JP5202988B2 - 耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼 - Google Patents

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本発明は、耐食性(特に耐硫酸性)が要求される環境で使用される部材に優れた二相系ステンレス鋼に関し、特に化学プラント用配管、継手、締結部材、建築用部品等に用いられる耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼に関するものである。
従来、化学プラント用配管、継手等にはJISで規定されているSUS329系の二相系ステンレス鋼が使用されている。しかし、この二相系ステンレス鋼はNiを4.0%以上含有しているため、コストが高いという問題がある。特に、近年のNi高騰によりNi含有量を少なくした二相系ステンレス鋼の開発がされている。例えば特開2002−155345号公報(引用文献1)に開示されているような、ハイドロフォーム等の成形性に優れた高耐食鋼管およびその製造方法が提案されている。
また、特開2006−169622号公報(引用文献2)に開示されているように、Mn:12%以下、Ni:3%以下を含有する成形性に優れるオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼や、特開2006−193823号公報(引用文献3)に開示されているような、Mn:4〜12%、Ni:1%以下の金属組織中のオーステナイト相分率が10〜85vol%以下の溶接部耐食性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼等が提案されている。
特開2002−155345号公報 特開2006−169622号公報 特開2006−193823号公報
しかしながら、上述した特許文献はいずれも成形性、溶接部耐食性改善の提案であっても、耐全面腐食性に関する提案はされておらず、またその目的等を見ても耐全面腐食性が求められる用途には適さないという問題がある。
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、高価なNiを含まず、安価でかつ耐全面腐食性(特に硫酸環境下)に優れる二相系ステンレス鋼を提供するものである。そのための特性を満足するためには、まず、高価なNiを含まないこと、式(1)である、Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10による成分規制を行うことによりフェライト相とオーステナイト相の形成量を管理(γ相:30〜50%)すること、さらに、式(2)である、−Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20とすることにより耐全面腐食性を向上させることにある。
その発明の要旨とするところは、 (1)質量%で、C:0.005〜0.030%、Si:0.20〜1.00%、Mn:4.00%超〜10.00%未満、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Ni:0.10%超〜1.00%未満、Cr:18.0%超〜25.0%、Mo:1.00〜5.00%、 Cu:2.00〜4.00%、O:0.010%以下、N:0.10〜0.30%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼にある。
Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10=−10〜−7 … (1)
−Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20 … (2)
以上述べたように、本発明による式によりフェライト相とオーステナイト相の形成量を管理(γ相:30〜50%)し、かつ耐食指数による規制により耐全面腐食性を向上させるもので、特に耐硫酸環境で優れた安価な二相系ステンレス鋼を提供することにある。
以下、本発明についての成分組成の限定理由について説明する。
C:0.005〜0.030%
Cは、オーステナイト生成および強度上昇に有効な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果が十分でなく、また、その含有量が高すぎると耐食性の劣化、成形時の割れを生じやすくなるため、その上限を0.030%とした。
Si:0.20〜1.00%
Siは、脱酸元素として有効な元素であり、0.20%以上含有させることが望ましい。しかし、1.00%を超えると延性低下となることから、その範囲を0.20〜1.00%とした。
Mn:4.00%超〜10.00%未満
Mnは、オーステナイト相の確保および強度上昇させる元素である。しかし、4.00%以下ではその効果が十分でなく、また、10.00%以上となると耐食性を劣化させることから、その上限を10.00%未満とした。好ましくは4.00超〜7.00%とする。
P:0.050%以下
Pは、熱間加工性には有害な元素であり、特に0.050%を超えると悪影響が顕著となるので、その上限を0.050%以下とした。
S:0.010%以下
Sは、耐食性に有害な元素であり、特に0.010%を超えると悪影響が顕著となるので、その上限を0.010%以下とした。
Ni:0.10%超〜1.00%未満
Niは、高価な金属であるため、原料のコストを抑えるため、なるべくその使用量を抑制する必要があるが、オーステナイト相を確保するために重要な元素である。このため、本発明では、Niの含有量を0.10%超〜1.00%未満にすることによって、原料のコストを大幅に低減すると共に、ステンレス鋼としての耐食性を保持することができる。
Cr:18.0%超〜25.0%
Crは、強力なフェライト生成元素であると同時に保護性の酸化皮膜を生成し耐食性を付与する基本元素である。しかし、18.0%以下では耐錆性が不十分である。また、過剰となると延性が悪化することから、その上限を25.0%とした。
Mo:1.00〜5.00%
Moは、Crの酸化保護皮膜を強固にし耐食性を著しく改善する効果がある。しかし、1.00%未満ではその効果が十分でなく、また、5.00%を超えるとコスト的に高くなることから、その上限を5.00%とした。
Cu:2.00〜4.00%
Cuは、オーステナイト相の安定化と耐食性を改善する元素である。しかし、2.00%未満ではその効果が十分でなく、4.00%を超えると熱間加工性が悪化することから、その上限を4.00%とした。
O:0.010%以下
Oは、その含有量を低くするほどよいが、0.010%を超えると熱間加工性が劣化することから、その上限を0.010%とした。
N:0.10〜0.30%
Nは、オーステナイト相の確保と耐食性を改善する元素である。しかし、0.10%未満ではその効果が十分でなく、0.30%を超えると熱間加工性が悪化することから、その上限を0.30%とした。好ましくは0.10〜0.20%とする。
Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10=−10〜−7 … (1)
上記(1)式はフェライト相の確保に必要な規制であって、その値が−10未満ではその効果が得られず、−7を超えるとオーステナイト相の生成を抑制することから、その範囲を−10〜−7とした。
−Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20 … (2)
上記(2)式は、耐全面腐食性を向上させる耐腐食指数であり、その指数が20未満では効果が十分でないことから、その効果を得るためには下限を20とした。好ましくは20〜24とする。この関係を図1に示す。図1は、本発明に係る腐食指数と腐食度との関係を示す図である。この図に示すように、横軸に腐食指数を縦軸に腐食度をとると腐食指数が20未満においては腐食度が高く、逆に20以上になると腐食度が一段と低下することが分かる。このことからも本発明においては腐食指数を20以上とした。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す成分組成の鋼を真空誘導溶解炉にて溶製して100kgの鋼塊とし、1175℃に加熱し、径20mmに鍛伸した後、1050℃で20分保持した後、水冷を行う固溶化熱処理を施し、各種試料を作製した。その各種のオーステナイト量および耐食性試験を実施した。その結果を表1に示す。また、その試験方法を以下に示す。
[オーステナイト量]
オーステナイト量は、鍛伸後、固溶化熱処理(1050℃で20分保持後、水冷)を行った後に切断面の中周部をフェライトスコープにて測定し、5点平均値を100より引いた値を用いた。
[耐食性]
耐食性試験としては、径12mmで長さ21mmの棒状試験片を作製し、表面を#600にて湿式研磨後、試験に供した。その試験条件は、5%硫酸液に25℃の24時間浸漬し、いったん水洗した後再び24時間浸漬し、この時の腐食により減った重量を試験片の初期の表面積と浸漬時間(48時間)で割った値で評価した。
Figure 0005202988
表1に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜13は比較例である。
比較例No.6は、式2の値が低いために耐食性が悪い。比較例No.7は、S含有量が高く、式1の値が高いために、オーステナイト量が多く、かつ耐食性が悪い。比較例No.8は、C含有量が高く、式1の値が高く、かつ式2の値が低いためにオーステナイト量が多く、かつ耐食性が悪い。比較例No.9は、Ni含有量が低く、式2の値が低いために耐食性がやや劣る。比較例No.10は、Cr含有量が高く、式1の値が低く、かつ式2の値が低いためにオーステナイト量が少なく、かつ耐食性が悪い。
比較例No.11は、Cu含有量が低く、かつ式2の値が低いためにオーステナイト量が少なく、かつ耐食性が悪い。比較例No.12は、Mo含有量が低く、式1の値が高いためにオーステナイト量が多く、耐食性が劣る。比較例No.13は、Mn含有量が高く、式1の値が高く、かつ式2の値が低いために耐食性が悪い。これに対して、本発明例であるNo.1〜5は、いずれも本発明の条件を満たしていることから、最適なオーステナイト量を確保し、かつ耐食性、特に耐全面腐食性が優れていることが分かる。
以上のように、高価なNiを含有するとなく、式1にて鋼成分を規制することによりフライト相とオースレナイト相の成形量を管理し、かつ式2により耐全面腐食性を向上させる極めて優れた2相系ステンレス鋼を提供することができる。
本発明に係る腐食指数と腐食度との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C:0.005〜0.030%、
    Si:0.20〜1.00%、
    Mn:4.00%超〜10.00%未満、
    P:0.050%以下、
    S:0.010%以下、
    Ni:0.10%超〜1.00%未満、
    Cr:18.0%超〜25.0%、
    Mo:1.00〜5.00%、
    Cu:2.00〜4.00%、
    O:0.010%以下、
    N:0.10〜0.30%、
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼。
    Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10=−10〜−7 … (1)
    −Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20 … (2)
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