JP5879043B2 - 合わせガラス用中間膜及びこれを用いた合わせガラス - Google Patents
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Description
酸変性ポリオレフィンをエチレン−酢酸ビニル共重合体に配合することにより混練に時間をかけることなく無機微粒子を均一に分散させることができる。本発明に使用する酸変性ポリオレフィンは、酸により変性したポリオレフィンであればどのようなものを用いてもよい。例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸若しくはその無水物との反応生成物が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−メチル−4−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンの単独重合体や上記α−オレフィン同士の共重合体、あるいはこれら単独重合体と共重合体の混合物等が挙げられる。不飽和カルボン酸若しくはその無水物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、アクリル酸及びこれらの無水物が挙げられる。この中でも特に無水マレイン酸が好ましい。
本発明において架橋剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋構造を形成することができるものである。架橋剤は、有機過酸化物又は光重合開始剤を用いることが好ましい。なかでも、接着力、耐湿性、耐貫通性の温度依存性が改善された中間膜が得られることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
本発明において、架橋助剤とは、架橋剤によるエチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋反応を促進し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のゲル分率を向上させる化合物をいう。ゲル分率を向上させることにより、合わせガラス用中間膜の接着性を向上させることができるだけでなく、長期間の使用において熱や光によりラジカルが発生するのを防止し、中間膜の黄変を防止することができる。
無機微粒子は着色したい色に応じて選択すればよく、特に限定されない。例えば、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸石灰粉、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、石膏、アスベスト、クレー、シリカ粉、微粉ケイ酸、珪藻土、タルク、カオリナイト、ドロマイト、二酸化ケイ素、ガラスビーズ、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、ミネラルブラック、珪酸亜鉛、硫化亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛末、カドミウムスルフォセレナイド、カドミウムマーキュリー、アイアンオキサイド、ウルトラマリンレッド、クロム錫、ウルトラマリンピンク、ウルトラマリンバイオレット、マンガニーズバイオレット、カドミウムサルファイド、クロムイエロー、モリブデートオレンジ、チタニウムピグメント、セラミックイエロー、コバルトアルミネート、クロム・コバルト・アルミニウム、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリングリーン、クロムグリーン、クロミウムオキサイド、セラミックブラックを用いることができる。
微粒子がついていくのが困難となり、色ムラが発生し易くなる恐れがある。また、着色剤の平均粒子径が0.01μm未満であると無機微粒子が凝集し易くなる恐れがある。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAとも言う)を主成分とすることで、安価であり、耐貫通性や耐久性に優れる合わせガラス用中間膜を形成することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、加工性及び耐久性の観点から優れた接着力を有するのが好ましい。そのために、接着向上剤をさらに含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、優れた接着力を有する合わせガラス用中間膜を形成することが可能となる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、膜の種々の物性(機械的強度等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜を用いていれば良い。上記のように本発明の合わせガラス用中間膜は長期間使用しても高い接着力を維持することができ、黄変が生じないので、耐久性の高い合わせガラスを提供することができる。本発明の合わせガラスを製造するには、例えば、図1に示したように、本発明の合わせガラス用中間膜22を2枚のガラス板21A及び21Bの間に狭持して、得られた積層体を脱気した後、加熱下に押圧する方法などが用いられる。これらの工程は、例えば、真空袋方式、ニップロール方式等を用いて行われる。これにより、合わせガラス用中間膜22が硬化して、合わせガラス用中間膜22とガラス板21A及び21Bとを接着一体化することができる。製造条件としては、例えば、上記積層体を80〜120℃の温度で予備圧着し、100〜150℃(特に130℃付近)で10分〜1時間加熱処理することによりEVAを架橋させる。また、加熱処理は加圧下で行ってもよい。このとき、積層体を1.0×103Pa〜5.0×107Paの圧力で加圧しながら行うのが好ましい。架橋後の冷却は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
表1に示す配合で各材料をロールミルに供給し、70℃において混練して合わせガラス用中間膜組成物を調製した。前記合わせガラス用中間膜組成物を70℃においてカレンダ成形し、放冷後、合わせガラス用中間膜(0.4mm)を得た。
(1)初期接着力
上記合わせガラス用中間膜の初期接着力を180°ピール試験(JIS K 6584、1994年)により評価した。180°ピール試験は、具体的には、下記手順に従って図2に示すように行った。
上記で作製した合わせガラスを85℃環境下において1000時間放置した。放置前後の黄色度(YI)を測定し、その差から黄変度(ΔYI)を得た。YI値はJIS−K−7105−6(1981)に準拠して、SMカラーメーター(スガ試験機社製)を用いて測定した。
上記合わせガラスを、85℃85%RH環境下において1000時間放置し、放置後の接着力を(1)と同様に測定した。初期接着力を100としたときの接着力の低下率を算出し、接着力低下率(%)を得た。
実施例1〜7において、酸変性ポリオレフィン及び架橋助剤を配合した合わせガラス用中間膜は初期接着力が高く、黄変度及び接着力低下率が低いことが示された。特に、酸変性ポリオレフィンを0.2〜1.0質量部、架橋助剤を0.5〜5質量部配合した実施例1〜5については各評価いずれにおいても顕著な効果が示された。一方、酸変性ポリオレフィンを添加しなかった比較例2は接着力低下率が大きいことが認められた。また、架橋助剤を添加しなかった比較例3及び4は、黄変度及び接着力低下率が大きいことが認められた。
22、23 合わせガラス用中間膜
Claims (2)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体、無機微粒子、架橋剤及び架橋助剤を含む合わせガラス用中間膜であって、更に酸変性ポリオレフィンを含み、
前記酸変性ポリオレフィンの含有量が前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.5〜1.0質量部であり、
前記架橋助剤の含有量が前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.5〜2質量部であり、
酸変性ポリオレフィンの酸価が10〜60mgKOH/gであり、
前記架橋剤がt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートであり、
前記無機微粒子が炭酸カルシウム又は酸化チタンであり、
前記架橋助剤がトリアリルイソシアヌレートであることを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 請求項1に記載の合わせガラス用中間膜を用いたことを特徴とする合わせガラス。
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