実施例は複数のネットワークインタフェース装置を搭載した情報処理装置であって、いわゆるウェイク−オン−LAN起動の機能を有する情報処理装置およびその制御方法に関する。
図1は参考例の情報処理装置の構成を示す。参考例の情報処理装置1100はサーバであり、システムボード110とI/O(Input/Output,以下同様)ボード1120とを有する。システムボード110にはCPU(Central Processing Unit、以下同様)111とバスインタフェーススイッチ112とが含まれる。CPU111は演算処理装置であり、サーバとして外部に演算処理機能を提供する。バスインタフェーススイッチ112はCPU111に接続されるバスと後述するNIC121〜124の各々に接続されるバスとを相互に通信可能な態様で接続するスイッチである。
情報処理装置1100はMMB(ManageMent Board,以下同様)1150を有する。MMB1150は情報処理装置1100の全体を管理するサービスプロセッサ(SVP:SerVice Processor)の一種である。
情報処理装置1100は更に常駐電源131を有する。ここで常駐電源131は、常時、後述するNIC121〜124に対し常時電源を供給する。ここで「常時」とは、情報処理装置1100が稼働状態にある間とスタンバイ状態にある間とを含む時間帯を意味する。又「稼働状態」とは情報処理装置1100がサーバとしての機能を発揮する状態を意味し、スタンバイ状態とは情報処理装置1100がサーバとしての機能を発揮しない状態を意味する。
上記I/Oボード1120は上記複数のネットワークインタフェース装置としての、4台のオンボードNIC(Network Interface Controller:ネットワークインタフェースコントローラ、以下、「NIC」と称する)121,122,123,124を有する。当該NIC121〜124は各々、ウェイク−オン−LAN起動の機能を有するNICとすることができる。
情報処理装置1100はLAN経由で複数の端末装置としてのパーソナルコンピュータ1〜9のそれぞれと相互に通信可能な態様で接続される。LANは4つのセグメント21,22,23,24を有する。情報処理装置1100はセグメント21を介してパーソナルコンピュータ1、2と接続され、セグメント22を介してパーソナルコンピュータ3,4と接続される。また情報処理装置1100はセグメント23を介してパーソナルコンピュータ5.6,7と接続され、セグメント24を介してパーソナルコンピュータ8,9と接続される。
前記4台のNIC121〜124のうち、NIC121がセグメント21を介してパーソナルコンピュータ1,2と接続される。同様にNIC122がセグメント22を介してパーソナルコンピュータ3、4と接続される。同様にNIC123がセグメント23を介してパーソナルコンピュータ5.6,7と接続される。同様にNIC124がセグメント24を介してパーソナルコンピュータ8,9と接続される。
ここで情報処理装置1100がサービスを提供するサーバとしての機能を発揮する稼働状態にある間、パーソナルコンピュータ1〜9のいずれかから対応するセグメント21〜24を介し、所定の演算処理の要求を受けた場合を想定する。当該要求は対応するNIC121〜124のいずれかおよびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111に転送される。CPU111は当該要求に応じ所定の演算処理を行い、処理結果を出力する。当該処理結果は上記要求の転送経路を逆方向に辿り要求元のパーソナルコンピュータに返信される。
上述した参考例の情報処理装置1100における上記ウェイク−オン−LAN起動の動作例について説明する。情報処理装置1100はLAN経由で接続されるパーソナルコンピュータ1〜9のいずれからも演算処理の要求を受けていない場合、上記スタンバイ状態にある。当該スタンバイ状態にあっても上記の如く、NIC121〜124のそれぞれには常駐電源131から電源が供給される。これは上記ウェイク−オン−LAN起動に備えるためである。
ここで情報処理装置1100がスタンバイ状態にある間、パーソナルコンピュータ1〜9のうちのいずれか、たとえばパーソナルコンピュータ3が情報処理装置1100をウェイク−オン−LAN起動させる場合を想定する。この場合パーソナルコンピュータ3は、いわゆるマジックパケットを情報処理装置1100のNIC122宛に送信する。マジックパケットとはウェイク−オン−LAN起動させる場合、当該マジックパケットはセグメント2を介しNIC122に受信される。NIC122はウェイク−オン−LAN起動の機能により、電源オン信号をMMB1150に対し発信する。MMB1150は電源オン信号を受けて情報処理装置1100を起動する。その結果情報処理装置1100はサーバとしての機能を発揮し得る状態、すなわち上記稼働状態になる。稼働状態ではパーソナルコンピュータ1〜9からの要求に応じ、CPU111による演算処理が実行され得る。
このように参考例の情報処理装置1100では、スタンバイ状態において4台のNIC121〜124に常駐電源131から電源が供給される。このため、パーソナルコンピュータ1〜9のうちのいずれのパーソナルコンピュータからマジックパケットが発信されても、4台のNIC121〜124中の対応するNICが当該マジックパケットを受信し、上記電源オン信号を発信し得る。その結果ウェイク−オン−LAN起動が実現される。
次に図2乃至12とともに、実施例1の情報処理装置100について説明する。
図2に示す如く、実施例1の情報処理装置100は上記参考例の情報処理装置1100と略同様の構成を有する。実施例1の情報処理装置100が参考例の情報処理装置1100と同一の構成、同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省き、異なる点について重点的に説明する。
実施例1の情報処理装置100は図2に示す如く、システムボード110とI/Oボード120とを有する。I/Oボード120が図1とともに上記した参考例のI/Oボード1120と異なる点は以下の通りである。すなわち実施例1のI/Oボード120には、スイッチングハブ128および接続切り替えスイッチSW0,SW1,SW2,SW3,SW3が挿入される。
また実施例1の情報処理装置100はMMB150を有する。MMB150が上記参考例の情報処理装置1100のMMB1150と相違する点は、上記スイッチングハブ128および接続切り替えスイッチSW0,SW1,SW2,SW3,SW3を制御する機能を有する点である。
スイッチングハブ128は接続切り替えスイッチSW0を介し、NIC121に接続される。またスイッチングハブ128は接続切り替えスイッチSW1を介し、NIC121を対応するセグメント21に接続するLANコネクタT1に接続される。同様にスイッチングハブ128は接続切り替えスイッチSW2を介し、NIC122を対応するセグメント22に接続するLANコネクタT2に接続される。同様にスイッチングハブ128は接続切り替えスイッチSW3を介し、NIC123を対応するセグメント23に接続するLANコネクタT3に接続される。同様にスイッチングハブ128は接続切り替えスイッチSW4を介し、NIC124を対応するセグメント24に接続するLANコネクタT4に接続される。
また接続切り替えスイッチSW0はNIC121の接続先を、スイッチングハブ128と接続切り替えスイッチSW1との間で切り替える。接続切り替えスイッチSW1はNIC121用のLANコネクタT1の接続先を、スイッチングハブ128と接続切り替えスイッチSW0との間で切り替える。接続切り替えスイッチSW2はNIC122用のLANコネクタT2の接続先を、スイッチングハブ128とNIC122との間で切り替える。接続切り替えスイッチSW3はNIC123用のLANコネクタT3の接続先を、スイッチングハブ128とNIC123との間で切り替える。接続切り替えスイッチSW4はNIC124用のLANコネクタT4の接続先を、スイッチングハブ128とNIC124との間で切り替える。
またNIC122、123,124の電源は通常電源132から供給され、NIC121の電源は常駐電源131から供給される。又スイッチングハブ128の電源も常駐電源131から供給される。
次に実施例1の情報処理装置100の動作の概念につき、図3,図4とともに説明する。なお図3,4の構成は上記した図2の構成と同様であるが、説明の便宜上各セグメント21〜24が直線で表現される。上記直線21〜24はそれぞれがLANに含まれるセグメント21〜24を示す。また各セグメント21〜24に接続されるパーソナルコンピュータはセグメント毎に1台とされ、計4台のパーソナルコンピュータPC1、PC2,PC3,PC4がそれぞれセグメント21〜24に接続されるものとする。
図3は情報処理装置100が上記スタンバイ状態にある場合を示している。当該スタンバイ状態では、常駐電源131がNIC121とスイッチングハブ128とに電源を供給し、通常電源132は電源の供給を停止している。よって他の3台のNIC122〜124には電源は供給されておらず、したがって当該他の3台のNIC122〜124はパケットを受信することができない。ここでNIC121は一のネットワークインタフェース装置に対応し、他の3台のNIC122〜124は他のネットワークインタフェース装置に対応するものとすることができる。
またスタンバイ状態では、接続切り替えスイッチSW0はNIC121をスイッチングハブ128に接続し、接続切り替えスイッチSW1〜SW4はそれぞれ、LANコネクタT1〜T4をスイッチングハブ128に接続している。
ここで、当該スタンバイ状態において4個のセグメント21〜24に接続される4台のパーソナルコンピュータPC1〜PC4の内のいずれか1台のパーソナルコンピュータがマジックパケットを送信した場合を想定する。マジックパケットは所定のデータとすることができる。マジックパケットは当該マジックパケットの送信元の前記1台のパーソナルコンピュータに対応するセグメントおよびLANコネクタを介し、情報処理装置100に到達する。説明の便宜上、上記マジックパケットを送信したパーソナルコンピュータをパーソナルコンピュータPC2とする。その場合マジックパケットは対応するセグメント22およびLANコネクタT2を介し、情報処理装置100に到達する。その後マジックパケットはコネクタT2から接続切り替えスイッチSW2を介し、スイッチングハブ128に到達する。スイッチングハブ128はマジックパケットの宛先を常駐電源131で稼働中のNIC121宛に変換し、当該宛先変換後のマジックパケットを接続切り替えスイッチSW0に送信する。当該宛先変換後のマジックパケットは接続切り替えスイッチSW0を介し、当該宛先変換後のマジックパケットの宛先であるNIC121に到達する。上記の如くスタンバイ状態でもNIC121には常駐電源131により電源が供給されて稼働される。その結果NIC121は当該到達したマジックパケットを受信して処理することができる。上記の如く、各NIC121〜124はウェイク−オン−LAN起動の機能を有する。このためNIC121は当該マジックパケットを受信するとウェイク−オン−LAN起動により電源オン信号をMMB150に対し発信する。MMB150は電源オン信号を受信すると情報処理装置100の各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100の起動を開始する。そして図4に示される如く、MMB150は通常電源132によるNIC122〜124への電源の供給を開始する。その結果常駐電源131から電源が供給されて稼働中のNIC121以外の3台のNIC122〜124の各々も、通常電源132から電源が供給されて稼働を開始する。
更にMMB150の制御下、5個の接続切り替えスイッチSW0〜SW4が切り替わる。すなわち、接続切り替えスイッチSW0はNIC121を接続切り替えスイッチSW1に接続し、接続切り替えスイッチSW1はNIC121用のLANコネクタT1を接続切り替えスイッチSW0に接続する。また他の3個の接続切り替えスイッチSW2〜SW4は、それぞれLANコネクタT2〜T4を対応するNIC122〜124に接続する。
その結果、パーソナルコンピュータPC1はセグメント21,LANコネクタT1,接続切り替えスイッチSW1,接続切り替えスイッチSW0を介し、NIC121と接続される。又パーソナルコンピュータPC2はセグメント22,LANコネクタT2,接続切り替えスイッチSW2を介し、NIC122と接続される。同様にパーソナルコンピュータPC3はセグメント23,LANコネクタT3,接続切り替えスイッチSW3を介し、NIC123と接続される。同様にパーソナルコンピュータPC4は、セグメント24,LANコネクタT4,接続切り替えスイッチSW4を介し、NIC124と接続される。その結果4台のパーソナルコンピュータPC1〜PC4はそれぞれ対応するNIC121〜124およびシステムボード110のバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続される。その結果4台のパーソナルコンピュータPC1〜PC4は個別にCPU111と接続され、CPU111に対し演算処理の要求を行い、処理結果を受け取ることができる。すなわち情報処理装置100は稼働状態となる。
また情報処理装置100の稼働状態ではスイッチングハブ128に対する常駐電源131からの電源の供給は停止される。情報処理装置100の稼働状態ではスイッチングハブ128の機能は不要だからである。ここでスイッチングハブ128の機能とは、NIC121宛のマジックパケットをNIC121に送信するとともに、NIC122〜124のいずれか宛のマジックパケットの宛先をNIC121に変換しNIC121に送信する機能である。
上記の如く、情報処理装置100が稼働状態になると、実施例1では、4台のNIC121〜124に電源が供給され、スイッチングハブ128への電源の供給は停止される。又、情報処理装置100の稼働状態では、各LANコネクタT1〜T4はそれぞれ対応するNIC121〜124に接続される。したがって稼働状態の情報処理装置100の消費電力は参考例の情報処理装置1100と同様となり且つ、参考例の情報処理装置1100と同様の接続状態となる。
上記の如く、実施例1の情報処理装置100では、スタンバイ状態では4台のNIC121〜124のうち、1台のNIC121のみに対し常駐電源131から電源が供給され、他の3台のNIC122〜124には電源は供給されない。そして4台のNIC121〜124にそれぞれ対応する4台のパーソナルコンピュータPC1〜PC4のいずれのパーソナルコンピュータからマジックパケットが発信された場合でも、マジックパケットはスイッチングハブ128に送られる。すなわちマジックパケットは接続切り替えスイッチSW1〜SW4により、スイッチングハブ128に送られる。スイッチングハブ128はマジックパケットの宛先を常駐電源131で稼働されるNIC121宛に変換し、NIC121に送る。したがってマジックパケットは稼働中のNIC121により受信され、NIC121はMMB150に対し電源オン信号を送信する。よってウェイク−オン−LAN起動が何ら支障なく実行される。したがって実施例1によれば、スタンバイ状態における情報処理装置100の消費電力(待機電力、以下同様)を効果的に削減可能であるとともに、ウェイク−オン−LAN起動が何ら支障なく実行され得る。
図5は上記スイッチングハブ128の内部構造例を示すブロック図である。スイッチングハブ128は、5個のポートP1〜P5を有する。5個のポートP1〜P5は、それぞれ上記5個の接続切り替えスイッチSW0、SW1,SW2,SW3,SW4に接続される。スイッチングハブ128は、それぞれがポートP1〜P5に接続された物理層処理部51〜55および媒体アクセス制御部41〜45を有する。スイッチングハブ128は更に、媒体アクセス制御部41〜45が接続された算術論理演算装置(ALU:Arithmetic and Logic Unit、以下同様)36を有する。スイッチングハブ128は更に、算術論理演算装置36に接続されたバッファメモリ31,パケットフィルタ32,MAC(Media Acess Control)アドレスフィルタ33、パケット変換器34およびMACアドレステーブル35を有する。
上記構成のスイッチングハブ128では、送受信するパケットに対し、物理層処理部51〜55は物理層の処理を行い、媒体アクセス制御部41〜45は媒体アクセス制御処理を行う。算術論理演算装置36は送受信するパケットに対し、種々の演算処理を行う。バッファメモリ31は適宜データのバッファリングを行う。パケットフィルタ32は受信されたパケットがマジックパケットか否かを判定する。MACアドレスフィルタ33は受信されたパケットに格納されるMACアドレスが情報処理装置100に含まれる4台のNIC121〜124のいずれかのMACアドレスか否かを判定する。
パケット変換器34はマジックパケットに格納されるMACアドレスを変換する。すなわちパケット変換器34は受信されたマジックパケットが3台のNIC122〜124のうちのいずれかのMACアドレスである場合、当該MACアドレスを上記スタンバイ状態でも稼働中のNIC121のMACアドレスに変換する。ここで上記3台のNIC122〜124は、情報処理装置100に含まれる4台のNIC121〜124のうち、スタンバイ状態でも常駐電源131で稼働されるNIC121以外のNICであり、スタンバイ状態では稼働されないNICである。
図6は上記の如くスイッチングハブ128のパケット変換器34が実行するマジックパケットのMACアドレスの変換機能を説明する図である。図6中、左側のマジックパケットMPのデータ部分には、所定のアドレス"FFFFFFFFFFFF"に引き続き、MACアドレス"FFEEDDCCBBAA"が16個格納される。
ここでは一例として、このようにパケットのデータ部分に、所定のアドレスに引き続いて16個のMACアドレスが格納されたパケットがマジックパケットとして識別されるものとする。また説明の便宜上、上記MACアドレス"FFEEDDCCBBAA"は、上記スタンバイ状態で稼働中のNIC121以外の3台のNIC122〜124のうち、NIC122のMACアドレスであるものとする。
この場合、パケット変換器34は上記MACアドレスを変換する。図6の右側に示すマジックパケットMPはMACアドレスが変換されたマジックパケットMPを示す。図6の右側に示すマジックパケットMPでは、所定のアドレス"FFFFFFFFFFFF"に引き続き、MACアドレス"665544332211"が16個格納される。上記MACアドレス"665544332211"は上記スタンバイ状態で稼働中のNIC121のMACアドレスであるものとする。
このようにパケット変換器24は、受信されたパケットのデータ部分にスタンバイ状態で稼働中のNIC121以外の3台のNIC122〜124のいずれかのMACアドレスが格納されていた場合、当該MACアドレスを変換する。すなわち当該MACアドレスを上記スタンバイ状態で稼働中のNIC121のMACアドレスに変換する。すなわちパケット変換器24は、受信されたパケットの宛先がスタンバイ状態で稼働中のNIC121以外の3台のNIC122〜124のいずれかであった場合、当該宛先を上記スタンバイ状態で稼働中のNIC121宛に変換する。
図5に示されるMACアドレステーブル35には予め情報処理装置100に含まれる4台のNIC121〜124のそれぞれのMACアドレスが格納される。MACアドレスフィルタ33はMACアドレステーブル35を参照することにより、受信されたパケットが上記4台のNIC121〜124のいずれか宛であるか否かを判定する。
図7乃至12とともに、一例として、上記パーソナルコンピュータPC2がマジックパケットを送信し実施例1の情報処理装置100をウェイク−オン−LAN起動する際の動作の流れの例を説明する。ここで現在情報処理装置100はスタンバイ状態にあるものとする。すなわち情報処理装置100中、スタンバイ状態では常駐電源131からNIC121およびスイッチングハブ128に対し電源が供給される。また5個の接続切り替えスイッチSW0〜SW4の接続は以下の通りとする。すなわち図8に示す如く、接続切り替えスイッチSW0はNIC121をスイッチングハブ128に接続し、接続切り替えスイッチSW1はNIC121用のLANコネクタT1をスイッチングハブ128に接続している。又接続切り替えスイッチSW2はNIC122用のLANコネクタT2をスイッチングハブ128に接続し、接続切り替えスイッチSW3はNIC123用のLANコネクタT3をスイッチングハブ128に接続している。同様に接続切り替えスイッチSW4はNIC124用のLANコネクタT4をスイッチングハブ128に接続している。
上記状態において、まず図7のステップS1にて、パーソナルコンピュータPC2が情報処理装置100のNIC122宛にマジックパケットを送信したとする。その結果ステップS2で、図8に示す如く、対応する接続切り替えスイッチSW2を介し、スイッチングハブ128が当該マジックパケットを受信する。
スイッチングハブ128は、受信したパケットがマジックパケットか否かを判定する(ステップS3)。より具体的には、上記パケットフィルタ32が受信したパケットのデータ部分に FFFFFFFFFFFF+(MACアドレス×16)が含まれているか否かを判定する。受信したパケットのデータ部分に FFFFFFFFFFFF+(MACアドレス×16)が含まれている場合(ステップS3のYES),受信したパケットはマジックパケットであるため、ステップS4に移行する。受信したパケットのデータ部分に FFFFFFFFFFFF+(MACアドレス×16)が含まれていない場合(ステップS3のNO),受信したパケットはマジックパケットではないため、処理を終了する。
ステップS4でスイッチングハブ128は、受信したパケットが当該情報処理装置100に含まれる4台のNIC121〜124のいずれかのNIC宛か否かを判定する。より具体的には、上記MACアドレスフィルタ33が、パケットのデータ部分に含まれる上記MACアドレスが予めMACアドレステーブル35に登録されるMACアドレスであるか否かを判定する。判定の結果、パケットのデータ部分に含まれる上記MACアドレスが予めMACアドレステーブル35に登録されるMACアドレスであった場合(ステップS4のYES),ステップS5に移行する。判定の結果、パケットのデータ部分に含まれる上記MACアドレスが予めMACアドレステーブル35に登録されるMACアドレスでなかった場合(ステップS4のNO),処理を終了する。当該パケットは情報処理装置100内のNIC121〜124のいずれかを宛先としたパケットではないためである。
ステップS5で、スイッチングハブ128のパケット変換器34は、受信したパケットの宛先がスタンバイ状態で稼働中のNIC121でなかった場合、当該宛先を変換する。この場合パケット変換器34は受信したパケットの宛先を、スタンバイ状態で稼働中のNIC121宛に変換する。他方受信したパケットの宛先がスタンバイ状態で稼働中のNIC121宛であった場合、パケット変換器34は当該宛先を変換しない。この場合、受信したパケットの宛先は維持される。
ここで当該パケットの元の宛先であるNIC122は、情報処理装置100がスタンバイ状態であるため、通常電源132からの電源の供給が停止されて稼働されておらず、パケットを受信して処理することができない。なお上記の如くパケット変換器34により宛先がNIC121宛に変換されたマジックパケットを以下「変換マジックパケット」と称する。また説明の便宜上、上記の如く受信したマジックパケットの宛先がスタンバイ状態で稼働中のNIC121宛であり当該パケットの宛先が維持された場合の当該パケットも、「変換マジックパケット」と称する。
ステップS6でスイッチングハブ128は変換マジックパケットをNIC121へ送信する。ステップS7で図9に示される如く、接続切り替えスイッチSW0を介し、NIC121が変換マジックパケットを受信する。次にステップS8にて、NIC121は上記ウェイク−オン−LAN起動の機能により、図10に示す如く、MMB150に対し、電源オン信号を送信する。
MMB150は電源オン信号を受信するとステップS9で、情報処理装置100の各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100の起動を開始する。またMMB150は情報処理装置100を起動する間、図11に示す如く、スイッチングハブ128に対する常駐電源131からの電源の供給を停止する。他方NIC121に対する常駐電源131からの電源の供給は維持される。更に、MMB150は5個の接続切り替えスイッチSW0〜SW4の接続を切り替える。
すなわち、接続切り替えスイッチSW0はNIC121を接続切り替えスイッチSW1に接続し、接続切り替えスイッチSW1はNIC121用のLANコネクタT1を接続切り替えスイッチSW0に接続する。又接続切り替えスイッチSW2はNIC122用のLANコネクタT2をNIC122に接続し、接続切り替えスイッチSW3はNIC123用のLANコネクタT3をNIC123に接続する。同様に接続切り替えスイッチSW4はNIC124用のLANコネクタT4をNIC124に接続する。
次にMMB150はステップS11で、図12に示す如く、NIC122〜124に対する通常電源132による電源の供給を開始する。このようにして情報処理装置100は稼働状態となり、情報処理装置100の起動が完了する。
実施例1では情報処理装置100は4台のNIC121〜124を有する構成であったが、実施例は当該構成に限定されず、3台以下、或いは5台以上のNICを有する構成であってもよい。
図13は実施例2の情報処理装置100Xのブロック図である。
実施例2の情報処理装置100Xは上記した実施例1の情報処理装置100に比較し、NICの台数がN台とされ、NIC121,122,...,12Nを有する点で相違する。ここでNは2以上の整数であればよい。その結果、対応するLANコネクタもN個、T1,T2,...,TN設けられる。また接続切り替えスイッチとして、接続切り替えスイッチSW0の他、N個、すなわち接続切り替えスイッチSW1、SW2,...,SWNが設けられる。また上記NICの台数に応じ、外部に接続されセグメントの数もN個とされ、セグメント21,22,...,2Nが接続される。そしてN個のセグメントのそれぞれに対し、パーソナルコンピュータPC1、PC2,...,PCNが接続される。各セグメントに接続し得るパーソナルコンピュータの台数は1台に限られず、図2に示した例の如く、各一のセグメントに対し、複数台のパーソナルコンピュータを接続可能である。
実施例2の情報処理装置100Xの動作は上記した実施例1の情報処理装置100の動作と同様であり、重複する説明を適宜省く。実施例1の場合、NIC121の他、3台のNIC122〜124が設けられていた。これに対し実施例2の場合、NIC121の他、(N−1)台のNIC122〜12Nが設けられている。NIC121は実施例1のNIC121と同様の動作を行う。また接続切り替えスイッチSW0は実施例1の接続切り替えスイッチSW0と同様の動作を行う。またN台のNIC121〜12N用のN個の接続切り替えスイッチSW1〜SWNの各々は、実施例1の4台のNIC121〜124用の4個の接続切り替えスイッチSW1〜SW4の各々と同様の動作を行う。
又実施例2の情報処理装置100Xのスタンバイ状態では、NIC121とスイッチングハブ128Xが常駐電源131で電源が供給されて稼働され、残りの(N−1)台のNIC122〜12Nは電源が供給されず稼働されない。
又実施例2のスイッチングハブ128Xは、実施例1のスイッチングハブ128と異なり、接続切り替えスイッチSW0の他、N個の接続切り替えスイッチSW1〜SWNと接続される。実施例2のスイッチングハブ128Xはスタンバイ状態において、N台のパーソナルコンピュータPC1〜PCNの内のいずれかから送信されN個の接続切り替えスイッチSW1〜SWNのうちの対応するものを介してマジックパケットを受信する。そして実施例1の場合の図7のステップS3,S4同様、受信したパケットがマジックパケットであることを確認し、更に、N台のNIC122〜12Nのいずれか宛のパケットであることを確認する。実施例2のスイッチングハブ128Xは当該確認の後、実施例1の場合同様、マジックパケットを、常駐電源131で稼働中のNIC121に送信し、NIC121はウェイク−オン−LAN起動の機能により、MMB150に電源オン信号を送信する。MMB150は電源オン信号を受信すると実施例1の場合同様、情報処理装置100Xの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Xの起動を開始する。
そして実施例1の場合同様、MMB150は(N+1)個の接続切り替えスイッチSW0、SW1,SW2,...,SWNの接続を切り替える。すなわち、接続切り替えスイッチSW0の接続をスイッチングハブ128Xから接続切り替えスイッチSW1に切り替える。また接続切り替えスイッチSW1の接続を、スイッチングハブ128Xから接続切り替えスイッチSW0に切り替える。同様に接続切り替えスイッチSW2の接続を、スイッチングハブ128XからNIC122に切り替える。以下同様に、接続切り替えスイッチSW2〜SWNの各々の接続を、スイッチングハブ128XからNIC122〜NIC12Nの各々に切り替える。その結果、セグメント21は、接続切り替えスイッチSW1および接続切り替えスイッチSW0を介し、NIC121に接続される。また他の(N−1)個のセグメント22〜2Nのそれぞれは、(N−1)個の接続切り替えスイッチSW2〜SWNを介し、(N−1)個のNIC122〜12Nに接続される。
図14は実施例1の他の使用方法の例を説明する図である。図14の構成は図2,図3,図4等とともに上記した実施例1の構成と同様である。但し使用方法が図3乃至図12とともに上記したものと異なる。図14の使用方法の例では、予め情報処理装置100をウェイク−オン−LAN起動するLANコネクタを、LANコネクタT1に限定しておく。すなわち図14の使用方法の例の場合、例えば、情報処理装置100をウェイク−オン−LAN起動することができるパーソナルコンピュータは、LANコネクタT1に接続されたセグメント21に接続されたパーソナルコンピュータPC1のみと予め決めておく。
当該図14の使用方法の例の場合、図3乃至図12とともに上記した使用方法同様、情報処理装置100のスタンバイ状態では、NIC121は常駐電源131で電源が供給されて稼働され、残りの3台のNIC122〜124の各々は電源が供給されず稼働されない。また当該図14の使用方法の例の場合、図3乃至図12とともに上記した方法と異なり、スタンバイ状態においてもスイッチングハブ128に対する電源の供給は行われない。又図14の使用方法の例の場合、スタンバイ状態においても各接続切り替えスイッチの接続は稼働状態と同様である。すなわち図14に示す如く、接続切り替えスイッチSW0はNIC121を接続切り替えスイッチSW1に接続する。そして接続切り替えスイッチSW1はLANコネクタT1を接続切り替えスイッチSW0に接続する。そして他の3個の接続切り替えスイッチSW2〜SW4の各々は、対応する3個のLANコネクタT2〜T4を、それぞれ対応する3台のNIC122〜124に接続する。
図14の使用方法の例では上記の如く、スタンバイ状態においても各接続切り替えスイッチの接続は稼働状態と同様である。しかしながら上記の如く、情報処理装置100をウェイク−オン−LAN起動するLANコネクタをLANコネクタT1に限定しておくことで、ウェイク−オン−LAN起動が支障なく実行される。すなわち図14の使用方法の例では、予め情報処理装置100をウェイク−オン−LAN起動するLANコネクタはLANコネクタT1に限定されるため、マジックパケットは必ずLANコネクタT1に到達するはずである。その結果マジックパケットはスタンバイ状態でも常駐電源131で稼働中のNIC121に到達するはずである。したがって図3乃至図12とともに上記した使用方法同様、NIC121から電源オン信号がMMB150に送信され、ウェイク−オン−LAN起動が支障なく実行される。又図14の使用方法の例によれば、スタンバイ状態においてスイッチングハブ128に対し常駐電源131から電源を供給しない。このため図3乃至図12とともに上記した使用方法に比し、待機電力の更なる低減効果が得られる。
図15は実施例3の情報処理装置100Yのブロック図を示す。
実施例3の情報処理装置100Yは上記した実施例1の情報処理装置100と比較すると、4台のNIC121〜124がパーティションPa1,Pa2で分離され2台ずつ2組に分割される点が異なる。実施例1の構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略し、異なる点につき重点的に説明する。
実施例3の場合、パーティションPa1には2台のNIC121,122が含まれ、パーティションPa2には残りの2台、NIC123,124が含まれる。上記実施例1の場合には、スタンバイ状態で、4台のNIC121〜124のいずれに対しマジックパケットが送信された場合でも、常駐電源131で稼働中のNIC121に当該マジックパケットが送られていた。これは接続切り替えスイッチSW0〜SW4およびスイッチングハブ128による。他方実施例3の場合、パーティション毎に、常駐電源131で稼働されるNICが割り当てられる。図15の構成例の場合、パーティションPa1に含まれる2台のNIC121,122のうち、NIC121がスタンバイ状態でも常駐電源131により稼働される。他方残ったNIC122はスタンバイ状態では電源は供給されず稼働されない。同様にパーティションPa2に含まれる2台のNIC123,124のうち、NIC123がスタンバイ状態でも常駐電源131により稼働される。他方残ったNIC124はスタンバイ状態では電源は供給されず稼働されない。
又実施例3の場合、パーティションPa1,Pa2の各々に対し、当該パーティション中、常駐電源で稼働されるNIC121,123の各々用に、接続切り替えスイッチSW01,SW02がそれぞれ設けられる。その結果実施例3の場合、図15に示される如く、計6個の接続切り替えスイッチSW01,SW1,SW2(パーティションPa1用)、SW02,SW3,SW4(パーティションPa2用)が設けられる。
そしてパーティションPa1では、スタンバイ状態で、接続切り替えスイッチSW01はNIC121をスイッチングハブ128Yに接続する。又接続切り替えスイッチSW1,SW2は、それぞれ対応するLANコネクタT1,T2を、それぞれスイッチングハブ128Yに接続する。また当該パーティションPa1につき、ウェイク−オン−LAN起動時、MMB150はNIC121から電源オン信号を受信すると以下の動作を行う。すなわち、接続切り替えスイッチSW01にNIC121を接続切り替えスイッチSW1に接続させる。又接続切り替えスイッチSW1に、対応するLANコネクタT1を接続切り替えスイッチSW01に接続させる。又接続切り替えスイッチSW2に、対応するLANコネクタT2を、対応するNIC122に接続させる。その結果、パーティションPa1に属するNIC121に対応するセグメント21に接続されたパーソナルコンピュータPC1は接続切り替えスイッチSW1,SW01を介しNIC121に接続される。またパーティションPa1に属するNIC122に対応するセグメント22に接続されたパーソナルコンピュータPC2は接続切り替えスイッチSW2を介しNIC122に接続される。
同様にパーティションPa2につき、スタンバイ状態で、接続切り替えスイッチSW02はNIC123をスイッチングハブ128Yに接続する。又接続切り替えスイッチSW3,SW4は、それぞれ対応するLANコネクタT3,T4を、それぞれスイッチングハブ128Yに接続する。他方当該パーティションPa2につき、ウェイク−オン−LAN起動時、MMB150はNIC123から電源オン信号を受信すると以下の動作を行う。すなわち、接続切り替えスイッチSW02にNIC123を接続切り替えスイッチSW3に接続させる。又接続切り替えスイッチSW3に、対応するLANコネクタT3を接続切り替えスイッチSW02に接続させる。又接続切り替えスイッチSW4に、対応するLANコネクタT4を、対応するNIC124に接続させる。その結果、パーティションPa2に属するNIC123に対応するセグメント23に接続されたパーソナルコンピュータPC3は接続切り替えスイッチSW3,SW02を介しNIC123に接続される。またパーティションPa2に属するNIC124に対応するセグメント24に接続されたパーソナルコンピュータPC4は接続切り替えスイッチSW4を介し、NIC124に接続される。
ここで実施例3において、スタンバイ状態でパーティションPa1に含まれる2台のNIC121,122の何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作を説明する。当該場合、対応する2個の接続切り替えスイッチSW1,SW2により、マジックパケットはスイッチングハブ128Yに送られる。スイッチングハブ128Yは図7のステップS3,S4と同様の判定を行う。判定の結果受信したパケットがマジックパケットであり且つパーティションPa1に属する2台のNIC121,122の何れか宛であれば、スイッチングハブ128YはパーティションPa1内で稼働中のNIC121に当該マジックパケットを送る。その際スイッチングハブ128Yは、マジックパケットの宛先がNIC121であれば宛先を変換せずに維持し、マジックパケットの宛先がNIC122であれば宛先をNIC121宛に変換する。その結果NIC121は実施例1同様、マジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により電源オン信号をMMB150に送信する。
MMB150はNIC121から電源オン信号を受信すると実施例1の場合同様、情報処理装置100Yの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Yの起動を開始する。そしてMMB150は各接続切り替えスイッチの接続を、以下の通りに切り替える。すなわちパーティションPa1において、接続切り替えスイッチSW01、SW1により、NIC121と対応するLANコネクタT1とが接続される。又接続切り替えスイッチSW2により、NIC122と対応するLANコネクタT2とが接続される。他方この場合、パーティションPa2に含まれる接続切り替えスイッチSW02,SW3,SW4の接続は切り替えられない。またパーティションPa1中、スタンバイ状態で稼働されなかったNIC122に対し、通常電源132により電源が供給される。その結果パーティションPa1中の2台のNIC121、122が全て稼働し、かつ2個のLANコネクタT1、T2のそれぞれが接続切り替えスイッチSW01,SW1,SW2を介し、対応するNIC121、122に接続される。
したがってパーティションPa1に係る2個のセグメント21、22のいずれに接続されたパーソナルコンピュータも、対応するNIC121又は122およびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続され得る。但し、他のパーティションPa2のNIC124は電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。またスイッチングハブ128Yに対する常駐電源131からの電源の供給は、他のパーティションPa2に属するNIC123,124宛のマジックパケットを受信して処理するため、引き続き維持される。
次に実施例3において、スタンバイ状態でパーティションPa2に含まれる2台のNIC123,124の何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作を説明する。当該場合、対応する2個の接続切り替えスイッチSW3,SW4により、マジックパケットはスイッチングハブ128Yに送られる。スイッチングハブ128Yは図7のステップS3,S4と同様の判定を行い、受信したパケットがマジックパケットであり且つ、パーティションPa2に属する2台のNIC123,124の何れか宛であれば、パーティションPa2内で稼働中のNIC123に当該マジックパケットを送る。その際スイッチングハブ128Yは、マジックパケットの宛先がNIC123であれば宛先を変換せずに維持し、マジックパケットの宛先がNIC124であれば宛先をNIC123宛に変換する。その結果NIC123は実施例1のNIC121同様、マジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により電源オン信号をMMB150に送信する。
MMB150はNIC123から電源オン信号を受信すると実施例1の場合同様、情報処理装置100Yの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Yの起動を開始する。そしてMMB150は各接続切り替えスイッチの接続を以下の通りに切り替える。すなわちパーティションPa2において、接続切り替えスイッチSW02、SW3により、NIC123と対応するLANコネクタT3とが接続される。又接続切り替えスイッチSW4により、NIC124と対応するLANコネクタT4とが接続される。
またパーティションPa2においてスタンバイ状態で稼働されなかったNIC124に対し、通常電源132により電源が供給される。その結果パーティションPa2の2台のNIC123,124が全て稼働し、かつ対応する2個のLANコネクタT3、T4のそれぞれが、接続切り替えスイッチSW02,SW3,SW4を介し、対応するNIC123,124に接続される。したがって、パーティションPa2に係る2個のセグメント23、24のいずれに接続されたパーソナルコンピュータも、対応するNICおよびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続され得る。但し、他のパーティションPa1のNIC122については電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。またスイッチングハブ128Yに対する常駐電源131からの電源の供給は、他のパーティションPa1に属するNIC121,122宛のマジックパケットを受信して処理するため引き続き維持される。
次に実施例3において、パーティションPa1,Pa2のいずれか一のパーティションに属するNIC宛の第1のマジックパケットにより情報処理装置100Yがウェイク−オン−LAN起動された状態を想定する。当該状態において更に他のパーティションに属するNIC宛の第2のマジックパケットが情報処理装置100Yに到達した場合、以下の動作がなされる。すなわち当該第2のマジックパケットはスイッチングハブ128Yにより、当該他のパーティションに属する常駐電源131で稼働中のNICに送られる。当該NICはマジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により、電源オン信号をMMB150に送信する。
ここで情報処理装置100Yは上記の如く、上記した第1のマジックパケットにより既にウェイク−オン−LAN起動済みである。そのためMMB150は上記した第2のマジックパケットによる電源オン信号を受信すると、他のパーティション中の接続切り替えスイッチを以下の通りに切り替える。すなわち当該他のパーティション中、接続切り替えスイッチにより、2台のNICと対応する2個のLANコネクタとがそれぞれ接続される。次にMMB150はスイッチングハブ128Yに対する常駐電源の供給を停止する。そしてMMB150は、当該他のパーティション中、常駐電源で稼働中のNIC以外のNICに対する通常電源132により電源の供給を開始する。その結果、2つのパーティションPa1,Pa2の計4台のNIC121〜124のいずれもが電源の供給を受け稼働された状態となる。また接続切り替えスイッチの接続により、4台のNIC121〜124はそれぞれ対応する4個のLANコネクタT1〜T4に接続された状態となる。
実施例3の場合、パーティションPa1,Pa2で4台のNIC121〜124が2台ずつ分割される。ここで上記の如く、2個のパーティションPa1,Pa2のうちのいずれか一のパーティションに含まれる2台のNICのいずれか宛のマジックパケットが情報処理装置100Yに対し送信された場合を想定する。当該場合上記の如く、当該マジックパケットはスイッチングハブ128Yにより、当該一のパーティション中の常駐電源131で稼働中のNICに送られる。すなわち、一のパーティション中のNIC宛のマジックパケットは当該一のパーティション中の稼働中のNICに送られ、他のパーティション中のNICに送られることはない。
その結果実施例3では、実施例1と比較すると、スタンバイ状態で常駐電源131で稼働されるNICはパーティション毎に1台、計2台である点で、待機電力を低減する効果が比較的劣る。しかしながら実施例3ではスタンバイ状態では計4台NICの内の2台のみに電源を供給すれば良いため、図1の参考例に比較して、一定の待機電力の低減効果は得られる。更に実施例3の場合、パーティションによりマジックパケットの送信先が区分され、パーティションを超えて他のパーティションにマジックパケットが送信されることがないという特有の効果を有する。
図16は実施例4の情報処理装置100Zのブロック図を示す。
実施例4の情報処理装置100Zでは、N台のNIC121〜12NがM個のパーティションPa1,Pa2,...,PaMで分離され分割される。
実施例4の場合、パーティションPa1には2台のNIC121,122が含まれ、パーティションPa2には3台、NIC123,124、125が含まれる。同様の構成を有するパーティションPa3〜PaM−1が更に設けられ、そしてパーティションPaMにはNIC12N−1,12Nが含まれる。実施例4の構成の場合、パーティションPa1に含まれる2台のNIC121,122のうち、NIC121がスタンバイ状態でも常駐電源131により稼働される。他方残ったNIC122はスタンバイ状態では電源は供給されず稼働されない。同様にパーティションPa2に含まれる3台のNIC123,124、125のうち、NIC123がスタンバイ状態でも常駐電源131により稼働される。他方残ったNIC124、125はスタンバイ状態では電源は供給されず稼働されない。他のパーティションPa3〜PaM−1も同様である。そしてパーティションPaMに含まれる2台のNIC12N−1,12Nのうち、NIC12N−1がスタンバイ状態でも常駐電源131により稼働される。他方残ったNIC12Nはスタンバイ状態では電源は供給されず稼働されない。
又実施例4の場合、パーティションPa1,Pa2,...,PaMの各々に対し、当該パーティション中、常駐電源で稼働されるNIC121,123,...,12Nの各々用に、接続切り替えスイッチSW01,SW02,...,SW0Mがそれぞれ設けられる。すなわち実施例4の場合、図16に示される如く、接続切り替えスイッチSW01,SW1,SW2(パーティションPa1用)、SW02,SW3,SW4、SW5(パーティションPa2用)、...,SW0M,SWN−1,SWN(パーティションPaM用)が設けられる。
そしてパーティションPa1では、スタンバイ状態で、接続切り替えスイッチSW01はNIC121をスイッチングハブ128Zに接続する。又接続切り替えスイッチSW1,SW2は、それぞれ対応するLANコネクタT1,T2を、それぞれスイッチングハブ128Zに接続する。また当該パーティションPa1につき、ウェイク−オン−LAN起動時、MMB150はNIC121から電源オン信号を受信すると以下の動作を行う。すなわち、接続切り替えスイッチSW01にNIC121を接続切り替えスイッチSW1に接続させる。又接続切り替えスイッチSW1に、対応するLANコネクタT1を接続切り替えスイッチSW01に接続させる。又接続切り替えスイッチSW2に、対応するLANコネクタT2を、対応するNIC122に接続させる。その結果、パーティションPa1に属するNIC121に対応するセグメント21に接続されたパーソナルコンピュータPC1は接続切り替えスイッチSW1,SW01を介しNIC121に接続される。またパーティションPa1に属するNIC122に対応するセグメント22に接続されたパーソナルコンピュータPC2は接続切り替えスイッチSW2を介しNIC122に接続される。
同様にパーティションPa2につき、スタンバイ状態で、接続切り替えスイッチSW02はNIC123をスイッチングハブ128Zに接続する。又接続切り替えスイッチSW3,SW4、SW5は、それぞれ対応するLANコネクタT3,T4T5を、それぞれスイッチングハブ128Zに接続する。他方当該パーティションPa2につき、ウェイク−オン−LAN起動時、MMB150はNIC123から電源オン信号を受信すると以下の動作を行う。すなわち、接続切り替えスイッチSW02にNIC123を接続切り替えスイッチSW3に接続させる。又接続切り替えスイッチSW3に、対応するLANコネクタT3を接続切り替えスイッチSW02に接続させる。又接続切り替えスイッチSW4に、対応するLANコネクタT4を、対応するNIC124に接続させる。又接続切り替えスイッチSW5に、対応するLANコネクタT5を、対応するNIC125に接続させる。その結果、パーティションPa2に属するNIC123に対応するセグメント23に接続されたパーソナルコンピュータPC3は接続切り替えスイッチSW3,SW02を介しNIC123に接続される。またパーティションPa2に属するNIC124に対応するセグメント24に接続されたパーソナルコンピュータPC4は接続切り替えスイッチSW4を介し、NIC124に接続される。またパーティションPa2に属するNIC125に対応するセグメント25に接続されたパーソナルコンピュータPC5は接続切り替えスイッチSW5を介し、NIC125に接続される。
以下パーティションPa3〜PaM−1においても同様である。そしてパーティションPaMにつき、スタンバイ状態で、接続切り替えスイッチSW0MはNIC12N−1をスイッチングハブ128Zに接続する。又接続切り替えスイッチSWN−1,SWNは、それぞれ対応するLANコネクタTN−1,TNを、それぞれスイッチングハブ128Zに接続する。他方当該パーティションPaMにつき、ウェイク−オン−LAN起動時、MMB150はNIC12N−1から電源オン信号を受信すると以下の動作を行う。すなわち、接続切り替えスイッチSW0Mに、NIC12N−1を接続切り替えスイッチSWN−1に接続させる。又接続切り替えスイッチSWN−1に、対応するLANコネクタTN−1を接続切り替えスイッチSW0Mに接続させる。又接続切り替えスイッチSWNに、対応するLANコネクタTNを、対応するNIC12Nに接続させる。その結果、パーティションPaMに属するNIC12N−1に対応するセグメント2N−1に接続されたパーソナルコンピュータPCN−1は接続切り替えスイッチSWN−1,SW0Mを介しNIC12N−1に接続される。またパーティションPaMに属するNIC12Nに対応するセグメント2Nに接続されたパーソナルコンピュータPCNは接続切り替えスイッチSWNを介し、NIC12Nに接続される。
ここで実施例4において、スタンバイ状態でパーティションPa1に含まれる2台のNIC121,122の何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作を説明する。当該場合、対応する2個の接続切り替えスイッチSW1,SW2により、マジックパケットはスイッチングハブ128Zに送られる。スイッチングハブ128Zは図7のステップS3,S4と同様の判定を行う。判定の結果受信したパケットがマジックパケットであり且つパーティションPa1に属する2台のNIC121,122の何れか宛であれば、スイッチングハブ128ZはパーティションPa1内で稼働中のNIC121に当該マジックパケットを送る。その際スイッチングハブ128Zは、マジックパケットの宛先がNIC121であれば宛先を変換せずに維持し、マジックパケットの宛先がNIC122であれば宛先をNIC121宛に変換する。その結果NIC121は実施例1同様、マジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により電源オン信号をMMB150に送信する。
MMB150はNIC121から電源オン信号を受信すると情報処理装置100Zの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Zの起動を開始する。そしてMMB150は各接続切り替えスイッチの接続を、以下の通りに切り替える。すなわちパーティションPa1において、接続切り替えスイッチSW01、SW1により、NIC121と対応するLANコネクタT1とが接続される。又接続切り替えスイッチSW2により、NIC122と対応するLANコネクタT2とが接続される。他方この場合、パーティションPa2に含まれる接続切り替えスイッチSW02,SW3,SW4の接続は切り替えられない。同様にパーティションPa3〜PaM−1の各々に含まれる接続切り替えスイッチの接続も切り替えられない。そしてパーティションPaMに含まれる接続切り替えスイッチSW0M,SWN−1,SWNの接続も切り替えられない。またパーティションPa1中、スタンバイ状態で稼働されなかったNIC122に対し、通常電源132により電源が供給される。その結果パーティションPa1中の2台のNIC121、122が全て稼働し、かつ2個のLANコネクタT1、T2のそれぞれが接続切り替えスイッチSW01,SW1,SW2を介し、対応するNIC121、122に接続される。
したがってパーティションPa1に係る2個のセグメント21、22のいずれに接続されたパーソナルコンピュータも、対応するNIC121又は122およびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続され得る。但し、他のパーティションPa2のNIC124、125は電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。更に他のパーティションPa3〜PaM−1についても同様である。そしてパーティションPaMのNIC12Nも電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。またスイッチングハブ128Zに対する常駐電源131からの電源の供給は、引き続き維持される。他のパーティションPa2に属するNIC123,124宛、他のパーティションPa3〜PaM−1に属するNIC宛、或いはパーティションPaMに属するNIC12N−1,12N宛のマジックパケットを受信して処理するためである。
次に実施例4において、スタンバイ状態でパーティションPa2に含まれる3台のNIC123,124、125の何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作を説明する。当該場合、対応する3個の接続切り替えスイッチSW3,SW4、SW5により、マジックパケットはスイッチングハブ128Zに送られる。スイッチングハブ128Zは図7のステップS3,S4と同様の判定を行い、受信したパケットがマジックパケットであり且つ、パーティションPa2に属する3台のNIC123,124、125の何れか宛であれば、パーティションPa2内で稼働中のNIC123に当該マジックパケットを送る。その際スイッチングハブ128Zは、マジックパケットの宛先がNIC123であれば宛先を変換せずに維持し、マジックパケットの宛先がNIC124であれば宛先をNIC123宛に変換し、同様にマジックパケットの宛先がNIC125であれば宛先をNIC123宛に変換する。その結果NIC123はマジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により電源オン信号をMMB150に送信する。
MMB150はNIC123から電源オン信号を受信すると情報処理装置100Zの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Zの起動を開始する。そしてMMB150は各接続切り替えスイッチの接続を以下の通りに切り替える。すなわちパーティションPa2において、接続切り替えスイッチSW02、SW3により、NIC123と対応するLANコネクタT3とが接続される。又接続切り替えスイッチSW4により、NIC124と対応するLANコネクタT4とが接続される。同様に接続切り替えスイッチSW5により、NIC125と対応するLANコネクタT5とが接続される。
またパーティションPa2においてスタンバイ状態で稼働されなかったNIC124、125に対し、通常電源132により電源が供給される。その結果パーティションPa2の3台のNIC123,124、125が全て稼働し、かつ対応する3個のLANコネクタT3、T4、T5のそれぞれが、接続切り替えスイッチSW02,SW3,SW4、SW5を介し、対応するNIC123,124、125に接続される。したがって、パーティションPa2に係る3個のセグメント23、24、25のいずれに接続されたパーソナルコンピュータも、対応するNICおよびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続され得る。但し、他のパーティションPa1のNIC122については電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。更に他のパーティションPa3〜PaM−1についても同様である。そしてパーティションPaMのNIC12Nも電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。またスイッチングハブ128Zに対する常駐電源131からの電源の供給は、他のパーティションPa1、Pa3〜PaMに属するNIC宛のマジックパケットを受信して処理するため引き続き維持される。
実施例4において、スタンバイ状態で更に他のパーティションPa3〜PaM−1のいずれかに含まれるNICの何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作も同様である。そしてスタンバイ状態でパーティションPaMに含まれる2台のNIC12N−1,12Nの何れか宛にマジックパケットが送信された場合の動作は以下の通りである。当該場合、対応する2個の接続切り替えスイッチSWN−1、SWNにより、マジックパケットはスイッチングハブ128Zに送られる。スイッチングハブ128Zは図7のステップS3,S4と同様の判定を行い、受信したパケットがマジックパケットであり且つ、パーティションPaMに属する2台のNIC12N−1,12Nの何れか宛であれば、パーティションPaM内で稼働中のNIC12N−1に当該マジックパケットを送る。その際スイッチングハブ128Zは、マジックパケットの宛先がNIC12N−1であれば宛先を変換せずに維持し、マジックパケットの宛先がNIC12Nであれば宛先をNIC12N−1宛に変換する。その結果NIC12N−1はマジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により電源オン信号をMMB150に送信する。
MMB150はNIC12N−1から電源オン信号を受信すると情報処理装置100Zの各ボードの初期設定動作を開始し、情報処理装置100Zの起動を開始する。そしてMMB150は各接続切り替えスイッチの接続を以下の通りに切り替える。すなわちパーティションPaMにおいて、接続切り替えスイッチSW0M、SWN−1により、NIC12N−1と対応するLANコネクタTN−1とが接続される。又接続切り替えスイッチSWNにより、NIC12Nと対応するLANコネクタTNとが接続される。
またパーティションPaMにおいてスタンバイ状態で稼働されなかったNIC12Nに対し、通常電源132により電源が供給される。その結果パーティションPa2の2台のNIC12N−1,12Nが全て稼働し、かつ対応する2個のLANコネクタTN−1、TNのそれぞれが、接続切り替えスイッチSW0M,SWN−1,SWNを介し、対応するNIC12N−1,12Nに接続される。したがって、パーティションPaMに係る2個のセグメント2N−1、2Nのいずれに接続されたパーソナルコンピュータも、対応するNICおよびバスインタフェーススイッチ112を介し、CPU111と接続され得る。但し、他のパーティションPa1のNIC122については電源が供給されず稼働されない状態が引き続き維持される。更に他のパーティションPa2〜PaM−1についても同様である。またスイッチングハブ128Zに対する常駐電源131からの電源の供給は、他のパーティションPa1〜PaM−1に属するNIC宛のマジックパケットを受信して処理するため引き続き維持される。
次に実施例4において、パーティションPa1,Pa2,...,PaMのいずれか一のパーティションに属するNIC宛の第1のマジックパケットにより情報処理装置100Zがウェイク−オン−LAN起動された状態を想定する。当該状態において更に他のパーティションに属するNIC宛の第2のマジックパケットが情報処理装置100Zに到達した場合、以下の動作がなされる。すなわち当該第2のマジックパケットはスイッチングハブ128Zにより、当該他のパーティションに属する常駐電源131で稼働中のNICに送られる。当該NICはマジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により、電源オン信号をMMB150に送信する。
ここで情報処理装置100Zは上記の如く、上記した第1のマジックパケットにより既にウェイク−オン−LAN起動済みである。そのためMMB150は上記した第2のマジックパケットによる電源オン信号を受信すると、上記他のパーティション中の接続切り替えスイッチを以下の通りに切り替える。すなわち当該他のパーティション中、接続切り替えスイッチにより、各NICと、対応するそれぞれのLANコネクタとがそれぞれ接続される。次にMMB150はスイッチングハブ128Zに対する常駐電源の供給を停止する。そしてMMB150は、当該他のパーティション中、常駐電源で稼働中のNIC以外のNICに対する通常電源132により電源の供給を開始する。その結果、上記2つのパーティションの各々に属するそれぞれNICのいずれもが電源の供給を受け稼働された状態となる。上記2つのパーティションは、第1のマジックパケットの宛先のNICが属するパーティションと第2のマジックパケットの宛先のNICが属するパーティションとを含む。また接続切り替えスイッチの接続により、上記2つのパーティションに属する各NICはそれぞれ対応するLANコネクタに接続された状態となる。更に当該状態において、更に他のパーティションに属するNIC宛の第3のマジックパケットが情報処理装置100Zに到達した場合、以下の動作がなされる。
すなわち当該第3のマジックパケットはスイッチングハブ128Zにより、当該更に他のパーティションに属する常駐電源131で稼働中のNICに送られる。当該NICはマジックパケットを受信し、ウェイク−オン−LAN起動の機能により、電源オン信号をMMB150に送信する。
ここで情報処理装置100Zは上記の如く、上記した第1のマジックパケットにより既にウェイク−オン−LAN起動済みである。そのためMMB150は上記した第3のマジックパケットによる電源オン信号を受信すると、上記更に他のパーティション中の接続切り替えスイッチを以下の通りに切り替える。すなわち当該更に他のパーティション中、接続切り替えスイッチにより、各NICと、対応するそれぞれのLANコネクタとがそれぞれ接続される。次にMMB150はスイッチングハブ128Zに対する常駐電源の供給を停止する。そしてMMB150は、当該更に他のパーティション中、常駐電源で稼働中のNIC以外のNICに対する通常電源132により電源の供給を開始する。その結果、上記3つのパーティションの各々に属するそれぞれNICのいずれもが電源の供給を受け稼働された状態となる。上記3つのパーティションは、第1のマジックパケットの宛先のNICが属するパーティションと、第2のマジックパケットの宛先のNICが属する他のパーティションと、第3のマジックパケットの宛先のNICが属する更に他のパーティションとを含む。そして更に、第3のマジックパケットの宛先のNICが属する、更に他のパーティションをも含む。また接続切り替えスイッチの接続により、上記3つのパーティションに属する各NICはそれぞれ対応するLANコネクタに接続された状態となる。更に当該状態において、更に他のもう一つのパーティションに属するNIC宛の第4のマジックパケットが情報処理装置100Zに到達した場合も同様の動作がなされる。
実施例4の場合、パーティションPa1,Pa2,...,PaMで複数のNICが分割される。ここで上記の如く、M個のパーティションPa1,Pa2,...,PaMのうちのいずれか一のパーティションに含まれるNICのいずれか宛のマジックパケットが情報処理装置100Zに対し送信された場合を想定する。当該場合上記の如く、当該マジックパケットはスイッチングハブ128Zにより、当該一のパーティション中の常駐電源131で稼働中のNICに送られる。すなわち、一のパーティション中のNIC宛のマジックパケットは当該一のパーティション中の稼働中のNICに送られ、他のパーティション中のNICに送られることはない。
その結果実施例4では、実施例3の場合同様、スタンバイ状態ではM台のNICのみに電源を供給すれば良いため、図1の参考例に比較して、一定の待機電力の低減効果は得られる。更に実施例4の場合、M個のパーティションによりマジックパケットの送信先が区分され、パーティションを超えて他のパーティションにマジックパケットが送信されることがないという特有の効果を有する。
次に図17とともに、図13に示す実施例において、スイッチングハブの代わりにスイッチングハブ群を使用する例について説明する。
図13に示す実施例においては、スイッチングハブ128Xのポート数はN+1個になる。ここでNが大きくなるとスイッチングハブ128Xのポート数が多数となり、多数のポートを有するスイッチングハブを使用することが現実的ではない場合が生じ得る。そこでNが大きくなりスイッチングハブ128Xのポート数が多数となる場合、スイッチングハブ128Xをスイッチングハブ群128XXで置き換えることが可能である。図17はNが7の場合、すなわち必要なポート数が8個の場合の当該スイッチングハブ群128XXの構成例を示す。
図17に示すスイッチングハブ群128XXは2個のスイッチングハブ128−1,128−2を有し、各々のスイッチングハブのポート数は5であり、各々のスイッチングハブはたとえば図5に示す如くの構成を有する。この場合図17に示す如く、図13中、接続切り替えスイッチSW0、SW1,SW2,SW3およびスイッチングハブ128−2がスイッチングハブ128−1に接続される。又スイッチングハブ128−2には、スイッチングハブ128−1,接続切り替えスイッチSW4,SW5,SW6,SW7が接続される。それぞれのスイッチングハブ128−1,128−2はMMB150の制御下、2個のスイッチングハブ128−1,128−2が協働してスイッチングハブ群128XXとして図13に示すスイッチングハブ128Xと同様の機能を果たす。
ここで、図17に示すスイッチングハブ群128XXは2個のスイッチングハブ128−1,128−2を有する構成であったが、当該構成に限られず、3個以上のスイッチングハブを有するスイッチングハブ群を使用することも可能である。その場合も図17の場合同様、スイッチングハブ群に含まれるそれぞれのスイッチングハブが協働してMMB150の制御下、それぞれのスイッチングハブが協働して図13に示すスイッチングハブ128Xと同様の機能を果たす。更に図16の実施例においても図13の実施例の場合同様、スイッチングハブ128Zを、2個以上のスイッチングハブを有するスイッチングハブ群の構成に置き換えることが可能である。