JP4972006B2 - 合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、優れた接着性、耐貫通性を有し、押出成形時におけるメヤニの発生や外観不良を抑制することが可能な合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラスに関する。
少なくとも二枚の透明なガラス板の間に、炭酸カルシウムやシリカ等の無機微粒子を分散させた樹脂からなる合わせガラス用中間膜を挟持させて得られる合わせガラスが知られている。このような合わせガラスは、光拡散機能を有するため、採光性とプライバシー性が要求される用途で使用されている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂に無機微粒子等の乳白剤を分散させた接着層により、少なくとも2枚のガラス板を積層させた乳白色合わせガラスが記載されている。
ところが、乳白剤を用いた従来の乳白色合わせガラスは、無機微粒子等の乳白剤の凝集や分散不良等により、色むらが発生しやすいという問題があった。更に、ガラス板と合わせガラス用中間膜との界面にある乳白剤は、ガラス板と合わせガラス用中間膜との接着性を低下させ、細かい気泡が発生してしまうという問題もあった。
このような問題に対して、特許文献2には、鹸化度96モル%以上のポリビニルアルコールを炭素数1〜10のアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂(a)と、鹸化度96モル%未満のポリビニルアルコールを炭素数1〜10のアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂(b)と、可塑剤(c)とからなる乳白色合わせガラス用中間膜が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載の合わせガラスは、可視光線透過率を充分に低下させることができなかった。プライバシーの保護に適した可視光線透過率を有する合わせガラスを得るためには、合わせガラス用中間膜に炭酸カルシウムやシリカ等の無機微粒子を分散させる必要があった。
したがって、プライバシーの保護に適した可視光線透過率を有する合わせガラス用中間膜を得るためには、炭酸カルシウムやシリカ等のミクロンオーダーの無機微粒子とエチレン−ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂と混合し、無機微粒子を合わせガラス用中間膜に分散させることが必要である。このような無機微粒子を熱可塑性樹脂に混合して、押出成形にて合わせガラス用中間膜の製造を行った場合、押出成形機のダイリップに大量の樹脂付着物(メヤニ)が発生して生産性が落ちるだけではなく、メヤニが成形後の合わせガラス用中間膜に落下し、異物の原因となっていた。また、メヤニの発生によって成形後の合わせガラス用中間膜の表面に筋状の傷が生じて外観不良を引き起こすという問題があった。
特公平2−56295号公報 特開平6−263489号公報
本発明は、上記現状に鑑み、優れた接着性、耐貫通性を有し、押出成形時におけるメヤニの発生や外観不良を抑制することが可能な合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、上記酸変性ポリオレフィンは、酸価が10mgKOH/g以上であり、かつ、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、上記酸変性ポリオレフィンを0.01〜5重量部含有する合わせガラス用中間膜である。
以下に、本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定量のエチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有する合わせガラス用中間膜において、酸価が10mgKOH/g以上の酸変性ポリオレフィンを使用することによって、優れた接着性、耐貫通性を有し、押出成形時におけるメヤニの発生や外観不良を抑制することが可能な合わせガラス用中間膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、単にEVAともいう)は、非架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体であってもよく、架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体であってもよい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物のようなエチレン−酢酸ビニルの変性樹脂もエチレン−酢酸ビニル共重合体として用いることができる。ここで、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の方法を用いて得ることができる。さらに、本発明では、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体と、ポリビニルアセタール樹脂や、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂とを併用することもできる。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量の好ましい下限が20重量%、好ましい上限が40重量%である。酢酸ビニル含量が20重量%未満であると、得られる合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎて、ガラス板との接着性や合わせガラス用中間膜の耐貫通性が低下することがある。また、酢酸ビニル含量が40重量%を超えると、得られる合わせガラス用中間膜の破断強度が不充分となり、合わせガラス用中間膜の耐衝撃性が低下することがある。
上記酸変性ポリオレフィンは、酸価の下限が10mgKOH/gである。上記酸変性ポリオレフィンの酸価が10mgKOH/g未満であると、メヤニの発生を抑制する効果が充分に発現しない。上記酸変性ポリオレフィンの酸価のより好ましい下限は15mgKOH/gである。また、上記酸変性ポリオレフィンの酸価の上限は特に限定されないが、60mgKOH/g以下であることが好ましい。上記酸変性ポリオレフィンの酸価の上限が60mgKOH/g以下とすることで、ガラス板との接着性に優れた合わせガラス用中間膜を得ることができる。なお、本明細書において、上記酸変性ポリオレフィンの酸価は、酸変性ポリオレフィン1gを有機溶剤へ溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウムで滴定するとき、中和までに要する水酸化カリウムのmg数で示される(JIS K5902)。例えば、上記酸変性ポリオレフィン1gを、キシレンとジメチルホルムアミドとからなる混合溶液(重量比1:1)50mlに溶解させる。次いで、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴添加した後、1/10規定水酸化カリウム水溶液で滴定を行う。混合溶液の色が無色から紫色に着色した点を中和点とし、1/10規定水酸化カリウム水溶液の滴定量と、上記酸変性ポリオレフィンの質量とから酸価(mgKOH/g)を求めることができる。
上記酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。上記酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量が500未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力が充分に得られないことがあり、5000を超えると、メヤニの発生を抑制する効果が充分に発現しないことがある。上記酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は4000であり、さらに好ましい下限は1500、さらに好ましい上限は3000である。
なお、上記酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた溶出曲線を、標準ポリスチレンに換算することで求めることができる。
上記酸変性ポリオレフィンは、酸で変性されたポリオレフィンであれば特に限定されず、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ハイミック酸、シトラコン酸、イタコン酸等で変性されたポリオレフィンが挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜における酸変性ポリオレフィンの含有量の下限は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.01重量部、上限は5重量部である。上記酸変性ポリオレフィンの含有量が0.01重量部未満であると、本発明の合わせガラス用中間膜を押出成形する際に、メヤニが発生することがある。上記酸変性ポリオレフィンの含有量が5重量部を超えると、合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力が充分に得られないことがある。
上記酸変性ポリオレフィンの含有量の好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は4重量部であり、より好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
上記無機微粒子は、特に限定されないが、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリナイト(Al・2SiO・2HO)、ドロマイト(CaMg(CO)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、二酸化珪素、ガラスビーズ等が挙げられる。なかでも、上記無機微粒子は、炭酸カルシウム、ドロマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記無機微粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は100μmである。上記平均粒子径が0.1μm未満であると、得られる合わせガラス用中間膜の可視光線透過率が充分に低下しないことがあり、100μmを超えると、合わせガラス用中間膜の押出成形時にメヤニが発生することがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は20μmである。
さらに、上記無機微粒子の粒度分布は、d10が0.5〜1.0μmであることが好ましく、d50が1.5〜2.5μmであることが好ましく、d90が7.5〜8.5μmであることが好ましい。
なお、d10、d50及びd90は、レーザー回折散乱法により測定された粒度分布において、それぞれ粒子径が小さな粒子側から起算した累計10重量%、累計50重量%及び累計90重量%の平均粒子径を意味する。
なお、平均粒子径及び粒度分布は、マイクロトラック粒度分布測定装置(例えば、日機装社製「MicrotracFRA」)を使用して、レーザー回折散乱法により測定することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜における無機微粒子の含有量は特に限定されないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記無機微粒子の含有量が0.1重量部未満であると、得られる合わせガラス用中間膜の可視光線透過率が充分に低下しないことがある。上記無機微粒子の含有量が20重量部を超えると、合わせガラス用中間膜の押出成形時にメヤニが発生することがある。上記無機微粒子の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、シランカップリング剤や変性シリコーンオイル等の接着力調整剤、遮光剤、顔料や染料等の各種着色剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、紫外線吸収剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
上記接着力調整剤として、シランカップリング剤が挙げられる。上記シランカップリング剤は特に限定されないが、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜におけるシランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は4重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.01重量部未満であると、得られる合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力が充分に得られないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が4重量部を超えると得られる合わせガラス用中間膜が黄色に変化してしまうことがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.02重量部、より好ましい上限は2重量部である。
上記遮光剤は、カーボンブラック、赤色酸化鉄等が挙げられる。また、上記着色剤は、顔料が好ましく、このような顔料としては、黒色顔料カーボンブラックと赤色顔料(C.I.Pigment red)と青色顔料(C.I.Pigment blue)と黄色顔料(C.I.Pigment yellow)の4種を混合してなる暗赤褐色の混合顔料等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤は、マロン酸エステル化合物、シュウ酸アニリド化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ベンゾエート化合物、ヒンダードアミン化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。なかでも、ベンゾトリアゾール化合物、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシド)グリコールエステル、t−ブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
上記可塑剤は、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等のセバシン酸エステル、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリオクチル(TOP)等のリン酸エステル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
なお、本発明の合わせガラス用中間膜は、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有し、上記酸変性ポリオレフィンは、酸価が10mgKOH/g以上であり、かつ、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、上記酸変性ポリオレフィンを0.01〜5重量部含有すれば特に限定されず、本発明の合わせガラス用中間膜は単層であってもよいし、多層であってもよい。例えば、遮音性の改善を目的として、二層以上の樹脂層が積層された多層構造の合わせガラス用中間膜としてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限が0.1mm、好ましい上限が3mmである。合わせガラス用中間膜の厚さが0.1mm未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さが3mmを超えると、得られる合わせガラス用中間膜の透明性が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.25mm、より好ましい上限は1.5mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記酸変性ポリオレフィンと、上記無機微粒子と、必要に応じて配合する添加剤とを、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体に添加して混練し、合わせガラス用中間膜を押出成形する方法等が挙げられる。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有するマスターバッチを押出成形する工程を有する合わせガラス用中間膜の製造方法であって、上記酸変性ポリオレフィンは、酸価が10mgKOH/g以上であり、かつ、上記マスターバッチは、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、上記酸変性ポリオレフィンを0.01〜5重量部含有する合わせガラス用中間膜の製造方法であることが好ましい。このような合わせガラス用中間膜の製造方法もまた本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法では、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有するマスターバッチを作製する工程を有してもよい。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、無機微粒子等の原材料を所定温度まで加熱し、混練することにより得られる混練物を、ペレタイザーにて所望の大きさに切断することによりペレット形状のマスターバッチとする方法等が挙げられる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、無機微粒子等の原材料をバッチ式の混練機で混練した後、造粒することによりペレット形状のマスターバッチを製造してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法では、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有するマスターバッチを押出成形する工程を有する。上記工程では、例えば、得られたマスターバッチを押出機でシート状に押出成形する。
なお、上記マスターバッチは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、酸変性ポリオレフィンと、無機微粒子とをすべて含有するマスターバッチのみで構成されていてもよい。また、上記マスターバッチは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、酸変性ポリオレフィンと、無機微粒子とを含有するマスターバッチと、酸変性ポリオレフィンを含有しないマスターバッチとの混合物で構成されていてもよい。
上記工程における混練の方法は特に限定されず、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適であり、二軸押出機を用いる方法がより好適である。
なお、上記酸変性ポリオレフィン及び無機微粒子の添加量、上記酸変性ポリオレフィンの酸価は、本発明の合わせガラス用中間膜と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスに用いられるガラス板としては特に限定されず、一般に使用されている透明ガラス板を使用することができ、例えば、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス等の各種無機ガラス:ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板等の有機ガラス板が挙げられる。これらのガラス板は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、ガラス板の厚みは、用途によって適宜選択されればよく、特に限定されないが、一枚の厚さが1〜3mmのガラス板が好ましい。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、例えば、少なくとも二枚のガラス板の間に、本発明の合わせガラス用中間膜を挟み、これを押圧ロールに通して扱くか或いはゴムバッグに入れて減圧吸引し、ガラス板と合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱気しながら約70〜110℃で予備接着して積層体とする。次いでこの脱気された積層体をオートクレーブに入れるか或いはプレスを行い、約120〜150℃で、約1〜1.5MPaの圧力で圧着することにより合わせガラスを製造する方法等を用いることができる。
本発明によれば、優れた接着性、耐貫通性を有し、押出成形時におけるメヤニの発生や外観不良を抑制することが可能な合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
マスターバッチは以下の方法で作製した。なお、各マスターバッチの配合比(重量部)を表1に示した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%;メルトフローレート1g/10分)100重量部と、酸変性ポリオレフィンとして酸変性ポリオレフィンワックス(重量平均分子量1500;酸価60mgKOH/g;三井化学社製「ハイワックス1105A」)0.6重量部と、無機微粒子として平均粒子径2μmの炭酸カルシウム粉末6重量部と、紫外線吸収剤(ADEKA社製「アデカスタブLA−31」)0.2重量部と、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.1重量部と、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学社製「アルコンP115」)7重量部と、シランカップリング剤としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.1重量部とを押出機に投入し、押出成形を行うことで、ペレット状のマスターバッチを作製した。
さらに、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例2)
酸変性ポリオレフィンとしてハイワックス1105A(三井化学社製)に代えて、ハイワックス4202E(重量平均分子量2600;酸価17mgKOH/g;三井化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様に、ペレット状のマスターバッチを作製した。
さらに、実施例1と同様に、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例3)
酸変性ポリオレフィンとしてハイワックス1105A(三井化学社製)に代えて、ハイワックス2203A(重量平均分子量2700;酸価30mgKOH/g;三井化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様に、ペレット状のマスターバッチを作製した。
さらに、実施例1と同様に、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例4)
酸変性ポリオレフィンの添加量を、0.1重量部としたこと以外は実施例3と同様にマスターバッチを作製し、合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例5)
酸変性ポリオレフィンの添加量を、3重量部としたこと以外は実施例3と同様にマスターバッチを作製し、合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例6)
酸変性ポリオレフィンの添加量を、5重量部としたこと以外は実施例3と同様にマスターバッチを作製し、合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例1)
酸変性ポリオレフィンとしてハイワックス1105A(三井化学社製)に代えて、ハイワックス220MP(重量平均分子量2000;酸価1mgKOH/g;三井化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様に、ペレット状のマスターバッチを作製した。
さらに、実施例1と同様に、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例2)
酸変性ポリオレフィンを用いなかった以外は、実施例1と同様にペレット状のマスターバッチを作製した。
さらに、実施例1と同様に、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例3)
酸変性ポリオレフィンの添加量を、6重量部としたこと以外は実施例1と同様にマスターバッチを作製した。
さらに、実施例1と同様に、得られたマスターバッチを押出機に投入し押出成形を行い、厚さが0.40mmの合わせガラス用中間膜を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたマスターバッチ及び合わせガラス用中間膜について以下の評価を行った。結果は表1に示した。
(1)押出成形時のメヤニ量の測定
実施例及び比較例において、得られたマスターバッチを押出機に投入し2時間連続押出成形した後にダイリップ(ダイリップ幅150mm)に付着したメヤニを採取、秤量した。押出速度は5kg/hrで行なった。
(2)接着力評価
得られた合わせガラス用中間膜(縦20mm×横100mm)を、縦20mm×横100mm×厚さ0.1mmのPETフィルムと縦20mm×横100mm×厚さ2.5mmのフロートガラスとで挟持し、積層体(PETフィルム/合わせガラス用中間膜/フロートガラス)を得た。次いで、得られた積層体を、ゴムバック内に入れて、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したまま90℃のオーブンに移し、90℃で30分間保持しながら、真空プレスした。真空プレスされた積層体を押圧ロールに通して、フロートガラスと合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱気しながら約70〜110℃で予備接着し、次いで、オートクレーブ中で、135℃で、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラス(PETフィルム/合わせガラス用中間膜/フロートガラス)を得た。
得られた合わせガラスを固定し、フロートガラスから合わせガラス用中間膜とPETフィルムとを剥離させ、引張り速度200mm/minにおける180度ピール強度を測定した。なお、180度ピール強度は、定速引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン万能試験機」)で測定した。
Figure 0004972006
本発明によれば、優れた接着性、耐貫通性を有し、押出成形時におけるメヤニの発生や外観不良を抑制することが可能な合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラスを提供することができる。

Claims (7)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有する合わせガラス用中間膜であって、
    前記酸変性ポリオレフィンは、酸価が10mgKOH/g以上であり、かつ、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、前記酸変性ポリオレフィンを0.01〜5重量部含有する
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 酸変性ポリオレフィンは、酸価が10〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、無機微粒子を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
  5. エチレン−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、及び、無機微粒子を含有するマスターバッチを押出成形する工程を有する合わせガラス用中間膜の製造方法であって、
    前記酸変性ポリオレフィンは、酸価が10mgKOH/g以上であり、かつ、
    前記マスターバッチは、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、前記酸変性ポリオレフィンを0.01〜5重量部含有する
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜の製造方法。
  6. 酸変性ポリオレフィンは、酸価が10〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項5記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
  7. マスターバッチは、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、無機微粒子を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項6記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
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