以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(後述)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
図2は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割され、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226及び複数一般入賞口260と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226及び複数一般入賞口260は、入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200の右に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施例では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では遊技盤200の右側に配置している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材を備え、羽根部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、円盤状の打球方向変換部材236(以下風車という)や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口に入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244に排出する。
ステージ244は、ワープ出口から排出された球や遊技盤200の遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能である。
遮蔽装置246は、格子状の扉からなり、装飾図柄表示装置208およびステージ244の間に配設する。扉の上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左右の扉は、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、扉を閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。扉を開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、扉は、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、扉は、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図3を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口232の羽根部材や可変入賞口234の扉部材等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを各種センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。
第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402に、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路432と、と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426を備える。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、装飾図柄表示装置208や遮蔽装置246を駆動制御する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出制御部600の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出制御部600等の各装置に供給する。さらに、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
図4は、パチンコ機100の分解斜視図である。パチンコ機100は、前面扉枠106の中央開口部に、無色透明なガラスユニット700が組み込まれ、また、本体104には、遊技盤200が組み込まれる。そして、本体104と前面枠扉106が、外枠102と、ヒンジ部112によって蝶着される。
図5は、ガラスユニット700の分解斜視図である。
ガラスユニット700は、円環状のフレームからなるガラスユニット枠702をベースとして、外部側(遊技者側)には外側ガラス701が組み付けられ、内部側(遊技盤200側)には、透明樹脂などで形成された透過性部材703を挟む状態で、内側ガラス704が組み付けられている。外側ガラス701、透過性部材703、内側ガラス704は全て無色透明な材料で形成されており、遊技盤200の視認を妨げることがない。
図6は、遊技盤200の分解斜視図である。
本実施形態における遊技盤200は、無色透明な樹脂で形成された基盤ベース706に、中央部に遊技領域124を形成するための枠フレーム705が固着され、演出装置や入賞装置を組み込むために、それぞれの部品ユニットの形状に合わせた開口部が複数設けられている。開口部には、演出装置206、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、可変入賞口234、一般入賞口226及び複数一般入賞口260をユニット化した入賞口ユニット707が対応する開口部に組み付けられる。
次に図7〜図15を用いて、発光手段及び反射手段の説明を行う。
図7(a)は、ガラスユニット700に設けられた発光手段及び反射手段の正面図である。前面枠扉106の遊技領域124の左斜め上方に対応する部分には、発光手段であるランプ710が設けられており、透過性部材703に設けられた反射手段である突起形状のレンズカット部711に対して光を照射する。即ち、図7(b)の断面図に示すように、ランプ710は、透過性部材703の側面に位置し、ランプ710から照射された光(図中の太矢印)は透過性部材703内を下方向(実際は斜め右下方向)に直進する。そして、反射手段であるレンズカット部711において遊技者側に反射(図中の細矢印)される。
この際、ランプ710は、遊技状態等に応じてその光量(輝度)を変化させ、図7(c)では、レンズカット部711全体に渡って光が照射されているが、図(d)にでは、照射される光量を少なくし、レンズカット部711の被照射範囲が一部に限定された状態(図中のレンズカット部711の薄黒部分は照射範囲、白部分は非照射範囲)となっている。
被照射範囲の態様は他にも様々な態様が考えられる。例えば、図8に示すように、発光手段であるランプ710を2箇所設け、またレンズカット部711の幅を上述した実施形態よりも広く構成する。そして、図8(a)に示すように、初期状態ではランプ710を非点灯状態とし、レンズカット部711も光を発していない状態から、図8(b)に示すように、下側のランプ710のみを発光させ、レンズカット部711の左下半分のみを被照射範囲とする。この場合、ランプ710からの光がレンズカット部711の全体に拡散しないように、ランプ710をリフレクタ等で囲い、照射される光に指向性を持たせる。次に、図8(c)に示すように、上側のランプ710のみを発光させ、レンズカット部711の右上半分のみを被照射範囲とる。最後に、二箇所のランプ710を両方発光させ、レンズカット部711全域が被照射範囲とする。
このように、遊技の進行等に応じて、被照射範囲を変更させるように構成することで、多彩な演出を行うことが可能となる。
また、図9に示すように、レンズカット部711は、2箇所のランプ710からの光が干渉しないように、光の導入部を別々に設けてもよい。即ち、図9(a)では、2箇所に設けられたランプ710の両方共に非点灯状態とし、レンズカット部711も光を発していない状態から、図9(b)に示すように、下側のランプ710のみを発光させ、レンズカット部711の左下半分のみを被照射範囲とする。このとき、右上のレンズカット部711とはレンズカットが設けられていない部分でもって隔たれているので、レンズカット部711は左下半分のみが発光する。次に、図9(c)に示すように、上側のランプ710のみを発光させ、レンズカット部711の右上半分のみを被照射範囲とする。このとき、右上のレンズカット部711とはレンズカットが設けられていない部分でもって隔たれているので、レンズカット部711は右上半分のみが発光する。最後に、図9(d)に示すように、二箇所のランプ710を両方発光させると、レンズカット部711全域が被照射範囲となり、レンズカット部711全体が発光する。また、これらの変形例として、図9(e)に示すように、レンズカット部711の先端部分を交わらせずに、独立した状態とすれば、2箇所設けられたランプ710から照射された光は完全に分離された状態となる。
また、図10に示すように、ランプ710の照射角度を変化させて、レンズカット711の被照射範囲を変更するように構成してもよい。即ち、図10(a)に示すように、ランプ710が非点灯の状態から、図10(b)に示すように、ランプ710の照射方向をレンズカット部711の左下部の方向に変更すると、レンズカット部711の左下部が発光する。この状態から、ランプ710の方向を初期位置に戻すと、図10(c)に示すように、レンズカット部711の中央部のみが発光する。この状態から、ランプ710の照射方向をレンズカット部711の右上部の方向に変更すると、図10(d)に示すように、レンズカット部711の右上部が発光する。
また、図11に示すように、反射手段であるレンズカット部711を矢印などの特定態様となるように構成してもよい。即ち、図11(a)に示すように、ランプ710が非点灯の状態から、図11(b)に示すように、ランプ710の照射方向を左側に移動させると、左側のレンズカット部711が発光し、図11(c)に示すように、ランプ710の照射方向を右側に移動させると、右側のレンズカット部711が発光する。よって、パチンコ機100において、遊技状態により、遊技盤200の左側に遊技球が流下するように球発射ハンドル134を操作すべきか、あるいは、遊技盤200の右側を遊技球が流下するように球発射ハンドル134を操作すべきか(所謂右打ち)を遊技者に報知することが可能となる。
尚、特定態様は他にも、図柄、文字、記号、写真、模様など様々な態様が考えられる。
また、上述したランプの照射方向の変更は、透過性部材703に平行な方向に変化させたが、垂直方向に変化させるように構成してもよい。即ち、図12(b)に示すように、ランプ710が透過性部材703と同一方向に向いている場合は、レンズカット711全体が被照射範囲となり、図12(a)に示すように、レンズカット711全体が発光する。
この状態から、図12(d)に示すように、ランプ710を透過性部材と垂直な方向(図中では遊技者側)に変化させると、被照射範囲がレンズカット部711の上部のみとなり、図12(c)に示すように、レンズカット部711のランプ710に近い部分だけが発光する。
尚、ランプ710を遊技盤200側に照射してもよい。この場合、図12(f)に示すように、ガラスユニット700は、外側ガラス701と内側ガラス702の間に、透光性部材703が挟持された状態にあり、図12(e)に示すように、レンズカット部711の上部が発光すると共に、遊技盤200及び遊技盤面上に設けられた演出装置206などにも光が照射されて発光するので、多彩な演出態様を実現できる。
また、ランプ710によって、別の演出装置を照射するように構成してもよい。即ち、図13(a)に示すように、遊技領域124周囲に設けられたランプケース720に対し、ランプ710の照射角度を変えてランプケース710も照射するように構成してもよい。この場合、図13(b)に示すように、通常状態では、ランプ710は下方に向かって透過性部材703を側面から照射するが、遊技状態に応じて、正面側に90度照射方向を変更し、ランプカバー720を照射するように駆動制御される。よって、ランプ710から遊技者側に向かって光(太矢印)が照射される状態となる。
よって、遊技状態に応じて、レンズカット711の発光による演出と、ランプカバー720を介して発光される演出とを1つの発光手段によって実現することができるので、遊技台をコストダウンできる。
また、演出装置や入賞装置などの遊技部材と重なり合わさるように演出を行うように構成してもよい。即ち、図13(c)に示すように、遊技領域124の右下に設けられた遊技部材721の上面部において、演出を行うように構成してもよい。この場合、図13(d)に示すように、基盤ベース706に組み付けられたランプ710と重なり合わさる領域に、外側ガラス701及び内側ガラス702に挟持された透過性部材703に設けられたレンズカット部711を設けることで、例えばランプが発する光と、レンズカット部711で発する光とが混じり合って、複雑な演出態様を実現することができる。
また、レンズカット部711は、装飾図柄表示装置208に重なり合う領域に構成してもよい。即ち、図14(a)に示すように、遊技領域124の中央に設けられた装飾図柄表示装置208に表示される画像と重なるようにレンズカット部711を設ける。このように構成することで、画像演出とレンズカット711による発光演出とを組み合わせて演出を行ったり、またデモ演出の際に、画像表示内容を強調するような演出をレンズカット部711で行うことで、遊技者に対するアピール度が高まる。
また、上述した実施形態では、ガラスユニット700に反射手段を設けたが、図14(b)に示すように、遊技盤200にランプ710とレンズカット711を設けてもよい。即ち、図14(c)に示すように、基盤ベース703にレンズカット711を施し、基盤ベース703の上方側面部にランプ710を設けても、基盤ベース703は透過性樹脂で構成されているので、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
また、上述した実施形態では、照射される光を反射する手段としてレンズカット部711を設けたが、透過性部材内部に、照射された光を反射する光散乱性粒子や気泡を設けてもよい。即ち、図15(b)に示すように、透過性部材703内部に光散乱性粒子722を設け、ランプ710からの光を反射するように構成してもよい。このように構成しても、図15(a)に示すように、遊技領域124左上部において反射演出を実現できる。
更に本発明は、スロットマシンやパチスロと呼ばれる遊技台に対しても応用できる、即ち、図16(a)に示すように、パチスロ機800のタイトルパネル部801や表示窓部802や操作部805等を透過性部材で構成し、透過性部材表面にレンズカット部711を施すと共に側面部にランプ711を設け、遊技状態に応じて、図16(b)に示すように反射する領域を変化させるように構成することで、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
特に、パチスロと呼ばれる遊技台では、ストップボタンの操作順序やタイミングによって、払い出されるメダルの量に差がつくゲーム性を備えているのが一般的であるので、図17に示すように、表示窓801を介して視認可能に設けられた左リール803a、中リール803b、右リール803cに対応して、レンズカット部711a、レンズカット部711b、レンズカット部711cを設け、遊技制御部によって決定されたそれぞれのリールを停止すべき順序に応じて、ランプ710の照射角度を変更して反射演出を実行し、遊技者にリールの停止順番を示唆するような演出が可能である。
また、リール上に描かれた図柄のうち、狙うべき図柄を示唆したい場合などは、表示窓部801を透過性部材で構成し、左端部に、リール図柄に対応した図柄804a、804b、804cを描き、上述した実施形態と同様に、ランプ710を駆動制御して、現在狙うべき図柄部分に反射演出を行うことで、狙うべき図柄を示唆することが可能である。
以上のように、本発明の遊技台では、盤面上に設けられた遊技領域に入賞装置又は演出装置を備えた遊技盤と、遊技者が前記遊技盤を視認可能な開口部を設けた前面ドア部と、を備えた遊技台であって、光を前方へ反射可能な反射手段と、該反射手段が設けられ、透過性材料から形成された透過性部材と、該反射手段に光を照射する発光手段と、を備えると共に、前記反射手段の被照射範囲を変更する照射範囲変更手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の別の態様では、更に、前記照射光量変更手段は、照射する光の角度を変更することで、前記被照射範囲を変更することを特徴とする。
また、本発明の別の態様では、更に、前記発光手段は、前記透過性部材の側面に設けられると共に、該透過性部材に平行した方向に前記被照射範囲を変更可能であることを特徴とする。
また、本発明の別の態様では、更に、前記遊技領域には画像表示手段が設けられ、前記反射手段は、少なくとも一部が前記画像手段と重なり合う領域に設けられることを特徴とする。
また、本発明の別の態様では、更に、遊技状態を制御する遊技制御手段を更に備え、該遊技制御手段は、遊技状態に基づいて、遊技者に有利な遊技操作に関する示唆を、前記反射手段又は発光手段を用いて遊技者に報知することを特徴とする。
さらに、本発明は、前述のスロットマシンの実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。