JP3922617B2 - 携帯用発電機の出力電圧修正方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンにより発電機を回転させることにより100ボルトなどの交流電圧を出力させる携帯用発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンを用い、所要の場所に移動させることが可能であり、且つ、数キロワット程度の出力を行うことのできる小型の発電機が多用されるようになってきた。
この移動させることを可能とした携帯用発電機としては、平均出力電圧を100ボルト程度とし、エンジンの回転数を一定回転数とすることにより50ヘルツ又は60ヘルツとする単相交流電圧を出力する発電機があった。
【0003】
しかし、最近では、エンジンにより回転させる交流発電機の出力電圧を一旦直流電圧に変換し、更にインバータを用いて50ヘルツ又は60ヘルツの一定周波数とする出力電圧を形成するものがある(例えば、特開昭63−114527号、特開昭63−302724号)。
尚、エンジンを用いて数キロワット乃至十キロワット程度の出力を可能とされる小型の携帯用発電機は、使用場所に持ち込み、常に移動可能な状態で発電作動を行わせる場合のみでなく、特定の場所での使用期間が継続する場合などは、固定的に据え付けて作動させることもある。
【0004】
このインバータを採用した携帯用発電機では、図12に示すように、エンジンにより回転させる交流発電機50、及び、整流用ダイオード115とサイリスタ111を用いた直流電圧発生回路110、所要個数のコンデンサを並列とした大容量コンデンサ121による直流電源部120、更にパワートランジスタを用いたインバータ回路130とローパスフィルタ140を有する。更に、この直流電圧発生回路110やインバータ回路130などの電力回路を駆動制御するための制御用回路として、PWM信号発生回路250や電圧制限回路240、過負荷検出回路260、インバータドライブ回路255などを有する。又、この携帯用発電機100は、これらの制御用回路を駆動する電源部としての平滑回路210及び定電圧回路235なども有する。
【0005】
このエンジンにより回転子を回転させる交流発電機50は、三相出力巻線51と単相出力巻線55とを有する発電機が多く利用される。三相出力巻線51は、最大出力を数百ボルトとして数十アンペア程度の出力を可能とし、単相出力巻線55は、数十ボルトにして数十アンペア程度の出力を可能とするものが多い。
この三相出力巻線51の出力端子が接続される直流電圧発生回路110は、3個の整流用ダイオード115と3個のサイリスタ111とを用いた整流ブリッジ回路により構成され、この整流ブリッジ回路の両出力端子を直流電源部120とする主平滑コンデンサ121の両端に接続してコンデンサ121に充電を行うものである。
【0006】
尚、直流電圧発生回路110における各サイリスタ111のゲート端子は、電圧制限回路240に接続し、各サイリスタ111の導通角を制御することにより直流電源部120とした主平滑コンデンサ121の両端電圧を調整している。
そして、インバータ回路130は、4個のパワートランジスタを用いたブリッジ回路により構成している。このインバータ回路130では、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133とを直列として直流電源部120に接続し、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134とを直列として直流電源部120に接続している。又、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点はローパスフィルタ140を介して第1出力端子151に接続し、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点はローパスフィルタ140を介して第2出力端子152に接続している。更に、第1トランジスタ131のベースと第4トランジスタ134のベースとを共通としてインバータドライブ回路255に接続し、第2トランジスタ132のベースと第3トランジスタ133のベースとを共通としてインバータドライブ回路255に接続している。
【0007】
このインバータドライブ回路255から第1トランジスタ131及び第4トランジスタ134に出力する第1PWM信号、及び、第2トランジスタ132及び第3トランジスタ133に出力する第2PWM信号は、数キロヘルツ以上の高周波数としたパルス信号であり、各パルス信号のパルス幅を50ヘルツ又は60ヘルツの周期で順次変化させ、パルス幅の変化量は正弦波状に順次増加又は減少させる信号としている。
【0008】
そして、第1PWM信号と第2PWM信号とを逆位相としている。このため、第1PWM信号により第1トランジスタ131と第4トランジスタ134とを導通させて第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点を直流電源部120の電圧VDとするとき、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点は0ボルトとされ、又、第2PWM信号により第2トランジスタ132と第3トランジスタ133とを導通させるとき、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点を0ボルトとし、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点を直流電源部120は電圧VDとされる。
【0009】
この第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点電位は、図13のAに示すように、0ボルトと直流電源120の電圧VDとが高速で切り換わり、且つ、直流電源電圧VDの持続時間が順次変化する。又、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点電位も、図13のBに示すように、直流電源120の電圧VDと0ボルトとが高速で切り換わり、直流電源電圧VDの持続時間が順次変化する。
【0010】
このため、ローパスフィルタ140を通過した第1出力電圧と第2出力電圧は、図13に示すように、50ヘルツ又は60ヘルツの正弦波電圧とされ、且つ、第1出力端子151の電圧と第2出力端子152の電圧とは、最大値及び最小値を半周期ずらせた50ヘルツ又は60ヘルツの交流出力電圧として形成される。
又、交流発電機50の単相出力巻線55は、図12に示したように、制御用電源回路における平滑回路210に接続している。
【0011】
この平滑回路210は、整流用ダイオード211及び平滑用コンデンサ215で構成し、単相出力巻線55の出力端子と平滑用コンデンサ215との間に整流用ダイオード211を挿入し、単相出力巻線55の出力電圧により平滑用コンデンサ215に充電して直流電圧を形成するものとしている。
尚、整流用ダイオード211は、図12に示したように1個に限るものでなく、4個の整流用ダイオードを用いて全波整流ブリッジとして平滑用コンデンサを充電することもある。
【0012】
そして、平滑回路210の出力端子を定電圧回路235に接続し、この定電圧回路235により制御回路を駆動する所定の電圧を形成している。
又、この定電圧回路235は、−側の端子を直流電源部120の+側と接続し、定電圧回路235の+側端子を電圧制限回路240やPWM信号発生回路250、インバータドライブ回路240に接続している。
【0013】
この電圧制限回路240は、抵抗器や比較器を用いて構成し、第1基準電圧用抵抗器245と第2基準電圧用抵抗器246とを直列として定電圧回路235の+側端子と直流電源部120の+側端子との間に挿入し、第1基準電圧用抵抗器245と第2基準電圧用抵抗器246との中点を比較器243の基準入力端子に接続している。又、第1分圧抵抗器248と第2分圧抵抗器249とを直列として定電圧回路235の+側端子と直流電源部120の−側端子との間に挿入し、第1分圧抵抗器248と第2分圧抵抗器249との中点を比較器243の比較入力端子に接続している。
【0014】
更に、比較器243の出力端子は、制御用抵抗器241を介して定電圧回路235の+側端子に接続すると共に、直流電圧発生回路110における各サイリスタ111のゲート端子にも接続している。尚、各サイリスタ111のゲート端子に比較器243の出力端子を接続するに際しては、保護抵抗器117を介して接続している。
従って、この電圧制限回路240では、制御用電源回路の定電圧回路235で形成された一定電圧を第1基準電圧用抵抗器245と第2基準電圧用抵抗器246とにより分圧することによって一定の基準電圧を形成し、この常に一定電圧とされた基準電圧を比較器243の基準入力端子に入力することができる。
【0015】
又、直流電源部120の出力電圧と定電圧回路235で形成する一定電圧とを加算した電圧を第1分圧抵抗器248と第2分圧抵抗器249とにより分圧して検出電圧を形成し、この検出電圧を比較器243の比較入力端子に入力することができる。
このため、比較入力端子に入力される検出電圧は直流電源部120の電圧変動により変動し、この検出電圧が第1基準電圧用抵抗器245と第2基準電圧用抵抗器246とにより形成した基準電圧よりも低いときは、比較器243の出力は+電位とされる。
【0016】
従って、サイリスタ111のゲート電位をサイリスタ111のカソード電位よりも高くすることができ、制御用抵抗器241を介してゲート電流を各サイリスタ111に供給し、各サイリスタ111を導通状態とすることになる。このため、三相出力巻線51の出力電圧が直流電源部120の電圧よりも高電圧になると直流電源部120に電力を供給し、直流電源部120の電圧を上昇させる。
【0017】
又、直流電源部120の電圧が上昇して比較器243に入力される検出電圧が基準電圧に等しくなると、比較器243の出力は0となり、各サイリスタ111のゲート電位がカソード電位と等しくなり、各サイリスタ111は不導通状態となる。
このように、電圧制限回路240により、直流電源部120で形成される電圧が一定電圧よりも低くなると交流発電機50から充電を行い、一定電圧に達すると充電を停止させるため、直流電源部120の出力電圧としては、170ボルト乃至200ボルト程度として電圧制限回路240により設定する一定の電圧VDを常に保持することができる。
【0018】
そして、インバータ回路130により第1出力端子151及び第2出力端子152の電位を50ヘルツ又は60ヘルツの一定周期にて変化させ、第1出力端子151の電圧と第2出力端子152の電圧との電位差の最大を141ボルトして平均電圧を100ボルトとする単相交流電圧を出力させる。
このインバータ回路130を制御するPWM制御信号を形成するPWM信号発生回路250は、50ヘルツ又は60ヘルツなどの基準正弦波と三角波とによりPWM制御信号を形成してインバータドライブ回路255に出力するものである。
【0019】
そして、PWM信号発生回路250の基準正弦波は、出力端子から出力する電圧の周波数である50ヘルツ又は60ヘルツなどの所定の周波数に合わせて形成するものであり、この基準正弦波の電圧と三角波の電圧の比率を調整し、インバータ回路130に入力する直流電源部120の出力電圧VD及びインバータ回路130やローパスフィルタ140の特性によりPWM制御信号とするパルス信号の周波数、及び、パルス幅とパルス幅の変化量とを決定している。
【0020】
更に、この携帯用発電機100では、直流電源部120とインバータ回路130との間に検出用抵抗器261を挿入した過負荷検出回路260を設けている。
この過負荷検出回路260は、検出用抵抗器261と演算回路部265とにより構成し、定格電流値を越える電流値を検出したとき、定格を越えた大きさにより時間を加味して停止信号をインバータドライブ回路255に出力するものである。
【0021】
この演算回路部265は、比較器やコンデンサ、及び、抵抗器を用いた種々の回路が用いられ、電力回路を構成する素子の特性を加味し、多くの場合、定格電流の2倍の電流が流れたときは直ちに停止信号を出力してインバータドライブ回路255から出力している第1PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止させる。又、定格電流を僅かに越える電流を検出したときは、数秒乃至数分間の時間が持続したときに停止信号をインバータドライブ回路255に出力するものとしている。
【0022】
このように、直流電圧発生回路110により三相交流を一旦整流し、直流電源部120で形成した直流電圧をインバータ回路130により再度交流電圧とする携帯用発電機100は、交流発電機50の回転数、即ちエンジンの回転数を変化させて常に負荷に応じた電力を形成しつつ、一定に安定させた周波数及び電圧の交流出力電圧を形成することができる。
【0023】
従って、負荷の変動に合わせてエンジンの回転数を調整し、高負荷の場合には回転数を高くし、低負荷の場合は回転数を低めとし、負荷に合わせて必要なエネルギーをエンジンから発生させれば足りるため、負荷に応じた出力調整が容易であり、且つ、効率の良い携帯用発電機100とすることができる。
そして、定格出力を越える過負荷状態となったときは、過負荷の状態に合わせて瞬時に、又は所定時間の経過によりインバータ回路130の作動を停止させ、出力電圧を0として回路全体などの安全を保ちつつ定格出力とされる数キロワット程度の範囲内で負荷とされた各種電気機器を作動させることができる。
【0024】
このように、インバータ回路130を用いたエンジン付きの携帯用発電機100は、商用電源と同じ100ボルトの単相交流電力を出力できるため、近年、種々の一般電気機器の電源として利用されるようになってきた。
そして、このような携帯用発電機100として、単相交流電力の出力電圧値調整や電圧位相調整を行って並列運転が可能とされるものもある。
【0025】
この出力電圧値や電圧位相の調整を行うことができる携帯用発電機100では、携帯用発電機100の第1出力端子151及び第2出力端子152から出力する交流出力電圧や交流出力電流を検出し、例えば並列運転を行う他の発電機の出力電圧及び位相と当該携帯用発電機100が出力する単相交流電力の電圧値及び位相とを一致させるようにした出力電圧を常に出力するようにPWM信号発生回路250を制御するものである(例えば、特開平5−49174号、特開平5−236658号、特開平5−244726号)。
【0026】
又、電圧値の調整は、並列運転を行う場合のみでなく、単独運転を行う場合においても、出力端子に接続する負荷の種類や負荷の大きさによる電圧変動を防止するために行われることもある(例えば、特開平5−211777号)。
これらの携帯用発電機100では、多くの場合、図14に示すように、ローパスフィルタ140の後段で第1出力端子151と第2出力端子152との間に出力電圧検出回路340を挿入し、又、ローパスフィルタ140の後段に出力電流検出回路330を挿入し、第1出力端子151及び第2出力端子152から出力する単相交流出力の電圧及び電流を検出してPWM信号発生回路250を制御している。
【0027】
尚、この携帯用発電機100も、図12に示した携帯用発電機100と同様に、交流発電機50の単相出力巻線55を平滑回路210及び定電圧回路235で構成する制御電源部201に接続し、単相出力巻線55の出力電圧を平滑回路210で平滑化し、定電圧回路235により所定電圧の制御用電圧Vccを形成している。尤も、制御回路を構成する素子に合わせ、制御電圧としては+Vcc電圧と、−Vcc電圧とを制御電源部201により形成することがある。
【0028】
又、三相出力巻線51の出力端子は、サイリスタと整流ダイオードとを用いた整流ブリッジ回路である直流電圧発生回路110に接続し、三相出力巻線51の出力電圧を整流して直流電源部120である大容量コンデンサを充電することにより直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路130に入力して単相交流電圧を形成することも前述の従来技術と同様である。
【0029】
そして、PWM信号発生回路250は、基準正弦波を形成する正弦波発生回路270と、三角波発生回路281、及び、PWM制御信号を形成するPWM制御信号発生回路285とで構成され、正弦波発生回路270では正確な50ヘルツ又は60ヘルツの基準正弦波を形成し、三角波発生回路281では数キロヘルツ乃至十数キロヘルツ程度の高周波数の三角波を形成し、PWM制御信号発生回路285では基準正弦波と三角波とを合成してパルス幅が順次変化するパルス列とされたPWM制御信号を形成するものである。
【0030】
更に、この正弦波発生回路270は、数メガヘルツ乃至十数メガヘルツの高周波信号を出力する発振回路271と、発振回路271が出力する高周波信号を分周して10キロヘルツ程度のクロック信号を形成する分周回路273、多段分圧抵抗器により多数の異なる電位を形成し、且つ、クロック信号により作動するマルチプレクサで異なる電位を順次選択して50ヘルツ又は60ヘルツの階段状正弦波を形成して出力する疑似正弦波形成回路275、及び、疑似正弦波形成回路275が出力する階段状正弦波のピーク電圧を調整する電圧調整回路277と階段状正弦波から滑らかな正弦波を形成するローパスフィルタ279とで形成されている。
【0031】
又、出力電圧検出回路340から出力される電圧検出信号は、矩形波形成回路291に入力して交流出力電圧のゼロクロスポイントを立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジとする矩形波信号を形成し、この矩形波信号とされたゼロクロス信号を始動タイミング回路293及び位相比較回路297に入力するものとしている。
この始動タイミング回路293は、正弦波発生回路270における疑似正弦波形成回路275のリセットを解除することにより、疑似正弦波形成回路275から疑似正弦波の出力を行わせるものである。
【0032】
そして、疑似正弦波形成回路275をリセット状態として正弦波発生回路270から基準正弦波を出力していない状態、即ちインバータ回路130が作動していないときに出力電圧検出回路340が第1出力端子151及び第2出力端子152間の電圧変化を検出すれば、始動タイミング回路293は矩形波形成回路291からのゼロクロス信号に合わせて疑似正弦波形成回路275のリセットを解除し、正弦波発生回路270が出力する基準正弦波の位相と第1出力端子151及び第2出力端子152との間に発生している電圧の位相とを一致させるものである。
【0033】
尚、疑似正弦波形成回路275の作動開始に際し、所定時間内に始動タイミング回路293にゼロクロス信号が入力されないときも、疑似正弦波形成回路275のリセットを解除して正弦波発生回路270から基準正弦波の出力を開始させる。
そして、出力電流検出回路330からの電流検出信号は、矩形波形成回路295、過負荷検出回路269、及び、限界値検出回路299に入力し、矩形波形成回路295では出力電流の位相に合わせたゼロクロス信号を、過負荷検出回路269では定格電流を越えたときに停止信号を、限界値検出回路299では定格電流以下の電流値で所定の下限値及び上限値の範囲を越える電流値のときに電圧調整信号を形成するものとしている。
【0034】
この矩形波形成回路295は、出力電流検出回路330から出力される電流検出信号に基づき、交流出力電流のゼロクロスポイントを立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジとする矩形波信号を形成し、この矩形波信号をゼロクロス信号として位相比較回路297に入力するものである。
この位相比較回路297は、電流検出信号に基づくゼロクロス信号と電圧検出信号に基づくゼロクロス信号とにより出力電流の位相と出力電圧の位相とを比較し、電流位相が電圧位相よりも遅相状態の場合は加算信号を位相調整信号として分周回路273に出力し、又、電流位相が電圧位相よりも進相状態の場合は減算信号を位相調整信号として分周回路273に出力する。
【0035】
そして、正弦波発生回路270における分周回路273では、高周波信号を分周して数キロヘルツ乃至十数キロヘルツのクロック信号を形成するに際し、位相比較回路297から加算信号が入力されるとクロック信号の数百パルス毎に1パルスを追加する。又、位相比較回路297から減算信号が入力されるとクロック信号の数百パルス毎に1パルスを間引くようにしてクロック信号を形成する。
【0036】
このように、電流位相が電圧位相よりも遅れているときはクロック信号のパルスを増加させて疑似正弦波ひいては基準正弦波の位相を僅かに進め、電流位相が電圧位相よりも進んでいるときはクロック信号のパルスを間引くことにより基準正弦波の位相を僅かに遅らし、PWM制御信号の位相を調整して当該携帯用発電機100が出力する単相交流電圧の位相を調整する。
【0037】
又、出力電流検出回路330から出力される電流検出信号が入力される過負荷検出回路269は、出力電流検出回路330から出力される電流検出信号に基づき、定格電流を大きく越えるときは直ちに停止信号を出力し、定格電流を小さく越えるときは時間積分を行って所用時間後に停止信号を出力するものである。そして、この停止信号は電圧制御回路240及びインバータドライブ回路255に入力し、電圧制御回路240が出力するゲート電流を遮断して直流電圧発生回路110の作動を停止させ、且つ、インバータドライブ回路255が出力している第1PWM信号及び第2PWM信号の出力を停止させてインバータ回路130の作動も停止させるものである。
【0038】
更に、出力電流検出回路330から出力される電流検出信号が入力される限界値検出回路299は、電流上限値と電流下限値とが設定されている回路であり、電流検出信号の電流値が電流下限値以下になると第1出力端子151及び第2出力端子152間の電圧である出力電圧を僅かに増加させるように基準正弦波のピーク値(振幅)を減少又は増加させる電圧調整信号を電圧調整回路277に出力する。又、電流検出信号の電流値が電流電流上限値以上になると第1出力端子151及び第2出力端子152間の電圧である出力電圧を僅かに減少させるように基準正弦波のピーク値を増加又は減少させる電圧調整信号を電圧調整回路277に出力するものである。
【0039】
このように、定格電流の範囲内で電流上限値と電流下限値とを設定し、第1PWM信号及び第2PWM信号のデューティー比を調整することにより出力電圧の微調整を可能としているため、発電機を並列運転している状態において、負荷の分担が少ない場合には出力電圧を僅かに上昇させて出力電流を増大させ、又、負荷への供給電流が定格電流の限界に近い場合は出力電圧を僅かに降下させて各携帯用発電機100に負荷の分担を効果的に行っている。
【0040】
又、並列運転を行わない場合、即ち、携帯用発電機100を単独運転によって単機で使用する場合、負荷の容量や種類によって出力電圧が変動するため、出力電圧検出回路340で検出するピーク電圧に基づき、電圧調整回路277の増幅率又は三角波発生回路281から出力させる三角波の電圧などを調整し、出力電圧である単相交流電圧の電圧値を安定させるようにしているものがある。
【0041】
更に、近年では、PWM制御信号を形成するに際し、正弦波発生回路270や三角波発生回路281を用いることなく、マイクロコンピュータを用いることにより、タイマカウンタやPWM値テーブルを利用して所定のパルス幅とするPWM制御信号を形成し、マイクロコンピュータから出力されるPWM制御信号でインバータ回路130におけるトランジスタの導通を制御して単相交流電圧を形成することもある。
【0042】
このPWM制御信号をマイクロコンピュータで形成するに際しては、図15に示すように、マイクロコンピュータを中央制御手段380とし、プログラムによって中央制御手段380に制御部381としての機能やPWM制御信号発生手段385としての機能を持たせるものである。
この制御部381は、エンジンが作動している時、図示されない出力スイッチがオン状態されるとPWM制御信号をPWM制御信号発生手段385から出力させ、第1出力端子151と第2出力端子152との間に所定の単相交流電圧を出力させるものである。
【0043】
又、PWM制御信号発生手段385は、PWM基準値テーブル386や変換部387及び演算部388で構成するものとし、PWM基準値テーブル386は、数百個程度のPWM基準値及び修正値を記憶させておくものであり、このPWM基準値は、図16に示すように、正弦波形状の一周期を形成するように、順次増加及び減少する値の数値とされているものである。
【0044】
そして、変換部387は、PWM基準値テーブル386からPWM基準値や修正値を順次読み込み、原則的にはPWM基準値の値に応じた長さだけ持続するパルス信号であるPWM制御信号を形成してインバータドライブ回路255に出力するものであり、出力電圧検出回路340や出力電流検出回路330からの検出信号に基づき、変換部387では、出力電圧検出回路340や出力電流検出回路330で検出するゼロクロスポイントに合わせるようにPWM基準値の先頭値を読み出し、一周期分のPWM基準値及び修正値を所定時間内で読み出すことにより50ヘルツ又は60ヘルツの単相交流電圧を形成するように順次PWM基準値に基づいたPWM制御信号を出力するものである。
【0045】
又、演算部388は、出力電圧検出回路340や出力電流検出回路330からの検出信号の値に基づき、検出値が所定の値からの差分を有するとき、この差分に応じた修正値を各PWM基準値に対応させてPWM基準値テーブル386に記憶させるものであり、前記変換部387は、PWM制御信号を形成するに際し、対応しているPWM基準値と修正値とにより修正されたPWM修正値に応じたパルス幅のPWM制御信号を形成する。
【0046】
この場合においても、出力電圧値検出回路340で検出した出力電圧の電圧値や矩形波形成回路291で形成したゼロクロス信号による出力電圧のゼロクロスタイミングを、又、出力電流値検出回路330で検出した出力電流の電流値や矩形波形成回路295で形成した出力電流のゼロクロ信号によるゼロクロスタイミングなどに基づき、PWM制御信号としたパルス信号のパルス幅、パルス幅変更の周期、及び、PWM制御信号の出力開始や緊急停止などの制御を行っている。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、マイクロコンピュータでPWM制御信号を形成するに際して、検出した出力電流の値や出力電圧の値によってPWM基準値を修正することが行われている。
しかし、この修正は、特定のPWM基準値に基づくPWM制御信号により形成した出力電圧の目標値との差分の値によって前記特定のPWM基準値を補正するようにして次回のPWM制御信号を形成するため、出力電圧である単相交流電圧の一周期だけ遅れた修正となり、突発的な電圧変動には対応できない欠点があった。
【0048】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンにより駆動される交流発電機(50)によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路(130)により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタ(140)を介して出力端子(151,152)から出力させ、インバータ回路(130)により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出して中央制御手段(310)とするマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整してインバータ回路(130)により直交変換を行う携帯用発電機(100)における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値検出に際し、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するクオリティファクタ(Q)が高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数以上をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタ(347,348)を用いてインバータ回路(130)の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタ(347,348)の出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してPWM制御信号を修正する携帯用発電機(100)の出力電圧修正方法である。
【0049】
このように、出力用のローパスフィルタ(140)とは別に検出用ローパスフィルタ(347,348)を設け、インバータ回路(130)の出力を、出力用のローパスフィルタ(140)を介して出力端子(151,152)から出力させると共に、50ヘルツ乃至60ヘルツ帯域のQが高い検出用ローパスフィルタ(347,348)によりインバータ回路(130)の出力を検出するため、負荷の状態によって出力電圧が変動した場合、検出用ローパスフィルタ(347,348)により負荷の影響による出力端子(151,152)間電圧の歪みよりも小さく検出することができる。
【0050】
そして、本発明では、歪みによる目標値との差分を検出したとき、直ちにPWM基準値を修正することとしているため、負荷により歪みが持続しているとき、出力電圧の歪みを直ちに補正することができる。
又、本発明としては、50ヘルツ乃至60ヘルツ帯域のQが高い検出用ローパスフィルタ(347,348)を用いる場合、PWM制御信号の修正としては、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行うことが好ましい。
【0051】
このように、差分の電圧値に対応する修正を行えば、修正処理を単純化し、コンピュータの負担を軽減しつつ、検出用ローパスフィルタ(347,348)によって現実の差分よりも小さな差分の検出値とし、この現実差分よりも小さな差分に基づく修正を行うことにより、過修正を防止することができる。
更に、本発明としては、エンジンにより駆動される交流発電機(50)によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路(130)により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタ(140)を介して出力端子(151,152)から出力させ、インバータ回路(130)により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出して中央制御手段(310)とするマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整しつつインバータ回路(130)による直交変換を行う携帯用発電機(100)における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値検出に際し、50ヘルツ又は60ヘルツの設定された出力周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数以上をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタ(347,348)を用いてインバータ回路(130)の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタ(347,348)の出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してPWM制御信号を修正する携帯用発電機(100)の出力電圧修正方法とすることもある。
【0052】
このように、当該携帯用発電機(100)が出力する50ヘルツ又は60ヘルツの設定された周波数のQが高い検出用ローパスフィルタ(347,348)を用いることにより、検出値を出力電圧の理想電圧からの歪みが小さい理想電圧に近い値として検出することができ、過修正を防止することができる。
尚、本発明としては、50ヘルツの周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高い検出用ローパスフィルタと、60ヘルツの周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高い検出用ローパスフィルタとを設け、出力周波数の切り換えに合わせて使用する検出用ローパスフィルタを切り換えることにより、出力電圧の設定周波数に合わせることがある。
【0053】
このように、50ヘルツ用の検出用ローパスフィルタと60ヘルツ用の検出用ローパスフィルタとを用いれば、商用電源として用いられる50ヘルツ地域での使用と60ヘルツ地域での使用に際し、両地域での使用に際して理想電圧からの歪みが小さい理想電圧に近い値として検出ことができ、過修正を防止することができる。
【0054】
そして、本発明としては、PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行うこともある。
このように、差分電圧値に対応する修正を行えば、修正処理を単純化し、コンピュータの負担を軽減しつつ、負荷による出力電圧の変動により生じた現実の差分よりもより目標値に近い差分とした小さな差分検出値に基づく修正を行い、過修正を防止することが容易にできる。
【0055】
又、本発明としては、エンジンにより駆動される交流発電機(50)によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路(110)で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路(130)により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタ(140)を介して出力端子(151,152)から出力させ、インバータ回路(130)により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出して中央制御手段(310)とするマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整しつつインバータ回路(130)による直交変換を行う携帯用発電機(100)における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値検出に際し、PWM周波数に近い周波数をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタ(347,348)を用いてインバータ回路(130)の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタ(347,348)の出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してPWM制御信号を修正する携帯用発電機(100)の出力電圧修正方法とするものである。
【0056】
このように、PWM周波数に近い周波数をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタ(347,348)を使用すれば、インバータ回路(130)の出力電圧の変動を正確に検出してインバータ回路(130)の動作を適切な出力状態へ直ちに修正することが容易となる。
そして、本発明としては、PWM制御信号の修正は、目標電圧との差分の電圧値に0.2程度以上にして1未満の係数を掛けた値に相当するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行うことが好ましい。
【0057】
このように、正確に検出した差分に1未満の係数を掛けて直ちに修正を行うことにより、過修正を小さくしつつ差分に対する素早い修正を行うことができる。
又、本発明としては、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を修正すると共に、この修正に用いた補正値を記憶し、出力電圧の一周期後における検出時の出力電圧を形成するPWM基準値もこの補正値によって修正することもある。
【0058】
このように、直ちに修正を行いつつ、次の周期でも修正を行えば、歪みが一周期以上持続しているとき、この持続している歪みを小さくすることができる。又、歪みが一周期以内の突発的な歪みのときでも、この歪みによる差分を小さく検出し、又は、検出値に1未満の係数を掛けて修正を行うため、次の周期での過修正を小さくして目標値への収束を素早く行うことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明に係る携帯用発電機は、数キロワット乃至十キロワット程度の出力を有するエンジンにより交流発電機を回転させ、交流発電機の三相出力電圧を一旦直流化し、インバータ回路により交流化して単相交流出力電圧を形成するものであり、使用場所でこまめに移動させて使用し、又、使用場所に持ち込んで固定した据え付け状態として作動させることもある携帯用発電機である。
【0060】
この携帯用発電機は、エンジンにより回転子を回転させる交流発電機50を有し、図1に示すように、直流電圧発生回路110や直流電源部120及びインバータ回路130を主とする電力回路101を有し、電力回路101の出力端子から出力する出力電圧の周波数を設定し、且つ、各部に設けた検出回路からの検出信号に基づいて携帯用発電機100の全体を制御する中央制御手段310としてのマイクロコンピュータを有し、この制御手段や検出回路などの動作電力を形成する制御電源部201を有する携帯用発電機100としている。
【0061】
この中央制御手段310は、設定スイッチ318により出力電圧の周波数を50ヘルツ又は60ヘルツなどの所定の一定周波数に設定し、電力回路101に設けた直流電圧検出回路320や出力電流検出回路330及び出力電圧検出回路340からの検出信号に基づいてインバータ回路130の動作を制御し、更に、回転数検出回路319からの検出信号及びスロットル制御機構315からの開度信号に基づいてエンジンスロットルの開閉制御も行う。
【0062】
尚、設定スイッチ318としては、周波数の設定の他、出力電圧の調整設定も可能としている。
この携帯用発電機100における交流発電機50は、三相出力巻線51と単相出力巻線55とを有し、三相出力巻線51は電力回路101に接続し、単相出力巻線55は制御電源部201に接続している。
【0063】
そして、三相出力巻線51の出力端子は、図1に示したように、3個の整流用ダイオード115と3個のサイリスタ111とを用いた整流ブリッジによる直流電圧発生回路110に接続すると共に、ゲート電圧発生回路160にも接続している。
この直流電圧発生回路110は、各整流用ダイオード115のカソードと各サイリスタ111のアノードとの接続点を各々三相出力巻線51の各出力端子に接続し、各整流用ダイオード115のアノードをまとめて直流電源部120の−側端子とインバータ回路130とに接続し、各サイリスタ111のカソードをまとめて直流電源部120の+側端子とインバータ回路130とに接続している。
【0064】
又、三相出力巻線51の出力端子に接続されるゲート電圧発生回路160は、整流用ダイオードや制限抵抗器、電源用コンデンサとツェナーダイオードを用いて形成している。
即ち、三相出力巻線51の各出力端子を各々整流用ダイオード161のアノードに接続し、各整流用ダイオード161のカソードを共通として制限用抵抗器163を介して電源用コンデンサ165の+端子に接続し、電源用コンデンサ165の−端子を直流電源部120の+側に接続すると共にツェナーダイオード167を電源用コンデンサ165と並列に接続している。
【0065】
従って、このゲート電圧発生回路160は、直流電源部120の+側端子の電圧よりもツェナーダイオード167の規定電圧だけ高い電圧を形成して出力することができる。
そして、このゲート電圧発生回路160の出力端子は、サイリスタ制御回路170を介して直流電圧発生回路110における各サイリスタ111の各ゲート端子に接続する。
【0066】
このサイリスタ制御回路170は、後述する定電圧制御部500の一部を構成する回路であって、スイッチングトランジスタ173とスイッチ制御抵抗器171及びフォトカプラ175で形成している。
即ち、スイッチングトランジスタ173とするPNP形トランジスタのコレクタをゲート電圧発生回路160の出力端子に接続し、スイッチングトランジスタ173のエミッタを各サイリスタ111のゲート端子に接続する。尚、エミッタを各サイリスタ111のゲート端子に接続するに際し、保護抵抗器117を用いてゲート端子に接続している。
【0067】
そして、スイッチングトランジスタ173のベースは、スイッチ制御抵抗器171を介してゲート電圧発生回路160の出力端子に接続し、スイッチ制御抵抗器171の中点をフォトカプラ175のフォトトランジスタ176を介して直流電源部120の+側端子に接続している。
尚、フォトカプラ175のフォトトランジスタ176は、コレクタをスイッチ制御抵抗器171の中点に接続し、エミッタを直流電源部120の+側端子に接続し、フォトカプラ175の発光ダイオード177は、アノードを制御電源部201における第2制御電圧Vccの出力端子に接続し、発光ダイオード177のカソードは、導通制御信号形成回路510や停止回路360、過電流検出回路350に接続している。
【0068】
従って、このサイリスタ制御回路170は、フォトカプラ175の発光ダイオード177が点灯したとき、フォトトランジスタ176が導通状態となり、スイッチ制御抵抗器171の中点電位を直流電源部120の+側端子電圧まで降下させ、スイッチングトランジスタ173を不導通状態とする。そして、発光ダイオード177が点灯しないときは、スイッチングトランジスタ173を導通状態としてゲート電圧発生回路160の出力電流をサイリスタ111のゲート電流として各サイリスタ111に供給し、この導通信号としたゲート電流により直流電圧発生回路110の各サイリスタ111を導通状態とする。
【0069】
このため、直流電圧発生回路110の両出力端子に接続される直流電源部120に三相出力巻線51の出力電力を供給することができる。
又、直流電圧発生回路110の両出力端子に接続されるインバータ回路130は、パワートランジスタによるブリッジ回路と平滑コンデンサ173とで構成している。このインバータ回路130は、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133とを直列として直流電源部120に接続し、又、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134とを直列として直流電源部120に接続し、第1トランジスタ131と第3トランジスタ133との中点は出力用のローパスフィルタ140を介して第1出力端子151に、第2トランジスタ132と第4トランジスタ134との中点は出力用のローパスフィルタ140を介して第2出力端子152に接続している。
【0070】
又、交流発電機50の単相出力巻線55は、図2に示すように、制御電源部201の平滑回路210に接続している。この平滑回路210は、4個の整流用ダイオード211を用いたブリッジ整流回路により全波整流を行って平滑用コンデンサ215に充電を行うものである。
この制御電源部201は、平滑回路210の他に第1定電圧回路221及び第2定電圧回路225とレギュレータ230とを有し、平滑回路210の出力電圧を第1定電圧回路221によって15ボルト程度の一定電圧とし、第1逆流阻止ダイオード233を介してレギュレータ230に印加し、又、直流電源部120の+側端子の電圧を第2定電圧回路225によって12ボルト程度の一定電圧とし、第2逆流阻止ダイオード234を介してレギュレータ230に印加している。
【0071】
そして、レギュレータ230では、10ボルト程度の第1制御電圧Vssと5ボルト程度の第2制御電圧Vcc及び−5ボルト程度の第3制御電圧−Vccとを形成し、第1制御電圧Vssにより後述するエンジンのスロットル制御用モータの駆動などを行い、第2制御電圧Vccを中央制御手段310に供給すると共に、第2制御電圧Vcc及び第3制御電圧−Vccをその他の制御回路素子や検出回路の演算素子などに供給している。
【0072】
尚、この制御電源部201は、通常、単相出力巻線55が出力する交流電圧から平滑回路210及び第1定電圧回路221で形成した直流電圧をレギュレータ230に供給し、レギュレータ230によって第1制御電圧Vssと第2制御電圧Vccや第3制御電圧−Vccとを形成して各回路素子に供給する。そして、単相出力巻線55などに断線などの故障が発生したとき、直流電源部120が作動していれば第2定電圧回路225によってレギュレータ230に電力を供給し、レギュレータ230から第1制御電圧Vss及び第2制御電圧Vccや第3制御電圧−Vccを出力させて当該携帯用発電機100の動作を持続させるものとしている。
【0073】
又、第1定電圧回路221の出力電圧を検知して切り換えを行うスイッチ回路を第1逆流阻止ダイオード233及び第2逆流阻止ダイオード234に換えてレギュレータ230の入力側に配置することがある。この場合は、第1定電圧回路221の出力電圧と第2定電圧回路225の出力電圧とを同一としつつ第1定電圧回路221からの電力を通常はレギュレータ230に供給し、第1定電圧回路221の出力が停止したときに第2定電圧回路225からの出力電圧をレギュレータ230に供給するようにスイッチ回路を切り換えることもある。更に、単相出力巻線55を有しない交流発電機50を使用し、平滑回路210及び第1定電圧回路221を省略して直流電源部120の電圧を第2定電圧回路225で降圧し、常に直流電源部120の電力をレギュレータ230に供給して制御電圧を形成することもある。
【0074】
そして、直流電源部120の電圧を制御するための導通制御信号形成回路510は、前述のサイリスタ制御回路170や後述の出力電流検出回路330と合わせて定電圧制御部500を形成する回路であって、図3に示すように、抵抗器とツェナーダイオードやスイッチングトランジスタ及び比較回路などを用い、2個の抵抗器を直列とした分圧抵抗器511,512により直流電源部120の電圧を分圧し、分圧抵抗器511,512の中点電位を更にツェナーダイオード513と検出抵抗器514とにより降下させ、検出抵抗器514の電位を比較回路515に入力してスイッチングトランジスタ525の導通を制御する。
【0075】
そして、この比較回路515の基準電圧入力端子には、制御電源部201からの第2制御電圧Vccをツェナーダイオードとトランジスタとを用いた定電圧回路517により安定した一定電圧とし、この一定電圧を第1基準抵抗器521と第2基準抵抗器522とで分圧した基準電圧を入力する。
尚、第1基準抵抗器521と第2基準抵抗器522との中点には、加算抵抗器523を介して後述の出力電流検出回路330の出力端子を接続している。
【0076】
更に、この導通制御信号形成回路510におけるスイッチングトランジスタ525は、サイリスタ制御回路170におけるフォトカプラ175の発光ダイオード177と直列とし、直列とした発光ダイオード177に第2制御電圧Vccを印加してスイッチングトランジスタ525の導通遮断によって発光ダイオード177の点灯制御をしている。
【0077】
従って、この導通制御信号形成回路510は、直流電源部120の出力電圧が上昇すると検出抵抗器514の検出電位が上昇し、第1基準抵抗器521と第2基準抵抗器522とにより形成した基準電圧よりも高くなってスイッチングトランジスタ525を導通させることによりサイリスタ制御回路170へ導通制御信号を出力し、サイリスタ制御回路170における発光ダイオード177を点灯させる。このため、サイリスタ制御回路170は、直流電圧発生回路110への導通信号の出力を停止し、直流電圧発生回路110の各サイリスタ111を不導通状態として交流発電機50から直流電源部120への電力供給を停止させる。
【0078】
又、直流電源部120の電圧が所定の電圧VDよりも降下すると検出抵抗器514の検出電位が基準電圧よりも低くなってスイッチングトランジスタ525を不導通状態とし、サイリスタ制御回路170から直流電圧発生回路110の各サイリスタ111に導通信号を出力させて各サイリスタ111を導通状態とする。
このようにして、直流電源部120の出力電圧が一定値VDよりも僅かに高くなると各サイリスタ111の導通が遮断され、一定値VD以下の場合には各サイリスタ111のゲートに導通信号が入力されて各サイリスタ111を導通状態とし、直流電源部120の電位を常に一定の値VDとすることができる。
【0079】
そして、出力電流検出回路330は、インバータ回路130に流れる電流を検出用抵抗器331と比較器333とで検出し、検出用ローパスフィルター335を用いてPWM成分などの高調波成分を除去した出力電流信号を導通制御信号形成回路510に出力する他、中央制御手段310と過電流検出回路350とにも出力している。
このように、出力電流検出回路330の検出用抵抗器331を直流電圧発生回路110や直流電源部120とインバータ回路130との間に挿入しているため、直流電圧発生回路110の+側からインバータ回路130に流れ込み、第1トランジスタ131を介して第1出力端子151から負荷に供給されて第2出力端子152から第4トランジスタ134を介して直流電圧発生回路110の−側に戻る出力電流と、第2トランジスタ132を介して第2出力端子152から負荷に供給されて第1出力端子151から第3トランジスタ133を介して直流電圧発生回路110の−側に戻る出力電流とは、共に検出用抵抗器331を流れる際の電流方向を常に一定方向とし、図4の(1)に示すように、単相交流電圧の出力電流が正弦波状に変化しても、出力電流検出回路330の検出用ローパスフィルター335を介した検出電流信号は、図4の(2)に示すように、全波整流された脈流の検出信号とすることができる。
【0080】
このため、導通制御信号形成回路510の加算抵抗器523には、常に正の電圧を印加して基準電圧を調整することができる。
又、出力電流信号を中央制御手段310に入力するに際しては、出力電流信号は常に正の値の信号であるため、検出用抵抗器331による検出電圧を中央制御手段310としたマイクロコンピュータの所要ビット数に応じて出力電流値を分割する際、1ビットに対応する変化量を交流電流の+ピーク値から−ピーク値までを分割する場合に比較して2分の1の変化量とし、検出精度を2倍に向上させて中央制御手段310に入力することができる。
【0081】
尚、出力電流検出回路330としては、検出用抵抗器331を用いる場合のみでなく、誘導コイルを用いた電流検出器を使用することもある。
そして、直流電圧検出回路320は、分圧抵抗器325を直流電源部120の両端子間に挿入するように接続するものであり、この分圧抵抗器325により直流電源部120の出力電圧を分圧して中央制御手段310に直流電源部120の出力電圧値を直流電圧信号として入力している。
【0082】
又、インバータ回路130とローパスフィルタ140との間に挿入された出力電圧検出回路340は、インバータ回路130の第1出力電圧及び第2出力電圧を各々分圧抵抗器により分圧降下させて電圧検出を行うものであり、第1出力電圧を分圧抵抗器341,342で分圧した第1検出電圧、及び、第2出力電圧を分圧抵抗器343,344で分圧降下させた第2検出電圧を、各々検出用のローパスフィルタ347,348を介して差動回路531や矩形波形成回路535に入力している。
【0083】
この検出用ローパスフィルタ347,348としては、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するクオリティファクタ(Q)が高く、1キロヘルツ乃至2キロヘルツ程度の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタを用いるものである。
このように、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するQが高いローパスフィルタであって、PWM制御信号の周波数の10分の1乃至20分の1である1キロヘルツ乃至2キロヘルツ程度をカットオフ周波数とするローパスフィルタを検出用のローパスフィルタ347,348として用いるため、図5に示すように、インバータ回路130の出力電圧がPWM制御信号の周波数に対応したパルス状の高周波であっても、第1の検出用のローパスフィルタ347を介した第1検出電圧は、図5の(1)に破線で示すように、滑らかな正弦波形状となる。又、第2の検出用のローパスフィルタ348を介した第2検出電圧も、図5の(2)において破線で示したように、第1検出電圧と半周期だけ位相のずれた滑らかな正弦波形状となる。
【0084】
従って、この第1及び第2検出用ローパスフィルタ347,348を介した各検出電圧は、当該携帯用発電機100の負荷が軽いとき、出力用のローパスフィルタ140を介して第1出力端子151や第2出力端子152から出力される単相交流電圧に対応した検出電圧として検出用ローパスフィルタ347,348から出力することができる。そして、この第1検出電圧と第2検出電圧とを差動回路531に入力し、第1検出電圧と第2検出電圧との差電圧を中央制御手段310に入力することにより、第1出力端子151と第2出力端子152との端子間電圧に対応した検出電圧を中央制御手段310に入力して出力電圧の調整や修正を行うことができる。
【0085】
又、負荷状態の急変などにより、第1出力端子151と第2出力端子152との端子間電圧が設定された50ヘルツ又は60ヘルツの正弦波形状から歪んだとき、この歪みは出力用のローパスフィルタ140に入力されるインバータ回路130の出力電圧(出力パルス)にも歪みを生じさせる。
しかし、検出用ローパスフィルタ347,348は、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するQが高く、1キロヘルツ乃至2キロヘルツ程度の周波数をカットオフ周波数としているため、歪みを生じさせる高調波成分が減衰され、図6の(1)に示すように、目標値との差分が多少大きくなる歪みが出力端子間電圧に生じた場合であっても、検出電圧における歪みは図6の(2)に示すように目標値である理想正弦波形状に対しては小さな差分として検出されることになる。
【0086】
従って、この検出値と目標値との差分に基づく修正を直ちに行えば、図6の(3)に示すように、出力端子間の電圧歪みを小さくする補正を行うことができる。
尚、検出用ローパスフィルタ347,348のカットオフ周波数は、PWM制御信号の周波数に対して十分の1乃至数十分の1程度の周波数とし、PWM成分などの高調波を確実に含まない検出電圧として形成し、且つ、設定周波数となる50ヘルツ又は60ヘルツの基本周波数帯域のQが高く、設定周波数を基本周波数とする正常な正弦波形状の電圧は正確に検出することができるものである。
【0087】
又、この検出電圧を中央制御手段310に入力するに際しては、図3などに示したように、差動回路531や絶対値化回路533を介して中央制御手段310に入力するものとしている。
この差動回路531は、図7の(1)に示されるように、180度位相のずれた第1検出電圧aと第2検出電圧bとの差電圧を示す信号を形成するものであり、この差電圧は、第1出力端子151と第2出力端子152との端子間電圧に対応した電圧である。更に、この差電圧を示す信号を絶対値化回路533により全波整流を行い、図7の(2)に示した正弦波状の差電圧信号を図7の(3)に示すような脈流電圧とし、この脈流電圧を出力電圧信号として中央制御手段310に入力している。
【0088】
従って、中央制御手段310で出力電圧信号の変化を検出するに際し、所要ビット数で出力電圧信号を分割すれば、図7のBに示した正弦波変化に対し、図7のCに示す脈流では検出精度を2倍に向上させることができる。
又、出力電圧検出回路340から差動回路531や絶対値化回路533を介して出力電圧信号を中央制御手段310に入力すると共に、矩形波形成回路535からのゼロクロス信号も中央制御手段310に入力している。
【0089】
この矩形波形成回路535は、正弦波を形成する第1出力電圧と第2出力電圧との差電圧に基づく矩形波を形成し、正弦波を形成する第1出力電圧と第2出力電圧との差電圧におけるゼロクロスポイントをこの矩形波のエッジとし、携帯用発電機100から出力される出力電圧におけるゼロクロスポイントのタイミングを示すゼロクロス信号を中央制御手段310に入力している。
【0090】
そして、過電流検出回路350は、抵抗器351,352と比較器355及びスイッチングトランジスタ357で形成し、制御電源部201で形成した第2制御電圧Vccを基準電圧用分圧抵抗器351,352により分圧して基準電圧を形成し、出力電流検出回路330が出力する出力電流信号の電位が基準電圧よりも高くなるとスイッチングトランジスタ357を導通させるものとしている。
【0091】
更に、このスイッチングトランジスタ357は、エミッタを接地し、コレクタをフォトカプラ175における発光ダイオード177のカソードに接続するものである。従って、この過電流検出回路350は、スイッチングトランジスタ357が導通するとサイリスタ制御回路170に導通信号の出力を停止させる。
尚、中央制御手段310には、直流電圧検出回路320からの直流電圧信号、出力電流検出回路330からの出力電流信号、及び、出力電圧検出回路340から出力されて絶対値化回路533により整流された出力電圧信号や出力電圧検出回路340から出力された信号に基づく矩形波形成回路535からのゼロクロス信号が検出信号として入力される他、三相出力巻線51が出力する出力電圧の周波数の検出信号も回転数検出回路319から回転数信号として入力され、又、発光ダイオード177のカソード電位も導通率検出信号として入力され、更に、スロットル制御機構315からはスロットルの開度信号も入力されるが、スロットル制御機構315からの開度信号は省略することもある。
【0092】
これらの検出信号が入力される中央制御手段310は、その動作として、図8に示すように、PWM制御信号をPWMドライバーに出力するPWM信号生成部441の他、絶対値化回路533からの出力電圧信号及び矩形波形成回路535からのゼロクロス信号により制御の開始に際して単独か並列かを判断してPWM信号生成部441を制御する単独運転制御部435及び同期運転制御部437、更に設定スイッチ318からの信号により単相交流電圧の周波数を設定する出力周波数設定部415や設定スイッチ318からの信号により単相交流電圧の出力電圧を調整設定する出力電圧設定部417、及び、出力電圧検出回路340からの出力電圧信号により第1出力端子151及び第2出力端子152から出力する単相交流電圧を監視する電圧波形監視部433、又、回転数検出回路319からの回転数信号によりエンジン回転数を判断するエンジン回転速度検出部421や出力電流信号及び回転数信号やスロットル制御機構315からの開度信号に基づいてスロットルドライバー313に回転制御信号を出力するスロットル開度制御部423、そして、出力電流検出回路330からの出力電流信号や直流電圧検出回路230からの直流電圧信号に基づいて停止制御信号を停止回路360に出力する回路保護部431、サイリスタ制御回路170における発光ダイオード177のカソード電位により直流電圧発生回路110におけるサイリスタ111の導通率を検出する導通率検出部419、更に、中央制御手段310の制御動作状態に応じて携帯用発電機100の作動状況を運転状態表示部427に表示させる信号を出力する表示制御部425を形成している。
【0093】
尚、このマイクロコンピュータである中央制御手段310は、図示していないが、十数メガヘルツとされる水晶発振器を有し、この水晶発振器の出力を基準クロックとして作動するものであり、制御プログラムや制御データテーブルなどが記録されているリードオンリメモリ及び演算処理を行うためのランダムアクセスメモリ、更に、基準クロックを分周して所要のクロック信号を形成する分周回路を有するものである。又、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器411も備えているものである。
【0094】
又、スロットル制御機構315において、パルスモータを用いてスロットルバルブを回転制御する場合、スロットル開度制御部423にパルスカウンタを内蔵させ、スロットル開度制御部423からスロットルドライバー313に出力する回転制御信号に合わせてカウント値をアップカウント又はダウンカウントし、スロットル制御機構315からの開度信号を省略してスロットル開度制御部423でスロットルの開度を記憶させることもある。
【0095】
そして、PWM信号生成部441は、PWM基準テーブルを有し、このPWM基準テーブルに基づいてPWM制御信号をPWMドライバー311に出力し、インバータ回路130における第1トランジスタ131乃至第4トランジスタ134である各トランジスタの導通遮断を制御する。
このPWM基準テーブルは、多数のPWM基準値を記憶するテーブルであり、各PWM基準値は、正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の数値としている。
【0096】
そして、中央制御手段310のPWM信号生成部441は、一定の周期でこのPWM基準テーブルからPWM基準値を順次読み出してPWM制御信号を形成し、このPWM制御信号をPWMドライバー311に出力する。
このPWM制御信号は、PWM基準テーブルの先頭値が0の場合は、PWM基準値を読み出す読み出しクロックにおける1クロック時間の2分の1時間に相当する値を読み出した各PWM基準値に加え、PWM基準値が0のときにデューティー比が50パーセントとなるパルス信号を形成している。このため、PWM制御信号の各パルスは、図9の(1)に示すように、デューティー比を正弦波形状に合わせて順次変化させ、デューティー比が50パーセントを中心として数十パーセントから100パーセントの数十パーセント手前までの範囲の値で順次変化する基準正弦波を形成するパルス信号列とされる。
【0097】
そして、PWMドライバー311は、このPWM制御信号を電流増幅して第1トランジスタ131及び第4トランジスタ134に出力する第1PWM信号と、このPWM制御信号を反転増幅して第2トランジスタ132及び第3トランジスタ133に出力する第2PWM信号とを形成し、この第1PWM信号及び第2PWM信号をインバータ回路130に出力する。
【0098】
更に、中央制御手段310の電圧波形監視部433は、各PWM基準値に対応させた多数の電圧テーブル値を記憶する出力電圧値テーブルを有し、PWM基準テーブルからPWM基準値の読み出しを行うタイミングに合わせて出力電圧値テーブルから電圧テーブル値を読み出し、この読み出した電圧テーブル値と出力電圧検出回路340から差動回路531及び絶対値化回路533を介して入力される出力電圧の値とを比較し、PWM信号生成部441から出力されるPWM制御信号を形成する各パルス信号のパルス幅を修正させ、出力電圧の調整を行っている。
【0099】
そして、図示していない始動スイッチが操作され、PWM制御信号をPWM信号生成部441から出力して第1出力端子151及び第2出力端子152から単相交流電圧の出力を開始するに際し、中央制御手段310は矩形波形成回路535からのゼロクロス信号が入力されているか否かの判断を行い、ゼロクロス信号が入力されていないときは単独運転制御部435の作動を開始する。
【0100】
この単独運転制御部435の作動が開始されることにより、中央制御手段310のPWM信号生成部441は、第1出力端子151と第2出力端子152との間の平均出力電圧が設定スイッチ318により設定された100ボルトなどであって、周波数を設定された50ヘルツ又は60ヘルツとする電圧を形成するPWM制御信号を出力する。
【0101】
この出力電圧の周波数は、PWM信号生成部441のPWM基準テーブルに記録されている単相交流電圧の一周期分を形成する数百個程度のPWM基準値を20ミリ秒で読み出すクロックを選択するか又は16.66ミリ秒で読み出すクロックを選択するかにより、当該携帯用発電機100から出力する単相交流電圧の周波数を定めるものである。
【0102】
又、出力電圧の設定は、PWM基準テーブルに記録されているPWM基準値に補正値を乗算や加算して修正基準値を形成し、この修正基準値に基づいてPWM制御信号とするパルス信号の各パルス幅を定めるものである。そして、このPWM基準値から修正基準値を算出する補正値を出力電圧設定部417から単独運転制御部435が読み取り、この補正値をPWM信号生成部441に受け渡すことにより行っている。
【0103】
更に、PWM信号生成部441からPWM制御信号が出力された後は、出力電圧検出回路340から絶対値化回路533を介した出力電圧信号に基づいて出力電圧波形監視部433でピーク電圧及び正弦波の歪みを監視し、ピーク電圧が設定値から変動したときは、設定電圧との差を修正する補正値を出力電圧波形監視部433からPWM信号生成部441に読み込ませるようにする。又、正弦波の歪みが持続するときも、補正値をPWM信号生成部441に読み込ませて設定された電圧であって滑らかな正弦波とした単相交流電圧を出力させるようにしている。
【0104】
この修正に際し、当該携帯用発電機100では、目標値である電圧テーブル値に対する検出電圧の値が差分を生じさせていることを検出した場合に、直ちにPWM基準値に補正値を加算して修正基準値を形成する修正を行うものである。又、この差分を修正するための補正値を記憶しておき、一周期後にPWM制御信号を形成する際に修正基準値を算出してPWM制御信号に修正を加える処理も行っている。
【0105】
この一周期内で直ちに行う修正としては、数十マイクロ秒毎にPWM基準テーブルからPWM基準値を順次読み出してPWM制御信号を形成して出力する際、PWMドライバー311やインバータ回路130、及び、検出用ローパスフィルタ347,348などの動作遅延により特定のPWM基準値による出力電圧の検出電圧値が百マイクロ秒乃至数百マイクロ秒後に中央制御手段310の出力電圧波形監視部433に入力されたとき、前記特定のPWM基準値に対応する電圧テーブル値と検出電圧値とを比較し、差分が生じているときはこの差分の値を補正値とし、前記特定のPWM基準値よりも数個乃至十個程度遅れている差分検出時に読み出すPWM基準値に対してこの補正値を加えて修正基準値とし、この修正基準値に基づいたPWM制御信号をPWM信号生成部441から出力するものである。
【0106】
従って、図6の(1)に示したように、第1出力端子151と第2出力端子152との出力端子間の電圧に歪みが発生して目標値となる正弦波形状の値と出力端子間電圧とに差分が生じたとき、検出用ローパスフィルタ347,348によって小さくされた差分の値に応じた補正を百マイクロ秒乃至数百マイクロ秒後に開始し、図6の(3)に示したように歪みを小さくする補正を直ちに開始することができる。
【0107】
このため、一周期以内の突発的な歪みであっても、歪みの発生から極めて僅かに遅れた時間経過後にはこの歪みを小さくする電圧修正を行うことができる。
そして、この歪みがなくなったときは、補正値による過修正が発生することになるも、この補正値は、検出用ローパスフィルタ347,348によって出力電圧の実歪みよりも小さな歪みとして出力電圧波形監視部433に入力しているため、過修正により生じる差分を小さくして素早く目標値に収束させ、正常な目標値に一致した出力電圧に素早く戻すことができる。
【0108】
尚、50ヘルツ乃至60ヘルツの帯域に対するQが高く、カットオフ周波数が1キロヘルツ乃至2キロヘルツ程度とする検出用ローパスフィルタ347,348を出力用のローパスフィルタ140とは別個に用いることにより、この検出用ローパスフィルタ347,348によって出力電圧の実歪みよりも小さな歪みとして出力電圧波形監視部433に入力しているため、中央制御手段310としたマイクロコンピュータの負担を重くすることなく、検出値と目標値とに対応した修正値を用いて差分を小さくする修正を行いつつ、過修正を小さくして迅速に目標値に収束させることができる。
【0109】
又、検出用ローパスフィルタ347,348としてクオリティファクタ(Q)のピーク周波数を可変調整可能なフィルタを用い、設定スイッチ318により設定される50ヘルツ又は60ヘルツの周波数に対するQを最も高くすることもある。
このように、設定スイッチ318により設定する出力周波数に一致した周波数のQを高くし、PWM制御信号の周波数に対して十分の1乃至数十分の1程度である1キロヘルツ乃至2キロヘルツ程度をカットオフ周波数とすることにより、出力端子間電圧の実歪みよりも小さな歪みの値をマイクロコンピュータに入力しつつ、正常な正弦波電圧は正確に検出してマイクロコンピュータに入力することができる。
【0110】
尚、第1の検出用ローパスフィルタ347に50ヘルツのQが高いローパスフィルタと60ヘルツのQが高いローパスフィルタとの2個のローパスフィルタを用いると共に、第2の検出用ローパスフィルタ348にも50ヘルツのQが高いローパスフィルタと60ヘルツのQが高いローパスフィルタとを用い、出力電圧の周波数設定に合わせて第1検出用ローパスフィルタ347や第2検出用ローパスフィルタ348を、50ヘルツのQが高いローパスフィルタと60ヘルツのQが高いローパスフィルタとを切り換えるようにすることもある。
【0111】
更に、検出用のローパスフィルタ347,348として、カットオフ周波数がPWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度のローパスフィルタを用いる場合のみでなく、十数キロヘルツ乃至数十キロヘルツとされるPWM周波数に近い周波数をカットオフ周波数として通過帯域を広くしたローパスフィルタを用いる場合もある。
【0112】
このように、カットオフ周波数をPWM制御信号の周波数であるPWM周波数に近い周波数とすれば、基本周波数とされる50ヘルツ又は60ヘルツの電圧変化のみでなく、高調波成分も減衰量を少なくして検出用ローパスフィルタ347,348を通過させ、インバータ回路130の出力電圧、即ち第1出力端子151や第2出力端子152から出力される単相交流電圧の歪みを正確に検出することができる。
【0113】
従って、中央制御手段310により種々の修正を加えることにより、適切な出力電圧の修正を可能とすることができる。
そして、この修正の一例としては、この正確に歪みを検出した検出電圧値を出力電圧波形監視部433に入力する場合、歪みがなくなったときの過修正を防止して素早く目標値に収束させるため、目標値である電圧テーブル値と電圧検出信号による検出値との差分に対して1未満の係数を掛けることにより修正量を小さくし、直ちに読み込んだPWM基準値に対してこの1未満の係数を掛けた補正値を加えて修正基準値とし、この修正基準値に基づいたPWM制御信号をPWM信号生成部441から出力する。
【0114】
尚、この場合は、当該携帯用発電機100の回路特性などに合わせて0.2程度以上の適宜の1未満の係数を用いるものである。
又、前述のように、カットオフ周波数をPWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度とする場合、及び、カットオフ周波数をPWM周波数に近い周波数として1未満の係数を掛ける場合、この修正値を求めたときに読み込むPWM基準値に対して直ちに修正を行うのみでなく、この修正値をPWMドライバー311やインバータ回路130及び検出用ローパスフィルタ347,348などの動作遅延時間に応じて所定数だけ前に読み出したPWM基準値であって、出力電圧検出時の電圧を形成させたPWM基準値に対応させるようにしてこの修正値を記憶し、一周期後の次回にこのPWM基準値を読み出す時に、このPWM基準値とこのPWM基準値に対応した修正値とを合わせて修正基準値を算出し、この修正基準値によりPWM制御信号を形成することもある。
【0115】
このように、差分に基づく修正を直ちに行うと共に、一周期後にも修正するようにしておけば、出力電圧の歪みが複数周期にわたって持続する場合、歪みを小さくして出力電圧を目的歯形である正確な正弦波形状に近づけることができる。
又、出力電圧の歪みなどは、負荷の急変によって突発的な歪みが生じる場合のみでなく、負荷の容量や種類によっても単相交流電圧の電圧位相と電流位相とのずれが生じ、出力電圧が目標とされる正弦波形からずれることがある。
【0116】
このため、当該携帯用発電機100では、出力電圧の電圧値と出力電流の電流値とに基づく出力電圧の補正も行うものとしている。
この補正は、差分を検出した一周期後に補正値を用いて行う補正であり、電力回路101の内部インピーダンスと出力電流値及び出力電圧値とにより、PWM基準値に補正を加える修正値Yを各PWM基準値に対応させて記憶し、各PWM基準値に基づいて次回にPWM制御信号をPWM信号生成部441で形成する際、各PWM基準値に対応した修正値Yを加算又は減算するようにして補正する。そして、この補正したPWM基準値によってPWM制御信号を形成させるものである。
【0117】
この修正値Yは、PWM基準テーブルのN番目のPWM基準値Pnを読み出してPWM制御信号をPWM信号生成部441から出力し、このPWM制御信号による第1出力端子151と第2出力端子152との間の電位差である出力電圧値がVボルトにして、この時の出力電流値がIアンペアであれば、定数M、T、Z、S、を係数とすることにより、各PWM基準値Pnに対応する修正値Ynを各々求めるものであって
Yn=[(Qn−V/M)/T]−I・Z・S
とした修正値YnをN番目のPWM基準値Pnについて算出し、この修正値Ynを記憶して一周期後の次回のPWM基準値Pnとしては、
Pn−Yn
とする補正により算出した修正基準値であるPWM基準値に基づいてPWM制御信号をPWM信号生成部441から出力するものである。
【0118】
尚、VやIの値は、常に正の値として中央制御手段310に入力されるため、PWM基準値Pnが出力電圧の前半周期の値か後半周期の値かにより、VやIを正の値又は負の値として演算を行うものである。
この修正値Ynを算出する際のQnは、N番目のPWM基準値Pnに基づくPWM制御信号としてのパスル信号をPWM信号生成部441から出力したときに当該携帯用発電機100が無負荷状態で第1出力端子151と第2出力端子152との間に発生すべき出力電圧を示す電圧テーブル値であって、Mは出力電圧の1ボルト変化に対応する電圧テーブル値の変化値である。又、Zは電力回路101の内部インピーダンス即ち、主としてローパスフィルタ140のインピーダンスであって、Sは第1出力端子151と第2出力端子152との間に1ボルトの変化を発生させるPWM基準値の変化値であり、Tは、出力電圧の1ボルト変化に対応したPWM基準値の変化値と電圧テーブル値の変化値との比である。
【0119】
このように、所定パルス幅のPWM制御信号をPWM信号生成部441から出力したときの無負荷出力電圧に対応させた電圧テーブル値Qnと、このPWM制御信号に基づいた出力電圧を現実に検出した出力電圧の値Vとの差による電圧補正項である(Qn−V/M)/T、及び、内部インピーダンスZ及びこのときの出力電流による電流補正項であるI・Z・SによってN番目のPWM基準値Pnを修正するように各PWM基準値を補正してPWM制御信号を形成するものである。
【0120】
従って、図10に示すように、出力電圧Vと出力電流Iとの間に位相差が生じる進相負荷が接続されたとき、又は遅相負荷が第1出力端子151及び第2出力端子152に接続されることにより、出力電圧と出力電流との位相差及び電流値などによって出力電圧が歪む場合であっても、瞬時瞬時の電流値Iに応じて出力電圧を補正する電流補正項(I・Z・S)を有する修正値Ynであって、且つ、無負荷出力電圧とする電圧テーブル値Qnと検出した出力電圧Vとの差をも修正する電圧補正項を備えた修正値Ynによって各PWM基準値Pnを修正するから、出力電圧と出力電流との位相差に拘わらず、常に出力電流の値が如何なる値であっても出力電圧の波形を適正な正弦波に近づける補正を行うことができる。
【0121】
そして、この携帯用発電機100では、インバータ回路130及びローパスフィルタ140の特性によりPWM基準値の値が1だけ変化したときに第1出力端子151と第2出力端子152との間にSボルトの電圧変化が生じるも、この出力電圧の変化値であるSボルトに対応する電圧テーブル値Qnが1だけ変化するように出力電圧検出回路340の分圧比及び出力電圧信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する際のAD変換比率を定めておけば、PWM基準テーブルに記憶される各PWM基準値と出力電圧値テーブルに記憶される各電圧テーブル値とを等しくしておくことができる。更に、PWM基準値と電圧テーブル値とを等しくするように出力電圧検出回路340の分圧比やAD変換比率を定めれば、前述の修正値Ynを求める際の定数M及び定数Tも1として中央制御手段310における演算を処理することができる。
【0122】
又、更に出力電流検出回路330が出力する出力電流信号の値と出力電流自体の値との比、及び、出力電流信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する際のAD変換比率を所定とし、出力電流の値に対するデジタル出力電流信号の値の比を電力回路101の内部インピーダンスZとPWM基準値の値が1だけ変化したときの出力電圧の変化値であるSとの積に等しくしておけば、中央制御手段310のアナログデジタル変換器411でデジタル信号とした出力電流信号の値を直接に電流補正項(I・Z・S)の値として演算処理することができる。
【0123】
従って、PWM基準テーブルに記憶するPWM基準値の先頭値を0とし、このPWM基準値の0に基づいてデューティー比を50パーセントとするPWM制御信号を形成するPWM信号生成部441を有する中央制御手段310では、出力電圧波形監視部433において、PWM基準テーブルに記憶されているPWM基準値と出力電圧波形監視部433に入力される出力電圧信号の値との差から出力電圧波形監視部433に入力される出力電圧信号の値を減算するだけで各PWM基準値Pnに対応した各修正値Ynを算出して記憶することができる。
【0124】
そして、この検出した出力電流信号の値と出力電圧信号の値とによる各修正値Ynを各々のPWM基準値Pnから減算してPWM信号生成部441でPWM制御信号を形成すれば、第1出力端子151及び第2出力端子152の間に発生する出力電圧を正しい正弦波形状の電圧とすることができる。
尚、デューティー比を50パーセントとするパルス信号をPWM制御信号として中央制御手段310から出力し、このパルス信号により出力電圧の0を示す出力電圧値信号が中央制御手段310に入力されるまでの微小時間は、インバータ回路130などの回路特性により予めプリセットして電圧テーブル値と検出された出力電圧値とを比較しているも、この微小時間差を矩形波形成回路535から入力されるゼロクロス信号に基づいて修正し、PWM制御信号と第1出力端子151及び第2出力端子152に出力する出力電圧との関係を正しく調整することもある。
【0125】
又、PWM信号生成部441からPWM制御信号の出力を開始させるに際し、矩形波形成回路535からゼロクロス信号が中央制御手段310に入力されたときは、中央制御手段310は、同期運転制御部437の作動を開始する。
この同期運転制御部437は、ゼロクロス信号の入力間隔により第1出力端子151及び第2出力端子152間に発生している電圧の周波数が設定スイッチ318で設定された周波数と一致しているか否かを先ず判断する。
【0126】
そして、周波数が一致していれば、出力電圧信号によりピーク電圧が設定スイッチ318で設定された電圧のピーク値と略等しいか否かの判断を行う。
このようにして、第1出力端子151と第2出力端子152との間に発生している電圧と設定スイッチ318により設定された周波数及び電圧とを比較し、設定値と一致しないと判断したときはPWM信号生成部441の作動を開始させることなく表示制御部425に異常信号を出力し、表示制御部425から運転状態表示部427に所要の表示信号を出力させる。
【0127】
又、周波数及び電圧が設定値と一致しているときは、矩形波形成回路535からのゼロクロス信号の立ち上がりに合わせてPWM信号生成部441に作動を開始させ、PWM基準テーブルのPWM基準値を先頭から読み出してPWM制御信号の出力を開始させる。
尚、PWM信号生成部441の作動が開始すれば、前述の単独運転と同様に出力電圧波形監視部433によってPWM基準値を修正値で直ちに修正し、又は修正値を記憶して一周期後に修正を行い、この修正した修正基準値に基づいてPWM制御信号を形成する。
【0128】
このようにして、インバータ回路130の作動が開始され、ローパスフィルタ140を介して単相交流電圧が第1出力端子151及び第2出力端子152の間に出力され、この単相交流電圧と第1出力端子151及び第2出力端子152の間に入力されている交流電圧との位相及び電圧を一致させつつ正しい正弦波形状の単相交流電圧を交流電源装置である当該携帯用発電機100から出力することができる。
【0129】
そして、同期運転を開始した後、同期運転制御部437は、PWM信号生成部441がPWM基準値の先頭値である0に基づくPWM制御信号を出力する毎に当該中央制御手段310に入力されるゼロクロス信号の判定を行い、当該携帯用発電機100と他の発電機との位相調整制御を行う。
この同期運転時の出力電圧である単相交流電圧は、図9の(1)に示したように、PWM基準値に基づいたPWM制御信号を出力すると、図9の(3)にaの正弦波として示すPWM基準信号の0と略一致したゼロクロス点を有する正弦波をローパスフィルタ140から出力させることになる。しかし、このローパスフィルタ140を介して当該携帯用発電機100が出力する電圧と他の発電機が出力する正弦波電圧との位相が図9の(3)にcとして示すようにずれているとき、第1出力端子151及び第2出力端子152の間に発生する電圧は図9の(3)にbとして示すように両電圧が合成された電圧となる。即ち、図9の(1)に示した基準正弦波のゼロクロス点に対して図9の(2)に示す正弦波となって出力電圧信号のゼロクロス点が基準正弦波のゼロクロス点とがずれることになる。
【0130】
従って、PWM基準値の0に基づくPWM制御信号を出力したタイミングで、出力電圧のゼロクロス信号とされる矩形波がLレベルであれば当該携帯用発電機100が出力する単相交流電圧が並列運転を行っている他の発電機が出力する電圧よりも位相が進んでいると判断し、PWM制御信号とする基準正弦波の周期を長くする制御を同期運転制御部437は行う。
【0131】
又、PWM基準値の0に基づくPWM制御信号を出力したタイミングで、出力電圧のゼロクロス信号とされる矩形波がHレベルであれば、同期運転制御部437は基準正弦波の周期を短くする制御を行う。
このPWM制御信号により形成する基準正弦波の周期を調整するに際し、同期運転制御部437は、PWM基準値をPWM基準テーブルから読み出すクロックの間隔を変更させるものである。
【0132】
このクロックの間隔は、PWM基準値の読み出しクロックを形成する分周回路を制御し、1クロックの時間(PWM変調周期における1ステップの時間間隔)を数パーセント乃至十パーセント程度長く又は短くしたクロック信号を、一周期を形成する数百クロックの内に数個乃至十個程度形成するものである。
このように、PWM信号生成部441で形成するPWM制御信号による基準正弦波のゼロクロス点のタイミングで第1出力端子151及び第2出力端子152の間に発生している電圧の正負、即ち基準正弦波と出力電圧とのゼロクロス点のずれを検出し、基準正弦波の出力タイミングを調整するため、負荷の種類による出力電圧と出力電流との位相差に基づく影響を無くし、他の発電機と当該携帯用発電機100との出力電圧の位相差を正確に修正することができる。
【0133】
又、このPWM制御信号による基準正弦波の周波数調整は、クロック信号のパルス間隔、即ちPWM制御信号の出力間隔を数パーセント乃至十パーセント程度変更するのみであり、PWM制御信号とするパルス信号の個数及び各PWM制御信号の値であるPWM制御信号とした各パルスのパルス幅を変更しないため、PWM制御信号が形成する基準正弦波や当該携帯用発電機100が出力する単相交流電圧の波形を滑らかに変化させつつ周期を調整変更することができる。
【0134】
そして、出力電圧波形監視部433は、前述のように、出力電圧値テーブルを有し、出力電圧テーブルから読み出した電圧テーブル値と出力電圧信号により読み取った出力電圧とを比較してPWM信号生成部441にPWM制御信号を形成するパルス信号のパルス幅を修正させているも、同期運転時に検出した出力電圧の値が電圧テーブル値に対して大きくなることが持続したとき、この変化量に合わせた係数をPWM基準値又は修正基準値に掛けることにより、PWM制御信号のパルス幅を大きくする修正を行う。
【0135】
尚、単独運転時は、逆にPWM制御信号のパルス幅を小さくして出力電圧を小さくする修正を行うものであり、このPWM制御信号のパルス幅調整に合わせ、電圧テーブル値も修正して出力電圧波形監視部433における電圧テーブル値と出力電圧値との比較を行うものである。
このように、同期運転時に出力電圧が上昇したときは、PWM制御信号とするパルス信号のパルス幅を大きくすることにより、当該携帯用発電機100のインバータ回路130及びローパスフィルタ140を介して出力する単相交流電圧の値を上昇させ、並列運転を行っている他の発電機から出力される電圧の変化に追従させることができる。
【0136】
又、この同期運転制御部437では、出力電流検出回路330からの出力電流値に基づき、PWM制御信号のパルス幅の値を調整して出力電圧の調整も行うものである。
この出力電圧の調整は、出力電流信号により第1出力端子151又は第2出力端子152から出力する電流値が定格電流値の85パーセント乃至90パーセントとする所定の値を越えたとき、単相交流電圧の値を1パーセント程度低下させるようにPWM基準値又は修正基準値に更に係数を掛けることによってPWM制御信号とするパルス信号のパルス幅を僅かに小さくする変更と電圧テーブル値の修正変更とを行うものである。
【0137】
このように、出力電流値が定格電流値の近くまで大きくなったときは、出力電圧を僅かに低下させることにより、並列運転を行っている発電機の負荷分担を一方の発電機に片寄り過ぎないようにすることができる。
前述のように、中央制御手段310では、単独運転制御部435や並列運転制御部437と合わせて出力電圧波形監視部433及びPWM信号生成部441により第1出力端子151と第2出力端子152との間に生じる出力電圧が所定の正弦波形状となるようにPWM制御信号を形成しているも、このPWM制御信号を形成するためのPWM基準値の補正は、PWM基準テーブルの前半周期のPWM基準値に対して加算又は掛け算を行うとき、PWM基準テーブルの後半周期のPWM基準値に対しては減算又は割り算を行うことがある。
【0138】
即ち、前述のように、PWM基準テーブルに記憶するPWM基準値の先頭値を0とし、このPWM基準値の0に対応させて形成するPWM制御信号におけるパルスのデューティー比を50パーセントとし、順次PWM基準値の値に基づくデューティー比を50パーセントを越える値としてPWM基準値に対応させて正弦波状にパルス幅を変化させる前半周期とし、後半周期もPWM基準値の0をデューティー比の50パーセントとすると共に、後半周期ではデューティー比を50パーセントを基準に50パーセントよりも小さい値としてPWM基準値の各値に対応させた正弦波状にパルス幅を変化させることによりPWM制御信号の一周期を形成するときは、一周期を通して加算又は減算などよるPWM基準値の補正を行うものである。
【0139】
そして、PWM基準値を0でない所定の正の値とし、この所定の値を中心としてPWM基準値の値を正弦波状に所定値よりも大きく又所定値よりも小さくさせるように変化させたPWM基準テーブルを有し、このPWM基準テーブルに記憶された所定値であるPWM基準値の先頭とに基づいてデューティー比が50パーセントとされるPWM制御信号をPWM信号生成部441で形成するときは、PWM基準値の補正として、前半周期で加算を行うときは後半周期で減算を行い、前半周期で掛算を行うときは後半周期で割算を行うものである。
【0140】
このように、前半周期と後半周期とで加算と減算又は掛算と割算とを切り換えることにより、図11に示すように、第1出力端子151の出力電圧である第1出力電圧V1が第2出力端子152の出力電圧である第2出力電圧V2よりも大きい半周期では、第1出力電圧V1を下方修正した第1出力電圧v1により両端子間の差電圧となる出力電圧Vを小さくし、第1出力電圧V1が第2出力電圧V2よりも小さい半周期においては第1出力電圧V1を大きくする修正を行って前半周期と同様に出力電圧Vを小さくすることができる。
【0141】
更に、この中央制御手段310は、回路保護部431により直流電圧発生回路110の制御を、又、スロットル開度制御部423によりエンジンの回転数制御を行っている。
この回路保護部431による直流電圧発生回路110の制御は、停止回路360によりサイリスタ制御回路170を介して行うものである。この停止回路360は、図3に示したように、ベースを中央制御手段310に接続したスイッチングトランジスタ361で構成し、スイッチングトランジスタ361のエミッタを接地し、このスイッチングトランジスタ361のコレクタをフォトカプラ175における発光ダイオード177のカソードに接続しているものである。
【0142】
この停止回路360によって直流電圧発生回路110の制御を行うに際しては、エンジンの始動時、回転数検出回路319から入力される回転数信号が安定して維持されるまでは回路保護部431から停止制御信号を停止回路360に出力し、発光ダイオード177を点灯させてサイリスタ制御回路170から導通信号を出力させないようにする。
【0143】
そして、エンジンの回転数が安定したとき、停止制御信号の出力を停止し、直流電圧検出回路320からの直流電圧信号により直流電源部120の電圧が160ボルト乃至200ボルトの所定の電圧に達していることを確認し、単独運転制御部435又は同期運転制御部437の制御に基づきPWM信号生成部441からPWM制御信号の出力を開始する。
【0144】
更に、エンジンの制御は、エンジン回転速度検出部421及びスロットル開度制御部423によってスロットルドライバー313を介してスロットル制御機構315のパルスモータを正回転又は逆回転させることにより行う。
このエンジン回転数制御は、出力電流検出回路330からの出力電流信号に合わせてスロットル制御機構315から入力される開度信号を所定の値とし、又は、スロットル制御機構315のパルスカウンタのカウント値を所定の値とし、出力に合わせて所定のエンジン回転数をするものである。又、フォトカプラ175における発光ダイオード177のカソード電位により直流電圧発生回路110に導通信号を出力している時間の割合、即ちサイリスタ111の導通率に合わせてスロットル開度を修正して高効率の電圧変換を行っている。
【0145】
又、この携帯用発電機100では、定格電流を越える過電流が流れるとき、中央制御手段310の回路保護部431によって直流電圧発生回路110やインバータ回路130の動作を停止させる制御を行い、単相交流電圧の出力を停止することにより電力回路101の保護を図ると共に、過電流検出回路350により直流電圧発生回路110の動作を停止させる制御とを行っている。
【0146】
この電力回路101を保護する回路保護部431による制御は、出力電流値が定格電圧の1.2倍を越えたときは、数秒乃至数分間の持続時間が経過するとPWM信号生成部441から出力しているPWM制御信号の出力を停止させると共に、停止回路360に停止制御信号の出力を開始するものとしている。
そして、定格電流の1.2倍を越えた値に応じて出力電流値が大きいときは、短い持続時間で停止制御信号の出力を開始すると共にPWM信号生成部441にPWM制御信号の出力を停止させ、定格電流を越えた値が小さいときは、多少長い持続時間で停止制御信号の出力開始及びPWM制御信号の出力停止制御を行い、単相交流電圧の出力を停止させる。又、出力電流の値が定格電圧の2倍余りに達したときは、直ちにPWM制御信号の出力を停止させると共に停止制御信号の出力を開始して単相交流電圧の出力を停止させる。
【0147】
更に、直流電圧検出回路320で検出する直流電圧の値や出力電圧検出回路340で検出する出力電圧の値が異常に高くなったとき、又、出力電圧が設定されている値である例えば100ボルトよりも大きく低下したときや100ボルトよりも低い電圧が持続したときなど、電力回路101に異常電圧が発生したことを検出したときも回路保護部431は停止制御信号を停止回路360に出力し、且つ、PWM信号生成部441にPWM制御信号の出力を停止させることによって第1出力端子151及び第2出力端子152からの単相交流電圧の出力を停止させる。
【0148】
又、中央制御手段310とは別に設けている過電流検出回路350は、出力電流の値が定格電圧の2倍近くに達したとき、フォトカプラ175にLレベルの停止信号を出力してサイリスタ制御回路170が直流電圧発生回路110に出力している導通信号の出力を停止させる。
このため、出力電流の値が定格電圧の2倍近くに達したときは、直流電圧発生回路110の各サイリスタ111が不導通状態とされ、直流電源部120への交流発電機50からの電力供給が停止される。従って、直流電源部120の出力電圧は降下する。
【0149】
従って、直流電源部120の出力電圧をPWM制御によって交流電圧とし、一定のデューティー比とされたPWM制御信号による第1PWM信号及び第2PWM信号により形成される第1出力端子151と第2出力端子152の電位差である出力電圧は低下し、負荷電流も減少させて出力電流が定格電流の2倍余りを越えて直ちに単相交流電圧の出力が停止されることや、出力電流値が定格電流の1.2倍を大きく越えて極めて短時間で単相交流電圧の出力が停止されることが防止できる。
【0150】
尚、過電流検出回路350は、出力電流検出回路330で定格電流値の2倍近くの電流値を検出したときに停止信号を出力するように基準電圧を設定する場合に限るものでなく、定格電流値の1.5倍を越える電流が流れようとするときに直流電圧発生回路110の整流動作を停止させ、直流電源部120への交流発電機50からの電力供給を停止し、出力電圧を低下させるようにする場合など、電力回路101を形成する素子の特性や耐久性、及び、安全基準に合わせ、中央制御手段310に停止制御信号を出力させる際の出力電流値と共に適宜の値として設定するものである。
【0151】
尚、上記実施の形態は、定電圧制御部500として導通制御信号形成回路510と出力電流検出回路330及びサイリスタ制御回路170とによる回路構成で形成しているも、導通制御信号形成回路510を省略した携帯用発電機100とし、出力電流検出回路330からの出力電流信号が入力される中央制御手段310の内部に定電圧制御部500を形成するようにプログラムを行い、直流電圧検出回路320から中央制御手段310に入力される直流電圧信号に基づいてサイリスタ制御回路170から導通信号の出力を制御して直流電源部120の電圧を一定に保ちつつ、出力電流検出回路330からの出力電流信号に基づいて導通信号の出力タイミングを調整することもある。
【0152】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明は、交流発電機によって交流電圧を形成し、直流電圧発生回路で整流してこの直流電圧をインバータ回路により単相交流電圧とし、出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際して単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整する携帯用発電機の出力電圧修正方法であって、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するQが高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正する携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0153】
従って、出力電圧の歪みを検出するに際して小さな歪みとして検出し、突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、過修正を防止することが容易にできる。
又、請求項2に記載した本発明は、PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行う請求項1に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0154】
従って、マイクロコンピュータの負担を重くすることなく出力電圧の歪みを検出するに際して小さな歪みとして検出し、突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、過修正を防止することが容易にできる。
そして、請求項3に記載した本発明は、交流発電機によって交流電圧を形成し、直流電圧発生回路で整流してこの直流電圧をインバータ回路により単相交流電圧とし、出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際して単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整する携帯用発電機の出力電圧修正方法であって、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、50ヘルツ又は60ヘルツの設定された出力周波数におけるQが高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数以上をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタの出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正する携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0155】
従って、出力電圧の歪みを検出するに際して小さな歪みとして検出し、突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、過修正を防止することが容易にできる。
更に、請求項4に記載した本発明は、50ヘルツの周波数におけるQが高い検出用ローパスフィルタと、60ヘルツの周波数におけるQが高い検出用ローパスフィルタとを設け、出力周波数の切り換えに合わせて使用する検出用ローパスフィルタを切り換える請求項3に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0156】
従って、商用周波数が50ヘルツの地域と60ヘルツの地域での使用が容易に行える。
又、請求項5に記載した本発明は、PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行う請求項3又は請求項4に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0157】
従って、マイクロコンピュータの負担を重くすることなく出力電圧の歪みを検出するに際して小さな歪みとして検出し、突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、過修正を防止することが容易にできる。
そして、請求項6に記載した本発明は、交流発電機によって交流電圧を形成し、直流電圧発生回路で整流してこの直流電圧をインバータ回路により単相交流電圧とし、出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際して単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整する携帯用発電機の出力電圧修正方法であって、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、PWM周波数に近い周波数をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタの出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正する携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0158】
従って、歪みを正確に検出して突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、種々の修正を合わせて行うことも容易にできる。
更に又、請求項7に記載した本発明は、PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に0.2程度以上にして1未満の係数を掛けた値に相当するPWM基準値の数値だけPWM基準値を修正して行う請求項6に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0159】
従って、歪みを正確に検出して突発的な歪みに対して素早く修正を行い、且つ、過修正を防止することが容易にできる。
そして、請求項8に記載した本発明は、差分を検出したときに読み込んだPWM基準値を修正すると共に、この修正に用いた補正値を記憶し、次の周期における検出時の出力電圧を形成するPWM基準値もこの補正値により修正する請求項1乃至請求項7の何れかに記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法である。
【0160】
従って、突発的な歪みに対して素早く修正を行うと共に、持続する歪みに対しても修正を加えて出力電圧の歪みを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯用発電機の全体を示すブロック図。
【図2】本発明に係る携帯用発電機の電源部を主とする回路ブロック図。
【図3】本発明に係る携帯用発電機の検出回路を主とする回路ブロック図。
【図4】本発明に係る携帯用発電機の出力電流と出力電流信号との関係を示すグラフ。
【図5】本発明に係る携帯用発電機におけるインバータ回路の出力状態を示す模式図。
【図6】本発明に係る携帯用発電機の出力電圧補正の状態を示すグラフ。
【図7】本発明に係る携帯用発電機の出力電圧と出力電圧信号との関係を示すグラフ。
【図8】本発明に係る携帯用発電機の中央制御手段の概要を示すブロック図。
【図9】本発明に係る携帯用発電機の電圧出力状態を示すグラフ。
【図10】出力電圧と出力電流との位相差の一例を示すグラフ。
【図11】出力電圧の修正状態を示すグラフ。
【図12】従来の携帯用発電機の一例を示す回路ブロック図。
【図13】出力電圧を示す模式図。
【図14】従来の他の携帯用発電機の例を示す回路ブロック図。
【図15】従来のマイクロコンピュータを用いた携帯用発電機の例を示す回路ブロック図。
【図16】PWM基準値の一例を示す模式図。
【符号の説明】
50 交流発電機
51 三相出力巻線 55 単相出力巻線
100 携帯用発電機
101 電力回路
110 直流電圧発生回路
111 サイリスタ 115 整流ダイオード
120 直流電源部 121 主平滑コンデンサ
130 インバータ回路
140 ローパスフィルタ
151 第1出力端子 152 第2出力端子
160 ゲート電圧発生回路
170 サイリスタ制御回路
201 制御電源部
210 平滑回路
221 第1定電圧回路 225 第2定電圧回路
230 レギュレータ 235 定電圧回路
240 電圧制御回路
250 PWM信号発生回路
255 インバータドライブ回路
260 過負荷検出回路 265 演算回路部
269 過負荷検出回路
270 正弦波発生回路 281 三角波発生回路
285 PWM制御信号発生回路
291 矩形波発生回路 293 始動タイミング回路
295 矩形波発生回路 297 位相比較回路
299 限界値検出回路
310 中央制御手段
311 PWMドライバー 313 スロットルドライバー
315 スロットル制御機構 319 回転数検出回路
320 直流電圧検出回路
330 出力電流検出回路 340 出力電圧検出回路
350 過電流検出回路
380 中央制御手段 381 制御部
385 PWM制御信号発生手段 386 PWMテーブル
387 変換部 388 演算部
432 スロットル開度制御部 431 回路保護部
433 出力電圧監視部 435 単独運転制御部
435 同期運転制御部 441 PWM信号生成部
500 定電圧制御部
510 導通制御信号形成回路
531 差動回路 533 絶対値化回路
535 矩形波形成回路

Claims (8)

  1. エンジンにより駆動される交流発電機によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整しつつインバータ回路による直交変換を行う携帯用発電機における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、50ヘルツ乃至60ヘルツ程度の帯域に対するクオリティファクタ(Q)が高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数以上をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタの出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してこのPWM基準値に基づいて形成するPWM制御信号の修正を行うことを特徴とする携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  2. PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を増加又は減少させる修正を行うことを特徴とする請求項1に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  3. エンジンにより駆動される交流発電機によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整しつつインバータ回路による直交変換を行う携帯用発電機における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、50ヘルツ又は60ヘルツの設定された出力周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高く、PWM周波数の十分の1乃至数十分の1程度の周波数以上をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタの出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してこのPWM基準値に基づいて形成するPWM制御信号の修正を行うことを特徴とする携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  4. 50ヘルツの周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高い検出用ローパスフィルタと、60ヘルツの周波数におけるクオリティファクタ(Q)が高い検出用ローパスフィルタとを設け、出力周波数の切り換えに合わせて使用する検出用ローパスフィルタを切り換えることを特徴とする請求項3に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  5. PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に対応するPWM基準値の数値だけPWM基準値を増加又は減少させる修正を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  6. エンジンにより駆動される交流発電機によって交流電圧を形成し、この交流電圧を直流電圧発生回路で整流して直流電圧を形成し、この直流電圧をインバータ回路により所定周波数にして一定ピーク電圧の単相交流電圧とし、この単相交流電圧を出力用のローパスフィルタを介して出力端子から出力させ、インバータ回路により単相交流電圧を形成するに際しては、単相交流電圧の電圧値を検出してマイクロコンピュータで形成するPWM制御信号のパルス幅を調整しつつインバータ回路による直交変換を行う携帯用発電機における出力電圧の修正方法であって、出力端子から出力する単相交流電圧における正弦波曲線の一周期を形成する曲線の値に相当する数百個程度の各値をPWM基準値として設定しておくと共に、この各PWM基準値に対応する出力電圧を目標電圧とする電圧テーブル値も設定しておき、このPWM基準値に基づいてPWM制御を行い、単相交流電圧の電圧値を検出するに際し、PWM周波数に近い周波数をカットオフ周波数とする検出用ローパスフィルタを用いてインバータ回路の出力電圧を検出し、この検出用ローパスフィルタの出力電圧と目標電圧との差分に基づき、差分を検出したときに読み込むPWM基準値を直ちに修正してこのPWM基準値に基づいて形成するPWM制御信号の修正を行うことを特徴とする携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  7. PWM制御信号の修正は、目標電圧と検出電圧との差分の電圧値に0.2程度以上にして1未満の係数を掛けた値に相当するPWM基準値の数値だけPWM基準値を増加又は減少させる修正を行うことを特徴とする請求項6に記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法。
  8. 差分を検出したときに読み込んだPWM基準値を修正すると共に、この修正に用いた補正値を記憶し、出力電圧の一周期後における出力電圧を形成するPWM基準値もこの補正値により修正することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載した携帯用発電機の出力電圧修正方法
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