JP5202200B2 - 遠隔操作型アクチュエータ - Google Patents

遠隔操作型アクチュエータ

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この発明は、工具の姿勢を遠隔操作で変更可能で、医療用、機械加工等の用途で用いられる遠隔操作型アクチュエータに関する。
医療用として骨の加工に用いられたり、機械加工用としてドリル加工や切削加工に用いられたりする遠隔操作型アクチュエータがある。遠隔操作型アクチュエータは、直線形状や湾曲形状をした細長いパイプ部の先端に設けた工具を遠隔操作で制御する。ただし、従来の遠隔操作用アクチュエータは、工具の回転のみを遠隔操作で制御するだけであったため、医療用の場合、複雑な形状の加工や外からは見えにくい箇所の加工が難しかった。また、ドリル加工では、直線だけではなく、湾曲状の加工が可能なことが求められる。さらに、切削加工では、溝内部の奥まった箇所の加工が可能なことが求められる。以下、医療用を例にとって、遠隔操作型アクチュエータの従来技術と課題について説明する。
整形外科分野において、骨の老化等によって擦り減って使えなくなった関節を新しく人工のものに取り替える人工関節置換手術がある。この手術では、患者の生体骨を人工関節が挿入できるように加工する必要があるが、その加工には、術後の生体骨と人工関節との接着強度を高めるために、人工関節の形状に合わせて精度良く加工することが要求される。
例えば、股関節の人工関節置換手術では、大腿骨の骨の中心にある髄腔部に人工関節挿入用の穴を形成する。人工関節と骨との接触強度を保つには両者の接触面積を大きくとる必要があり、人工関節挿入用の穴は、骨の奥まで延びた細長い形状に加工される。このような骨の切削加工に用いられる医療用アクチュエータとして、細長いパイプ部の先端に工具を回転自在に設け、パイプ部の基端側に設けたモータ等の回転駆動源の駆動により、パイプ部の内部に配した回転軸を介して工具を回転させる構成のものがある(例えば特許文献1)。この種の医療用アクチュエータは、外部に露出した回転部分は先端の工具のみであるため、工具を骨の奥まで挿入することができる。
人工関節置換手術では、皮膚切開や筋肉の切断を伴う。すなわち、人体に傷を付けなければならない。その傷を最小限に抑えるためには、前記パイプ部は真っ直ぐでなく、適度に湾曲している方が良い場合がある。このような状況に対応するためのものとして、次のような従来技術がある。例えば、特許文献2は、パイプ部の中間部を2重に湾曲させて、パイプ部の先端側の軸心位置と基端側の軸心位置とをずらせたものである。このようにパイプ部の軸心位置が先端側と軸心側とでずれているものは、他にも知られている。また、特許文献3は、パイプ部を180度回転させたものである。
特開2007−301149号公報 米国特許第4,466,429号明細書 米国特許第4,265,231号明細書 特開2001−17446号公報
生体骨の人工関節挿入用穴に人工関節を嵌め込んだ状態で、生体骨と人工関節との間に広い隙間があると、術後の接着時間が長くなるため、前記隙間はなるべく狭いのが望ましい。また、生体骨と人工関節の接触面が平滑であることも重要であり、人工関節挿入用穴の加工には高い精度が要求される。しかし、パイプ部がどのような形状であろうとも、工具の動作範囲はパイプ部の形状の制約を受けるため、皮膚切開や筋肉の切断をできるだけ小さくしながら、生体骨と人工関節との間の隙間を狭くかつ両者の接触面が平滑になるように人工関節挿入用穴を加工するのは難しい。
一般に、人工関節置換手術が行われる患者の骨は、老化等により強度が弱くなっていることが多く、骨そのものが変形している場合もある。したがって、通常考えられる以上に、人工関節挿入用穴の加工は難しい。
そこで、本出願人は、人工関節挿入用穴の加工を比較的容易にかつ精度良く行えるようにすることを目的として、先端に設けた工具の姿勢を遠隔操作で変更可能とすることを試みた。工具の姿勢が変更可能であれば、パイプ部の形状に関係なく、工具を適正な姿勢に保持することができるからである。なお、細長いパイプ部を有しない医療用アクチュエータでは、手で握る部分に対して工具が設けられた部分が姿勢変更可能なものがある(例えば特許文献4)が、遠隔操作で工具の姿勢を変更させるものは提案されていない。
この発明の目的は、細長いパイプ部の先端に設けられた工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、工具の姿勢を静止時、姿勢変更時共に適正に保つことができる遠隔操作型アクチュエータを提供することである。
この発明の他の目的は、細長いパイプ部の先端に設けられた工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、比較的小さな駆動源を用いて工具の姿勢変更を行える遠隔操作型アクチュエータを提供することである。
この発明における第1の発明にかかる遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、この姿勢制御手段は、前記先端部材を静止状態の初期姿勢で姿勢保持可能とする初期姿勢保持力を前記姿勢操作部材に与えるように前記姿勢制御用駆動源を制御する初期姿勢保持制御部と、前記初期姿勢保持力よりも大きな力を前記姿勢操作部材に与えて姿勢操作部材を進退させることにより前記先端部材の姿勢を変更させるように前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢変更制御部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、工具回転用駆動源の回転が回転軸を介して先端部材のスピンドルに伝達され、このスピンドルに保持された工具が回転することにより、骨等の切削が行われる。その際、先端部材の姿勢は、先端部材に作用する外力と姿勢制御用駆動源の推力とのバランスによって決定される。そこで、姿勢制御手段の初期姿勢保持制御部により、初期姿勢保持力を姿勢操作部材に与えるように姿勢制御用駆動源を制御することで、先端部材を静止状態の初期姿勢に保持する。姿勢制御用駆動源の推力によって、先端部材の姿勢の維持、すなわち先端部材の剛性確保を行うのである。また、先端部材の姿勢を変更するとき等のように、先端部材にそれまでよりも大きな力が作用した場合には、先端部材の姿勢を維持するために姿勢制御用駆動源の推力を大きくすることが必要である。そこで、先端部材の姿勢を変更する場合には、姿勢制御手段の姿勢変更制御部により、前記初期姿勢保持力よりも大きな力を姿勢操作部材に与えるように姿勢制御用駆動源を制御する。このように、初期姿勢保持制御部により先端部材の静止時の姿勢を制御し、かつ姿勢変更制御部により先端部材の姿勢変更時の姿勢を制御することにより、先端部材およびそれに保持された工具の姿勢を静止時、姿勢変更時共に適正に保つことができる。
姿勢制御用駆動源は、スピンドルガイド部の基端側の駆動部ハウジング内に設けられており、先端部材の姿勢変更は遠隔操作で行われる。姿勢操作部材はガイド孔に挿通されているため、姿勢操作部材が長手方向と交差する方向に位置ずれすることがなく、常に先端部材に対し適正に作用することができ、先端部材の姿勢変更動作が正確に行われる。
この発明において、前記先端部材の姿勢は、この先端部材が前記初期姿勢にあるときの前記姿勢操作部材の位置を基準位置として、この基準位置に対する前記姿勢操作部材の進退量に応じて決定されるものとすることができる。その場合、前記先端部材の目標姿勢を設定する姿勢設定手段を有し、前記姿勢変更制御部は、前記姿勢設定手段で設定された前記先端部材の目標姿勢をそれに相当する前記姿勢操作部材の進退量に変換し、その変換した進退量に応じて前記姿勢制御用駆動源の動作量を変化させるのが良い。
このように、姿勢操作部材の進退量に応じて姿勢制御用駆動源の動作量を変化させれば、先端部材の姿勢変更制御が単純化されて容易である。
上記のように姿勢変更制御部が姿勢制御用駆動源を制御する場合、前記姿勢制御用駆動源の動作量を検出し、その出力を前記姿勢変更制御部にフィードバックする動作量検出器を設けるのが良い。
動作量検出器を設けると、姿勢制御用駆動源の動作量を正確に検出することができ、その出力を姿勢変更制御部にフィードバックすることで、姿勢変更制御を精度良く行うことができる。
この発明において、前記姿勢制御用駆動源、またはこの姿勢制御用駆動源と前記先端部材との間に、前記先端部材からの力で前記姿勢制御用駆動源が動作するのを防止する逆入力防止機構を有するのが良い。逆入力防止機構とは、入力端からの入力は伝達するが、出力端からの入力はほとんど伝達不可能な動作伝達機構を言う。逆入力の伝達阻止は、例えば力の伝達方向の違いによって摩擦抵抗が異なること等による。
逆入力防止機構を有すると、電動アクチュエータへの通電時に姿勢操作部材が進退するが、通電を遮断しても姿勢操作部材が逆向きに進退せずに、通電時の推力が維持される。つまり、進退時は瞬時的に高出力で電動アクチュエータを駆動すればよい。対して、逆入力防止機能を有しない場合は、連続的な電動アクチュエータの出力を必要とする。そのため、逆入力防止機構を有すると、電動アクチュエータに小型のモータを使用することができる。また、電動アクチュエータの発熱を抑えることができるとともに、電動アクチュエータの放熱部を小さくすることができる。
逆入力防止機構を設けた場合、請求項1で言う「先端部材を静止状態の初期姿勢で姿勢保持可能とする初期姿勢保持力」は、逆入力防止機構を介して姿勢制御用駆動源に伝わる力のことである。また、「初期姿勢保持力よりも大きな力」は、逆入力防止機構を介して先端部材の姿勢を変更可能な力のことである。
この発明において、前記姿勢制御用駆動源は電動アクチュエータであり、この電動アクチュエータをPWM波の電力により駆動する構成とすることができる。
電動アクチュエータをPWM波(パルス幅変調波)の電力により駆動すれば、電動アクチュエータへの通電量を管理し易く、電動アクチュエータの駆動を精度良く制御できる。
この発明において、前記姿勢制御用駆動源をリニアアクチュエータとすることができる。その場合、前記リニアアクチュエータの推力を増力して前記姿勢操作部材に伝達するレバー機構からなる増力伝達機構を設けても良い。
増力伝達機構を設けると、小さな推力のリニアアクチュエータでも姿勢操作部材に大きな力を与えることができるので、リニアアクチュエータの小型化が可能になる。
レバー機構からなる増力伝達機構を有する場合、前記増力伝達機構のレバーの歪みを検出する歪みセンサと、この歪みセンサの出力から前記先端部材に作用する外力を推定する外力推定手段とを設けてもよい。
歪みセンサと外力推定手段を設ければ、先端部材に作用する外力を推定することができ、その推定結果を先端部材の姿勢変更制御や遠隔操作型アクチュエータの安全管理等に利用することができる。
この発明における第2の発明にかかる遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、前記姿勢制御用駆動源、またはこの姿勢制御用駆動源と前記先端部材との間に、前記先端部材からの力で前記姿勢制御用駆動源が動作するのを防止する逆入力防止機構を設けたことを特徴とする。
この構成によっても、姿勢制御手段で姿勢制御用駆動源を制御することにより、先端部材の姿勢変更が遠隔操作で行われる。前記同様、姿勢操作部材はガイド孔に挿通されているため、姿勢操作部材が長手方向と交差する方向に位置ずれすることがなく、常に先端部材に対し適正に作用することができ、先端部材の姿勢変更動作が正確に行われる。
また、逆入力防止機構を有するため、逆入力防止機能を有しない場合に比べて、先端部材を姿勢変更させる大きな動作量が得られる。そのため、電動アクチュエータに小型のモータを使用することができる。また、電動アクチュエータの発熱を抑えることができるとともに、電動アクチュエータの放熱部を小さくすることができる。
この発明における第1の発明の遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、この姿勢制御手段は、前記先端部材を静止状態の初期姿勢で姿勢保持可能とする初期姿勢保持力を前記姿勢操作部材に与えるように前記姿勢制御用駆動源を制御する初期姿勢保持制御部と、前記初期姿勢保持力よりも大きな力を前記姿勢操作部材に与えて姿勢操作部材を進退させることにより前記先端部材の姿勢を変更させるように前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢変更制御部とを有するため、細長いパイプ部としてのスピンドルガイド部の先端に設けられた先端部材および工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、先端部材および工具の姿勢を静止時、姿勢変更時共に適正に保つことができる。
また、この発明における第2の発明の遠隔操作型アクチュエータは、細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、前記姿勢制御用駆動源、またはこの姿勢制御用駆動源と前記先端部材との間に、前記先端部材からの力で前記姿勢制御用駆動源が動作するのを防止する逆入力防止機構を設けたため、細長いパイプ部としてのスピンドルガイド部の先端に設けられた工具の姿勢を遠隔操作で変更することができ、比較的小さな駆動源を用いて工具の姿勢変更を行える。
この発明の実施形態を図1〜図4と共に説明する。図1において、この遠隔操作型アクチュエータは、回転式の工具1を保持する先端部材2と、この先端部材2が先端に姿勢変更自在に取付けられた細長形状のスピンドルガイド部3と、このスピンドルガイド部3の基端が結合された駆動部ハウジング4aと、この駆動部ハウジング4a内の工具回転用駆動機構4bおよび姿勢制御用駆動機構4cを制御するコントローラ5とを備える。駆動部ハウジング4aは、内蔵の工具回転用駆動機構4bおよび姿勢制御用駆動機構4cと共に駆動部4を構成する。
図2および図3に示すように、先端部材2は、略円筒状のハウジング11の内部に、一対の軸受12によりスピンドル13が回転自在に支持されている。スピンドル13は、先端側が開口した筒状で、内径のスプライン部13aに工具1のシャンク1aが回転不能に嵌合し、抜け止めピン14によりシャンク1aの抜け止めがされている。この先端部材2は、先端部材連結部15を介してスピンドルガイド部3の先端に取付けられる。先端部材連結部15は、先端部材2を姿勢変更自在に支持する手段であり、球面軸受からなる。具体的には、先端部材連結部15は、ハウジング11の基端の内径縮径部からなる被案内部11aと、スピンドルガイド部3の先端に固定された抜け止め部材21の鍔状部からなる案内部21aとで構成される。両者11a,21aの互いに接する各案内面f1,f2は、先端部材2の中心線CL1上に曲率中心Oが位置し、基端側ほど径が小さい球面とされている。これにより、スピンドルガイド部3に対して先端部材2が抜け止めされるとともに、姿勢変更自在に支持される。図2は先端部材2の中心線CL1とスピンドルガイド部3の中心線CL2とが同一線である状態を示し、図3は両中心線CL1,CL2が互いに交差した状態を示す。
スピンドルガイド部3は、駆動部ハウジング4a内の工具回転用駆動源41(図1)の回転力を前記スピンドル13へ伝達する回転軸22を有する。この例では、回転軸22はワイヤとされ、ある程度の弾性変形が可能である。ワイヤの材質としては、例えば金属、樹脂、グラスファイバー等が用いられる。ワイヤは単線であっても、撚り線であってもよい。図2(C)に示すように、スピンドル13と回転軸22とは、自在継手等の継手23を介して回転伝達可能に接続されている。継手23は、スピンドル13の閉塞した基端に設けられた溝13aと、回転軸22の先端に設けられ前記溝13aに係合する突起22aとで構成される。上記溝13aと突起22aとの連結箇所の中心は、前記案内面f1,f2の曲率中心Oと同位置である。回転軸22と突起22aは別部材として構成しても良い。
スピンドルガイド部3は、このスピンドルガイド部3の外郭となる外郭パイプ25を有し、この外郭パイプ25の中心に前記回転軸22が位置する。回転軸22は、それぞれ軸方向に離れて配置された複数の転がり軸受26によって回転自在に支持されている。各転がり軸受26間には、これら転がり軸受26に予圧を発生させるためのばね要素27A,27Bが設けられている。ばね要素27A,27Bは、例えば圧縮コイルばねである。転がり軸受26の内輪に予圧を発生させる内輪用ばね要素27Aと、外輪に予圧を発生させる外輪用ばね要素27Bとがあり、これらが交互に配置されている。前記抜け止め部材21は、固定ピン28により外郭パイプ25のパイプエンド部25aに固定され、その先端内周部で転がり軸受29を介して回転軸22の先端部を回転自在に支持している。パイプエンド部25aは、外郭パイプ25と別部材とし、溶接等により結合してもよい。
外郭パイプ25の内径面と回転軸22の間には、互いに120度の位相にある周方向位置に、両端に貫通する3本のガイドパイプ30がそれぞれ設けられている。そして、各ガイドパイプ30の内径孔であるガイド孔30a内に、力伝達部材である複数のボール31aと両端の柱状ピン31bとでなる姿勢操作部材31(31U,31L,31R)が進退自在に挿通されている。ボール31aおよび柱状ピン31bは、ガイド孔30aの長さ方向に沿って一列に配列されて隙間無く並んでいる。先端部材2側の柱状ピン31bの先端は球面状で、その球面状の先端が、ハウジング11の基端面に形成された径方向の溝部11bの底面に当接している。溝部11bおよび柱状ピン31bは回転防止機構37を構成し、溝部11bに挿入された柱状ピン31bの先端部が溝部11bの側面に当たることで、先端部材2がスピンドルガイド部3に対して先端部材2の中心線CL1回りに回転するのを防止している。駆動部ハウジング4a側の柱状ピン31bの先端も球面状で、後記レバー43bの側面に当接している。
また、外郭パイプ25の内径面と回転軸22の間には、前記ガイドパイプ30とは別に、このガイドパイプ30と同一ピッチ円C上に、複数本の補強シャフト34が配置されている。これらの補強シャフト34は、スピンドルガイド部3の剛性を確保するためのものである。ガイドパイプ30と補強シャフト34の配列間隔は等間隔とされている。ガイドパイプ30および補強シャフト34は、外郭パイプ25の内径面におよび前記転がり軸受26の外径面に接している。これにより、転がり軸受26の外径面を支持している。
図1および図4に示すように、工具回転用駆動機構4bは、工具回転用駆動源41を備える。工具回転用駆動源41は、例えば電動モータであり、その出力軸41aが前記回転軸22の基端に結合させてある。また、姿勢制御用駆動機構4cは、各姿勢変更部材31(31U,31L,31R)にそれぞれ対応する3個の姿勢制御用駆動源42(42U,42L,42R)を備える。姿勢制御用駆動源42は、PWM波(パルス幅変調波)の電力により駆動される電動リニアアクチュエータであり、内蔵されている回転モータ(図示せず)の回転運動を、逆入力防止機構45を兼ねる回転・直線運動変換機構を介して直線運動に変換し、出力ロッド42aに伝達する。出力ロッド42aは図1の左右方向に移動し、その出力ロッド42aの移動量すなわち姿勢制御用駆動源42の動作量が、動作量検出器46によって検出される。
上記回転・直線運動変換機構としては、三角ねじや台形ねじ等の滑りねじ型の送りねじ機構を採用できる。このような滑りねじ型の送りねじ機構を設けたことにより、姿勢制御用駆動源42は、姿勢操作部材31からの力で動作するのを防止する逆入力防止機能を有する。回転・直線運動変換機構としては、滑りねじ型の他に、ボールねじやラック・ピニオン機構等を用いてもよい。その場合は、逆入力防止機構を別に設けるのが望ましい。この場合の逆入力防止機構としては、ウォームギア等が採用できる。その他、減速比の大きい減速機構も採用できる。
なお、逆入力防止機構45は、必ずしも姿勢制御用駆動源42に設ける必要はなく、姿勢制御用駆動機構4cのどこか、すなわち姿勢制御用駆動源42と姿勢操作部材31との間に設ければよい。
出力ロッド42aの直線運動は、増力伝達機構43を介して姿勢操作部材31に伝達される。増力伝達機構43は、支軸43a回りに回動自在なレバー43bを有し、このレバー43bにおける支軸43aからの距離が長い作用点P1に出力ロッド42aの力が作用し、支軸43aからの距離が短い力点P2で姿勢操作部材31に力を与える構成であり、姿勢制御用駆動源42の出力が増力して姿勢操作部材31に伝達される。レバー43bの中間部には肉厚の薄い起歪部43baが設けられ、この起歪部43baの両側に起歪部43baに発生する歪みを検出する歪みセンサ47が取付けられている。なお、回転軸22は、レバー43bに形成された開口44を貫通させてある。
コントローラ5は、コンピュータ5Aと、このコンピュータ5Aに対して入力する手動操作式の回転速度設定手段50および姿勢設定手段51とを備える。回転速度設定手段50は、スピンドル13の回転速度を設定するものである。姿勢設定手段51は、先端部材2のスピンドルガイド部3に対する目標姿勢を設定するものである。また、コントローラ5におけるコンピュータ5Aは、工具回転用駆動源41を制御する工具回転制御手段52と、各姿勢制御用駆動源42を制御する姿勢制御手段53と、先端部材2に作用する外力を推定する外力推定手段54とを備える。
工具回転制御手段52は、前記回転速度設定手段50からの入力に応じてモータドライバ55に出力し、工具回転用駆動源41を駆動させる。
姿勢制御手段53は、初期姿勢保持制御部53aと姿勢変更制御部53bとでなる。これら初期姿勢保持制御部53aおよび姿勢変更制御部53bは、前記姿勢設定手段51からの入力等に応じてモータドライバ56に出力し、姿勢制御用駆動源42を駆動させる。
初期姿勢保持制御部53aは、先端部材2を静止状態の初期姿勢で姿勢保持可能とする初期姿勢保持力F0(図5)を姿勢操作部材31に与えるように各姿勢制御用駆動源42を制御する。先端部材2の姿勢は、先端部材2に作用する外力と各姿勢制御用駆動源42の推力とのバランスによって決定される。そこで、初期姿勢保持力F0を姿勢操作部材31に与えるように姿勢制御用駆動源42を制御することで、先端部材2を初期姿勢に保持する。姿勢制御用駆動源42の推力によって、先端部材2の姿勢の維持、すなわち先端部材2の剛性確保を行うのである。
姿勢変更制御部53bは、前記初期姿勢保持力F0よりも大きな力F5(図6)を姿勢操作部材31に与えて姿勢操作部材31を進退させることにより先端部材2の姿勢を変更させるように各姿勢制御用駆動源42を制御する。先端部材2の姿勢を変更するときには、後で説明するように、先端部材2に静止時よりも大きな力が作用する。そこで、先端部材2の姿勢を変更する場合には、先端部材2の姿勢を維持するために、前記初期姿勢保持力F0よりも大きな力F5を姿勢操作部材31に与えるように姿勢制御用駆動源42を制御する。先端部材2の姿勢は、この先端部材2が初期姿勢にあるときの姿勢操作部材31の位置を基準位置として、この基準位置に対する姿勢操作部材31の進退量に応じて決定される。
具体的には、姿勢変更制御部53bは、姿勢設定手段51で設定された先端部材2の目標姿勢をそれに相当する姿勢操作部材31の進退量に変換し、その変換した進退量に応じて姿勢制御用駆動源42の動作量を変化させる。このように、姿勢操作部材31の進退量に応じて姿勢制御用駆動源42の動作量を変化させれば、先端部材2の姿勢変更制御が単純化されて容易である。
また、上記制御の際、動作量検出器46によって検出された姿勢制御用駆動源42の動作量を姿勢変更制御部53bにフィードバックして、制御を行う。動作量検出器46が設けられていると、姿勢制御用駆動源42の動作量を正確に検出することができ、その出力を姿勢変更制御部53bにフィードバックすることで、姿勢変更制御を精度良く行うことができる。
外力推定手段54は、先端部材2に作用する外力と前記歪みセンサ47の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、歪みセンサ47から入力された信号から前記関係設定手段を用いて先端部材2に作用する外力を推定する。
この遠隔操作型アクチュエータの動作を説明する。
工具回転用駆動源41を駆動すると、その回転力が回転軸22を介してスピンドル13に伝達されて、スピンドル13と共に工具1が回転する。この回転する工具1により、骨等の切削が行われる。
先端部材2が静止状態の初期姿勢にあるときは、初期姿勢保持制御部53aにより各姿勢制御用駆動源42を制御することで、先端部材2を初期姿勢に維持する。このとき各姿勢操作部材31には、図5に示すように、姿勢制御用駆動源42の推力からなる所定の初期姿勢保持力F0と、それに対する反力とが作用している。なお、図5は、図2(B)のV−CL2−V断面を簡略化して表した図であり、上側の姿勢操作部材31Uと左側の姿勢操作部材31Lとが表示されているが、図示されていない右側の姿勢操作部材31Rにも同様の初期姿勢保持力F0が作用している。このように各姿勢操作部材31に初期姿勢保持力F0を与えることで、先端部材2に作用する力のバランスが保たれて、先端部材2の姿勢が維持される。
使用時には、各姿勢制御用駆動源42を駆動させて、遠隔操作で先端部材2の姿勢変更を行う。例えば、図2における上側の1つの姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させ、かつ他の2つの姿勢操作部材31L,31Rを後退させると、上側の姿勢操作部材31Uによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図2(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面f1,f2に沿って姿勢変更して、図3の状態となる。なお、姿勢操作部材31L,31Rは、姿勢制御用駆動源42L,42Rを姿勢制御用駆動源42Uと逆向きに駆動させることで、先端部材2のハウジング11に押されて後退する。
また、上側の姿勢操作部材31Uは静止させた状態で、左側の姿勢操作部材31Lを先端側へ進出させ、かつ右側の姿勢操作部材31Rを後退させると、左側の姿勢操作部材31Lによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は右向き、すなわち図2(A)において紙面の裏側向きとなる側へ案内面f1,f2に沿って姿勢変更する。左右の姿勢操作部材31L,31Rを逆に進退させると、右の姿勢操作部材31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は左向きとなる側へ案内面f1,f2に沿って姿勢変更する。
姿勢操作部材31を円周方向の3箇所に設けたことにより、上記のように先端部材2を上下左右の2軸(X軸、Y軸)の方向に姿勢変更することができる。
先端部材2をX軸回りに姿勢変更する場合を例にとって、姿勢変更に必要な姿勢制御用駆動源42Uの推力を説明する。図6は、先端部材2の姿勢変更時に先端部材連結部15および各姿勢操作部材31に作用する各力F1〜F5を示す図である。図6も、図5と同じ断面を簡略化して表した図である。F1は、姿勢変更開始時に上側の姿勢操作部材31Uに作用する姿勢保持力とその反力である。この姿勢保持力は姿勢制御用駆動源42の推力からなる。F2は、上側の姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させる際に生じる摩擦力である。F3は、先端部材連結部15の案内面f1,f2間に生じる摩擦力である。F4は、左右の姿勢操作部材31L,31Rを後退させる際に生じる摩擦力である。正確には、左右の姿勢操作部材31L,31Rにそれぞれ摩擦力が生じており、両姿勢操作部材31L,31Rに生じる摩擦力の和がF4である。F5は、上側の姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させるのに要する姿勢制御用駆動源42Uの推力である。これらの力F1〜F5は、次の関係が成り立つ。
F5>F2+F3+F4+F1 ・・・(式1)
ここで、F1≒F0であるから、式1は式2のように書き換えることができる。
F5>F2+F3+F4+F0 ・・・(式2)
つまり、姿勢制御用駆動源42Uの推力F5は、初期姿勢保持力F0に各部の摩擦力F2,F3,F4を加えた力よりも大きい。例えば、推力F5は、初期姿勢保持力F0の2倍程度である。このように、初期姿勢保持力P0よりも大きな力を姿勢操作部材31Uに与えるように姿勢制御用駆動源42Uを制御することにより、先端部材2の姿勢変更が可能である。
このように、初期姿勢保持制御部53aにより先端部材2の静止時の姿勢を制御し、かつ姿勢変更制御部53bにより先端部材2の姿勢変更時の姿勢を制御することにより、先端部材2およびそれに保持された工具1の姿勢を静止時、姿勢変更時共に適正に保つことができる。
前述したように、姿勢制御用駆動源42は、PWM波の電力により駆動され、かつ逆入力防止機能を有する。このことにより、姿勢操作部材31Uは次のように動作する。すなわち、PWM波がONのとき(通電時)に姿勢操作部材31Uが進出するが、逆入力防止機能により、OFFのとき(通電遮断時)でも姿勢操作部材31Uが後退せずに、ONのときの推力が維持される。つまり、姿勢操作部材31Uは微小な進出を繰り返し連続的に行うのである。対して、逆入力防止機能を有しない場合、PWM波がOFFのときに姿勢操作部材31Uが後退するので、姿勢操作部材31Uの動作量は、PWM波がONのときの進出量とOFFのときの後退量とを平均化したものとなる。したがって、この実施形態の構成は、逆入力防止機能を有しない場合に比べて、全体で大きな動作量が得られる。そのため、電動アクチュエータである姿勢制御用駆動源42に小型のモータを使用することができる。また、姿勢制御用駆動源42の発熱を抑えることができるとともに、姿勢制御用駆動源42の放熱部を小さくすることができる。
また、増力伝達機構43が設けられているため、小さな推力の姿勢制御用駆動源42でも姿勢操作部材31に大きな力を与える。このことによっても、姿勢制御用駆動源42の小型化が可能になる。
切削加工中に工具1や先端部材2に外力が作用すると、その力が姿勢操作部材31を介して増力伝達機構43のレバー43bに伝わり、レバー43bの脆弱部である起歪部43baに歪みが生じる。この歪みが歪みセンサ47に検出され、その出力信号が外力推定手段54に送信される。外力推定手段54は、この歪みセンサ47の出力信号から先端部材2に作用する外力を推定する。このように推定される外力の大きさに応じて遠隔操作型アクチュエータ全体の送り量や先端部材2の姿勢変更を制御することにより、先端部材2に作用する外力を適正に保った状態で、安全かつ正確に骨の切削加工を行える。
また、先端部材2がスピンドルガイド部3に対して先端部材2の中心線CL1回りに回転するのを防止する回転防止機構37が設けられているため、姿勢操作部材31の進退を制御する姿勢操作用駆動機構4cや姿勢制御手段53の故障等により工具1を保持する先端部材2が制御不能となった場合でも、先端部材2が中心線CL1回りに回転して加工箇所の周りを傷つけたり、先端部材2自体が破損したりすることを防止できる。
姿勢操作部材31はガイド孔30aに挿通されているため、姿勢操作部材31が長手方向と交差する方向に位置ずれすることがなく、常に先端部材2に対し適正に作用することができ、先端部材2の姿勢変更動作が正確に行われる。また、姿勢操作部材31は、複数のボール31aおよび柱状ピン31bからなり、全体で可撓性の性質を有するため、スピンドルガイド部3が湾曲した状態でも先端部材2の姿勢変更動作が確実に行われる。さらに、スピンドル13と回転軸22との連結箇所の中心が案内面f1,f2の曲率中心Oと同位置であるため、先端部材2の姿勢変更によって回転軸22に対して押し引きする力がかからず、先端部材2が円滑に姿勢変更できる。
この遠隔操作型アクチュエータは、例えば人工関節置換手術において骨の髄腔部を削るのに使用されるものであり、施術時には、先端部材2の全部または一部が患者の体内に挿入して使用される。このため、上記のように先端部材2の姿勢を遠隔操作で変更できれば、常に工具1を適正な姿勢に保持した状態で骨の加工をすることができ、人工関節挿入用穴を精度良く仕上げることができる。
細長形状であるスピンドルガイド部3には、回転軸22および姿勢操作部材31を保護状態で設ける必要があるが、外郭パイプ25の中心部に回転軸22を設け、外郭パイプ25と回転軸22との間に、姿勢操作部材31を収容したガイドパイプ30と補強シャフト34とを円周方向に並べて配置した構成としたことにより、回転軸22および姿勢操作部材31を保護し、かつ内部を中空して軽量化を図りつつ剛性を確保できる。また、全体のバランスも良い。
回転軸22を支持する転がり軸受26の外径面を、ガイドパイプ30と補強シャフト34とで支持させたため、余分な部材を用いずに転がり軸受26の外径面を支持できる。また、ばね要素27A,27Bにより転がり軸受26に予圧がかけられているため、ワイヤからなる回転軸22を高速回転させることができる。そのため、スピンドル13を高速回転させて加工することができ、加工の仕上がりが良く、工具1に作用する切削抵抗を低減させられる。ばね要素27A,27Bは隣合う転がり軸受26間に設けられているので、スピンドルガイド部3の径を大きくせずにばね要素27A,27Bを設けることができる。
上記実施形態は、ガイドパイプ30および姿勢操作部材31を円周方向の3箇所に設けた構成であるが、図7のように、外郭パイプ25内の互いに180度の位相にある2箇所にガイドパイプ30および姿勢操作部材31を設けた構成としてもよい。この場合、先端部材2は、X軸回りにのみ姿勢変更可能である。
上記各実施形態はスピンドルガイド部3が直線形状であるが、この発明の遠隔操作型アクチュエータは、姿勢操作部材31が可撓性であり、スピンドルガイド部3が湾曲した状態でも先端部材2の姿勢変更動作が確実に行われるので、スピンドルガイド部3を初期状態で湾曲形状としてもよい。あるいは、スピンドルガイド部3の一部分のみを湾曲形状としてもよい。スピンドルガイド部3が湾曲形状であれば、直線形状では届きにくい骨の奥まで先端部材2を挿入することが可能となる場合があり、人工関節置換手術における人工関節挿入用穴の加工を精度良く仕上げることが可能になる。
この発明の実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの全体構成を示す図である。 (A)は同遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのIIB−IIB断面図、(C)は先端部材と回転軸との連結構造を示す図、(D)は先端部材のハウジングを基端側から見た図である。 図2(A)とは異なる状態を示す同先端部材およびスピンドルガイド部の断面図である。 図1のIV−IV断面図である。 同遠隔操作型アクチュエータの先端部材が初期姿勢にあるときに先端部材連結部および姿勢操作部材に作用する力を示す説明図である。 同遠隔操作型アクチュエータの先端部材を姿勢変更するときに先端部材連結部および姿勢操作部材に作用する力を示す説明図である。 (A)はこの発明の異なる実施形態にかかる遠隔操作型アクチュエータの先端部材およびスピンドルガイド部の断面図、(B)はそのVIIB−VIIB断面図である。
符号の説明
1…工具
2…先端部材
3…スピンドルガイド部
4a…駆動部ハウジング
5…コントローラ
5A…コンピュータ
13…スピンドル
15…先端部材連結部
22…回転軸
25…外郭パイプ
30…ガイドパイプ
30a…ガイド孔
31…姿勢操作部材
34…補強シャフト
41…工具回転用駆動源
42…姿勢制御用駆動源
43…増力伝達機構
45…逆入力防止機構
46…動作量検出器
47…歪みセンサ
51…姿勢設定手段
53…姿勢制御手段
53a…初期姿勢保持制御部
53b…姿勢変更制御部
54…外力推定手段

Claims (10)

  1. 細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、
    前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、
    この姿勢制御手段は、前記先端部材を静止状態の初期姿勢で姿勢保持可能とする初期姿勢保持力を前記姿勢操作部材に与えるように前記姿勢制御用駆動源を制御する初期姿勢保持制御部と、前記初期姿勢保持力よりも大きな力を前記姿勢操作部材に与えて姿勢操作部材を進退させることにより前記先端部材の姿勢を変更させるように前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢変更制御部とを有することを特徴とする遠隔操作型アクチュエータ。
  2. 請求項1において、前記先端部材の姿勢は、この先端部材が前記初期姿勢にあるときの前記姿勢操作部材の位置を基準位置として、この基準位置に対する前記姿勢操作部材の進退量に応じて決定される遠隔操作型アクチュエータ。
  3. 請求項2において、前記先端部材の目標姿勢を設定する姿勢設定手段を有し、前記姿勢変更制御部は、前記姿勢設定手段で設定された前記先端部材の目標姿勢をそれに相当する前記姿勢操作部材の進退量に変換し、その変換した進退量に応じて前記姿勢制御用駆動源の動作量を変化させる遠隔操作型アクチュエータ。
  4. 請求項3において、前記姿勢制御用駆動源の動作量を検出し、その出力を前記姿勢変更制御部にフィードバックする動作量検出器を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記姿勢制御用駆動源、またはこの姿勢制御用駆動源と前記先端部材との間に、前記先端部材からの力で前記姿勢制御用駆動源が動作するのを防止する逆入力防止機構を有する遠隔操作型アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記姿勢制御用駆動源は電動アクチュエータであり、この電動アクチュエータをPWM波の電力により駆動する遠隔操作型アクチュータ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記姿勢制御用駆動源がリニアアクチュエータである遠隔操作型アクチュエータ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記リニアアクチュエータの推力を増力して前記姿勢操作部材に伝達するレバー機構からなる増力伝達機構を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  9. 請求項8において、前記増力伝達機構のレバーの歪みを検出する歪みセンサと、この歪みセンサの出力から前記先端部材に作用する外力を推定する外力推定手段とを設けた遠隔操作型アクチュエータ。
  10. 細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、
    前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、前記ガイド孔内に、先端が前記先端部材に接する姿勢操作部材を進退自在に挿通し、この姿勢操作部材に対し進退方向の力を与える姿勢制御用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設けると共に、前記姿勢制御用駆動源を制御する姿勢制御手段を設け、
    前記姿勢制御用駆動源、またはこの姿勢制御用駆動源と前記先端部材との間に、前記先端部材からの力で前記姿勢制御用駆動源が動作するのを防止する逆入力防止機構を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
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