JP2006335828A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成形時の流動性、離型性、連続成形性が良好で、且つ耐半田リフロー性に優れた特性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、主鎖にビフェニレン骨格を有するノボラック構造の樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックスを全エポキシ樹脂組成物中に0.01%以上1重量%以下の割合で含み、かつ(F)特定構造のシランカップリング剤を全エポキシ樹脂組成物中に0.05%以上0.5重量%以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、主鎖にビフェニレン骨格を有するノボラック構造の樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックスを全エポキシ樹脂組成物中に0.01%以上1重量%以下の割合で含み、かつ(F)特定構造のシランカップリング剤を全エポキシ樹脂組成物中に0.05%以上0.5重量%以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置に関するものであり、特に流動性、離型性、連続成形性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた耐半田リフロー性に優れた半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高度化、軽薄短小化が求められる中、半導体素子の高集積化、表面実装化が進んでいる。これに伴い、半導体封止用エポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しくなっているのが現状である。特に半導体装置の薄型化に際しては、封止成形時における金型とエポキシ樹脂組成物の硬化物との間の離型不足に伴う応力の発生により、半導体装置内部の半導体素子自体にクラックを生じたり、硬化物と半導体素子との界面における密着性が低下したりするといった問題が生じている。また、半導体装置の表面実装化に際しては、環境問題に端を発した有鉛半田から無鉛半田への移行に伴い、半田処理時の温度が高くなり、半導体装置中に含まれる水分の気化によって発生する爆発的な応力による耐半田リフロー性が、従来以上に大きな問題となってきている。
このため耐半田リフロー性を向上させるための種々の提案がされている。例えば、無機充填材の高充填化が可能な低粘度型エポキシ樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が提案されているが(特許文献1、2参照。)、無機充填材の高充填化により、流動性の低下が懸念される。そこで、無機充填材の高充填化した場合においても、流動性、離型性、連続成形性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた耐半田リフロー性に優れた半導体装置の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形封止する時の流動性、離型性、連続成形性に優れ、かつ低吸湿、低応力性、金属系部材との密着性に優れたエポキシ樹脂組成物、並びにそれを用いた耐半田リフロー性に優れた半導体装置を提供するものである。
本発明は、
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、一般式(1)で示される樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックスを全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下の割合で含み、かつ(F)一般式(2)で示されるシランカップリング剤を全エポキシ樹脂組成物中に0.05重量%以上0.5重量%以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、一般式(1)で示される樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックスを全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下の割合で含み、かつ(F)一般式(2)で示されるシランカップリング剤を全エポキシ樹脂組成物中に0.05重量%以上0.5重量%以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2] 前記(E)酸化パラフィンワックスの平均粒径が20μm以上70μm以下であり、全酸化パラフィンワックス中における粒径106μm以上の粒子の含有比率が0.1重量%以下である第[1]項記載のエポキシ樹脂組成物、
[3] 第[1]又は[2]項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
[3] 第[1]又は[2]項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明に従うと、成形封止する時の流動性、離型性、連続成形性に優れ、かつ低吸湿、低応力性、金属系部材との密着性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成物、並びに耐半田リフロー性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、主鎖にビフェニレン骨格を有するノボラック構造の樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックス及び(F)特定構造のシランカップリング剤を特定量含むことにより、成形封止する時の流動性、離型性、連続成形性に優れ、かつ低吸湿、低応力性、金属系部材との密着性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成物、並びに耐半田リフロー性に優れた半導体装置が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)は、樹脂骨格中に疎水性の構造を多く含むことから、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は吸湿率が低く、また架橋密度が低いため、ガラス転移温度以上の高温域での弾性率が小さいといった特徴を有している。これを用いたエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物は低い吸湿性を有し、半田処理時における水分の気化による爆発的な応力を低減できる。また熱時に低弾性率であることから半田処理時に発生する熱応力が小さくなり、結果として耐半田リフロー性に優れる。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)を用いることによる効果が損なわれない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用する場合の他のエポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン骨格を含む)型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等があり、これらは単独でも混合して用いてもよい。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(Xはグリシジルエーテル基)の具体例を式(3)に示すが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるフェノール樹脂(Xは水酸基)は、樹脂骨格中に疎水性の構造を多く含むことから、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は吸湿率が低く、また架橋密度が低いため、ガラス転移温度以上の高温域での弾性率が小さいといった特徴を有している。これを用いたエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物は低吸湿率を示し、半田処理時における水分の気化による爆発的な応力を低減できる。また熱時に低弾性率であることから半田処理時に発生する熱応力が小さくなり、結果として耐半田リフロー性に優れる。
本発明で用いられる一般式(1)で示されるフェノール樹脂(Xは水酸基)を用いることによる効果が損なわれない範囲で、他のフェノール系樹脂と併用することができる。併用する場合の他のフェノール系樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格を含む)、ナフトールアラルキル樹脂等があり、これらは単独でも混合して用いてもよい。一般式(1)を基本骨格とするフェノール樹脂(Xは水酸基)の具体例を式(4)に示すが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール系樹脂のフェノール性水酸基の当量比としては、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に好ましくは0.7以上、1.5以下である。上記範囲を外れると耐湿性、硬化性等が低下する恐れがあるので好ましくない。
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としては、エポキシ樹脂とフェノール系樹脂との架橋反応の触媒となり得るものを指し、例えばトリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらの硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。
本発明で用いられる無機質充填材(D)としては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に多くする場合は、溶融シリカを用いるのが一般的である。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。
本発明に用いる酸化パラフィンワックス(E)とは、パラフィンワックスを空気酸化あるいは酸付加することなどにより酸化物としたものの総称であり、酸化されることにより、カルボキシル基が導入される。原料のパラフィンワックスは、減圧蒸留留出油を分離精製した常温において固体のワックスであり、通常炭素数は20〜40程度、分子量は300〜550程度である。
本発明で用いられる酸化パラフィンワックスの軟化点は、70℃以上、120℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上、110℃以下である。下限値未満だと熱安定性が十分でないため、連続成形時に酸化パラフィンワックスの焼き付きが発生し、離型性が悪化し、連続成形性を損なう恐れがある。上限値を越えるとエポキシ樹脂組成物の硬化の際、酸化パラフィンワックスが十分に溶融しないことにより、酸化パラフィンワックスの分散性が低下し、酸化パラフィンワックスの硬化物表面への偏析による金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。酸価は10mg/KOH以上、50mg/KOH以下が好ましく、より好ましくは15mg/KOH以上、40mg/KOH以下である。酸価は樹脂硬化物との相溶性に影響し、下限値未満だと酸化パラフィンワックスはエポキシ樹脂マトリックスと相分離を起こし、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。上限値を越えるとエポキシ樹脂マトリックスとの相溶性がよすぎるため、硬化物表面に染み出すことが出来ず、十分な離型性を確保することができない恐れがある。平均粒径は20μm以上、70μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上、60μm以下である。下限値未満だと酸化パラフィンワックスがエポキシ樹脂マトリックスとの相溶性がよすぎるため、硬化物表面に染み出すことが出来ず、十分な離型付与効果が得られない恐れがある。上限値を越えると酸化パラフィンワックスが偏析し、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。また、エポキシ樹脂組成物の硬化の際、酸化パラフィンワックスが十分に溶融しないことにより、流動性を阻害する恐れがある。また、全酸化パラフィンワックス中における粒径106μm以上の粒子の含有比率は0.1重量%以下であることが好ましい。上限値を越えると酸化パラフィンワックスが偏析し、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。また、エポキシ樹脂組成物の硬化の際、酸化パラフィンワックスが十分に溶融しないことにより、流動性を阻害する恐れがある。酸化パラフィンワックスの含有量はエポキシ樹脂組成物中に、0.01重量%以上1重量%以下であり、好ましくは0.03重量%以上0.5重量%以下である。下限値未満だと離型性不足となり、上限値を越えると樹脂硬化物とリードフレーム部材との密着性が損なわれ、半田処理時に樹脂硬化物と部材との剥離が発生する恐れがある。また、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。
本発明で用いられる酸化パラフィンワックスは市販のものを入手し、粒度調整して使用することができる。
本発明で用いられる酸化パラフィンワックスを用いることによる効果を損なわない範囲で他の離型剤を併用することもできる。併用できる離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類等が挙げられる。
本発明で用いられる酸化パラフィンワックスを用いることによる効果を損なわない範囲で他の離型剤を併用することもできる。併用できる離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類等が挙げられる。
本発明に用いられる一般式(2)で示されるシランカップリング剤(F)を使用すると、従来のシランカップリング剤よりもエポキシ樹脂組成物の低粘度化が可能となるため、無機充填材をより多く充填させ易くなり、その結果半導体装置の反り及び耐半田リフロー性を向上させることができる。本発明に用いられる一般式(2)で示されるシランカップリング剤は、好ましくはR1がフェニル基であり、R2が炭素数1〜3のアルキル基、かつR3、R4はメチル基もしくはエチル基であることが好ましい。しかしこれらに限定されるものではなく、また単独で用いても併用してもよい。本発明に用いるシランカップリング剤の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中に0.05重量%以上0.5重量%以下が好ましく、下限値未満だと目的とする粘度特性および流動特性が得られない可能性がある。上限値を越えるとエポキシ樹脂組成物の硬化が阻害され、また硬化物の物性が劣り、半導体封止樹脂としての性能が悪化する可能性がある。また、一般式(2)で示されるシランカップリング剤を用いることによる効果を損なわない範囲であれば、その他のカップリング剤を併用しても差し支えない。併用できるカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、リン化合物、金属水酸化物等の難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、合成ゴム等の低応力剤、酸化ビスマス水和物等の酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分及びその他の添加剤等を、ミキサー等を用いて混合後、加熱ニーダ、熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分及びその他の添加剤等を、ミキサー等を用いて混合後、加熱ニーダ、熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
実施例1
式(3)のエポキシ樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂)[日本化薬製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273]
7.45重量部
7.45重量部
式(5)のフェノール樹脂(フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂[三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点65℃、水酸基当量174]
4.75重量部
4.75重量部
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、「DBU」という)
0.20重量部
球状溶融シリカ(平均粒径30.0μm) 87.00重量部
酸化パラフィンワックス1(軟化点100℃、酸価15mg/KOH、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%) 0.10重量部
0.20重量部
球状溶融シリカ(平均粒径30.0μm) 87.00重量部
酸化パラフィンワックス1(軟化点100℃、酸価15mg/KOH、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%) 0.10重量部
式(6)で示されるシランカップリング剤[信越化学製、KBM−573]
0.20重量部
0.20重量部
カーボンブラック 0.30重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2軸ロールを用いて20回混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して、エポキシ樹脂組成物とした。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。単位はcm。
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。単位はcm。
金線変形率:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間70秒で、160pLQFP(CuL/F、パッケージ外寸:24mm×24mm×1.4mm厚、パッドサイズ:8.5mm×8.5mm、チップサイズ7.4mm×7.4mm)を成形した。成形した160pLQFPパッケージを軟X線透視装置で観察し、金線の変形率を(流れ量)/(金線長)の比率で表した。判定基準は5%未満を○、5%以上を×とした。
連続成形性:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間70秒で、80pQFP(CuL/F、パッケージ外寸:14mm×20mm×2mm厚、パッドサイズ:6.5mm×6.5mm、チップサイズ6.0mm×6.0mm)を連続で500ショットまで成形した。判定基準は未充填等の問題が全く発生せずに500ショットまで連続成形できたものを○、それ以外を×とした。
成形品外観及び金型汚れ:上記連続成形性の評価において500ショット経過後のパッケージ及び金型について、目視で汚れを評価した。パッケージ外観判断及び金型汚れ基準は、汚れているものを×、500ショットまで汚れていないものを○で表す。
耐半田リフロー性:上記連続成形性の評価において成形したパッケージを175℃、8時間で後硬化し、得られたパッケージを85℃、相対湿度85%で168時間加湿処理後、260℃の半田槽にパッケージを10秒間浸漬した。顕微鏡でパッケージを観察し、クラック発生率[(クラック発生率)=(外部クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を算出した。単位は%。評価したパッケージの数は20個。また、半導体素子とエポキシ樹脂組成物界面の密着状態を超音波探傷装置により観察した。評価したパッケージの数は20個。耐半田リフロー性判断基準は、クラック発生率が0%で、かつ剥離なし:○、クラックもしくは剥離が発生したものは×とした。
実施例2〜10、比較例1〜8
表1、表2に示す割合で各成分を配合し、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1以外で用いた成分について、以下に示す。
表1、表2に示す割合で各成分を配合し、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1以外で用いた成分について、以下に示す。
式(7)のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)[ジャバンエポキシレジン(株)製、YX−4000H、融点105℃、エポキシ当量191]
式(4)のフェノール樹脂(ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂)[明和化成(株)製、MEH7851SS、軟化点67℃、水酸基当量203]
酸化パラフィンワックス2(軟化点105℃、酸価25mg/KOH、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%)
パラフィンワックス(軟化点70℃、酸価0mg/KOH、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、非酸化品)
パラフィンワックス(軟化点70℃、酸価0mg/KOH、平均粒径45μm、粒径106μm以上の粒子0.0重量%、非酸化品)
式(8)で示されるシランカップリング剤[信越化学製、X−12−806]
γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
実施例1〜10は、いずれも良好な流動性、離型性、連続成形性及び耐半田リフロー性を有する結果となった。一般式(1)で示される樹脂を用いていない比較例1では、低吸湿化効果と高温時での低応力化効果が発揮されないことで、耐半田リフロー性が劣る結果となった。また、酸化パラフィンワックス(E)を用いていない比較例2では、連続成形性が悪化し、成形品外観、金型汚れ、耐半田リフロー性も劣る結果となった。酸化パラフィンワックス(E)の配合量が不足している比較例3では、離型性が低下することで、連続成形性と耐半田リフロー性が劣る結果となった。酸化パラフィンワックス(E)の配合量が過剰である比較例4では、過剰成分が部材との界面及び硬化物表面にブリードすることにより、金型汚れや成形品外観が悪化し、耐半田リフロー性も劣る結果となった。また、一般式(2)で示されるシランカップリング剤を用いていない比較例5、7及び8では、流動性が低下し、金線変形率が増加する結果となった。一般式(2)で示されるシランカップリング剤の配合量が過剰である比較例6では、樹脂組成物の硬化性が低下することにより、連続成形性が悪化し、成形品外観、金型汚れ、耐半田リフロー性も劣る結果となった。以上より、本発明のエポキシ樹脂組成物を使用することにより、流動性、離型性、連続成形性及び耐半田リフロー性のバランスの優れた半導体装置パッケージを提供することができることが判った。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低吸湿、低応力性に優れた特性を有しており、これを用いて半導体素子を成形封止する時の流動性、離型性、連続成形性に優れ、且つリードフレーム等の金属系部材に対し密着力が高く、耐半田リフロー性に優れた半導体装置を得ることができるため、無鉛半田を用いて表面実装を行う半導体装置に好適に用いることができる。
Claims (3)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)フェノール系樹脂のうちの少なくとも一方が、一般式(1)で示される樹脂を含み、更に(E)酸化パラフィンワックスを全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下の割合で含み、かつ(F)一般式(2)で示されるシランカップリング剤を全エポキシ樹脂組成物中に0.05重量%以上0.5重量%以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 前記(E)酸化パラフィンワックスの平均粒径が20μm以上70μm以下であり、全酸化パラフィンワックス中における粒径106μm以上の粒子の含有比率が0.1重量%以下である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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JP (1) | JP2006335828A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180013751A (ko) * | 2016-07-29 | 2018-02-07 | 스미토모 베이클리트 컴퍼니 리미티드 | 반도체 봉지용 에폭시 수지 조성물 및 반도체 장치 |
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2005
- 2005-05-31 JP JP2005160457A patent/JP2006335828A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180013751A (ko) * | 2016-07-29 | 2018-02-07 | 스미토모 베이클리트 컴퍼니 리미티드 | 반도체 봉지용 에폭시 수지 조성물 및 반도체 장치 |
JP2018024832A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-15 | 住友ベークライト株式会社 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
KR102340215B1 (ko) | 2016-07-29 | 2021-12-17 | 스미토모 베이클리트 컴퍼니 리미티드 | 반도체 봉지용 에폭시 수지 조성물 및 반도체 장치 |
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