JP5210522B2 - 透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物および透湿性防水布帛 - Google Patents

透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物および透湿性防水布帛

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Description

本発明は透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物および透湿性防水布帛に関する。
無孔質のポリウレタン樹脂を有する透湿性防水布帛は、透湿性ポリウレタン樹脂溶液を繊維布帛にコーティングした後乾燥することにより、または、離型紙に透湿性ポリウレタン樹脂溶液をコーティングした後乾燥し、得られたポリウレタン樹脂膜を接着剤で繊維布帛に接着することにより製造される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらに用いられるポリウレタン樹脂溶液の溶剤には、ポリウレタン樹脂の良溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)などの溶剤が使用されており、透湿性防水布帛を製造するに際し、排水、排気中に多量の溶剤が放出されるため、製造時の作業環境衛生上の問題および大気の汚染の問題が生じている。上記溶剤を使用しないものとして、無溶剤型ポリウレタン樹脂(例えば、特許文献3参照)や水性ポリウレタン樹脂(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
特開昭64−62320号公報 特開平3−203920号公報 特開2002−69370号公報 特開2004−300178号公報
しかしながら、無溶剤型ポリウレタン樹脂や水性ポリウレタン樹脂を用いる方法では従来の溶剤を用いたポリウレタン樹脂の場合に比べて塗膜加工性(以下において製膜性ということがあるが同義である。)が悪く、得られる透湿性防水布帛は、耐水性(以下において防水性ということがあるが同義である。)、透湿性や耐熱性が十分ではないため実用化されていないのが現状である。
本発明の目的は、作業環境衛生面および排気処理面での負荷が小さく、従来の溶剤を用いたポリウレタン樹脂と同等以上の塗膜加工性を有し、得られる透湿性防水布帛が耐水性、透湿性、耐熱性に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、アルコール溶媒に可溶な親水性ポリウレタン樹脂で、従来の溶剤を用いたポリウレタン樹脂と同等以上の性能を有するものが設計可能なことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、樹脂中のオキシエチレン基含有量が10〜80重量%である親水性ポリウレタン樹脂(A)のアルコール溶液、およびポリイソシアネート(B)からなる、透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物に関する。
別の好ましい態様においては、(A)が、オキシエチレン基含有高分子ジオール(C1)を必須成分とする高分子ジオール(C)、ジイソシアネート(D)および鎖伸長剤(E)から形成されてなる親水性ポリウレタン樹脂である。
別の好ましい態様においては、(C1)中のオキシエチレン基の含有量が、少なくとも30重量%である。
別の好ましい態様においては、(D)と(C)の当量比:(D)/(C)が、(1.3〜10)/1である。
別の好ましい態様においては、(D)と[(C)+(E)]の当量比:(D)/[(C)+(E)]が、(0.9〜1.1)/1である。
別の好ましい態様においては、(B)の割合が、(A)の重量に基づいて3〜60重量%である。
さらに、耐候安定剤、耐熱性安定剤、着色剤、無機充填剤、有機改質剤および浸透向上剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の添加剤を含有する上記組成物も好ましい。
また本発明は、
繊維布帛、及び、
上記繊維布帛の少なくとも片面の少なくとも一部に形成された、ポリウレタン樹脂の無孔質層
からなる透湿性防水布帛であって、
上記無孔質層が上記組成物を塗工して形成されるポリウレタン樹脂の層であることを特徴とする透湿性防水布帛にも関する。
上記透湿性防水布帛は、さらに上記繊維布帛と無孔質層の間の少なくとも一部に接着層を有するものが好ましい。
また本発明は
第一の繊維布帛、
第二の繊維布帛、および
上記第一の繊維布帛と第二の繊維布帛の間の少なくとも一部に形成されたポリウレタン樹脂の無孔質層
を有する透湿性防水布帛であって、
上記無孔質層が上記組成物から形成されるポリウレタン樹脂の層であることを特徴とする透湿性防水布帛にも関する。
上記透湿性防水布帛が、さらに上記第一の繊維布帛と無孔質層の間、または上記第二の繊維布帛と無孔質層の間のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に接着層を有するものであるのが好ましい。
また本発明は、
離型紙、
上記組成物からなるポリウレタン樹脂の無孔質層、および、
接着層
をこの順に積層してなる積層体の接着層側の面に、繊維布帛面を貼り合わせた後、離型紙を剥がすことを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法にも関する。
上記積層体は、上記組成物を離型紙上に塗工してポリウレタン樹脂の無孔質層を形成する工程、および、
上記無孔質層上に接着剤を塗布し、接着層を形成する工程、
を含む方法により得られたものであるものが好ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるオキシエチレン基含有量が10〜80重量%であり、アルコールに可溶な親水性ポリウレタン樹脂(A)のアルコール溶液は、高分子ジオール(C)と、ジイソシアネート(D)と、鎖伸長剤(E)とからなるポリウレタン樹脂とアルコール溶剤(F)からなるポリウレタン樹脂溶液である。本願においては、アルコール100gに対し、10g以上溶解するものを可溶と判断する。
高分子ジオール(C)としては、透湿性の観点から、オキシエチレン基含有高分子ジオール(C1)を必須成分とする高分子ジオールが好ましい。透湿性を阻害しない範囲で、(C1)以外の高分子ジオール(C2)を併用することもでき、(C2)は(C)の重量に基づいて、通常60重量%以下、防水性および透湿性の観点から好ましくは5〜50重量%である。
(C2)としては、(C1)以外のポリエーテルジオール(C21)、ポリエステルジオール(C22)、ポリカーボネートジオール(C23)などおよびこれらの混合物が挙げられる。
オキシエチレン基含有高分子ジオール(C1)中のオキシエチレン基(以下OE基と略記)含有量は透湿性の観点から、(C1)の重量に基づいて、好ましくは少なくとも30重量%、さらに好ましくは40〜100重量%である。(C1)としては、例えばポリオキシエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール(以下PEPGと略記)、ポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合ジオール、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとのランダム共重合ジオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニルプロパンなどの低分子グリコールのエチレンオキシド付加物;数平均分子量[以下Mnと略記。以下においてポリウレタン樹脂以外は水酸基価から求められる値である。]1,000以下のPEGとジカルボン酸[炭素数(以下Cと略記)2〜12、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸など]とを反応させて得られる縮合ポリエーテルエステルジオール;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの中で、透湿性の観点から好ましいのはPEG、PEPG、ポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオールであり、特に好ましいのはPEG、PEPGである。
(C1)のMnは、透湿性および塗膜強度の観点から好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは700〜15,000である。
(C1)以外の高分子ジオール(C2)のうち、(C1)以外のポリエーテルジオール(C21)としては、例えばポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ポリオキシプロピレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオールなどおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエステルジオール(C22)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ2,2−ジメチルトリメチレンアジペート、ポリ3−メチルペンタメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリカーボネートジオール(C23)としては、例えばポリヘキサメチレンカーボネートジオールが挙げられる。
(C2)の好ましいMnは、(C1)のMnと同じである。
本発明における親水性ポリウレタン樹脂溶液(A)に用いられるジイソシアネート(D)としては、例えば、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜12の脂肪族ジイソシアネート、C6〜15の脂環式ジイソシアネート、C8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート、C6〜30の芳香族ジイソシアネートおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3,6−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略記)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、1,4−ビス(2−イソシアナートエチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、p−またはm−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(以下TDIと略記)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
耐水性、耐熱性の観点から、これらのうち好ましいものは脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましいものはIPDIである。
鎖伸長剤(E)としては、例えば低分子ジオール[C2〜10、例えばエチレングリコール(以下EGと略記)、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール(以下BDと略記)など]、脂肪族ジアミン(C2〜6、例えばエチレンジアミンなど)、脂環式ジアミン[C5〜15、例えば4,4’−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン(以下IPDAと略記)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(以下DADCHMと略記)など]、芳香族ジアミン(C6〜15、例えば4,4’−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど)、ヒドラジンなどおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは低分子ジオール、脂環式ジアミンであり、耐水性、耐熱性の観点から、特に好ましいのはIPDA、DADCHMである。
アルコール溶剤(F)としては、例えば第一級アルコール(C1〜10、例えばメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)、第二級アルコール[C3〜10、例えばイソプロピルアルコール(以下IPAと略記)、第二ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下MPGと略記)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(以下PPGと略記)など]、第三級アルコール[C4〜10、例えばt−ブチルアルコール(以下t−BAと略記)など]などおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちイソシアネート基との非反応性の観点から好ましいのは第二級アルコール及び第三級アルコールからなる群から選択される1種のアルコール、およびこれらの2種以上の混合物であり、特に好ましいのはIPA、MPG、PPG、t−BAおよびこれらの2種以上の混合物である。
親水性ポリウレタン樹脂(A)のオキシエチレン基含量は、(A)の総重量に基づいて透湿性の観点から10重量%以上、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは25重量%以上であり、皮膜(塗膜)の強度の観点から80重量%以下、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下である。
本願発明において、オキシエチレン基含量は下式のように算出できる。
(オキシエチレン基含量)(%)
=[(C1)の重量(g)]×[(C1)のOE基含量(%)]/[(A)の重量(g)]
親水性ポリウレタン樹脂(A)において、ジイソシアネート(D)と高分子ジオール(C)および鎖伸長剤(E)各成分の当量比は、(D)/(C)の当量比が耐熱性および後述する塗膜(無孔質層、以下同じ。)のモジュラス(風合い)の観点から通常好ましくは(1.3〜10)/1、さらに好ましくは(1.5〜5)/1である。また、(D)と〔(C)+(E)〕の当量比[(D)/〔(C)+(E)〕]はポリウレタン樹脂の分子量および実用的に有用な物性の観点から通常好ましくは(0.9〜1.1)/1、さらに好ましくは(0.95〜1.07)/1である。
(A)は、(D)、(C)、(E)を上記当量比で反応させて得られる。(A)が目標とする分子量に到達した段階で両末端または片末端にNCO基が存在する場合には、後述するアルカノールアミンまたは低分子グリコールでNCO基をブロックすることにより両末端にOH基が導入される。
親水性ポリウレタン樹脂(A)のMn[ポリウレタン樹脂のMnの測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]は、後述する塗膜の強度および後述するポリウレタン樹脂溶液の粘度、塗工性や均一塗膜の観点から好ましくは5,000〜500,000、特に好ましくは10,000〜300,000である。
上記ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による測定は、特に限定されないが、例えば、
測定機器:HLC−8220(東ソー(株)製)
カラム:東ソー(株)製 TSKgel α−M
溶媒:DMF
標準物質:ポリスチレン
を用い、カラム温度:40℃の条件にて実施することができる。
親水性ポリウレタン樹脂(A)は通常の方法で製造することができ、例えばジイソシアネート(D)と高分子ジオール(C)と鎖伸長剤(E)とを同時に反応させるワンショット法や、(D)と高分子ジオール(C)とを先に反応させた後に(E)を続けて反応させるプレポリマー法が挙げられる。
また、該(A)の製造は溶剤の存在下あるいは非存在下で行うことができる。溶剤の存在下で行う場合の適当な溶剤としては上記アルコール溶剤(F)である。
また、溶剤の非存在下で(A)を製造する場合は、アルコール溶剤(F)に均一溶解して使用される。
また、該(A)の製造は通常当該業界において採用されている製造装置で行うことができる。また溶剤を使用しない場合はニーダーやエクストルーダーなどの製造装置を用いることができる。
このようにして製造される親水性ポリウレタン樹脂(A)としては30重量%(樹脂分)IPA溶液として測定した溶液粘度が通常1〜1,000Pa・s/20℃であり、実用上好ましいのは3〜300Pa・s/20℃である。
(A)のアルコール溶液における溶剤の量は、ポリウレタン樹脂の樹脂分濃度が通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となる量である。
親水性ポリウレタン樹脂(A)の製造に際し、反応温度はポリウレタン化反応に通常採用される温度と同じで良く、溶剤を使用する場合は通常20〜100℃、無溶剤の場合は通常20〜220℃である。
反応を促進させるため、ポリウレタン化反応に通常使用される触媒、例えばアミン系触媒(トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなど)、錫系触媒(ジブチルチンジラウレートなど)を必要により使用することができる。
また、必要により反応を完結させるために、1価アルコール、1価アミン、低分子グリコールまたはアルカノールアミンを反応停止剤として用いることができる。
1価アルコールとしては、エタノール、ブタノールなど;1価アミンとしては、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのジアルキルアミン;低分子グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなど;アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。これらのうち、反応性の観点から好ましいのはアルカノールアミンである。
(A)はポリイソシアネート(B)と反応して、ポリウレタン樹脂となるために、末端基としてOHを有する(A)の水酸基価は好ましくは0.5〜25(mgKOH/g。以下においては数値のみ記載)、さらに好ましくは1〜20、より好ましくは1.5〜15である。
本発明におけるポリイソシアネート(B)としては、例えば、上記ジイソシアネート(D)、上記ジイソシアネート(D)とトリメチロールプロパン(TMP)をモル比が3/1で反応させたウレタン変性体[例えば、HDI、IPDIまたはTDIとTMPとを反応させた変性体など。具体的には商品名「WB40−100」、「デュラネートP−301−75E」(いずれも旭化成工業(株)製)、「コロネートHL」(日本ポリウレタン(製))等。]、(D)と水をモル比が3/1で反応させたビューレット変性体[例えば、HDIまたはIPDIと水を反応させた変性体など。具体的には、商品名「スミジュールN−100」(住友バイエルウレタン(株)製)、「デュラネート24A−100」(旭化成工業(株)製)等。]、(D)のイソシアヌレート変性体[例えば、HDIまたはIPDIまたはTDIの3量体など。具体的には、商品名「スミジュールN−3500」(住友バイエルウレタン(株)製、「デュラネートTPA−100」(旭化成工業(株)製)等。]、これらの変性体に親水性のモノオールまたはジオールを反応させた変性体[例えば、上記ウレタン変性体またはビューレット変性体またはイソシアヌレート変性体とメタノール、エタノールなどのアルコールにエチレンオキシドを5〜100モル付加した親水性モノオールをモル比が1/(0.5〜1.0)で反応させた変性体、上記ウレタン変性体、ビューレット変性体、イソシアヌレート変性体またはIPDIのイソシアヌレート変性体とPEGなどの親水性ジオールをモル比が2/1で反応させた変性体など]、上記変性体の2量体[例えば、上記ウレタン変性体またはビューレット変性体またはイソシアヌレート変性体とEG、BDとをモル比が2/1で反応させた変性体など]、上記変性体の3量体[例えば、HDIのウレタン変性体、ビューレット変性体、イソシアヌレート変性体またはIPDIのイソシアヌレート変性体とTMPをモル比が3/1で反応させた変性体など]、などおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
塗工液の安定性並びに得られるポリウレタン樹脂膜の耐薬品性および耐熱性の観点から、これらのうち好ましいのはHDIのウレタン変性体、ビューレット変性体、イソシアヌレート変性体、IPDIのイソシアヌレート変性体、これらの変性体に親水性のモノオールまたはジオールを反応させた変性体およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明の透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物において、親水性ポリウレタン樹脂(A)とポリイソシアネート(B)の使用比率は、(A)の樹脂分100重量部に対してポリイソシアネート(B)を好ましくは3〜60重量部、さらに好ましくは4〜50重量部、特に好ましくは5〜35重量部である。3重量部以上であれば、塗膜強度、耐熱性が十分であり、60重量部以下であれば風合いが良好である。
親水性ポリウレタン樹脂(A)には、必要により耐候性、耐熱劣化等の向上のための各種安定剤[耐候安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等)、耐熱安定剤(リン化合物熱安定剤、ラクトン化合物熱安定剤等)]、着色剤(酸化チタン、カーボンブラック等)、無機充填剤(炭酸カルシウム、シリカ等)、有機改質剤(AS樹脂、PVC樹脂、セルロース、プロテイン等)、また、少なくとも片面に多孔質膜(ポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜、ポリウレタン樹脂の多孔質膜等)を有する後述の繊維布帛との接着強度向上を目的とした浸透向上剤(ブタノール、トルエン等)等のその他の添加剤を含有させることができる。
本発明の透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物は、親水性ポリウレタン樹脂(A)、ポリイソシアネート(B)およびその他の添加剤等を通常の撹拌だけによる混合でもよいし、混合装置(ボールミル、ニーダー、サンドグラスター、ロールミルなど)を用いて混合することによってもいずれでも得ることもできる。
<本発明の透湿性防水布帛について>
本発明は、繊維布帛、及び、
上記繊維布帛の少なくとも片面の少なくとも一部に形成された、ポリウレタン樹脂の無孔質層
からなる透湿性防水布帛であって、
上記無孔質層が上記組成物を塗工して形成されるポリウレタン樹脂の層である透湿性防水布帛である。
好ましいのは、さらに上記繊維布帛と無孔質層の間の少なくとも一部に接着層を有する透湿性防水布帛である。
また本発明の別の態様は、
第一の繊維布帛、
第二の繊維布帛、および
上記第一の繊維布帛と第二の繊維布帛の間の少なくとも一部に形成されたポリウレタン樹脂の無孔質層
を有する透湿性防水布帛であって、
上記無孔質層が上記組成物から形成されるポリウレタン樹脂の層であることを特徴とする透湿性防水布帛である。
上記繊維布帛としては、例えば天然繊維製、合成繊維製の布帛の全てを使用できる。具体例としては木綿、スフ、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの布帛、また、これらの2種以上の混紡、混繊、交織の布帛が挙げられる。また布帛の形態としては織物、編物、不織布、起毛布などが挙げられる。また繊維布帛の少なくとも片面にポリウレタン樹脂やポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜を有する積層基材であってもよい。またこれらの繊維布帛は、塗工液や接着剤の繊維布帛への過度な浸透を防ぐためにシリコン樹脂、弗素樹脂などで撥水処理されていてもよい。
上記無孔質層は上記ポリウレタン樹脂組成物から形成される。無孔質層を形成する方法については特に限定はなく公知の方法を採用できる。例えば、繊維布帛に直接樹脂組成物(ポリウレタン樹脂組成物)を塗布するダイレクトコーティング法や、離型紙上に上記樹脂組成物を塗工して樹脂の無孔質層を形成させた後、無孔質層上に接着剤を塗布し、繊維布帛と無孔質層とを貼り合わせ、離型紙を剥がす乾式ラミネート法などがある。
得られる透湿性防水布帛の防水性、透湿性などの性能の観点からは乾式ラミネート法がよい。
<本発明の透湿性防水布帛の製造方法について>
本発明は、
離型紙、
上記組成物からなるポリウレタン樹脂の無孔質層、および、
接着層
をこの順に積層してなる積層体の接着層側の面に、繊維布帛面を貼り合わせた後、離型紙を剥がすことを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法にも関する。上記積層体は、上記組成物を離型紙上に塗工してポリウレタン樹脂の無孔質層を形成する工程、および、
上記無孔質層上に接着剤を塗布し、接着層を形成する工程、
を含む方法により得られたものであるものが好ましい。
以下に、乾式ラミネート法の一製造方法に従い、更に詳細に本発明の説明を行う。
まず、離型紙上に、本発明のポリウレタン樹脂組成物およびアルコール系溶剤にて塗工液を調製する。この塗工液中には、さらに界面活性剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの顔料、炭酸カルシウム、シリカ、セルロース、プロテインなどの無機若しくは有機の微粒子などを添加してもよい。
次にナイフコータ、パイプコータ、バーコータ等を用いて上記塗工液を離型紙上に塗布する。
その後、100℃〜160℃程度の温度で30秒〜5分程度、エアーオーブンなどの乾燥機を用い乾燥して、ポリウレタン樹脂の無孔質層を形成する。また、必要に応じて塗工液を塗布する際のコータのスリットのクリアランスの調整や、塗布、乾燥を繰り返すことで無孔質層の厚みを望みの厚みにするとよい。
次に、得られた無孔質層上に、接着剤を塗布し、接着層を形成する。接着剤としては、公知の接着剤、例えば2液型ポリウレタン樹脂などが挙げられるが、有機溶剤を用いていない湿気硬化型樹脂などのホットメルト樹脂が地球環境、作業環境の観点より好ましい。
接着剤は、グラビアコータやナイフコータ、パイプコータ、バーコータなどを用い、上記無孔質層上に、全面、線状、点状などに付与し、必要に応じ乾燥する。
次に上記接着層の塗布面に繊維布帛面を貼り合わせる。貼り合わせ後の積層体は繊維布帛、接着層及び無孔質層を順に重ね合わせた構造となる。得られた積層体を80℃〜160℃の温度にて熱圧着し、必要に応じ30℃〜110℃で20〜100時間エージングする。
次に、無孔質層と離型紙を剥離することにより、繊維布帛の片面に接着層を介してポリウレタン樹脂からなる無孔質層がこの順に形成された透湿性防水布帛が得られる。
無孔質層の厚みは、耐水度および風合いの観点から5μm〜100μmが好ましい。
また、必要に応じ、得られた透湿性防水布帛に、フッ素系、シリコン系などの撥水剤を用い撥水処理をおこなってもよい。
また、離型紙を剥離した後の無孔質層上(先に貼り合せた繊維布帛の反対側の面)に、再度、接着剤を付与し、その面と他に準備した別の繊維布帛とを上記と同様に熱圧着し、繊維布帛と繊維布帛の間にポリウレタン樹脂の無孔質層を有するものとしてもよい。
あるいは、ダイレクトコーティング法で上記ポリウレタン樹脂組成物を繊維布帛の片面に直接塗布してすぐに別の繊維布帛を貼り合わせて熱圧着する方法や、該直接塗布後に加熱、乾燥させて無孔質層を形成させた後、その表面に接着剤を塗布して別の繊維布帛を貼り合わせる方法によっても繊維布帛と繊維布帛の間にポリウレタン樹脂の無孔質層を有するものを得ることができる。
また、次のような方法も採用することができる。まず上記のように離型紙上に無孔質層を形成し、その無孔質層上に接着剤を塗布して接着層を形成させた第一の積層体を作成する。別途、別の繊維布帛の片面に上記ポリウレタン樹脂組成物をダイレクトコーティングし、加熱、乾燥させて無孔質層を形成した第二の積層体を作成する。第二の積層体の無孔質層を有しない側の繊維布帛面と、第一の積層体の接着層側の面とを熱圧着した後、離型紙を剥離することにより、無孔質層と無孔質層の間に繊維布帛を有する所望の透湿性防水布帛を得ることができる。
また次の方法も同様に採用することができる。まず上記同様に離型紙上に無孔質層を形成し、その無孔質層上に接着剤を塗布して接着層を形成する。この積層体を2組作成する。この2組の積層体の接着層のある面で繊維布帛を挟んで熱圧着することにより、上記所望の透湿性防水布帛を得ることができる。
上記いずれの方法においても、得られた透湿性防水布帛については前記撥水剤による撥水処理を必要により行ってもよい。
またさらに次のような方法も採用できる。まずダイレクトコーティング法で繊維布帛の両面に該ポリウレタン樹脂組成物を直接塗布し、加熱、乾燥させて繊維布帛の両面に無孔質層を形成させる。これにより上記所望の透湿性防水布帛を得ることもできる。
上記で得られる本発明の透湿性防水布帛は、透湿性、防水性(耐水性)を有する。
本発明の透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物は、下記の効果を有する。
1.使用する溶剤がアルコールであるため作業環境衛生面および排気処理面での負荷が小さい。
2.従来の溶剤を用いた透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂と同等の塗膜加工性を有し、得られる透湿性防水布帛は、耐水性、透湿性、耐熱性に優れる。
次に本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
製造例、実施例において使用した略号の意味は以下の通りである。
BD:1,4−ブタンジオール
DADCHM:4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
IPA:イソプロピルアルコール
IPDA:イソホロンジアミン
IPDI:イソホロンジイソシアネート
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
MEK:メチルエチルケトン
MPG:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PEG:ポリオキシエチレングリコール
PEPG:ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール
PTMG:ポリオキシテトラメチレングリコール
(評価項目および評価方法)
〔透湿性〕
透湿性は、JIS L 1099(繊維製品の透湿度試験方法)における酢酸カリウム法に準じて透湿度を測定することにより評価した。
〔防水性〕
防水性は、JIS L 1092(繊維製品の防水性試験方法の高水圧法)に準じて耐水度を測定することにより評価した。防水性は耐水性と同義である。
(なお、水圧をかけることにより、試験片が伸びる場合には試験片の上にナイロンタフタ(密度:タテ+ヨコ=210本/2.54cm程度)を重ねた後に、試験機に取り付けて測定を行った。また、JIS L 1092高水圧法での単位は、kPaであるが、第三者が比較しやすいように低水圧法で使用されている水柱に換算し、mmHOで表した。)
また、洗濯に対する防水性の変化を確認するため、洗濯処理を行った。洗濯条件はJIS L 0217 103法に準じ10回の洗濯をおこなった。
〔耐熱性〕
耐熱性とは、ウエアー用途に用いられる際に要求される耐熱性であり、該耐熱性としてはホットメルト性シームテープを接着するときの熱に耐えることが求められる。この評価のために、透湿性防水布帛を縫い合わせて縫い目を作り、縫い目からの漏水を防止するために用いられるホットメルト性シームテープを650℃の熱風を当てながら速度4m/分にて樹脂膜面側の縫い目に貼り合わせた[貼り合わせ装置:クイーンライト(株)製QHP805]。耐熱性が良好なものは、樹脂膜には穴が開かないが、耐熱性が不良のものは、樹脂膜が劣化し、穴が開き、防水性が低下する。
(製造例1)
撹拌機および温度計を備えた四つ口フラスコに、Mn1,000(水酸基価から計算)のPEG55部、Mn1,000のPTMG45部およびIPDI55.5部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で110℃で5時間反応させた後、50℃まで冷却し、IPA467部を加えて均一溶解し、プレポリマー溶液とした。別途DADCHM29.4部、ジエタノールアミン(反応停止剤)0.53部をIPA90部に均一溶解したアミン溶液を上記プレポリマー溶液に滴下し、40℃で1時間反応させ、樹脂濃度25%、粘度6,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(A−1)のアルコール溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(A−1)のOE基含量は30%、水酸基価は3.0である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=2.5、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.04である。ここにおいて、(D)はIPDI、(C)はPEGおよびPTMG、(E)はDADCHMを表す。
(製造例2)
製造例1と同様に、OE基含量70%のMn2,000(水酸基価から計算)のPEPG200部およびIPDI77.7部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で110℃で5時間反応させた後、50℃まで冷却し、MPG833部を加えて均一溶解し、プレポリマー溶液とした。別途IPDA39.4部、ジエタノールアミン(反応停止剤)1.22部をMPG122部に均一溶解したアミン溶液を上記プレポリマー溶液に滴下し、40℃で2時間反応させ、樹脂濃度25%、粘度7,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(A−2)のアルコール溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(A−2)のOE基含量は44%、水酸基価は4.1である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=3.5、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.05である。ここにおいて、(D)はIPDI、(C)はPEPG、(E)はIPDAを表す。
(製造例3)
Mn1,900(水酸基価から計算)のPEG190部およびIPDI77.7部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で110℃で5時間反応させた後、50℃まで冷却し、IPA625部を加えて均一溶解し、プレポリマー溶液とした。別途DADCHM48.7部、ジエタノールアミン(反応停止剤)1.22部をIPA116部に均一溶解したアミン溶液を上記プレポリマー溶液に滴下し、40℃で2時間反応させ、樹脂濃度30%、粘度20,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(A−3)のアルコール溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(A−3)のOE基含量は60%、水酸基価は4.1である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=3.5、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.05である。ここにおいて、(D)はIPDI、(C)はPEG、(E)はDADCHMを表す。
(比較製造例1)
Mn2,000のPEG120部、Mn2,000のPTMG80部、BD35.1部、MDI125部およびDMF840部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で7時間反応させ、反応後更にMEK240部を加えて、樹脂濃度25%、粘度10,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(X−1)のDMF/MEK溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(X−1)のOE基含量は33%、水酸基価は0である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=5.0、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.02である。ここにおいて、(D)はMDI、(C)はPTMG、(E)はBDを表す。
(比較製造例2)
Mn1,000(水酸基価から計算)のPEG10部、Mn1,000のPTMG90部およびIPDI55.5部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で110℃で5時間反応させた後、50℃まで冷却し、IPA467部を加えて均一溶解し、プレポリマー溶液とした。別途DADCHM29.1部、ジエタノールアミン(反応停止剤)0.83部をIPA90部に均一溶解したアミン溶液を上記プレポリマー溶液に滴下し、40℃で2時間反応させ、樹脂濃度25%、粘度6,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(X−2)のアルコール溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(X−2)のOE基含量は5%、水酸基価は4.8である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=2.5、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.04である。ここにおいて、(D)はIPDI、(C)はPEGおよびPTMG、(E)はDADCHMを表す。
(比較製造例3)
Mn2,300(水酸基価から計算)のPEG230部およびIPDI33.3部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で110℃で10時間反応させた後、50℃まで冷却し、IPA614部を加えて均一溶解し、プレポリマー溶液とした。別途IPDA7.74部、ジエタノールアミン(反応停止剤)0.32部をIPA19部に均一溶解したアミン溶液を上記プレポリマー溶液に滴下し、40℃で2時間反応させ、樹脂濃度30%、粘度2,000mPa・s/20℃の親水性ポリウレタン樹脂(X−3)のアルコール溶液を得た。この親水性ポリウレタン樹脂(X−3)のOE基含量は85%、水酸基価は6.3(mgKOH/g)である。また、ジイソシアネート(D)/高分子ジオール(C)[当量比]=1.5、ジイソシアネート(D)/[高分子ジオール(C)+鎖伸長剤(E)][当量比]=1.03である。ここにおいて、(D)はIPDI、(C)はPEG、(E)はIPDAを表す。
(実施例1)
ポリエステルタフタ(タテ糸、ヨコ糸ともに83デシテックス/72フィラメント、タテ密度160本/2.54cm、ヨコ密度70本/2.54cm、ポリエステルタフタの厚み0.1mm)を常法により精練、染色を行い、次に、フッ素系撥水剤[繊維布帛にポリウレタン樹脂の無孔質層を付与する前に用いる撥水剤。商品名「アサヒガードAG710」、旭硝子(株)製。以下同じ。]を用いて撥水加工をおこなったものを繊維布帛として用いた。
次に、下記塗工液を準備し、塗工液をナイフコータを用い、離型紙上に全面塗布した。離型紙上の塗工液をエアーオーブンを用いて100℃で乾燥し、厚さ30μm無孔質層を得た。ポリイソシアネート(B)としては、HDIのウレタン変性体[商品名「WB40−100」、旭化成工業(株)製]を用いた。
<塗工液>
親水性ポリウレタン樹脂(A−1)のアルコール溶液 100部
ポリイソシアネート(B)[HDIのウレタン変性体、以下同じ] 4部
IPA 40部
次に、グラビアコータを用い、接着剤として湿気硬化型ホットメルトタイプウレタン樹脂[商品名「タイホースNH300」、大日本インキ化学工業(株)製。以下同じ。]を110℃に加熱し、溶融させ、無孔質層上に、点状に付与し、接着層を形成した。
引き続き、上記繊維布帛と、無孔質層上の接着層とを重ね合わせ、ニップロールを用い貼り合せた。その後、70℃で72時間エージングした後、離型紙を剥離した。次に、フッ素系撥水剤を用い繊維布帛に再度撥水加工をおこない、ポリウレタン樹脂膜の無孔質層を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
(実施例2)
塗工液として親水性ポリウレタン樹脂(A−2)のアルコール溶液を用いた以外は実施例1と同様に透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
(実施例3)
塗工液として親水性ポリウレタン樹脂(A−3)のアルコール溶液を用いた以外は実施例1と同様に透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
(比較例1)
塗工液として親水性ポリウレタン樹脂(X−1)のDMF/MEK溶液100部、DMF10部、MEK30部を用いた以外は実施例1と同様に透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
(比較例2)
塗工液として親水性ポリウレタン樹脂(X−2)のアルコール溶液を用いた以外は実施例1と同様に透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
(比較例3)
塗工液として親水性ポリウレタン樹脂(X−3)のアルコール溶液を用いた以外は実施例1と同様に透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表1に記した。
アルコール溶剤のみを用いた実施例1、2、3は、耐水度、透湿度共に良好であり、中でも、樹脂(A−2)を用いた実施例2がバランスの優れた結果となっている。
樹脂(X−1)を用いた比較例1についても物性は、良好であるが、DMF、MEKを使用していることから、作業環境衛生面、排気処理面でのリスクとコストがかかってしまう問題を内包している。
樹脂(X−2)を用いた比較例2については、OE基含有量が、5%と低すぎるために透湿度が低くなってしまい着用中の快適性が損なわれてしまう。
樹脂(X−3)を用いた比較例3については、OE基含有量が、85%と多すぎるために、得られるポリウレタン樹脂の無孔質層の膜強度が不足し、耐水度や耐洗濯性に劣るものとなってしまっている。さらに、耐熱性が低いためシームテープ貼り付け時に無孔質層を形成する膜に穴が開いてしまい、防水性が失われてしまう。
Figure 0005210522
(実施例4)
ナイフコータで、実施例1における撥水加工された繊維布帛の片面に、実施例1における塗工液を直接塗布し、エアーオーブンを用いて100℃で乾燥し、繊維布帛の片面に厚さ30μmの無孔質層を形成した。その後、実施例1と同様にエージングをおこなって、繊維布帛の片面に、接着層を介することなく形成されたポリウレタン樹脂の無孔質層を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表2に記した。
(実施例5)
実施例1と同様にして、繊維布帛と無孔質層上の接着層とを重ね合わせ、ニップロールを用いて貼り合せ、その後、70℃で72時間エージングした後、離型紙を剥離した。
次に、離型紙を剥離した無孔質層上に、再度上記接着剤を点状に付与して、グラビアコータを用いて接着層を形成した。次に、当該無孔質層上の接着層上に、実施例1と同様の方法で作成された、撥水加工された別の繊維布帛を重ね合わせ、ニップロールを用いて貼り合せた。その後、実施例1と同様にエージング、撥水加工をおこなって、(第一の繊維布帛)−(第一の接着層)−(ポリウレタン樹脂の無孔質層)−(第二の接着層)−(第二の繊維布帛)の順に積層された構造を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表2に記した。
(実施例6)
実施例1における塗工液をナイフコータで、実施例1における撥水加工された繊維布帛に直接塗布し、エアーオーブンを用いて100℃で乾燥し、塗工液が完全に乾かないうちにさらに別の上記繊維布帛を重ね合わせ、100℃での乾燥を継続した。その後、実施例1と同様にエージング、撥水加工をおこなって、第一の繊維布帛と第二の繊維布帛の間に、接着層を介することなくポリウレタン樹脂の無孔質層を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表2に記した。
(実施例7)
実施例1と同様にして、2枚の離型紙上にそれぞれ厚さ15μmの無孔質層を得た。
次に、実施例1と同様にして、それぞれの無孔質層上に接着層を形成し、該2枚の接着層の間に、実施例1における撥水加工された繊維布帛を挟み、ニップロールを用いて貼り合せた。その後、実施例1と同様に、エージングした後、2枚の離型紙を剥離することにより、(第一のポリウレタン樹脂の無孔質層)−(第一の接着層)−(繊維布帛)−(第二の接着層)−(第二のポリウレタン樹脂の無孔質層)の順に積層された構造を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表2に記した。
(実施例8)
実施例4と同様にして、撥水加工された繊維布帛の片面に厚さ15μmの無孔質層を形成し、その後、70℃で72時間エージングした。さらに該繊維布帛のもう一方の面にも同様にして厚さ15μmの無孔質層を形成し、その後、実施例1と同様に、エージングをおこなって、繊維布帛の両面に接着層を介することなくポリウレタン樹脂の無孔質層を有する透湿性防水布帛を得た。得られた透湿性防水布帛の性能を表2に記した。
実施例4〜8は、耐水度、透湿度共に良好で、バランスの優れた結果となっている。
Figure 0005210522
本発明のポリウレタン樹脂組成物から得られる透湿性防水布帛は、スポーツウェアー、例えばスキーウェアー、ゴルフウェアーや釣りや狩猟用ウエアーなどの衣料用、また、テント用等幅広い用途に好適に適用できる。

Claims (13)

  1. 樹脂中のオキシエチレン基含有量が10〜80重量%である親水性ポリウレタン樹脂(A)のアルコール溶液、およびポリイソシアネート(B)からなる、透湿性防水布帛用ポリウレタン樹脂組成物であって、
    (A)の水酸基価が、0.5〜25mgKOH/gであり、
    ポリウレタン樹脂の無孔質層を形成するために用いられるポリウレタン樹脂組成物
  2. (A)が、オキシエチレン基含有高分子ジオール(C1)を必須成分とする高分子ジオール(C)、ジイソシアネート(D)および鎖伸長剤(E)から形成されてなる親水性ポリウレタン樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. (C1)中のオキシエチレン基の含有量が、少なくとも30重量%である請求項2記載の組成物。
  4. (D)と(C)の当量比:(D)/(C)が、(1.3〜10)/1である請求項2または3記載の組成物。
  5. (D)と[(C)+(E)]の当量比:(D)/[(C)+(E)]が、(0.9〜1.1)/1である請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. (B)の割合が、(A)の重量に基づいて3〜60重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. さらに、耐候性安定剤、耐熱性安定剤、着色剤、無機充填剤、有機改質剤および浸透向上剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の添加剤を含有させてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 繊維布帛、及び、
    前記繊維布帛の少なくとも片面の少なくとも一部に形成された、ポリウレタン樹脂の無孔質層
    からなる透湿性防水布帛であって、
    該無孔質層が請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物から形成されてなるポリウレタン樹脂の層であることを特徴とする透湿性防水布帛。
  9. 前記透湿性防水布帛が、さらに前記繊維布帛と無孔質層の間の少なくとも一部に接着層を有するものである請求項8記載の透湿性防水布帛。
  10. 第一の繊維布帛、
    第二の繊維布帛、および
    前記第一の繊維布帛と第二の繊維布帛の間の少なくとも一部に形成されたポリウレタン樹脂の無孔質層を有する透湿性防水布帛であって、
    該無孔質層が請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物から形成されてなるポリウレタン樹脂の層であることを特徴とする透湿性防水布帛。
  11. 前記透湿性防水布帛が、前記第一の繊維布帛と無孔質層の間、または前記第二の繊維布帛と無孔質層の間のうちの少なくとも1つの少なくとも一部にさらに接着層を有するものである請求項10記載の透湿性防水布帛。
  12. 離型紙、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物からなるポリウレタン樹脂の無孔質層、および、
    接着層
    をこの順に積層してなる積層体の接着層側の面に、繊維布帛面を貼り合わせた後、離型紙を剥がすことを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法。
  13. 前記積層体が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を離型紙上に塗工してポリウレタン樹脂の無孔質層を形成する工程、および、
    前記無孔質層上に接着剤を塗布し、接着層を形成する工程、
    を含む方法により得られたものである請求項12記載の製造方法。
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