JP2002322347A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置Info
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Abstract
部材に対して密着性が高く、保存安定性にも優れる半導
体封止用エポキシ樹脂組成物、および該封止用組成物で
封止してなる半導体装置を提供すること。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
充填材(C)、式(I)で示される化合物(D)を含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、無機充
填材(C)の含有量が全樹脂組成物中に対して80〜9
5重量%であり、かつ該組成物の175℃の溶融粘度を
測定した時の溶融粘度曲線において300ポイズ以下で
ある時間が7秒以上であることを特徴とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物である。
Description
性が良好で、さらに半導体部材に対して密着性が高く、
保存安定性にも優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、および該封止用組成物で封止してなる半導体装置に
関する。
IC、LSI、超LSIなど半導体装置の封止方法は樹
脂封止が主流である。樹脂封止には、一般的にエポキシ
樹脂組成物が他の熱硬化性樹脂に比べて成形性、寸法安
定性、接着性、電気特性、機械特性に優れているため、
広く用いられてきた。
体装置封止後のエポキシ樹脂組成物が吸湿し、部品電極
の腐食や、半田リフロー時の樹脂と半導体部材間での剥
離、樹脂部分でのクラックの原因にもなるという問題が
ある。さらに、近年、環境問題の観点から鉛フリー半田
の使用が要求されているが、鉛フリー半田は従来の鉛入
り半田に比べ融点が30℃以上高く、そのため半田リフ
ロー温度の上昇(260〜280℃)が必要となり、半
田リフロー時の樹脂と半導体部材間での剥離、樹脂部分
でのクラックが発生しやすい状況となっている。
樹脂組成物中の無機充填材の配合量を多くし、低吸湿化
をはかることが提案されている。しかし、無機充填材の
配合量を多くすると、エポキシ樹脂組成物全体での流動
性が低下し、エポキシ樹脂組成物が成形機金型内を流動
する途中において反応が進行してしまい、パッケージの
未充填部分の形成や、ボイド、金線流れ等の成形不良が
発生するばかりでなく、樹脂と半導体部材間での密着性
の低下が起こり、鉛フリー半田に対応したリフロー条件
での耐半田リフロー性の低下という問題を生じていた。
このため、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の配合
量を多くした場合であっても、良流動性を確保し、パッ
ケージの成形不良を防ぎ、密着性が高く、耐半田リフロ
ー性に優れる方法が必要とされていた。
存安定性を良好にすることが、冷凍・冷蔵保存に関する
コスト削減や、作業性の問題から必要とされていた。
事情に鑑みなされたものであり、流動性に優れ、成形性
が良好で、さらに半導体部材に対して密着性が高く、保
存安定性にも優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
および該封止用組成物で封止してなる半導体装置の提供
を目的とする。
め、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、主と
して次のような構成をとる。
(B)、無機充填材(C)、式(I)で示される化合物
(D)を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であ
って、無機充填材(C)の含有量が全樹脂組成物中に対
して80〜95重量%であり、かつ該組成物の175℃
の溶融粘度を測定した時の溶融粘度曲線において300
ポイズ以下である時間が7秒以上であることを特徴とす
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
する。なお、本発明において「重量」とは「質量」を意
味する。
する各成分について説明する。
シ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)、式
(I)で示される化合物(D)を含有する。
分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば
特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般
である。例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´
−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,
5,5´−テトラメチルビフェニル、4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラブ
チルビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、フェ
ノールアラルキル型エポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3
−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ジ(2,
3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ナフトールアラ
ルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン型エポキシ樹
脂、3−t−ブチル−2,4´−ジヒドロキシ−3´,
5´,6−トリメチルスチルベンのジグリシジルエーテ
ル、3−t−ブチル−4,4´−ジヒドロキシ−3´,
5,5´−トリメチルスチルベンのジグリシジルエーテ
ル、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´,5,5´−テ
トラメチルスチルベンのジグリシジルエーテル、4,4
´−ジヒドロキシ−3,3´−ジ−t−ブチル−6,6
´−ジメチルスチルベンのジグリシジルエーテルなどの
スチルベン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格
含有エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹
脂、1,4−ビス(3−メチル−4ヒドロキシクミル)
ベンゼンのジグリシジルエーテル、4,4´−ジヒドロ
キシジフェニルエーテルのジグリシジルエーテル2,2
−ジメチル−5,5´−ジ−tert−ブチル−4,4
´−ジヒドロキシジフェニルスフィドなどのビスフェノ
ール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、鎖状脂肪族エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピ
ロ環含有エポキシ樹脂およびハロゲン化エポキシ樹脂な
どが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上併用
してもかまわない。なかでも、2官能のエポキシ樹脂を
配合することが好ましい。
合量としては、エポキシ樹脂組成物全体に対して通常2
〜25重量%、特に2〜10重量%が好ましい。さら
に、2官能のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(A)中に5
0重量%以上含有することがより好ましい。
樹脂と反応する化合物であれば任意であるが、硬化物と
した場合に吸水率が低い化合物としてフェノール性水酸
基を有する硬化剤(b)が好ましく用いられる。フェノ
ール性水酸基を有する硬化剤(b)の具体例としては、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック樹脂、
トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−ト
リス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリ
ス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノ
ールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フェ
ノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールア
ラルキル樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールアラルキ
ル樹脂、などが挙げられ、これらを単独で用いても、2
種類以上併用して用いてもかまわない。なかでもジシク
ロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、フェノールア
ラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル
骨格含有フェノールアラルキル樹脂が好ましく用いられ
る。
エポキシ樹脂組成物全体に対して通常2〜22重量%で
あり、好ましくは2〜10重量%である。さらに、硬化
剤(B)の全体量のうち、ジシクロペンタジエン骨格含
有フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフト
ールアラルキル樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールア
ラルキル樹脂のいずれかを50重量%以上配合すること
が、流動性ばかりでなく、密着性、耐半田リフロー性が
優れる点からより好ましい。さらには、エポキシ樹脂
(A)と硬化剤(B)の配合比は、機械的性質および耐
湿信頼性の点から(A)に対する(B)の化学当量比が
0.5〜2、特に0.7〜1.5の範囲にあることが好
ましい。
化剤(B)の硬化反応を促進するために硬化促進剤を用
いてもよい。硬化促進剤としてはエポキシ樹脂(A)と
硬化剤(B)との反応を促進するものであれば公知のも
のを任意に使用できる。硬化促進剤の具体例としては2
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2
−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾールなどのイミダゾール類およびそれらの塩、
トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチ
ルベンジルアミンなどの3級アミン化合物、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−
ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン、7−メチル−
1,5,7−トリアザビシクロ(4,4,0)デセン−
5などのアミジン化合物およびそれらの塩、トリフェニ
ルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)
ホスフィン、トリス(4−アルキルフェニル)ホスフィ
ン、トリアルキルホスフィンなどリン化合物およびそれ
らの塩などが用いられる。これらの硬化促進剤は2種以
上を併用しても良く、さらには予め使用する硬化剤
(B)またはエポキシ樹脂(A)と溶融混合させた後添
加しても良い。
脂組成物全体に対して通常2〜25重量%、特に2〜1
0重量%が好ましい。
は、非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、酸
化マグネシウムアルミニウム、ジルコニア、ジルコン、
クレー、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化アンチモン、アスベスト、ガラス繊維などが挙
げられる。形状も球状、破砕状、繊維状など任意のもの
が使用でき、なかでも球状の無機充填材を配合すること
が好ましい。特に好ましいものとして球状のシリカが挙
げられる。
の点から平均粒径5〜30μm(メジアン径)が好まし
い。
性、耐半田性の点から、80〜95重量%が特に好まし
い。
合物(D)を含有する。
としては、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒ
ドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシアント
ラキノン、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイックア
シッドなどの水酸基を3つ持つ化合物、1,2−ジヒド
ロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,
4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジヒドロキシベン
ズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒ
ド、1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルフ
ォニックアシッド、2,3−ジヒドロキシベンゾイック
アシッド、2,4−ジヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、2,5−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、2,
6−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、3,4−ジヒ
ドロキシベンゾイックアシッド、3,5−ジヒドロキシ
ベンゾイックアシッド、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,2
−ジヒドロキシ−4−ニトロベンゼン、2,5−ジヒド
ロキシフェニルアセティックアシッド、3,4−ジヒド
ロキシフェニルアセティックアシッド、2,6−ジヒド
ロキシトルエン、3,5−ジヒドロキシトルエン、2,
3−ジヒドロキシトルエン、3,4−ジヒドロキシトル
エンなどの水酸基を2つ持つ化合物が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらを単独で用いて
も、2種類以上併用してもかまわない。また、あらかじ
め、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)等の樹脂中に溶
融混合させて用いてもかまわない。
としては、好ましくは樹脂組成物に対して0.01〜
0.50重量%であり、より好ましくは0.03〜0.
30重量%である。
(D)を少量、添加剤として用いることで、特に無機充
填材(C)の配合量を樹脂組成物中80〜95重量%と
した場合に、流動性が向上し、半導体部材に対して密着
性が高く、鉛フリー半田を用いた耐半田リフロー性も良
好で、保存安定性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組
成物を得ることができる。式(I)で示される化合物
(D)の添加量を0.01重量%以上とすることにより
流動性が向上し、成形不良が起こりにくくなる。また
0.50重量%以下とすることで半田耐熱性が低下する
こともない。
して、2つ、ないし3つの水酸基が隣接する位置にある
化合物を用いることが、上記効果が十分得られることか
ら好ましい。
ランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの
カップリング剤を配合しておくことが、得られる半導体
装置の信頼性の点で好ましい。カップリング剤はそのま
ま他の成分と配合しても、あらかじめ無機充填材(C)
に表面処理しておいてもよい。
基および加水分解性基が珪素原子に直接結合したシラン
カップリング剤が使用され、具体的には、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシランなどが好ましく用いられ
る。
ポキシ樹脂組成物全体に対し、0.1〜2重量%であ
る。
の効果を損なわない範囲で、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖
脂肪酸のエステル、パラフィンワックス、シリコーン化
合物などの離型剤を2種類以上併用してもかまわない。
分ではないが難燃剤を配合できる。難燃剤としては、通
常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に添加されるもので
あれば特に限定されず、公知のものが使用できる。ブロ
ム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ
樹脂、ブロム化ポリカーボネート樹脂、ブロム化ポリス
チレン樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキサイド樹脂、
テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニル
エーテルなどのブロム化合物、赤リン、リン酸エステル
などのリン化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムなどの金属水酸化物などが挙げらる。
分ではないがアンチモン化合物を配合することもでき
る。これは通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難燃
助剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものが使用できる。アンチモン化合物の好ましい具体例
としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸
化アンチモンが挙げられる。
ンブラック、酸化鉄などの着色剤、ハイドロタルサイト
類、ビスマス系化合物、アルミニウム系化合物などのイ
オン捕捉剤、シリコーンゴム、オレフィン系共重合体、
変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴム、などのエ
ラストマー、ポリエチレンなどの低応力化剤、シリコー
ンオイルなどの耐湿性改良剤、および有機過酸化物など
の架橋剤を任意に添加することができる。
なことは、成形温度で溶融させた時に低粘度な状態で一
定時間以上保たれることである。具体的には175℃で
溶融粘度を測定した時の溶融粘度曲線において300ポ
イズ以下である時間が7秒以上であることが必要であ
る。
め、加熱状態においては硬化反応が進み常に粘度変化を
生じる。一般に、常温で固体のエポキシ樹脂組成物を成
形温度(例えば175℃)下に置くと、まず固体から溶
融状態となるために粘度が低下する。これは硬化反応よ
りも溶融状態への変化が勝っているためであるが、ある
時間を超えるとそれが逆転して硬化反応により粘度が上
昇し、ついには硬化に至る。この加熱時間と粘度の関係
を示す図が溶融粘度曲線である。
態、特に上記の最低溶融粘度付近で充填を行うよう成形
条件を設定するのが一般的である。しかし、成形時、エ
ポキシ樹脂組成物の粘度変化が激しく、すぐに高粘度と
なってしまうと、流動性不足により樹脂組成物の未充填
や金線流れ、さらにステージシフト等の成形不良が発生
する。したがって、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低
い状態で長時間保たれることが、成形不良の発生を抑え
るという点で好ましい。
175℃での溶融粘度を測定した時の溶融粘度曲線にお
いて300ポイズ以下である時間が7秒以上とすること
により成形が容易になり、樹脂組成物の未充填や金線流
れ、ステージシフトといった成形不良が起こりにくくな
る。溶融粘度が300ポイズ以下であれば近年の薄型の
半導体装置を成形するのにも十分な流動性が得られ、そ
の状態が7秒以上持続すれば容易に上記不良を回避する
ことができる。
に、溶融粘度曲線において300ポイズ以下である時間
が7秒以上であるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂
組成物の各成分を適宜選択することにより達成できる
が、特に式(I)で示される化合物(D)を使用するこ
とで、成型時の硬化性を損なうことなく容易に達成でき
る。
製作所製のフローテスター(CFT−500)を使用し
て測定したものを指すが、同等の測定ができるものであ
ればその他のフローテスターを使用してもなんら差し支
えない。溶融粘度測定条件はヒーター温度175℃、ダ
イ穴直径0.5mm、ダイ穴長さ0.1mm、ピストン
径11.3mm、測定荷重10kgfである。測定の方
法は175℃に加熱されたシリンダ内に直径10.8m
m、重量3g、充填率90%以上のタブレットを投入
し、直ちに測定を開始する。タブレットを投入時を時間
0とし、測定により得られる時間とピストン位置との関
係を示すデータをもとに、溶融粘度を算出する。
上記条件で測定した測定結果を、横軸に時間(秒)、縦
軸に粘度(ポイズ)をとり、175℃における粘度の経
時変化で表したものである。
例えば溶融混練による方法が用いられる。すなわち、各
種原料成分をミキサーなどの公知の方法で混合した後、
通常は60〜140℃で、たとえばバンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機など
を用いた公知の混練方法により製造できる。溶融混練後
は冷却、粉砕し粉末状にすることもできるし、そのまま
ペレット化することもできる。この樹脂組成物は通常、
粉末、タブレットまたは液状の状態から、成形によって
半導体封止に供される。
トランスファー成形法が一般的であるがインジェクショ
ン成形法や圧縮成形法も可能である。成形条件として
は、例えば樹脂組成物を成形温度150〜200℃、成
形圧力5〜15MPa、成形時間30〜300秒で成形
し、樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体装置
が製造される。また、必要に応じて上記成形物を100
〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われる。
するが、本発明はここに掲げる実施例によって限定され
るものではない。
す成分を、表2に示す組成比(重量比)でミキサーによ
り予備混合した後、バレル温度90℃の二軸押出機を用
いて5分間溶融混練後、冷却・粉砕し、半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を得た。
8ピンLQFP(外形:28×28×1.4mm、フレ
ーム材料:銅)用金型(ポット径:φ18mm)、17
6ピンLQFP(外形:23×23×1.4mm、フレ
ーム材料:銅)用金型(ポット径φ16mm)をそれぞ
れ用いて、低圧トランスファー成形機で、金型温度17
5℃、成形時間1分の条件でパッケージを成形した。保
存安定性の評価として208ピンLQFPのパッケージ
充填性(保存安定性)を、成形時の充填性の評価として
208ピンLQFPのパッケージ充填性(成形性)を、
硬化性の評価としてゲート部の樹脂残りを、密着性の評
価として176ピンLQFPの半田耐熱性(剥離率、外
部クラック)をそれぞれ評価し、表2に示す結果を得
た。評価方法の詳細を以下に記す。
物について、高化式フローテスターを用いて、175℃
における溶融粘度を測定し、溶融粘度曲線において30
0ポイズ以下になる時間を算出した。
製した樹脂組成物について、低圧トランスファー成形を
用いて上記条件で208ピンLQFPのパッケージを1
0個成形後、目視観察を行い、粘度上昇によるチップ変
位や流動性の不足等で未充填が発生した不良パッケージ
を除く、良好に得られたパッケージ数を求めた。
>組成物を20℃、50%RHの条件で72時間保存
し、低圧トランスファー成形を用いて208ピンLQF
Pのパッケージを10個成形後、目視観察を行い、粘度
上昇によるチップ変位や流動性の不足等で未充填が発生
した不良パッケージを除く、良好に得られたパッケージ
数を求めた。
176ピンLQFPのパッケージ8個を175℃で4時
間硬化させ、85℃、60%RH、168時間の条件で
加湿処理後、IRリフロー炉を用いて260℃で10秒
間加熱処理した。その後のパッケージを、超音波探傷機
を使用してダイパッド裏面を観察し、ダイパッド裏面の
全面積に対し剥離が生じている面積から剥離率(%)を
求めた。
し、外部クラックの発生したパッケージを不良パッケー
ジとし、その個数を求めた。
で示される化合物(D)の添加量が0.01〜0.50
重量%の範囲である半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、パッケージ充填性の評価において成形性、保存安定
性が良好である。また、従来より高い温度での半田耐熱
性の評価において剥離率が小さく、外部クラックの発生
もない。すなわち、成形時の充填性、保存安定性、密着
性に優れることがわかる。
が良好で、さらに、特に鉛フリー半田に対応したリフロ
ー条件でも半導体部材に対して密着性が高く、保存安定
性が良好な半導体封止用エポキシ樹脂組成物、および該
封止用組成物で封止してなる半導体装置を得ることがで
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機
充填材(C)、式(I)で示される化合物(D)を含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、無機充
填材(C)の含有量が全樹脂組成物中に対して80〜9
5重量%であり、かつ該樹脂組成物の175℃での溶融
粘度を測定した時の溶融粘度曲線において300ポイズ
以下である時間が7秒以上であることを特徴とする半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項2】エポキシ樹脂(A)が、2官能のエポキシ
樹脂を50重量%以上含有することを特徴とする請求項
1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】式(I)で示される化合物(D)の含有量
が全樹脂組成物に対して0.01〜0.5重量%である
ことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の半
導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】式(I)で示される化合物(D)の水酸基
の2つ以上が、隣接する位置にあることを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項5】鉛フリー半田対応半導体装置用であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5に記載の半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物の硬化物により半導体素子が封止されてな
ることを特徴とする半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2001129372A JP2002322347A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
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Cited By (12)
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