JP4116469B2 - シートの搬送方法と製造方法および装置 - Google Patents

シートの搬送方法と製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートの搬送方法とシートの製造方法および装置に関し、好適には、シートを搬送しながら、シートに対してめっき被膜を形成してめっき被膜つきシートを製造する方法に関し、特に樹脂シートに対して好適なめっき被膜つきシートの製造方法と装置に関するものである。中でも、本発明のシートの製造方法と装置は、シートにめっき被膜を形成したフレキシブル回路基板の製造に好適なものであり、シートに金属を蒸着した後、めっき被膜を形成する金属蒸着被膜/金属めっき被膜の積層シートや、シートに無電解めっきを施した後、電気めっき被膜を形成する無電解めっき/電気めっき被膜の積層シート等の製造に好適で、これらは、電子機器、部品の小型化、軽量化、低コスト化を担う接着剤レス2層フレキシブルプリント配線基板を構成でき、半導体パッケージングにおけるTAB、COF、PGA等で利用して好適なフレキシブルプリント配線用基板を提供できるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂シート等のシートを搬送しながら、シートに連続的にめっき被膜を形成する方法としては、シートの導電面または金属シートを陰極ロールに接触させ、その前または後に陽極の投入しためっき浴を配し、該めっき浴にてめっき被膜を形成する方法が知られている。この様な方法でシートに連続的にめっき被膜を形成すれば、陰極−陽極を配置したユニットを繰り返し通すことで、容易にシート上に厚膜化した所望厚みのめっき被膜を形成することが可能である(特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
近年、電子機器、電子部品および半導体パッケージ等で利用される様になってきたフレキシブル回路用基板として、ポリイミドシートあるいはポリエステルシートと銅箔とを合わせた形態の配線基板が注目されている。この基板には、シートに接着剤を介して銅箔を貼り合わせた、通称”3層型”と呼ばれるものと、シートに接着剤を介さないで金属被膜をめっき等で形成する、通称”2層型”と呼ばれるフレキシブル回路用基板がある。これらのうち、後者の2層型の方が、回路の配線ピッチの微細化の進行に伴ってより注目されている。
【0004】
これらフレキシブル回路用基板に関する現状は、以下のようになっている。3層型プリント回路用基板は、接着剤にエポキシ系樹脂あるいはアクリル系樹脂が用いられているため、それに含まれる不純物イオンにより電気特性が劣化するという欠点を有しており、また、接着剤の耐熱温度が高々100℃〜150℃であるため、ベースシート材質としてポリイミドを使用したとしても、その高耐熱性(300℃以上)十分に生かされないので、高温実装を必要とするICチップへのワイヤーボンディングなどにおいては、加熱温度のスペックダウンを余儀なくされている。また、3層型プリント回路用基板では、銅箔の一般的な膜厚が18μmあるいは35μmであるため、80μmピッチ(銅配線40μm、ギャップ40μm)以下のパターンニングを行うには銅が厚すぎてエッチング率が著しく低下し、銅箔の表面側の回路幅と接着剤面側の回路幅が著しく異なり、あるいはエッチングで全体が著しく細り、目標とする回路パターンが得られないという欠点もある。
【0005】
近年、上記のような3層型における問題点を解決するために、シート上に接着剤を介さないで各種蒸着法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法あるいは各種イオンプレーティング法などのPVD法、金属を含む薬品を気化し蒸着させるいわゆるCVD法等で、まずシートに各種金属を蒸着した後に、または無電解めっき法で各種金属をめっきした後に、電解銅めっきすることにより得られる、通称”2層型”の基板が提案されている。この2層型基板は、電解銅めっきで銅膜厚を自由に変化させることができ、例えば、8μmの銅膜厚であれば、60μmピッチの回路パターンが簡単に作成できるようになり、かつ、各種シートの耐熱温度がそのまま反映できるという特徴をもつ。
【0006】
以上の様な状況から、めっき被膜つきシートの需要が高まりつつある。しかしながら、このようにシートにめっきを施す場合、そのシートの剛性からそれ程大きな張力をかけて搬送することができず、上記のような方法に係る装置での搬送は、ある程度の制限された張力下で搬送を行う必要があり、まためっき被膜と陰極ロールの間にある程度すべりがないと、シートがグリップされ、シート幅方向の搬送張力のアンバランスにより、シートにシワが発生し、搬送状態を悪化させるばかりか、シートが折れる、いわゆる折れシワが発生したりするという問題があった。このような問題を解消するためには、ある程度の液体潤滑が必要になるが、従来は、装置構成からわかるように、シートが、めっき浴からめっき液を随伴させ、陰極ロール上に液膜を形成することにより、シートと陰極ロールの間にある程度のすべりを生じさせ、シート幅方向におけるグリップの不安定さを抑制しながら、搬送状態が悪化するのを抑制するようにしていた。しかしながら、搬送シートが銅箔の様な金属泊であれば、シートの搬送張力を大きくすることができ、かつ表面抵抗値も小さく、陰極ロールとの完全導通が得られ問題が生じなかったが(特許文献2参照。)、厚さ50μmのポリイミドシートを搬送しようとすると、シートのヤング率や強度等の関係から、シートが破断するおそれがあるとか、被膜しようとするめっき被膜に内部応力を生じさせてしまうという問題がある(特許文献1参照。)。従って、シートに大きな張力付与をすることができず、比較的低いシート張力下でバランスさせながらめっき被膜を形成する方式を採ってきた。つまり、陰極ロールとシート導電面との間に、ある程度のめっき液を含む液膜を介在させることで、陰極ロールとシートとの間に適度なすべりを生じさせ、搬送を安定化させるようにしていた。
【0007】
しかしながら、このような方法においても、めっき被膜を形成するために陰極ロールから電流を流すと、しばしば陰極ロールにめっき被膜金属成分が析出することがあり、この析出しためっき被膜金属がシートに持って行かれて、めっき浴中でこれを核にして電解集中により異常突起(凸型欠陥)となることがあった。また、陰極ロールに析出しためっき被膜金属によりシートが凹み、あるいは、導電面あるいはめっき被膜面に傷をつけ、この凹みや傷部分が最終めっき膜厚よりも薄い膜厚になることにより凹型欠陥となることがしばしばあった。さらに、析出しためっき被膜金属の形状が、シート導電面に転写され表面品位を悪化させる問題も生じた。このような異常突起(凸型)や凹み状欠陥は、回路配線を作る際のエッチング工程や、回路実装工程のICチップなどのボンディング工程において、断線などの不具合を発生させるおそれがあり、回路保証ができなくなるという問題を招く。 このような問題を引き起こす陰極ロールへのめっき被膜金属の析出を抑制する方法は未だ見つかっておらず、現状では、しばらく装置を運転した後、生産を止めて析出しためっき被膜金属を陰極ロール表面から削り取り、その後に運転を再開するようにしていた。このようなめっき被膜金属除去は、生産性を著しく低下させることになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−22473号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000−192793号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するために鋭意検討した結果、異常突起(凸型)や凹み状欠陥のない表面品位の非常に素晴らしいめっき被膜つきシートの製造できる本発明方法と装置に到達した。
【0011】
また近年、電気・電子機器のIC化及び高密度・高集積化が急速に進み、それに伴いフレキシブルプリント回路基板のパターン幅も150〜200μmピッチから80〜150μmピッチへとファインピッチ化が進み、さらに現在では30〜80μmピッチ対応が要求されているが、本発明方法は、このようなファインピッチ化への対応にも極めて有効な方法として開発したものである。
【0012】
すなわち本発明の課題は、樹脂を含むフレキシブルなシートであっても、折れシワ等を発生させずシートを破断することなく円滑に搬送できるシートの搬送方法と、異常突起や凹み欠陥の少ないめっき被膜つきシートの製造方法とそのシートの製造装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の課題は、80μm以下の超微細回路パターンを高収率で得られる2層型プリント配線基板、さらに、回路にしたときの信頼性に優れた2層型プリント配線基板を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によれば、搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて互いに独立して回転する複数の回転体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法が提供される。
【0015】
また、本発明の好ましい形態によれば、回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であり、かつ、それぞれ軸にベアリングを介して回転可能につながっているシートの搬送方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて、少なくとも一つの回転自在な球状体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法が提供される
【0016】
上記課題を解決するために、本発明によれば、少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する互いに独立して回転する複数の回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置が提供される。
【0017】
また、本発明の別の形態によれば、少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する、シート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する、回転自在な球状体である少なくとも一つの回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置が提供される
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
【0019】
また、本発明の別の形態によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
【0020】
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
【0021】
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該搬送ロール/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
【0022】
た、本発明の好ましい形態によれば、回転体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であるめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有するめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であり、かつ、それぞれ軸にベアリングを介して回転可能につながっているめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該搬送ロール/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される
また、本発明の好ましい形態によれば、球状体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であるめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有するめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であるめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法が提供される
また、本発明の好ましい形態によれば、回転体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であるめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有するめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であるめっき被膜付きシートの製造方法が提供される。 また、本発明の好ましい形態によれば、めっき被膜が銅からなるめっき被膜つきシートの製造方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、シートが、ポリイミド樹脂またはポリエステル樹脂からなるめっき被膜つきシートの製造方法が提供される。
【0023】
本発明においては、このようなめっき被膜つきシートの製造方法により製造されたシートを回路パターンを形成する回路基板に好適に使用することができる。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明によれば、導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促す互いに独立して回転する複数の回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
【0025】
また、本発明の別の形態によれば、導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する互いに独立して回転する複数の回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
【0026】
また、本発明の別の形態によれば、導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促すシート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する、シート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促す少なくとも一つの回転自在な球状体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する、少なくとも一つの回転自在な球状体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置が提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
まず、本発明のシートの搬送方法とシートの搬送装置について説明し、次に、シートの製造方法とシートの製造装置について説明する。
【0029】
本発明のシートの搬送方法は、搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて互いに独立して回転する複数の回転体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法である。
【0031】
このようなシートの幅方向の一部領域を押圧する好適な回転体としては、シートの搬送方向に回転自在な球状体やロール状物が挙げられる。回転体は一つでも二以上複数個でもよい。回転体が複数個の場合は、これらをシート幅方向に並列して配置せしめ、点状や線状にシートの一部領域を押圧することができる。回転体を、いわゆる算盤(そろばん)玉状に並列に配置することもできる。
【0032】
また、本発明において、回転体は、シート幅方向に移動可能な回転体を使用することができる。ロール状回転体、または球状体の中心に、円柱軸を通し、この円柱軸を支持体として、押圧することができる。円柱軸は、このときシート幅方向と平行に支持される。円柱軸は回転体のシート幅方向の移動を円滑にするために滑り性の良い材料が好ましい。例えば、摩擦抵抗の少ないポリテトラフルオロエチレンコーティングを施した鋼材が好ましく用いられる。さらにロール状回転体または球状体と、円柱軸の間に、2つのベアリング、すなわち円柱軸とロール状回転体または球状体をシート幅方向に摺動可能とするベアリングと、ロール状回転体または球状体を円滑に回転可能とするベアリングを介することで、搬送方向の回転とシート幅方向の移動がより円滑となり好ましい。
【0033】
図18は、上記の構成を有する参考となる例の実施様態を説明する斜視模式図である。円柱軸26は、ロール状回転体27−1、27−2、27−3、27−4、27−5の中心位置の穴部を貫通して、これら回転体を支持している。これによりロール状回転体27−1、27−2、27−3、27−4、27−5は、シート幅方向に移動可能でかつシート搬送方向に回転可能な構造となっている。これら部材を重り21c、21dとバネ材22c、22dを組み合わせて使用し、重りによって押圧力を決定し、バネ材によりダンパー機能を持たせた構造とすることで、搬送ロール28にシートを上部から押圧しながら搬送させることができる。
【0034】
また、本発明では、一方の面に導電面を有するシートに回転体を押圧し、シート導電面と回転体、あるいは該シート導電面と搬送ロールまたは/および搬送ガイドとを電気的に導通させ搬送するシートの搬送方法を、好ましい一態様として含んでいる。この導電面を有するシートに電気的に導通させ搬送することについては、次のシートの製造方法において、具体的に説明する。
【0035】
本発明のめっき被膜つきシートの製造方法の一つの態様は、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法である。
【0036】
この本発明に係る方法を、その特徴を表す装置の一例を示す図面を参照しながら説明する。図5は、本発明のめっき被膜つきシートの製造方法を実施するためのめっき装置全体の一例を示す概略縦断面模式図であり、特に本発明に係る方法の特徴を表した例を図1〜図4に示す。ここでは、回転体として、回転自在な球状体を用いて説明する。
【0037】
図5は、長尺シートをロール状態から巻き出し、めっきし、巻き取る連続式の電気めっき装置の全体を示す概略縦断面模式図である。図5において、主たる工程は、ロール状シートを巻出す巻出し部301、シートの導電面に酸処理、脱脂処理、水洗等を施す前処理部302、電気めっき部303、めっき液を除去したり、洗い流したり、防錆処理、さらにこれを洗い流す処理、さらに、乾燥などを行う後処理部304、ロール状シートに巻取る巻取り部305からなっている。なお、電気めっき被処理部で導電面が清浄な場合は、前処理を省略しても構わないし、また、必要に応じて後処理工程を省略しても構わない。
【0038】
図5において、めっき前のロール状シート306から巻き出されたシートは、アキュムレータ307を通して、またバランスロール部308を経て、張力調整された後、速度制御ロール部309で速度を実質的に一定にされて、酸、脱脂処理液311の入った酸、脱脂処理部310、水洗液313の入った水洗部312を経て、めっき槽6中にめっき液7を入れためっき浴へ入る。
【0039】
図6は、図5のめっき浴の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。図6において、陰極ロール1aにシート導電面を接触させた後、めっき浴槽の中を液中ロール101aを介して、陰極ロール1bへ接触させる。銅ボールを充填したケース102aと102bを陽極にして、陰極を陰極ロール1aと1bとして、直流電源3a−1により給電し、シートにめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板106a〜106cが設けられている。以下、陰極ロール1bと陰極ロール1cを陰極にして、ケース102cと102dを陽極となし、直流電源3b−1より給電し、シートにめっき被膜を形成させる。以下この繰り返しでめっき被膜を形成させる。
【0040】
1ユニットは図6で一点鎖線で示すユニットとし、この繰り返しとなる。電流条件はシートに対して、好ましくは0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、シートにめっき被膜を形成させる。なお、電流密度は、一つの直流電源に対して投入される電流値をめっき浴中にあるシート導電面の面積で除した値であり、例えば、図6で示すと、直流電源3a−1に投入した電流値を図中めっき液面111a〜111b間のシートの片面側の導電面の面積で除した値のことである。その後、この繰り返しで、めっき被膜を順次形成させ、トータルでシートの導電面に目的に応じ好ましくは1〜30μmの厚みのめっき被膜を形成させる。 なお、めっきの均一性を保つために、空気導入口(エアー攪拌用ノズル)330a〜330dから撹拌用エアー(フレッシュエアー)331a〜331dを導入して、めっき槽6内のめっき液7を十分に撹拌する。これは、めっき被膜部を目がけて行うのが効果的で、形成されためっき被膜の極表面付近のめっき被膜金属イオンの濃度を大きくするなどのために行なう。また、図示しないが、めっき液7は、フィルターを通して汚れを取り除き、常に循環している。
【0041】
次いで、図5に示すように、シート張力を検出できる張力検出ロール325を介して、めっき液7を除去するための水洗液315が入った水洗部314、めっき膜を保護する防錆処理液317の入った防錆処理部316を経て、過剰な防錆処理液を除去する水洗液319が入った水洗部318を経て、水分を除去する乾燥炉をもつ乾燥工程部320を経て、速度調整部321を経て、バランスロール部322を経て、張力調整された後、アキュムレータ323を通して、めっき膜付きロール状シート324とする。このようにしてめっき被膜つきシートが得られる。
【0042】
搬送張力制御は、張力検出ロール325を用いて搬送張力を検出し、この張力値が一定になるように速度調整部321によって速度を増減させるフィードバック制御を行うと良い。図5における速度制御は、陰極ロール1a、1bが駆動ロールになっており、速度制御部309で基本速度を設定して、これに対して陰極ロール1a、1bとの間でドロー比設定が可能となっており、徐々にドロー比設定が高くなるように設定させ、速度制御部321部で最終的な速度が制御させるしくみになっている。この様な構成であると、めっき槽6上の陰極ロール1a、1b上のシートの最大搬送張力は張力検出ロール325部で最も高くなるので、この値に基づいて制御するのがより好ましい。
【0043】
図2に本発明の参考となる例である、めっき装置の陰極ロール部の斜視模式図を示す。また、図1は、図13における矢印20の方向から見た、めっき装置の陰極ロール部を拡大した縦断面の模式図である。図1において、シート4はシート導電面5を陰極ロール1側に接触させながら、右方向に回転し、めっき液7が入っためっき槽6へと搬送される。ここで液膜を介在させた接触も含めて接触という表現をするものとする。なお、陰極ロール1は、図示しないが、モータに接続されており回転駆動力をもっている。シート導電面5と陰極ロール1との間には、液膜8が介在されている。この陰極ロール1上のシート4の上部から回転自在な球状体9がシート4を押圧することでシート導電面5と陰極ロール1の電気的な接触を完全なものとする構造となる。球状体9は、支持体10に支えられ、自在な回転を保持されている。また、支持体10の上部には、シート4と陰極ロール1の接触力を付与する重り11が係合されている。図1において、陽極2と陰極ロール1に、直流電源3から給電し、シートにめっき被膜を形成させる。
【0044】
図2において、この一例の場合は、押圧するための球状体9が5つあり、それぞれ9−1、9−2、9−3、9−4、9−5であり、これらを支える支持体10−1、10−2、10−3、10−4、10−5と、これら各々に対して重り11−1、11−2、11−3、11−4、11−5がそれぞれ係合されている。また、これら重りは、各々に対して支持体12(12−1、12−2、12−3、12−4、12−5)に係合され、円柱状支持体13(13−1、13−2、13−3、13−4、13−5)に係合され、これらを支える支持体14(14−1、14−2、14−3、14−4、14−5)に係合され、これらはさらに支持体15に係合されている構造となっている。
【0045】
本発明では、上記の参考例に示されるような複数個の自由自在な球状体に略均等な押圧力を与える手段をシートのシート幅の10%以内の両端部に適用することができる。このようにすることで、各々が、略均一に荷重が調整されて球状体9から押圧荷重としてシートを押す力として作用することになる。このように複数の球状の押圧体で押圧荷重を分散させることで、より小さい押圧力でシートの幅方向に均一に、押圧給電させることが可能となる。幅方向に押圧点が数点あることで、シート幅方向1点に搬送張力のムラを生じさせることなく、よりシート搬送の動きに合わせてその搬送性を妨げず、円滑な搬送が行えるようになる。このような状態において、シート導電面5と陰極ロール1の電気的な接触が促されるため、その接触抵抗が小さくなり、より効率的に電流をめっき膜に投入することが可能となる。すなわち、従来の図6における直流電源3にかかる投入電圧を同じにして、より大きな電流を投入できることになる。
【0046】
このようにして、シート導電面5と陰極ロール1の接触抵抗が大きい場合、投入電流を大きくした場合、この接触部分で発熱しシートが溶断したり、燃えたりすることがあったが、これら現象を抑制できる。
【0047】
図2において、上記の陰極ロール1はシート搬送方向に回転する、シート4のための搬送ロールを兼ねているが、本発明においては、当該搬送ロールに代えて、または当該搬送ロールと共に、同形状のあるいは板状等の回転しない搬送ガイドを用いることができる。
【0048】
また、球状体9の押圧力で、シート導電面5と陰極ロール1の接触が1箇所でも点で完全に接触しているため、液膜8のみを介する接触でないために、陰極ロール1上にめっき被膜金属の析出が発生しなく、陰極ロール1を汚すことがない。なお、陰極ロール1上でめっき被膜金属が析出する理由は、陰極ロール1とシート導電面5の間に、シート4が随伴しためっき液7によりめっき液7を介在させ、めっき回路が生まれ、この間でめっき現象により陰極ロール上にめっき被膜金属が析出する現象と考えることができる。
【0049】
このように陰極ロールにめっき被膜金属が析出しないので、析出金属がシートにもっていかれて核となり、めっき浴中でこれに電界集中して大きな突起状欠陥が発生することが抑制させる。また、外観品位を悪化させる粒状欠点、キズ、模様がめっき被膜膜面に発生するのが抑制される。
【0050】
さらに、球状体9は回転自在であるため、シート搬送が蛇行や斜行していても、その動きを妨げることなく回転するので、シートにシワを発生させることなく搬送可能となる。
【0051】
次に、図3と図4を用いて球状体を円滑に回転使用する本発明の一例について説明する。図3は、本発明における一例の押圧球状体とその保持体の概略図であり、図4は、図3の縦断面の一例を示す概略図(縦断面図)である。
【0052】
図3に示すように、球状体9は支持体10に支持されており、この支持体10にはネジが切ってあり、荷重用重りと係合させやすくなっている。また、図4に示すように、球状体9と支持体10の間には、これらの摩擦を極小さくするための球状部材群16よりなっており球状体9の円滑な自在回転を機能させるしくみになっている。これらは、例えば、株式会社井口機工製作所の”ボールベアー”(商品名)を好ましく用いることができる。通常これらのベアリング部材はその摩耗性を重視するためSUJ2やS45Cなどの焼き入れ部材やSUS420J2を用いることが多いが、めっき用の場合には、その耐食性のためこれらの部品をSUS316に置き換えることが好ましい。SUJ2やS45C、SUS420J2部材を用いたものを使用した場合、銅めっき用めっき液に浸食させると約1時間で部材もメッキ液も黄色や黒色に変色することが観測される。従って、これらめっき等薬液、例えば硫酸や塩酸を使用する場合には、これら部材をすべてSUS316に置き換えることで解決することができる。
【0053】
さらに、めっき被膜つきシートを傷つけないようにするため、球状体9は樹脂製にすることが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリプロピレン等が好ましく用いられる。
【0054】
これは、今までのように陰極ロールとシート導電面の接触をいかに完全にするかを追い求めるあまり、搬送張力を必要以上に大きくすることを従来行ってきたが、搬送張力を高め過ぎることによってシートの破断やシワを発生させたり、めっき被膜の内部歪みを大きくすることにつながった。また、上からニップロールを用いて、その接触を促すことを行うことは容易に考えられるが、ニップロールでは、シート搬送の蛇行や斜行に対してニップ部でその動きを止めてしまうため、結局、シートにシワや折れシワを発生させたり、シートに弛みを生じさせたりして、シート搬送が正常に行われなくなってしまう。
【0055】
しかしながら、本発明のように回転自在の球状体9でシート4陰極ロール1への押圧力を与れば、シート搬送に悪影響を及ぼすことなくシート導電面5と陰極ロール1の電気的な接触を促すことが可能となる。また、必要以上に搬送張力を大きくする必要が無く、シート破断も発生しなくなり、また内部歪みの少ない良質なシートへのめっき被膜の形成が可能となる。
【0056】
シート4の押圧力は、シート4にシワを発生させない重り11を球状体9に与えれば良いが、好ましい荷重としては、一つあたり30g以上2kg以下が良い。一つあたりの荷重が30g未満であると、押圧力が少なく液膜を潰して完全に接触させるだけの力がなく液膜を介した接触になってしまうことがある。このことは、直流電源の投入する電流を一定にして電圧を監視すると電圧が下がり始める点として捕らえることができる。また、荷重が2kgより大きくなると、液膜を退けて押圧し、ころがりの摩擦力により、押圧部の搬送張力が乱れるため、シートにシワ状の筋が入り好ましくない。一つあたりのより好ましい荷重は、30g以上200g以下である。
【0057】
回転自在な球状体9は、球状体9が一つであるとその荷重が集中するので二つ以上でその力を分散させると、よりシートの搬送シワに対して有利となる。従って、多数個(複数個)の球状体を用いることが好ましい。多数個にすることで1個あたりの荷重が小さくても直流電源が一定電流のとき、電圧を下げることが可能となり好ましい態様である。
【0058】
シートの製品部に直接球状体9を接触させると傷を発生させるおそれがあるため、シートの製品部を避けるように、シートが回転自在な球状体9と接する部分は、シート幅の10%以内の両端部とする。例えば、図13に示すようにシート幅は500mmであり、両端部25mmまでの位置で、球状体9−1、9−5により押圧力を与えた場合、シート蛇行量が全幅500mmの10%範囲内であってもシートから外れることなく押圧できかつ仮に、球状体9−1、9−5によりキズが発生したとしても生産性を10%以内に留めることができ非常に有効である。
【0059】
また、本発明の別の実施形態として本発明は、一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法である。
【0060】
この発明に係る方法を、その特徴を表す装置の一例を示す図面を示しながら説明する。ここでも、回転体として回転自在な球状体を用いた例で説明する。
図7は、本発明におけるめっき装置の他の一例の概略断面模式図であり、前述の図5における陰極ロール1(1a、1b、1c・・・)を、それぞれ搬送ロール19(19a、19b、19c・・・)に変え、陽極の位置を変更したこと以外は、図5とまったく同じ装置の概略図である。従って、めっき被膜つき基板を製造するための工程は、図5の説明と同様である。
【0061】
また、図8は、図7のめっき浴の一部を拡大して示した概略断面模式図である。図8において、搬送ロール19aにシート導電面と反対面を接触させ、搬送ロール19aの上部から導電面に回転自在な球状体9aを押しつける構造となっている。同様に搬送ロール19bに対して球状体9b、搬送ロール19cに対して9cが対応している。シートは搬送ロール19aからめっき浴槽の中を通過し液中ロール101aを介して搬送ロール19bへと搬送される。シート導電面に接触している球状体9aと9bを陰極として、銅ボールを充填したケース103aと103bを陽極にして、直流電源3a−2により給電し、シートにめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板107a〜107bが設けられている。以下、球状体9bと球状体9cを陰極にして、銅ボールを充填したケース103cと103dを陽極となし、直流電源3b−2により給電し、シートにめっき被膜を形成させる。以下、この繰り返しでめっき被膜を形成させる。
【0062】
1ユニットは、図8の一点鎖線で示すユニットとし、この繰り返しとなる。電流条件はシートに対して、好ましくは0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、シートにめっき被膜を形成させる。その後、この繰り返しで、めっき被膜を順次形成させ、トータルでシートの導電面に目的に応じ好ましくは1〜30μmの厚みのめっき被膜を形成させる。
【0063】
以下、図7の説明は、シートの導電面と反対面が搬送ロールに接し、球状体9を陰極とすること以外は、陰極ロールに接する図5の説明と同様であり、同様の効果が得られる。
【0064】
また、本発明の別の実施形態として本発明は、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シートの幅方向の一部領域のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促すことを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法である。
【0065】
この発明に係るシート導電面は、両面に有していることを特徴とするシートである。すなわち、シートとして金属を含む導電性シートである場合や、シートの両面に金属蒸着膜などの導電性膜を有する場合がこの例である。ただし、誘電体や絶縁性のシートを基体として、その両面に導電膜がある場合は、図15に示す様にシート4の両表面だけでなく、シートの端部にも導電膜(シートの導電面5)を有することが重要である。このようにすることで片側から陰極給電しても、シート4反対側にも導通することができる。
【0066】
この発明に係る方法を、その特徴を表す装置の一例を示す図面を示しながら説明する。ここでも、回転体として回転自在な球状体を用いた例で説明する。
図9は、本発明におけるめっき装置の他の一例の概略断面模式図であり、図5のシート上側搬送側に、陽極を追加したこと以外は、図5とまったく同じ装置の概略図である。従って、めっき被膜つき基板を製造するための工程は、図5の説明と同様である。
【0067】
図10は、図9のめっき浴の一部を拡大して示した概略断面模式図である。図10において、陰極ロール1aにシート導電面を接触させた後、めっき浴槽の中を液中ロール101aを介して、陰極ロール1bへ接触させる。銅ボールを充填したケース102aと102bを陽極にして、陰極を陰極ロール101aと102bとして、直流電源3a−1により給電し、シートにめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板106a〜106cが設けられている。また、陰極ロール1aと接している面と反対側の面は、図15におけるシートの導電面5の端部を通じて電気的に導通しているので、陰極ロール1aを陰極とすることができる。従って、銅ボールを充填したケース103aと103bを陽極にして、直流電源3a−2により給電し、概ね陰極ロールと反対側の導電面にめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板107a〜107bが設けられている。以下、陰極ロール1bと陰極ロール1cを陰極にして、ケース102cと102dを陽極となし、直流電源3b−1から給電し、概ね陰極ロールに接している導電面側にめっき被膜を形成させ、また、球状体9bと球状体9cを陰極にして、ケース103cと103dを陽極となし、直流電源3b−2により給電し、概ね陰極ロールと反対側の導電面にめっき被膜を形成させる。以下この繰り返しでめっき被膜を形成させる。
【0068】
1ユニットは、図10の一点鎖線で示すユニットとし、この繰り返しとなる。電流条件はシートに対して、好ましくは0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、シートにめっき被膜を形成させる。その後、この繰り返しで、めっき被膜を順次形成させ、トータルでシートの導電面の片側ごとに目的に応じ好ましくは1〜30μmの厚みのめっき被膜を形成させる。
【0069】
以下、図9の説明は、シート導電面がシートの両面にあり、陰極ロールに接する反対側の導電面にめっき被膜を形成すること以外は、陰極ロールに接する図5の説明と同様である。ここでも図1〜図2の場合と同様に、陰極ロールとシート導電面の接触を球状体9によって完全なものにすることで、前記に説明した効果と同様な効果が得られることになる。
【0070】
また、本発明の別の実施形態として本発明は、両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法である。
【0071】
この発明に係るシート導電面は、両面に有していることを特徴とするシートである。すなわち、シートとして金属を含む導電性シートである場合や、シートの両面に金属蒸着膜などの導電性膜を有する場合がこの例である。ただし、誘電体や絶縁性のシートを基体として、その両面に導電膜がある場合は、図15に示す様にシート4の両表面だけでなく、シートの端部にも導電膜(シートの導電面5)を有することが重要である。このようにすることで片側から陰極給電しても、シートの反対側にも導通することができる。
【0072】
この発明に係る方法を、その特徴を表す装置の一例を示す図面を示しながら説明する。ここでも、回転体として回転自在な球状体を用いた例で説明する。
図11は、本発明におけるめっき装置の他の一例の概略断面模式図であり、図5における陰極ロール1(1a、1b、1c・・・)を搬送ロール19(19a、19b、19c・・・)に変え、シート上側搬送側に、陽極を追加した以外はまったく同じ装置の概略図である。従って、めっき被膜つき基板を製造するための工程は、図5の説明と同様である。
【0073】
図12は、図11のめっき浴の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。図12において、搬送ロール19aによってシートを搬送させ、搬送ロールの上部から搬送ロールと反対側の導電面に回転自在な球状体9aを押しつける構造となっている。同様に、搬送ロール19bに対して球状体9b、搬送ロール19cに対して9cが対応している。シートは搬送ロール19aからめっき浴槽の中を通過し液中ロール101aを介して搬送ロール19bへと搬送される。シート導電面に接触している球状体9aと9bを陰極として、銅ボールを充填したケース103aと103bを陽極にして、直流電源3a−2により給電し、シートにめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板107a〜107bが設けられている。また、搬送ロール19aと接している面は、図15におけるシートの導電面5の端部を通じて電気的に導通しているので、球状体19aを陰極とすることができる。従って、銅ボールを充填したケース102aと102bを陽極にして、直流電源3a−1により給電し、概ね搬送ロール側の導電面にめっき被膜を形成させる。めっき浴中には、各陽極に対して遮蔽板106a〜106cが設けられている。
【0074】
以下同様に、球状体9bと球状体9cを陰極にして、銅ボールを充填したケース103cと103dを陽極となし、直流電源3b−2により給電し、概ね搬送ロールと反対側のシート導電面にめっき被膜を形成させ、また球状体9bと球状体cを陰極にして、銅ボールを充填したケース102cと102dを陽極となし、直流電源3b−1より給電し、概ね搬送ロールに接している導電面側にめっき被膜を形成させ、また、球状体9bと球状体9cを陰極にして、銅ボールを充填したケース103cと103dを陽極となし、直流電源3b−2により給電し、概ね球状体9と接する導電面にめっき被膜を形成させる。以下この繰り返しでめっき被膜を形成させる。
【0075】
1ユニットは、図12の一点鎖線で示すユニットとし、この繰り返しとなる。電流条件はシートに対して、好ましくは0.2〜10A/dm2の電流密度となるようにして、シートにめっき被膜を形成させる。その後、この繰り返しで、めっき被膜を順次形成させ、トータルでシートの導電面の片側ごとに目的に応じ好ましくは1〜30μmの厚みのめっき被膜を形成させる。
【0076】
以下、図11の説明は、シートの導電面が両側にあり、搬送ロールに接する反対側の導電面にめっき被膜を形成すること以外は、陰極ロールに接する図5の説明と同様である。図12に示すように、シート導電面と球状体陰極9との接触を完全なものにすることで、前記に説明した効果と同様な効果が得られることになる。
【0077】
本発明のこれらのめっき被膜付シートの製造方法においては、球状体等の回転体は、既述のように、シート搬送方向に回転自在であり、そして、シート幅方向に移動可能に構成することができる。
【0078】
このようなめっき被膜付きシートを構成するシートの材質としては、ステンレス材料や、銅箔、ニッケル鋼板、亜鉛鋼板など金属材料、また、樹脂系材料としては、ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂が好ましく用いられる。電子回路材料等で使用される銅つきシートを形成する場合には、汎用的なポリエステル樹脂が好ましく用いられ、回路IC等の実装でのハンダ耐熱性の関係でポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0079】
本発明で好ましく用いられる基材のプラスチック(樹脂)シートの材質を具体的に例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート)などのポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラジン酸、ポリオキサジアゾールおよびこれらのハロゲン基あるいはメチル基置換体などが挙げられる。また、これらの共重合体や、他の有機重合体を含有するのものであっても良い。これらのプラスチックに、公知の添加剤、例えば、滑剤や可塑剤などが添加されていても良い。
【0080】
本発明で用いられるシートは、上記プラスチックを溶融押出して得られる未延伸シートを、一軸もしくは二軸方向に延伸配向して機械特性を向上せしめたシートが特に好ましく使用される。
【0081】
上記プラスチックの中、下記化1に示すような繰り返し単位を85モル%以上含むポリマーを溶融押出して得られる未延伸シートを、二軸方向に延伸配向して機械特性を向上せしめたシートが特に好ましく使用される。
【0082】
【化1】
Figure 0004116469
【0083】
また、下記化2に示すような繰り返し単位を50モル%以上含むポリマーからなり、湿式あるいは乾式製膜したシート、あるいは該シートを二軸延伸または/および熱処理せしめたシートも好ましく使用される。
【0084】
【化2】
Figure 0004116469
【0085】
フレキシブル回路用の場合、基材であるプラスチックシートの厚さは、好ましくは6〜125μm程度のものが多用され、特に12〜50μmの厚さのものが好適に用いられる。
【0086】
本発明で得られるめっき被膜を形成したシートは、フレキシブル回路基板の製造に好適であり、特に、電子機器、部品の小型化、軽量化、低コスト化を担う接着剤レス2層フレキシブルプリント配線基板を構成することができ、半導体パッケージングにおけるTAB、COFあるいはPGA等で利用して好適なフレキシブルプリント配線用基板として好適である。
【0087】
【実施例】
以下、本発明の実施例について一例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各特性値は、次の方法に従って測定したものである。
【0088】
(1)プラスチックシートの表面張力
JIS K6766−1977(ポリエチレン及びポリプロピレンの濡れ試験方法)に準じ、表面張力56dyne/cm以下についてはホルムアミド/エチレングリコールモノエチルエーテル混合溶液を標準液として、表面張力を求めた。また、表面張力57〜73dyne/cmの範囲は、水(72.8dyne/cm)/エチレングリコール(47.7dyne/cm)の混合液を標準液として、表面張力を求めた。
【0089】
(2)接触角
協和界面科学(株)製”FACE接触角計”を用い、液滴法によって求めた。
【0090】
(3)スパッタ膜の膜厚
小坂研究所製の触針式表面粗さ計(”ET−10”(商品名))を用いて、評価した。なお、試料はスパッタ膜形成前に溶剤で除去可能なインクを一部分に塗布しておいてスパッタ膜を形成し、次いで成膜後にインク塗布部分を除去して測定した。
【0091】
(4)めっき膜の膜厚
めっき被膜の一部分をエッチング液により除去し、キーエンス(株)製のレーザ顕微鏡(”VF−7510”(商品名))を用いて、その段差を測定して求めた。
【0092】
(5)導電率
株式会社コス製の導電率メーターCEH−12を用いて測定した。測定方式は、交流2電極方式で、測定範囲は0〜199mS/cmセンサーである。
【0093】
(6)搬送張力
搬送陰極ロールの両側にロードセルの方式のセンサーを取付け測定した。センサーは、ミネベア(株)製の”C2G1−25K”型を用いた。測定範囲は0〜250Nの測定が可能なスペックである。ロール重さとシート搬送の抱き角から厳密に張力値を換算して校正したものの値を張力値とした。
【0094】
参考例1]
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
【0095】
(1)導電面つきシートの製作
減圧装置の中で、ロール状に巻き取ったシートを巻出しながら、その後シートを巻取ロール状にする装置で、次のようにプラズマ処理、ニッケル−クロム層成膜、銅層成膜を行った。厚さ25μm、幅520mm、長さ12500mのポリイミドシート”カプトン”1(米国デュポン社の登録商標)のロール状体を用意した。上記ポリイミドシートの片面に、2m/分の速度でアルゴンガスのグロー放電プラズマ処理を実施した。グロー放電プラズマ処理は高電圧を印加した棒状の電極に対して2cmの距離でポリイミドシートを搬送し、かつ接地電極となっている電極対をもつ内部電極方式のプラズマ装置を使用した。アルゴンガス圧力は2.5Pa、1次出力電圧2kV、高周波電源周波数110kHzの条件でポリイミドシートを2m/分で処理を行い、グロー放電プラズマ層を形成した。なお、処理されたポリイミドシートの表面張力は、70dyne/cm以上で、接触角は43度であった。次いで、アルゴンガス圧2.6×10-2Paにて、クロム20%、ニッケル80%のターゲットを用いて30nmのニッケルクロム層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。その後、純度99.99%の銅を、ターゲットを用いて100nmの銅層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。上記ポリイミドシートは、スパッタ膜形成のための条件出しやリード部分を除いて、12000mのスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを製造した。
【0096】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜付きポリイミドシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきポリイミドシートを4本準備し、そのうち1本を、次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図5に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図6において、一点鎖線のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、シートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は、陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mであった。シートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表2に示したとおりである。シート張力設定は、図5に示すS字ラップ309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。シート張力は、陰極ロール325部でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が単位幅あたりの張力として160N/mになるように321部の駆動モータの速度でフィードバック制御した。搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。搬送され、めっきされたポリイミドシートは、片側端部10mmづつを切り取り、500mmの幅でロール状に巻き上げた。
【0097】
陰極ロール16本上すべてに図2に示すような回転自在な球状体5個を押圧できる装置を用いてシートを押圧しながらシートを搬送させた。1個あたり200gになるように調整して押圧した。回転自在な球状体は、図3、図4に示す構造の(株)井口機工製作所製”ボールベアーIK−16NM(特型)”を利用した。球状体の材質は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で、寸法は、公称直径16mmのもを利用した。また、図4に示す球状体を保持しかつ球状体の回転性を良くする内側の球状体(図中16)は耐めっき液特性の良いSUS316製とした。図2に示す装置は、円柱状の支持体13によって支持体12が支えられており、回転自在な球状体9とそれを支える支持体10を合わせて支持体13を支点に釣り合うように設計したので、1個あたりの荷重は、単純に荷重用重りの重さで設定できるようにした。従って重り11として200gの重りを取り付けた。このときの設定電流に対して、図2の押圧装置を取り付ける前と後での直流電源の電圧表示値は表3に示すとおりとなった。この結果から電圧は約30%低減することを確認した。図の押圧装置を取り付け適用する前には、陰極ロール上で銅が析出していたが、この装置を取り付けることにより、陰極ロールに銅析出が無くなった。
【0098】
また、図2の押圧装置を取り付けて運転したときの搬送状態を図16に示す。図16に示すように、ポリイミドシートの搬送が基準位置から蛇行、斜行していたが、これらの動きを妨げることなく、押圧給電できたので、ポリイミドシートにシワや折れシワが発生することなく良好な巻姿のロール状シートを得た。その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きシートを得た。異常な突起や凹みの個数は、表4に示す結果となった。
(3)回路パターンの形成
得られた銅付きポリイミドシートに感光性液体レジストをコーティングし、30μmピッチ、すなわち、銅導体線幅15μm、導体線間15μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を300倍の実態顕微鏡で観察し、カケ(5μm以上のカケは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする。)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表5に示す。これにより96%収率の回路パターンが得られた。
[実施例
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
【0099】
(1)導電面つきシートの製作
減圧装置の中で、ロール状に巻き取ったシートを巻出しながら、その後シートを巻取ロール状にする装置で、次のようにプラズマ処理、ニッケル−クロム層成膜、銅層成膜を行った。厚さ25μm、幅520mm、長さ12500mのポリイミドシート”カプトン”1(米国デュポン社の登録商標)のロール状体を用意した。上記ポリイミドシートの片面に、2m/分の速度でアルゴンガスのグロー放電プラズマ処理を実施した。グロー放電プラズマ処理は高電圧を印加した棒状の電極に対して2cmの距離でポリイミドシートを搬送し、かつ接地電極となっている電極対をもつ内部電極方式のプラズマ装置を使用した。アルゴンガス圧力は2.5Pa、1次出力電圧2kV、高周波電源周波数110kHzの条件でポリイミドシートを2m/分で処理を行い、グロー放電プラズマ層を形成した。なお、処理されたポリイミドシートの表面張力は、70dyne/cm以上で、接触角は43度であった。次いで、アルゴンガス圧2.6×10 −2 Paにて、クロム20%、ニッケル80%のターゲットを用いて30nmのニッケルクロム層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。その後、純度99.99%の銅を、ターゲットを用いて100nmの銅層をDCマグネトロンスパッタ法を適用して形成した。上記ポリイミドシートは、スパッタ膜形成のための条件出しやリード部分を除いて、12000mのスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを製造した。
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜付きポリイミドシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきシートを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図7および図8に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図8において、一点鎖線のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。搬送ロールには、直径210mm、長さ800mm、中実のポリプロピレンロールを用いた。この上から図14に示す様に、係合部材17から配線部材18を係合し直流電源3へつなぐものとする。ここで、回転自在な球状体は、図3、図4に示す構造の(株)井口機工製作所製”ボールベアーIK−16NM(特型)”を利用した。球状体の材質は、耐めっき液特性の良いSUS316製で、寸法は、公称直径16mmのもを利用した。また、図4に示す球状体を保持しかつ球状体の回転性を良くする内側の球状体(図中16)は耐めっき液特性の良いSUS316製とした。1個あたり200gになるように調整して押圧した。直流電源3の陽極はめっき浴の陽極に繋がっている。これらの配線図は図8に示すとおりである。搬送ロール19aから液中ロール101aを介して搬送ロール19bまで、ポリイミドシートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は、陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mであった。シートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、搬送ロール部での給電は、液中ロールとのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表6に示すとおりである。搬送速度は、1m/分、搬送ロール19a〜19qまでの搬送ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。搬送され、めっきされたシートは、片側端部10mmづつを切り取り、500mmの幅でロール状に巻き上げた。その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きポリイミドシートを得た。異常な突起や凹みの個数は、表4に示す結果となった。
【0100】
(3)回路パターンの形成
得られた銅付きポリイミドシートに感光性液体レジストをコーティングし、30μmピッチ、すなわち、銅導体線幅15μm、導体線間15μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を300倍の実態顕微鏡で観察しカケ(5μm以上のカケは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする、)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表5に示す。これにより94%収率の回路パターンが得られた。
【0101】
[実施例
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
【0102】
(1)導電面つきシートの製作
実施例1と全く同様のスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを作成した。その後、実施例1と全く同じ方法で、ポリイミドシート面を反対にして処理を行い、両面スパッタ膜つきシートを作成した。このとき、スパッタ工程を工夫して、図15に示す様にシート端部側面にも銅膜が形成されるようにした。
【0103】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜付きポリイミドシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきシートを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図11および図12に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜をシートの両側に8μm形成した。図12において、一点鎖線のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。搬送ロールには、直径210mm、長さ800mm、中実のポリプロピレンロールを用いた。この上から図14に示す様に、係合部材17から配線部材18を係合し直流電源3cへつなぐものとする。ここで、回転自在な球状体は、図3、図4に示す構造の(株)井口機工製作所製”ボールベアーIK−16NM(特型)”を利用した。球状体の材質は、耐めっき液特性の良いSUS316製で、寸法は、公称直径16mmのもを利用した。また、図4に示す球状体を保持しかつ球状体の回転性を良くする内側の球状体(図中16)は耐めっき液特性の良いSUS316製とした。1個あたり200gになるように調整して押圧した。直流電源3cの陽極はめっき浴の陽極に繋がっている。これらの配線図は図12に示す通りである。搬送ロール19aから液中ロール101aを介して搬送ロール19bまで、シートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mであった。ポリイミドシートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、搬送ロール部での給電は、液中ロールとのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表7に示すとおりである。搬送速度は1m/分、搬送ロール19a〜19qまでの搬送ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。搬送され、めっきされたポリイミドシートは、片側端部10mmづつを切り取り、500mmの幅でロール状に巻き上げた。その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きシートを得た。異常な突起や凹みの個数は、表4に示す結果となった。
【0104】
(3)回路パターンの形成
得られた銅付きポリイミドシートに感光性液体レジストをコーティングし、30μmピッチ、すなわち、銅導体線幅15μm、導体線間15μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を300倍の実態顕微鏡で観察しカケ(5μm以上のカケは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする、)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表5に示す。これにより94%および96%収率の回路パターンが得られた。
【0105】
参考例2
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
【0106】
(1)導電面つきシートの製作
実施例1と全く同様のスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを作成した。
【0107】
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜付きシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきシートを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図5に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図6において、一点鎖線のユニットを12ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。12番目の直流電源まで給電めっきさせ、その後の陰極ロール部をバイパスさせ、張力検出ロール325へとパスさせた。陰極ロールには、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、シートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は48mであった。ポリイミドシートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第12ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表8に示すとおりである。シート張力設定は、図5に示すS字ラップ309によって適度に張力をカットし、その後、順次ロールの回転速度にドローをかける方式で張力を設定した。張力は陰極ロール325部でロードセルによって自動で圧力検出を行い、張力が単位幅あたりの張力として160N/mになるように321部の駆動モータの速度でフィードバック制御した。搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1lまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。
【0108】
搬送され、めっきされたシートは、片側端部10mmづつを切り取り、500mmの幅でロール状に巻き上げた。陰極ロール12本上すべてに図2に示すような回転自在な球状体5個を押圧できる装置を用いてシートを押圧しながらシートを搬送させた。1個あたり50gになるように調整して押圧した。ここで、回転自在な球状体は、図3、図4に示す構造の(株)フリーベアコーポレーション製の”フリーベアS−6H”を利用した。球状体の材質は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で、寸法は、公称直径19.05mmのもを利用した。また、図4に示す球状体を保持しかつ球状体の回転性を良くする内側の球状体(図中16)は耐めっき液特性の良いSUS316製とした。図2に示す装置は、円柱状の支持体13によって支持体12が支えられており、回転自在な球状体9とそれを支える支持体10を合わせて支持体13を支点に釣り合うように設計したので、1個あたりの荷重は、単純に荷重用重りの重さで設定できるようにした。従って重り11として50gの重りを取り付けた。
【0109】
このときの設定電流に対して、直流電源の電圧表示値は表8に示すとおりとなった。この結果から電圧を低く設定できたので、フィルム導電膜と陰極ロール部で発熱することを抑制でき、12個のユニットでトータルの電流値2000Aを実現できめっき膜厚8μmを形成できた。従って、装置の長さを短くでき、より小型の装置で目標のめっき膜厚が得られる結果となった。めっき槽部の装置長さで約75%の長さにすることが可能となったと考えることができる。また、陰極ロール上には銅の析出は見られなかった。その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、めっき表面の異常な突起や凹みが少なく表面品位の優れた銅付きシートを得た。異常な突起や凹みの個数は、表4に示す結果となった。
(3)回路パターンの形成
得られた銅付きポリイミドシートに感光性液体レジストをコーティングし、45μmピッチ、すなわち、銅導体線幅25μm、導体線間20μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を300倍の実態顕微鏡で観察し、カケ(5μm以上のカケは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする。)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表5に示す。これにより100%収率の回路パターンが得られた。
【0110】
[比較例1]
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
【0111】
(1)導電面つきシートの製作
実施例1と全く同様のスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを作成した。 (2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきポリイミドシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきシートを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図5および図6に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図6において、一点鎖線のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。陰極ロールには、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、シートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mであった。ポリイミドシートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表2に示すとおりである。搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。搬送され、めっきされたポリイミドシートは、片側端部10mmづつを切り取り、500mmの幅でロール状に巻き上げた。
【0112】
その結果、陰極ロール表面には、搬送前半部の陰極ロールはうっすらと銅系色になり、第6番目の陰極ロールから第14番目の陰極ロールには、銅の析出が発生し、陰極ロールが銅系色になった。初めは、搬送状況は安定して搬送できていたが、銅の析出したロールになってから徐々に搬送が不安になり、陰極ロール上でシートがグリップされ、張りと撓みが発生し、液中の撹拌エアーのあおりを受けてシートが蛇行し始め、陰極ロール上でシワが発生し、また、銅付きシートの剛性が大きいために折れシワの発生もあった。このときの直流電源にかかる電圧は、搬送の不安定さに関係して上下していたが、平均すると表3のとおりであった。その後、検査で、めっき銅表面を観察したところ、シワのない場所で、シート搬送方向に点々と長径60μm、高さ20μm大の以上突起がたくさん発生していた。異常な突起や凹みの個数は、表4に示す結果となった。
【0113】
(3)回路パターンの形成
得られた銅付きポリイミドシートに感光性液体レジストとコーティングし、60μmピッチ、すなわち、銅導体線幅30μm、導体線間30μmの回路パターン1024本のマスクを使い紫外線露光と現像を行い、塩化第二鉄エッチング液で回路パターンを形成した。その回路パターン50枚を300倍の実態顕微鏡で観察しカケ(5μm以上のカケは不合格で、それが1024本中に1本以上あればその回路パターンを不合格とする、)および断線によるパターンの良否を判定した結果を表5に示す。収率4%でほとんど正常な回路パターンは得られなかった。
【0114】
[比較例2]
銅付きシートをフレキシブル回路基板に応用した例を示す。
(1)導電面つきシートの製作
実施例1と全く同様のスパッタ膜(導電面)付きポリイミドシートを作成した。
(2)めっき被膜の形成
上記(1)で得られたロール状のスパッタ膜つきポリイミドシート12000mを、3000mのロール状体に4分割して、520mm×3000mのロール状体の導電膜つきシートを4本準備し、そのうち1本を次に示すめっき装置に通してめっき被膜を形成した。めっき装置として、図5および図6に示す装置を用いて、陽極に銅を用いて、銅のめっき被膜を8μm形成した。図6において、一点鎖線のユニットを16ユニットとするめっき回路およびめっき装置を構成した。陰極ロールは、直径210mm、長さ800mm、肉厚10mmのSUS316の円管を用いてこれに給電するものとした。陰極ロール1aから液中ロール101aを介して陰極ロール1bまで、シートをパスさせたときのシートパス長は4mの装置を用いた。なおパス長は陰極ロールの頂点から頂点までをいう。従って、めっき部の全パス長は64mであった。ポリイミドシートの前処理条件、めっき条件、防錆処理条件は、表1に示す条件で行った。なお、銅めっきは、陰極ロールと液中ロールのパスの繰り返し数が進むつれて徐々に電流密度が上昇するように設定した。第1から第16ユニットの直流電源毎の電流設定条件は、表2に示すとおりである。搬送速度は1m/分、陰極ロール1a〜1qまでの陰極ロールのモータ駆動設定に段階的にドロー比率設定を行い順次速度を上げ、張力を徐々に上げる方式とした。
【0115】
図17に示す様な直径100mm、長さ800mm、肉厚5mmのSUS316の円管にシリコンゴム厚さ5mmを巻き付けた構造のニップロール23を使用して、前半の第1番目の陰極ロールから第8番目の陰極ロールまでを、陰極ロール上のニップロールでシートを押圧しながら搬送させた。押圧は、重り21a、21bとバネ材22a、22bを組み合わせて使用し、重りによって押圧力を決定し、バネ材によりダンパー機能を持たせた。本実施例では、21a、21bにそれぞれ、500gの荷重を与えた。その結果、第1番目から第8番目まで陰極ロール表面には、銅が析出しなかったものの、ニップされたシートは、ニップ面からシワが発生しほとんど製品として利用できるものにはならなかった。初めは、少し搬送できていたが、徐々に弛みとシワの発生を繰り返した。図17には、フィルムの搬送模式図としてシワの様子を表した。24が折れシワで25がシワを表す。シワを無くそうと押圧力を減らすため重り21を無くしたりバネ材22の材質を変えたりしたが、シワを無くすことが難しかった。
【0116】
以上、表4と表5に示した特性であった。から明らかなように、本発明の製造方法で作成したフレキシブル回路基板は、ファインピッチにも対応した非常に優れた外観品位をもつ銅付きシート
【0117】
【表1】
Figure 0004116469
【0118】
【表2】
Figure 0004116469
【0119】
【表3】
Figure 0004116469
【0120】
【表4】
Figure 0004116469
【0121】
【表5】
Figure 0004116469
【0122】
【表6】
Figure 0004116469
【0123】
【表7】
Figure 0004116469
【0124】
【表8】
Figure 0004116469
【0125】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂を含むフレキシブルなシートであっても、折れシワ等を発生させずシートを破断することなく円滑に搬送することができる。
【0126】
また、本発明によれば、表面品位の優れためっき被膜を形成することができる。特に、フレキシブル回路基板用の銅付きシートにおいて、非常に優れた品質の製品を提供することができる。銅表面に突起や凹み欠点が非常に少ないために、回路ピッチとしてのファインピッチ化に有効であり、特に30μm以下のピッチに対応することができる。
【0127】
また、本発明よれば、生産工程のめっき工程においてトラブルを防止し、特に陰極ロール部に発生するめっき被膜の異常析出を抑制することができる。さらに、シートの搬送に自由度を持たすことができ、良好な搬送状態を維持することが可能となる。
【0128】
また、シート導電面と陰極ロールの接触抵抗を小さくできるためより効率よく電流をめっき給電できるので、特にめっき被膜として銅が有効であり、フレキシブル回路基板に採用されるめっき型2層品の製造時に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一例のめっき装置の陰極ロール部を拡大した概略断面図である。
【図2】本発明の参考となる例である、めっき装置の陰極ロール部の斜視模式図である。
【図3】本発明における一例の押圧球状体とその保持体の概略図である。
【図4】図3の縦断面の一例を示す概略図である。
【図5】本発明におけるめっき装置の一例を示す概略縦断面模式図である。
【図6】図5のめっき浴の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。
【図7】本発明におけるめっき装置の一例の概略断面模式図である。
【図8】図7の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。
【図9】本発明におけるめっき装置の一例の概略断面模式図である。
【図10】図9の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。
【図11】本発明におけるめっき装置の一例の概略断面模式図である。
【図12】図11の一部を拡大した図で、給電方法の一例を示す概略図である。
【図13】本発明における一例のめっき装置の陰極ロール部の斜視模式図である。
【図14】本発明における一例のめっき装置の陰極ロール部の斜視模式図である。
【図15】本発明における両面導電面を有するシートの一例を示す断面図である。
【図16】本発明における参考例1の搬送シートの位置を示す図である。
【図17】本発明における比較例を示す模式図である。
【図18】本発明の参考となる例のシートの搬送方法を例示し説明するための斜視模式図である

Claims (37)

  1. 搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて互いに独立して回転する複数の回転体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法。
  2. 回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であり、かつ、それぞれ軸にベアリングを介して回転可能につながっていることを特徴とする請求項1記載のシートの搬送方法。
  3. 搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて、少なくとも一つの回転自在な球状体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法。
  4. 搬送ロールまたは/および搬送ガイドを用いて少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送する方法において、該搬送ロールまたは/および該搬送ガイド上のシートのシート幅の10%以内の両端部のみにおいて、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該シートに押圧し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするシートの搬送方法。
  5. 少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する互いに独立して回転する複数の回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置。
  6. 少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する、シート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置。
  7. 少なくとも一方の面に導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送する該シートのシート幅の10%以内の両端部のみを押圧する、回転自在な球状体である少なくとも一つの回転体と、該導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするシート搬送装置。
  8. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  9. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  10. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  11. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、互いに独立して回転する複数の回転体を該搬送ロール/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  12. 回転体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であることを特徴とする請求項11のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  13. 複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有することを特徴とする請求項12のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  14. 回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であり、かつ、それぞれ軸にベアリングを介して回転可能につながっていることを特徴とする請求項13のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  15. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  16. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該搬送ロール/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  17. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  18. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、少なくとも一つの回転自在な球状体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  19. 球状体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であることを特徴とする請求項1518のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  20. 複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有することを特徴とする請求項1519のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  21. 回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であることを特徴とする請求項1520のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  22. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面を陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該陰極ロールまたは/および陰極ガイド上で該シート幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  23. 一方の面に導電面を有するシートを搬送しながら、シート導電面と反対面を搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にて該シート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  24. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを陰極ロールまたは/および陰極ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該陰極ロール上で該シートの幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧させ、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シート導電面の接触を促し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該陰極ロールまたは/および該陰極ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電しながら搬送することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  25. 両面に導電面を有するシートを搬送しながら、該シートを搬送ロールまたは/および搬送ガイドに接触させ、その前または後に配置されためっき浴にてシート導電面にめっき被膜を形成するめっき被膜付きシートの製造方法であって、シートの搬送方向に回転自在であり、かつ、シート幅方向に移動可能である少なくとも一つの回転体を該搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で該シート導電面の幅方向のシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触し、該シート導電面と該回転体、あるいは該シート導電面と該搬送ロールまたは/および該搬送ガイドとを電気的に導通させ該導電面に給電することを特徴とするめっき被膜付きシートの製造方法。
  26. 回転体をシートに押圧する荷重が、1個あたり30g以上2kg未満であることを特徴とする請求項2225のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  27. 複数個の回転自在な回転体に略均等な押圧力を与える手段を有することを特徴とする請求項2226のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  28. 回転体が、シート幅方向に並列した少なくとも2つの回転体であることを特徴とする請求項2227のいずれかに記載のめっき被膜付きシートの製造方法。
  29. めっき被膜が銅からなることを特徴とする請求項28のいずれかに記載のめっき被膜つきシートの製造方法。
  30. シートが、ポリイミド樹脂またはポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項29のいずれかに記載のめっき被膜つきシートの製造方法。
  31. 請求項30のいずれかに記載のめっき被膜つきシートの製造方法により製造したシートに回路パターンを形成してなる回路基板。
  32. 導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促す互いに独立して回転する複数の回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
  33. 導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する互いに独立して回転する複数の回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
  34. 導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促すシート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
  35. 導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する、シート幅方向に移動可能に構成されている少なくとも一つの回転体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
  36. 導電面を有するシートを搬送させるためのシート搬送手段と導電面と接触して導電面を有するシートを搬送する陰極ロールまたは/および陰極ガイドと、該陰極ロールまたは/および陰極ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該陰極ロール上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触して該陰極ロールまたは/および陰極ガイドと該シートの導電面の接触を促す少なくとも一つの回転自在な球状体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
  37. 導電面を有するシートを搬送するためのシート搬送手段とシート搬送ロールまたは/および搬送ガイドと、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイドの前または後に配置された該シートの導電面にめっき被膜を形成するためのめっき手段と、該シート搬送ロールまたは/および搬送ガイド上で、搬送される該シートのシート幅の10%以内の両端部のみに押圧接触させ給電する、少なくとも一つの回転自在な球状体と、前記導電面を有するシートの導電面に、電気的に導通させる手段からなることを特徴とするめっき被膜付シートの製造装置。
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