JP5202988B2 - 耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼 - Google Patents
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Description
Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10=−10〜−7 … (1)
−Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20 … (2)
C:0.005〜0.030%
Cは、オーステナイト生成および強度上昇に有効な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果が十分でなく、また、その含有量が高すぎると耐食性の劣化、成形時の割れを生じやすくなるため、その上限を0.030%とした。
Siは、脱酸元素として有効な元素であり、0.20%以上含有させることが望ましい。しかし、1.00%を超えると延性低下となることから、その範囲を0.20〜1.00%とした。
Mn:4.00%超〜10.00%未満
Mnは、オーステナイト相の確保および強度上昇させる元素である。しかし、4.00%以下ではその効果が十分でなく、また、10.00%以上となると耐食性を劣化させることから、その上限を10.00%未満とした。好ましくは4.00超〜7.00%とする。
Pは、熱間加工性には有害な元素であり、特に0.050%を超えると悪影響が顕著となるので、その上限を0.050%以下とした。
S:0.010%以下
Sは、耐食性に有害な元素であり、特に0.010%を超えると悪影響が顕著となるので、その上限を0.010%以下とした。
Niは、高価な金属であるため、原料のコストを抑えるため、なるべくその使用量を抑制する必要があるが、オーステナイト相を確保するために重要な元素である。このため、本発明では、Niの含有量を0.10%超〜1.00%未満にすることによって、原料のコストを大幅に低減すると共に、ステンレス鋼としての耐食性を保持することができる。
Crは、強力なフェライト生成元素であると同時に保護性の酸化皮膜を生成し耐食性を付与する基本元素である。しかし、18.0%以下では耐錆性が不十分である。また、過剰となると延性が悪化することから、その上限を25.0%とした。
Moは、Crの酸化保護皮膜を強固にし耐食性を著しく改善する効果がある。しかし、1.00%未満ではその効果が十分でなく、また、5.00%を超えるとコスト的に高くなることから、その上限を5.00%とした。
Cu:2.00〜4.00%
Cuは、オーステナイト相の安定化と耐食性を改善する元素である。しかし、2.00%未満ではその効果が十分でなく、4.00%を超えると熱間加工性が悪化することから、その上限を4.00%とした。
Oは、その含有量を低くするほどよいが、0.010%を超えると熱間加工性が劣化することから、その上限を0.010%とした。
N:0.10〜0.30%
Nは、オーステナイト相の確保と耐食性を改善する元素である。しかし、0.10%未満ではその効果が十分でなく、0.30%を超えると熱間加工性が悪化することから、その上限を0.30%とした。好ましくは0.10〜0.20%とする。
上記(1)式はフェライト相の確保に必要な規制であって、その値が−10未満ではその効果が得られず、−7を超えるとオーステナイト相の生成を抑制することから、その範囲を−10〜−7とした。
上記(2)式は、耐全面腐食性を向上させる耐腐食指数であり、その指数が20未満では効果が十分でないことから、その効果を得るためには下限を20とした。好ましくは20〜24とする。この関係を図1に示す。図1は、本発明に係る腐食指数と腐食度との関係を示す図である。この図に示すように、横軸に腐食指数を縦軸に腐食度をとると腐食指数が20未満においては腐食度が高く、逆に20以上になると腐食度が一段と低下することが分かる。このことからも本発明においては腐食指数を20以上とした。
オーステナイト量は、鍛伸後、固溶化熱処理(1050℃で20分保持後、水冷)を行った後に切断面の中周部をフェライトスコープにて測定し、5点平均値を100より引いた値を用いた。
[耐食性]
耐食性試験としては、径12mmで長さ21mmの棒状試験片を作製し、表面を#600にて湿式研磨後、試験に供した。その試験条件は、5%硫酸液に25℃の24時間浸漬し、いったん水洗した後再び24時間浸漬し、この時の腐食により減った重量を試験片の初期の表面積と浸漬時間(48時間)で割った値で評価した。
Claims (1)
- 質量%で、
C:0.005〜0.030%、
Si:0.20〜1.00%、
Mn:4.00%超〜10.00%未満、
P:0.050%以下、
S:0.010%以下、
Ni:0.10%超〜1.00%未満、
Cr:18.0%超〜25.0%、
Mo:1.00〜5.00%、
Cu:2.00〜4.00%、
O:0.010%以下、
N:0.10〜0.30%、
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼。
Ni+27C+23N+0.2Mn+0.5Cu−Cr−1.2Mo−0.5Si+10=−10〜−7 … (1)
−Cr+3.6Ni+4.7Mo+11.5Cu+1.4N−2.1Mn≧20 … (2)
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JP2008046556A JP5202988B2 (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 耐全面腐食性に優れた二相系ステンレス鋼 |
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JP5693028B2 (ja) * | 2010-03-17 | 2015-04-01 | 株式会社クボタ | 伝動軸連結部及び立形ポンプ |
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