JP5197293B2 - 遠隔操作型アクチュエータ - Google Patents
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Description
また、シール手段を設けたため、スピンドルガイド部内から駆動部ハウジング内への冷却液の浸入を阻止することができ、駆動部ハウジング内の工具回転用駆動源および姿勢変更用駆動源を含む機構の故障が生じ難く、低寿命化を防止できる。
滑り軸受は回転軸に接触して支持するため、転がり軸受に比べて、軸受と回転軸との回転部の隙間が小さい。そのため、冷却液注入孔よりも基端側に位置する軸受を滑り軸受とすることで、これをシール部材に兼用できる。
先端部材の冷却液吐出部は大気圧であるため、遮蔽空間の圧力を大気圧よりも高くすることにより、スピンドルガイド部内の冷却液が先端部材側へ流れるようになり、スピンドルガイド部内の冷却液が駆動部ハウジング内へ浸入することを防止できる。
この構成であれば、外郭パイプによりスピンドルガイド部の内部を保護しつつ、スピンドルガイド部を中空状にして軽量化を図れる。
外郭パイプの中空孔は、中心部の円形孔部と、この円形孔部から外径側へ凹んだ溝状部とでなるため、外郭パイプの溝状部以外の箇所の肉厚を厚くすることができる。それにより、スピンドルガイド部の剛性(断面2次モーメント)が高くなり、先端部材の位置決め精度が向上させられるとともに、切削性を向上させられる。例えば、外郭パイプの断面2次モーメントが、同外径の中実シャフトの1/2以上とすると良い。また、溝状部にガイドパイプを配置したことにより、ガイドパイプの円周方向の位置決めを容易に行え、組立性が良好である。
外郭パイプに冷却液注入孔を設ければ、駆動部ハウジングに冷却液注入孔を設けるのに比べて、構造を簡略にできる。特に、上記外郭パイプのように外郭パイプが肉厚の厚い箇所を有する場合は、この肉厚の厚い箇所に冷却液注入孔を開けることにより、補強用の他の部材を用いずにスピンドルガイド部に冷却液注入孔を設けることができる。
加工の仕上がりを良くするには、スピンドルを高速回転させて加工するのがよい。スピンドルを高速回転させると、工具に作用する切削抵抗を低減させる効果もある。スピンドルはワイヤ等からなる細い回転軸を介して回転力が伝達されるので、スピンドルの高速回転を実現させるため、回転軸を支持する転がり軸受に予圧をかけておくことが必要となる。この予圧のためのばね要素を隣合う転がり軸受間に設ければ、スピンドルガイド部の径を大きくせずにばね要素を設けられる。
スピンドルガイド部の内部に冷却液を通過させるため、スピンドルガイド部内に設けた転がり軸受を冷却液で冷却することができる。
この遠隔操作型アクチュエータが医療用であり、先端部材を生体内に挿入して加工を行う場合、冷却液が水もしくは生理食塩水であれば、冷却液が生体に悪影響を与えない。
スピンドルガイド部が湾曲していれば、障害物の向こう側にある被加工物に対して加工を行える。
工具回転用駆動源41を駆動すると、その回転力が回転軸22を介してスピンドル13に伝達されて、スピンドル13と共に工具1が回転する。工具1を回転させて骨等を切削加工する際に先端部材2に作用する荷重は、供給電力計47の検出値から、荷重検出手段48によって検出される。このように検出される荷重の値に応じて遠隔操作型アクチュエータ全体の送り量や後記先端部材2の姿勢変更を制御することにより、先端部材2に作用する荷重を適正に保った状態で骨の切削加工を行える。
例えば、図9における上側の1つの姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させ、かつ他の2つの姿勢操作部材31L,31Rを後退させると、上側の姿勢操作部材31Uによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図9(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。このとき、各姿勢操作部材31の進退量が適正になるよう、各姿勢変更用駆動源42が制御される。各姿勢操作部材31を逆に進退させると、左右の姿勢操作部材31L,31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図9(A)において先端側が上向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
また、上側の姿勢操作部材31Uは静止させた状態で、左側の姿勢操作部材31Lを先端側へ進出させ、かつ右側の姿勢操作部材31Rを後退させると、左側の姿勢操作部材31Lによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は右向き、すなわち図9(A)において紙面の裏側向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。左右の姿勢操作部材31L,31Rを逆に進退させると、右の姿勢操作部材31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は左向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
このように姿勢操作部材31を円周方向の3箇所に設けることにより、先端部材2を上下左右の2軸(X軸、Y軸)の方向に姿勢変更することができる。その際、先端部材連結部15には、3つの姿勢操作部材31の圧力、および抜け止め部材21からの反力が作用しており、これらの作用力の釣り合いにより先端部材2の姿勢が決定される。この構成では、3つの姿勢操作部材31で先端部材2のハウジング11に加圧されるため、さらに先端部材2の姿勢安定性を高めることができる。姿勢操作部材31の数をさらに増やせば、先端部材2の姿勢安定性をより一層高めることができる。
2…先端部材
3…スピンドルガイド部
4a…駆動部ハウジング
5…コントローラ
13…スピンドル
15…先端部材連結部
22…回転軸
24…中空孔
24a…円形孔部
24b…溝状部
25…外郭パイプ
26,29…転がり軸受
27A,27B…ばね要素
30…ガイドパイプ
30a…ガイド孔
31…姿勢操作部材
41…工具回転用駆動源
42…姿勢変更用駆動源
50…冷却手段
73…滑り軸受
75…冷却液注入孔
78…遮蔽空間
S…シール手段
Claims (10)
- 細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、
前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、前記駆動部ハウジング内に設けられた工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、両端に貫通したガイド孔とを内部に有し、先端が前記先端部材に接して進退動作することにより前記先端部材を姿勢変更させる姿勢操作部材を前記ガイド孔内に進退自在に挿通し、前記姿勢操作部材を進退させる姿勢変更用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設け、
冷却液を、前記スピンドルガイド部の基端近傍に設けられた冷却液注入孔から内部に注入し、前記スピンドルガイド部および先端部材の内部を通って先端側へ送り、前記先端部材から前記工具に向けて吐出させる冷却手段を設けるとともに、前記スピンドルガイド部内から前記駆動部ハウジング内への前記冷却液の浸入を阻止するシール手段を設けたことを特徴とする遠隔操作型アクチュエータ。 - 請求項1において、前記シール手段は、前記冷却液注入孔よりも基端側の位置で前記回転軸を支持する滑り軸受である遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1または請求項2において、前記シール手段は、前記駆動部ハウジングに設けられ前記スピンドルガイド部の基端でスピンドルガイド部の内部と連通する遮蔽空間を有し、この遮蔽空間の圧力を大気圧よりも高くした遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部が、このスピンドルガイド部の外郭となる外郭パイプを有し、前記ガイド孔が、前記外郭パイプ内に設けられたガイドパイプの内径孔である遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項4において、前記外郭パイプは両端に貫通した中空孔を有し、この中空孔は、中心部の円形孔部と、この円形孔部から外径側へ凹んだ溝状部とでなり、前記円形孔部に前記回転軸を配置し、かつ前記溝状部に前記ガイドパイプを配置した遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項4または請求項5において、前記外郭パイプに前記冷却液注入孔を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設け、隣合う転がり軸受間に、これら転がり軸受に対して予圧を与えるばね要素を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設け、前記冷却手段は、前記冷却液により前記転がり軸受を冷却するものとした遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記冷却液は、水もしくは生理食塩水である遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部は湾曲した箇所を有する遠隔操作型アクチュエータ。
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