JP5213366B2 - フォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置 - Google Patents
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Film Transistor]、以下、TFTと呼ぶ)により構成されている。このTFTは、製造過程においてガラス基板上に形成したアモルファスシリコンをポリシリコンに改質する工程が必要である。
速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、
前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、
前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、該レーザスポットの改質対象物表面からの反射光を基に、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の外部制御量を補正値として合焦点するように前記フォーカス手段を制御する制御手段とを備えることを第1の特徴とする。
前記制御手段が、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の歪み値を補正値として合焦点するようにフォーカス手段を制御することを第6の特徴とする。
前記光学系は、レーザ光を出射するレーザ光源1と、該出射されてコリメートレンズにより平行光に変換されたレーザ光を透過し、改質対象物18から反射されたレーザ光を90°方向に変換して反射するビームスプリッタ19と、該ビームスプリッタ19を透過したレーザ光を集光してレーザスポット17を形成する対物レンズ20と、該対物レンズ20を改質対象物18の面に対して垂直方向(光軸方向)に可動する圧電素子2と、前記改質対象物18から反射したレーザ光を集光する凸レンズ18Aと、該凸レンズ18Aにより集光したレーザ光を電気信号に変換してフォーカス誤差信号を出力するフォーカスディテクタ3とから構成される。
前記XY移動系は、改質対象物18を搭載するテーブル80と、該テーブル80をXY方向に移動するXYテーブル駆動手段15と、改質対象物18に対するレーザスポット位置をテーブル80の位置として検出するXYリニアスケール16とから構成される。
前記フォーカスフィードバック制御系は、前記光学系のフォーカスディテクタ3から出力されるフォーカス誤差信号の振幅を増幅するAMP4と、この制御系の安定化を図るための位相補償回路6と、該位相補償回路6からの出力に後述する外部制御量を加算して出力する加算器9と、該加算器9からの出力を基に前記光学系の圧電素子2を駆動するドライバー8と、この制御系ループを開閉するためのアナログスイッチ7とから構成される。
前記フィードフォワード制御系は、前記AMP4によって増幅されたフォーカス誤差信号4Aをデジタルデータに変換するA/D変換器5と、前記圧電素子2を駆動するドライバー8のドライブ信号8Aをデジタルデータに変換するA/D変換器12と、後述する外部制御量を格納するメモリ14と、該メモリ14に格納したデータに基づき外部制御量を算出するマイクロプロセッサ13と、該マイクロプロセッサ13が算出した外部制御量をアナログデータに変換するD/A変換器11と、該D/A変換器11により変換した外部制御量を前記加算器9に足し込むアナログスイッチ10とから構成されている。また、前記マイクロプロセッサ13は、前記アナログスイッチ7及び10のON/OFFの操作機能と、デジタルデータを時系列的にテーブル化しメモリ14に格納する機能を持つ。
<原理説明>
一般に改質対象となる平面形状の改質対象物は、平面をXY方向の2次元として表したとき、該XY2次元全面にわたって該XY方向と直交するZ方向の「歪み」が数um〜数百um程度生じている。
また平面形状の改質対象物にオートフォーカス制御を行わずレーザスポットを走査した場合、フォーカス誤差信号が前記改質対象物表面の「歪み」に相当し、この改質対象物表面のXY座標点における歪み量はフォーカス誤差信号よって検出することができる。前述「歪み」には改質対象物の厚み斑も含まれる。
[改質全体動作]
次に本実施形態の対象となる改質対象物18を前述したレーザ照射装置を用いて改質する全体動作を図2を参照して説明する。
図2は、円板状の改質対象物18の改質動作をレーザ光入射側から見た図であって、レーザスポット24の長手方向を図中のX軸と平行になるように配置した状態において、前述のXY系を駆動することにより改質対象物18に対してレーザスポット24を相対的に走査した状態を示している。
次いでレーザスポットの合焦点とフォーカス誤差信号との関係を図3を参照して説明する。図3は、レーザスポットの合焦点状態を改質対象物の側面から見たときの合焦点状態に応じたフォーカス誤差信号を説明するためのものであって、図中の左側は改質対象物面30に対物レンズ20にて集光されたスポット29が合焦点している状態を示し、中央は焦点が下方(光軸方向の下方)に寸法Ziだけずれている状態を示している。
次に改質対象物18表面の「歪み」に対するフォーカス誤差信号の遷移を図4以降を参照して説明する。図4は、改質対象物の改質面の「歪み」に対するフォーカス誤差信号データの遷移を説明するための図であり、横軸がレーザスポットの送り方向のX方向を示し、縦軸がフォーカス誤差信号データのレベルを示す。
次に対物レンズ20を上下移動する圧電素子2に印加するフォーカスドライブ信号を図5を参照して説明する。この図5は、改質対象物の任意Yi位置でのX方向の断面の「歪み」を符号36として表し、フォーカス制御を掛けながら対物レンズ20にて集光した集光レーザスポット29を改質対象物の歪み36上に追従させX方向に矢印45の如く移動させたとき、対物レンズドライブ信号48も改質対象物の歪みと一致した形状になることを表している。尚、図中の符号42及び43は改質対象物の縁を示す。
次に改質動作中のフォーカス誤差信号とドライブ信号の関係を図6を参照して説明する。尚、図中、符号36は任意Xiにおける改質対象物の断面形状の「歪み」を表し、符号51A、51Bは改質対象物の両縁であり、改質対象物は、Y方向もX方向と同様、改質対象物の改質面は数um〜数百um程度、Z方向に歪んでいるものとする。
この図6は、改質対象物の改質動作中において、対物レンズによって集光したレーザスポット29を改質対象物18上に位置付けるオートフォーカス制御を行いながら、レーザスポット29を改質対象物18上を矢印53方向に高速走査する動作を表している。
本実施形態によるレーザ照射装置は、このオートフォーカス制御の来歴を記録しながらの改質処理を改質対象物全面に渡り行うことにより、改質対象物全面の座標点毎の外部制御量(Xi、Yi、Zi、Di)を取得し、マイクロプロセッサ13によりメモリ14に記録・蓄積する。
本実施形態によるレーザ照射装置は、前記検出した被改質物の歪みを外部制御量としてフォーカス制御系に加算するものであって、この外部制御量の加算を図10を参照して説明する。
[非加算制御]
この図10は、改質対象物の縁における外部制御量の加算を説明するための図であって、図2に示した改質動作を、横軸をY方向とした任意位置Xiにおける断面の一例を示している。まず、外部制御量の加算がない場合のオートフォーカス制御は、図10中段に示す如く、改質対象物18の外側より対物レンズ20により集光された集光レーザスポットが位置42から高速移動して改質対象物の縁41に差し掛かり、縁41からの反射光を捉えてフォーカス誤差信号を得るのと同時にオートフォーカス制御を掛ける(フィードバックループONするため図1に示すアナログスイッチ7を閉じる)。ここで、集光レーザスポットは、改質対象物18上の縁41に達したときに所望の線速度(走査速度)に十分達していることが必要である。
次に本実施形態による外部制御量を加算した場合について詳しく説明する。本実施形態においては、図10下段に示す如く、対物レンズ20が改質動作前の改質対象物18上の外側にある状態において、フォーカスドライブ信号に所望のドライブ信号48Aを加算しておく。この所望のドライブ信号48Aは、集光レーザスポットの位置42と改質対象物上39との高さずれZiをゼロにする値(キャンセル)が望ましいが、過去の走査にて使用した過渡時間経過後のドライブ信号レベル51としても良い。
次いで、前述した改質動作や各制御信号を前提とした本実施形態によるレーザ照射装置の動作を説明する。図8改質前の改質対象物の縁を走査する状態を説明するための図、図9は改質動作時の動作を説明するための図、図7は本実施形態によるレーザ照射装置の動作フローチャートである。
本実施形態によるレーザ照射装置は、図7に示す如く、改質対象物18の縁に改質対象物18を改質しない程度の微弱なレーザスポットを照射して「歪み」を走査するステップS02と、該ステップS02により走査した縁の複数位置の「歪み」を基に生成した外部制御量であるデータ(Xi,Yi,Zi)及び(Xi,Yi,Di)をメモリに格納するステップ03と、前記縁の歪み検出動作を終了するステップS04とを実行する。
なお、前記実施形態においては改質対象物を円板形状のものを説明したが、本発明の対称となる改質対象物は前述の実施形態や技術分野の欄に挙げた液晶ディスプレイや不揮発相変化メモリーに限られることなく、有機ELディスプレイのTFTプロセスや半導体プロセスにも適用できる。また、ガラス基板やシリコン基板だけでなく、プラスチック基板などの屈曲性のある基板であっても良い。更に前記実施形態においては合焦点位置のZ方向の移動を対物レンズや光学部品の移動により行うことを説明したが、これに限ることなく、光ヘッド全体または改質対象物を搭載するテーブルをZステージなどの移動手段により移動させることにより問題なく実施することができる。
Claims (10)
- テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射することにより改質対象物を改質するレーザ照射装置であって、
速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、
前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、
前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、該レーザスポットの改質対象物表面からの反射光を基に、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の外部制御量を補正値として合焦点するように前記フォーカス手段を制御する制御手段とを備えるレーザ照射装置。 - 前記外部制御量検出手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出する請求項1記載のレーザ照射装置。
- 前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記外部制御量を記憶し、該記憶した外部制御量の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御する請求項1又は2記載のレーザ照射装置。
- 前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号レベルをDとしたとき、
前記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶する請求項1〜3何れかに記載のレーザ照射装置。 - 前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行う請求項1〜4何れかに記載のレーザ照射装置。
- 速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、前記フォーカス手段と移動手段と外部制御量検出手段とを制御する制御手段とを備え、テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射して改質対象物を改質するレーザ照射装置のフォーカス制御方法であって、
前記制御手段が、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の歪み値を補正値として合焦点するようにフォーカス手段を制御するフォーカス制御方法。 - 前記外部制御量手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出する請求項6記載のフォーカス制御方法。
- 前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記歪み値を記憶し、該記憶した歪み値の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御する請求項6又は7記載のフォーカス制御方法。
- 前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号をDとしたとき、
前記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶する請求項6から8何れかに記載のフォーカス制御方法。 - 前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行う請求項6から9何れかに記載のフォーカス制御方法。
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