以下、本発明の一実施形態を図1〜図14(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4つの有色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)と透明色とを重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、5つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d、2030e)、5つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d、2031e)、5つの帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d、2032e)、5つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d、2033e)、5つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d、2034e)、転写ベルト2040A、搬送ベルト2040B、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)の配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
ここでは、感光体ドラム2030bは、感光体ドラム2030aの+X側に配置され、感光体ドラム2030cは、感光体ドラム2030bの+X側に配置され、感光体ドラム2030dは、感光体ドラム2030cの+X側に配置されている。すなわち、4つの感光体ドラム(2030a〜2030d)は、X軸方向に沿って配置されている。
感光体ドラム2030eは、感光体ドラム2030dの+X側で、かつ+Z側に配置されている。
感光体ドラム2030aの表面近傍には、感光体ドラム2030aの回転方向に沿って、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、クリーニングユニット2031aが配置されている。
感光体ドラム2030a、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、透明色の画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Tステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030bの表面近傍には、感光体ドラム2030bの回転方向に沿って、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、クリーニングユニット2031bが配置されている。
感光体ドラム2030b、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030cの表面近傍には、感光体ドラム2030cの回転方向に沿って、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、クリーニングユニット2031cが配置されている。
感光体ドラム2030c、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030dの表面近傍には、感光体ドラム2030dの回転方向に沿って、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、クリーニングユニット2031dが配置されている。
感光体ドラム2030d、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030eの表面近傍には、感光体ドラム2030eの回転方向に沿って、帯電チャージャ2032e、現像ローラ2033e、クリーニングユニット2031eが配置されている。
感光体ドラム2030e、帯電チャージャ2032e、現像ローラ2033e、トナーカートリッジ2034e、及びクリーニングユニット2031eは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
転写ベルト2040Aは、4つの感光体ドラム(2030a〜2030d)の−Z側に配置されている。また、搬送ベルト2040Bは、感光体ドラム2030eの+X側に配置されている。そして、転写ベルト2040Aの+X側端部は、搬送ベルト2040Bに近接している。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報、透明色画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aには透明色トナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。トナーカートリッジ2034eにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033eに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。なお、以下では、便宜上、トナーが付着した像を「トナー画像」という。
透明色、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー画像は、対応する感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040Aの方向に移動する。また、ブラックのトナー画像は、感光体ドラム2030eの回転に伴って搬送ベルト2040Bの方向に移動する。
透明色、イエロー、マゼンタ、シアンの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040A上に順次転写され、重ね合わされる。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚づつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040Aと搬送ベルト2040Bとの間隙に向けて送り出す。
これにより、転写ベルト2040A上で重ね合わされたトナー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、搬送ベルト2040Bによって+Z方向に移動し、感光体ドラム2030e上のブラックのトナー画像がさらに転写され重ね合わされる。この記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去、回収する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャに対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、5つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d、2200e)、5つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d、2201e)、5つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d、2202e)、5つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d、2204e)、ポリゴンミラー2104、2つの第1走査レンズ(2105A、2105B)、7つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2106e、2108b、2108c)、5つの第2走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d、2107e)、5つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d、2205e)、5つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d、2207e)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
ここでは、Z軸方向からみたときに、光源2200aと光源2200dは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、Z軸方向からみたときに、光源2200aから射出される光束の主光線の進行方向を「w1方向」とし、光源2200dから射出される光束の主光線の進行方向を「w2方向」とする。また、光源2200aにおける主走査対応方向を「m1方向」とし、光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。
光源2200bは光源2200aの−Z側に配置されている。また、光源2200eは光源2200dの−Z側に配置され、光源2200cは光源2200eの−Z側に配置されている。
そこで、Z軸方向からみたときに、光源2200bから射出される光束の主光線の進行方向はw1方向であり、光源2200c及び光源2200eから射出される各光束の主光線の進行方向はw2方向である。また、光源2200bにおける主走査対応方向はm1方向であり、光源2200c及び光源2200eにおける主走査対応方向はm2方向である。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束(LBa)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束(LBb)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束(LBc)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束(LBd)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201eは、光源2200eから射出された光束(LBe)の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
開口板2202eは、開口部を有し、カップリングレンズ2201eを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204eは、開口板2202eの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、光源2200aの偏向器前光学系(偏向器前光学系Aという)である。
カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、光源2200bの偏向器前光学系(偏向器前光学系Bという)である。
カップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cとからなる光学系は、光源2200cの偏向器前光学系(偏向器前光学系Cという)である。
カップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dとからなる光学系は、光源2200dの偏向器前光学系(偏向器前光学系Dという)である。
カップリングレンズ2201eと開口板2202eとシリンドリカルレンズ2204eとからなる光学系は、光源2200eの偏向器前光学系(偏向器前光学系Eという)である。
ポリゴンミラー2104は、Z軸に平行な軸回りに回転する一段の6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。すなわち、ポリゴンミラー2104は、6つの偏向反射面を有している。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204aからの光束(光束LBa)及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束(光束LBb)は、ポリゴンミラー2104における−X側に位置する偏向反射面に入射する。
一方、シリンドリカルレンズ2204cからの光束(光束LBc)、シリンドリカルレンズ2204dからの光束(光束LBd)及びシリンドリカルレンズ2204eからの光束(光束LBe)は、ポリゴンミラー2104における+X側に位置する偏向反射面に入射する。
そして、光束LBaが、w1方向に対して時計回りに角度θaだけ傾斜した方向から偏向反射面に入射するように、光源2200a及び偏向器前光学系Aが配置されている。また、光束LBbが、w1方向に対して反時計回りに角度θbだけ傾斜した方向から偏向反射面に入射するように、光源2200b及び偏向器前光学系Bが配置されている。
さらに、光束LBcが、w2方向に対して時計回りに角度θcだけ傾斜した方向から偏向反射面に入射するように、光源2200c及び偏向器前光学系Cが配置されている。また、光束LBdが、w2方向に対して反時計回りに角度θdだけ傾斜した方向から偏向反射面に入射するように、光源2200d及び偏向器前光学系Dが配置されている。ここでは、|θa|=|θb|=|θc|=|θd|である。
そして、光束LBeが、w2方向に平行な方向から偏向反射面に入射するように、光源2200e及び偏向器前光学系Eが配置されている。
なお、以下では、便宜上、光束が偏向反射面に入射する際に、Z軸方向に関して、偏向反射面の法線方向に対して傾斜した方向から入射することを「斜入射」という。また、光束が偏向反射面に入射する際に、Z軸方向に関して、偏向反射面の法線方向に平行な方向から入射することを「水平入射」という。すなわち、光束LBa、光束LBb、光束LBc、及び光束LBd、は、偏向反射面に斜入射され、光束LBeは、偏向反射面に水平入射される。
そして、シリンドリカルレンズ2204aからの光束(光束LBa)及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束(光束LBb)は、ポリゴンミラー2104の−X側に偏向される。一方、シリンドリカルレンズ2204cからの光束(光束LBc)、シリンドリカルレンズ2204dからの光束(光束LBd)及びシリンドリカルレンズ2204eからの光束(光束LBe)は、ポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
第1走査レンズ2105Aは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、第1走査レンズ2105Bは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向された光束LBaは、第1走査レンズ2105A、折返しミラー2106a、第2走査レンズ2107aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向された光束LBbは、第1走査レンズ2105A、折り返しミラー2106b、折り返しミラー2108b、第2走査レンズ2107bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向された光束LBcは、第1走査レンズ2105B、折り返しミラー2106c、折り返しミラー2108c、第2走査レンズ2107cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向された光束LBdは、第1走査レンズ2105B、折り返しミラー2106d、第2走査レンズ2107dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向された光束LBeは、第1走査レンズ2105B、第2走査レンズ2107e、折り返しミラー2106eを介して、感光体ドラム2030eに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030eの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030e上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030eでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030eの回転方向が、感光体ドラム2030eでの「副走査方向」である。
ここでは、Kステーションを除く4つのステーションでは、ポリゴンミラー2104から被走査面までの光路長は、それぞれ同じである。一方、Kステーションにおけるポリゴンミラー2104から被走査面までの光路長は、他のステーションにおけるポリゴンミラー2104から被走査面までの光路長よりも短い。これにより、感光体ドラム2030eが他の4つの感光体ドラムから離れて配置されていても、レイアウトの自由度を確保することが可能となる。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
本実施形態では、第1走査レンズ2105Aと第2走査レンズ2107aと折り返しミラー2106aとからTステーションの走査光学系が構成されている。
また、第1走査レンズ2105Aと第2走査レンズ2107bと2つの折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。
また、第1走査レンズ2105Bと第2走査レンズ2107cと2つの折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。
また、第1走査レンズ2105Bと第2走査レンズ2107dと折り返しミラー2106dとからYステーションの走査光学系が構成されている。
そして、第1走査レンズ2105Bと第2走査レンズ2107eと折り返しミラー2106eとからKステーションの走査光学系が構成されている。
ここでは、各第2走査レンズは、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズである。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Tステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
光検知センサ2205eには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207eを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する
ところで、光束を偏向反射面に斜入射させると、(1)走査線の曲がり及び(2)波面収差の増大のおそれがある。走査線の曲がりは、出力画像における色ずれの要因となり、波面収差の増大は、光スポットのスポット径の太りによる画質低下の要因となる。
(1)走査線曲がりの発生について
副走査対応方向に強い屈折力を持つ走査レンズ(本実施形態では、第2走査レンズ)において、入射面の主走査対応方向の形状が、偏向反射面における光束の反射位置をその中心とする円弧形状であれば、偏向反射面から該走査レンズの入射面(以下では、便宜上「レンズ入射面」と略述する)までの距離は、レンズ入射面における主走査対応方向のどの位置(レンズ高さ)でも同じである。
しかしながら、通常、走査レンズを上記形状にすることは、光学性能を維持する上で難しい。そこで、通常、偏向反射面で反射された光束は、被走査面における像高によって偏向反射面からレンズ入射面までの距離が異なる。そして、偏向反射面で反射された光束は、像高0の位置以外では、主走査対応方向に関して、ある角度を持ってレンズ入射面に入射する(図6参照)。
また、偏向反射面に斜入射され、該偏向反射面で反射された光束は、副走査対応方向に関してある角度を持ってレンズ入射面に入射する。そこで、偏向反射面で反射された光束が走査レンズに入射する際に、走査レンズへの副走査対応方向に関する光束の入射位置(高さ)は、主走査対応方向の端部に行くほど中心よりも高い位置、もしくは低い位置(光束の傾斜方向により異なる)となる(図7(A)及び図7(B)参照)。
この結果、偏向反射面に斜入射され、該偏向反射面で反射された光束は、走査レンズの副走査対応方向に屈折力を持つ面を通過する際に、主走査対応方向に関する入射位置によって副走査対応方向に受ける屈折力が異なり、走査線曲がりが発生する。なお、偏向反射面に水平入射され、該偏向反射面で反射された光束は、偏向反射面からレンズ入射面までの距離が異なっても、走査レンズ上での副走査対応方向に関する入射位置が異なることはなく、走査線曲がりは生じない。
(2)波面収差の増大
偏向反射面で反射された光束は、主走査対応方向に関してある幅を持っており、光束内で主走査対応方向の両端では、偏向反射面からレンズ入射面までの距離が互いに異なっている。そこで、偏向反射面に斜入射され、該偏向反射面で反射された光束は、ねじれた状態で走査レンズに入射する。
この結果、波面収差が増大し、光スポットのスポット径が太ることとなる。なお、主走査対応方向に関するレンズ入射面への光束の入射角は、走査レンズの主走査対応方向における端部に近いほど大きくなるため、光束のねじれは、走査レンズの主走査対応方向における端部に近いほど大きくなる。そこで、スポット径の太りは、走査レンズの主走査対応方向における端部に近いほど大きくなる。
本実施形態では、2つの第1走査レンズ(2105A、2105B)及び4つの第2走査レンズ(2107a〜2107d)の各面(入射側の面、射出側の面)を、次の(1)式で表現される特殊面としている。この(1)式では、各走査レンズにおける主走査対応方向をy方向、副走査対応方向をz方向、y方向及びz方向のいずれにも直交する方向をx方向としている。そして、その光軸を含み、y方向に平行な断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRy、y方向に関する光軸からの距離をy、高次の係数をA、B、C、D…とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRzとする。また、Cm=1/Ry、Cs(y)=1/Rz、である。
(F0+F1・y+F2・y2+F3・y3+F4・y4+・・・・)Zは、いわゆるチルト量を表す部分であり、該チルト量は、y方向に関して変化することになる。
すなわち、この特殊面は、副走査対応方向に関しては曲率を持たず、副走査対応方向の傾きが主走査対応方向の位置によって異なる面である。なお、同一の面形状を上記(1)式とは別の式を用いて特定することも可能である。
特殊面における副走査対応方向に関する形状を、曲率を持たない平面形状としている理由について説明する。
仮に、副走査対応方向に曲率を付けると、副走査対応方向の高さ毎に主走査対応方向の形状が大きく変化することとなる。このとき、温度変動や光学素子の組み付け誤差に起因して副走査対応方向に関して光束の入射位置がずれると、大きな倍率誤差変動が発生する。そして、多色の画像形成装置においては、各色間での被走査面における光スポットの位置にずれを生じ、その結果、出力画像に色ずれが発生する。
一方、特殊面における副走査対応方向に関する形状を、曲率を持たない平面形状とすると、副走査対応方向の高さによる主走査対応方向の形状誤差を小さくでき、副走査対応方向に関して光束の入射位置がずれても、倍率誤差変動を小さくすることができる。その結果、出力画像に色ずれが発生するのを抑えることができる。
ここでは、ポリゴンミラー2104に近い第1走査レンズの特殊面で波面収差補正が行われ、感光体ドラムに近い第2走査レンズの特殊面で走査線曲がり補正が行われるように、各走査レンズの特殊面において、主走査対応方向に関して異なるチルト量を適切に付与している。この場合、光束のねじれが補正され、第2走査レンズにおける光束の入射位置が補正される。また、各像高に向かう光束の副走査対応方向に関する方向が補正される。
そして、第2走査レンズに入射する光束は絞られているため、第2走査レンズの特殊面によって波面収差が増大するのを抑制することができる。
また、偏向反射面に斜入射された光束であっても、走査レンズの光軸近傍に入射する場合は、走査レンズに対し光束のスキューがほとんど発生しないため、波面収差はほとんど増大しない。そこで、上記特殊面では、光軸上での偏心量をゼロとすることができ、良好な補正が可能となる。ところで、従来、レンズもしくはレンズ面をチルト偏芯あるいはシフト偏芯させて、波面収差補正や走査線曲がり補正を行う場合には、中央像高近傍においては、その性能を劣化させて、周辺像高とのバランスを取っていた。
第2走査レンズ2107eの各面(入射側の面、射出側の面)は、次の(2)式で表現される非球面である。すなわち、上記(1)式におけるチルト量を0とした形状である。
ところで、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するカラープリンタ5000の概略構成が図8に示されている。このカラープリンタ5000は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローに対応する4つの感光体ドラム(K1、C1、M1、Y1)、及び光走査装置5010などを備えている。光走査装置5010は、一例として図9〜図10(B)に示されるように、4つの光源(K10、C10、M10、Y10)、4つの偏向器前光学系(K11、C11、M11、Y11)、ポリゴンミラーPM、4つのfθレンズ(K5、C5、M5、Y5)、8つの折返しミラー(K6、C6、M6、Y6、K8、C8、M8、Y8)、4つのトロイダルレンズ(K7、C7、M7、Y7)などを有している。この場合、4つの光源からの各光束は、ポリゴンミラーPMに水平入射されている。ポリゴンミラーPMは、4つの光束をそれぞれ分離するのに必要なZ軸方向の間隔を得るために、偏向反射面が2段化されている。なお、偏向反射面は一段であっても良いが、偏向反射面のZ軸方向の厚さが厚くなると、空気との接触面積が増大して、風損の影響による消費電力アップ、騒音の増大、コストアップなどの不都合が生じる。この光走査装置5010において、トナーの追加により、ポリゴンミラーで偏向される光束の数が増えると、偏向反射面のZ軸方向の厚さがさらに厚くなり、高速化及び低コスト化に対する障害となる。また、一例として図11に示されるように、偏向反射面を3段化した場合には、ポリゴンミラーの形状が複雑になり、更なる高コスト化を招くことになる。
また、上記カラープリンタ5000が、光走査装置5010に代えて、一例として図12(A)及び図12(B)に示されるように、4つの光源からの各光束(LB1〜LB4)がポリゴンミラーに斜入射されるように構成されている光走査装置を有している場合に、トナーの追加により、ポリゴンミラーで偏向される光束の数が増えると、一例として図13に示されるように、1つの光束(LB5)の斜入射角が大きくなり、光学性能の劣化、光学ハウジングの大型化などを招く。なお、図12(A)〜図13におけるDzは、走査光学系において、各光束を分離する際に必要なZ軸方向に関する光束の間隔に対応する値である。
本実施形態では、図14(A)及び図14(B)に示されるように、斜入射される4つの光束の斜入射角の大きさ(絶対値)を同じとすることができる。この斜入射角の大きさは、図12(A)及び図12(B)における各光束(LB1〜LB4)の斜入射角の大きさよりも大きいが、図13における光束(LB5)の斜入射角よりも小さい。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、5つの感光体ドラム(2030a〜2030e)に対応し、5つの光源(2200a〜2200e)、複数の偏向反射面を有し、5つの光源から射出された5つの光束(LBa〜LBe)を偏向するポリゴンミラー2104、該ポリゴンミラー2104で偏向された5つの光束を、それぞれ対応する感光体ドラムの表面に集光する走査光学系を備えている。
そして、5つの光源から射出された5つの光束(LBa〜LBe)は、ポリゴンミラー2104に入射する際に、5つの光束のうち2つの光束(LBa、LBb)と3つの光束(LBc、LBd、LBe)は、互いに異なる偏向反射面に入射している。このとき、4つの光束(LBa、LBb、LBc、LBd)は、偏向反射面に斜入射され、1つの光束LBeは、偏向反射面に水平入射されている。
この場合、ポリゴンミラー2104として、従来の偏向反射面が1段のポリゴンミラーを用いることができる。すなわち、ポリゴンミラーを大きくすることなく、5つの光束をそれぞれ分離して偏向することが可能である。これにより、ポリゴンミラーを回転させる際のイナーシャを小さくすることができ、起動時間を短縮することができる。また、偏向反射面が2段化されたポリゴンミラーに対し、コストダウンが可能である。さらに、消費電力の低減や、騒音の低減など環境面においても大きな効果が得られる。
また、ポリゴンミラーに斜入射される光束の斜入射角が大きくなるのを抑制することができる。これにより、斜入射に起因する走査線の曲がり及び波面収差の増大を従来と同様にして補正することができる。すなわち、感光体ドラム表面でのビームスポット径を安定的に小さくすることができ、高い画像品質を得ることが可能となる。
そこで、高コスト化及び大型化を招くことなく、5つの感光体ドラムの表面をいずれも精度良く走査することが可能となる。
また、光束LBa、光束LBb、光束LBc、及び光束LBdの斜入射角の大きさ(絶対値)は、それぞれ同じである。この場合には、2つの第1走査レンズ(2105A、2105B)の形状を同じにすることができるとともに、4つの第2走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)の形状も同じにすることができるため、組み付け作業の簡素化が可能となり、低コスト化を更に図ることができる。
また、Kステーションを他の4つのステーションから独立させた構成としているため、最も使用頻度が高いブラックのモノクロ画像の画像形成時間、特に最初の一枚を出力するまでの時間を短縮することができる。
また、Kステーションを他の4つのステーションから独立させた構成としているため、光束LBeのポリゴンミラー2104から感光体ドラム2030eまでの光路長を、他の4つのステーションにおける光束のポリゴンミラー2104から対応する感光体ドラムまでの光路長に関係なく、設定することができる。これにより、感光体ドラムの数が増加しても、レイアウトの自由度を確保することが可能である。
また、Tステーションの走査光学系、Cステーションの走査光学系、Mステーションの走査光学系、及びYステーションの走査光学系は、いずれも2枚の走査レンズを有し、各走査レンズに特殊面が設けられている。そして、ポリゴンミラー2104に近い第1走査レンズの特殊面で波面収差補正が行われ、感光体ドラムに近い第2走査レンズの特殊面で走査線曲がり補正が行われるように設定されている。そこで、光源からの光束がポリゴンミラー2104に斜入射されても、光スポットのビーム径の小径化及び走査線曲がりの低減を達成することが可能である。もちろん、2枚の走査レンズで完全に機能を分離させなければならないわけではなく、それぞれの特殊面で、波面収差補正の一部、走査線曲がり補正の一部を受け持っても良い。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、高コスト化及び大型化を招くことなく、高品質の画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では、5つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d、2030e)が、それぞれ、透明色、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対応する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム2030aがブラックに対応し、感光体ドラム2030eが透明色に対応しても良い。この場合に、ブラックのトナー画像が最初に転写ベルトに転写されるような配置にすることにより、回収されたブラックトナーを再利用することができる。
また、上記実施形態では、Kステーションが最も下流に配置されており、記録紙に最後に転写される構成となっている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Kステーションが最も上流に配置されていても良い。この場合には、Kステーションで回収されたトナーにカラートナーが混在するのを防ぐことができる。これは、例えば、図1において、光走査装置と転写ベルトを入れ替えることで実現できる。
また、上記実施形態において、前記透明色のトナーに代えて、例えば、白色のトナーやグレーのトナーを用いても良い。
透明色のトナーについては、画像の光沢度向上が目的である場合が多く、トナーが透明であることからも、必ずしも他色と同等の位置ずれ精度が要求されるわけではなく、光学特性が他のステーションと一致していなくても良い。このため、光学系を簡素化しコストダウンを図ったり、光路長を短くして画角を広げるなど、本体レイアウトに合わせた光学レイアウトをとることも可能となる。
上記実施形態の構成によれば、独立するステーションに対応するトナーとその目的により、光学特性を他ステーションと合わせたり、他ステーションよりも向上させたり、若干落としたりすることができる。各々の場合で、走査レンズの構成、光路長の設定を行い所望の光学特性を得るようにすれば良い。
また、上記実施形態において、第1走査レンズ2105Bでは、前記特殊面に代えて、レンズの中心は副走査対応方向に屈折力を持たず、主走査対応方向の周辺に向かって凹の屈折力(負のパワー)が強くなる面が設けられても良い。この場合、光束LBeは、第1走査レンズ2105Bに入射する際、その入射位置は、第1走査レンズ2105Bの入射面における中心近傍を、副走査対応方向に関して湾曲せずに、主走査対応方向に略直線状に移動する(図15参照)。このため、通常の副走査対応方向に凹の屈折力を持つ走査レンズと同じ作用を受ける。
また、上記実施形態において、一例として図16に示されるように、光束LBa、光束LBb、光束LBc及び光束LBdを同一の偏向反射面に斜入射し、−X側に偏向しても良い。この場合には、ポリゴンミラーの+X側に位置する偏向反射面には、光束LBeだけが水平入射される。これにより、光束LBeにおけるポリゴンミラーから被走査面までの光路長をさらに短くすることができる。なお、このとき、前記第1走査レンズ2105Aに代えて第1走査レンズ2105Cが、前記第1走査レンズ2105Bに代えて第1走査レンズ2105Dが用いられる。また、前記第2走査レンズ(2107a〜2107e)に代えて、第2走査レンズ(2107a´〜2107e´)が用いられる。
この場合に、感光体ドラム2030aに対応するトナーをブラック、感光体ドラム2030eに対応するトナーを透明色にすると、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に対応する各光束に対して、主走査対応方向に強い屈折力を持つ第1走査レンズ2105Cを共用させることができるため、環境変動による第1走査レンズ2105Cの膨張、収縮の影響を各色に対応する光束が同様に受けることとなる。そこで、各色で、倍率誤差の変動を略一致させることが可能となり、特に主走査方向に関する色ずれを低減することができる。
また、この場合には、各第2走査レンズ(2107a´〜2107d´)の面形状を、主走査対応方向に関して、光軸に対して対称な形状とすることができる。なお、前記特殊面では、斜入射角の符号(+、−)によりチルトの傾きが逆になるが、第2走査レンズを反転して配置すれば良い。
なお、斜入射角が異なると走査線曲りの大きさは異なるため、理想的な走査線曲り補正のためには、斜入射角毎に異なるチルト面を持つことが良いが、異なる斜入射角の間の仮想斜入射角(偏向反射面で跳ね上げられる、もしくは蹴下げられる2本の光束の斜入射角の差)で発生する走査線曲りを補正するように設計することで、各々の残存する走査線曲がりを小さくすることが可能となる。そして、走査レンズの種類を低減できる。このとき、Z軸方向に関して、第1走査レンズ2105Cの両端部近傍に入射する2つの光束(図16では、LBaとLBd)の斜入射角を同じとし、第1走査レンズ2105Cの中央部近傍に入射する2つの光束(図16では、LBbとLBc)の斜入射角を同じとすることは言うまでもない。
さらに、第1走査レンズ2105Cにおける各光束の通過位置がZ軸方向に関して異なることで、実質的に第1走査レンズ2105Cにおける光束の通過位置でのY軸方向の形状は、Z軸方向における端部近傍と中央部とで異なり、Y軸方向における像面湾曲も変化する。しかしながら、走査線曲がりの補正と同様に、第2走査レンズのY軸方向の形状を適切に設計し、像面湾曲を各被走査面上で同程度になるようにすることで、各第2走査レンズ(2107a´〜2107d´)の共通化は可能である。これにより、光走査装置全体での走査レンズの種類が低減され、組付け工程での管理を簡素化でき、更なるコストダウンを図ることができる。
このとき、一例として図17に示されるように、第1走査レンズ2105Dと第2走査レンズ2107e´に代えて、1つの走査レンズ2105Eを用いても良い。これにより、レイアウトの自由度を更に高めることが可能となる。
また、上記実施形態において、一例として図18に示されるように、前記シリンドリカルレンズ2204aと前記シリンドリカルレンズ2204bに代えて、1つのシリンドリカルレンズ2204Aを用いても良い。この場合には、光源2200a及び光源2200bでは、w1方向に平行な方向に光束を射出することができる。
また、上記実施形態において、一例として図19に示されるように、前記シリンドリカルレンズ2204cと前記シリンドリカルレンズ2204dと前記シリンドリカルレンズ2204eに代えて、1つのシリンドリカルレンズ2204Bを用いても良い。この場合には、光源2200c及び光源2200dでは、光源2200eと同様に、w2方向に平行な方向に光束を射出することができる。
また、上記実施形態において、各光源がそれぞれ複数の発光部を有していても良い。この場合には、複数の光束で被走査面を同時に走査することができ、画像形成の高速化、及び画像の高密度化を図ることができる。
また、上記実施形態では、光走査装置2010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。