JP5205964B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置に関するものであり、特に流動性、離型性、連続成形性に優れた特性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた耐半田リフロー性に優れた半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高度化、軽量化、薄型化、及び小型化が求められる中、半導体素子の高集積化、表面実装化が進んでいる。これに伴い、半導体封止用エポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しくなっているのが現状である。特に半導体装置の薄型化が進むと、金型と、エポキシ樹脂組成物の硬化物との間の離型不足に伴って応力が発生する。この応力により、半導体装置内部の半導体素子自体にクラックが生じたり、硬化物と半導体素子との界面における密着性が低下したりすることがあった。このため、エポキシ樹脂組成物から得られる成形体(硬化物)に対して、金型から容易に離型する離型性が求められていた。さらに、生産性の面から、連続して成形体が形成可能であること(連続成形性)が求められていた。
また、環境への影響が問題視される中、有鉛半田から無鉛半田に移行してきている。無鉛半田は、有鉛半田に比べて半田処理時の温度が高く、半導体装置中に含まれる水分の気化によって、非常に高い応力が発生することがあった。このように、成形体の耐半田リフロー性が、従来以上に大きな問題となってきている。
この耐半田リフロー性を向上させるための種々の提案がされている。例えば、無機充填材を高濃度で充填した、低粘度型エポキシ樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献1、2参照。)。このエポキシ樹脂組成物は、無機充填材を多く含むため、流動性が低下する。このように、成形体の耐半田リフロー性と、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の流動性とはトレードオフの関係にある。
そのため、流動性、離型性、連続成形性等に優れ、さらに耐半田リフロー性等の硬化物特性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、および当該組成物で半導体素子を封止してなる半導体装置が求められている。
特開平5−131486号公報(第1〜9頁) 特開平8−253555号公報(第2〜9頁)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流動性、離型性、連続成形性等に優れ、さらに耐半田リフロー性等の硬化物特性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、および当該組成物で半導体素子を封止してなる半導体装置を提供することにある。
本発明は、
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材、(E1)酸化ポリエチレンワックス、(F)シランカップリング剤、及び(G)芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物、を含み、
前記エポキシ樹脂(A)及び前記フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が、下記一般式(1)
Figure 0005205964
(上記一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、複数存在するRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xは、グリシジルエーテル基又は水酸基である。nは平均値で、1〜3の正数である。)
で表される樹脂を含み、
前記化合物(G)が、下記一般式(3)
Figure 0005205964
(上記一般式(3)において、R 、R はいずれか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき、他方は水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。R 、R 、R 、R 、R は、各々独立に、水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。)で表され、
全エポキシ樹脂組成物中に、前記(E1)酸化ポリエチレンワックスを0.01重量%以上、1重量%以下、前記化合物(G)を0.01重量%以上、1重量%以下含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
[2] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の滴点が100℃以上、140℃以下である[1]に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の平均粒径が20μm以上、70μm以下であり、全酸化ポリエチレンワックス(E1)中における粒径106μm以上の粒子の含有比率が0.1重量%以下である[1]または[2]に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の酸価が10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下である[1]乃至[]のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の数平均分子量が500以上、5000以下である[1]乃至[]のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の密度が0.94g/cm以上、1.03g/cm以下である[1]乃至[]のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)が、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、及び高密度ポリエチレンポリマーの酸化物よりなる群から選ばれる1種以上である[1]乃至[]のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] [1]乃至[]のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、流動性、離型性、連続成形性等に優れ、さらに耐半田リフロー性、吸湿性等の硬化物特性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、および該樹脂組成物により半導体素子を封止してなる半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、以下の成分(A)〜成分(G)を含む。
(A)エポキシ樹脂
(B)フェノール樹脂
(C)硬化促進剤
(D)無機質充填材
(E)離型剤
(F)シランカップリング剤
(G)芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物
さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)及び前記フェノール樹脂(B)は、下記一般式(1)において(i)〜(iii)のいずれかの要件を満たす。
(i)エポキシ樹脂(A)が、下記一般式(1)において、Xをグリシジルエーテル基で表すエポキシ樹脂を含む。
(ii)フェノール樹脂(B)が、下記一般式(1)において、Xを水酸基で表すフェノール樹脂を含む。
(iii)上記(i)および(ii)のいずれの要件をも満たす。
(化3)
Figure 0005205964

(上記一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、複数存在するRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xは、グリシジルエーテル基又は水酸基である。nは平均値で、1〜3の正数である。)
さらに、離型剤(E)は、酸化ポリエチレンワックス(E1)、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)及び酸化パラフィンワックス(E3)よりなる群から1種以上選択される化合物である。またさらに、全エポキシ樹脂組成物中に、前記離型剤(E)を0.01重量%以上、1重量%以下、前記化合物(G)を0.01重量%以上、1重量%以下含む。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上記のような組成であることにより、半導体素子等を封止する際の流動性、離型性、連続成形性に優れ、さらに耐半田リフロー性、低吸湿性、低応力性、金属系部材との密着性等の硬化物特性に優れる。
以下、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(以下単に「エポキシ樹脂組成物」ともいう)について詳細に説明する。
<エポキシ樹脂(A)>
本発明で用いられるエポキシ樹脂(A)は、上記一般式(1)において、Xがグリシジルエーテル基である下記一般式(a)
(化4)

Figure 0005205964
(上記一般式(a)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、複数存在するRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。nは平均値で、1〜3の正数である。)
で表されるエポキシ樹脂を含むことが好ましい。一般式(a)において、複数存在するRは、いずれも水素原子であることがさらに好ましい。
上記一般式(a)で表されるエポキシ樹脂は、樹脂骨格中に疎水性の構造を多く含む。そのため、このエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は吸湿率が低く、半田リフロー時における水分の気化による非常に高い応力の発生を抑制することができる。さらに、硬化物の架橋密度は低く、ガラス転移温度以上の高温域での弾性率が低いため、半田処理時に発生する熱応力が小さくなり、結果として耐半田リフロー性に優れる。
本発明においては、上記一般式(1)のエポキシ樹脂を用いることによる効果が損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。他のエポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン骨格を含む)型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの他のエポキシ樹脂は、単独でも混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂(A)として上記一般式(a)のエポキシ樹脂を用いない場合、上記他のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、上記一般式(a)のエポキシ樹脂を用いない場合、フェノール樹脂(B)としては、後述する一般式(b)で表されるフェノール樹脂を用いることが好ましい。
<フェノール樹脂(B)>
本発明で用いられるフェノール樹脂(B)は、上記一般式(1)において、Xが水酸基である下記一般式(b)
(化5)
Figure 0005205964

(上記一般式(b)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、複数存在するRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。nは平均値で、1〜3の正数である。)で表されるフェノール樹脂を含むことが好ましい。一般式(b)において、複数存在するRは、いずれも水素原子であることがさらに好ましい。
上記一般式(b)で表されるフェノール樹脂は、樹脂骨格中に疎水性の構造を多く含む。そのため、このフェノール樹脂を含むエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は吸湿率が低く、半田リフロー時における水分の気化による非常に高い応力の発生を抑制することができる。さらに、硬化物の架橋密度は低く、ガラス転移温度以上の高温域での弾性率が低いため、半田処理時に発生する熱応力が小さくなり、結果として耐半田リフロー性に優れる。
本発明においては、上記一般式(b)のフェノール樹脂を用いることによる効果が損なわない範囲で、他のフェノール樹脂と併用することができる。他のフェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格を含む)、ナフトールアラルキル樹脂等を挙げることができる。これらの他のフェノール樹脂は、単独でも混合して用いてもよい。
フェノール樹脂(B)として上記一般式(b)のフェノール樹脂を用いない場合、上記他のフェノール樹脂を用いることができる。なお、上記一般式(b)のフェノール樹脂を用いない場合、上記のエポキシ樹脂(A)としては、一般式(a)で表されるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当量比は、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に好ましくは0.7以上、1.5以下である。上記範囲内にあれば、エポキ樹脂組成物は硬化性に優れるとともに、該組成物から得られる硬化物は、耐湿性に優れる。
<硬化促進剤(C)>
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応の触媒となり得るものを用いることができる。硬化促進剤(C)としては、例えばトリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらの硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。
<無機質充填材(D)>
本発明で用いられる無機質充填材(D)としては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に多くする場合は、溶融シリカを用いるのが好ましい。
溶融シリカは破砕状、球状のいずれの形状でも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。
<離型剤(E)>
本発明で用いられる離型剤(E)としては、酸化ポリエチレンワックス(E1)、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)、酸化パラフィンワックス(E3)を挙げることができる。これらの離型剤は単独でも混合して用いてもよい。
以下、これらの離型剤を順に説明する。
(酸化ポリエチレンワックス(E1))
酸化ポリエチレンワックス(E1)は、一般的にカルボン酸等からなる極性基と、長い炭素鎖からなる非極性基とを有しているため、成形時に極性基は樹脂硬化物側に配向し、逆に非極性基は金型側に配向することにより離型剤として作用する。
エポキシ樹脂組成物中における酸化ポリエチレンワックス(E1)の含有量は、0.01重量%以上、1重量%以下であり、好ましくは0.03重量%以上、0.5重量%以下である。上記範囲内であると、金型からの硬化物の離型性に優れる。さらに、リードフレーム部材との密着性に優れるため、半田処理時において、リードフレーム部材と硬化物との剥離を抑制することができる。また、成形時における金型の汚れや硬化物の外観の悪化を抑制することもできる。
酸化ポリエチレンワックス(E1)としては、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物を挙げることができる。中でも、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物がより好ましい。これらの酸化ポリエチレンワックスは単独でも混合して用いてもよい。
以下に、酸化ポリエチレンワックス(E1)の(1-1)滴点、(1-2)酸価、(1-3)数平均分子量、(1-4)密度、(1-5)平均粒径、(1-6)粒径106μm以上の粒子の含有比率、を順に説明する。
(1-1)滴点
酸化ポリエチレンワックス(E1)の滴点は、100℃以上、140℃以下であり、好ましくは110℃以上、130℃である。滴点は、ASTM D127に準拠した方法により測定することができる。具体的には、金属ニップルを用いて、溶融したワックスが金属ニップルから最初に滴下するときの温度として測定される。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
滴点が上記範囲内であると、酸化ポリエチレンワックス(E1)は熱安定性に優れ、成形時に酸化ポリエチレンワックス(E1)が焼き付きにくい。そのため、金型からの硬化物の離型性に優れるとともに、連続成形性にも優れる。さらに、上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、酸化ポリエチレンワックス(E1)が十分に溶融する。これにより、硬化物中に酸化ポリエチレンワックスが略均一に分散する。そのため、硬化物表面における酸化ポリエチレンワックス(E1)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
(1-2)酸価
酸化ポリエチレンワックス(E1)の酸価は、10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下であり、好ましくは15mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である。酸価は、硬化物中における相溶性に影響を及ぼす。酸価は、JIS K 3504に準拠した方法により測定することができる。具体的には、ワックス類1g中に含有する遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数として測定される。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
酸価が上記範囲内にあると、酸化ポリエチレンワックス(E1)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、酸化ポリエチレンワックス(E1)と、エポキシ樹脂マトリックスとが、相分離を起こすことがない。そのため、硬化物表面における酸化ポリエチレンワックス(E1)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
さらに、酸化ポリエチレンワックス(E1)が硬化物表面に存在するため、金型からの硬化物の離型性に優れる。一方、酸化ポリエチレンワックス(E1)とエポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、酸化ポリエチレンワックス(E1)が硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない場合がある。
(1-3)数平均分子量
酸化ポリエチレンワックス(E1)の数平均分子量は、500以上、5000以下であり、好ましくは1000以上、4000以下である。数平均分子量は、例えば東ソー(株)製のHLC−8120などのGPC装置を用いて、ポリスチレン換算により算出することができる。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
数平均分子量が上記範囲内であると、酸化ポリエチレンワックス(E1)と、エポキシ樹脂マトリックスとが、好ましい親和状態となる。そのため、硬化物は、金型からの離型性に優れる。一方、酸化ポリエチレンワックス(E1)と、エポキシ樹脂マトリックスとの親和性が高いと、十分な離型性を得ることができない場合がある。逆に、親和性が低いと相分離を起こし、金型の汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす場合がある。
(1-4)密度
酸化ポリエチレンワックス(E1)の密度は、0.94g/cm以上、1.03g/cm以下であり、好ましくは0.97g/cm以上、0.99g/cm以下である。密度は、ASTM D1505に準拠した浮遊法にて、20℃における密度測定により算出することができる。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
密度が上記範囲内であると、酸化ポリエチレンワックス(E1)は熱安定性に優れ、成形時に酸化ポリエチレンワックス(E1)が焼き付きにくい。そのため、金型からの硬化物の離型性に優れるとともに、連続成形性にも優れる。さらに、上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物が硬化する際、酸化ポリエチレンワックス(E1)が十分に溶融する。これにより、硬化物中に酸化ポリエチレンワックス(E1)が略均一に分散する。そのため、硬化物表面における酸化ポリエチレンワックス(E1)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
(1-5)平均粒径
平均粒径は20μm以上、70μm以下であり、好ましくは30μm以上、60μm以下である。平均粒径は、例えば(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、溶媒を水として、重量基準の50%粒子径を平均粒径として測定することができる。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
平均粒径が上記範囲内にあると、酸化ポリエチレンワックス(E1)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、酸化ポリエチレンワックス(E1)が硬化物表面に存在し、金型からの硬化物の離型性に優れる。一方、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない。
さらに、酸化ポリエチレンワックス(E1)と、エポキシ樹脂マトリックスとが好ましい相溶状態にあるため、硬化物表面における酸化ポリエチレンワックス(E1)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
またさらに、上記範囲にあると、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、酸化ポリエチレンワックス(E1)が十分に溶融する。そのため、エポキシ樹脂組成物は流動性に優れる。
(1-6)粒径106μm以上の粒子の含有比率
全酸化ポリエチレンワックス(E1)中における粒径106μm以上の粒子の含有比率は、0.1重量%以下であることが好ましい。この含有比率は、JIS Z 8801の目開き106μmの標準篩を用いて測定することができる。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。
上記の含有比率であれば、酸化ポリエチレンワックス(E1)が略均一に分散し、金型の汚れや樹脂硬化物の外観の悪化を抑制することができる。また、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、酸化ポリエチレンワックスが十分に溶融するため、流動性に優れる。
本発明においては、酸化ポリエチレンワックス(E1)を用いることによる効果を損なわない範囲で、他の離型剤を併用することもできる。併用できる他の離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類等が挙げられる。
(グリセリントリ脂肪酸エステル(E2))
グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)は、グリセリンと飽和脂肪酸とから得られるトリエステルである。エポキシ樹脂組成物が、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)を含むことにより、該組成物から得られる硬化物の離型性が非常に優れることとなる。一方、グリセリンと飽和脂肪酸とのモノエステル及びジエステルは、残存する水酸基の影響により、エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物の耐湿性が低下し、その結果として耐半田リフロー性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
エポキシ樹脂組成物中におけるグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の含有量は、0.01重量%以上、1重量%以下であり、好ましくは0.03重量%以上、0.5重量%以下である。上記範囲内であると、金型からの硬化物の離型性に優れる。さらに、リードフレーム部材との密着性に優れるため、半田処理時において、リードフレーム部材と硬化物との剥離を抑制することができる。また、金型の汚れや樹脂硬化物の外観の悪化を抑制することもできる。
グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)としては、例えばグリセリントリカプロン酸エステル、グリセリントリカプリル酸エステル、グリセリントリカプリン酸エステル、グリセリントリラウリン酸エステル、グリセリントリミリスチン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、グリセリントリステアリン酸エステル、グリセリントリアラキン酸エステル、グリセリントリベヘン酸エステル、グリセリントリリグノセリン酸エステル、グリセリントリセロチン酸エステル、グリセリントリモンタン酸エステル、グリセリントリメリシン酸エステル等を挙げることができる。これらのグリセリントリ脂肪酸エステルは単独でも混合して用いてもよい。
中でも、グリセリンと、炭素数24以上36以下の飽和脂肪酸とのグリセリントリ脂肪酸エステルが、離型性と成形体の外観の観点から好ましい。さらにグリセリントリモンタン酸エステルが、より好ましい。尚、本発明において、飽和脂肪酸の炭素数とは飽和脂肪酸中のアルキル基とカルボキシル基の炭素数を合計したものを指す。
以下に、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の(2-1)滴点、(2-2)酸価、(2-3)平均粒径、(2-4)粒径106μm以上の粒子の含有比率、を説明する。
(2-1)滴点
グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の滴点は、70℃以上、120℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上、110℃以下である。
滴点が上記範囲内であると、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)は熱安定性に優れ、成形時にグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が焼き付きにくい。そのため、金型からの硬化物の離型性に優れるとともに、連続成形性にも優れる。さらに、上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が十分に溶融する。これにより、硬化物中にグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が略均一に分散する。そのため、硬化物表面におけるグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
(2-2)酸価
グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の酸価は、10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である。酸価は、硬化物中における相溶性に影響を及ぼす。
上記範囲内にあると、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)と、エポキシ樹脂マトリックスとが、相分離を起こすことがない。そのため、硬化物表面におけるグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
さらに、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が硬化物表面に存在するため、硬化物は金型からの離型性に優れる。一方、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない場合がある。
(2-3)平均粒径
平均粒径は20μm以上、70μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上、60μm以下である。
上記範囲内にあると、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が硬化物表面に存在し、金型からの硬化物の離型性に優れる。一方、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない。
さらに、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)と、エポキシ樹脂マトリックスとが好ましい相溶状態にあるため、硬化物表面におけるグリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
またさらに、上記範囲にあると、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)が十分に溶融する。そのため、エポキシ樹脂組成物は流動性に優れる。
(2-4)粒径106μm以上の粒子の含有比率
また、全グリセリントリ脂肪酸エステル中における粒径106μm以上の粒子の含有比率は0.1重量%以下であることが好ましい。
上記の含有比率であれば、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)がエポキシ樹脂組成物中に略均一に分散し、金型の汚れや樹脂硬化物の外観の悪化を抑制することができる。また、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、酸化ポリエチレンワックスが十分に溶融するため、流動性に優れる。
本発明で用いられるグリセリントリ脂肪酸エステルは市販のものを入手し、粒度調整して使用することができる。本発明で用いられるグリセリントリ脂肪酸エステルを用いることによる効果を損なわない範囲で他の離型剤を併用することもできる。併用できる離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類等が挙げられる。
(酸化パラフィンワックス(E3))
酸化パラフィンワックス(E3)とは、パラフィンワックスを空気酸化あるいは酸付加することなどにより酸化物としたものの総称である。酸化されることにより、カルボキシル基がパラフィンワックスに導入される。原料のパラフィンワックスは、減圧蒸留留出油を分離精製したものであり、常温において固体のワックスである。通常炭素数は20以上、40以下程度、分子量は300以上、550以下程度である。
酸化パラフィンワックス(E3)の含有量はエポキシ樹脂組成物中に、0.01重量%以上、1重量%以下であり、好ましくは0.03重量%以上0.5重量%以下である。上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、金型からの離型性に優れる。さらに、リードフレーム部材との密着性に優れるため、半田処理時において、リードフレーム部材と硬化物との剥離を抑制することができる。また、金型の汚れや樹脂硬化物の外観の悪化を抑制することもできる。
以下に、酸化パラフィンワックス(E3)の(3-1)軟化点、(3-2)酸価、(3-3)平均粒径、(3-4)粒径106μm以上の粒子の含有比率、を説明する。
(3-1)軟化点
酸化パラフィンワックス(E3)の軟化点は、70℃以上、120℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上、110℃以下である。軟化点は、JIS K−2235−5.3.1に準拠して測定することができる。
軟化点が上記範囲内であると、酸化パラフィンワックス(E3)は熱安定性に優れ、成形時に酸化パラフィンワックス(E3)が焼き付きにくい。そのため、金型からの硬化物の離型性に優れるとともに、連続成形性にも優れる。さらに、上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際、酸化パラフィンワックス(E3)が十分に溶融する。これにより、硬化物中に酸化パラフィンワックス(E3)が略均一に分散する。そのため、硬化物表面における酸化パラフィンワックス(E3)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
(3-2)酸価
酸価は10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である。酸価は、硬化物中における相溶性に影響を及ぼす。
酸価が上記範囲内にあると、酸化パラフィンワックス(E3)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、酸化パラフィンワックス(E3)と、エポキシ樹脂マトリックスとが、相分離を起こすことがない。そのため、硬化物表面における酸化パラフィンワックス(E3)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
さらに、酸化パラフィンワックス(E3)が硬化物表面に存在するため、金型からの硬化物の離型性に優れる。一方、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない場合がある。
(3-3)平均粒径
平均粒径は20μm以上、70μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上、60μm以下である。
平均粒径が上記範囲内にあると、酸化パラフィンワックス(E3)は、硬化物中において、エポキシ樹脂マトリックスと好ましい相溶状態となる。これにより、酸化パラフィンワックス(E3)が硬化物表面に存在し、金型からの硬化物の離型性に優れる。一方、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高すぎると、硬化物表面に染み出すことができず、十分な離型性を確保することができない。
さらに、酸化パラフィンワックス(E3)と、エポキシ樹脂マトリックスとが好ましい相溶状態にあるため、硬化物表面における酸化パラフィンワックス(E3)の偏析が抑制され、金型の汚れや硬化物の外観の悪化を低減することができる。
またさらに、上記範囲にあると、エポキシ樹脂組成物が硬化する際、酸化パラフィンワックス(E3)が十分に溶融する。そのため、エポキシ樹脂組成物は流動性に優れる。
(3-4)粒径106μm以上の粒子の含有比率
また、全酸化パラフィンワックス(E3)中における粒径106μm以上の粒子の含有比率は0.1重量%以下であることが好ましい。
上記の含有比率であれば、酸化パラフィンワックス(E3)が略均一に分散し、酸化パラフィンワックス(E3)の偏析による金型の汚れや樹脂硬化物の外観の悪化を抑制することができる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化の際、酸化パラフィンワックス(E3)が十分に溶融するため、流動性に優れる。
本発明で用いられる酸化パラフィンワックス(E3)は市販のものを入手し、粒度調整して使用することができる。本発明においては、酸化パラフィンワックス(E3)を用いることによる効果を損なわない範囲で他の離型剤を併用することもできる。併用できる離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類等が挙げられる。
<シランカップリング剤(F)>
シランカップリング剤(F)は、特に限定せず、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の有機成分と、無機充填剤との間で反応し、これらの界面強度を向上させるものを用いることができる。具体的には、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤(F)は単独でも併用してもよい。シランカップリング剤(F)は、後述する化合物(G)との相乗効果により、エポキシ樹脂組成物の粘度特性と流動特性とを著しく改善することの可能な必須成分である。
本発明に用いるシランカップリング剤(F)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上1重量%以下、好ましくは0.05重量%以上0.8以下、特に好ましくは0.1重量%以上0.6重量%以下である。上記範囲内であると、後述する化合物(G)の効果が充分に得られ、また半導体パッケージにおける耐半田リフロー性が向上する。また、さらに、エポキシ樹脂組成物の吸水性が抑制され、半導体パッケージにおける耐半田リフロー性が向上する。
<芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)>
芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(G)(以下化合物(G)と称する)は、下記一般式(2)
(化6)
Figure 0005205964

(上記一般式(2)において、R、Rはいずれか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき、他方は水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。R、R、Rは、各々独立に水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基であってもよく、またRおよびR、又はRおよびRが結合して芳香環を形成していてもよい。)で表される化合物を用いることができる。
上記式(2)において、RおよびR、又はRおよびRとが結合して芳香環を形成する化合物としては、下記一般式(3)
(化7)
Figure 0005205964

(上記式(3)において、R、Rはどちらか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき他方は水素、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。R、R、R、R、Rは、各々独立に、水素、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。)で表される化合物を用いることができる。
本発明に用いる化合物(G)としては、例えば、カテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、1、2−ジヒドロキシナフタレン、2、3−ジヒドロキシナフタレンおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらの化合物は、単独でも混合して用いてもよい。
これらのうちでも、流動性と硬化性の制御のしやすさ、低揮発性の点から母核がナフタレン環である、1、2−ジヒドロキシナフタレン、2、3−ジヒドロキシナフタレン、およびこれらの誘導体がより好ましい。
化合物(G)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上、1重量%以下、好ましくは0.03重量%以上、0.8重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以上、0.5重量%以下である。上記範囲にあれば、シランカップリング剤(F)との相乗効果による粘度特性および流動特性が得られる。さらに、硬化物の物性も優れ、エポキシ樹脂組成物として好ましく用いることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上述の(A)〜(G)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じて以下の他の添加剤を配合することもできる。他の添加剤としては、例えば臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、リン化合物、金属水酸化物等の難燃剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、合成ゴム等の低応力剤;酸化ビスマス水和物等の酸化防止剤等を挙げることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)〜(G)成分を混合してなるものである。具体的には、(A)〜(G)成分及びその他の添加剤等を、ミキサー等を用いて混合した後、加熱ニーダ、熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕して得られる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するができる。半導体素子等の電子部品を封止するには、例えば、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
<実施例A>
(実施例a1)
実施例a1において、以下の原料を用いた。
・下記一般式(4)のエポキシ樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂)[日本化薬製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273]
7.36重量部
(化8)
Figure 0005205964

(nは平均値で、1〜3の正数)
・式(5)のフェノール樹脂(フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂[三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点65℃、水酸基当量174]
4.69重量部
(化9)
Figure 0005205964

(nは平均値で、1〜3の正数)
・1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、「DBU」という)
0.20重量部
・球状溶融シリカ(平均粒径30.0μm) 87.00重量部
・酸化ポリエチレンワックス1(滴点120℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量2000、密度0.98g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
0.10重量部
・γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン 0.30重量部
・2,3−ジヒドロキシナフタレン(試薬) 0.05重量部
・カーボンブラック 0.30重量部
上記の原料をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
(評価方法)
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。単位はcm。
金線変形率:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間70秒で、160pLQFP(CuL/F、パッケージ外寸:24mm×24mm×1.4mm厚、パッドサイズ:8.5mm×8.5mm、チップサイズ7.4mm×7.4mm)を成形した。成形した160pLQFPパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線の変形率を(流れ量)/(金線長)の比率で表した。判定基準は5%未満を○、5%以上を×とした。
連続成形性:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間70秒で、80pQFP(CuL/F、パッケージ外寸:14mm×20mm×2mm厚、パッドサイズ:6.5mm×6.5mm、チップサイズ6.0mm×6.0mm)を連続で500ショットまで成形した。判定基準は未充填等全く問題なく500ショットまで連続成形できたものを○、それ以外を×とした。
成形品外観及び金型の汚れ:上記連続成形において500ショット経過後のパッケージ及び金型について、目視で汚れを評価した。パッケージ外観判断及び金型の汚れ基準は、汚れているものを×、500ショットまで汚れていないものを○で表す。
耐半田リフロー性:上記連続成形性の評価において成形したパッケージを175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージを85℃、相対湿度85%で168時間加湿処理後、IRリフロー処理(260℃、JEDEC・Level1条件に従う)を行った。顕微鏡でパッケージを観察し、クラック発生率[(クラック発生率)=(外部クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を算出した。単位は%。評価したパッケージの数は20個。また、半導体素子とエポキシ樹脂組成物界面の密着状態を超音波探傷装置により観察した。評価したパッケージの数は20個。耐半田リフロー性判断基準は、クラック発生率が0%で、かつ剥離なし:○、クラックもしくは剥離が発生したものは×とした。
(実施例a2〜a23、比較例a1〜a9)
表1、表2、表3に示す割合で各成分を配合し、実施例a1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例a1と同様にして評価した。結果を表1、表2、表3に示す。
実施例a1以外で用いた成分について、以下に示す。
・下記式(6)のフェノール樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂)[明和化成(株)製、MEH7851SS、軟化点67℃、水酸基当量203]
(化10)
Figure 0005205964

(nは平均値で、1〜3の正数)
・下記式(7)のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)[ジャバンエポキシレジン(株)製、YX−4000H、融点105℃、エポキシ当量191]
(化11)
Figure 0005205964
・酸化ポリエチレンワックス2(滴点105℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量1100、密度0.97g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス3(滴点135℃、酸価25mgKOH/g、数平均分子量3000、密度0.99g/cm、平均粒径40μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス4(滴点110℃、酸価12mgKOH/g、数平均分子量1200、密度0.97g/cm、平均粒径50μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス5(滴点110℃、酸価45mgKOH/g、数平均分子量2000、密度0.97g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス6(滴点110℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量750、密度0.98g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス7(滴点130℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量4500、密度0.99g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス8(滴点110℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量1100、密度0.95g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス9(滴点110℃、酸価25mgKOH/g、数平均分子量2000、密度1.02g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス10(滴点120℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量2000、密度0.98g/cm、平均粒径30μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・酸化ポリエチレンワックス11(滴点120℃、酸価20mgKOH/g、数平均分子量2000、密度0.98g/cm、平均粒径60μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高密度ポリエチレンポリマーの酸化物)
・ポリエチレンワックス1(滴点135℃、酸価0mgKOH/g、数平均分子量5500、密度0.93g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックス)
・ポリエチレンワックス2(滴点115℃、酸価0mgKOH/g、数平均分子量1800、密度0.93g/cm、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックス)
・1,2−ジヒドロキシナフタレン(試薬)
・カテコール(試薬)
・ピロガロール(試薬)
・1,6−ジヒドロキシナフタレン(試薬)
・レゾルシノール(試薬)
(表1)
Figure 0005205964

(表2)
Figure 0005205964

(表3)
Figure 0005205964
実施例a1〜a23のいずれにおいても、スパイラルフロー及び金線変形率において良好な結果が得られ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物が流動性に優れていることが確認され、さらに連続成形性にも優れていることが確認された。さらに、成形品表面及び金型表面に汚れが認められず、金型に対する成形体の離型性優れていることが確認され、耐半田リフロー性にも優れていることが確認された。
一方、一般式(4)で示されるエポキシ樹脂、および一般式(6)で示されるフェノール樹脂を用いていない比較例a1では、低吸湿化と高温時での低応力化を図ることができず、耐半田リフロー性が劣る結果となった。
また、酸化ポリエチレンワックス(E1)を用いていない比較例a2、a3では、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品外観、金型の汚れ、耐半田リフロー性も劣る結果となった。酸化ポリエチレンワックス(E1)の配合量が不足している比較例a4では、離型性が低下することにより、連続成形性と耐半田リフロー性が劣る結果となった。酸化ポリエチレンワックス(E1)の配合量が過剰である比較例a5では、過剰成分が部材との界面及び硬化物表面にブリードすることにより、金型表面の汚れと、さらに成形品の表面の汚れを確認した。さらに、耐半田リフロー性も劣る結果となった。
また、化合物(G)を添加していない比較例a6、a8及びa9では、樹脂組成物の流動性が低下し、金線変形率が悪化する結果となった。さらに比較例a8及びa9では、耐半田リフロー性も劣る結果となった。化合物(G)の配合量が過剰である比較例a7では、樹脂組成物の硬化性が低下することにより、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品表面および金型表面に汚れを確認した。
以上のように、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流動性、離型性、連続成形性のバランスに優れ、さらにこの樹脂組成物を用いることにより、耐半田リフロー性に優れた半導体装置パッケージを提供することができることが確認された。
<実施例B>
(実施例b1)
実施例b1においては、以下の原料を用いた。
・上記式(4)のエポキシ樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂)[日本化薬製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273]
7.36重量部
・上記式(5)のフェノール樹脂(フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂[三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点65℃、水酸基当量174]
4.69重量部
・DBU 0.20重量部
・球状溶融シリカ(平均粒径30.0μm) 87.00重量部
・グリセリントリモンタン酸エステル(クラリアントジャパン(株)製、リコルブWE4、滴点82℃、酸価25mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%) 0.10重量部
・γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン 0.30重量部
・2,3−ジヒドロキシナフタレン(試薬) 0.05重量部
・カーボンブラック 0.30重量部
上記の原料を、ミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を、実施例Aと同様の方法で評価した。結果を表4に示す。
(実施例b2〜b15、比較例b1〜b8)
表4、表5、表6に示す割合で各成分を配合し、実施例b1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例b1と同様にして評価した。結果を表4、表5、表6に示す。
上記以外で用いた成分について、以下に示す。
・グリセリントリメリシン酸エステル(滴点95℃、酸価30mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
・グリセリントリベヘン酸エステル(滴点80℃、酸価15mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
・グリセリンモノステアリン酸エステル(理研ビタミン(株)製、リケマールS−100、滴点65℃、酸価2mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
(表4)
Figure 0005205964

(表5)
Figure 0005205964

(表6)
Figure 0005205964
実施例b1〜b15のいずれにおいても、スパイラルフロー及び金線変形率において良好な結果が得られ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物が流動性に優れていることが確認され、さらに連続成形性にも優れていることが確認された。さらに、成形品表面及び金型表面に汚れが認められず、金型に対する成形体の離型性優れていることが確認され、耐半田リフロー性にも優れていることが確認された。
一方、一般式(4)で示されるエポキシ樹脂、および一般式(6)で示されるフェノール樹脂を用いていない比較例b1では、低吸湿化と高温時での低応力化を図ることができず、耐半田リフロー性が劣る結果となった。
また、グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)を用いていない比較例b2では、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品外観、金型の汚れ、耐半田リフロー性も劣る結果となった。グリセリントリ脂肪酸エステル(E2)の配合量が不足している比較例b3では、離型性が低下することにより、連続成形性と耐半田リフロー性が劣る結果となった。グリセリントリ脂肪酸エステル(E)の配合量が過剰である比較例b4では、過剰成分が部材との界面及び硬化物表面にブリードすることにより、金型表面の汚れと、さらに成形品の表面の汚れを確認した。さらに、耐半田リフロー性も劣る結果となった。
また、化合物(G)を添加していない比較例b5、b7及びb8では、樹脂組成物の流動性が低下し、金線変形率が悪化する結果となった。さらに比較例b7及びb8では、耐半田リフロー性も劣る結果となった。化合物(G)の配合量が過剰である比較例b6では、樹脂組成物の硬化性が低下することにより、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品表面および金型表面に汚れを確認した。
以上のように、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流動性、離型性、連続成形性のバランスに優れ、さらにこの樹脂組成物を用いることにより、耐半田リフロー性に優れた半導体装置パッケージを提供することができることが確認された。
<実施例C>
(実施例c1)
実施例c1においては、以下の原料を用いた。
・上記式(4)のエポキシ樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂)[日本化薬製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273]
7.36重量部
・上記式(5)のフェノール樹脂(フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂[三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点65℃、水酸基当量174]
4.69重量部
・DBU 0.20重量部
・球状溶融シリカ(平均粒径30.0μm) 87.00重量部
・酸化パラフィンワックス1(軟化点100℃、酸価15mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
0.10重量部
・γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン 0.30重量部
・2,3−ジヒドロキシナフタレン(試薬) 0.05重量部
・カーボンブラック 0.30重量部
上記の原料をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を実施例Aと同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
(実施例c2〜c14、比較例c1〜c8)
表7、表8、表9に示す割合で各成分を配合し、実施例c1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例c1と同様にして評価した。結果を表7、表8、表9に示す。
上記以外で用いた成分について、以下に示す。
・酸化パラフィンワックス2(軟化点105℃、酸価25mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
・パラフィンワックス(軟化点70℃、酸価0mgKOH/g、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、非酸化品)
(表7)
Figure 0005205964

(表8)
Figure 0005205964

(表9)
Figure 0005205964
実施例c1〜c14のいずれにおいても、スパイラルフロー及び金線変形率において良好な結果が得られ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物が流動性に優れていることが確認され、さらに連続成形性にも優れていることが確認された。さらに、成形品表面及び金型表面に汚れが認められず、金型に対する成形体の離型性優れていることが確認され、耐半田リフロー性にも優れていることが確認された。
一方、一般式(4)で示されるエポキシ樹脂、および一般式(6)で示されるフェノール樹脂を用いていない比較例c1では、低吸湿化と高温時での低応力化を図ることができず、耐半田リフロー性が劣る結果となった。
また、酸化パラフィンワックス(E3)を用いていない比較例c2では、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品外観、金型の汚れ、耐半田リフロー性も劣る結果となった。酸化パラフィンワックス(E3)の配合量が不足している比較例c3では、離型性が低下することにより、連続成形性と耐半田リフロー性が劣る結果となった。酸化パラフィンワックス(E3)の配合量が過剰である比較例c4では、過剰成分が部材との界面及び硬化物表面にブリードすることにより、金型表面の汚れと、さらに成形品の表面の汚れを確認した。さらに、耐半田リフロー性も劣る結果となった。
また、化合物(G)を添加していない比較例c5、c7及びc8では、樹脂組成物の流動性が低下し、金線変形率が悪化する結果となった。さらに比較例c7及びc8では、耐半田リフロー性も劣る結果となった。化合物(G)の配合量が過剰である比較例c6では、樹脂組成物の硬化性が低下することにより、連続成形性(生産性)が悪化し、成形品表面および金型表面に汚れを確認した。
以上のように、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流動性、離型性、連続成形性のバランスに優れ、さらにこの樹脂組成物を用いることにより、耐半田リフロー性に優れた半導体装置パッケージを提供することができることが確認された。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流動性、離型性、連続成形性等に優れ、さらに耐半田リフロー性等の硬化物特性にも優れている。そのため、半導体素子を封止する材料として好適に用いることができ、さらに該樹脂組成物により半導体素子を封止してなる半導体装置を提供することができる。

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)フェノール樹脂、
    (C)硬化促進剤、
    (D)無機質充填材、
    (E1)酸化ポリエチレンワックス、
    (F)シランカップリング剤、及び
    (G)芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物
    を含み、
    前記エポキシ樹脂(A)及び前記フェノール樹脂(B)のうちの少なくとも一方が、下記一般式(1)
    Figure 0005205964
    (上記一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、複数存在するRは互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xは、グリシジルエーテル基又は水酸基である。nは平均値で、1〜3の正数である。)
    で表される樹脂を含み、
    前記化合物(G)が、下記一般式(3)
    Figure 0005205964
    (上記一般式(3)において、R 、R はいずれか一方が水酸基であり、一方が水酸基のとき、他方は水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。R 、R 、R 、R 、R は、各々独立に、水素原子、水酸基、又は水酸基以外の置換基である。)で表され、
    全エポキシ樹脂組成物中に、前記酸化ポリエチレンワックス(E1)を0.01重量%以上、1重量%以下、前記化合物(G)を0.01重量%以上、1重量%以下含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の滴点が100℃以上、140℃以下である請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の平均粒径が20μm以上、70μm以下であり、全酸化ポリエチレンワックス(E1)中における粒径106μm以上の粒子の含有比率が0.1重量%以下である請求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の酸価が10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下である請求項1乃至のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の数平均分子量が500以上、5000以下である請求項1乃至のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)の密度が0.94g/cm以上、1.03g/cm以下である請求項1乃至のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記酸化ポリエチレンワックス(E1)が、低圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、高圧重合法によって製造されたポリエチレンワックスの酸化物、及び高密度ポリエチレンポリマーの酸化物よりなる群から選ばれる1種以上である請求項1乃至のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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