JP2002010652A - インバータ発電装置の制御方法 - Google Patents

インバータ発電装置の制御方法

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JP2002010652A
JP2002010652A JP2000189686A JP2000189686A JP2002010652A JP 2002010652 A JP2002010652 A JP 2002010652A JP 2000189686 A JP2000189686 A JP 2000189686A JP 2000189686 A JP2000189686 A JP 2000189686A JP 2002010652 A JP2002010652 A JP 2002010652A
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充由 島崎
Kaoru Shinba
薫 榛葉
Masanori Nakagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2台のインバータ発電装置を並列運転するとき
に、両者の出力のバランスが崩れて並列運転を行うこと
ができなくなるのを防止する。 【解決手段】直流電源部DCから得られる直流電源電圧
VD を検出し、直流電源電圧VD が直流電源部の無負荷
出力電圧以上に設定された判定値を超えたときにインバ
ータ発電装置1A,1Bの出力のバランスが崩れている
と判定する。両インバータ発電装置の出力のバランスが
崩れたことが検出されたときに、出力電圧が高い方のイ
ンバータ発電装置1Bの過負荷運転を許容することによ
り、インバータ発電装置1Bの出力電圧を低下させて、
両インバータ発電装置の出力のアンバランスを解消す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流発電機の出力
を任意の周波数を有する交流出力に変換するインバータ
回路を備えたインバータ発電装置を他の電源と並列運転
するときの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関等を原動機とする発電装置とし
て、インバータ発電装置が用いられている。
【0003】一般にインバータ発電装置は、内燃機関等
により駆動される交流発電機と、この交流発電機の出力
電圧を直流電圧に変換する直流電源部と、この直流電源
部の出力電圧を所定の周波数の交流電圧に変換するイン
バータ回路と、インバータ回路の出力から高調波成分を
除去するフィルタ回路と、フィルタ回路の出力が印加さ
れる負荷接続端子と、負荷接続端子を通して所望の波形
の交流電圧を出力させるようにインバータ回路をPWM
制御するPWM制御手段を有するコントローラとを備え
ている。また多くの場合、コントローラには、インバー
タ回路やフィルタ回路等を過負荷電流から保護するため
に、過負荷電流が流れたときにインバータ回路の出力を
停止させる過負荷保護手段が設けられている。
【0004】直流電源部は、交流発電機の出力を整流す
る整流器と、この整流器の直流出力端子間に接続された
平滑用コンデンサとを備えていて、平滑用コンデンサの
両端に直流電源電圧を発生する。
【0005】一般に用いられているインバータ回路は、
上辺のスイッチ素子と下辺のスイッチ素子との直列回路
からなるスイッチアームを複数個並列に接続してスイッ
チ素子のブリッジ回路を構成したブリッジ形のスイッチ
回路からなっている。このインバータ回路においては、
複数のスイッチアームの一端側及び他端側の共通接続点
から1対の直流入力端子が導出され、複数のスイッチア
ームのそれぞれのスイッチ素子どうしの接続点から交流
出力端子が導出されている。
【0006】また、この種のインバータ回路において
は、各スイッチ素子に対して帰還用ダイオードが設けら
れていて、各帰還用ダイオードが対応するスイッチ素子
に逆並列接続され、インバータ回路を交流出力端子側か
ら見た場合に、帰還用ダイオードによりダイオードブリ
ッジ全波整流回路が構成されるようになっている。
【0007】コントローラに設けられたPWM制御手段
は、インバータ回路のブリッジの対角位置にある対のス
イッチ素子にパルス波形のPWM信号を与えて、該該P
WM信号により対のスイッチ素子のそれぞれを所定のタ
イミングでオンオフさせることにより、負荷接続端子を
通して負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてP
WM周期毎にデューティ値Dが変化する断続波形の交流
電圧をインバータ回路から出力させる。
【0008】PWM制御におけるデューティ値Dは、負
荷接続端子から出力させる交流出力電圧の波形を所望の
波形とするために必要な基準デューティ値Do に補正係
数Kv を乗じることにより求めることができる。通常、
補正係数Kv としては、負荷接続端子間に得る交流出力
電圧の波高値の定格値VA と直流電源電圧VD との比V
A /VD を用いる。
【0009】インバータ回路から出力される交流電圧
は、フィルタ回路によりその高調波成分が除去されて滑
らかな波形の交流出力電圧に変換される。
【0010】またコントローラに設けられた過負荷保護
手段は、負荷接続端子を通して過負荷判定電流値以上の
負荷電流が流れたときにインバータ回路の出力を停止さ
せる制御を行って、インバータ回路を構成するスイッチ
素子等を過電流から保護する。
【0011】インバータ発電装置を用いると、インバー
タ回路を制御することにより、直流電源部から出力され
る直流電圧を任意の周波数の交流電圧に変換することが
できるため、発電機の回転数の如何に係わりなく、負荷
接続端子から所望の周波数の交流電圧を得ることができ
る。またPWM制御においてPWM周期毎に変化するデ
ューティ値を制御することにより、任意の大きさを有す
る交流電圧を得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】負荷の容量が大きい場
合には、上記のインバータ発電装置を他の交流電源装置
(外部交流電源という。)と並列運転することが必要に
なる場合がある。ここで、外部交流電源とは、同じよう
に構成された他のインバータ発電装置、インバータ発電
装置と同じ周波数の出力電圧を発生する交流発電機、或
いは商用交流電源等である。
【0013】インバータ発電装置と外部交流電源とを並
列運転するときには、両者の対応する負荷接続端子どう
しを相互に接続して、インバータ発電装置と外部交流電
源とから同時に負荷に電力を供給する。この場合、イン
バータ発電装置及び外部交流電源がそれぞれ発生する電
圧は、波形、波高値及び位相がともに一致している必要
がある。
【0014】従って、インバータ発電装置と外部交流電
源との並列運転を行う場合には、負荷接続端子間に外部
交流電源から交流電圧が印加されたときに、インバータ
発電装置の出力電圧の波形、波高値及び位相を外部交流
電源から印加される電圧の波形、波高値及び位相に一致
させる制御をコントローラに行わせる必要がある。
【0015】なお本明細書においては、インバータ発電
装置と外部交流電源とを並列運転するときに、外部交流
電源として、その出力周波数がインバータ発電装置の出
力周波数に等しいものを選択することを前提にしてい
る。即ち、インバータ発電装置の出力周波数と外部交流
電源の出力周波数は常に一致していることを前提にして
いる。
【0016】本出願人は先に、特願平11−18229
4号及び特願平11−284277号において、負荷接
続端子間に外部交流電源から電圧が印加されたときに、
インバータ回路から負荷接続端子間に与える交流出力電
圧の波形、波高値及び位相をそれぞれ外部交流電源から
与えられた交流電圧の波形、波高値及び位相に一致させ
るようにインバータ回路を制御するようにしたインバー
タ発電装置を提案した。
【0017】特願平11−182294号の発明では、
インバータ発電装置に過電流が流れたときに、インバー
タ発電装置の出力を一旦停止させて、過電流が流れた原
因が過負荷にあるのか、外部交流電源が負荷接続端子に
接続されたことにあるのかを判定する。そして、過電流
の原因が過負荷にあると判定されたときには、インバー
タ発電装置の出力を停止させたままとし、過電流の原因
が負荷接続端子間に外部交流電源から電圧が印加された
ことにあると判定されたときに、インバータ発電装置の
出力電圧の波形、波高値及び位相を負荷接続端子間に印
加されている電圧の波形、波高値及び位相に一致させて
からインバータ発電装置の出力を回復させる。
【0018】また特願平11−284277号に示され
たインバータ発電装置においては、インバータ回路から
負荷接続端子を通して基準波形の交流出力電圧を出力す
るようにインバータ回路を制御する場合に、基準波形と
負荷接続端子間の実際の出力波形との位相差を検出し
て、位相差が設定範囲から外れているときに、基準波形
の位相をシフトすることにより、インバータ回路から負
荷接続端子に印加される交流電圧の位相と外部電源から
印加される交流電圧の位相とを一致させる制御を行って
いる。
【0019】上記のような制御を行えば、殆どの場合、
インバータ発電装置と外部交流電源との並列運転を支障
なく行うことができる。しかしながら、上記の制御は、
外部交流電源から負荷接続端子間に与えられた電圧の情
報に基づいて、インバータ発電装置の内部の出力電圧の
波形、波高値及び位相を修正するように制御するもので
あり、インバータ発電装置と外部交流電源とを同期させ
て、インバータ発電装置の出力電圧の波形、波高値及び
位相を外部交流電源から与えられる電圧の波形、波高値
及び位相に常に一致させるように制御するものではない
ため、インバータ発電装置の出力電圧と外部交流電源か
ら与えられる電圧との間の平衡が崩れるのを完全に防ぐ
ことは難しい。
【0020】インバータ発電装置と外部交流電源とを並
列運転している状態で、何らかの原因により、インバー
タ発電装置の出力電圧と外部交流電源の出力電圧の波高
値や位相がずれると、インバータ発電装置の出力と外部
交流電源の出力とのバランスが崩れて、外部交流電源側
から負荷接続端子を通してインバータ発電装置に電流が
流れ込むことがある。このような状態が生じると、イン
バータ発電装置が外部交流電源にとって負荷となり、イ
ンバータ発電装置から負荷に電力を供給することができ
なくなるため、2台の電源から負荷に電力を供給すると
いう並列運転の目的を達成することができなくなる。
【0021】また外部交流電源からインバータ発電装置
に電流が流れ込む状態が生じると、インバータ回路内に
設けられた帰還用ダイオードにより構成される全波整流
回路を通して、直流電源部の平滑用コンデンサが充電さ
れるため、直流電源部の出力電圧が上昇する。このと
き、デューティ値を決める補正係数Kv が小さくなるた
め、PWM制御のデューティ値が減少して、インバータ
発電装置の出力電圧が低下してしまう。そのため、外部
交流電源側からインバータ回路に流れ込む電流がますま
す増大し、インバータ発電装置の出力と外部交流電源の
出力との不平衡状態が助長されて、並列運転の意味が全
くなくなってしまう。またこのとき、インバータ発電装
置が外部交流電源の負荷となって、外部交流電源が過負
荷状態になるため、外部交流電源に負荷電流を制限する
手段が設けられている場合には、外部交流電源の出力が
遮断されて負荷への通電が停止されることがある。
【0022】本発明の目的は、インバータ発電装置と外
部交流電源とを並列運転するときに、外部交流電源側か
らインバータ装置内に電流が流れ込む状態が生じるのを
防いで、並列運転を支障なく行わせることができるよう
にしたインバータ発電装置の制御方法を提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、交流発電機
と、この交流発電機の出力を整流する整流回路とこの整
流回路の直流出力端子間に接続された平滑用コンデンサ
とを有して平滑用コンデンサの両端に直流電源電圧を発
生する直流電源部と、オンオフ制御が可能なスイッチ素
子を有してこのスイッチ素子のスイッチングにより直流
電源電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、この
インバータ回路の出力から高調波成分を除去するフィル
タ回路と、このフィルタ回路の出力が印加される負荷接
続端子と、この負荷接続端子に外部交流電源から電圧が
印加されていないときにはフィルタ回路を通して所望の
交流電圧を出力させるようにインバータ回路を制御し、
負荷接続端子に外部交流電源から電圧が印加されている
ときにはフィルタ回路から出力される交流電圧の波形、
波高値及び位相をそれぞれ外部交流電源から印加されて
いる交流電圧の波形、波高値及び位相に一致させるよう
にインバータ回路を制御するインバータ発電装置を2台
設けて、該2台のインバータ発電装置を並列運転すると
きの発電装置の制御方法を対象とする。
【0024】本発明においては、各インバータ発電装置
の直流電源電圧を検出して、2台のインバータ発電装置
の直流電源電圧が共にそれぞれの発電装置の直流電源部
の無負荷出力電圧以上に設定された判定値以下であると
きには、各インバータ発電装置の負荷電流を、各インバ
ータ発電装置から波形歪みがない交流電圧を出力させる
場合に許容される最大定格負荷電流値以下に制限する制
御を行い、いずれか一方のインバータ発電装置の直流電
源電圧が上記判定値を超えているときには他方のインバ
ータ発電装置の負荷電流が最大定格負荷電流値を超える
のを許容する制御を行う。
【0025】一般に交流発電機は、出力電流の増大に伴
なって出力電圧が低下していく特性を有している。した
がって、インバータ発電装置の直流電源電圧は、負荷電
流の減少に伴なって上昇していき、無負荷時に交流発電
機の無負荷出力電圧の波高値にほぼ等しくなる。インバ
ータ発電装置の負荷接続端子側から直流電源部側に電流
が流れ込むことがない、正常な状態では、直流電源電圧
が交流発電機の無負荷出力電圧を超えることはない。
【0026】これに対し、何らかの原因で、2台のイン
バータ発電装置の出力電圧の平衡が崩れて、一方のイン
バータ発電装置に他方のインバータ発電装置から電流が
流れ込む状態で生じると、その電流により一方のインバ
ータ発電装置の直流電源部の平滑用コンデンサが充電さ
れるため、直流電源部の出力電圧(直流電源電圧)は該
直流電源部の無負荷出力電圧よりも高くなる。
【0027】したがって、上記のように、各インバータ
発電装置の直流電源電圧を検出して、該直流電源電圧が
直流電源部の無負荷出力電圧以上に設定した判定値以下
であるか否かを判定するようにすると、該判定値を適切
な値に設定しておくことにより、インバータ発電装置の
出力と外部交流電源の出力との平衡が崩れているか否か
(一方のインバータ発電装置に他方のインバータ発電装
置から電流が流れ込んでいるか否か)を判定することが
できる。
【0028】そして、上記のように、一方のインバータ
発電装置に他方のインバータ発電装置から電流が流れ込
んでいると判定されたときに、他方のインバータ発電装
置の負荷電流が最大定格負荷電流値を超えるのを許容す
る制御を行うようにすると、他方のインバータ発電装置
の出力電圧が過負荷電流のために低下するため、該他方
のインバータ発電装置側から一方のインバータ発電装置
に電流が流れ込むことがなくなり、一方のインバータ発
電装置の直流電源電圧が低下していく。そのため、一方
のインバータ発電装置側からも負荷電流が流れるように
なり、並列運転状態を回復させることができる。
【0029】2台のインバータ発電装置の負荷電流がと
もに過大になったときには、両インバータ発電装置の出
力が停止するため、過電流が流れるのが防止される。
【0030】好ましい実施態様では、負荷接続端子を通
して負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPW
M周期毎にデューティ値が変化する断続波形の交流電圧
をインバータ回路から出力させるようにインバータ回路
のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与えるPWM
制御と、直流電源電圧の値が過負荷判定電圧値よりも低
くなったときにインバータ回路の出力を停止させるよう
に制御する過負荷保護制御とを行うコントローラが設け
られる。
【0031】本発明を適用するインバータ発電装置にお
いて、上記のようなコントローラが設けられる場合に
は、負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印
加されているときにインバータ回路から負荷接続端子に
与えられる交流出力電圧の波形、波高値及び位相をそれ
ぞれ前記外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致さ
せる制御を行うようにコントローラを構成しておき、各
インバータ発電装置の直流電源電圧を検出して、検出さ
れた直流電源電圧が前記判定値以下であるか否かを判定
する電源電圧判定過程を行う。
【0032】そして、各インバータ発電装置の負荷接続
端子を通して波形歪みがない交流電圧を出力させる場合
に許容される最大定格負荷電流が各インバータ発電装置
のインバータ回路を通して負荷側に流れた時の直流電源
電圧の値を定常時の下限電源電圧値として、電源電圧判
定過程で直流電源電圧が判定値以下であると判定された
ときには、各インバータ発電装置の過負荷保護制御の過
負荷判定電圧値を前記定常時の下限電源電圧値に等しく
設定して各インバータ発電装置の負荷電流が最大定格負
荷電流を超えるのを禁止する。また電源電圧判定過程で
一方のインバータ発電装置の直流電源電圧が判定値を超
えていると判定されたときには、他方のインバータ発電
装置の過負荷保護制御の過負荷判定電圧値を前記定常時
の下限電源電圧値よりも更に低い値に設定して該他方の
インバータ発電装置の過負荷運転を許容する。
【0033】上記の例では、過負荷保護制御において、
直流電源電圧を検出して過負荷状態を検出しているが、
過負荷保護制御においては、各インバータ発電装置の負
荷電流を検出して、インバータ回路から過負荷判定電流
値を超える負荷電流が流れたときにインバータ回路の出
力を停止させるように制御してもよい。
【0034】本発明を適用するインバータ発電装置にお
いて、このような制御が行われる場合には、上記電源電
圧判定過程で2台のインバータ発電装置の直流電源電圧
がそれぞれの直流電源部の無負荷出力電圧以上に設定さ
れた判定値以下であると判定されたときに、各インバー
タ発電装置の過負荷判定電流値を各インバータ発電装置
から波形歪みがない交流出力電圧を出力させる場合に許
容される最大定格負荷電流の値に等しく設定して、各イ
ンバータ発電装置の負荷電流が最大定格電流を超えるの
を禁止し、電源電圧判定過程でいずれか一方のインバー
タ発電装置の直流電源電圧が判定値を超えていると判定
されたときには、他方のインバータ発電装置の過負荷判
定電流値を最大定格負荷電流の値よりも大きい値に設定
して該他方のインバータ発電装置の負荷電流が最大定格
負荷電流を超える状態になる過負荷運転を許容する。
【0035】本出願人が先に提案したインバータ発電装
置では、PWM制御において、負荷接続端子から出力さ
せる交流出力電圧の波形を所望の波形とするために必要
な基準デューティ値Do に補正係数Kv を乗じた値をデ
ューティ値Dとし、負荷接続端子に外部交流電源から外
部交流電圧が印加されたときにはインバータ回路から負
荷接続端子に与えられる交流出力電圧の波形、波高値及
び位相をそれぞれ外部交流電圧の波形、波高値及び位相
に一致させる制御を行うようにコントローラを構成す
る。
【0036】このようにコントローラが構成されるイン
バータ発電装置に本発明を適用する場合には、2台のイ
ンバータ発電装置の交流発電機として、同一の特性を有
するものを用い、2台のインバータ発電装置のそれぞれ
の直流電源電圧を検出して、検出された直流電源電圧が
それぞれの発電装置の直流電源部の無負荷出力電圧以上
に設定された判定値以下であるか否かを判定する。そし
て、電源電圧判定過程で、2台のインバータ発電装置の
直流電源電圧がいずれもそれぞれの判定値以下であると
判定されたときには、負荷接続端子を通して出力される
交流電圧の波高値の定格値VA と2台のインバータ発電
装置のそれぞれの直流電源電圧VD およびVD ´との比
VA /VD およびVA /VD ´をそれぞれ2台のインバ
ータ発電装置のPWM制御で用いる前記補正係数Kv と
し、電源電圧判定過程で、一方のインバータ発電装置の
直流電源電圧VD が判定値を超えていると判定されたと
きには、負荷接続端子間の電圧の波高値の定格値VA と
他方のインバータ発電装置の直流電源電圧VD ´との比
VA /VD ´を該一方のインバータ発電装置のPWM制
御で用いる補正係数Kv とする。
【0037】このように、いずれか一方のインバータ発
電装置の直流電源電圧が交流発電機の無負荷出力電圧の
波高値を超えていると判定されたとき、即ち、他方のイ
ンバータ発電装置の負荷電流が、一方のインバータ発電
装置に流れ込む状態が生じているときに、一方のインバ
ータ発電装置(負荷接続端子側から直流電源部側に電流
が流れ込んでいる方のインバータ発電装置)のPWM制
御のデューティ値を決定するために基準デューティ値に
乗じる補正係数Kv として、負荷接続端子を通して負荷
に印加される交流出力電圧の波高値の定格値VA と他方
のインバータ発電装置の直流電源電圧VD ´との比VA
/VD ´を用いるようにすると、2台のインバータ発電
装置のインバータ回路に与えるPWM信号のデューティ
値を等しくすることができるため、2台のインバータ発
電装置の出力のアンバランスを解消して、一方のインバ
ータ発電装置に他方のインバータ発電装置側から電流が
流れ込むのを防ぐことができる。
【0038】本発明においてはまた、2台のインバータ
発電装置のうちの一方で行われるPWM制御の各PWM
周期の開始タイミングを定めるタイミング信号を他方の
インバータ発電装置に与えて、他方のインバータ発電装
置で行うPWM制御の各PWM周期の開始タイミングを
一方のインバータ発電装置から与えられたタイミング信
号により定め、2台のインバータ発電装置でPWM制御
を同期させて行わせるようにしてもよい。このような制
御を行うと、2台のインバータ発電装置の出力を常に平
衡させることができるため、両インバータ発電装置の出
力のバランスが崩れて、一方のインバータ発電装置から
他方のインバータ発電装置に電流が流れ込む状態が生じ
るのを防いで、2台のインバータ発電装置の並列運転を
支障なく行わせることができる。
【0039】このような制御を行う場合、過負荷保護制
御においては、直流電源部の出力電圧から過負荷状態の
判定を行ってもよく、負荷電流を検出して過負荷状態の
判定を行ってもよい。
【0040】本発明においてはまた、電源電圧判定過程
で、直流電源電圧が交流発電機の無負荷出力電圧の波高
値以下であると判定されたときには負荷接続端子を通し
て出力される電圧の波高値の定格値VA と各インバータ
発電装置の直流電源電圧VDとの比VA /VD を前記補
正係数Kv とし、電源電圧判定過程で直流電源電圧が交
流発電機の無負荷出力電圧を超えていると判定されたと
きには、定格値VA と交流発電機の無負荷電圧Vo 以下
に設定された仮の直流電源電圧VDoとの比VA/VDoを
補正係数Kv とするようにしてもよい。
【0041】何らかの原因で、外部交流電源から負荷接
続端子を通してインバータ回路側に電流が流れ込む状態
が生じて、インバータ発電装置の直流電源電圧が無負荷
電圧を超えたときに、上記のように、インバータ発電装
置の出力電圧の波高値の定格値VA と、交流発電機の無
負荷出力電圧Vo 以下に設定された仮の直流電源電圧V
Doとの比VA /VDoをPWM信号のデューティ値を演算
するために用いる補正係数Kv とするようにすると、イ
ンバータ発電装置の負荷電流を零にするか、または多少
の負荷電流が流出する状態にして、該インバータ発電装
置に電流が逆流する状態を解消することができる。この
とき、インバータ発電装置と並列運転している外部交流
電源の負荷電流は全て負荷で消費されるため、該外部交
流電源の負荷電流が増大し、その出力電圧が低下する。
外部交流電源の出力電圧が低下すると、インバータ発電
装置の直流電源電圧が低下するため、該インバータ発電
装置の出力電圧が上昇し、インバータ発電装置と外部交
流電源との双方から負荷に電流が供給される正常な状態
に復帰する。この場合、インバータ発電装置と並列運転
する外部交流電源は、同じ構成のインバータ発電装置で
もよく、他の発電装置や商用電源等でもよい。
【0042】本発明においてはまた、電源電圧判定過程
で、直流電源電圧が判定値を超えていると判定されたと
きに、直流電源電圧が判定値以下になるまで、インバー
タ回路のスイッチ素子の制御端子に与えるPWM信号の
位相をシフトするようにしてもよい。
【0043】このような制御を行うと、何らかの原因で
インバータ発電装置の出力と外部交流電源の出力との平
衡が崩れたときに、その平衡をとり直す(インバータの
出力電圧の波形、波高値及び位相を外部交流電源から与
えられる交流電圧の波形、波高値及び位相に一致させる
状態に戻す)ことができるため、外部交流電源側から負
荷接続端子を通してインバータ回路側に電流が流れ込む
状態を解消することができる。
【0044】この場合も、外部交流電源は同じ構成のイ
ンバータ発電装置でもよく、他の発電装置や商用電源等
でもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。
【0046】図1は、本発明が対象とするインバータ発
電装置1の構成例を示したものである。同図において、
2は3相磁石式交流発電機、3は磁石発電機2を駆動す
る内燃機関(E/G)である。磁石式交流発電機2は、
多極に構成された磁石回転子(図示せず。)と、3相結
線された発電コイル2u 〜2w を有する固定子とからな
っていて、磁石回転子は、内燃機関3のクランク軸に取
り付けられている。
【0047】また図1において、4はダイオードDu〜
DwとダイオードDx〜Dzとを3相ブリッジ接続した
制御整流器で、整流器4の3相の交流入力端子4u〜4
wにそれぞれ発電機2の3相の出力端子が接続され、整
流器4の直流出力端子4a,4b間には平滑用コンデン
サCdが接続されている。整流器4と平滑用コンデンサ
Cdとにより直流電源部DCが構成されている。
【0048】5はスイッチ素子としてのMOSFET
Fu及びFxの直列回路からなるスイッチアームとMO
SFET Fv及びFyの直列回路からなるスイッチア
ームとを並列に接続してスイッチ素子のブリッジ回路を
構成したブリッジ形のインバータ回路(電力変換回路)
で、MOSFET Fu,Fv及びFx,Fyのドレイ
ンソース間にはそれぞれアノードがそれぞれのFETの
ソース側に向いた帰還ダイオードDfu,Dfv及びDfx,
Dfyが接続されている。図示の例では、これらの帰還ダ
イオードが、それぞれのMOSFETのドレインソース
間に形成された寄生ダイオードからなっている。
【0049】このインバータ回路5においては、複数の
スイッチアームの一端側の共通接続点及び他端側の共通
接続点から対の入力端子5a及び5bが導出され、2つ
のスイッチアームのそれぞれのMOSFET(スイッチ
素子)どうしの接続点から対の交流出力端子5u及び5
vが導出されている。入力端子5a及び5bはそれぞれ
整流器4の出力端子4a及び4bに接続され、対の出力
端子5u及び5vはそれぞれインダクタンスL1 及びL
2 とコンデンサC1 とからなる低域通過形のフィルタ回
路6を通して対の負荷接続端子7u及び7vに接続され
ている。負荷接続端子7u及び7vにはコンセントとプ
ラグとからなる周知のコネクタ8を通して負荷9が接続
されている。
【0050】10は直流電源部が出力する直流電源電圧
を検出する電源電圧検出回路で、この検出回路は、演算
増幅器OP1 と抵抗Ra及びRbとにより構成されてい
る。また11はフィルタ回路6から出力される交流出力
電圧を検出する出力電圧検出回路で、この検出回路は、
演算増幅器OP2 と抵抗Ru及びRvとからなってい
る。
【0051】電源電圧検出回路10のアナログ出力及び
出力電圧検出回路11のアナログ出力はインバータ回路
5を制御するコントローラ12に入力されている。
【0052】コントローラ12は、電源電圧検出回路1
0の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器12a
と、出力電圧検出回路11の出力をデジタル信号に変換
するA/D変換器12bと、CPU12cと図示しない
RAM及びROM等とを有するマイクロコンピュータ
と、CPU12cのポートから出力される駆動指令信号
Gu´,Gv´,Gx´及びGy´に応じてFET F
u,Fv,Fx及びFy(半導体スイッチ素子)のゲー
ト(制御端子)にPWM信号Gu,Gv,Gx及びGy
を与える信号出力回路12dとを備えている。
【0053】図1に示したインバータ発電装置1におい
ては、交流発電機2が出力する交流電圧が整流器4と平
滑用コンデンサCdとからなる直流電源部DCにより直
流電源電圧VD に変換され、この直流電源電圧VD がイ
ンバータ回路5に入力される。
【0054】コントローラ12のCPU12cは、直流
電源部DCから与えられる直流電源電圧VD のデータA
N1を演算増幅器OP1 とA/D変換器12aとを通し
て読み込むとともに、出力電圧検出回路11の演算増幅
器OP2 とA/D変換器12bとを通して負荷接続端子
7u,7v間の電圧の瞬時値を示す瞬時データAN0を
読み込み、これらのデータに基づいて各PWM周期のデ
ューティ値Dを演算して、演算したデューティ値Dで各
PWM周期のインバータ回路の出力を断続させるように
インバータ回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号
を与える。これにより、負荷接続端子7u,7vを通し
て負荷9に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPW
M周期毎にデューティ値が変化する断続波形の交流電圧
をインバータ回路5から出力させる。
【0055】図2(A),(B),(C)及び(D)は
それぞれ、負荷接続端子間に正弦波形の交流出力電圧を
得る場合に、コントローラ12からFET Fu,F
y,Fx及びFvのゲートに与えられるPWM信号G
u,Gy,Gx及びGvを示したものである。FET
Fu,Fy,Fx及びFvはそれぞれ、PWM信号G
u,Gy,Gx及びGvがHレベルにあるときにオン状
態になり、PWM信号Gu,Gy,Gx及びGvがLレ
ベルにあるときにオフ状態になる。
【0056】図2(E)及び(F)はブリッジ回路の対
角位置にある対のスイッチ(Fu,Fy)及び(Fx,
Fv)が同時にオン状態になるタイミングを示し、図2
(G)及び(H)はそれぞれブリッジ回路の上辺を構成
する2つのスイッチ(Fu,Fv)が同時にオン状態に
なるタイミング、及び下辺を構成する2つのスイッチ
(Fx,Fy)が同時にオン状態になるタイミングを示
している。
【0057】負荷接続端子7u,7vを通して出力する
交流出力電圧の波形を正弦波形とする場合には、交流出
力電圧の正の半波の期間において、対角位置にある対の
FET Fu,Fyのゲートにそれぞれパルス波形のP
WM信号Gu,Gyを与えることにより、これらのFE
Tが同時にオン状態になる期間を図2(E)に示すよう
に生じさせて、正弦波交流電圧の瞬時値に比例してPW
M周期Δt毎にデューティ値が変化する断続波形(図2
Eに示した波形と同様の波形)の正の半波の電圧をイン
バータ回路5から出力させる。
【0058】また交流出力電圧の負の半波の期間におい
て、対角位置にある対のFET Fx,Fvのゲートに
それぞれパルス波形のPWM信号Gx,Gvを与えるこ
とにより、これらのFETが同時にオン状態になる期間
を図2(F)に示すように生じさせて、正弦波交流電圧
の瞬時値に比例してPWM周期Δt毎にデューティ値が
変化する断続波形(図2Fに示した波形と同様の波形)
の負の半波の電圧をインバータ回路5から出力させる。
図2においてt0 は、交流出力電圧が負の半波から正の
半波に移行する際の零クロス点である。
【0059】インバータ回路5から出力される断続波形
の交流電圧は、フィルタ回路6を通して滑らかな正弦波
交流出力電圧に変換された後、負荷接続端子7u,7v
を通して負荷9に与えられる。
【0060】PWM信号は、通常、第1の状態(図2に
示した例ではHレベルの状態)と第2の状態(図2に示
した例ではLレベルの状態)とを交互にとるパルス波形
の信号からなっていて、PWM信号が第1の状態をとる
期間インバータ回路のスイッチ素子をオン状態にし、P
WM信号が第2の状態をとる期間インバータ回路5のス
イッチ素子をオフ状態にする。
【0061】図2に示した例では、PWM信号Gu及び
Gxを一定のPWM周期Δtで発生する互いに逆位相の
パルス信号とし、PWM信号Gy及びGvをそれぞれP
WM信号Gu及びGxに対して所定の位相遅れを持った
互いに逆位相のパルス信号として、各PWM信号のデュ
ーティ値をPWM周期Δt毎に変化させることにより、
インバータ回路5からPWM周期Δt毎にデューティ値
が変化する断続波形の交流電圧を出力させるようにして
いる。
【0062】図1に示したインバータ発電装置では、図
2(G)及び(H)に示したように、インバータ回路の
ブリッジの上辺を構成するFET Fu,Fvが同時に
オン状態になる期間及びブリッジの下辺を構成するFE
T Fx,Fyが同時にオン状態になる期間を生じさせ
るように、インバータ回路のFETのスイッチングパタ
ーンを定めている。このようにスイッチングパターンを
定めると、上辺のFET Fu,Fvが同時にオン状態
になる期間、及び下辺のFET Fx,Fyが同時にオ
ン状態になる期間にフィルタ回路6のコンデンサの電荷
を放電させることができるため、負荷接続端子7u,7
v間に得る交流出力電圧をより滑らかな波形とすること
ができる。
【0063】本明細書では、各PWM周期Δtにおい
て、インバータ回路の出力電圧または出力電流が高レベ
ルになる期間(インバータ回路の対角位置にあるスイッ
チ素子が同時にオン状態になる期間)がPWM周期Δt
に対して占める割合をPWM制御のデューティ値Dとし
ている。
【0064】マイクロコンピュータを用いてコントロー
ラ12を構成する場合には、マイクロコンピュータ内で
一定の周期で発生するパルスをPWM周期計数用カウン
タにより計数することにより各PWM周期を検出し、各
PWM周期が開始されるタイミングをスイッチタイミン
グとする。
【0065】マイクロコンピュータ12cは、FET
Fu,Fx及びFv,Fyのそれぞれに対して、PWM
周期Δt毎に内部割込み処理を行い、その内部割込み処
理でマップから読み出す等の方法により求めたデューテ
ィ値に基づいてPWM信号発生用タイマにスイッチ素子
のオン時間をセットして、該タイマがセットされたオン
時間の計時を行っている間CPU12cの駆動指令信号
出力ポートの電位を第1の状態(例えばHレベルの状
態)にして、パルス波形の駆動指令信号Gu´,Gx´
及びGv´及びGy´を発生させる。PWM信号出力回
路12dは、CPUが駆動指令信号Gu´,Gv´,G
x´及びGy´をそれぞれ発生したときにFET F
u,Fv,Fx及びFyのゲート(スイッチ素子の制御
端子)にPWM信号Gu,Gv,Gx及びGyを与えて
それぞれのFETをオンオフ制御する。
【0066】図3は、負荷接続端子間に得る交流出力電
圧の波形を正弦波形とする場合の内部割込みタイミング
(インバータ回路のスイッチ素子のスイッチタイミン
グ)とPWM信号のデューティ値との関係を示したもの
で、同図においてaは負荷接続端子間に得る交流電圧の
波形、ΔtはPWM周期、VA は交流電圧aの波高値の
定格値、Vavは交流電圧aの平均値、Tは交流電圧の周
期(得ようとする交流電圧の周期)である。
【0067】この場合、インバータ回路は、負荷接続端
子間に得る交流出力電圧aの瞬時値に応じてPWM周期
Δt毎にデューティ値Dが変化する断続波形の交流電圧
を出力する。この交流電圧の波形は、1サイクルの正弦
波交流電圧をn個に分割して、階段状とした波形とな
る。この階段状の交流電圧波形をフィルタ回路6に通す
ことにより、高調波成分を除去して負荷接続端子7u,
7v間に滑らかな正弦波形の出力電圧を得る。
【0068】インバータ発電装置の出力電圧を正弦波形
の交流電圧とする場合、インバータ出力の基準デューテ
ィ値Do は下記の式により与えられる。
【0069】 Do =Sin (2πnΔt/T) …(1) ここでnはPWM周期が交流電圧波形の立ち上がりの零
クロス点から何番目のPWM周期であるかを示す数値
で、PWM周期を計数するためにコントローラに設けら
れたカウンタの計数値により与えられる。
【0070】コントローラ12が行うPWM制御では、
上記(1)式により与えられる基準デューティ値Do
に、直流電源電圧VD の変化に伴なって変化する所定の
補正係数Kv を乗じた値をデューティ値Dとする。
【0071】直流電源電圧VD は、出力電流ID に対し
て例えば図4(A)に示す曲線のように変化する。負荷
接続端子7u,7v間に得る交流出力電圧の波高値の最
大定格値をVAmaxとすると、その時の動作点は図4に示
すPr となり、最大定格負荷電流はIDmaxとなる。ここ
で最大定格負荷電流IDmaxは、負荷接続端子間に波形歪
みがない交流電圧を得る場合に許容される最大負荷電流
である。この最大定格負荷電流IDmaxを超える負荷電流
を流すと、交流出力電圧の波形は図5に示すように頭が
潰れた波形となる。
【0072】ここでインバータ発電装置から出力させる
交流電圧の波高値の定格値をVA (<VAmax)とすると
動作点は図4(A)のP1 点となり、定格負荷電流はI
DAとなる。図4に示すように直流電源電圧VD が変化す
る場合に、交流出力電圧の波高値を定格値VA とするた
めに、上記基準デューティ値Do に乗じる必要がある補
正係数をKv とすると、この補正係数Kv は、下記の式
により与えられる。
【0073】 Kv =VA /VD …(2) 従って、交流出力電圧の波高値の定格値をVA とする場
合の、PWM制御のデューティ値Dは、下記の式により
与えられる。
【0074】 D=Sin (2πnΔt/T)×(VA /VD ) …(3) また図1に示したインバータ発電装置では、負荷接続端
子7u,7v間の電圧の瞬時値を与えるデータAN0を
CPU12cに読み込んで、このデータが定格値を与え
るデータよりも小さいときにPWM制御のデューティ値
Dを大きくし、負荷接続端子7u,7v間の電圧の瞬時
値を与えるデータAN0が定格値を与えるデータよりも
大きいときに、PWM制御のデューティ値Dを小さくす
るようにデューティ値Dを補正して、出力電圧検出回路
11により検出される電圧と定格値との変さを零に近付
ける制御を行うようにしている。
【0075】このような補正を行った後のデューティ値
D´は、下記の式により与えられる。
【0076】 D´=D+G×(ANS−AN0)×Kc …(4) ここで、ANSは交流出力電圧の各瞬時値の定格値、G
は定格値ANSとAN0との偏差に対する補正量の割合
を決めるゲインである。ゲインGは通常1以下の値に設
定される。また係数Kc は、負荷接続端子間の電圧の瞬
時データの補正値[G×(ANS−AN0)]をその時
のデューティ値の補正値に変換するために補正値に乗じ
る係数で、Kv により決まる数値である。
【0077】CPU12cは、PWM周期計数用カウン
タによりPWM周期が検出される毎に、カウンタの計数
値nに応じてROMから読み出した基準デューティ値D
o と、読み込んだ直流電源電圧のデータAN1(=VD
)に対して(2)式により演算した補正係数Kv とを
用いて、(3)式によりデューティ値Dを求めるか、ま
たは予めROMに記憶させたデューティ演算用マップか
ら読み出すことによりデューティ値Dの値を求める。こ
こで用いるデューティ演算用マップは、例えば、カウン
タの計数値nと整流器の出力電圧のデータAN1とデュ
ーティ値Dとの間の関係を与える3次元マップである。
【0078】また、負荷接続端子7u,7v間の電圧と
定格値との偏差を零にする制御を行う場合には、(4)
式を用いて出力電圧のデータAN0と定格値との偏差を
無くすように補正されたデューティ値D´を演算し、こ
のデューティ値D´でインバータ回路の出力をPWM制
御するようにインバータ回路のFETにPWM信号を与
える。
【0079】図1の電源装置においてはまた、直流電源
電圧VD が過電流判定電圧値よりも低くなった時に負荷
接続端子7u,7vを通して設定値を超える過電流が流
れたことを検出して、CPU12cのポートをオフ状態
にし(Enable/Disable 信号E/DをDisable の状態に
し)、これにより、インバータ回路5のスイッチ素子へ
のPWM信号の供給を停止して、過電流を遮断する過電
流保護制御を行う。
【0080】上記のように、直流電源電圧VD の大きさ
から過負荷電流が流れたことを検出する代りに、インバ
ータ回路5を通して流れる負荷電流を検出する電流検出
器を設けて、該電流検出器の出力から過負荷判定電流値
を超える過負荷電流が流れたことが検出されたときに、
インバータ回路5へのPWM信号の供給を停止して、過
負荷電流を遮断するようにしてもよい。
【0081】図1に示したインバータ発電装置ではま
た、並列運転時に備えて、負荷接続端子7u,7vに外
部交流電源から外部交流電圧が印加されたときにインバ
ータ回路から負荷接続端子に与えられる交流出力電圧の
波形、波高値及び位相をそれぞれ外部交流電圧の波形、
波高値及び位相に一致させる制御を行うようにコントロ
ーラ12が構成されている。
【0082】図6に示すように、上記のようなインバー
タ発電装置を2台設けて、該2台のインバータ発電装置
1A,1Bを並列運転する場合を考える。なお図6に示
す例では、フィルタ回路6と負荷接続端子7vとの間を
接続する線路に電流検出器13を取付けて、この電流検
出器13の出力をコントローラ12に入力することによ
り、インバータ回路を通して過負荷電流が流れたことを
検出することができるようにしている。
【0083】図6に示すように2台のインバータ発電装
置1A及び1Bを並列運転している状態では、コントロ
ーラ12が、2台のインバータ発電装置の交流出力電圧
の波形、波高値及び位相を一致させる制御を行ってい
る。
【0084】このような制御を行っていても、それぞれ
のインバータ発電装置のコントローラのクロックパルス
のずれ等により、両インバータ発電装置のPWM制御の
タイミング(各PWM周期Δtが開始されるタイミン
グ)にずれが生じると、2台のインバータ回路の出力の
平衡が崩れることがある。2台のインバータ発電装置の
平衡が崩れて、ある瞬間にたとえばインバータ発電装置
1Bの出力電圧がインバータ発電装置1Aの出力電圧よ
りも大きくなったとすると、図6に白抜きの矢印で示し
たように、インバータ発電装置1Bから出力された負荷
電流ILBの一部ILB1 は負荷9側に流れるが、他の一部
ILB2 はインバータ発電装置1Aのインバータ回路5内
の帰還用ダイオードにより構成された整流回路を通して
直流電源部DC側に流れる。このように、インバータ発
電装置1B側からインバータ発電装置1A内に電流ILB
2 が流れ込むと、この電流により平滑用コンデンサCd
が充電されるため、直流電源電圧VD が上昇し、PWM
制御のデューティ値Dは小さくなっていく。このような
状態では、交流発電機の動作点が図4(B)に示す斜線
の領域に入り、平滑用コンデンサCdの両端の電圧(直
流電源電圧)VD は、最終的には、交流発電機3の無負
荷出力電圧(波高値)Vo よりも高い電圧VHに達す
る。この状態では、インバータ回路1Aからは負荷9に
電流を供給することができなくなり、並列運転の目的を
達成することができなくなる。
【0085】本発明においては、上記のように、2台の
インバータ発電装置の出力の平衡が崩れた時に、負荷接
続端子側からインバータ回路側に電流が流れ込む方のイ
ンバータ発電装置の直流電源電圧VD が直流電源部の無
負荷出力電圧(発電機の無負荷出力電圧の波高値)Vo
よりも更に高い電圧VH に達することに着目して、直流
電源電圧VD が該直流電源部の無負荷出力電圧Vo 以上
に設定された判定値(VH )を超えたことが検出された
ときに2台のインバータ発電装置の出力の平衡が崩れて
いると判定する。
【0086】上記のように、各インバータ発電装置の直
流電源電圧VD を検出して、検出された直流電源電圧が
直流電源部の無負荷出力電圧Vo 以上に設定された判定
値VH 以下であるか否かを判定する過程を電源電圧判定
過程として、この過程を随時行うことにより、並列運転
している2台のインバータ発電装置1A,1Bの出力の
平衡がとれているか否かを随時判定する。
【0087】そして、インバータ発電装置1A及び1B
のそれぞれから負荷接続端子7u,7vを通して波形歪
みがない交流電圧を出力させる場合に許容される最大定
格負荷電流IDmaxが各インバータ発電装置のインバータ
回路5を通して負荷側に流れた時の直流電源電圧の値を
定常時の下限電源電圧値[図4(A)のVAmax]とし
て、上記電源電圧判定過程で2台のインバータ発電装置
1A及び1Bの直流電源電圧VD が共に判定値VH 以下
であると判定されたときには、各インバータ発電装置の
過負荷保護制御の過負荷判定電圧値を定常時の下限電源
電圧値に等しく設定して各インバータ発電装置の負荷電
流が最大定格負荷電流IDmaxを超えるのを禁止する。
【0088】また上記電源電圧判定過程で、一方のイン
バータ発電装置(図6に示した例ではインバータ発電装
置1A)の直流電源電圧が判定値VH を超えていると判
定されたときには、他方のインバータ発電装置1Bの過
負荷保護制御の過負荷判定電圧値を定常時の下限電源電
圧値よりも更に低い値に設定して該他方のインバータ発
電装置1Bの過負荷運転を許容する。
【0089】上記のように、一方のインバータ発電装置
1Aに他方のインバータ発電装置1Bから電流が流れ込
んでいると判定されたときに、他方のインバータ発電装
置1Bの負荷電流が最大定格負荷電流値を超えるのを許
容する制御を行うようにすると、他方のインバータ発電
装置1Bの出力電圧が過負荷電流のために低下する。そ
のため、他方のインバータ発電装置1B側から一方のイ
ンバータ発電装置1Aに電流が流れ込むことがなくな
り、一方のインバータ発電装置1Aの直流電源電圧VD
が低下していく。そのため、図7に示すように、一方の
インバータ発電装置1A側からも負荷電流ILAが流れる
ようになり、並列運転状態を回復させることができる。
【0090】図7に示すように、2台のインバータ発電
装置1A,1Bを並列運転している状態で2台のインバ
ータ発電装置1A,1Bの負荷電流がともに過大になっ
たときには、両インバータ発電装置のインバータ回路へ
のPWM信号の供給を停止することにより、両インバー
タ発電装置の出力を停止して、負荷9に過電流が流れる
のを防止する。
【0091】図6,図7に示したように、各インバータ
発電装置に負荷電流検出器13を設ける場合には、各イ
ンバータ発電装置の負荷電流を検出して、インバータ回
路から過負荷判定電流値を超える負荷電流が流れたとき
にインバータ回路の出力を停止させることにより過負荷
保護制御を行うようにしてもよい。
【0092】本発明を適用するインバータ発電装置にお
いて、上記のような過電流保護制御が行われる場合に
は、上記電源電圧判定過程で2台のインバータ発電装置
1A,1Bの直流電源電圧VD がそれぞれの直流電源部
DCの無負荷出力電圧Vo 以下であると判定されたとき
に、各インバータ発電装置の過負荷判定電流値を各イン
バータ発電装置から波形歪みがない交流出力電圧を出力
させる場合に許容される最大定格負荷電流IDmaxの値に
等しく設定して、各インバータ発電装置の負荷電流が最
大定格電流を超えるのを禁止し、電源電圧判定過程でい
ずれか一方のインバータ発電装置、例えば発電装置1A
の直流電源電圧が無負荷出力電圧Vo を超えていると判
定されたときには、他方のインバータ発電装置1Bの過
負荷判定電流値を最大定格負荷電流の値よりも大きい値
に設定して該他方のインバータ発電装置の負荷電流が最
大定格負荷電流を超える状態になる過負荷運転を許容す
る。図1に示したインバータ発電装置では、PWM制御
において、負荷接続端子から出力させる交流出力電圧の
波形を所望の波形とするために必要な基準デューティ値
Do に補正係数Kv を乗じた値をデューティ値Dとし、
負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印加さ
れたときにインバータ回路5から負荷接続端子7u,7
vに与えられる交流出力電圧の波形、波高値及び位相を
それぞれ外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致さ
せる制御を行うように各インバータ発電装置のコントロ
ーラ12を構成することができる。
【0093】このようにコントローラ12が構成される
インバータ発電装置に本発明を適用する場合には、2台
のインバータ発電装置1A,1Bの交流発電機3とし
て、同一の特性を有するものを用い、例えば図8に示す
ように、インバータ発電装置1Bの電源電圧検出回路を
通して検出される直流電源電圧のデータAN1´(=V
D ´)をインバータ発電装置1Aのコントローラ12に
与え、インバータ発電装置1Aの電源電圧検出回路を通
して検出される直流電源電圧のデータAN1(=VD )
をインバータ発電措置1Bのコントローラ12に与え
る。そして、インバータ発電装置1A,1Bでそれぞれ
の直流電源電圧VD 及びVD ´を検出して、検出された
直流電源電圧VD 及びVD ´がそれぞれのインバータ発
電装置の直流電源部の無負荷出力電圧Vo 以上に設定さ
れた判定値VH 以下であるか否かを判定する電源電圧判
定過程を行い、電源電圧判定過程で2台のインバータ発
電装置1A,1Bの直流電源電圧VD ,VD ´が共に判
定値以下であると判定されたときには、負荷接続端子7
u,7vを通して出力される交流電圧の波高値の定格値
VA とそれぞれのインバータ発電装置の直流電源電圧V
D 及びVD ´との比VA/VD 及びVA /VD ´をイン
バータ発電装置1A,1BのPWM制御で用いる補正係
数Kv とする。
【0094】また、電源電圧判定過程で、いずれか一方
のインバータ発電装置、例えばインバータ発電装置1A
の直流電源電圧VD が判定値VH を超えていると判定さ
れたときには、負荷接続端子7u,7v間の電圧の波高
値の定格値VA と他方のインバータ発電装置1Bの直流
電源電圧VD ´との比VA /VD ´を該一方のインバー
タ発電装置1AのPWM制御で用いる補正係数Kv とす
る。
【0095】このように、一方のインバータ発電装置1
Aの直流電源電圧が判定値VH を超えていると判定され
たとき、即ち、他方のインバータ発電装置1Bの負荷電
流が、一方のインバータ発電装置1Aに流れ込む状態が
生じているときに、一方のインバータ発電装置1AのP
WM制御のデューティ値を決定するために基準デューテ
ィ値に乗じる補正係数Kv として、負荷接続端子を通し
て負荷9に印加される交流出力電圧の波高値の定格値V
A と他方のインバータ発電装置1Bの直流電源電圧VD
´との比VA /VD ´を用いるようにすると、2台のイ
ンバータ発電装置1A,1BのPWM制御のデューティ
値Dを決めるための補正係数を共にVA/VD ´とし
て、両インバータ発電装置のPWM制御のデューティ値
を等しくすることができるため、2台のインバータ発電
装置の出力のアンバランスを解消して、一方のインバー
タ発電装置に他方のインバータ発電装置側から電流が流
れ込むのを防ぐことができる。
【0096】同様に、電源電圧判定過程で、インバータ
発電装置1Bの直流電源電圧VD ´が直流電源部の無負
荷出力電圧の波高値Vo を超えていると判定されたとき
には、負荷接続端子7u,7v間の電圧の波高値の定格
値VA とインバータ発電装置1Aの直流電源電圧VD と
の比VA /VD を該インバータ発電装置1AのPWM制
御で用いる補正係数Kv とする。
【0097】本発明においてはまた、図9に示すよう
に、2台のインバータ発電装置1A,1Bのコントロー
ラ12の間を信号線14により接続して、2台のインバ
ータ発電装置1A,1Bのうちの一方で行われるPWM
制御の各PWM周期の開始タイミングを定めるタイミン
グ信号を信号線14を通して他方のインバータ発電装置
に与えて、他方のインバータ発電装置で行うPWM制御
の各PWM周期の開始タイミングを一方のインバータ発
電装置から与えられたタイミング信号により定めるよう
にしてもよい。このように構成すると、2台のインバー
タ発電装置1A,1BでPWM制御を常に同期させて行
わせることができるため、両インバータ発電装置のPW
M制御のタイミングがずれるのを防いで、両インバータ
発電装置の出力を常に平衡させることができる。したが
って、両インバータ発電装置の出力のバランスが崩れ
て、一方のインバータ発電装置から他方のインバータ発
電装置に電流が流れ込む状態が生じるのを防いで、2台
のインバータ発電装置の並列運転を支障なく行わせるこ
とができる。
【0098】このような制御を行う場合、過負荷保護制
御においては、直流電源部の出力電圧から過負荷状態の
判定を行ってもよく、負荷電流を検出して過負荷状態の
判定を行ってもよい。
【0099】本発明においてはまた、電源電圧判定過程
で、インバータ発電装置1Aで直流電源電圧VD が直流
電源部の無負荷出力電圧以上に設定された判定値以下で
あると判定されたときに負荷接続端子7u,7vを通し
て出力される電圧の波高値の定格値VA とインバータ発
電装置1Aの直流電源電圧VD との比VA /VD を補正
係数Kv とし、電源電圧判定過程で直流電源電圧VD が
判定値を超えていると判定されたときに、定格値VA と
交流発電機の無負荷電圧Vo 以下に設定された仮の直流
電源電圧VDoとの比VA /VDoを補正係数Kv とするよ
うにしてもよい。
【0100】図10に示すように、インバータ発電装置
1Aと1Bとを並列運転している状態で、何らかの原因
で、両インバータ発電装置の出力の平衡が崩れてインバ
ータ発電装置1Bからインバータ発電装置1A側に電流
が流れ込む状態が生じ、インバータ発電装置1Aの直流
電源電圧VD が判定値を超えたときに、上記のように、
インバータ発電装置1Aの交流出力電圧の波高値の定格
値VA と、交流発電機3の無負荷出力電圧Vo 以下に設
定された仮の直流電源電圧VDoとの比VA /VDoをPW
M制御のデューティ値Dを演算するために用いる補正係
数Kv とするようにすると、図11に示すように、イン
バータ発電装置1Aに流れ込む電流を零にするか、また
はインバータ発電装置1Aから多少の負荷電流が流出す
る状態にして、該インバータ発電装置1A内に電流が逆
流する状態を解消することができる。このとき、インバ
ータ発電装置1Aと並列運転しているインバータ発電装
置1Bの負荷電流は全て負荷で消費されるため、該イン
バータ発電装置1Bの負荷電流が増大し、その交流出力
電圧が低下する。インバータ発電装置1Bの交流出力電
圧が低下すると、インバータ発電装置1Aの直流電源電
圧VD が低下するため、該インバータ発電装置1Aの出
力電圧が上昇し、図12に示すように、インバータ発電
装置1A及び1Bの双方から負荷9に電流が供給される
正常な状態に復帰する。
【0101】図10ないし図12に示した例では、イン
バータ発電装置1Aの出力とインバータ発電装置1Bの
出力とがアンバランスになったときに、インバータ発電
装置1Aが単独で、そのアンバランス状態を解消する制
御を行う。したがって、この場合、インバータ発電装置
1Bは、インバータ発電装置1A側から見て外部交流電
源であればよく、インバータ発電装置1Aと構成が異な
る発電装置や商用電源等であってもよい。
【0102】本発明においてはまた、電源電圧判定過程
で、直流電源電圧VD が判定値を超えていると判定され
たときに、インバータ回路のスイッチ素子の制御端子に
与えるPWM信号の位相をシフトすることにより、イン
バータ発電装置の出力と該インバータ発電装置と並列運
転している外部交流電源の出力とを平衡させて、直流電
源電圧VD を交流発電機3の無負荷電圧以下に調整する
ようにしてもよい。
【0103】PWM信号の位相をシフトするには、例え
ば、位相の1回のシフト量δtをPWM周期Δtよりも
短い時間(δt<Δt)に設定して、図13(A)ない
し(E)に示すように、一連のPWM信号G1 ,G2 ,
…を交流出力電圧の1サイクル毎にδtずつ遅らせる
か、または図13(F)ないし(I)に示すように、一
連のPWM信号G1 ,G2 ,…を1サイクル毎にδtず
つ進めるようにすればよい。
【0104】図13(B)ないし(E)はそれぞれ、同
図(A)に対してPWM信号G1 ,G2 ,…の位相をδ
t,2δt,nδt及び(Δt/δt)×δtだけ遅ら
せた状態を示している。また図13(F)ないし(I)
はそれぞれ、PWM信号G1,G2 ,…の位相を同図
(A)の状態に対してδt,2δt,nδt及び(Δt
/δt)×δPだけ進めた状態を示している。
【0105】PWM周期をずらし過ぎるとインバータ発
電装置の出力と並列運転している他の電源の出力との位
相差が大きくなって、出力のアンバランスがかえって大
きくなるので、PWM周期のシフト量δtは、±1PW
M周期(Δt)以内とするのが好ましい。
【0106】PWM信号の位相をシフトすることによ
り、インバータ発電装置の出力と外部交流電源の出力と
を平衡させる際には、例えば、PWM信号の位相をδ
t,2δt,nδt,…とずらしたときの直流電源電圧
のデータをそれぞれAN1(1),AN1(2),AN
1(n),…として、PWM信号の位相を0から1PW
M終期Δtまでずらしたときの一連のAN1の値を記憶
させておいて、直流電源電圧のデータAN1が最も低く
なったときの位相のシフト量を最適のシフト量として採
用し、その最適のシフト量だけPWM信号の位相をシフ
トさせた状態でインバータ発電装置を運転する。
【0107】またPWM信号の位相をシフトすることに
よりインバータ発電装置の出力と外部交流電源の出力と
の不平衡状態を是正する場合、PWM信号の位相を遅ら
せる過程と進ませる過程とを適宜に組み合わせる方法を
とることもできる。
【0108】例えば、インバータ発電装置の直流電源電
圧のデータAN1から、直流電源電圧が判定値VH 以上
になったことが検出されたときに、交流出力電圧の1サ
イクル毎にPWM信号の位相をδtずつ遅らせ、位相を
δt遅らせる毎に、直流電源電圧のデータAN1を読み
込んで、読み込んだAN1を位相を前回の(1サイクル
前の)AN1と比較する。その結果、AN1の値が前回
の値よりも小さくなっているときにはPWM信号の位相
を更にδt遅らせる。これらの過程を繰り返した結果、
AN1の値が前回よりも大きくなったときに、次のサイ
クルではPWM信号の位相をδt進め、位相を進めた後
のAN1の値を前回の値と比較する。直流電源部から得
られる直流電源電圧VD が判定値VH よりも低くなるま
で、これらの過程を繰り返し、直流電源電圧VD が判定
値VH よりも低くなった状態を出力の平衡が是正された
状態として、その状態でインバータ発電装置を運転す
る。上記のような制御を行うと、何らかの原因でインバ
ータ発電装置の出力と外部交流電源の出力との平衡が崩
れたときに、その平衡をとり直す(インバータの出力電
圧の波形、波高値及び位相を外部交流電源から与えられ
る交流電圧の波形、波高値及び位相に一致させる状態に
戻す)ことができるため、外部交流電源側から負荷接続
端子を通してインバータ回路側に電流が流れ込む状態を
解消することができる。
【0109】この場合も、インバータ発電装置と並列運
転する外部交流電源は同じ構成のインバータ発電装置で
もよく、他の発電装置や商用電源等でもよい。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、インバ
ータ発電装置を外部交流電源と並列運転している状態
で、インバータ発電装置の出力と外部交流電源の出力と
の平衡が崩れて、外部交流電源からインバータ発電装置
内に電流が流れ込む状態が生じたときに、それを検出し
て、インバータ発電装置の出力と外部交流電源の出力と
を平衡させる措置を講じるようにしたので、インバータ
発電装置と外部交流電源との並列運転を支障なく行わせ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とするインバータ発電装置の構成
例を示した回路図である。
【図2】図1のインバータ発電装置で用いるインバータ
回路のスイッチ素子へのPWM信号の供給動作とスイッ
チ素子のオンオフ動作とを示したタイミングチャートで
ある。
【図3】図1のインバータ発電装置において負荷接続端
子間に得る交流電圧の波形と、PWM制御における内部
割込みタイミングとを示した説明図である。
【図4】(A)及び(B)は図1のインバータ発電装置
の直流電源部の出力特性を示した線図である。
【図5】図1のインバータ発電装置において、負荷電流
が最大定格負荷電流を超えたときの出力電圧波形を示し
た波形図である。
【図6】図1のインバータ発電装置を2台並列運転して
いる状態で両インバータ発電装置の出力のバランスが崩
れたときの状態を示した回路図である。
【図7】図1のインバータ発電装置を2台並列運転して
いる状態で両インバータ発電装置の出力のバランスがと
れたときの状態を示した回路図である。
【図8】2台のインバータ発電装置を並列運転するとき
の本発明の制御方法において、それぞれの発電装置の直
流電源部の出力のデータを他のインバータ発電装置のコ
ントローラに与えて出力のアンバランスを解消する場合
の装置の構成を示した回路図である。
【図9】2台のインバータ発電装置を並列運転するとき
の本発明の制御方法において、それぞれの発電装置のP
WM制御のタイミングを同期させる方法をとる場合の装
置の構成を示した回路図である。
【図10】インバータ発電装置と外部交流電源とを並列
運転している状態で両者の出力のアンバランスが生じた
ときの状態を示した回路図である。
【図11】インバータ発電装置と外部交流電源とを並列
運転している状態で外部交流電源からインバータ発電装
置に電流が流れ込む状態が解消されたときの状態を示し
た回路図である。
【図12】インバータ発電装置と外部交流電源との並列
運転において両者の出力のアンバランスが解消された状
態を示した回路図である。
【図13】本発明の一実施形態で行うPWM信号の位相
シフトを説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,1A,1B…インバータ発電装置、2…交流発電
機、3…内燃機関、4…整流器、Cd…平滑用コンデン
サ、DC…直流電源部、5…インバータ回路、6…フィ
ルタ回路、7u,7v…負荷接続端子、9…負荷、10
…電源電圧検出回路、11…出力電圧検出回路、12…
コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 昌紀 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株式 会社内 Fターム(参考) 5G066 HA08 HB03 5H007 AA17 BB06 CA02 CB05 CC05 DA05 DB01 DB07 DC05 EA02 FA03 FA13 FA18 5H420 CC04 CC09 CC10 DD03 EA14 EA45 EA48 EB09 EB26 EB38 FF03 FF04 FF22 FF25 LL05 5H750 AA02 BA08 CC07 CC14 CC16 DD14 DD17 DD21 EE04 FF05 FF07 GG10 GG14 GG17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力から
    高調波成分を除去するフィルタ回路と、前記フィルタ回
    路の出力が印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端
    子に外部交流電源から電圧が印加されていないときには
    前記フィルタ回路を通して所望の交流電圧を出力させる
    ように前記インバータ回路を制御し、前記負荷接続端子
    に外部交流電源から電圧が印加されているときには前記
    フィルタ回路から出力される交流電圧の波形、波高値及
    び位相をそれぞれ外部交流電源から印加されている交流
    電圧の波形、波高値及び位相に一致させるように前記イ
    ンバータ回路を制御するインバータ発電装置を2台設け
    て、該2台のインバータ発電装置を並列運転するときの
    制御方法であって、 各インバータ発電装置の直流電源電圧を検出して、前記
    2台のインバータ発電装置の直流電源電圧が共にそれぞ
    れの直流電源部の無負荷出力電圧以上の値に設定された
    判定値以下であるときに、各インバータ発電装置の負荷
    電流を、各インバータ発電装置から波形歪みがない交流
    電圧を出力させる場合に許容される最大定格負荷電流値
    以下に制限する制御を行い、 いずれか一方のインバータ発電装置の直流電源電圧が前
    記判定値を超えているときには他方のインバータ発電装
    置の負荷電流が前記最大定格負荷電流値を超えるのを許
    容する制御を行うことを特徴とするインバータ発電装置
    の制御方法。
  2. 【請求項2】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値が変化する断続波形の交流電圧を前
    記インバータ回路から出力させるように前記インバータ
    回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与えるP
    WM制御と前記直流電源電圧の値が過負荷判定電圧値よ
    りも低くなったときに前記インバータ回路の出力を停止
    させるように制御する過負荷保護制御とを行うコントロ
    ーラとを備えたインバータ発電装置を2台設けて、該2
    台のインバータ発電装置を並列運転しているときの制御
    方法であって、 前記負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印
    加されたときに前記インバータ回路から負荷接続端子に
    与えられる交流出力電圧の波形、波高値及び位相をそれ
    ぞれ前記外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致さ
    せる制御を行うように前記コントローラを構成してお
    き、 各インバータ発電装置の直流電源電圧を検出して、検出
    された直流電源電圧が各インバータ発電装置の直流電源
    部の無負荷出力電圧以上の値に設定された判定値以下で
    あるか否かを判定する電源電圧判定過程を行い、 各インバータ発電装置の負荷接続端子を通して波形歪み
    がない交流電圧を出力させる場合に許容される最大定格
    負荷電流が各インバータ発電装置のインバータ回路を通
    して負荷側に流れた時の前記直流電源電圧の値を定常時
    の下限電源電圧値として、前記電源電圧判定過程で前記
    直流電源電圧が前記判定値以下であると判定されたとき
    には、各インバータ発電装置の前記過負荷保護制御の過
    負荷判定電圧値を前記定常時の下限電源電圧値に等しく
    設定して各インバータ発電装置の負荷電流が最大定格負
    荷電流を超えるのを禁止し、 前記電源電圧判定過程で、一方のインバータ発電装置の
    直流電源電圧が前記判定値を超えていると判定されたと
    きには、他方のインバータ発電装置の過負荷保護制御の
    過負荷判定電圧値を前記定常時の下限電源電圧値よりも
    更に低い値に設定して該他方のインバータ発電装置の過
    負荷運転を許容することを特徴とするインバータ発電装
    置の制御方法。
  3. 【請求項3】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値が変化する断続波形の交流電圧を前
    記インバータ回路から出力させるように前記インバータ
    回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与えるP
    WM制御と前記インバータ回路を通して過負荷判定電流
    値を超える負荷電流が流れたときに前記インバータ回路
    の出力を停止させるように制御する過負荷保護制御とを
    行うコントローラとを備えたインバータ発電装置を2台
    設けて、該2台のインバータ発電装置を並列運転すると
    きの制御方法であって、 前記負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印
    加されたときに前記インバータ回路から負荷接続端子に
    与えられる交流出力電圧の波形、波高値及び位相をそれ
    ぞれ前記外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致さ
    せる制御を行うように前記コントローラを構成してお
    き、 各インバータ発電装置の直流電源電圧を検出して、検出
    された直流電源電圧が各インバータ発電装置の直流電源
    部の無負荷出力電圧以上に設定された判定値以下である
    か否かを判定する電源電圧判定過程を行い、 前記電源電圧判定過程で前記2台のインバータ発電装置
    の直流電源電圧が判定値以下であると判定されたときに
    は、各インバータ発電装置の前記過負荷判定電流値を各
    インバータ発電装置から波形歪みがない交流出力電圧を
    出力させる場合に許容される最大定格負荷電流の値に等
    しく設定して、各インバータ発電装置の負荷電流が最大
    定格電流を超えるのを禁止し、 前記電源電圧判定過程で、いずれか一方のインバータ発
    電装置の直流電源電圧が前記判定値を超えていると判定
    されたときには、他方のインバータ発電装置の過負荷判
    定電流値を前記最大定格負荷電流の値よりも大きい値に
    設定して該他方のインバータ発電装置の負荷電流が前記
    最大定格負荷電流を超える状態になる過負荷運転を許容
    することを特徴とするインバータ発電装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値Dが変化する断続波形の交流電圧を
    前記インバータ回路から出力させるように前記インバー
    タ回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与える
    PWM制御と前記インバータ回路を通して過負荷電流が
    流れたときに前記インバータ回路の出力を停止させるよ
    うに制御する過負荷保護制御とを行うコントローラとを
    備えたインバータ発電装置を2台設けて、該2台のイン
    バータ発電装置を並列運転するときの制御方法であっ
    て、 前記PWM制御では、前記負荷接続端子から出力させる
    交流出力電圧の波形を所望の波形とするために必要な基
    準デューティ値Do に補正係数Kv を乗じた値を前記デ
    ューティ値Dとし、前記負荷接続端子に外部交流電源か
    ら外部交流電圧が印加されたときには前記インバータ回
    路から負荷接続端子に与えられる交流出力電圧の波形、
    波高値及び位相をそれぞれ前記外部交流電圧の波形、波
    高値及び位相に一致させる制御を行うように前記コント
    ローラを構成しておき、 前記2台のインバータ発電装置の交流発電機として、同
    一の特性を有するものを用い、 前記2台のインバータ発電装置のそれぞれの直流電源電
    圧を検出して、検出された直流電源電圧がそれぞれの発
    電装置の直流電源部の無負荷出力電圧以上に設定された
    判定値以下であるか否かを判定する電源電圧判定過程を
    行い、 前記電源電圧判定過程で、前記2台のインバータ発電装
    置の直流電源電圧が前記判定値以下であると判定された
    ときには、前記負荷接続端子を通して出力される交流電
    圧の波高値の定格値VA と前記2台のインバータ発電装
    置のそれぞれの直流電源電圧VD およびVD ´との比V
    A /VD およびVA /VD ´を前記2台のインバータ発
    電装置のPWM制御で用いる前記補正係数Kv とし、 前記電源電圧判定過程で、いずれか一方のインバータ発
    電装置の直流電源電圧VD が前記判定値を超えていると
    判定されたときには、前記負荷接続端子間の電圧の波高
    値の定格値VA と他方のインバータ発電装置の直流電源
    電圧VD ´との比VA /VD ´を該一方のインバータ発
    電装置のPWM制御で用いる補正係数Kv とすることを
    特徴とするインバータ発電装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値が変化する断続波形の交流電圧を前
    記インバータ回路から出力させるように前記インバータ
    回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与えるP
    WM制御と前記インバータ回路を通して過負荷電流が流
    れたときに前記インバータ回路の出力を停止させるよう
    に制御する過負荷保護制御とを行うコントローラとを備
    えたインバータ発電装置を2台設けて、該2台のインバ
    ータ発電装置を並列運転するときの制御方法であって、 前記負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印
    加されたときに前記インバータ回路から負荷接続端子に
    与える交流出力電圧の波形、波高値及び位相をそれぞれ
    前記外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致させる
    制御を行うように前記コントローラを構成しておき、 前記2台のインバータ発電装置のうちの一方で行われる
    PWM制御の各PWM周期の開始タイミングを定めるタ
    イミング信号を他方のインバータ発電装置に与えて、前
    記他方のインバータ発電装置で行うPWM制御の各PW
    M周期の開始タイミングを前記一方のインバータ発電装
    置から与えられたタイミング信号により定め、 前記2台のインバータ発電装置でPWM制御を同期させ
    て行わせることにより、前記2台のインバータ発電装置
    の出力を常に平衡させることを特徴とするインバータ発
    電装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値Dが変化する断続波形の交流電圧を
    前記インバータ回路から出力させるように前記インバー
    タ回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与える
    PWM制御と前記インバータ回路を通して過負荷電流が
    流れたときに前記インバータ回路の出力を停止させるよ
    うに制御する過負荷保護制御とを行うコントローラとを
    備えたインバータ発電装置を制御する方法であって、 前記PWM制御では前記負荷接続端子から出力させる交
    流出力電圧の波形を所望の波形とするために必要な基準
    デューティ値に補正係数Kv を乗じた値を前記デューテ
    ィ値Dとし、前記負荷接続端子に外部交流電源から外部
    交流電圧が印加されたときには前記インバータ回路から
    負荷接続端子に与えられる交流出力電圧の波形、波高値
    及び位相をそれぞれ前記外部交流電圧の波形、波高値及
    び位相に一致させる制御を行うように前記コントローラ
    を構成しておき、 前記直流電源電圧を検出して、検出された直流電源電圧
    が前記直流電源部の無負荷出力電圧以上に設定された判
    定値以下であるか否かを判定する電源電圧判定過程を行
    い、 前記電源電圧判定過程で、前記直流電源電圧が前記判定
    値以下であると判定されたときには、前記負荷接続端子
    を通して出力される電圧の波高値の定格値VAと各イン
    バータ発電装置の直流電源電圧VD との比VA /VD を
    前記補正係数Kv とし、 前記電源電圧判定過程で前記直流電源電圧が前記判定値
    を超えていると判定されたときには、前記定格値VA と
    前記直流電源部の無負荷出力電圧Vo 以下に設定された
    仮の直流電源電圧VDoとの比VA /VDoを前記補正係数
    Kv とすることを特徴とするインバータ発電装置の制御
    方法。
  7. 【請求項7】 交流発電機と、前記交流発電機の出力を
    整流する整流回路と該整流回路の直流出力端子間に接続
    された平滑用コンデンサとを有して該平滑用コンデンサ
    の両端に直流電源電圧を発生する直流電源部と、オンオ
    フ制御が可能なスイッチ素子を有して該スイッチ素子の
    スイッチングにより前記直流電源電圧を交流電圧に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路の交流出力
    から高調波成分を除去して負荷に供給する交流電圧を出
    力するフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力電圧が
    印加される負荷接続端子と、前記負荷接続端子を通して
    負荷に印加する交流出力電圧の瞬時値に応じてPWM周
    期毎にデューティ値Dが変化する断続波形の交流電圧を
    前記インバータ回路から出力させるように前記インバー
    タ回路のスイッチ素子の制御端子にPWM信号を与える
    PWM制御と前記インバータ回路を通して過負荷電流が
    流れたときに前記インバータ回路の出力を停止させるよ
    うに制御する過負荷保護制御とを行うコントローラとを
    備えたインバータ発電装置を制御する方法であって、 前記負荷接続端子に外部交流電源から外部交流電圧が印
    加されたときに前記インバータ回路から負荷接続端子に
    与えられる交流出力電圧の波形、波高値及び位相をそれ
    ぞれ前記外部交流電圧の波形、波高値及び位相に一致さ
    せる制御を行うように前記コントローラを構成してお
    き、 前記直流電源電圧を検出して、検出された直流電源電圧
    が前記直流電源部の無負荷出力電圧以上に設定された判
    定値以下であるか否かを判定する電源電圧判定過程を行
    い、 前記電源電圧判定過程で、前記直流電源電圧が前記判定
    値を超えていると判定されたときに、前記直流電源電圧
    が前記判定値VH 以下になるまで、前記インバータ回路
    のスイッチ素子の制御端子に与えるPWM信号の位相を
    シフトすることを特徴とするインバータ発電装置の制御
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010206904A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Daishin Industries Ltd インバーター発電機
JP6078681B1 (ja) * 2016-07-21 2017-02-08 オリジン電気株式会社 インバータ装置及び制御方法
JP2018026890A (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 サンケン電気株式会社 電源システム

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