。しかし、導電性高分子は、その安定性の問題から、赤外線を吸収するという特性が短期間で著しく低下するため、窓用の遮熱フィルムのように、長期間に亘って熱線を遮蔽することを目的とした用途には使用が困難であった。
特開昭57−59748号公報 特開昭57−59749号公報 特開平8−281860号公報 特許第3213115号 特許第3309264号
本発明が解決しようとする課題は、窓用遮熱フィルムに導電性高分子を使用するにあたって、安定性が不十分であるため、高い熱線遮蔽性および可視光透過性を長期間に亘って維持できない点である。
本発明は、高い熱線遮蔽性および可視光透過性を得るため、遮熱層に導電性高分子を使用するとともに、その高い熱線遮蔽性能を長期間に亘って維持するため、保護層と紫外線吸収層を設けることを主要な特徴とするものである。上記課題は、以下の各発明により解決される。
(1)表面保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層、粘着剤層からなる透明遮熱フィルムであり、遮熱層が導電性高分子を使用してなる透明遮熱フィルム。
(2)導電性高分子がポリアニリンである透明遮熱フィルム。
本発明により、導電性高分子の安定性の問題が回避され、透明遮熱フィルムの遮熱層に導電性高分子を使用することが可能となる。遮熱層に導電性高分子を使用した遮熱フィルムは、高い可視光透過性と優れた熱線遮蔽性が得られるようになるため、外光を室内に十分に取り入れながら、太陽光の熱のみを効率よくカットできるという利点がある。
以下に本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明の透明遮熱フィルムは、表面保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層、粘着剤層からなる透明遮熱フィルムで、遮熱層が導電性高分子からなる透明遮熱フィルムである。遮熱層を形成する導電性高分子は、π電子共役系高分子に電子供与体または電子受容体をドーパントとしてドープしたものである。
π電子共役系高分子としては、ポリアセチレン等の直鎖共役型高分子、ポリフェニレン,ポリナフタレン等の芳香族共役系高分子、ポリピロール,ポリチオフェン等のヘテロ環式共役系高分子、ポリアニリン,ポリフェニレンスルフィド等の含ヘテロ原子共役系高分子、ポリフェニレンビニレン,ポリナフタレンビニレン等の混合型共役系高分子、ポリアセン,ポリフェナントレン等の縮合芳香環系高分子等が挙げられる。これらのうち、形成した遮熱層の可視光透過性および熱線遮蔽性からポリアニリンを用いることが好ましい。
上記のドーパントとしては、例えば塩化水素,硫酸,硝酸,過塩素酸等の無機酸、硫酸ジメチル等の無機酸エステル、P−トルエンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸,カンファースルホン酸等の有機酸、過塩素酸銀,過塩素酸ナトリウム,硫酸銅,硝酸銅等の金属塩、P−トルエンスルホン酸ナトリウム,P−トルエンスルホン酸アンモニウム,P−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム等のスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸,ポリビニルスルホン酸,ポリアリルスルホン酸,ポリビニル硫酸等のポリマー酸等が挙げられる。
導電性高分子による赤外線遮蔽性は、導電性高分子の導電率が高いほど向上する。一方、導電性高分子の導電性が上昇するに従い、徐々に可視光反射率が上昇し、可視光透過率が低下する傾向にある。従って、導電性高分子の導電性は、10−8〜10S/mmであることが好ましく、10−6〜10S/mmのものが更に好ましい。
本発明において遮熱層の熱線遮蔽性能は、遮熱層を形成する導電性高分子の導電率に関係するものであり、遮熱層の表面抵抗率とは無関係である。導電性高分子の微粒子と樹脂成分および水または溶剤からなる導電性高分子分散液を塗工して塗膜とした場合、あるいは基材または保護層中に導電性高分子を分散し、基材または保護層が遮熱層を兼ねる構成にした場合、導電性高分子を溶剤等に溶解した溶液を塗工した塗膜に比べて、表面抵抗率は高くなる。しかし、使用する導電性高分子の導電率が高ければ、遮熱層が10Ω/□を超える高い表面抵抗率であっても、高い熱線遮蔽性能を得ることができる。逆に、導電性高分子溶液を塗工することにより、10Ω/□以下の低い表面抵抗率が得られたとしても、使用する導電性高分子の導電率が低ければ、十分な熱線遮蔽性能は得られない。
本発明において、導電性高分子からなる遮熱層を設ける方法としては、導電性高分子の微粒子と、樹脂成分、および、水または溶剤からなる導電性高分子分散液を塗工液として基材上に塗工する方法が挙げられるが、その場合、基材上に導電性高分子の微粒子を強固に固着させ、かつ、導電性高分子微粒子の凝集を防止するため、導電性高分子分散液中に樹脂成分を含有させる必要がある。
導電性高分子分散液中に含有させる樹脂成分としては、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル、ウレタン、エポキシ等が使用できるが、基材としてポリエステル樹脂を使用する場合には、基材との良好な密着性から、分散液中の樹脂成分についてもポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
分散液中の樹脂成分量は、導電性高分子に対する樹脂成分の比率が高いほど、基材に塗工した際の塗工性が良好で、導電性高分子の微粒子の凝集を防止して透明性が向上するが、樹脂分量が多くなると、得られる塗膜が厚膜となることから、導電性高分子1重量部に対して樹脂成分1〜50重量部とすることが好ましく、5重量部を超えて30重量部以下とすることがより好ましい。これら樹脂成分は水または溶剤に溶解しても良いし、水または溶剤中に微分散してエマルジョンとしても良い。
分散液中の導電性高分子微粒子の粒径は、透明なフィルムを得るためには、200nm以下が好ましいが、粒径が小さくなるほど粒子の凝集が起こりやすくなることから、10nm以上、100nm未満であると更に好ましい。導電性高分子微粒子の凝集を防止し、得られる塗膜の透明性を良好にするため、必要に応じて分散剤を添加しても良い。
導電性高分子の分散液を調製する方法としては、ビーズミル、サンドミル、ボールミル等の分散機が用いられるが、導電性高分子の粒径を小さくできることから、ビーズミルを用いることが好ましい。導電性高分子の粒径を小さくすることで、透明性の高いフィルムを得ることができる。
導電性高分子からなる遮熱層を設ける方法としては、更に、導電性高分子を水または溶剤に溶解した溶液を塗工液として基材上に塗工する方法も挙げられる。導電性高分子を溶液として塗工することから、分散液とは異なり、粒子の凝集による透明性の低下が起こらない。また、一般的に赤外線を吸収することでのみ遮蔽するフィルムは、吸収した赤外線が熱に変換され、変換された熱の一部が室内に流入することが避けられないが、溶液を塗工して得られる塗膜は、赤外線を吸収するだけでなく、反射によっても赤外線を遮蔽するため、赤外線が熱に変換される割合が少なく、熱線遮蔽性能に優れるという利点がある。
導電性高分子を水または溶剤に溶解した溶液を塗工液として基材上に塗工する場合、遮熱層と基材の密着性を向上させたり、塗工に際して塗工液の粘度を調整したりする目的等で、樹脂成分を添加することも可能である。この場合、上述の反射による赤外線遮蔽効果は薄れるが、分散液を塗工した塗膜と同等の遮蔽性能を得ることはできる。また、分散液で塗工した塗膜と異なり、分子レベルで樹脂中に分散しているため、透明性の高いフィルムを得ることができる。
導電性高分子からなる遮熱層を設ける方法として、そのほかに、基材中に予め導電性高分子を練り込み、基材が遮熱層を兼ねる構成とする方法のほか、表面保護層を形成するためのコート剤中に導電性高分子を含有させて塗工する方法、ドーパントでドープしていない状態等の導電性高分子の前駆体を水または溶剤に溶解し、基材上に塗工した後、ドーパントをドープする等により導電性高分子膜とする方法、等が挙げられる。
基材中に予め導電性高分子を練り込み、基材が遮熱層を兼ねる構成とする方法、および、表面保護層を形成するためのコート剤中に導電性高分子を含有させて塗工する方法においては、前述の導電性高分子分散液を塗工する方法と同様に、基材、または、保護層を形成する樹脂成分が、導電性高分子微粒子の凝集を防止するため、透明性の高いフィルムが得られる。この場合も、導電性高分子と樹脂成分の比率が、導電性高分子1重量部に対して樹脂成分1〜50重量部とすることが好ましく、5重量部を超えて30重量部以下とすることがより好ましい。
一方、ドーパントでドープしていない状態等の導電性高分子の前駆体を水または溶剤に溶解し、基材上に塗工した後、ドーパントをドープする等により導電性高分子膜とする方法は、前述の導電性高分子溶液を塗工する方法と同様に、赤外線を吸収するだけでなく、反射によっても赤外線を遮蔽するため、赤外線が熱に変換される割合が少なく、熱線遮蔽性能に優れた塗膜が得られる。
本発明の遮熱層として、導電性高分子に錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)等の無機微粒子を併用することもできる。
本発明の表面保護層は、導電性高分子からなる遮熱層の赤外線遮蔽性能の低下を防ぎ、長期間に亘って遮熱性能を安定に維持する目的で設けられ、膜硬度の高い樹脂膜で形成される。例えば、アクリル、ウレタン、シリコン、アクリル/シリコン、アクリル/ウレタン等の熱、紫外線または空気中の湿気等で硬化し、硬度の高い膜を形成するものが挙げられる。このうち、得られる塗膜の表面硬度、耐摩耗性、基材にポリエステルを用いた際の密着性、硬化した際の収縮性等から、アクリル/シリコン系が好ましい。また、紫外線照射や、長時間の加熱を必要としないウレタン等の湿気硬化型が、塗膜形成の簡便性から好ましく使用される。表面保護層の厚さは、材質や熱線遮蔽フィルムの用途等に応じて適宜選択できるが、長期間に亘って使用した際の遮熱性能の低下を防止するため、0.5〜5μm程度が好ましい。
本発明においては、紫外線による導電性高分子の赤外線遮蔽性能の低下を防ぎ、長期間に亘って遮熱性能を安定に維持するため、紫外線吸収層を設けることにより紫外線透過率を5%以下とすることが好ましく、1%以下とすることが更に好ましい。
紫外線吸収層は、本発明の透明遮熱フィルムを窓の内側に貼付する場合には、粘着剤層に紫外線吸収剤を含有させて、粘着剤層が紫外線吸収層を兼ねる構成とすることで、粘着剤層より室内側となる導電性高分子からなる遮熱層の、紫外線による赤外線遮蔽性能の低下を防止することができる。一方、本発明の透明遮熱フィルムを窓の外側に貼付する場合には、表面保護層に紫外線吸収剤を含有させて表面保護層を紫外線吸収層とすることで、表面保護層より室内側となる導電性高分子からなる遮熱層の、紫外線による赤外線遮蔽性能の低下を防止することができる。また、いずれの場合も、室内への紫外線の照射を防止する機能を付与することもできる。
紫外線吸収剤としては、[酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等]の無機系紫外線吸収剤、[フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等]のサリチル酸系、[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等]のベンゾフェノン系、[2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]のベンゾトリアゾール系、[2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等]のシアノアクリレート系の有機系紫外線吸収剤を用いることができる。
本発明において、基材は、透明性を有する柔軟なものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、エチレン/ビニルアルコール樹脂等のプラスチックフィルムを使用することができ、好ましくはポリエステル樹脂、得に好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。これら基材の厚みは10〜250μmのものが用いられ、用途に応じて着色を施してもよい。
本発明の粘着剤層は透明樹脂粘着剤を用いて形成される。例えば、アクリル、ポリビニルエーテル、ポリイソブチル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等の樹脂等が挙げられる。粘着剤層の厚さは、5〜30μm程度とするのが好ましい。
本発明の遮熱フィルムの可視光透過率は、その用途、目的に応じて選択できるが、日射透過率は低いものほど熱線遮蔽性能が高く、可視光透過率(Tv)と日射透過率(Ts)の比(Tv/Ts)が1.8以上であると、選択した可視光透過率において、日射透過率がより低くなり、熱線遮蔽性能が高くなることから好ましい。
以下、実施例により詳細を例示する。
<実施例1>
ポリエステル樹脂105gをシクロヘキサノン187.5g中に溶解し、更にその溶液中にカンファースルホン酸でドープした導電率=10−2S/mmのポリアニリン7.5gをビーズミルにより分散して、平均粒径=90nmのポリアニリン分散液を調整した。この分散液を厚み50μmのポリエチレンテレフタレートに塗工、乾燥して、厚さ15μmの遮熱層を得た。更に得られた遮熱層の上に紫外線硬化型アクリル/シリコン樹脂系ハードコート剤を塗工し、乾燥、熱硬化させて厚さ3μmの保護層を得た。次に上記遮熱層、保護層を作製したフィルムの反対面に、紫外線吸収剤を添加したアクリル樹脂系粘着剤を塗工、乾燥し、厚さ25μmの粘着層を得た。このようにして保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層を兼ねた粘着層からなる透明遮熱フィルムを得た。
得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率(Tv)、日射透過率(Ts)、紫外線透過率およびヘーズをJIS R 3106、JIS A 5759およびJIS K 7105の方法により測定するとともに、可視光透過率(Tv)と日射透過率(Ts)の比(Tv/Ts)を算出した。
結果を表1に示したが、得られた透明遮熱フィルムは日射透過率が19%と低く熱線遮蔽性に優れるにも関わらず、可視光透過率が51%と高いものであった。また、紫外線透過率が0.4%と、紫外線遮蔽性の高いものであった。
更に、紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験において、200時間経過後の可視光透過率と日射透過率の比(Tv/Ts)も初期値を維持しており、耐候性の高いものであった。
<実施例2>
実施例1のポリアニリンをp−トルエンスルホン酸でドープした導電率=10−7S/mmのポリアニリンとした以外は実施例1と同様に分散液を調製し、平均粒径=70nmのポリアニリン分散液を得た。更に実施例1と同様にして、保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層を兼ねた粘着層からなる透明遮熱フィルムを得た。
実施例1と同様に、得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、得られた透明遮熱フィルムは日射透過率が37%と低く熱線遮蔽性に優れるにも関わらず、可視光透過率が68%と高いものであった。また、紫外線透過率が0.9%と、紫外線遮蔽性の高いものであった。
更に、紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験において、200時間経過後の可視光透過率と日射透過率の比(Tv/Ts)も初期値を維持しており、耐候性の高いものであった。
<実施例3>
実施例1において、分散液中ポリアニリンの粒径を150nmとした以外は、実施例1と同様に行い、保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層を兼ねた粘着層からなる透明遮熱フィルムを得た。
実施例1と同様に、得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、得られた透明遮熱フィルムは日射透過率が29%と低く熱線遮蔽性に優れるにも関わらず、可視光透過率が55%と高いものであった。また、紫外線透過率が0.6%と、紫外線遮蔽性の高いものであった。
更に、紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験において、200時間経過後の可視光透過率と日射透過率の比(Tv/Ts)も初期値を維持しており、耐候性の高いものであった。
<実施例4>
実施例1において、ポリエステル樹脂を18g、シクロヘキサノンを267g、ポリアニリンを15gとし、遮熱層の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様に行い、保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層を兼ねた粘着層からなる透明遮熱フィルムを得た。
実施例1と同様に、得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、得られた透明遮熱フィルムは日射透過率が15%と低く熱線遮蔽性に優れるにも関わらず、可視光透過率が44%と高いものであった。また、紫外線透過率が0.1%と、紫外線遮蔽性の高いものであった。
更に、紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験において、200時間経過後の可視光透過率と日射透過率の比(Tv/Ts)も初期値を維持しており、耐候性の高いものであった。
<実施例5>
ドデシルベンゼンスルホン酸でドープした導電率=10S/mmのポリアニリン5gをキシレン95gに溶解し、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートに塗工、乾燥して、厚さ2μmの遮熱層を得た。その後、実施例1と同様に行い、保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層を兼ねた粘着層からなる透明遮熱フィルムを得た。
実施例1と同様に、得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、得られた透明遮熱フィルムは日射透過率が23%と低く熱線遮蔽性に優れるにも関わらず、可視光透過率が55%と高いものであった。また、紫外線透過率が0.5%と、紫外線遮蔽性の高いものであった。
更に、紫外線カーボンアーク燈式耐候性試験において、200時間経過後の可視光透過率と日射透過率の比(Tv/Ts)も初期値を維持しており、耐候性の高いものであった。
<比較例1>
実施例2において表面保護層を設けず、紫外線吸収剤を含まないアクリル樹脂系粘着剤を使用した以外は、実施例2と同様にフィルムを作製し。遮熱層、基材、粘着層だけからなる透明遮熱フィルムを得た。
実施例1と同様に、得られた透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、得られたフィルムは可視光透過率が64%、日射透過率が32%と実施例2と同等であったが、紫外線透過率が33.7%と、紫外線遮蔽性の低いものであった。
更に、このフィルムを温度=20℃、湿度=60%で20日間放置した時点で、可視光透過率がと日射透過率の比(Tv/Ts)が1.1まで低下しており、耐候性の低いものであった。
<比較例2>
銀をポリエチレンテレフタレートにスパッタリングした市販の透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、実施例1と同様に、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、銀をスパッタリングした市販の透明遮熱フィルムは、日射透過率は12%と実施例1と同等の低い熱線遮蔽性を示したが、可視光透過率が16%と極めて低いものであった。
<比較例3>
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子をポリエチレンテレフタレートに塗工した市販の透明遮熱フィルムを厚さ3mmの透明板ガラスに貼付し、実施例1と同様に、可視光透過率、日射透過率、紫外線透過率およびヘーズを測定するとともに、可視光透過率と日射透過率の比を算出した。
結果を表1に示したが、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を塗工した市販の透明遮熱フィルムは、可視光透過率は82%と高いが、日射透過率が65%と熱線遮蔽性の低いものであった。
Figure 2005288867
耐候性試験:耐候試験前後でのTv/Tsの変化が、0.3未満のものを○、0.3以上変化のものを×とした。
熱線遮蔽性に優れ、かつ、可視光透過率も高いことから、建築物、乗り物または冷蔵、冷凍ショーケース等の窓ガラスに貼付することで熱の流入、流出を防ぎ、省エネルギー化が可能となる。また、赤外線を効率よく遮断するため、赤外線カットフィルター等の光学材料や農業用シート等、多くの用途に応用が可能である。


Claims (2)

  1. 表面保護層、遮熱層、基材、紫外線吸収層、粘着剤層からなる透明遮熱フィルムであり、遮熱層が導電性高分子を使用してなることを特徴とする透明遮熱フィルム。
  2. 導電性高分子がポリアニリンであることを特徴とする請求項1に記載の透明遮熱フィルム。


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