JP5213366B2 - フォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、改質対象物に比較的高密度エネルギーのレーザスポットを合焦点させながら照射するフォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置に係り、特に絶縁基板上に形成したアモルファスシリコン(非結晶質)やポリシリコン(多結晶質)にレーザ光を照射してシリコン膜の改質を行うフラットディスプレイの製造システムや相変化型不揮発メモリーの初期レーザアニールに好適なフォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置に関する。
近年のディスプレイ装置は、表示素子として液晶素子を使用し、この液晶素子や該液晶素子のドライバー回路は薄膜トランジスター(TFT[Thin
Film Transistor]、以下、TFTと呼ぶ)により構成されている。このTFTは、製造過程においてガラス基板上に形成したアモルファスシリコンをポリシリコンに改質する工程が必要である。
この改質工程は、レーザ照射によるシリコン膜の改質を行うものであり、図12に示す如く、石英ガラスや無アルカリガラスの絶縁基板61上に該絶縁基板61からの不純物の混入を阻止するアンダーコート膜(SiO2)62を形成する工程と、該アンダーコート膜62上にアモルファスシリコン膜面63を形成する工程と、高出力レーザを光源とし、アモルファスシリコン膜面63に線状レーザビーム64を照射する工程と、線状レーザビーム64の短手方向に走査65させることによりポリシリコン63Aに改質する工程と、TFTを構成する位置のみポリシリコンを切り出す工程と、その上にゲート酸化膜(SiO2)を形成し最上部にゲート電極を取り付ける工程と、酸化膜(SiO2)に所定の不純物イオンを注入してソースドメインを形成する工程と、ソース/ドメインにアルミ電極を立て全体を保護膜で被いTFTを造る工程から成る。尚、前記絶縁基板61とアンダーコート膜62の間にSiNまたはSiONを挟み込んでも良い。
前記レーザ照射によるシリコン膜の改質工程において、ポリシリコンの結晶粒径が大きいほどTFTの性能が向上し、TFT性能の指標である電界効果移動度が大きくなる。レーザ照射技術としては、如何に大きな粒径をもつ結晶を安定にかつ均一に生成することが最大の課題である。この解決策の一つとして、連続発光レーザを光源とし走査方向に細長い大型結晶粒を形成する結晶方法が下記特許文献1に開示されており、該特許文献1には、シリコン膜上に形成した線状レーザスポットの走査方向幅と走査速度の関係を規定する技術が記載されている。本技術によれば、レーザスポットの走査方向幅は2um〜10umが望ましく、レーザスポットの走査速度は0.3m/s〜1m/sが望ましいとされている。
また、半導体製造プロセスにおいても、素子作製プロセス中の相変化材料近傍に於いて剥離などの破壊が生じずに初期結晶を行い、書換えの最初から特性を安定させることを目的とした相変化型不揮発メモリーのレーザ照射装置が下記特許文献2に記載されている。該特許文献2には、PRAMのメモリセルの基本構造が、図13に示す如く、シリコン基板上(図示なし)にMOSトランジスタ(図示なし)と該下部電極66と相変化材料67と上部電極68とを順次積層する構造が記載されている。該特許文献2記載の技術は、被照射面上に100umX1um又は3.5mmX30umの線状レーザスポットを形成させ、被対象面上を相対的に走査して結晶化させることにより、相変化材料近傍においても剥離などの破壊なしに初期結晶を行ない、書換えの最初から特性を安定させることができる。
特開2005−217214号公報 特開2006−135251号公報
前記特許文献に記載した技術は、走査方向幅を1um〜30um程度としたレーザスポット形成技術が必要とされ、数umのスポットを形成するには一般に集光レンズ(対物レンズ)を用いた集光技術が不可欠である。また、前述集光技術を用いた場合、改質対象物の平面歪(以下、歪)や改質対象物個体差による厚さ斑、走査機構の平坦度と平行度等が起因とした走査時の外乱要素に対しても、改質対象物面上に形成したレーザスポット形状の変化を抑止するよう、追従精度の高いオートフォーカス制御が要求される。更にレーザ照射により改質が必要な領域が限定されている場合は、その縁(端)を含めた限定領域全において十分なオートフォーカス制御と所定の走査速度が得られてなくてはならず、特に、改質対象物全面に渡り改質が必要な場合においては、改質対象物の縁を含めた全面に対して、十分なオートフォーカス制御と所定の走査速度を得ることが必須である。しかしながら、従来のレーザ照射装置では、前述した追従精度の高いオートフォーカス制御技術が開示されておらず、改質対象物の改質必要領域を均一に改質することが困難であると言う不具合があった。
本発明は、改質対象物の改質が必要な全領域を均一に改質することができるフォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明は、テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射することにより改質対象物を改質するレーザ照射装置であって、
速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、
前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、
前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、該レーザスポットの改質対象物表面からの反射光を基に、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の外部制御量を補正値として合焦点するように前記フォーカス手段を制御する制御手段とを備えることを第1の特徴とする。
また、本発明は、第1の特徴のレーザ照射装置において、前記外部制御量検出手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出することを第2の特徴とする。
また、本発明は、第1又は第2の特徴のレーザ照射装置において、前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記外部制御量を記憶し、該記憶した外部制御量の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御することを第3の特徴とする。
また、本発明は、前記何れかの特徴のレーザ照射装置において、前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号レベルをDとしたとき、前記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶することを第4の特徴とする。
また、本発明は、前記何れかの特徴のレーザ照射装置において、前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行うことを第5の特徴とする。
さらに、本発明は、速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、前記フォーカス手段と移動手段と外部制御量検出手段とを制御する制御手段とを備え、テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射して改質対象物を改質するレーザ照射装置のフォーカス制御方法であって、
前記制御手段が、
前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の歪み値を補正値として合焦点するようにフォーカス手段を制御することを第6の特徴とする。
また、本発明は、第6の特徴のフォーカス制御方法において、前記外部制御量手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出することを第7の特徴とする。
また、本発明は、前記何れかの特徴のフォーカス制御方法において、前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記歪み値を記憶し、該記憶した歪み値の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御することを第8の特徴とする。
また、本発明は、前記何れかの特徴のフォーカス制御方法において、前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号をDとしたとき、記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶することを第9の特徴とする。
また、本発明は、前記何れかの特徴のフォーカス制御方法において、 前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行うことを第10の特徴とする。
本発明によるフォーカス制御方法及びレーザ照射装置は、テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、レーザスポットを改質対象物表面にオートフォーカス補正情報手段により検出したXY座標毎の外部制御量を補正値として合焦点するようにフォーカス手段を制御し、改質対象物表面の歪みを補正値として考慮したオートフォーカスを行うことによって、改質対象物の縁の近傍から合焦点を行うことができ、改質対象物の改質が必要な全領域を均一に改質することができる。
以下、本発明によるフォーカス制御方法及び該フォーカス制御方法を用いたレーザ照射装置を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態によるレーザ照射装置の基本構成を説明するための図、図2は改質対象物の改質動作をレーザ光入射側から見た図、図3はフォーカス誤差信号とスポットサイズを説明するための図、図4はフォーカス誤差信号データを説明するための図、図5はドライブ信号データを説明するための図、図6は改質動作中のフォーカス誤差信号とドライブ信号を説明するための図、図7は本実施形態によるレーザ照射装置の動作フローチャート、図8は本実施形態により改質前の改質対象物の縁を走査する図、図9は本実施形態による改質動作を説明する図、図10は対象物の縁にて外部制御量の加算を説明するための図、図11は本レーザ照射装置による改質状態を説明するための図、図12は一般的な基板上構成とレーザ照射によるシリコン膜の改質を示す図、図13はPRAMのメモリセルの基本構造を説明するための図である。尚、本発明では、改質対象物の改質面をXY平面と定義し、XY平面の法線方向をZ方向と定義し、レーザスポットを高速走査する方向をY方向と定義して説明する。
本発明の一実施形態によるレーザ照射装置は、図1に示す如く、大別してレーザ光源1から照射されたレーザ光を集光してレーザスポット17を生成する光学系と、改質対象となる改質対象物18をテーブル80上に搭載してXY方向に移動するXY移動系と、前記レーザスポット17の反射光を入力として焦点合わせを行うフォーカスフィードバック制御系と、該フォーカスフィードバック制御に対してフィードフォワード制御をかける本実施形態の特徴であるフィードフォワード制御系とから構成される。
<光学系>
前記光学系は、レーザ光を出射するレーザ光源1と、該出射されてコリメートレンズにより平行光に変換されたレーザ光を透過し、改質対象物18から反射されたレーザ光を90°方向に変換して反射するビームスプリッタ19と、該ビームスプリッタ19を透過したレーザ光を集光してレーザスポット17を形成する対物レンズ20と、該対物レンズ20を改質対象物18の面に対して垂直方向(光軸方向)に可動する圧電素子2と、前記改質対象物18から反射したレーザ光を集光する凸レンズ18Aと、該凸レンズ18Aにより集光したレーザ光を電気信号に変換してフォーカス誤差信号を出力するフォーカスディテクタ3とから構成される。
この光学系は、光源1から出射されてビームスプリッタ19を通り抜けたレーザ光22を対物レンズ20を用いて集光し、改質対象物18上に所定サイズのレーザスポット17を形成するものであって、前記レーザ光源1とレーザスポット17は改質対象物18の改質を主目的としたものであるが、以下説明するようにフォーカス誤差信号生成用レーザ光源と兼用することができる。
この光学系は、前記改質対象物18から反射したレーザ光の一部をビームスプリッタ19によって90°方向を変換して凸レンズ18Aにより集光し、これを入力したフォーカスディテクタ3が、改質対象物面近傍に形成された焦点位置と改質対象物18の光軸方向の距離をフォーカス誤差信号として検出するようになっている。この詳細は後述する。
前記レーザ光源1は、個体レーザやガスレーザでも良いが、連続発光が可能でかつ出力制御が容易な半導体レーザ(LD)を用いるのが望ましい。また本実施例では対物レンズ駆動素子として圧電素子2を用いたが、ボイスコイルモータであっても良い。更に本例では改質対象物面上近傍に形成した焦点位置を光軸方向に自由に移動させる手段として、対物レンズ20を可動する例を示したがこれに限ることなく、対物レンズ以外の光学部品を可動させても良い。さらには、本発明では改質するためのレーザ光源とフォーカス誤差信号を生成するためのレーザ光源を同一レーザ光源としたが、これに限ることなく、改質するためのレーザ光源とフォーカス誤差信号を生成するためのレーザ光源を、それぞれ別々のレーザ光源としても良い。また、本例はレーザ光源1を光ヘッド1Aに収納させた構造になっているが、これに限ることなく、離れた場所にレーザ光源のみ固定設置し光ファイバー等の光伝送手段を用い光ヘッドにレーザ光を伝送する構成であっても良い。大出力レーザ光を要し、レーザ光源が大規模になる場合は、むしろレーザ光源の固定設置が望ましい。
<XY移動系>
前記XY移動系は、改質対象物18を搭載するテーブル80と、該テーブル80をXY方向に移動するXYテーブル駆動手段15と、改質対象物18に対するレーザスポット位置をテーブル80の位置として検出するXYリニアスケール16とから構成される。
前記XY移動手段15及びXYリニアスケール16は、前記マイクロプロセッサ13に接続されており、後述するマイクロプロセッサ13より所定の速度制御および位置決め制御がなされる。本実施例ではレーザスポット17を固定し改質対象物18が移動するような構造になっているが、これに限ることなく、改質対象物を固定してレーザスポットを移動走査する構造でも良い。
<フォーカスフィードバック制御系>
前記フォーカスフィードバック制御系は、前記光学系のフォーカスディテクタ3から出力されるフォーカス誤差信号の振幅を増幅するAMP4と、この制御系の安定化を図るための位相補償回路6と、該位相補償回路6からの出力に後述する外部制御量を加算して出力する加算器9と、該加算器9からの出力を基に前記光学系の圧電素子2を駆動するドライバー8と、この制御系ループを開閉するためのアナログスイッチ7とから構成される。
このフォーカスフィードバック制御系は、フォーカスディテクタ3から出力されるフォーカス誤差信号の振幅がゼロになるように、圧電素子2を用いて対物レンズ20を光軸方向に移動させるフォーカス制御を行う。また前記位相補償回路6には、フィードバック制御系を速応性の高い系に変える機能と、安定性の高い系に変える機能が備わり、マイクロプロセッサ13からの指示10Aにより自在に切り換ることができる。
<フィードフォワード制御系>
前記フィードフォワード制御系は、前記AMP4によって増幅されたフォーカス誤差信号4Aをデジタルデータに変換するA/D変換器5と、前記圧電素子2を駆動するドライバー8のドライブ信号8Aをデジタルデータに変換するA/D変換器12と、後述する外部制御量を格納するメモリ14と、該メモリ14に格納したデータに基づき外部制御量を算出するマイクロプロセッサ13と、該マイクロプロセッサ13が算出した外部制御量をアナログデータに変換するD/A変換器11と、該D/A変換器11により変換した外部制御量を前記加算器9に足し込むアナログスイッチ10とから構成されている。また、前記マイクロプロセッサ13は、前記アナログスイッチ7及び10のON/OFFの操作機能と、デジタルデータを時系列的にテーブル化しメモリ14に格納する機能を持つ。
次に前述のように構成されたレーザ照射装置によるフォーカス制御方法を説明するが、まず、本願発明の原理及び前提となる改質動作及び各制御信号について説明する。
<原理説明>
一般に改質対象となる平面形状の改質対象物は、平面をXY方向の2次元として表したとき、該XY2次元全面にわたって該XY方向と直交するZ方向の「歪み」が数um〜数百um程度生じている。
また平面形状の改質対象物にオートフォーカス制御を行わずレーザスポットを走査した場合、フォーカス誤差信号が前記改質対象物表面の「歪み」に相当し、この改質対象物表面のXY座標点における歪み量はフォーカス誤差信号よって検出することができる。前述「歪み」には改質対象物の厚み斑も含まれる。
またレーザスポットの合焦点を制御する圧電素子のドライブ信号は、前記改質対象物にオートフォーカス制御を行いながらレーザスポットを走査したとき、対物レンズが改質対象物表面に追従する様に出力される。このため、該ドライブ信号は、前記改質対象物表面の「歪み」に相当し、この改質対象物表面のXY座標点における歪み量は該ドライブ差信号よって検出することができる。前述「歪み」には改質対象物の厚み斑も含まれる。
本発明は、前述した改質対象物にレーザスポットを走査し、このときのフォーカス誤差信号または圧電素子のドライブ信号の値(改質対象物の歪みに対応する外部制御量)を記憶しておき、改質動作を行う際に前記改質対象物の「歪み」のファクターに追従した外部制御量を用いて焦点合わせ制御を補正することによって、焦点合わせ時間を短縮するものである。この合焦点合わせ時間の短縮により本発明においては、改質対象物の縁近傍から焦点合わせを行うことができ、従って縁の近傍から改質を行うことができる。また、改質動作中においても外部制御量をリアルタイムで付加し続けることにより、改質中のフォーカス追従精度の向上が図られ、均一な改質を行うことができる
次に前記原理によるレーザ照射装置の前提となる改質動作及び各制御信号について説明する。
[改質全体動作]
次に本実施形態の対象となる改質対象物18を前述したレーザ照射装置を用いて改質する全体動作を図2を参照して説明する。
図2は、円板状の改質対象物18の改質動作をレーザ光入射側から見た図であって、レーザスポット24の長手方向を図中のX軸と平行になるように配置した状態において、前述のXY系を駆動することにより改質対象物18に対してレーザスポット24を相対的に走査した状態を示している。
本実施形態による改質動作は、図2に示した如く、X軸と平行になるように配置したレーザスポット24を位置28から矢印27の如くY軸方向に所定の線速度による走査を開始し、円板状の改質対象物18の直径を超える距離だけ前記直線走査を行ってからX方向に移動した後、走査方向を逆にしてY軸方向に走査を行い、これらY方向の正逆方向及び間欠的なX方向移動による走査を繰り返すことによって、改質対象物18全面の改質を行うものである。尚、X方向の移動量は、少なくともレーザスポット長手方向の長さよりは短く、走査隙間が発生しないようになっている。図示の例では、白抜きした走査済みの領域25では改質が完了し、ハッチングを施した未走査の領域26は改質が完了してないことを示している。
[フォーカス誤差信号の説明]
次いでレーザスポットの合焦点とフォーカス誤差信号との関係を図3を参照して説明する。図3は、レーザスポットの合焦点状態を改質対象物の側面から見たときの合焦点状態に応じたフォーカス誤差信号を説明するためのものであって、図中の左側は改質対象物面30に対物レンズ20にて集光されたスポット29が合焦点している状態を示し、中央は焦点が下方(光軸方向の下方)に寸法Ziだけずれている状態を示している。
この状態における前記光学系のフォーカスディテクタ3から出力されるフォーカス誤差信号は、前記合焦点のときには図中右端に示す如くレベル「0」となり、ずれ焦点のときにはレベル「Vi」となり、直線Eで示す如く、Z軸方向のずれ量に対して直線的に変化する特性を持っている。
前記左側に示す合焦点のときのスポットサイズは、合焦点された集光レーザスポット29が改質対象物面30に位置する場合は最も小さくなって短手方向の長さも符号31で示す様に最も狭くなり、集光レーザスポット29が改質対象物面30上からZ方向に外れた場合はスポットサイズが大きくなって符号33で示す如く短手方向の長さが広く、このように焦点ずれがスポットサイズと直結していることがわかる。
この様に本実施形態の対象となるレーザ照射装置は、改質対象物面30に対して垂直方向からレーザスポットをXY方向に相対的に走査することによって改質対象物面30の全面を改質する様に構成されている。このレーザ照射装置は、線状レーザスポットの短手方向に改質対象物が相対的に走査するため、線状レーザスポットの短手方向の長さの違いにより、改質対象物面上への照射時間が変化し、対象物の改質状態が変化する可能性があり、これを防止するためには線状レーザスポットのサイズ、特に短手方向の長さを一定に保つ必要があり、フォーカス誤差信号を用いた焦点制御(フォーカス制御)が重要である。
[改質対象物の「歪み」とフォーカス誤差信号の関係]
次に改質対象物18表面の「歪み」に対するフォーカス誤差信号の遷移を図4以降を参照して説明する。図4は、改質対象物の改質面の「歪み」に対するフォーカス誤差信号データの遷移を説明するための図であり、横軸がレーザスポットの送り方向のX方向を示し、縦軸がフォーカス誤差信号データのレベルを示す。
まず、改質対象物の改質面は、数um〜数百um程度、Z方向に歪んでいるのが一般的であり、改質対象物の任意の位置YiでのX方向の断面が、図4中上段の符号36に示す如く湾曲した「歪み」があるものとする。尚、図中の符号36A及び37Aは改質対象物の縁である。
このフォーカス誤差信号は、図4の最上段に示す如く、フォーカス制御を掛けずに対物レンズ20にて1点に合焦点したレーザスポット29をX方向に直線的に移動させたとき、焦点位置29と改質対象物面の歪み36のZ方向に変位が図中段に示す如くフォーカス誤差信号40として検出される。このフォーカス誤差信号40をX方向に対し離散的に検出した各位置をXiとし、各位置Xi位置におけるフォーカス誤差信号レベルをA/D変換した値をZiとしたとき、任意の位置YiにおけるX方向歪みは、(Xi、Yi、Zi)としたデジタルデータとして離散的に検出することができる。このX方向の検出間隔は狭いほうが良く、5mm以下が望ましい。本実施例では、改質対象物の任意Yi位置でのX方向の断面、即ちX方向の直線的変化を例とったが、XY平面上の曲線的変化でも良い。
[フォーカスドライブ信号の説明]
次に対物レンズ20を上下移動する圧電素子2に印加するフォーカスドライブ信号を図5を参照して説明する。この図5は、改質対象物の任意Yi位置でのX方向の断面の「歪み」を符号36として表し、フォーカス制御を掛けながら対物レンズ20にて集光した集光レーザスポット29を改質対象物の歪み36上に追従させX方向に矢印45の如く移動させたとき、対物レンズドライブ信号48も改質対象物の歪みと一致した形状になることを表している。尚、図中の符号42及び43は改質対象物の縁を示す。
前記ドライブ信号48をX方向に対して離散的に検出した位置をXiとし、各位置Xi位置でのドライブ誤差信号レベルをA/D変換した値をDiとしたとき、任意YiにおけるX方向歪みは、座標点毎に(Xi、Yi、Di)としたデジタルデータとして検出することができる。このX方向の検出間隔は狭いほうが良く、5mm以下が望ましい。また、本データを取得するレーザスポット移動速度は遅い方が対物レンズドライブ信号48と改質対象物の歪みが一致するため、レーザスポット移動速度は遅い方が好ましく、100mm/s以下が好適である。本実施例では、改質対象物の任意の位置YiにおけるX方向の断面、即ちX方向の直線的変化を例にとったが、XY平面上の曲線的変化でも良い。
[改質動作中のフォーカス誤差信号とドライブ信号の関係]
次に改質動作中のフォーカス誤差信号とドライブ信号の関係を図6を参照して説明する。尚、図中、符号36は任意Xiにおける改質対象物の断面形状の「歪み」を表し、符号51A、51Bは改質対象物の両縁であり、改質対象物は、Y方向もX方向と同様、改質対象物の改質面は数um〜数百um程度、Z方向に歪んでいるものとする。
この図6は、改質対象物の改質動作中において、対物レンズによって集光したレーザスポット29を改質対象物18上に位置付けるオートフォーカス制御を行いながら、レーザスポット29を改質対象物18上を矢印53方向に高速走査する動作を表している。
この改質動作中のレーザスポット29の軌跡は、本来は太実線で示す符号36の如くなるのが理想的であるが、厳密には破線で示す符号51の如くずれ、改質対象物の歪みと完全に一致しない現象が生じ、これにより焦点ぼけを引き起こし、結果的にフォーカス誤差信号54として検出される。
このフォーカス誤差信号54は、オートフォーカス制御中の対物レンズドライブ信号55をデジタル変換して(Zi、Di)の如く座標点毎にデータ化することにより、改質対象物の任意Xiにおけるオートフォーカス制御の来歴を座標点毎に外部制御量(Xi、Yi、Zi、Di)として残すことができる。即ち、改質対象物表面上の座標(Xi,Yi)における追従取り残しZiと対物レンズドライブ信号Diを外部制御量として記録することができる。
本実施形態によるレーザ照射装置は、このオートフォーカス制御の来歴を記録しながらの改質処理を改質対象物全面に渡り行うことにより、改質対象物全面の座標点毎の外部制御量(Xi、Yi、Zi、Di)を取得し、マイクロプロセッサ13によりメモリ14に記録・蓄積する。
[外部制御量の加算の説明]
本実施形態によるレーザ照射装置は、前記検出した被改質物の歪みを外部制御量としてフォーカス制御系に加算するものであって、この外部制御量の加算を図10を参照して説明する。
[非加算制御]
この図10は、改質対象物の縁における外部制御量の加算を説明するための図であって、図2に示した改質動作を、横軸をY方向とした任意位置Xiにおける断面の一例を示している。まず、外部制御量の加算がない場合のオートフォーカス制御は、図10中段に示す如く、改質対象物18の外側より対物レンズ20により集光された集光レーザスポットが位置42から高速移動して改質対象物の縁41に差し掛かり、縁41からの反射光を捉えてフォーカス誤差信号を得るのと同時にオートフォーカス制御を掛ける(フィードバックループONするため図1に示すアナログスイッチ7を閉じる)。ここで、集光レーザスポットは、改質対象物18上の縁41に達したときに所望の線速度(走査速度)に十分達していることが必要である。
ここで、集光レーザスポットの位置42と改質対象物上39には改質対象物の厚みに相当する高さずれZiが生じており、この位置ずれを補正するためのオートフォーカス制御が図示の如く振動を伴うため収束するまでに時間を要し、図示の例では、このフォーカス誤差信号レベルが任意の範囲に収まるまでの時間を、過渡時間47と定義する。
この過渡時間47を過ぎるとオートフォーカス制御が十分機能し、レーザスポット29は改質対象物上39にロックされ、改質対象物の歪み(Z方向)などの外乱に対し追従する。この過渡時間47においては、対物レンズドライブ信号48も大きな変化を示すが、過渡時間経過後は任意レベルのドライブ信号レベル51に収束する。過渡時間47においては、フォーカスずれが発生しており図3にて示したように、レーザスポットサイズも大きく変化することがわかる。レーザスポットサイズが大きく変化する区間は、距離Lに換算すると改質対象物の縁からL=VXTにて表現される。ここで、Vはレーザスポットの走査速度、Tは過渡時間47を示す。発明者らの実験によれば、T=15mS、V=1m/sであり、Lは15mmであることが判明し、従って改質対象物の縁から15mmの区間は均一な改質状態が得られないことが判る。尚、前記過渡時間を定義するフォーカス誤差信号レベルが任意の範囲は、本実施例では±2umとした。
[加算制御]
次に本実施形態による外部制御量を加算した場合について詳しく説明する。本実施形態においては、図10下段に示す如く、対物レンズ20が改質動作前の改質対象物18上の外側にある状態において、フォーカスドライブ信号に所望のドライブ信号48Aを加算しておく。この所望のドライブ信号48Aは、集光レーザスポットの位置42と改質対象物上39との高さずれZiをゼロにする値(キャンセル)が望ましいが、過去の走査にて使用した過渡時間経過後のドライブ信号レベル51としても良い。
本装置は、前記ドライブ信号48Aをフォーカスドライブ信号に印加したまま、集光レーザスポットを高速移動させ、改質対象物の縁41に差し掛かり、縁からの反射光を捉えフォーカス誤差信号を得るのと同時にオートフォーカス制御を掛ける(フィードバックループONするため図1に示すアナログスイッチ7を閉じる)。
このオートフォーカス制御を開始したとき、既に集光レーザスポットの位置と改質対象物18上の高さはほぼ一致しており、フォーカス誤差信号50の乱れがほとんどないため、本実施形態によれば前述した過渡時間を短縮することができ、改質対象物18上の縁41近傍から改質対象物18上に集光レーザスポットが合焦点したオートフォーカス制御が可能となる。
このときのフォーカスドライブ信号は、符号49として示す如く、改質対象物の縁での急激な変化はみられない。尚、該外部制御量を加算しても十分な過渡時間短縮が得られない場合は、前述したオートフォーカス制御系を高速系か安定系を用い、過渡時間内でのオートフォーカス制御系のゲインを高く、即ち速反性を高く設定しておき、過渡時間以降はオートフォーカス制御系を低く、即ち安定系に切換る手段を取ることが望ましい。
[レーザ照射装置の動作]
次いで、前述した改質動作や各制御信号を前提とした本実施形態によるレーザ照射装置の動作を説明する。図8改質前の改質対象物の縁を走査する状態を説明するための図、図9は改質動作時の動作を説明するための図、図7は本実施形態によるレーザ照射装置の動作フローチャートである。
図8は改質対象物18の縁35をレーザスポット29が走査する軌跡を矢印18Cにて示したものである。図9は図2と同様に改質対象物18の改質動作をレーザ光入射側から見た図であり、改質対象物の縁での歪みを検出したレーザスポット走査軌跡を矢印18Cとして示し、改質動作時のレーザスポット29の軌跡を符号37Aとして示す。
本実施形態によるレーザ照射装置は、図7に示す如く、改質対象物18の縁に改質対象物18を改質しない程度の微弱なレーザスポットを照射して「歪み」を走査するステップS02と、該ステップS02により走査した縁の複数位置の「歪み」を基に生成した外部制御量であるデータ(Xi,Yi,Zi)及び(Xi,Yi,Di)をメモリに格納するステップ03と、前記縁の歪み検出動作を終了するステップS04とを実行する。
前記ステップS02は、図8に示す如く、レーザ光源1より改質しない微弱なレーザ出力を出射させ、改質対象物18に照射したレーザスポット29を改質対象物の縁(Xi、Yi)を矢印18Cの如く円環状にレーザスポット29を走査することにより行われ、ステップS03は、ステップS02の走査中において、走査座標(Xi,Yi)に対応したフォーカス誤差信号レベルから得た歪量Ziまたは、ドライブ信号レベルDiを検出することにより縁の複数位置の「歪み」データ(Xi,Yi,Zi)(Xi,Yi,Di)を収集し、外部制御量としてメモリに格納する。尚、本実施形態による歪み検出は、円板状の被改質物の円環状の縁のみに対して行う例を示したが、全面又は任意の箇所の歪みを検出しても良い。
この動作は、図1を参照して説明すると、マイクロプロセッサ13が、フィードバック制御を有効にするアナログスイッチ7をOFFとした状態において、図8に示した如く円環状にレーザスポット29を改質対象物の縁(Xi、Yi)を走査し、該走査座標(Xi,Yi)におけるフォーカス誤差信号4AをA/D変換し、歪量に換算した補正データ(Xi、Yi,Zi)を基にした外部制御量をメモリ14に格納することにより行われる。
前記ドライブ信号レベルDiは、マイクロプロセッサ13が、フィードバック制御を有効にするアナログスイッチ7をONの状態にした状態において、走査座標(Xi,Yi)におけるドライブ信号8AをA/D変換し、補正データ(Xi、Yi,Di)としてメモリに格納することによって得られ、改質対象物18の縁35を検出して歪み検出動作がすべて完了する。
次いで本実施形態によるレーザ照射装置は、図7に示す如く、改質対象物の改質プロセスである改質動作開始ステップS05に移行し、位置(Xi、Yi)に対応したZiを加算器9により位相補償回路6の出力に足込むステップS06と、レーザを改質可能な出力で発光させながらレーザスポットを走査させ、改質対象物18の縁(Xi、Yi)を検出したときにスイッチ7をオンとしてフォーカス制御を開始するステップS07と、フィードバック制御系にZ方向の歪み値の補正データ(Xi、Yi、Zi)及びドライバの駆動信号レベルの補正データ(Xi、Yi、Di)を基にした外部制御量をリアルタイムで加算器9を用いて足し込むステップS08と、次いでレーザスポットが改質対象物の縁から外れたことを検出したとき、スイッチ7をオフするステップS09と、対象物全面を走査したかを判定するステップS10と、該ステップS10において対象物全面を走査したことを判定したとき、改質動作を終了するステップS11とを順次実行する。
前記ステップS06による加算器9への足し込みは、マイクロプロセッサ13が、前記ステップS01にてメモリ14に格納した補正データ(X1,Y1,Z1)を引出してD/A変換器11にセットした後、アナログスイッチ10をオンすることにより、加算器9を通してフィードバックループに外部制御量を加算するものである。
前記ステップS07による縁検出によるフォーカス制御開始動作は、光源1からレーザ光を改質可能な出力で照射しながらレーザスポット29を走査させ改質対象物18の縁(X1,Y1)に到達したとき、アナログスイッチ7をオンとすることにより、オートフォーカス制御を有効にする。
本実施形態によれば、改質対象物18を検出したときのフォーカスドライブ信号に予め測定した改質対象物の「歪み」を含む補正量である外部制御量を加算するため、オートフォーカスに要する過渡時間を短時間にすることができ、改質対象物の縁近傍より十分なフォーカス制御を行うこができる。特に本実施形態においては、前記位相補償回路6が、フィードバック制御系を速応性の高い系に変える機能と、安定性の高い系に変える機能を備え、レーザスポットが改質対象物に到着した時点においては前記高速のフィードバック制御を行い、予め定めた所定時間が経過してフィードバックが安定した後においては高安定のフィードバック制御を行うことにより、高速且つ高安定のフィードバック制御を行うことができる。
前記レーザスポットが改質対象物の縁(X1,Y1)に達したときの走査速度は、所望の走査速度に十分達していることが必要である。ステップS08は改質実行時にフィードフォワード制御をかけるプロセスであり過渡時間が終了した時点から改質対象物のもう一方の縁に到達するまでの動作を示す。マイクロプロセッサ13はメモリ14から過去に蓄積した外部制御量を引き出し、レーザスポットが位置付いている座標(Xi,Yi)と走査速度からフォーカス誤差を最小にする外部制御量を演算する。後、算出データはD/A変換器11、アナログスイッチ10(ON状態)、加算器9を通して、フィードバック制御系に外部制御量として加算される。前述、メモリ14からのデータ取出しと演算と外部制御量の加算は、レーザスポットの移動(走査)と共にリアルタイムで実行が繰返される。また、本改質動作中に図6にて詳細説明したように新たな外部制御量を同時に取得しメモリ14に格納しても良い。ステップS9はレーザスポットが改質対象物のもう一方の縁に到達した時点で、アナログスイッチ7をOFFに切換えオートフォーカス制御を止める。レーザスポットが所定のY値に到達したらレーザスポットをX方向に送る。ステップS10はレーザスポットが改質対象物全面を走査(改質)したかの判定であり、Noの場合はステップS06に戻り動作が繰返される。レーザスポット29は矢印37Aのように動作し改質対象物の縁のXY座標と外部制御量は、(X2,Y2,Z2)(X3,Y3,Z3)(X4,Y4,Z4)…と更新されていく。改質対象物の全面を走査(改質)したら改質動作を終了する。
特に本実施形態によるレーザ照射装置は、改質対象物の「歪み」が複数の改質対象物においてあまり変化しない場合、改質対象物の縁の「歪み」検出及び上述の改質動作を繰り返し、外部制御量を蓄積しながら学習(例えば複数の外部制御量の平均値を採用)することにより、フォーカス追従精度を更に向上することができる。
図11は本レーザ照射装置による改質状態を説明するための図である。改質対象物18上をレーザスポット58が矢印59のように走査することにより、改質対象物18上の全面60を改質することができる。特に本実施形態によるレーザ照射装置は、改質対象物の縁近傍や内側での改質斑はなく、全面均一な改質を行うことができる。
本実施形態における改質時のレーザ出力は、少なくともレーザスポットが改質対象物面上に位置したときに改質可能な出力になっていれば良く、レーザスポットが改質対象物面上にない場合、即ち改質対象物を搭載したXYテーブル80の加速や減速を行うときには、レーザ出力は微弱出力であっても良く、更には出力してなくても良い。
また、前記実施形態においては改質対象物の縁を改質対象物面からの反射光を検出し認識する例を説明したが、本発明は、これに限ることなく、XYリニアスケール16によって認識しても良い。
また、前記実施形態においては、改質対象物の例として円形状の改質対象物を用いたが、本発明は、これに限ることなく、角形の改質対象物であっても良く、更には改質を行う領域を改質対象物の局所領域としても良い。特に本発明によるレーザ照射装置は、量産ラインにおいて、改質対象物の歪みが改質対象物のロットやタイプにより同一傾向の歪みや厚さ斑を持つ場合には、本発明の効果は大きく、更にはタクトタイム短縮にも寄与することができる。
なお、前記実施形態においては改質対象物を円板形状のものを説明したが、本発明の対称となる改質対象物は前述の実施形態や技術分野の欄に挙げた液晶ディスプレイや不揮発相変化メモリーに限られることなく、有機ELディスプレイのTFTプロセスや半導体プロセスにも適用できる。また、ガラス基板やシリコン基板だけでなく、プラスチック基板などの屈曲性のある基板であっても良い。更に前記実施形態においては合焦点位置のZ方向の移動を対物レンズや光学部品の移動により行うことを説明したが、これに限ることなく、光ヘッド全体または改質対象物を搭載するテーブルをZステージなどの移動手段により移動させることにより問題なく実施することができる。
本発明の一実施形態によるレーザ照射装置を説明するための図。 改質対象物の改質動作をレーザ光入射側から見た図。 フォーカス誤差信号とスポットサイズを説明するための図。 フォーカス誤差信号データを説明するための図。 ドライブ信号データを説明するための図。 改質動作中のフォーカス誤差信号とドライブ信号を説明するための図。 本実施形態によるレーザ照射装置の動作フローチャート。 本実施形態による改質前の改質対象物の縁を走査する状態を説明するための。 本実施形態による改質動作時の動作を説明するための図。 対象物の縁にて外部制御量の加算を説明するための図。 本レーザ照射装置による改質状態を説明するための図。 一般的な基板上構成とレーザ照射によるシリコン膜の改質を示す図。 PRAMのメモリセルの基本構造を説明するための図。
1:レーザ光源、1A:光ヘッド、2:圧電素子、3:フォーカスディテクタ、4A:フォーカス誤差信号、5:A/D変換器、6:位相補償回路、7:アナログスイッチ、8:ドライバー、8A:ドライブ信号、9:加算器、10:アナログスイッチ、11:D/A変換器、12:A/D変換器、13:マイクロプロセッサ、14:メモリ、15:テーブル駆動手段、16:リニアスケール、17:レーザスポット、18:改質対象物、18A:凸レンズ、19:ビームスプリッタ、20:対物レンズ、20:レンズ、22:レーザ光、24:レーザスポット、29:集光レーザスポット、30:改質対象物面、35:縁、40:フォーカス誤差信号、47:過渡時間、48:対物レンズドライブ信号、50:フォーカス誤差信号、51:ドライブ信号レベル、54:フォーカス誤差信号、55:対物レンズドライブ信号、58:レーザスポット、80:テーブル。

Claims (10)

  1. テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射することにより改質対象物を改質するレーザ照射装置であって、
    速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、
    前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、
    前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、該レーザスポットの改質対象物表面からの反射光を基に、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、
    前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の外部制御量を補正値として合焦点するように前記フォーカス手段を制御する制御手段とを備えるレーザ照射装置。
  2. 前記外部制御量検出手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出する請求項1記載のレーザ照射装置。
  3. 前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記外部制御量を記憶し、該記憶した外部制御量の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御する請求項1又は2記載のレーザ照射装置。
  4. 前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号レベルをDとしたとき、
    前記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶する請求項1〜3何れかに記載のレーザ照射装置。
  5. 前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行う請求項1〜4何れかに記載のレーザ照射装置。
  6. 速応性が高い高速応フィードバック制御系及び安定性が高い安定フィードバック制御系とを含み、前記改質対象物からの反射光を検出したときに高速応フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行い、所定時間経過後に前記安定フィードバック制御系を用いてフィードバック制御を行うフォーカス手段と、前記レーザスポットを改質対象物表面に対して平行なXY平面内で移動させる移動手段と、前記改質対象物表面にレーザスポットを走査し、改質対象物表面の各XY座標点における歪みを外部制御量として検出する外部制御量検出手段と、前記フォーカス手段と移動手段と外部制御量検出手段とを制御する制御手段とを備え、テーブル上に搭載した平面状の改質対象物にレーザスポットを照射して改質対象物を改質するレーザ照射装置のフォーカス制御方法であって、
    前記制御手段が、
    前記テーブル上の改質対象物の搭載位置外から改質対象物に向かって前記レーザスポットの走査を開始し、改質対象物からの反射光を検出したとき、前記レーザスポットを改質対象物表面に前記外部制御量検出手段により検出したXY座標毎の歪み値を補正値として合焦点するようにフォーカス手段を制御するフォーカス制御方法。
  7. 前記外部制御量手段が、前記改質対象物表面から反射されたレーザスポットの反射光を光電変換したフォーカス誤差信号及び前記フォーカス手段を制御するドライブ信号を基に外部制御量を検出する請求項記載のフォーカス制御方法。
  8. 前記制御手段が、同一仕様の複数の改質対象物の前記歪み値を記憶し、該記憶した歪み値の平均値を補正値としてフォーカス手段を制御する請求項6又は7記載のフォーカス制御方法。
  9. 前記改質対象物のXY平面方向と垂直な方向の距離をZ、フォーカス手段を駆動するドライブ信号をDとしたとき、
    前記制御手段が、前記外部制御量を、改質対象物表面上のXY座標上の任意の位置iにおいて(Xi、Yi、Zi、Di)として記憶する請求項6から8何れかに記載のフォーカス制御方法。
  10. 前記改質対象物を改質するレーザパワーの第1のレーザスポットと、前記改質対象物を改質しないレーザパワーの第2のレーザスポットとを設け、前記フォーカス手段が、前記フォーカス制御を前記第2のレーザスポットを用いてフォーカス制御を行う請求項6から9何れかに記載のフォーカス制御方法。
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