JP2011037214A - 金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法 - Google Patents

金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子回路のファインピッチ化対応にしうるピンホールが極めて少なく、かつ高耐折性で、寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】リール・ツー・リール方式により、ポリイミドフィルム表面に、ニッケル−クロム合金層と銅層とからなる下地金属層を乾式めっき法により設け、その上に銅めっき層を設けるに際して、ポリイミドフィルム表面にニッケル−クロム合金層が設けられた後、下地金属層が形成されたポリイミドフィルムがロールに巻き取られるまでの間の搬送を、搬送装置と接触する部分がポリイミドフィルム面のみとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法に関する。さらに詳しくは、電子回路のファインピッチ化対応にしうる、ピンホール個数が極めて少なく、かつ高耐折性で、寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法に関する。
金属被覆ポリイミドフィルムは、液晶画面に画像を表示するための駆動用ICチップを実装用基板として汎用されている。近年、液晶画面表示用駆動用ICチップを実装する手法として、COF(Chip on Film)が注目されている。
COFは、従来の実装法の主流であったTCP(Tape Carrier Package)に比べて、配線のファインピッチ化が可能であるとともに、実装する駆動用ICチップの小型化が可能であること、及び実装コストを低下させることが容易であるという特徴がある。
COFの一般的な製造方法としては、高耐熱性かつ高絶縁性樹脂であるポリイミドフィルム表面に金属被膜を設けた金属被覆ポリイミドフィルムを基板として使用し、その基板上の金属被膜をフォトリソグラフィー技法によってファインパターニングして配線を形成した後、配線の所望の箇所を、例えば、スズめっきし、その後、所望の箇所をソルダーレジストで被覆する方法がとられる。
ファインピッチ実装が行われるCOF用の金属被覆ポリイミドフィルムとしては、接着剤層を用いず、ポリイミドフィルム表面上に直接、金属被膜を設けたものが主流となっている。このような金属被覆ポリイミドフィルは、例えば、ポリイミドフィルムの表面をプラズマ処理した後、ニッケル−クロム合金をスパッタリング法により厚さ70〜500Åとなるように付着させてスパッタ層を設け、次いでその上に銅をめっき法により付着させ、その後、電解銅厚付けめっきを行うことにより得られている(特許文献1 第2頁参照)。
上記スパッタリング法によりスパッタ層を設ける場合には、例えば、リール・ツー・リール方式で連続的にポリイミドフィルムを搬送し、真空中でスパッタリンクして行われる。例えば、内部に巻き取り・巻き出し機により駆動され、長尺のフィルムを巻き取り、巻き出しすることができる第1および第2のロール取着軸を備えた真空槽と、該真空槽に取着された、フィルム上に成膜するスパッタユニットとを具備し、一方のロール取着軸にセットされたロールからフィルムを巻き出し、前記真空槽の前記スパッタユニットと対面する領域を通して搬送して、他方のロール取着軸でロールに巻き取り、フィルムを搬送しつつその上に連続的に成膜するようにした連続スパッタ装置を用いる(特許文献2 特開2006−336029号公報 第2頁参照)。
最近の液晶表示画面の高精細化、液晶駆動用ICチップの小型化等の急速な進展にともない、前記金属被覆ポリイミドフィルムを用いて作成されるCOFに対しても、配線の高密度化、すなわちファインピッチ化が強く求められている。しかしながら、上記のような従来の方法で得られた金属被覆ポリイミドフィルムを用いてファインピッチのCOFを製造しようとすると、金属被覆ポリイミドフィルムの金属層に存在するピンホールにより欠けた部分を有する配線が多くなり、製品収率を高くできないこと、及び得られる配線の耐折性が低く、微細回路部で配線が剥離してしまうことがあり、ファインピッチのCOF用としては、満足できない状態にあった。
ピンホールの発生原因に関しては、スパッタ層の材質そのものに求めるもの(特許文献3 参照)、電気銅めっき被膜との密着性改善のためにスパッタ層に施された活性化処理に求めるもの(特許文献4 参照)等があるが、こうした各種の対策を採った結果、ある程度のピンホールは減少させることができるようになったものの、ファインピッチのCOF製造用としては未だ十分なものとなっていない。
ピンホールの発生原因を、複数の被膜をフィルムに設ける際に、フィルムが成膜装置間を大気にさらされた状態で移動する際に付着した異物として捉え、2つの表面処理手段が回転軸に固定された複数の表面処理手段を備え、フィルム処理位置に対向する表面処理手段を変えることにより、同時に複数の表面処理を実施することができる複合真空表面処理装置が提案されている(特許文献5 第1頁参照)。この装置を用いれば、処理途中のフィルムが大気中に曝されることがなくなるので、形成される薄膜におけるピンホールの発生や密着性の低下などの欠陥をなくすことができるとしている。しかしながら、上記装置を用いて表面処理したポリイミドフィルムに湿式めっき法により銅層を8μmの厚さに形成した銅被覆ポリイミドフィルムが実施例に示されているが、ピンホールおよび密着力の改善についての具体的な記載がなく、効果については不明である。
また、金属層ではなく、半導体層を堆積した帯状部材についてではあるが、表面に発生する凸凹の発生原因を、帯状部材を搬送する際に、帯状部材と搬送用のステアリングローラとの間に混入した異物と捉え、帯状部材上に半導体薄膜を順次積層した後これを巻き取る工程で、帯状部材とステアリングローラとの物理的接触が生じないように、両者の間にアイ紙をはさみ込むことにより凸凹の発生を防止する方法が提案されている(特許文献6第3、6頁参照)。そして、この方法に従えば欠陥の少ない半導体薄膜を大量に歩留よく作成できるとしている。
しかしながら、このようにアイ紙により帯状部材とステアリングローラとの接触を排除するを金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法に適用しようとすると、アイ紙をはさみ込むための機構が必要となり装置が複雑化するばかりか、アイ紙そのものから異物が発生して銅層に欠陥を生じさせる可能性がある。さらに、アイ紙として特殊なものを用いた場合にはコストアップとなってしまうという問題もある。
したがって、金属被覆ポリイミドフィルムのピンホール数を減少させうる方法は未だ提供されていない。
ところで、従来、COFは5〜12μmの厚さの銅層を有する金属被覆ポリイミドフィルムを用いて、サブトラクティブ法によって配線を形成して得られていた。しかし、近時要求される線幅25μm以下のファインピッチのCOFを製造するには、1.0〜3.0μmの厚さの銅層を有する金属被覆ポリイミドフィルムを用いて、セミアディティブ法によって配線を形成することが一般的になりつつある。
このように銅層の厚さが従来のものより薄い金属被覆ポリイミドフィルにおいても、前記したピンホールの低減と高耐折性は強く求められ、加えて、製品収率を高くするためにエッチング時、および加熱時の寸法変化率の変動が少ない、即ち寸法安定性のよいことも要求されている。
以上のように、電子回路のファインピッチ化対応に対応しうる、ピンホール個数が極めて少なく、高耐折性で、寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法が求められている。
特開2002−252257号公報 (第2頁参照) 特開2006−336029号公報 (第2頁参照) 特開2006−73766号公報 特開2006−324474号公報 特開2007−063639号公報 (第1頁参照) 特開平09−082652号公報 (第3、6頁参照)
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、電子回路のファインピッチ化対応にしうるピンホールが極めて少なく、かつ高耐折性で、寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムとその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、銅めっき層のピンホールは下地金属層のピンホールに由来することを発見し、リール・ツー・リール方式により、下地金属層を乾式めっき法で作成する場合、特定の条件で作成すると、下地金属層表面のピンホール数は極めて減少し、その結果、こうした下地金属層の上に銅めっき層を設ければ前記課題を解決できることを見いだして本発明に至った。
即ち、本発明の第1の発明によれば、
リール・ツー・リール方式により、ポリイミドフィルム表面に、ニッケル−クロム合金層と銅層とからなる下地金属層を乾式めっき法により設ける工程(a)と、次いで連続めっき装置を用いて下地金属層の上に銅めっき層を設ける工程(b)とを含む金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法であって、
工程(a)において、下地金属層が形成されたポリイミドフィルムがロールに巻き取られるまでの間、搬送装置と接触する部分をポリイミドフィルム面のみとすることにより、下地金属層の表面をライトテーブルで観察したとき、直径が10μm以上のピンホールの数が160mm角の面積において20個以下にし、かつ、工程(b)において、厚さ0.5〜3.0μmの銅めっき層を設けることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
そして、本発明の第2の発明によれば、前記第1の発明において、ポリイミドフィルムは、厚さが10〜50μmで、かつ表面が平滑であること特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
そして、本発明の第3の発明によれば、前記第1の発明において、工程(a)において、下地金属層は、ニッケル−クロム合金層および銅層の順番で形成されることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
そして、本発明の第4の発明によれば、前記第3に記載の発明において、前記ニッケル−クロム合金層の厚さは、5〜50nmであることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
そして、本発明の第5の発明によれば、前記第3または4に記載の発明において、前記ニッケル−クロム合金層は、クロムを5〜30質量%含有するニッケル−クロム合金で形成されることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、前記第3の発明において、前記銅層は、厚さが50〜500nmであることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、前記第1の発明において、工程(b)において、銅めっき層は、硫酸銅めっき浴を用いた電気銅めっき法により形成されることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、前記第7のいずれかに記載された発明において、形成された銅めっき層の内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力となるように陰極電流密度を調整することを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、前記第1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で得られる金属被覆ポリイミドフィルムであって、
銅めっき層の表面をライトテーブルで観察したとき、直径が10μm以上のピンホールの数が160mm角の面積において10個以下であり、かつ、MIT耐折性評価の折曲げ回数が2000回以上であることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムが提供される。
また、本発明の第10の発明は、前記第9に記載された発明において、さらに、エッチング寸法変化率(Method B)及び加熱寸法変化率(Method C)が、搬送方向とその直角方向において、0.03%以下であることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムが提供される。
本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、ピンホール数が極めて少なく、かつ高耐折性であるとともに寸法安定性に優れ、電子回路のファインピッチ化に対応する基板として好適である。また、その製造方法は、リール・ツー・リール方式でポリイミドフィルムを搬送しつつ、ポリイミドフィルム表面にニッケル−クロム合金層を設けた後、下地金属層が設けられたポリイミドフィルムがロールに巻かれるまでの間、搬送装置と接する面をポリイミドフィルム面のみとするものであり、簡単で、かつ工業的規模の生産に適したものであり、その工業的価値は極めて高い。
以下本発明について詳細に説明する。
1.金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法
次に本発明の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、リール・ツー・リール 方式により、乾式めっき法により、ニッケル−クロム合金層と、その上に設けられた銅層からなる下地金属層を設けられたポリイミドフィルムを得る工程(a)と、次いで連続めっき装置を用いて下地金属層に銅めっき層を設ける工程(b)とを含む金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法において、
工程(a)においては、ニッケル−クロム合金層が設けられた後は、下地金属層が設けられたポリイミドフィルムがロールに巻き取られるまでの間の搬送を、搬送装置と接触する部分がポリイミドフィルム面のみとし、
工程(b)においては、厚さ0.5〜3.0μmの銅めっき層を設け、かつ形成された銅めっき層の内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力となるようする。
工程(a)で、ニッケル−クロム合金層を設けた後のポリイミドフィルムを搬送するに際して、ポリイミドフィル面のみが搬送装置に接するようにすること、そして工程(b)において、厚さ0.5〜3.0μmの銅めっき層を設けること、および設けられた銅めっき層の内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力となるようにされていることに本発明の技術的意義がある。
すなわち、工程(a)で、ニッケル−クロム合金層を設けた後のポリイミドフィルムを搬送するに際して、ポリイミドフィルム面のみが搬送装置に接するようにするのは、直径10μm以上のピンホールは、ニッケル−クロム合金層が形成された後、下地金属層が設けられたポリイミドフィルムがロールに巻き取られる工程の中で、ニッケル−クロム合金層や銅層と搬送設備の搬送ローラやフリーローラ等とが接触し、両者の間に介在するゴミ等の異物がニッケル−クロム合金層や銅層に押しつけられることにより発生するからである。
こうして下地金属層を形成すれば、下地金属層に発生する直径10μm以上のピンホールは、160mm角の面積において20個以下とすることができる。この点が重要である。というのは、後述するように、電気銅めっき法により下地金属層に銅めっき層を設ける場合、銅めっき層の厚みの増加と共にピンホールは埋設され、ライトテーブルにより検出できるピンホールの数は減少するが、工程(b)で設ける銅層の厚さが3.0μm以下の場合、こうした効果は小さく、下地金属層に発生した直径10μm以上のピンホールはそのまま金属被覆ポリイミドフィルム表面に見られるピンホールとして残りやすいからである。
なお、本発明者らの検討結果では、ニッケル−クロム合金層や銅層を蒸着法やスパッタリング法で設ける場合、通常の条件であれば、直径10μm以上のピンホールは、ほとんど発生しない。
工程(b)において、厚さ0.5〜3.0μmの銅めっき層を設けるのは、ファインピッチ化に対応に対応した金属被覆ポリイミドフィルムとしての要件であり、かつ高耐折性を得るためである。銅めっき層の厚さが3.0μmを越えると、MIT耐折性評価の折曲げ回数が2000回未満となり、高耐折性が得られないことがある。一方、銅めっき層が0.5μm未満になると、金属被覆ポリイミドフィルムを用いて形成された配線に十分な導電性が得られない。
また、工程(b)において、形成された銅めっき層の内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力とするのは、乾燥によるポリイミドフィルムの収縮により銅めっき層の内部応力を緩和し、もってエッチング寸法変化率(及び加熱寸法変化率を、搬送方向とその直角方向において0.03%以下とし、寸法安定性を確保する。
以下、工程毎に説明する。
1)工程(a)
工程(a)は、リール・ツー・リール方式で連続的にポリイミドフィルムを搬送して、ポリイミドフィルムの表面に蒸着法又はスパッタリング法で下地金属層を形成し、ロールに巻き取る工程である。本発明では、まず、ポリイミドフィルム表面にニッケル−クロム合金層を形成する。そして、ニッケル−クロム合金層の上に銅層を形成する。
本発明に用いるポリイミドフィルムは、ファイピッチ化に対応可能なものとするために厚さ10〜50μm、好ましくは厚さ25〜38μmのものとすることが好ましい。こうした厚さのものは、一般的に工業生産され、使用されている。また、巻き取り時にポリイミドフィルムと下地金属層とが接触することを考慮すると、ピンホール発生防止の観点よりポリイミドフィルムの表面は、平滑であることが好ましい。
前記乾式めっき法としては、蒸着法やスパッタリング法等を用いるが、蒸着条件やスパッタリング条件に関しては既に提案され、報告されている各種の文献を参考とすることができる。
下地層を構成するニッケル−クロム合金層の厚さは、5〜50nmとすることが好ましい。5〜50nmとすることで、上記耐マイグレーション性の向上効果が得られる。5nm未満とすると、耐マイグレーション性が不十分となることがあり、50nmを超えるとエッチング性が低下し、COF等の配線板を作成する際に、下地金属層を十分除去できず、配線間の絶縁性を確保できない場合がある。
また、ニッケル−クロム層としては、クロムを5〜30質量%含有するニッケル合金を用いることが好ましい。クロム含有量が5質量%未満では、耐マイグレーション性が不十分となることがあり、クロム含有量が30質量%を超えるとエッチング性が低下し、COF等の配線板を作成する際に、下地金属層を十分除去できず、配線間の絶縁性を確保できない場合がある。
また、ニッケル−クロム層の上に設ける銅層の厚さは、50〜500nmとすることが好ましい。50nm未満では、工程(b)にて銅めっき層を電気銅めっき法で設ける際に十分な導電性が得られない場合があり、500nmを超えるとスパッタによる形成時間が長くなり、生産性が低下するからである。
銅層は、銅以外に、耐食性改善などの目的に応じて銅−ニッケル合金や銅−ニッケル−クロム合金などの銅合金を用いて形成することもできるが、導電性を確保するためには純銅とすることが好ましい。
工程(a)の最も肝要なところは、前記したように、リール・ツー・リール方式によって搬送されるポリイミドフィルム表面にニッケル−クロム合金層を形成し、その後、下地金属層が設けられたポリイミドフィルムをロールに巻き取るまでの間、ニッケル−クロム合金層表面や銅層表面が搬送装置に接触しないようにポリイミドフィルム面のみを搬送装置に保持して搬送することである。
こうすることにより、下地金属層に発生する直径10μm以上のピンホール数を160mm角の面積において20個以下にすることができる。
また、下地金属層を構成する銅層はその下のニッケル−クロム層と比較して硬度が低く、搬送装置と接触してピンホールが発生する可能性は高くなる。前記銅層の形成後においては銅層と搬送装置とが接触しないように保持して搬送することは特に重要となる。
下地金属層が設けられたポリイミドフィルムはロールに巻き取られる。この際、下地金属層の表面とポリイミドフィルム面とが接触することになるが、ポリイミドフィルムは柔軟なため、両者が接触しても特に問題とはならず、直径10μm以上のピンホールは発生し難い。ただし、巻き取り圧が高い(ポリイミドフィルムに掛かる張力が高い)場合には、ポリイミドの柔軟性にもかかわらず、ポリイミドフィルム表面の微細な凸部によりピンホールが発生する場合もある。したがって、用いるポリイミドフィルムの表面は平滑であることが好ましい。
下地金属層と搬送設備とを接触させずにリール・ツー・リール方式により搬送するには、前記ニッケル−クロム合金層形成後は、裏面であるポリイミドフィルム面のみを搬送ロールやフリーロールで支持して搬送すればよい。下地金属層の存在しないポリイミドフィルムの裏面側で搬送設備等と接触が生じても問題とはならないからである。
別法として、巻き出し軸および巻き取り軸の位置調整のみよってポリイミドフィルムを直線状に搬送する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、まず、直線的な搬送ラインを維持するためにポリイミドフィルムに強い張力を加えなければならず、フィルムが変形する可能性があり好ましくない。
また、ポリイミドフィルムを巻き出す軸の太さとポリイミドフィルムを巻き取る軸の太さは、時間と共に変化するため、蒸着装置やスパッタリング装置内でターゲットとポリイミドフィルムとの間隔を一定に保つための複雑な機構が必要となるのでさらに好ましくない。
2)工程(b)
工程(b)は、上記工程(a)で形成された下地金属層上に、電気銅めっき法又は無電解銅めっき法、若しくはその両者を組み合わせた方法で銅めっき層を形成する工程である。
設けられる銅めっき層は、前記したように、セミアディティブ法でファインピッチ化に対応したCOF等の配線板を作成する場合を考慮して、厚さを0.5〜3.0μmとする。また、この厚さは、高耐屈性と導電性の観点から規制されることも前述したとおりである。
ところで、銅層の厚さが3.0μm以下ということになると、以下の点に留意しなければならなくなる。
すなわち、銅層を電気銅めっき法により形成する場合、下地金属に銅が析出して銅層が形成されるが、下地金属が存在しない部分、すなわち、ピンホール部では周囲に析出した銅から、ピンポール内部方向にめっき金属が析出してピンホールを覆うという現象が起きる。このため、得られる銅層の厚さが厚いほど下地金属のピンホールは、外観から消失することになる。
しかし、銅層の厚さが3.0μm以下の場合には、下地金属層表面の微細なピンホールは析出した銅により覆われ、外観から消失するものの、直径が10μm以上のピンホールでは、析出した銅により完全に覆われて表面から消失することは少なく、金属被覆ポリイミドフィルム表面にピンホールとして残ってしまうことが多い。したがって、工程(b)ではピンホールの数を大幅に減少させることはできない。
このため、工程(b)では、工程(a)により得られた、直径10μm以上のピンホール数が160mm角の面積において20個以下の下地金属層を有するポリイミドフィルムを用い、この下地金属層の上に銅めっき層を設ける。こうすることによりライトテーブル観察により検出できる直径10μm以上のピンホールの個数を、160mm角の面積において10個以内にすることができる。
したがって、工程(a)において、直径10μm以上のピンホール数が160mm角の面積において20個以下の下地金属層を有するポリイミドフィルムを得ることは、工程(b)の大前提であり、極めて重要である。
なお、仮に、銅めっき条件を厳選して下地金属層のピンホールを表面上消失させたとしても、実態は、ピンホール内に銅が析出してピンホールを消失させているのではなく、ピンホールの上を覆うようにしてピンホールを表面から見えなくしているだけである。そのため、そのような金属被覆ポリイミドフィルムでは、銅層と下地金属層、あるいは下地金属層とポリイミドフィルムとの間の密着力が不十分となるばかりか、下地金属層のピンホールが屈曲時の剥離の起点となり、剥離しやすいので、高耐屈性の金属被覆ポリイミドフィルムにはなり得ない。
本発明では、銅めっき層の作成方法として電気めっき法又は無電解めっき法、若しくはその両者を組み合わせた方法から選択するが、生産性およびコストを考慮すると、電気めっき法によって形成することが好ましく、硫酸銅めっき浴を用いた電気めっき法がより好ましい。
この場合、用いる硫酸銅めっき浴は、特に限定されるものではなく、一般的に用いられる硫酸銅めっき浴でよい。また、めっき条件も特殊なものでなく、通常に用いられる条件でよい。
本発明の方法では、形成された銅めっき層において、その内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力となるように制御することが好ましい。この制御は、銅めっき層を電気銅めっき法により形成する場合は、用いる硫酸銅めっき浴の組成、あるいは陰極電流密度、電解液供給量等のめっき条件を選定することにより可能である。
最も簡便な方法としては、陰極電流密度の抑制がある。通常の硫酸銅めっき浴を用いることを前提とすれば、平均陰極電流密度を2.0A/dm以下とすることが好ましく、1.0A/dm以下とすることがより好ましい。平均陰極電流密度が2.0A/dmを超えると、銅の析出が不均一となり銅めっき層の内部応力の制御が困難となるからである。
ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力を有する銅めっき層は、ポリイミドフィルムが乾燥されることにより収縮し、銅めっき層の内部応力は緩和され、その結果、エッチング寸法変化率及び加熱寸法変化率を、搬送方向とその直角方向において0.03%以下の寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムとなる。
2.金属被覆ポリイミドフィルム
本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム表面に直接下地金属層が設けられ、下地金属層の上に銅めっき層が設けられた金属被覆ポリイミドフィルムである。そして、銅めっき層の厚さは0.5〜3.0μmであり、その銅めっき層の表面をライトテーブルで観察したときに、直径が10μm以上のピンホールの個数が、160mm角の面積において10個以下のものであり、MIT耐折性評価の折曲げ回数が2000回以上のものであり、加えて、エッチング寸法変化率(Method B)及び加熱寸法変化率(Method C)が、搬送方向とその直角方向において絶対値として0.03%以下のものである。
本発明において、銅めっき層の表面をライトテーブルで観察した結果、10μm以上のピンホールを160mm角の面積において10個以内としているのは、10個を越える金属被覆ポリイミドフィルムを用いてファインピッチのCOF等の配線板を作成した場合に、配線に断線が発生する可能性が増加し、ファインピッチのCOF等の配線板の収率を低下させてしまうからである。また、COF等の信頼性を確保できなくなるからである。
また、銅めっき層の厚さを0.5〜3.0μmとするのは、ファインピッチ化に対応した金属被覆ポリイミドフィルムとして要件を満たすためであり、かつ高耐折性を得るためである。銅めっき層の厚さが3.0μmを越えると、MIT耐折性評価の折曲げ回数が2000回未満となる場合があり、必ずしも高耐折性が安定的に得られないからである。一方、銅めっき層が0.5μm未満になると、金属被覆ポリイミドフィルムを用いて形成された回路で十分な導電性が得られないからである。
MIT耐折性評価の折曲げ回数を2000回以上とするのは、ファインピッチのCOF等の配線板に加工され、電子部品の屈曲分に使用され、使用時に曲げ伸ばしが繰り返されても、容易に配線が断線しないという条件を満たすためである。
さらに、エッチング寸法変化率(Method B)及び加熱寸法変化率(Method C)を、搬送方向とその直角方向において0.03%以下とするのは、この範囲を外れると、ファインピッチ対応、例えば、配線幅20〜25μmの配線パターンを有するCOF等の配線板を作成し、これにICチップを実装する際に、ICチップ表面の電極パッドと配線のリードとの接合不良が多くなる場合があるからである。この傾向は、フリップチップボンディング法によりICチップを実装する際には顕著である。
本発明に用いるポリイミドフィルムは、最終的に得る金属被覆ポリイミドフィルムをファイピッチ化に対応可能なものとするために、表面が平滑で、厚さ10〜50μmとすることが好ましく、より好ましくは厚さ25〜38μmのものとする。
前記下地金属層は、ニッケル−クロム合金層と銅層との二層構造とし、ニッケル−クロム合金層は、厚さ5〜50nmとし、クロムを5〜30質量%含有するニッケル−クロム合金にて作成することが好ましい。5nm未満では、耐マイグレーション性が十分に得られないことがあり、50nmを超えるとエッチング性が低下し、COF等の配線板を作成する際に、下地金属層を十分除去できず、配線間の絶縁性を確保できない場合があるからである。また、銅層の厚さは、50〜500nmとすることが好ましい。50nm未満では、銅めっき層を設ける際に電気銅めっき法を採用すると、十分な導電性が得られない場合があり、500nmを超えるとスパッタによる形成時間が長くなり、生産性が低下するからである。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、得られた金属被覆ポリイミドフィルムについての諸物性は、下記の測定・評価方法に従って測定、評価し、また、使用したポリイミドフィルムとしては下記のものを用いた。
1.測定・評価方法
(1)ピンホールの大きさ:透過光式のライトテーブルを用いて目視にて計測した。
なお、本発明において、ピンホールの大きさとは、ピンホールの周囲から任意の2点を測定した最大距離をいい、10μm以上のピンホールとは、この最大距離が10μm以上のものをいう。
(2)MIT耐折性評価:JPCA BM01−11.6、及びJIS C5016−8.7に準ず方法で行い、R=0.38、荷重1000g、線幅0.5mmとしてMIT耐折性試験方法に定める折れ曲げに至るまでの回数を求めた。
(3)エッチング寸法変化率(Method B)及び加熱寸法変化率(Method C):IPC−TM−650,2,2,4に定める方法に従って測定した。数値は、絶対値にて評価した。
2.ポリイミドフィルム
用いたポリイミドフィルムは、厚さ35μmのポリイミドフィルム((株)宇部興産製、UPILEX35SGA)である。
(実施例1)
以下、工程分けして説明する。
1.下地金属層の形成(工程(a))
ポリイミドフィルムを巻き出し機と巻き取り機により連続的に搬送しながら、通常の直流スパッタリング法により、厚さ23nmのニッケル−クロム合金層を形成した。ニッケル−クロム層のクロム濃度は20質量%であった。
次に、その上に、厚さ100nmの銅層を形成して下地金属層を得た。
なお、下地金属層の形成に用いた装置は、真空槽内に巻き出し機と巻き取り機およびスパッタ装置を設けたものであり、ニッケル−クロム層形成後は、ポリイミドフィルム面側のみが搬送ロールによって支持されて巻き取り機でロールに巻き取られるようにした。
下地金属層が形成されたポリイミドフィルムを透過光式のライトテーブルで観察し結果を表1に示した。
2.銅めっき層の形成(工程(b))
通常の硫酸銅めっき浴を用い、下地金属層の上に厚さ1.3μmの銅めっき層を電気銅めっきして設けた。用いた硫酸銅めっき浴は、銅濃度23g/lで、浴温を27℃とした。また、めっき槽は連続めっき槽とし、巻き出し機と巻き取り機により連続的に各槽を搬送しながら電気銅めっきを行なった。また、搬送速度は、115m/hとし、めっき槽の平均陰極電流密度を、≦1.0A/dmに調整して、めっき被膜の内部応力を、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、セル方式における被膜形成を積層することで、5〜30MPaの範囲に該当する引張り応力となるようにした。事前の試験片による測定では、めっき被膜の内部応力は、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、15MPaの引張り応力となっていた。
得られた金属被覆ポリイミドフィルムについて、10μm以上ピンホールの個数を透過光式のライトテーブルで観察して求め、MIT耐折性の評価、寸法安定性についても評価し、得られた結果を表1に示した。
(実施例2)
ポリイミドフィルムとして、厚さ35μmのポリイミドフィルム((株)カネカ製、Apical−35FP)を用いた以外は、実施例1と同様にして、金属被覆ポリイミドフィルムを得て、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
なお、めっき被膜の内部応力は、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、セル方式における被膜形成を積層することで、5〜30MPaの範囲に該当する引張り応力となるようにした。
(実施例3)
銅めっき層の厚さを0.5μmとした以外は実施例1と同様にして金属被覆ポリイミドフィルムを得て、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
なお、めっき被膜の内部応力は、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、セル方式における被膜形成を積層することで、5〜30MPaの範囲に該当する引張り応力となるようにした。
事前の試験片による測定では、めっき被膜の内部応力は、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、8MPaの引張り応力となっていた。
(実施例4)
銅めっき層の厚さを3.0μmとした以外は実施例1と同様にして金属被覆ポリイミドフィルムを得て、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
なお、事前の試験片による測定では、めっき被膜の内部応力は、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、25MPaの引張り応力となっていた。
(実施例5)
めっき槽の平均陰極電流密度を、≦2.0A/dmに調整して、めっき被膜の内部応力を30MPaの引っ張り応力とした以外は実施例1と同様にして金属被覆ポリイミドフィルムを得て、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例1〜5で得られた銅被覆ポリイミドフィルムを用いて配線間隔25μmのCOFをセミアディティブ法で作成し、配線加工収率をもとめたところ、実施例1のものを用いた場合には85%、実施例2のものを用いた場合には83%、実施例3のものを用いた場合には80%、実施例4のものを用いた場合には83%、実施例5のものを用いた場合には80%、であり、ファインピッチ対応用として満足するものであった。
(比較例1)
スパッタ装置の巻取部において、銅層形成後に下地金属層表面にロールを接触させてポリイミドフィルムを支持する機構を備えた装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、金属被覆ポリイミドフィルムを得て、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
(比較例2)
スパッタ装置の巻取部において、銅層形成後に下地金属層表面にロールを接触させてポリイミドフィルムを支持する機構を備えた装置を用いたこと、銅めっき工程においてめっき槽の平均陰極電流密度を3〜5A/dmに調整して厚さ8.5μmの銅めっき層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、金属被覆ポリイミドフィルムを得て実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示した。
(比較例3)
比較例1で得られた銅被覆ポリイミドフィルムを用いて実施例6と同様に配線加工収率をもとめたところ、61%であった。
Figure 2011037214
表1において、TD−Bとはポリイミドフィルムの搬送方向と直角方向におけるエッチング寸法変化率(Method B)であり、TD−Cとはポリイミドフィルムの搬送方向と直角方向における加熱寸法変化率(Method C)である。
表1および上記結果より、本発明に従って製造された実施例1〜5の銅被覆ポリイミドフィルム表面にはピンホールが少なく、高耐折性を有しており、エッチング時及び加熱時の寸法変動幅が少なく寸法安定性に優れていることがわかる。
一方、下地金属層の形成後に銅層の表面が非接触状態に保たれなかった比較例1では、耐折性及び寸法安定性は良好であるが、10μm以上のピンホールが多く存在し、ファインピッチ対応用の銅被覆ポリイミドフィルムは得られなかった。また、下地金属層の形成後に銅層の表面が非接触状態に保たれず、銅めっき層厚を8.5μmとした比較例2は、銅めっき層の厚さを厚くしたため、ライトテーブルで検出できる直径10μm以上のピンホール数は改善されているものの、耐折性および寸法安定性が良好な値となっていない。
本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、10μm以上のピンホール個数が、160mm角の面積において10個以下とピンホール欠陥が極めて少なく、MIT耐折性及び寸法安定性に優れた金属被覆ポリイミドフィルムである。したがって、ファインピッチのCOFやPWB、FPC、TAB等の配線板及びセミアディティブ基板へも好適に用いることができる。
また、本発明の方法は簡便であり、大量生産に適するため、産業上の価値は高い。

Claims (10)

  1. リール・ツー・リール方式により、ポリイミドフィルム表面に、ニッケル−クロム合金層と銅層とからなる下地金属層を乾式めっき法により設ける工程(a)と、次いで連続めっき装置を用いて下地金属層の上に銅めっき層を設ける工程(b)とを含む金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法であって、
    工程(a)において、下地金属層が形成されたポリイミドフィルムがロールに巻き取られるまでの間、搬送装置と接触する部分をポリイミドフィルム面のみとすることにより、下地金属層の表面をライトテーブルで観察したとき、直径が10μm以上のピンホールの数が160mm角の面積において20個以下にし、かつ、工程(b)において、厚さ0.5〜3.0μmの銅めっき層を設けることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  2. ポリイミドフィルムは、厚さが10〜50μmで、かつ表面が平滑であることを特徴とする請求項1記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 工程(a)において、下地金属層は、ニッケル−クロム合金層および銅層の順番で形成されることを特徴とする請求項1記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記ニッケル−クロム合金層の厚さは、5〜50nmであることを特徴とする請求項3記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記ニッケル−クロム合金層は、クロムを5〜30質量%含有するニッケル−クロム合金で形成されることを特徴とする請求項3または4に記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 前記銅層は、厚さが50〜500nmであることを特徴とする請求項3記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 工程(b)において、銅めっき層は、硫酸銅めっき浴を用いた電気銅めっき法により形成されることを特徴とする請求項1記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  8. 形成された銅めっき層の内部応力が、ポリイミドフィルムが乾燥される前の状態で、5〜30MPaの引張り応力となるように陰極電流密度を調整することを特徴とする請求項7記載の金属被覆ポリイミドフィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で得られる金属被覆ポリイミドフィルムであって、
    銅めっき層の表面をライトテーブルで観察したとき、直径が10μm以上のピンホールの数が160mm角の面積において10個以下であり、かつ、MIT耐折性評価の折曲げ回数が2000回以上であることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルム。
  10. さらに、エッチング寸法変化率(Method B)及び加熱寸法変化率(Method C)が、搬送方向とその直角方向において0.03%以下であることを特徴とする請求項9記載の金属被覆ポリイミドフィルム。
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