JP5210050B2 - スルーリング構造 - Google Patents
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Description
このようなシートベルト装置では、着座した乗員がシートベルトをリトラクタから引き出してタングをバックルに装着することで、シートベルトが座席上で乗員を拘束可能にしている。
図5(a)に示すように、このスルーリング31は、スルーリング本体32と、カバー材33と、スルーリング本体32及びカバー材33を相互に結合するアダプタ34とで構成されている。そして、スルーリング本体32及びカバー材33のそれぞれには、シートベルトの挿通穴35が形成されている。また、スルーリング本体32の取付部32aには、ボルト穴32bが形成されている。
このようなスルーリング31は、例えば図5(b)に示すように、前記したボルト穴32b(図5(a)参照)に挿通されたボルト17aを介してピラー7内に配置されたピラーインナ7cに軸支される。その結果、スルーリング31は、取付部32a周りに揺動可能となっている。また、このスルーリング31を使用したスルーリング構造では、ピラーインナ7cの車室内側がガーニッシュ7aで覆われることからスルーリング31の車室内側を覆うガーニッシュ7a部分にはシートベルト3を座席側に引き出すための開口7bが形成されている。
そして、ガーニッシュ7aの開口7bを大きくすると、車室内の美観が損なわれるだけでなく、開口7bからピラー7内に物が入り込んだり、開口7b部分でガーニッシュ7aの遮音性能が阻害されるという問題も生じる。
そこで、従来のスルーリング31においては、開口7bをピラー7の内側から覆うような遮蔽部をカバー材33(図5(a)参照)に形成することも考えられる。
このようなスルーリング31によれば、開口7b部分がカバー材33(遮蔽体)で遮蔽されるので、開口7bを大きく確保したことによる前記した問題は解消することができる。
その一方、従来のスルーリング31では、前記したように、シートベルトの挿通穴35がスルーリング本体32とカバー材33との両方に形成されていることから、スルーリング本体32とカバー材33との両方にシートベルト3を挿通する必要がある。つまり、従来のスルーリング31は、シートベルト3が挿通されたスルーリング本体32に対してカバー材33(遮蔽体)を後付けできる構造ではないので不便であった。したがって、シートベルト3を挿通する開口7bが大きく形成されたガーニッシュ7aを備えながらもこの開口7bを遮る遮蔽体を有していない既存のシートベルト装置においては、遮蔽体を簡単に後付けすることができるスルーリング構造が望まれていた。
ここでは本実施形態に係るスルーリング構造を備えたシートベルト装置について説明した後にこのスルーリング構造について説明する。ここで参照する図1は、本実施形態に係るスルーリング構造を備えたシートベルト装置の斜視図である。図2は、図1中のスルーリング構造の部分拡大斜視図であって、ガーニッシュを部分的に切り欠いて示した図である。図3は、本実施形態に係るスルーリング構造の分解斜視図である。図4は、図3のスルーリング構造のスルーリング及び遮蔽体をその裏側(図3の紙面裏側)から見た様子を示す斜視図である。なお、この図4においては、図3のボルトを省略している。
スルーリング11は、前記したように、シートベルト3が挿通される挿通穴16を有していると共に、ピラーインナ7cにボルト17aで軸支されている。そして、ボルト17aで軸支されたスルーリング11の取付部13周りで挿通穴16が揺動可能となっている。このスルーリング11は、ピラーインナ7c上でガーニッシュ7aに覆われており、このガーニッシュ7aには、挿通穴16の揺動方向Dに沿うように、前記した開口7bが略L字状に形成されている。
そして、このスルーリング11は、取付部13とリング部14とを結合する結合部15を備えている。この結合部15は、取付部13と一体となるように形成されると共にリング部14の一部を取り巻くように形成されている。
そして、遮蔽体12は、図3に示すように、スルーリング11の取付部13と係合する第1係合部20と、スルーリング11のリング部14と係合する第2係合部21とを備えている。
これらの第1係合部20及び第2係合部21は、特許請求の範囲にいう「係合部」に相当し、これらによって遮蔽体12は、スルーリング11の挿通穴16の形成位置よりも取付部13寄りに位置するようにスルーリング11に取り付けられることとなる。
このスルーリング構造10では、図1に示すように、着座位置の乗員(図示省略)がシートベルト3をリトラクタ2から引き出して装着する際に、シートベルト3が開口7b周りでガーニッシュ7aと干渉することを防止するために、図2に示すように、開口7bがスルーリング11の揺動方向Dに沿って略L字状に大きく形成されている。
したがって、このスルーリング構造10によれば、ガーニッシュ7aに大きく形成した開口7bが遮蔽部19で遮られるので、この開口7bからピラー7内に物が入り込むことが防止される。また、この遮蔽部19によって、開口7bを介してピラー7内のピラーインナ7cが見えることが防止されるのでピラー7の外観が向上する。そして、開口7bが遮蔽部19で遮られるので、開口7b部分でガーニッシュ7aの遮音性能が阻害されることが防止される。
したがって、このスルーリング構造10では、前記した従来のスルーリング31(図5(a)参照)と異なって、スルーリング11の挿通穴16にシートベルト3が挿通された後であっても遮蔽体12をスルーリング11に取り付けることができる。言い換えれば、このスルーリング構造10では、少なくともスルーリング11にシートベルト3を挿通しておけば、特許文献1のスルーリング構造と異なって、遮蔽体12にシートベルト3を挿通する必要もなく、シートベルト3が挿通された状態のスルーリング11に後付することができる。その結果、本実施形態に係るスルーリング構造10によれば、その製造工程が簡単となる
7 ピラー
7a ガーニッシュ
7b 開口
7c ピラーインナ
10 スルーリング構造
11 スルーリング
12 遮蔽体
13 取付部
14 リング部
16 挿通穴
19 遮蔽部
20 第1係合部(係合部)
21 第2係合部(係合部)
22a 係合爪
22b 係合爪
D 揺動方向
Claims (5)
- シートベルトが挿通される挿通穴を有すると共に車体に対して軸支された取付部周りで前記挿通穴が揺動可能となっているスルーリングと、
前記スルーリングの揺動を許容するように車室内側から前記スルーリングを覆うと共に前記シートベルトが挿通される開口を有するガーニッシュと、
前記ガーニッシュの前記開口を遮る遮蔽部を有する遮蔽体と、
を備えるスルーリング構造であって、
前記遮蔽体は、前記スルーリングの前記挿通穴の形成位置よりも前記取付部寄りに位置するように前記スルーリングと係合する係合部を有し、この遮蔽体の前記遮蔽部は、前記スルーリングの揺動方向に沿うように前記スルーリング側から突出していることを特徴とするスルーリング構造。 - 前記係合部は、前記取付部の車外側に係合する係合爪を有していることを特徴とする請求項1に記載のスルーリング構造。
- 前記遮蔽体は、前記挿通穴の内側に嵌り込むように形成された略円弧状の係合爪を有する係合部を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスルーリング構造。
- 前記取付部には、前記車体に対して当該取付部を軸支するボルトを挿通するボルト穴が形成され、前記遮蔽体には、前記スルーリングに対して当該遮蔽体が取り付けられた状態で、前記ボルトを挿通可能な穴部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスルーリング構造。
- 前記ガーニッシュの前記開口は、前記車体に対する前記取付部の軸支位置よりも下側で前記車体の前後方向に延びる横開口と、この横開口の端部から上方向に延びる縦開口とからなると共に前記スルーリングの揺動方向に沿うように略L字状に形成され、
前記遮蔽部は、前記シートベルトが前記横開口に挿通されている位置で前記縦開口を遮るように前記遮蔽体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスルーリング構造。
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