JP5210734B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自己消弧型半導体素子、例えばサイリスタを適用したインバータ装置に関する。
一般に、インバータ装置は、入力された交流をサイリスタからなる整流器によりDC電圧を得て、これを所定の周波数の交流波形として出力するインバータとからなる。
従来のサイリスタの整流器は、入力される交流の周期を基に、サイリスタをオンする位相角(点弧角)を位相制御し、入力される交流の周波数が変動したとしても点弧角が変化しない制御を行いDC電圧を安定化している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1は、入力される交流が1相であり、かつ負荷が変動した際のDC電圧の変動に対して、何ら制御を行わないため、DC電圧が変動した際、負荷に与える交流出力が変動してリップルなどが発生して歪率が増加する欠点がある。
そのため、3相交流が入力され、整流器における整流電圧の変動の対策として、それぞれのサイリスタの点弧角を個別に制御するインバータ装置がある(例えば、特許文献2)。
特開平57−62770号公報 特開2007−213962号公報
しかしながら、特許文献2にあっては、3相交流に対して接続されるそれぞれのサイリスタ各々の点弧角を制御するための回路が必要となり、装置が大型化し、製造コストが増大する欠点を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、整流器におけるDC電圧を制御するため、サイリスタを一括点弧させる点弧角を簡易な回路により求め、従来に比較して装置を小型化し、製造コストを低減するインバータ装置を提供することを目的とする。
本発明のインバータ装置は、3相交流を直流電圧に変換する、複数のサイリスタからなる整流部と、該整流部の整流した整流電圧を蓄積するコンデンサと、該コンデンサに蓄積された整流電圧から、交流出力を生成するインバータ部と、前記交流出力が負荷に供給された際に発生する無効電力及び有効電力を示す瞬時電力値を、一定周期にて測定する測定部と、前記コンデンサに蓄積される蓄積電圧を検出し、検出電圧として出力する検出部と、前記3相交流におけるいずれか1相のゼロクロス検出により、各相のゼロクロスのタイミングを算出し、ゼロクロス間の位相角を出力する位相角算出部と、各位相角により前記サイリスタを一括点弧した際に、前記3相交流からの供給余裕電力と位相角との対応をモデル化した点弧電力曲線を記憶する点弧電力モデル記憶部と、前記コンデンサに蓄積される蓄積電圧を、予め設定された設定電圧と前記検出電圧との差分によりPID制御して、サイリスタを一括点弧する点弧角を求める主制御部と、前記点弧電力曲線を用いて、前記点弧角と前記瞬時電力値とから、前記サイリスタを一括点弧する制御点弧角を求め副制御部と、前記位相角算出部の出力する位相角が、前記制御点弧角となるか否かを検出し、該位相角が該制御点弧角を超えたことを検出すると前記複数のサイリスタを一括点弧する点弧制御部とを有する。
本発明のインバータ装置は、前記設定電圧に維持できるように、前記主制御部が前記設定電圧と前記検出電圧との差分を基に、前記点弧角をPID制御により算出し、前記点弧制御部が前記点弧角に対応する供給余裕電力に対し、前記瞬時電力値を、該電力値の極性に対応させて反映させ、反映結果の電力値に対応する点弧角を求め、該この点弧角を制御点弧角として出力することを特徴とする。
本発明のインバータ装置は、前記点弧制御部が、前記測定周期毎の前記瞬時電力値に基づき、該瞬時電力値が有効電力の場合、前記供給余裕電力に対し前記瞬時電力値を加算し、一方、前記瞬時電力値が無効電力の場合、前記供給余裕電力から前記瞬時電力値を減算し、算出結果の電力値に対応する点弧角を前記点弧電力曲線から求め、制御点弧角とする ことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、PID制御によりコンデンサに蓄積される電圧の検出電圧と、この検出電圧値と、予め設定された設定電圧値との差分によりPID制御を行い、コンデンサに蓄積される電圧を一定に保つためのサイリスタの点弧角を求めるとともに、負荷の変動により、コンデンサから負荷へ供給される、あるいは負荷からコンデンサに回生される瞬時電力値を検出し、この瞬時電力値が回生の場合、前記点弧角を遅らせ、一方、瞬時電力値が供給の場合、前記点弧角を早め、サイリスタを一括点弧する制御位相角を求めるため、コンデンサの電圧の変動に対応して求まる点弧角に、負荷変動による影響が反映されることになる。これにより、本発明によれば、PID制御にては追随できないコンデンサに蓄積される電圧変動に対する予測制御を行うことができ、インバータの交流出力の波形の歪率を低減させることができる。
また、本発明によれば、整流器のサイリスタを一括点弧したときにおける供給できる電力値を、3相交流の位相角毎に示す点弧電力曲線を、予め求めて点弧電力モデル部に記憶していることにより、主制御部の算出した点弧角から加算(瞬時電力値が供給の場合)あるいは減算(瞬時電力値が回生の場合)する位相範囲を、各位相角毎に瞬時電力値に対応させて簡易な回路にて容易に求めることができ、回路規模を従来例に比較して小型化し、製造コストを低減することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態によるインバータ装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態によるインバータ装置の構成例を示すブロック図である。
この図において、インバータ装置は、整流器1、コンデンサ2、電圧検出部3、インバータ4、チョークコイル5、コンデンサ6、電流検出部7、電圧検出部8及び制御部9を有している。図1において、10は本実施形態のインバータ装置が交流電力を供給する負荷である。ここで、コンデンサ6は負荷に対する交流出力の力率改善用に設けられている。また、以下の説明において、インバータ4の出力する交流出力の周波数は、整流器1に入力される3相交流の周波数より、十分小さいとする。
整流器1は、外部から入力される3相交流(U相、V相及びW相)を整流して、コンデンサ2に対してDC電流を供給する。ここで、整流器1は、サイリスタ11、12及び13と、ダイオード15、16及び17とから構成されている。
コンデンサ2は、平滑コンデンサであり、入力されるDC電流により電荷を蓄積し、インバータ4が使用するDC電圧を充電する。
電圧検出部3は、コンデンサ2に充電される電圧を測定し、測定電圧Vsとして点弧角制御部9へ出力する。
電流検出部7は、負荷に流れている電流値を測定し、測定電流Ikとして点弧角制御部9へ出力する。
電圧検出部8は、負荷に印加されている電圧値を測定し、測定電圧Vkとして点弧角制御部9へ出力する。
インバータ4は、例えば、nチャネル型のMOSトランジスタ(以下、トランジスタ)41、42、43及び44から構成されており、トランジスタ41及び44と、トランジスタ42及び43とのそれぞれの組をオン、オフすることにより予め設定した周期の交流出力を生成する。
制御部9は、点弧角制御部91及びインバータ制御部92から構成されている。ここで、点弧角制御部91はコンデンサ2に充電されたDC電圧の電圧値と、負荷10に供給されている交流電力における交流電流及び交流電圧により、サイリスタ11〜13を一括点呼する制御点弧角θonを算出し、入力される3相交流の位相角θが求めた制御点弧角θonとなると、サイリスタ11〜サイリスタ123を一括点弧する制御を行う。このように、点弧角制御部91は、サイリスタ11、12及び13を一括点弧する制御点弧角θonを、検コンデンサ2に充電された検出電圧Vs、負荷10に供給されている交流電圧の検出電圧Vk及び負荷10に供給されている交流電流の検出電流Ikから生成し、サイリスタ11〜13を一括点弧する。
インバータ制御部92は、トランジスタ41〜44のオンオフ制御を行い、コンデンサ2に充電されているDC電圧から、予め設定されている電圧値及び周期の交流出力を生成し、負荷10に供給する。
次に、点弧角制御部91の構成を図2を用いて説明する。図2は、点弧角制御部91の構成例を示すブロック図である。本実施形態において、入力される3相交流の各相の周期は、検出電圧Vs、Vk及び検出電流Ikをサンプリングし、主制御部1及び副制御部2にて制御点弧角θonの生成を行う一定の制御周期より十分に長く、インバータ4が出力する交流出力の周期より十分に短い。また、負荷10に供給される交流電力の周期は3相交流の周期より十分に長い。例えば、3相交流の各相の周期が6mSであり、検出の一定周期が50μSであり、交流出力が16mS程度の関係にある。
点弧角制御部91は、主制御部911、副制御部912、位相角算出部913及び点弧制御部914から構成されてる。
主制御部911には、インバータ4が交流出力を生成するために、コンデンサ2に充電する必要のある電圧範囲が、予め設定電圧Vtを中心としてΔVの幅にて設定されている。
また、主制御部911は、上記設定電圧Vtと、測定電圧Vsとの差分電圧ΔVを算出し、この差分電圧ΔVが「0」に近づくように、PID(Proportional Integral Differential)制御により、サイリスタ11〜13を一括点弧する位相角である点弧角θpを求める。
副制御部912は、電圧検出部8の検出した検出電圧Vkと、電流検出部7が検出した検出電流Ikとにより、すなわち検出電圧Vk及び検出電流Ikを乗算することにより、負荷10が消費する瞬時電力値ΔWを求め、この瞬時電力値ΔWの極性(+または−)から、負荷に対して電力を供給している(+)か、あるいは負荷から電力が回生されている(−)かを検出する。
また、副制御部921は、上記瞬時電力値ΔWにより、主制御部911が求めた点弧角θpを、瞬時電力値が+ΔWの場合、電力がコンデンサ2から負荷10に供給されるので、整流器1からコンデンサ2へ供給する電力を増加させる必要があり、ΔWに対応する点弧角分を早める補正をし、一方、瞬時電力値が−ΔWの場合、電力が負荷10からコンデンサ2に対して回生されるので、整流器1からコンデンサ2へ供給する電力を減少させる必要があり、ΔWに対応する点弧角分遅らせる補正を行い、補正結果を制御点弧角θonとして点弧制御部914へ出力する。
位相角算出部913は、3相交流におけるいずれか一相の交流波形を基準とし、すなわちいずれか一相のゼロクロス間隔を検出することにより、この一相のゼロクロスの位相角が他の2層とのゼロクロスの位相角と60°ずつずれていることを利用し、上記一相にて検出したゼロクロス間の時間を3等分することにより、図3に示すように、3相のゼロクロスの位相角及び位相角の変化を算出し、ゼロクロス間の位相角を0°〜60°の周期にて点弧制御部914へ出力する。図3の左側の縦軸は三相交流の電圧値を示しており、横軸は三相交流の位相角を示している。
ここで、本実施形態において、位相角算出部913は、例えば、位相Wのゼロクロス間隔の時間を測定することにより、これ基準として位相V及びWのゼロクロスの時間を算出し、それぞれのゼロクロスの位相角を求める。例えば、位相Wのゼロクロスする位相角0°及び180°間の時間を3分割し、それぞれU相がゼロクロスする60°、V相がゼロクロスする120°を求め、各ゼロクロス間の位相角を0°〜60°として、予め設定した刻み幅(分解能、例えば1°)単位にて、位相角の情報を点弧角制御部914へ出力する。
点弧制御部914は、副制御部912から周期的に入力される制御点弧角θonと、位相角算出部913から入力される位相角θ(0°≦θ≦60°)とを比較し、位相角θが制御点弧角θonを超えた時点にて、サイリスタ11〜13の一括点弧を行う。したがって、点弧制御部914は、制御点弧角θonが60°を超えている場合、そのゼロクロス間隔にてはサイリスタ11〜13の点弧を行わない。次のゼロクロス間隔において、主制御部911が新たなPID演算により点弧角θpを求め、副制御部912が新たに入力される検出電圧Vk及び検出電流Ikにより得られる瞬時電力値ΔWにより、点弧角θpを補正して制御点弧角θonの演算を行う。
また、主制御部911は、差電圧演算部921及びPID制御部922から構成されている。
ここで、差電圧制御部921は、設定電圧Vt(例えば、DC電圧の電圧値の制御範囲Vt±ΔVの中央値)から検出電圧Vsを減算して、差分電圧ΔVを求めてPID制御部922へ出力する。
PID制御部922は、入力された差分電圧ΔVの極性(+あるいは−のいずれかであるかを示す情報)と、差分電圧ΔVの電圧値とにより、差分電圧ΔVが小さくなるように、位相角制御に対応して予め設定したPID演算式によりPID演算を行い、サイリスタ11〜13を一括点弧する点弧角θpを要求値として求める。この演算するタイミングは、後述する瞬時電力値を演算するタイミングと同期が取られている。
また、副制御部912は、点弧角変換部931、瞬時電力値演算部932及び点弧電力モデル記憶部933から構成されている。
瞬時電力値演算部932は、入力される検出電圧Vkと、検出電流Ikとを乗算して、瞬時電力値ΔWを算出し、点弧角変換部931へ出力する。
点弧角変換部931は、上記瞬時電力値ΔW及び点弧角θpが入力されると、点弧電力モデル記憶部933に記憶されている点弧電力曲線の情報(供給余裕電力値Wと、点弧角θの関係を点弧電力曲線を示す式、あるいはこの式により求めた電力値Wと、点弧角θの関係を示すテーブルなど)を読み出す。
そして、点弧角変換部931は、上記点弧電力曲線の式から点弧各θpに対応する電力値Wを求め、瞬時電力値ΔWが極性が正(+)の場合、負荷10に電力を供給するため、図4に示すように、電力値Wに瞬時電力値ΔWを加算し、加算結果の電力値W+ΔWに対応する点弧角を制御点弧角θonとして上記点弧電力曲線の式から求める。これにより、点弧角変換部931は、瞬時電力値ΔWに対応する点弧角調整量Δθ(+)分、点弧角θpを早めることとなる。図4の縦軸は点弧電力曲線の示す供給余裕電力の電力値を示しており、横軸は点弧電力曲線の位相角を示している。
また、点弧角変換部931は、上記点弧電力曲線の式から点弧各θpに対応する電力値Wを求め、瞬時電力値ΔWが極性が負(−)の場合、負荷10に電力を供給するため、図4に示すように、電力値Wに瞬時電力値ΔWを減算し、加算結果の電力値W−ΔWに対応する点弧角を制御点弧角θonとして上記点弧電力曲線の式から求める。これにより、点弧角変換部931は、瞬時電力値ΔWに対応する点弧角調整量Δθ(−)分、点弧角θpを遅くすることとなる。
上述したように、点弧角変換部931は、瞬時電力値ΔWに対応した増減(回生にて増、供給にて減)の位相分を、点弧角θpに反映させ、サイリスタ11〜13を一括点弧する制御点弧角θonとして点弧制御部914へ出力する。
この図3における点弧電圧曲線(2点鎖線)は、下記の(1)式により形成されている。図3の右側の縦軸は点弧電力曲線の示す供給余裕電力の電力値Wを示しており、横軸は点弧電力曲線の位相角を示している。
W=Vpeak /Z …(1)
ここで、Zは点弧毎の整流器1の出力インピーダンスとし(仮のインピーダンスとする)、すなわち、点弧角を変数としたインピーダンス関数である。上記(1)式は、いずれかの交流の相のゼロクロスから、いずれかの交流の相のゼロクロスまでの、ゼロクロス間隔の周期内における点弧角の相対的な変化に対応した電力の供給量を示し、3相交流により整流器1ががコンデンサ2に対して供給可能な供給余裕電力として定義している。
上記インピーダンスは、以下のように求められる数値である。すなわち、整流器1の出力に対して固定の負荷を接続し、この整流器1に入力される3相交流のピーク電圧値Vpeakに対して流れる電流を測定し、この測定結果から算出した数値を上記インピーダンスとして用いている。すなわち、上記インピーダンスは、3相交流源個々の特性に応じた数値であり、3相交流源固有のものである。また、インピーダンスZは、ゼロクロス間において、位相角の増加に伴って増加する特性を有している。このため、供給電力余裕Wは、ゼロクロス間において、ゼロクロス間において、位相角θが増加するに従い、最大電力値Wmaxから最小電力値Wminへ単調減少する特性となる。
上記点弧電力曲線を示す(1)式において、上記式におけるVpeak(及び−Vpeak)は3相交流のピーク電圧である。また、インピーダンスZは、ゼロクロス間隔の周期、すなわち0°から60°の周期における周期関数であり、各周期のゼロクロス間を0°〜60°として一般化して、ゼロクロス間隔の周期とし、3相の交流電力により供給できる電力である上記電力余裕の近似式である(1)式として表すことができる。
また、(1)式におけるインピーダンスZは位相角θをパラメータとした数値であるため、以下に示す(2)式として、(1)式を表すことができる。
W=K/θ (0≦θ≦60) …(2)
(2)式は、(1)式と同様に、位相角θにてサイリスタの一括点弧した場合、次のゼロクロスまでに整流器1が供給することのできる電力値である供給余裕電力を示している。
Kは、ゼロクロスの位相角周期の角度範囲(すなわち、0°〜60°)の角度θにて除算することにより、(1)式におけるその角度θに対応するインピーダンスZにてVpeak を減算にした値と同様の数値を近似的に求める係数式である。
また、すでに述べたように、上記ゼロクロス間は、位相角の0°〜60°の範囲であり、例えば、U相が位相角0でゼロクロスし、W相が位相角60にてゼロクロスする位相範囲をゼロクロス間隔の1周期としている。
3相交流の各相のゼロクロス間隔内にて、上記(1)式が成り立つことから、この(1)を変形した「位相角と供給余裕電力との対応を示す」(2)式を用いることにより、PID制御により求めた点弧角θpにおける供給余裕電力の電力値に対して、瞬時電力値ΔWを加算(極性が正の場合)、または減算(極性が負の場合)することにより、瞬時電力値ΔWに対応する点弧角調整量Δθを、点弧角θpから減算(極性が正の場合)、または加算(極性が負の場合)することができ、負荷の変動に対応して制御点弧角θonを微調整することができる。
したがって、点弧角変換部931は、点弧電力モデル記憶部933に記憶されている上記(2)式により、点弧角θpに対し、入力される瞬時電力値ΔWに対応した点弧角調整量Δθが調整された制御点弧角を算出し、整流器1のサイリスタ11〜13を一括点弧する制御点弧角θonとして点弧制御部914へ出力する。
また、上記点弧電力モデル記憶部933に、上記(2)式から、すなわち点弧電力曲線からそれぞれの供給余裕電力の電力値Wに対応する位相角θを求め、電力値W毎に対応させてテーブルとして記憶させておき、点弧角変換部931が、入力される点弧角θに対応した電力値Wをテーブルから読み出し、この電力値Wに瞬時電力値ΔWを反映させ(ΔWが正の場合に電力値Wに加算、ΔWが負の場合に電力値Wから減算)て、反映させた電力値Wに対応する点弧角を制御点弧角θonとして、点弧電力モデル記憶部933の上記テーブルから読み出すようにしても良い。
次に、図1、図2及び図5を用いて本実施形態におけるインバータ装置の制御動作を説明する。この図5は、本実施形態によるインバータ装置の動作例を示すフローチャートである。
点弧角調整量制御部91は、予め設定された一定周期毎に、図5のフローチャートの動作を行いサイリスタ11〜13を一括点弧する制御点弧角θonを求め、インバータ4から負荷10に対して歪率の小さな交流波形により電力の供給を行う。
点弧角調整量制御部91は、予め設定された周期の時刻となると、サイリスタ11〜13を駆動する点弧角を求め、サイリスタ11〜13を駆動する処理を開始する。
点弧角制御部91におけるサイリスタ11から13に対する制御処理が開始されることにより、差電圧演算部921は、内部に設定されている設定電圧Vtから、電圧検出部3より入力されている検出電圧Vsを減算し、差電圧ΔVを算出する。
また、瞬時電力演算部932は、電流検出部7から入力される検出電流Ikと、電圧検出部8から検出電圧Vkと入力し、処理をステップS2へ進める(ステップS1)。
そして、PID制御部922は、差電圧演算部921から入力される差電圧ΔVにより、操作量として点弧角θpを出力する( ステップS2)。ここで、PID制御922は、差電圧ΔVから点弧角θpを求めるPID演算を、例えば以下の(3)式及び(4)式により行う。
θ = θn−1 + Δθ …(3)
Δθ=Kp(ΔV−ΔVn−1) + Ki×ΔV
+Kd((ΔV−ΔVn−1)−(ΔVn−1−ΔVn−2)) …(4)
上記(3)及び(4)式において、θn:今回の操作量、θn−1:前回の操作量、Δθ:前回と今回との操作量差分、ΔV:今回の偏差、ΔVn−1:前回の偏差、ΔVn−2:前々回の偏差である。
この際、PID演算において、前回の点弧角θに反映させて今回の点弧角を求める差分を算出するときに用いる、「前回と今回の偏差の差」と、「今回の偏差」と、「前回及び今回の偏差と前回及び前々回の偏差の差との差」とのそれぞれに対して乗算する係数Kp、Ki、Kdは、コンデンサ2に充電される電圧変化の特性に対応させて、予め設定しておく。
また、PID制御部922は、演算した結果の点弧角θpを点弧角変換部931へ出力する。
次に、瞬時電力値演算部932は、入力された検出電流Ik及び検出電圧Vkを乗算し、瞬時電力値ΔWを算出し、点弧角変換部931へ出力する(ステップS3)。
上記瞬時電力値Δpが入力されるとに、点弧制御部914は、上記瞬時電力値ΔWの極性情報により、入力される点弧角調整量Δθの極性を判定し(ステップS4)、すなわち「+(有効電力)」か「−(無効電力)」かの判定を行い、+であれば処理をステップS5へ進め、一方、−であればステップS6へ進める。
そして、点弧角調整量Δθの極性が+と判定されると、点弧制御部914は、電力がコンデンサ2から負荷10に対して供給されるため、コンデンサ2に対して電力を供給を開始する点弧角を早める必要があり、図4に示すように、上記PID演算により算出された点弧角θpから(2)式を用いて供給余裕電力Wを求め、この供給電力余裕Wに対して瞬時電力値ΔWを加算し、算出された電力値W+ΔWから、(2)式を用いて点弧角を求め、この点弧角を制御点弧角θonとして出力し(ステップS5)、処理をステップS7へ進める。これにより、PID演算により求めた点弧角θpから、負荷10へ供給する瞬時電力量ΔWに対応する点弧角調整量Δθ(+)を減算することで、点弧角θpを瞬時電力値ΔWにより微調整することができる。
一方、点弧角調整量Δθの極性が−と判定されると、点弧制御部914は、電力が負荷10からコンデンサ2に対して回生されるため、コンデンサ2に対して電力を供給を開始する点弧角を遅める必要があり、図4に示すように、上記PID演算により算出された点弧角θpから(2)式を用いて供給余裕電力Wを求め、この供給電力余裕Wに対して瞬時電力値ΔWを減算し、算出された電力値W−ΔWから、(2)式を用いて点弧角を求め、この点弧角を制御点弧角θonとして出力し(ステップS6)、処理をステップS7へ進める。これにより、PID演算により求めた点弧角θpから、負荷10へ供給する瞬時電力量ΔWに対応する点弧角調整量Δθ(−)を減算することで、点弧角θpを瞬時電力値ΔWにより微調整することができる。
また、本実施形態においては、すでに述べたように、位相角算出部913は、フローチャートの処理とは関係なく、各ゼロクロスから次のゼロクロスまでの位相角のカウントを、例えば、W相のゼロクロスから、W相の次のゼロクロスまでの時間をカウントすることにより、各ゼロクロス間における位相変化を出力する。各ゼロクロス周期間毎に、演算に0°から60°範囲の周期関数(上記(2)式)を用いているため、位相角算出部913は、ゼロクロス間において、各位相角θを0°〜60°間にて周期的に変化させている。
そして、点弧制御部914には、位相角検出部931からゼロクロス間における現在の位相角θが入力されている(ステップS7)。
このとき、点弧制御部914は、位相角検出部931から入力される位相角θが、制御点弧角θonとなるとサイリスタ11〜13の一括点弧を行う(ステップS8)。
ここで、点弧制御部914は、位相角θが制御点弧角θonを超えている場合、その時点にてサイリスタ11〜13の一括点弧を行う。
また、ステップS8において、位相角θが制御点弧角θonとなる前に、制御点弧角θonを演算する周期となるとステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS8の動作を行う。
また、サイリスタ11〜13には、点弧するための電流を流しても起動しない不感帯(各ゼロクロス近傍)が存在する。このため、点弧制御部914は、上記不感帯に制御点弧角が設定された場合、予め設定されている不感帯を超えた直後の点弧角に置き換えて、サイリスタ11〜13の点弧制御を行う。
上述したように、本実施形態によれば、主制御部911がコンデンサ2の電圧変化に対応してPID演算により求めた、サイリスタ11〜13の一括点弧を行う点弧角θpを、負荷変動に対してリアルタイムに微調整するため、上記点弧電力曲線から点弧角θpに対応する供給余裕電力Wを求め、この供給余裕電力Wに瞬時電力値ΔWをその極性に応じて反映させ、上記点弧電力曲線から反映された電力値に対応する点弧角θを求め、この点弧角を制御点弧角θonとし、主制御部911の求めた点弧角θpの微調整を行うので、コンデンサ2におけるDC電圧に重畳するリップルなど、負荷10の変動に起因した変化を抑制することができる。
したがって、インバータ4から負荷10に電力を供給する交流波形の歪率を従来に比較して低減させることが可能となる。
また、本発明によれば、3相交流それぞれの相に対応するサイリスタを個別に制御するのではなく、図3における3相交流に対応するサイリスタ11〜13を一括点弧する点弧角θと、この点弧角θにおける供給電力余裕Wとの単純な対応関係(上述した点弧電力曲線)を用いることにより、簡易な回路にて容易に制御点弧角θonを算出することが可能となり、サイリスタを一括点弧する構成のため、従来に比較して回路規模を小さくし、製造コストの上昇を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるインバータ装置の構成例を示すブロック図である。 図1における点弧角制御部91の構成例を説明するブロック図である。 三相交流の電圧、及び図1の点弧電力モデル記憶部933に記憶されている点弧電力曲線の供給余裕電力の電力値と、位相角との対応を示すグラフである。 点弧電力曲線において、瞬時電力値ΔWによる点弧角θpを行い、制御点弧角θonの算出を説明する図1の点弧電力モデル記憶部903に記憶されている、三相交流の位相角と、整流器1の出力する供給余裕電力との対応を示すグラフである。 図1のインバータ装置の動作例を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…整流器
2,6…コンデンサ
3,8…電圧検出部
4…インバータ
5…インダクタ
7…電流検出部
9…制御部
10…負荷
911…主制御部
912…副制御部
913…位相角検出部
914…点弧制御部
921…差電圧演算部
922…PID制御部
931…点弧角変換部
932…瞬時電力値演算部
933…点弧電力モデル記憶部

Claims (3)

  1. 3相交流を直流電圧に変換する、複数のサイリスタからなる整流部と、
    該整流部の整流した整流電圧を蓄積するコンデンサと、
    該コンデンサに蓄積された整流電圧から、交流出力を生成するインバータ部と、
    前記交流出力が負荷に供給された際に発生する無効電力及び有効電力を示す瞬時電力値を、一定周期にて測定する測定部と、
    前記コンデンサに蓄積される蓄積電圧を検出し、検出電圧として出力する検出部と、
    前記3相交流におけるいずれか1相のゼロクロス検出により、各相のゼロクロスのタイミングを算出し、ゼロクロス間の位相角を出力する位相角算出部と、
    各位相角により前記サイリスタを一括点弧した際に、前記3相交流からの供給余裕電力と位相角との対応をモデル化した点弧電力曲線を記憶する点弧電力モデル記憶部と、
    前記コンデンサに蓄積される蓄積電圧を、予め設定された設定電圧と前記検出電圧との差分によりPID制御して、サイリスタを一括点弧する点弧角を求める主制御部と、
    前記点弧電力曲線を用いて、前記点弧角と前記瞬時電力値とから、前記サイリスタを一括点弧する制御点弧角を求め副制御部と、
    前記位相角算出部の出力する位相角が、前記制御点弧角となるか否かを検出し、該位相角が該制御点弧角を超えたことを検出すると前記複数のサイリスタを一括点弧する点弧制御部と
    を有するインバータ装置。
  2. 前記設定電圧に維持できるように、
    前記主制御部が前記設定電圧と前記検出電圧との差分を基に、前記点弧角をPID制御により算出し、
    前記点弧制御部が前記点弧角に対応する供給余裕電力に対し、前記瞬時電力値を、該電力値の極性に対応させて反映させ、反映結果の電力値に対応する点弧角を求め、該この点弧角を制御点弧角として出力する
    ことを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記点弧制御部が、
    前記測定周期毎の前記瞬時電力値に基づき、該瞬時電力値が有効電力の場合、前記供給余裕電力に対し前記瞬時電力値を加算し、一方、前記瞬時電力値が無効電力の場合、前記供給余裕電力から前記瞬時電力値を減算し、算出結果の電力値に対応する点弧角を前記点弧電力曲線から求め、制御点弧角とする
    ことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
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