JP5258495B2 - 遠隔操作型アクチュエータ - Google Patents
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Description
何れの場合も、姿勢変更用駆動源で姿勢操作部材を進退させることができる。また、姿勢操作部材は全体で可撓性であり、スピンドルガイド部の撓みに追随することができる。
加工の仕上がりを良くするには、スピンドルを高速回転させて加工するのがよい。スピンドルを高速回転させると、工具に作用する切削抵抗を低減させる効果もある。スピンドルはワイヤ等からなる細い回転軸を介して回転力が伝達されるので、スピンドルの高速回転を実現させるため、回転軸を支持する転がり軸受に予圧をかけておくことが必要となる。この予圧のためのばね要素を隣合う転がり軸受間に設ければ、スピンドルガイド部の径を大きくせずにばね要素を設けられる。
ガイドパイプを利用することで、余分な部材を用いずに転がり軸受の外径面を支持できる。
工具を回転させるスピンドル、回転軸等の回転する部材は、回転摩擦により発熱する。それに伴い、軸受が加熱される。冷却手段を設ければ、軸受や上記発熱箇所を冷却液により冷却することができる。外郭パイプの内部に冷却液を通過させれば、冷却液供給用の管を別に設ける必要がなく、スピンドルガイド部を簡素化および小径化できる。
さらに、前記冷却液により軸受を潤滑する効果も得られる。冷却液を軸受の潤滑に兼用させれば、軸受に一般的に使用されているグリス等を使用しなくてもよく、しかも別に潤滑装置を設けなくて済む。
加工時には、工具および被加工物が発熱する。冷却手段を設ければ、工具および被加工物を冷却液により冷却することができる。
外郭パイプとガイドパイプとをパイプ固定部により固定したことにより、スピンドルガイド部の剛性がより一層高められる。
何れの場合も、外郭パイプとガイドパイプとを比較的容易に、かつ強固に固定することができる。特に、前者に比べ後者は、外郭パイプに開口を設けなくて済むので、より一層スピンドルガイド部の剛性を高めることができ、しかも組立性が向上する。
姿勢操作部材は可撓性であるため、スピンドルガイド部に湾曲した箇所があっても、ガイド孔内で進退させることができる。
外郭パイプ25を上記断面形状としたことにより、外郭パイプ25の溝状部24b以外の箇所の肉厚tを厚くすることができる。それにより、外郭パイプ25の断面2次モーメントを、同外径の中実シャフトの1/2以上とすることができる。例えば、ステンレス材料からなる外径8mmの中実シャフトの場合、断面2次モーメントは約200mm4である。
工具回転用駆動源41を駆動すると、その回転力が回転軸22を介してスピンドル13に伝達されて、スピンドル13と共に工具1が回転する。工具1を回転させて骨等を切削加工する際に先端部材2に作用する荷重は、供給電力計47の検出値から、荷重検出手段48によって検出される。このように検出される荷重の値に応じて遠隔操作型アクチュエータ全体の送り量や後記先端部材2の姿勢変更を制御することにより、先端部材2に作用する荷重を適正に保った状態で骨の切削加工を行える。
なお、図示は省略するが、外郭パイプ25と補強シャフト34とを上記同様の方法で固定しても、スピンドルガイド部3の剛性を高められる。
例えば、図9における上側の1つの姿勢操作部材31Uを先端側へ進出させ、かつ他の2つの姿勢操作部材31L,31Rを後退させると、上側の姿勢操作部材31Uによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図9(A)において先端側が下向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。このとき、各姿勢操作部材31の進退量が適正になるよう、各姿勢変更用駆動源42が制御される。各姿勢操作部材31を逆に進退させると、左右の姿勢操作部材31L,31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は図9(A)において先端側が上向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
また、上側の姿勢操作部材31Uは静止させた状態で、左側の姿勢操作部材31Lを先端側へ進出させ、かつ右側の姿勢操作部材31Rを後退させると、左側の姿勢操作部材31Lによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は右向き、すなわち図9(A)において紙面の裏側向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。左右の姿勢操作部材31L,31Rを逆に進退させると、右の姿勢操作部材31Rによって先端部材2のハウジング11が押されることにより、先端部材2は左向きとなる側へ案内面F1,F2に沿って姿勢変更する。
このように姿勢操作部材31を円周方向の3箇所に設けることにより、先端部材2を上下左右の2軸(X軸、Y軸)の方向に姿勢変更することができる。その際、先端部材連結部15には、3つの姿勢操作部材31の圧力、および抜け止め部材21からの反力が作用しており、これらの作用力の釣り合いにより先端部材2の姿勢が決定される。この構成では、3つの姿勢操作部材31で先端部材2のハウジング11に加圧されるため、さらに先端部材2の姿勢安定性を高めることができる。姿勢操作部材31の数をさらに増やせば、先端部材2の姿勢安定性をより一層高めることができる。
また、ガイドパイプ30および姿勢操作部材31が周方向の複数箇所に設けられている場合にも、パイプ固定部70により、外郭パイプ25と各ガイドパイプ30とを固定してもよい。それにより、スピンドルガイド部3の剛性をさらに高めることができる。
2…先端部材
3…スピンドルガイド部
4a…駆動部ハウジング
5…コントローラ
13…スピンドル
15…先端部材連結部
22…回転軸
24…中空孔
24a…円形孔部
24b…溝状部
25…外郭パイプ
26,29…転がり軸受
27A,27B…ばね要素
30…ガイドパイプ
30a…ガイド孔
31…姿勢操作部材
32…復元用弾性部材
34…補強シャフト
41…工具回転用駆動源
42…姿勢変更用駆動源
70…パイプ固定部
71…開口
72…ろう付けまたは溶接
73…レーザー溶接
Claims (13)
- 細長形状のスピンドルガイド部と、このスピンドルガイド部の先端に先端部材連結部を介して姿勢変更自在に取付けられた先端部材と、前記スピンドルガイド部の基端が結合された駆動部ハウジングとを備え、
前記先端部材は、工具を保持するスピンドルを回転自在に支持し、前記スピンドルガイド部は、このスピンドルガイド部の外郭となる中空の外郭パイプと、この外郭パイプの両端に貫通した中空孔内に設けられ前記駆動部ハウジング内の工具回転用駆動源の回転を前記スピンドルに伝達する回転軸と、前記中空孔内に設けられ両端に貫通した中空のガイドパイプとを有し、先端が前記先端部材に接して進退動作することにより前記先端部材を姿勢変更させる姿勢操作部材を前記ガイドパイプ内に進退自在に挿通し、前記姿勢操作部材を進退させる姿勢変更用駆動源を前記駆動部ハウジング内に設け、
前記中空孔は、中心部の円形孔部と、この円形孔部から外径側へ凹んだ溝状部とでなり、前記円形孔部に前記回転軸を配置し、かつ前記溝状部に前記ガイドパイプを配置し、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する複数の転がり軸受を設け、隣合う転がり軸受間に、これら転がり軸受に対して予圧を与えるばね要素を設けたことを特徴とする遠隔操作型アクチュエータ。 - 請求項1において、前記外郭パイプの断面2次モーメントは、同外径の中実シャフトの1/2以上である遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1または請求項2において、前記姿勢操作部材が、前記ガイドパイプの長さ方向に沿って一列に配列された複数個の力伝達部材、または前記ガイドパイプの長さ方向に沿うワイヤからなる遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイドパイプおよびこのガイドパイプ内に挿通された姿勢操作部材を1箇所のみに設け、前記先端部材を所定姿勢側へ付勢する復元用弾性部材を設け、前記姿勢操作部材は前記復元用弾性部材の付勢力に抗して前記先端部材を姿勢変更させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイドパイプおよびこのガイドパイプ内に挿通された姿勢操作部材を2箇所に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記2箇所の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記先端部材連結部が、前記先端部材を任意方向に傾動可能に支持するものであり、前記ガイドパイプおよびこのガイドパイプ内に挿通された姿勢操作部材を、前記先端部材の傾動中心の周りの3箇所以上に設け、前記姿勢変更用駆動源を各姿勢操作部材に対して個別に設け、前記3箇所以上の姿勢操作部材の前記先端部材への作用力の釣り合いにより前記先端部材の姿勢を変更、維持させるものとした遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部内の前記回転軸を回転自在に支持する転がり軸受を設け、この転がり軸受の外径面を前記ガイドパイプで支持させた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記外郭パイプの内部を通過する冷却液により前記軸受を冷却する冷却手段を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記外郭パイプの内部を通過する冷却液、または外部から供給される冷却液により前記工具を冷却する冷却手段を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記外郭パイプと前記ガイドパイプとを固定したパイプ固定部を設けた遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項10において、前記パイプ固定部は、前記外郭パイプの周壁に内外に連通する開口を設け、前記外郭パイプにおける前記開口の周囲と前記ガイドパイプとをろう付けまたは溶接により固定したものである遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項10において、前記パイプ固定部は、前記外郭パイプの外径面側からレーザー溶接により前記外郭パイプと前記ガイドパイプとを固定したものである遠隔操作型アクチュエータ。
- 請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記スピンドルガイド部は湾曲した箇所を有する遠隔操作型アクチュエータ。
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