JP5214898B2 - 給電方法、ウェブの連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法 - Google Patents

給電方法、ウェブの連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、給電方法、ウェブの連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法に関する。
従来、プラスチックフィルム等のウェブを搬送しながら、ウェブに連続的にめっき被膜を形成する方法としては、ウェブの導電面または金属ウェブを給電ロールに接触させ、その前または後に陽極の投入しためっき浴を配し、めっき浴にてめっき被膜を形成する方法が知られている。この様な方法でウェブに連続的にめっき被膜を形成すれば、陰極−陽極を配置したユニットを繰り返し通すことで、容易にウェブ上に厚膜化した所望厚みのめっき被膜を形成することが可能である。(特許文献1参照)
近年、電子機器、電子部品および半導体パッケージ等で利用される様になってきたフレキシブル回路用基板として、ポリイミドフィルムあるいはポリエステルフィルムと銅箔とを合わせた形態の配線基板が注目されている。この基板には、ウェブに接着剤を介して銅箔を貼り合わせた、通称”3層型”と呼ばれるものと、ウェブに接着剤を介さないで金属被膜をめっき等で形成する、通称”2層型”と呼ばれるフレキシブル回路用基板がある。これらのうち、後者の2層型の方が、回路の配線ピッチの微細化の進行に伴ってより注目されている。
これらフレキシブル回路用基板に関する現状は、以下のようになっている。3層型プリント回路用基板は、接着剤にエポキシ系樹脂あるいはアクリル系樹脂が用いられているため、それに含まれる不純物イオンにより電気特性が劣化するという欠点を有しており、また、接着剤の耐熱温度が高々100℃〜150℃であるため、ベースフィルム材質としてポリイミドを使用したとしても、その高耐熱性(300℃以上)十分に生かされないので、高温実装を必要とするICチップへのワイヤーボンディングなどにおいては、加熱温度のスペックダウンを余儀なくされている。また、3層型プリント回路用基板では、銅箔の一般的な膜厚が18μmあるいは35μmであるため、80μmピッチ(銅配線40μm、ギャップ40μm)以下のパターンニングを行うには銅が厚すぎてエッチング率が著しく低下し、銅箔の表面側の回路幅と接着剤面側の回路幅が著しく異なり、あるいはエッチングで全体が著しく細り、目標とする回路パターンが得られないという欠点もある。
近年、上記のような3層型における問題点を解決するために、ウェブ上に接着剤を介さないで各種蒸着法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法あるいは各種イオンプレーティング法などのPVD法、金属を含む薬品を気化し蒸着させるいわゆるCVD法等で、まずウェブ表面に各種金属を蒸着した後に、または無電解めっき法で各種金属をめっきした後に、電解銅めっきすることにより得られる、通称”2層型”の基板が提案されている。この2層型基板は、電解銅めっきで銅膜厚を自由に変化させることができ、例えば、8μmの銅膜厚であれば、40μmピッチの回路パターンが簡単に作成できるようになり、かつ、各種ウェブの耐熱温度がそのまま反映できるという特徴をもつ。
以上の様な状況から、めっき被膜つきフィルムの需要が高まりつつある。しかしながら従来の方法では前述したように給電ロールにウェブ導電面を接触させて搬送させるため、非常にデリケートなウェブ導電面に擦過キズやこれに伴うバリ状の突起などが発生することがある。また給電ロールはウェブ全幅に接触させるため、ウェブ幅が広くなれば給電ロール全長がその分長くなり、強度を保つためにロール径を大きくせざるを得なく、給電装置自体の大きさが大きくなってしまう課題もある。
近年、回路パターンの微細化が進展してきており、これに伴ってめっき被膜に要求される表面品位も厳しくなってきている。そのため微小な擦過キズや突起が発生しないプロセスの開発が鋭意進められている。
特許文献2には、ウェブの端部を給電クリップで挟んで掴み、そのままめっき液を通過させてウェブにめっきを施すクリップ方式と呼ばれるめっきプロセスが提案されており、この方法によると製品化しないウェブ端部のみを把持するので製品には微小キズ等発生せず、良好な表面品位を得ることが可能である。しかしながら給電クリップを搬送するための大がかりな搬送システムや、給電クリップに析出しためっき被膜を除去する解めっき工程等大がかりな付帯設備が必要となる。まためっき液中に浮遊する異物はザラと呼ばれるめっき欠点の原因となるため、めっき液中は高いクリーン度が要求されるが、そのめっき液の上部に様々な可動部が配置されるため摩耗粉等の異物によりめっき液が汚染されやすい状況である。さらに給電クリップで把持した部分にはめっきされず、その部分だけ導電膜の膜厚が薄くなるため抵抗値が大きくなり、大電流を投入した際にジュール熱で周囲が変色・変質するなどの問題が発生する。
特許文献3には、ウェブの端部に板バネ状の給電電極を押しつけて給電し、ウェブにめっきを施す方法が提案されており、この方法も同様に製品部においてはキズ等の少ない良好な表面品位が得られる。しかしながら給電電極が常時擦過状態であるため電極が摩耗すると同時に、摩耗粉によってめっき液や周囲の機器が汚染されることとなる。また電極によって常にブレーキが掛けられた状態となるため、ウェブの幅方向に張力分布を生じることとなり、安定搬送の観点から大きな障害となりうる。
特許文献4にはロール状の給電電極を用いた一般的な縦型めっき装置が例示されており、給電ロール形状のひとつの種類として、両端部のみがウェブと接するように中央部のロール外径を小さくした、いわゆるダンベル形状の給電電極が提案されている。この方法によればロールが接触しないウェブ中央部については擦過キズ等の表面欠点の少ない製品を製造することが可能である。しかし、ロールの角速度が両端部でそれぞれ同一となるため、ウェブと接触する両端部の外径が少しでも一致していなければ両端部で周速差を生じることとなるため、極めて高い加工精度が要求される。また万が一狂ってしまった場合はどちらかが滑りながら接触するため電極の摩耗や、幅方向に張力分布を生じるなどの問題が発生する。
特許文献5には、不織布のかさ高性などの特性を損なわずにめっきするためにウェブ中央部を接触させず、ウェブ上端部のみをめっき浴から露出させてその露出部に帯状電極を密着させて給電する方法が提案されている。この方法も同様に中央部は擦過キズや打痕が生じない高品位なめっき膜が得られる。しかしながら、この方法によるとウェブ上端は常時めっきされないため膜厚が非常に薄く、抵抗が大きいため大電流投入時にジュール熱による膜の変色・変質が生じる。また厚み方向に弾力性の乏しいプラスチックフィルム等のウェブにおいては、ガイドロールでウェブと帯状電極を挟み込んでニップ力によって密着させようとしても、ガイドロール部分にしか密着力が発生しないためニップした箇所以外の電極とウェブとの接触抵抗が大きくなる。このため大電流投入時に熱による問題を生じさせることがある。
特許文献6には搬送ローラ上において幅の小さな回転体を押しつける搬送方法が提案されており、回転体は給電電極を兼ねることができるとなっている。この方法を用いて、回転体を給電電極としてウェブ端部に設置することにより、搬送ローラに抱きついている面の反対面はキズの少ない製品を製造することが可能である。しかしながら、本発明者らの知見によると、この方式では搬送ローラの材質を柔らかい材質にすると電極エッジでウェブに折れジワを発生させてしまうため硬い材質のローラを用いる必要があり、そのため搬送ローラに抱きつける面はキズ問題が解消されない場合がある。
特開平7−22473号公報 特表2005−507463号公報 特開2005−248269号公報 特開2003−321796号公報 特開平8−209383号公報 特開2004−263215号公報
本発明の目的は、上記のような課題を解消し、めっき被膜表面に微小欠陥を発生させない電解めっき装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電解めっき装置は以下の構成からなる。
すなわち、本発明によれば、表面に導電性を付与したウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき方法であって、前記ウェブの幅方向片側端部または両側端部に前記ウェブを対向するように少なくとも2つの回転体により前記ウェブを挟持し、前記回転体のうち少なくとも1つを給電電極として用いて、前記ウェブに対して給電を施し、前記電極を前記ウェブの幅方向端部から0.5mm以上20mm以下の領域のみに幅方向接触幅1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をもって圧接し、前記回転体を前記ウェブの搬送速度と略同速で回転させる電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記電極として前記めっき処理槽外に配設されたもののみを用い、前記めっき処理槽の搬送方向上流および/または下流でのみ前記ウェブのめっき対象部位において給電する電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記ウェブの幅方向が鉛直方向に沿うように向けて長手方向に搬送する電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記給電電極とともにウェブを挟持する受け側回転体として、該受け側回転体の表層部に弾性体を有するものを用いる電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記給電電極として、表層部に導電層を備え、該導電層の内側に弾性体層を有するものを用いる電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より1mm以上15mm以下だけ広い電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より狭い電解めっき方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記給電電極が前記導電面に接触する接触面積が下記数式を満たすよう接触圧を付与する電解めっき方法が提供される。
Figure 0005214898
A:給電電極と前記導電面との接触面積[mm
I:給電電極への投入電流値[A]
R:給電電極と前記導電面との接触抵抗値[Ω]
t:給電電極と前記導電面との接触部分の前記導電面の導電層厚み[mm]
Q:限界熱量係数[W/mm]=5.5×10
また、本発明の別の形態によれば、少なくとも一方の表面に導電面を有するウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき装置であって、前記導電面の幅方向片側端部のみに圧接可能なようにウェブを挟んで対向して配設された少なくとも2つの回転体を有し、前記2つの回転体の間に接触長さ1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をかけられる押し圧付与手段を有し、前記2つの回転体のうち少なくとも1つが給電電極を構成するものであり、前記回転体が前記ウェブの搬送速度と略同速で回転可能であるウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記電極が前記めっき処理槽外にのみ配設されたウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、ウェブの幅方向が鉛直方向に沿うように向けて長手方向に搬送する搬送手段を有し、前記給電電極が前記ウェブの上端部のみに圧接するよう配設されたウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、少なくとも一方の表面に導電面を有するウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき装置であって、前記ウェブの導電面の幅方向両側端部のみに圧接可能なようにウェブを挟んで対向して配設された少なくとも2つの回転体を有し前記2つの回転体の間に接触長さ1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をかけられる押し圧付与手段を有し、前記2つの回転体のうち少なくとも1つが給電電極を構成するものであり、前記回転体が前記ウェブの搬送速度と略同速で回転可能であるウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記給電電極とともにウェブを挟持する受け側回転体が、該受け側回転体の最表層に弾性体を有するウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記給電電極は、表層部に導電層を備え、該導電層の内側に弾性体層を有するウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より1mm以上15mm以下だけ広いウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より狭いウェブの連続電解めっき装置が提供される。
た、本発明の別の形態によれば、前記ウェブとしてプラスチックフィルムを用い、製造工程の少なくとも一部に前記給電方法または前記連続電解めっき装置を用いるめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法が提供される。
本発明において、「導電性」は、表面抵抗率100Ω/□以下であれば「導電性を有する」ものとする。
「導電面」とは、ウェブの表面のうち、導電性を有する面をいう。片面のみが導電面であってもよく、両面が導電面であってもよい。
「搬送手段」とは、少なくともウェブを走行させる力を付与する機構とウェブを案内する機構からなる。例えば搬送ロール群やベルトコンベアが「搬送手段」にあたる。
「回転体がウェブの搬送速度と略同速で回転する」とは、回転体の周速とウェブの搬送速度との速度差が±10%以下で回転することをいう。また、速度差はより小さい方がよく、±5%以下で回転することが好ましい。さらに好ましくは速度差を±1%以下で回転させることが好ましい。回転体がウェブに従動回転して略同速で回転しても良いし、積極的に回転体を駆動させてウェブ搬送速度と同期させても良い。
「めっき対象部位」とは、めっき処理槽におけるめっきが行われる部位のことをいう。
「表面抵抗率」とは、単位面積あたりの抵抗値をいう。測定方法はJIS K7194−1994に準拠して4探針法にて行い、厚さの項を無視することで表面抵抗率が求められる。単位は「Ω」となるが、ここでは抵抗値「Ω」と明確に区別するため、表面抵抗率の単位として一般的に用いられている「Ω/□」(オーム・パー・スクエア)を用いる。
なお、本発明において、受け側回転体のウェブとの接触幅方向幅が、給電電極のウェブとの接触幅方向幅より1mm以上15mm以下だけ広い場合には、給電電極とフィルム導電面との接触抵抗を減少させることができるので好ましい。なお、受け側回転体の表層部が弾性体の場合、変形等によって給電電極が受け側回転体に食い込むような形状となりウェブに折れジワが生じる場合があるが、この部分は最終的に切り捨てられ、製品とはならないため問題ない。
また、本発明において、受け側回転体のウェブとの接触幅方向幅が、給電電極のウェブとの接触幅方向幅より狭い場合には、強い押し圧を付与し受け側回転体の変形が大きくなっても、接触幅方向への広がりが給電電極接触幅以上に大きくなることはなく、そのためウェブに折れジワ等発生させることがないため好ましい。受け側回転体のウェブとの接触幅方向幅は、給電電極のウェブとの接触幅方向幅より0.5mm以上5mm以下だけ狭い場合が好ましい。
本発明によれば、給電電極となる金属体をウェブの製品面に接触させることなくウェブ導電面へのめっき処理が可能となり、擦過キズやこれに伴う微小突起の発生を抑制し、表面欠点の少ない高品位なめっき膜を形成することが可能となる。加えて0.5N/mm以上の線圧でニップすれば、給電電極とウェブ導電面との接触抵抗が小さく抑えられるため、給電電極近傍での発熱による膜の変色や変質を抑制することが可能である。さらに給電電極が回転体であるので、ウェブの走行を阻害する力の発生が抑えられ安定搬送が可能であり、また摩耗粉等の汚染物を発生させることも抑制できる。
また、給電電極自体の大きさが小さくできるため、給電装置自体の大きさをコンパクトにすることが可能となる。このことは同じ装置全長でもめっき処理槽をより長くとることにつながり、生産性向上ならびに装置コストダウンに寄与する。
また本発明に係わる好ましい形態によれば、めっき処理槽外にのみ給電電極を設けることにより、給電電極自体へのめっき金属の析出が抑制されるため給電性能が安定するとともに、解めっき工程等の付帯工程が不要となり、装置コストダウンに寄与する。また、給電電極が接触する領域にもめっき処理が施されることにより給電電極接触部の膜抵抗に起因する発熱も抑制することが出来る。
また、従来は同じ電流密度でめっき処理する場合でもウェブ導電膜の膜抵抗が大きい場合にはより大きな電圧が必要であったが、本発明に係る好ましい形態においては、給電電極の回転中心からめっき処理槽入り口までの距離を最適化することにより小さな電圧でめっき処理が可能であり、消費電力を抑制することが可能である。
また本発明は、柔軟なウェブであるプラスチックフィルムを安定的に搬送することが可能なため、めっき膜付きプラスチックフィルムの製造に好適なものである。さらに比較的柔らかくキズが発生しやすい銅をめっきする場合においては特に好適であり、高い表面品位が要求されるフレキシブル回路用基板の製造には本発明の表面欠点抑制効果ならびにウェブの搬送安定性の効果が最も得られることとなる。
以下、本発明の一実施形態の例をフレキシブル回路基板用片面銅めっき膜付きプラスチックフィルムの製造に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本実施形態によるウェブの連続電解めっき装置の一例の概略平面図である。長尺フィルムを巻き出し、めっき処理し、製品ロールとして巻き取る多段式連続電解めっき装置である。主たる工程は、プラスチックフィルム111の片面にあらかじめスパッタリング法などによりごく薄い銅合金からなる導電膜112を形成した片面導電膜付きフィルム11を巻き取ったロール状体から巻き出す巻き出し部12、巻き出した導電膜付きフィルム11の導電膜112に脱脂や洗浄などを施す前処理洗浄部13、導電膜112に接触して給電を行う給電部14とめっき処理槽15を備えためっき処理部16、めっき被膜の酸化防止のための防錆や、洗浄、乾燥を行う後処理部17、加工を終えたフィルムを巻き取る巻き取り部18からなっている。なお、めっき前の導電膜112が清浄な状態であれば前処理洗浄部13は省略しても構わないし、必要に応じて後処理部17は省略しても構わない。
めっき処理部16において、給電部14にて導電膜112に接する給電電極141とプラスチックフィルム111に接する受け側回転体142とにより導電膜付きフィルム11がニップされ、導電膜112に給電電極141から給電されることによりめっき処理槽15にてめっき浴に浸漬された導電膜112が陰極となり、陽極151との間で電気めっき回路が形成されてめっき処理される。めっき処理槽15の出入り口にはフィルムが通るためのスリットが設けられており、このスリットからのめっき液の漏れ出しを抑制してめっき処理槽15にめっき液を保持するためのシールユニット152が設けられている。シールユニット152は2つの例えばゴムローラなどの弾性ローラでフィルムを挟み込んでシールするユニットや2枚の板の間隙をコントロールして液漏れ量を制御するユニットが好適に用いられる。
投入される導電膜付きフィルム11のプラスチックフィルム111の厚みは5μm〜80μmのものが好適に用いられる。材質としてはポリエステル樹脂やポリイミド樹脂が好適に用いられ、特に半導体パッケージ用途などの耐熱性の要求される製品についてはポリイミドフィルムを用いることが好ましい。導電膜112を形成する方法としては導電膜を接着剤でフィルムに貼り付ける方法やスパッタ法、蒸着法などの方法によってフィルムに直接製膜する方法など様々な方法が適用可能であるが、接着剤を用いて貼り付ける方法ではフィルムの耐熱温度よりも接着剤の耐熱温度の方が低い場合が多く、耐熱性の観点から導電膜をフィルムに直接製膜する方法が好ましく、製造コストの観点からスパッタ法により製膜することがより好ましい。導電膜112の膜厚は0.02μm〜0.5μm製膜したものが好適に用いられ、膜の電気抵抗が大きいために発生するロスを少なく抑えるために0.08μm以上とし、かつ生産性の観点から0.25μm以下とすることがより好ましい。
給電部14の一例について、電極近傍を拡大した概略図を図1Bに示す。導電膜付きフィルム11を挟んで対向するように、回転可能に支持された給電電極141ならびに受け側回転体142を配置し、押し圧付与手段143にて押し圧を付与し、給電端子144から給電電極141に電流を投入する。押し圧付与手段143は、例えばバネやエアシリンダを用いることができる。なお、電極はフィルム両端部に設置しても良いし、片側端部のみに設置しても良い。押し圧と接触による電気抵抗の関係の一例を図2に示す。接触抵抗が大きいと、電極と導電面との接触部でジュール熱が発生するため導電膜が熱により変色したり変質する問題を生じるため、電極と導電面との接触幅tについて1mmあたり2N以上の押し圧を付与することが好ましく、さらに安定的に接触させるために接触幅1mmあたり5N以上、さらには接触幅1mmあたり8N以上の押し圧を付与することがより好ましい。また接触幅1mmあたり100Nを超える大きな押し圧を付与しても接触抵抗値は大きく減少することはなく、大きな押し圧に耐えるために構造が複雑化したり大型化するデメリットの方が大きいので、押し圧上限は100N以下とすることが好ましい。押し圧は、例えばバネで押し圧を付与する場合はバネ定数と変位量の積で求められ、エアシリンダで押し圧を付与する場合はエアシリンダ受圧面積とエア圧力から求められる。またフィルム端部から給電電極内側エッジまでの距離Hは、できるだけ擦過キズ等のない領域を広く確保するために20mm以下とすることが好ましく、給電電極とフィルム導電面との接触領域を確保しつつ出来るだけ接触しない領域を大きく取るために5mm〜12mmとするのがより好ましい。
給電電極141ならびに受け側回転体142は回転可能に支持されており、フィルムの搬送に伴って従動回転可能となっているが、どちらかの回転体または両方の回転体に積極的にトルクを与えて駆動しても良い。フィルムの両端部に電極を設けるときは、それぞれの電極は独立に回転するのが良い。特許文献4に開示されたダンベル形状の電極のように両端が機械的に結合されて回転すると微妙な速度差が発生しやすいという傾向がある。
給電電極141の材質は銅やチタンなどの導電性の良い金属材料を用いるのが好ましく、フィルムがめっき処理槽のめっき液を持ち込んでくることもあるので、導電性が良くさらに耐食性のある材料を用いるのがより好ましい。給電電極141の構造の一例を図1Cおよび図1Dに概略断面図にて示す。図1Cのようにある材質で単層の電極としても良く、電極表面に例えば白金めっきなどの表面処理を施して用いても良い。電極の大きさは出来るだけ小さい方が、装置が小さくできるため好ましい。図1Dに示すように、例えばゴムなどのような弾性体145の表層部に、例えばニッケルやチタンのような金属を厚さ0.02以上1mm以下の円筒状にした導電性薄肉円筒導電層146をはめ込み、これに電極147を接触させて給電するような構造にすることにより、弾性体145が押し圧によって変形し、これに伴って導電性薄肉円筒導電層146も変形し、フィルム導電面への接触面積が大きく取れるのでより好ましい。
また、受け側回転体の最表層に弾性体を設けることでも同様の効果が得られるので好適である。金属製回転体同士を接触幅1mmあたり2Nの押し圧でニップしたときと同等の接触抵抗を得るには、弾性体を用いた回転体の場合では接触幅1mmあたり0.5N以上の押し圧を付与すれば充分である。これは弾性体を用いた回転体の方が小さな力で大きく変形できるため、接触面積を大きく取ることができるからである。金属製回転体同士を強い力でニップしても接触面積はさほど増加しない。この場合の接触面積は非常に小さくなるが、その小さな接触面にすべての電流が流れようとするため、接触部の単位面積あたりのジュール熱は非常に大きくなる。例えば同じ電流値を投入するとき面の接触抵抗値が同じ場合、接触面積が2倍になれば単位面積当たりのジュール熱は1/2となり、その分温度上昇が抑えられることとなる。このことから、弾性体のたわみを利用して接触面積をより大きくすることは熱的トラブルの防止につながるため、特に大電流を投入するめっきに好適である。発明者らが実験から得た知見によれば、接触面積は式3の範囲内となるようニップ圧を付与すれば基材が焼損するほど発熱することなく給電できるため好ましく、より好ましくは、式4の範囲内となるようニップ圧を付与すれば熱収シワや乾燥ムラ等を発生させることなく給電が可能となる。なお、式3および式4の中のQ:限界熱量係数については発明者らが実施した実験から求めた係数であり、ある膜厚の導電膜を設けた基材にある接触面積の電極を接続して電流を投入し、熱収シワや焼損等の熱的問題が発生するときの電極接触部の単位面積あたりのジュール熱による発熱量を求め、それを導電膜厚さで割った数値に安全率を掛けたものである。
Figure 0005214898
A:給電電極とウェブ導電面との接触面積[mm
I:給電電極への投入電流値[A]
R:給電電極とウェブ導電面との接触抵抗値[Ω]
t:給電電極とウェブ導電面との接触部分の導電膜厚み[mm]
:限界熱量係数[W/mm]=5.5×10
Figure 0005214898
A:給電電極とウェブ導電面との接触面積[mm
I:給電電極への投入電流値[A]
R:給電電極とウェブ導電面との接触抵抗値[Ω]
t:給電電極とウェブ導電面との接触部分の導電膜厚み[mm]
:限界熱量係数[W/mm]=0.7×10
弾性体の材質としてはニトリルゴムやフッ素ゴム等のゴムやポリエステル等の樹脂が好適に用いられ、耐薬品性に優れるフッ素ゴムが特に好適である。弾性体のゴム硬度としては、JIS−A硬度で40°以上90°以下が好ましい。弾性体層厚さは何でも良いが、硬度が柔らかすぎてたわむのを防ぐために、接触幅よりも厚さを小さくするのが好適である。
給電端子144は、回転可能でかつ電気的に接続されている必要があり、金属電極を給電端子に接触させるような構造や、スリップリングやロータリーコネクタなどの接続端子が好適に用いられる。
受け側回転体142の材質はステンレスなど何でも構わないが、フィルムが持ち込んだめっき液に触れる可能性があるので耐食性を有する材料を用いるのが好ましい。構造は単層構造でも多層構造でも良いが、表層にゴムなどの弾性体を備えた多層構造のものが、フィルム導電面と給電電極との接触面積を大きく取れるため好ましい。
給電電極のフィルム導電面と接触する面の表面粗度は、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さでRa=0.1μm〜50μmとするのが好ましい。凹凸が大きい表面、すなわち算術平均粗さの大きな表面は、その表面積が大きくなるので接触面積増大に寄与するが、あまり大きすぎるとフィルム導電面が接触面の凹凸に密着することが出来ず、真実接触面積は小さくなる。適度な押し圧で接触面積を確保するために、Ra=0.8〜6.3μmとするのがより好ましい。
図1Aに戻る。図1Aでは給電部14はめっき処理槽15の前にのみ設置しているが、めっき処理槽15の後ろのみ、または前後に設置しても良く、めっき処理槽15の内部に設置しても良いが、めっき処理槽15の内部に設置する場合は給電電極141自体にめっき金属が析出するため、解めっき手段が必要となり装置が複雑になるため、めっき処理槽外に設置することが好ましい。
投入する導電膜付きフィルム11の導電膜112の表面抵抗率が0.1Ω/□以上の場合、給電電極からめっき処理槽入り口までの距離Xが長いほど所定電流を流すために要する電圧が大きくなり、電力ロスが大きくなってしまう。このため給電電極からめっき処理槽入り口までの距離Xは式5を満たすようにすることが好ましい。
Figure 0005214898
X:前記給電電極の前記ウェブと接する回転体の回転中心と最も近いめっき処理槽出入り口までのウェブ搬送方向の距離[mm]
B:給電電極の搬送方向長さ「mm」
I:電流密度[A/dm
W:ウェブ導電面の幅[mm]
L:めっき処理槽長さ[mm]
ρ:投入する導電膜付きフィルムの導電膜表面抵抗率[Ω/□]
t:給電電極とウェブ導電面とが接触する幅方向接触幅[mm]
N:給電電極係数(両端に配設の場合は2、片側のみ配設の場合は1)
式5は発明者らが鋭意検討の結果得られた知見をもとに導き出したものである。左の項はXの下限を示し、めっき処理槽外に設置するために物理的に給電部14とめっき液が当たらないための距離である。右の項はXの上限を示す。まず物体に通電するとジュール熱が発生するが、熱量に関して通電に影響の出ない範囲を実験的に求め、次に給電電極からめっき処理槽入り口までの膜抵抗と投入電流から発熱量を計算し、先に実験的に求めた通電に影響の出ない熱量以下となるようなXを導き出す。投入電流密度I及び導電膜表面抵抗率ρに反比例する。なお、500は実験的に求めた係数で、安全率等も考慮に入れている。
ここまで説明してきた連続電解めっき装置は、表面品位の高い製品が製造できるので、めっき膜付きプラスチックフィルムの製造に好適に用いることができる。電子配線用途、特にフレキシブル回路基板用途の製造に適しており、中でも半導体パッケージ用途など配線ピッチが細かく微細加工が必要なため非常に高い表面品位を要求される用途に用いられるめっき膜付きプラスチックフィルムの製造には特に好適に用いられる。
以下に具体的な実施例をもって本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの具体的な実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
給電部の装置構成は図1Bに示すとおりである。ベアリングケース1401、スライドガイド1403、ブラケット1402、ならびに押し圧付与用バネ143はステンレス鋼にて製作した。押し圧付与用バネ143のバネ定数は14.7N/mmのものを用いた。給電電極は図1Cに示す構造にてチタン製のものを用いた。フィルムとの接触部となる円板状部材は外径60mm、厚み10mmとし、両肩C1面取りを施しフィルムとの接触幅は8mmとした。接触面の算術平均粗さは、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さに準拠し、英国テーラーホブソン社製表面粗さ測定器“サートロニック25”を用いて測定したところ、4.7μmであった。なお軸端部には米国メルコタック社製“ロータリーコネクタMODEL1250−SC“を取り付け、回転しながら給電可能な構成とした。受け側回転体はステンレス鋼を用い、外径100mm、厚み12mmとし、両肩C1面取りを施しフィルムとの接触幅は10mmとした。
図3は給電電極とフィルム導電面との接触抵抗測定方法を示す概念図である。15mm幅のフィルムの幅方向端部から5mmの位置に給電電極ならびに受け側回転体の厚さ方向の中心を合わせるようにして、厚さ38μmのポリイミドフィルムの片面に銅を8.5μmめっきしたフィルムを挟み、電源の片側を給電端子に、もう片方をフィルム幅方向端部から12mmの位置で電極接触部近傍に接続し、図3に示すような回路を構成して抵抗値の測定を行った。直流電源31から0.5Aの定電流を投入し、電圧計32にて電圧を測定し、オームの法則より抵抗値を算出した。押し圧を変化させ、抵抗値の変化を測定した結果を図4に示す。この際に用いたフィルムの表面抵抗率は、JIS K7194−1994に準拠し、三菱化学製表面抵抗率測定器“ロレスタ−GP”MCP−T600を用いて測定した結果、1.92×10−3Ω/□であった。
同じ測定を、厚さ38μmのポリイミドフィルムの片面に銅合金を0.1μmスパッタリング法にて製膜したフィルムを用いて行った。結果を図9に示す。なお、スパッタ法で製膜した導電膜の表面抵抗率は3.5×10−1Ω/□であった。
図5は通電長さを変えたときの抵抗値を測定した測定方法を示す概念図である。520mm幅のフィルムを用いて、フィルム端部から5mmの位置に給電電極ならびに受け側回転体の厚さ方向の中心を合わせるようにして、厚さ38μmのポリイミドフィルムの片面に銅を8.5μmめっきしたフィルムを挟み、電源の片側を給電端子に、もう片側を電極接触位置から搬送方向に500mm離したところに接続し、図5に示すような回路を構成して抵抗値の測定を行った。直流電源31から0.5Aの定電流を投入し、電圧計32にて電圧を測定し、オームの法則より抵抗値を算出した。給電電極とフィルムとが接している点から測定位置までのフィルム搬送方向の距離を500mmとし、給電電極から測定位置までのフィルム幅方向の距離を変えて抵抗値を測定した結果を図6に示す。
厚さ38μmで520mm幅の長尺なポリイミドフィルムを用いて、フィルム片端部から5mmの位置に給電電極ならびに受け側回転体の厚さ方向の中心を合わせるようにして1カ所に給電部を設置し、接触幅1mmあたり10N/mm及び20N/mmの接触圧を付与してフィルムを2m/minの速度で搬送させた。結果、いずれの接触圧においてもフィルム張力により回転可能であり、蛇行やシワの発生はなく、また接触部以外では擦過キズの発生も認められなかった。
以上の結果から、上記給電部を用いた連続電解めっき装置にてフレキシブル回路基材用途の銅めっき膜付きポリイミドフィルムを製造すると、主に製品とするフィルム幅方向中央部には給電電極等が接触しないため、擦過キズ等表面欠点の少ない製品が得られることがわかる。
[実施例2]
実施例1と同様の給電部構成を用いて、受け側回転体を外径90mm、接触幅方向幅6.5mmとし、表層部に5mm厚のゴムを巻いたものを用いた。ゴムはJIS−A硬度で80°(板厚5mmのサンプル板で測定)のニトリルゴムを用いた。
この給電部を用いて実施例1と同様の各種テストを行い、それぞれ図4、図6、図9に示す結果を得た。
厚さ38μmで520mm幅の長尺なポリイミドフィルムを用いて、フィルム片端部から5mmの位置に給電電極ならびに受け側回転体の厚さ方向の中心を合わせるようにして1カ所に給電部を設置し、接触幅1mmあたり10N/mm及び20N/mmの接触圧を付与してフィルムを2m/minの速度で搬送させた。結果、いずれの接触圧においても蛇行やシワの発生はなく、また接触部以外では擦過キズの発生も認められなかった。接触圧が20N/mmでは従動回転可能であったが、回転に必要なトルクが大きいため補助的に給電電極を回転させた方が安定的に搬送可能であった。
以上の結果から、上記給電部を用いた連続電解めっき装置にてフレキシブル回路基材用途の銅めっき膜付きポリイミドフィルムを製造すると、主に製品とするフィルム幅方向中央部には給電電極等が接触しないため、擦過キズ等表面欠点の少ない製品が得られることがわかる。
[実施例3]
実施例1と同様の給電部構成を用いて、受け側回転体を外径90mm、接触幅方向幅12mmとし、表層部に5mm厚のゴムを巻いたものを用いた。ゴムは板厚5mmのサンプル板のJIS−A硬度で80°のニトリルゴムを用いた。
この給電部を用いて実施例1と同様の各種テストを行い、それぞれ図4、図6に示す結果を得た。
厚さ38μmで520mm幅の長尺なポリイミドフィルムを用いて、フィルム片端部から5mmの位置に給電電極ならびに受け側回転体の厚さ方向の中心を合わせるようにして1カ所に給電部を設置し、接触幅1mmあたり10N/mm及び20N/mmの接触圧を付与してフィルムを2m/minの速度で搬送させた。結果、いずれの接触圧においても給電電極のエッジ部においてフィルムに折れジワが発生することを確認したが、製品となる中央部においては擦過キズ等の発生は認められなかった。接触圧が20N/mmでは従動回転可能であったが、回転に必要なトルクが大きいため補助的に給電電極を回転駆動させた方が安定的に搬送可能であった。
以上の結果から、上記給電部を用いた連続電解めっき装置にてフレキシブル回路基材用途の銅めっき膜付きポリイミドフィルムを製造すると、主に製品とするフィルム幅方向中央部には給電電極等が接触しないため、擦過キズ等表面欠点の少ない製品が得られることがわかった。
[実施例4]
実施例1と同様の給電部構成を用いて、受け側回転体を外径90mm、幅方向接触幅7mmとし、表層に5mm厚のゴムを巻いたものを用いた。ゴムは板厚5mmのサンプル板でJIS−A硬度40°のエチレンプロピレンゴムを用いた。この給電部を図1Aに示すめっき装置の給電部14に用い、電流値を170Aに設定して連続めっき実験を行った。基材には38μmポリイミドフィルム“カプトンEN”(東レデュポン株式会社製)の片側表面に導電膜として7μmの銅を製膜したものを用い、ニップ圧を5N/mmに設定した。このときの接触面積は200mmであった。なお、接触抵抗値は30mΩで、式3に当てはめて計算すると接触面積範囲は22mm≦A≦1000mmとなり、範囲内に入っている。
この結果、基材の焼損等の熱的問題を発生させることなく良好にめっき可能であった。
[比較例1]
従来のロール状電極において、実施例1と同様の測定を行った。ロール状電極はロール外径80mm、ロール面長580mmで、真鍮製軸に銅製ローラを取り付けた構成とし、ローラ面長の中央とフィルム幅方向中心を合わせるようにセッティングした。
給電電極とフィルム導電面との接触抵抗測定方法を図7に示す。ローラ表面に520mm幅のフィルムの導電面が接するように90°抱き付け、電源の片側を給電端子に、もう片側を給電端子側のフィルム幅方向端部から2mmの位置、搬送方向にはローラとフィルムとが離れ始める場所から3mmの位置に接続し、垂れ下がったフィルムの中央付近におもりMを取り付けることによりフィルム張力を40N〜400Nまで設定して測定したが、いずれの張力条件においても、8.5μmの銅めっき膜では120mΩ、0.1μmの銅合金スパッタ膜では200mΩで安定した。本比較例に対して実施例1〜3はいずれも低い抵抗を示すことを確認した。
また図8に示す回路を構成し、通電長さと抵抗値の関係を、フィルム張力50Nにて測定した。結果を図6に示す。なお、図6の横軸の「幅方向位置」とは、図8中の「幅方向位置」に対応する。
上記ロール状電極を用いた連続電解めっき装置にてフレキシブル回路基材用途の銅めっき膜付きポリイミドフィルムを製造すると、擦過キズが100%発生し、うち約10%は製品として不良品と判定される程度の悪いキズであった。
[図4、図6、図9のまとめ]
・ 図4、図9:押し圧力と抵抗値の関係
(a)比較例1の給電方法においては、8.5μmめっき膜に対して抵抗値は120mΩであった。これに対して実施例1〜3においては図4に示す結果となった。比較例1(従来技術)並の給電能力を得るために抵抗値を比較例1の抵抗値(120mΩ)以下とするには、実施例1〜3いずれも2N/mm以上の押し圧を付与すればよいことがわかる。
(b)比較例1の給電方法においては、0.1μmスパッタ膜に対して抵抗値は200mΩであった。これに対して実施例1〜3においては図9に示す結果となった。比較例1(従来技術)並の給電能力を得るために抵抗値を比較例1の抵抗値(200mΩ)以下とするには、実施例1〜3いずれも2N/mm以上の押し圧を付与すればよいことがわかる。
(c)押し圧の増加に対する抵抗値の低減傾向について、実施例1よりも実施例2,3の方が顕著な傾向にある。これは受け側回転体にゴムを用いているため、押し圧により変形して給電電極へのフィルム導電面の接触面積が著しく増加したためと考えられる。
(d)実施例2と3との違いは、受け側回転体の接触幅が、実施例2に対して実施例3の方が大きく、接触面積が実施例3の方が大きいため抵抗値が低くなったものと考えられる。給電電極エッジにおいてフィルムに折れジワが発生する場合があるが、この部分は最終的に切り捨てられ、製品とはならないため問題ないことが多い。ただし、折れジワの発生は、搬送中のトラブルの原因となることがあり、また、最終的に切り捨てられる場合に取りしろが大きくなるため製品の幅が狭くなるので、そのおそれを回避したいときは、抵抗値の問題がない限り、実施例2の形態の方が好ましい。なお、折れジワが発生しにくい場合や、折れジワが発生しても搬送中のトラブルの原因とならないような場合には、実施例3の形態の方が好ましい。
・ 図6:フィルム幅方向位置と抵抗値の関係
(a)比較例は幅方向全面に電極が接触して給電しているが、実施例1〜3においては端部のみに接触して給電するため幅方向給電ムラが懸念されるので検証を行った。
(b)比較例では図6に示すとおり60mΩ〜120mΩの範囲の抵抗値が得られており、最大値と最小値を比較するとおよそ倍ほどの違いが見られた。バラツキが大きいことに関してはフィルム導電面の面内抵抗バラツキの影響を受けていると思われる。一方、実施例1〜3の抵抗値はそれぞれ以下に示すとおりである。すなわち、実施例1の抵抗値は60〜90mΩの範囲、実施例2の抵抗値は25〜40mΩの範囲、実施例3の抵抗値は10〜20mΩの範囲、と比較例に比べて抵抗値のバラツキがほぼ同等であり、幅方向給電ムラは従来技術と遜色ないレベルを確保したと言える。
本発明は、銅めっき被膜付きフィルムの製造に限らず、その他金属の電解めっき装置、樹脂フィルム以外の基材を用いた電解めっき装置などにも応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
本実施形態によるウェブの連続電解めっき装置の一例の概略平面図である。 給電部の一例の電極近傍を拡大した概略斜視図である。 給電電極の一例の構造を示した概略断面図である。 給電電極の一例の構造を示した概略断面図である。 押し圧と接触抵抗の関係の一例を示したグラフである。 給電電極とフィルム導電面との接触抵抗測定方法を示す概念図である。 押し圧と接触抵抗との関係を示したグラフである。 通電長さを変えたときの抵抗値を測定した測定方法を示す概念図である。 通電長さと抵抗値との関係を示すグラフである。 比較例で用いたロール状電極とフィルム導電面との接触抵抗測定方法を示す概念図である。 比較例で用いたロール状電極において通電長さを変えたときの抵抗値を測定した測定方法を示す概念図である。 押し圧と接触抵抗との関係を示したグラフである。
符号の説明
11 導電膜付きフィルム
111 プラスチックフィルム
112 導電膜
12 巻き出し部
13 前処理洗浄部
14 給電部
141 給電電極
142 受け側回転体
143 押し圧付与手段
144 給電端子
145 弾性体
146 導電性薄肉円筒導電層
147 電極
1401 ベアリングケース
1402 ブラケット
1403 スライドガイド
1404 ベアリング
15 めっき処理槽
151 陽極
152 シールユニット
16 めっき処理部
17 後処理部
18 巻き取り部
31 直流電源
32 電圧計

Claims (17)

  1. 表面に導電性を付与したウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき方法であって、前記ウェブの幅方向片側端部または両側端部に前記ウェブを対向するように少なくとも2つの回転体により前記ウェブを挟持し、前記回転体のうち少なくとも1つを給電電極として用いて、前記ウェブに対して給電を施し、前記電極を前記ウェブの幅方向端部から0.5mm以上20mm以下の領域のみに幅方向接触幅1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をもって圧接し、前記回転体を前記ウェブの搬送速度と略同速で回転させることを特徴とする電解めっき方法。
  2. 前記電極として前記めっき処理槽外に配設されたもののみを用い、前記めっき処理槽の搬送方向上流および/または下流でのみ前記ウェブのめっき対象部位において給電することを特徴とする請求項1に記載の電解めっき方法。
  3. 前記ウェブの幅方向が鉛直方向に沿うように向けて長手方向に搬送することを特徴とする請求項1または2に記載の電解めっき方法。
  4. 前記給電電極とともにウェブを挟持する受け側回転体として、該受け側回転体の表層部に弾性体を有するものを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電解めっき方法。
  5. 前記給電電極として、表層部に導電層を備え、該導電層の内側に弾性体層を有するものを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電解めっき方法。
  6. 前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より1mm以上15mm以下だけ広いことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電解めっき方法。
  7. 前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より狭いことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電解めっき方法。
  8. 前記給電電極が前記導電面に接触する接触面積が下記数式を満たすよう接触圧を付与することを特徴とする請求項のいずれかに記載の電解めっき方法。
    Figure 0005214898
    A:給電電極と前記導電面との接触面積[mm
    I:給電電極への投入電流値[A]
    R:給電電極と前記導電面との接触抵抗値[Ω]
    t:給電電極と前記導電面との接触部分の前記導電面の導電層厚み[mm]
    Q:限界熱量係数[W/mm]=5.5×10
  9. 少なくとも一方の表面に導電面を有するウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき装置であって、前記導電面の幅方向片側端部のみに圧接可能なようにウェブを挟んで対向して配設された少なくとも2つの回転体を有し、前記2つの回転体の間に接触長さ1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をかけられる押し圧付与手段を有し、前記2つの回転体のうち少なくとも1つが給電電極を構成するものであり、前記回転体が前記ウェブの搬送速度と略同速で回転可能であることを特徴とするウェブの連続電解めっき装置。
  10. 前記電極が前記めっき処理槽外にのみ配設されたことを特徴とする請求項に記載のウェブの連続電解めっき装置。
  11. ウェブの幅方向が鉛直方向に沿うように向けて長手方向に搬送する搬送手段を有し、前記給電電極が前記ウェブの上端部のみに圧接するよう配設されたことを特徴とする請求項または10に記載のウェブの連続電解めっき装置。
  12. 少なくとも一方の表面に導電面を有するウェブを連続的に搬送しながらめっき処理槽内で電解めっきを施す電解めっき装置であって、前記導電面の幅方向両側端部のみに圧接可能なようにウェブを挟んで対向して配設された少なくとも2つの回転体を有し、前記2つの回転体の間に接触長さ1mmあたり2N以上100N以下の接触圧をかけられる押し圧付与手段を有し、前記2つの回転体のうち少なくとも1つが給電電極を構成するものであり、前記回転体が前記ウェブの搬送速度と略同速で回転可能であることを特徴とするウェブの連続電解めっき装置。
  13. 前記給電電極とともにウェブを挟持する受け側回転体が、該受け側回転体の最表層に弾性体を有することを特徴とする請求項12のいずれかに記載のウェブの連続電解めっき装置。
  14. 前記給電電極は、表層部に導電層を備え、該導電層の内側に弾性体層を有することを特徴とする請求項13のいずれかに記載のウェブの連続電解めっき装置。
  15. 前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より1mm以上15mm以下だけ広いことを特徴とする請求項14のいずれかに記載のウェブの連続電解めっき装置。
  16. 前記受け側回転体のウェブとの幅方向接触幅が、前記給電電極のウェブとの幅方向接触幅より狭いことを特徴とする請求項14のいずれかに記載のウェブの連続電解めっき装置。
  17. 前記ウェブとしてプラスチックフィルムを用い、製造工程の少なくとも一部に請求項1〜のいずれかに記載の給電方法または請求項16のいずれかに記載の連続電解めっき装置を用いることを特徴とするめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法。
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