JP5196590B2 - ミルクからの因子viiの抽出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、疎水性であると同時にイオン性でもあるリガンドが結合している支持体を用いた、1またはそれ以上のタンパク質、特に、疎水性パッチを形成する第三構造を有し、かつミルク中に存在する球状タンパク質の抽出方法に関する。
商業的に入手しうる薬物の大部分は、合成によって得られる化学物質からなる。実際、最近まで、近代の医学は、病気の治療もしくは診断のために、化学合成を通して生成された薬物に大幅に依存してきた。
しかしながらタンパク質は、生物学的情報を有する分子の有意部分を占める。特に非常に多数のホルモン、成長因子、血液凝固因子、および抗体でさえそうである。
一般的に言えば、タンパク質は、アミノ酸からなっていて、通常は高分子量を有し、かつ化学合成を通して妥当な費用で入手することができないポリマーである。治療用途のために意図されたこのようなタンパク質は通常、例えば生体、組織、またはヒトまたは動物の血液から単離され、精製される。ブタの膵臓から抽出されるインスリン;凝固因子、例えば血漿から抽出される因子VIIIまたは因子IX;および免疫グロブリンの場合が特にそうである。
しかしながら、前記タンパク質の調製方法は、今日広く用いられているが、これらは欠点を有する。血小板から抽出されるあるいくつかのタンパク質の低い含量は、増え続ける治療的ニーズに合致するのに十分な量でのこれらの単離を不可能にする。さらには血漿中のウイルス、プリオン、またはほかの病原体の存在は、治療目的で使用することができるこのような生成物を得るために、血漿−タンパク質製造方法が、追加のウイルス中和および/またはウイルス除去工程を含めることを必要とする。
これらの欠点を改善するために、遺伝子工学が頼りにされてきた。これは同様に、細胞中に移入され、ついで該タンパク質の分泌を行なう単離遺伝子からのタンパク質の合成に広く用いられている技術である。このようなタンパク質は、それ自体のもとの細胞系の外側で得られ、「組換え」タンパク質として公知である。
この技術によれば、様々な細胞系を用いることができる。
細菌系、例えばE.coliは、非常に広く用いられており、非常に効果的である。これらは、組換えタンパク質を低費用で生成することを可能にする。それにもかかわらずこのような系は、入念な折り畳みプロセスを必要としない、単純な非グリコシル化タンパク質の調製に限定される。
真菌系もまた、分泌タンパク質の生成に用いられている。このような真菌系の欠点は、これらが、例えばグリカン単位およびスルフェート基のグラフトからなる翻訳後修飾を生じ、これらは特にマンノース誘導体の様々な基の付加を通して、結果として生じるタンパク質の薬物動態特性に強い影響を与えるという事実にある。
バキュロウイルスを用いる系は、非常に多様なタンパク質、例えばワクチンタンパク質または成長ホルモンを生成することを可能にする。しかしながらこれらの工業用途は、最適化されていない。
哺乳類細胞もまた、複合組換えタンパク質、例えばモノクローナル抗体の調製において成長させられる。細胞発現系は、適切に折り畳まれ、かつ修飾された組換えタンパク質をもたらす。生成費用と関連した低収率が、主な欠点である。
このような細胞系の代替物として、トランスジェニック植物が、タンパク質を有意量で得るために用いられる。しかしながらこれらの系は、特に、結果として生じるタンパク質への高度に免疫原性のキシロース残渣の添加を通して、植物特異的翻訳後修飾をともない、これによって治療目的でのこれらの使用を制限する。
上記細胞系の1つの代替法は、組換えワクチンまたは複合治療タンパク質の生成のためのトランスジェニック動物の使用からなる。結果として生じるタンパク質は、人間のグリコシル化と非常に類似したグリコシル化を示し、適切に折り畳まれている。これらの複合タンパク質は、単に単一ポリペプチド鎖、例えば成長ホルモンからなっているわけではなく、その代わりにこれらは、特に特定の開裂、グリコシル化、およびカルボキシメチル化を通して、アミノ酸の集合後に様々な方法で修飾される。大部分の場合、このような修飾は、細菌細胞もしくは酵母によって実施されえない。逆に、トランスジェニック動物は、細菌細胞系中に見られる発現レベルと、細胞培養を用いて得られる翻訳後修飾との両方を組み合わせることを可能にする。これらすべては、細胞発現系の使用を通して発生した費用よりも低い生成費用で行なわれる。
トランスジェニック動物の生物材料のうち、ミルクは、組換えタンパク質の非常に満足すべき分泌源と考えるに至らせた研究のテーマであった。
トランスジェニック動物のミルクから生成された組換えタンパク質は、このタンパク質を特異的に乳腺へ向け、ついでミルク中へのその分泌を指示するミルクタンパク質−合成遺伝子の1つの調節領域へ、所望のタンパク質についてコードする遺伝子をグラフトすることによって容易に得ることができる。
一例として、(特許文献1)が参照されてもよい。これは、トランスジェニック哺乳動物のミルク中の所望タンパク質の生成について記載しており、この場合、所望タンパク質についてコードする遺伝子の発現は、ホエータンパク質プロモーターによって制御される。
ほかの特許または特許出願が、トランスジェニック哺乳動物のミルク中の抗体(特許文献2)、コラーゲン(特許文献3)、ヒト因子IX(特許文献4)、および因子VIII/フォンビルブランド因子複合体(特許文献5)の調製について記載している。
タンパク質発現の点でのこれらの方法の満足すべき結果にもかかわらず、組換えタンパク質源としてのミルクの使用は、欠点を有する。主な欠点は、一方で、満足すべき収率をともなってのミルクからのこれらの抽出の難しさ、および他方でその後これらを精製する難しさにある。
事実、ミルクは、90%の水と、3つのカテゴリーに分けることができる様々なほかの成分との混合物である。第一カテゴリーは、「乳清(またはホエー)」として公知であり、炭水化物、可溶性タンパク質、無機質、および水溶性ビタミンからなる。第二カテゴリーは、「脂質相」(またはクリーム)として公知であり、エマルションの形態で脂肪物質を含有する。第三カテゴリーは、「タンパク質相」として公知であり、約80%のカゼインからなり、これらは、カルシウムの存在下に、pH4.6で、または酵素凝固剤であるレネットの効果を通して沈殿させることができるタンパク質の一グループを形成する。様々なカゼインは、例えばリン酸三カルシウムの凝集体(「クラスター」)、すなわちCa(POの形態で存在しうるリンカルシウム(phosphocalcic)塩とともに、0.5μm程度の直径に達しうるコロイドミセル複合体を形成する。このようなミセルは、疎水性コアを取囲んでいるκ−カゼイン豊富な親水性層からできているカゼインサブユニットからなり、これらのリンカルシウム塩は、静電気相互作用を通して親水性層へ結合されている。これらのリンカルシウム塩はまた、カゼインへ結合されることなく、ミセルの内部容積中にも存在しうる。このタンパク質相はまた、可溶性タンパク質、例えばラクトアルブミンおよびラクトグロブリン、ならびに血液からのアルブミンおよび免疫グロブリンも含有する。
トランスジェニック動物のミルク中に分泌された組換えタンパク質の性質に応じて、タンパク質は、乳清もしくはタンパク質相のどちらかに、またはこれらの両方においてでさえ同時に存在してもよい。ミルク成分の各カテゴリーの豊富さおよび複雑さは、タンパク質、特にカゼインミセル中にトラップされたものの抽出を実施することをさらに一層難しくする。もう1つの問題は、これら2つの相のどちらかにおけるこのタンパク質の優勢は、確実に予測することはできないという事実にある。
組換えタンパク質はまた、ミルク中のカルシウムイオンへの親和性を示すことがある。これらは、塩および/または様々な可溶性錯体の形態で、またはカゼインミセルのリンカルシウム塩の形態で存在する。これらの親和性は、タンパク質と二価カルシウムカチオンとの間の静電結合によって反映される。タンパク質/カルシウムイオン親和性は、親和性定数を規定することを可能にし、親和性定数は、これらの値に応じて結合の強さを決定する。一般的に言えば、カルシウムイオンへの親和性を有するタンパク質の大部分は、これらのミセルのリンカルシウム塩へ結合されている。これらの抽出は、複雑な工程の実施を必要とし、実施および収率の対応する問題をともなう。
低温殺菌、ついで酵素凝固もしくは(pH4.6での)酸性沈殿からなる、タンパク質を単離するために乳業において用いられている従来からの解決法は、この場合には適用することができないが、その理由は、組換えタンパク質は、温度とpHとの組み合わせ効果によって変性されることが多いからである。さらには、カゼインミセル中のタンパク質のトラップは、低い抽出収率をもたらす。濾過、遠心分離、および/または沈降もしくは沈殿技術を用いてミルクを分別するための物理的方法の実施からなるほかの解決法もまた、許容しえない抽出収率、および低純度の抽出組換えタンパク質をもたらす。
(特許文献6)は、遺伝学的に修飾された動物のミルク中の所望のタンパク質の分泌について記載している。この文献は、ミルクからのこのタンパク質の精製のための工程についてまったく記載していない。
(特許文献7)は、上記のような酸性化工程および加熱工程の実施をともなう、ミルクからのカゼインおよび乳清の沈殿物の調製による、組換えタンパク質の抽出方法について記載している。この方法は、該タンパク質の活性の有意な損失、および低い抽出収率を結果として生じる。
(特許文献8)は、トランスジェニック哺乳動物のミルクからの組換えフィブリノゲンの精製方法を開示している。この方法は、連続遠心分離操作によるカゼインペレットおよびタンパク質相からの乳清の分離からなる工程を含む。乳清が単離され、ついでこの方法の残りの間保存され、このことは、精製されたフィブリノゲン溶液を生じる。
しかしながらこの方法は、カゼインミセルの中および/またはその上にトラップされる組換えタンパク質、例えば血漿凝固因子、例えば因子VII、因子VIII、および因子IXの生成へ、満足すべき収率をともなって適用することはできない。
(特許文献9)は、トランスジェニック動物のミルクからの組換えタンパク質の濾過方法について記載している。この方法は、当初ミルク清澄化工程、すなわち0.2μmの直径を有する細孔のフィルター膜を通して濾過することができる溶液を得るように、ミルクのこれらの成分を除去することからなる工程を含む。このような工程は、カゼインミセルの除去をもたらす。その結果、この工程の実施は、カゼインミセルがこれらの構造の中にトラップされた所望のタンパク質を含有しうるとしても、収率の点で手が出せないものになることがある。
(特許文献10)は、ミルク中に自然に存在するタンパク質、例えばラクトアルブミン、および組換えタンパク質、例えばヒトアルブミンまたはα1−抗トリプシンのミルクからの単離方法について記載している。この方法は、キレート化剤を、所望のタンパク質を含有するミルクと接触させることからなる最初の工程を含む。この工程は、カゼインミセルの破壊を引起こし、これ自体は、カゼイン、乳清タンパク質、および所望のタンパク質を含有する清澄化乳清の形成をもたらす。ついでこの方法は、液体支持体(すなわち清澄化乳清)への不溶性二価カチオン塩の添加を通したカゼインミセルの構造的再形成からなる工程を含む。これらのミセルは沈殿し、ミセル中にトラップされていない所望のタンパク質を含む液相の形成をもたらすが、その理由は、これらの塩が、カゼインの静電結合部位を飽和させるからである。このようにして、この方法によれば、所望のタンパク質の分離は最終的に、ミセルの構造的再形成およびこれらの沈殿を通して達成される。
この方法は複雑で実施が難しく、カルシウムイオンに対して比較的高い親和性を有するタンパク質へ適用することができない。特にビタミンKの影響下に合成されることが公知であるものを包含する凝固タンパク質が、このカテゴリーに入る。
欧州特許出願第EP0527063号明細書 第EP0741515号明細書 第WO96/03051号明細書 米国特許第6,046,380号明細書 第EP0807170号明細書 第EP0264166号明細書 米国特許第4,519,945号明細書 米国特許第6,984,772号明細書 第WO2004/076695号明細書 米国特許第6,183,803号明細書 第EP0200421号明細書
Devinoyらによる論文、Nucleic Acids Research、第16巻、16号(1988年8月25日、8180ページ) Latheらによる論文、Gene(1987年)57巻、193−201ページ Brinsterら、Proc.Natl.Acad.Sci.米国(1985年)82、4438−4442ページ)。
2つの観察事項、すなわちトランスジェニック動物のミルク中に分泌され、かつ乳清中に存在する、あるいくつかのカテゴリーの組換えタンパク質の分離および精製方法は、非常に低い収率をもたらすということ、およびカゼインミセル中にトラップされるほかのカテゴリーのタンパク質の方法は、複雑で実施が難しいということから出発して、本出願人は、天然であれ、あるいはほかのものであれ、ミルクの成分であるタンパク質、例えば特にミルク中のカルシウムのイオン形態への親和性を示す組換え因子VII、因子VIII、および因子IXのミルクからの抽出方法であって、単純な方法で実施することができ、満足すべき生成収率をともない、タンパク質の生物学的活性を保持する方法を提供することを目的と定める。
本出願人が、ミルク中に存在し、少なくとも1つの疎水性パッチ、およびミルクの自然のpHにおいて負電荷を有するタンパク質の抽出方法であって、次のことからなる工程:
a)前記ミルクをスキミングおよび脱脂する工程、
b)前記タンパク質を含有する脱脂およびスキミングされたフラクションを、クロマトグラフィー支持体へ移す工程であって、この支持体上へ、前記タンパク質が前記支持体上に捕獲されうるpH条件下に、疎水性であると同時にイオン性であるリガンドがグラフトされており、前記pHは4.6超である工程、
c)このタンパク質を溶出する工程、
d)ミルクタンパク質を、前記溶出フラクションから除去することによって、溶出フラクションを精製する工程、および
e)前記タンパク質を回収する工程
を含む方法を開発したのは、この技術的問題に取り組むという目標をもってであった。
本発明による方法は、実施が非常に容易であるという点で有利である。その理由は、一方で、この方法が少しの工程しか含まず、他方で、リガンドがグラフトされている支持体上での所望のタンパク質の捕獲のための第一工程の実施に先立つミルク清澄化工程の実施を、必ずしも必要としないからである。
本発明による方法は、新鮮なミルクまたは凍結ミルクに適用されてもよい。このミルクは、所望のタンパク質を含有するいずれのメスの哺乳動物、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット、またはブタからのミルクであってもよいが、このリストは限定的なわけではない。
該哺乳動物のミルクの自然の流動性に応じて、スキミングおよび脱脂工程に先立ってミルクを流動化することが有利になることがある。一例として、ウサギのミルクに言及することができる。これは、かなり濃いので、本発明のより容易な実施のために有利には流動化される。しかしながら、かなり濃いミルクの場合でさえ、流動化工程は全く任意である。この流動化工程は、水性溶媒を生乳へ添加することによって実施されてもよい。例えば水性溶媒は、100mM未満の濃度を有するホスフェート塩ベースの溶液であってもよく、これのpHは、7.5〜8.5、好ましくは8.0〜8.3であり、例えば30mMリン酸ナトリウム溶液pH8.0であるが、このリストは限定的なわけではない。このような水性溶媒はまた、塩化ナトリウムを含有してもよく、これの最大濃度は約40mMである。このような溶液は、ミルクの安定化ミセル構造を維持する(縣濁液としてのカゼインミセル)。
MEP HyperCel(登録商標)ゲルに対する溶出緩衝液テストの結果を示す図である。
本発明の目的のためには、「スキミング」という用語は、2つのフラクション、すなわちスキムミルクおよびクリームを得るようにするための、ミルクの脂肪物質の分離のことを言うと理解される。スキミングは、当業者に周知の技術であり、例えばスキマーを用いて、または有機溶媒、例えばトリクロロ酢酸(限定的なわけではない)を利用して実施することができる。1つの特別な実施形態において、ミルクのスキミングは、ゼータ陽電位を有するガラス繊維支持体を通す濾過によって実施される。このようなフィルターの一例として、Ultipor(登録商標)GF Plusフィルター、ならびにHPシリーズSupradiskフィルター、またはAKS活性炭シリーズ(Pall Life Science)、GFフィルター(Whatman)、VR Zetaplusフィルター、またはDelipidフィルター(Cuno 3M)に言及することができる。1μmの閾値(threeshold)を有するUltipor(登録商標)GF Plusフィルター、およびディープフィルターVR02もしくはVR04(Pall)が有利に用いられる。
この濾過工程はまた、このフラクションを脱脂すること、すなわち脂質、例えば脂肪酸、グリセリド、およびステロールを除去することも可能にする。この脱脂は、希釈ミルクを30分間放置した後、Ultipor(登録商標)GF Plusフィルターを通すミルクの前端濾過によって完成することができる(したがって脂肪物質は表面へ浮遊し、これによってミルクからのクリームの分離を最適化する)。
このスキミングおよび脱脂工程は不可欠であるが、その理由は、疎水性であると同時にイオン性でもある、支持体上へグラフト化されたリガンドが、脂質を吸着するからである。したがってこれらの脂質は、工程b)に先立って除去されなければならないが、その理由は、さもなければ所望のタンパク質がリガンドによって保持されえないか、または不十分にしか保持されえないからである。このような状況の結果は、所望のタンパク質の抽出方法の収率の減少であろう。
本発明の有利な側面の一つは、単にスキミングおよび脱脂されただけの、工程a)の結果として生じたフラクションが、非常に有利なことに、アフィニティークロマトグラフィーによる精製工程である工程b)の実施に直接適しているという事実である。このようにして、脱脂およびスキミングされたフラクションを、工程b)におけるアフィニティークロマトグラフィーによる精製に適したものにするために、この中間工程が絶対に必要であるわけではない。
工程b)は、4.6〜5である、カゼインの等電点(pI)よりも低いpHで実施されるべきではない。事実、工程b)が、これらのカゼインのpIよりも低いpHで実施されるならば、カゼインは沈殿するであろうし、これによって、クロマトグラフィー支持体へ有意な損傷を引起こすリスクをともなうであろう。特に、クロマトグラフィー工程がカラムの使用をともなって実施される時、これらのカゼインの沈殿は、カラムを閉塞させることがあり、これによってカラムおよびその内容物、すなわちクロマトグラフィーゲルに損傷を与えることがある。さらには4.6よりも低いpHにおいて、ほかのタンパク質、例えばトランスフェリンもしくはアルブミンが沈殿する可能性があり、このことは、収率の減少を生じうるであろう。最後に、あるいくつかのタンパク質は、酸性pHにおいて変性される。例えば因子VII、因子VIII、因子IX、フィブリノゲン、および補体因子Hの場合がそうであるが、このリストは限定的なわけではない。
工程b)は有利には、pH5〜8.5で実施される。工程a)において生成されたスキミングおよび変性されたミルクはこのようにして、工程b)においてpH5〜8.5でクロマトグラフィー支持体へ適用される。このpHは有利には、5.5〜8、または6〜7.5である。このpHは好ましくは、6.5〜6.8である。このpHは、より好ましくはミルクの自然pHである。
このようなpHにおいて(すなわちpH5〜8.5で)、自然の相互作用部位を有するタンパク質、例えば抗原/抗体、酵素/基質、または酵素/阻害剤親和性もしくは擬似親和性(このリストは限定的なわけではない)を有するタンパク質は、互いに対する相対位置において、これらの電荷および疎水性領域を自然に有し、pH5〜8.5の間で広く様々に変わるわけではない。したがってこのpHで、これらのタンパク質は負帯電されている。有利にはこのpHにおいて、リガンドとタンパク質との相互作用は、本質的に疎水性反応である。
本発明による方法において有利に用いられているクロマトグラフィー技術は、所望のタンパク質を含有する脱脂およびスキミングされたフラクションが、疎水性であると同時にイオン性であるリガンドがグラフト化されている支持体上に捕獲されるようにする。驚くべきことにこのようなリガンドは、その構造のために、疎水性パッチを有する所望のタンパク質を結合することを可能にするが、一方で、カゼインミセルを含む不純物を非結合のままにする。これらのタンパク質の内部疎水性領域は、この種のリガンドへ結合することができ、所望のタンパク質との相互作用を可能にし、これによって、所望のタンパク質への高い親和性、および精製されることになるタンパク質への選択性の増加を確保する。
非結合タンパク質は本質的に、カゼインの大部分、ホエー酸タンパク質(WAP)、トランスフェリン、ラクトグロブミン、ラクトアルブミン、および血清アルブミンからなる。
さらにはこの方法は、次の指定された特徴を有するいずれのタンパク質の抽出にも適している。すなわち約6.5〜6.8の範囲内のミルクの自然のpHにおいて、タンパク質は、疎水性領域を有し、負電荷を有するか、または最低限でもこれらの電荷の全体のバランスは、非常に有利に負電荷に偏る。
本発明の範囲内で、これらのpH条件は、疎水性相互作用あるいは静電相互作用のどちらかを通して、ならびに疎水性相互作用を通して、タンパク質がクロマトグラフィー支持体のリガンドによって保持されるようにするか、または一般的に言えばこのリガンドへ結合するようにさせる。このような条件は、精製されることになるタンパク質の等電点に大幅に応じており、したがってこのプロセスが実施されるpHに応じる。用いることができるクロマトグラフィー支持体は、(アニオン交換型の)陽帯電リガンドを有する支持体であり、このpHは、タンパク質が全体に負電荷を有するように適合させられてもよい。逆に負電荷リガンドは、このプロセスが本発明の実施に有利に用いられるpH、すなわち5〜8.5で実施される時に用いられてもよい。このリガンドの末端官能基は、例えばスルホニルもしくはカルボキシル基であってもよく、pHは、タンパク質が全体に陽電荷を有するように、6超の値に設定されてもよい。この実施形態は、精製されることになるタンパク質の等電点が、塩基性pHにおいて、特に6超のpHにおいて、タンパク質が陽電荷を有するようなものである時に適用可能である。pHが、抽出されることになるタンパク質、またはミルクを有意に損傷しないように、このプロセスの実施に確かに適合するように配慮すべきである。
別の実施形態において、工程b)が実施されるpHは5〜8.5であり、このpH値は、タンパク質とリガンドとの間の相互作用が本質的に疎水性であるように選択される。
工程c)の実施(溶出)は、例えばイオン反発効果によってであるが、同様にカオトロピック効果により、タンパク質が保持されなくなるようにする、当業者に公知のいずれの溶出剤を用いて実施されてもよい。溶出は好ましくは、イオン反発効果を包含する。タンパク質の構造形態、およびタンパク質の電荷は、溶出緩衝液のpHを調節するか、または適切な溶出緩衝液を選択することによって修正することができる。
工程b)の実施の前に、クロマトグラフィー支持体は好ましくは、100mMよりも低い濃度を有し、pHが7.5〜8.5、好ましくは8.0〜8.3であるホスフェート塩をベースとする溶液(負荷緩衝液)、例えば20〜30mM、pH8.0のリン酸ナトリウム溶液で平衡させられる。このような溶液はまた、塩化ナトリウムを含有してもよく、これの最大濃度は約100mM、好ましくは20〜60mMの範囲内にある。このような溶液はまた、クエン酸塩、特に0.20〜0.30M、好ましくは0.25M、pH7.5〜8.5のクエン酸三ナトリウムをベースとしていてもよい。これの導電率は、30〜40mS/cm、特に35mS/cmである。
さらには洗浄工程は、工程b)の直後に、有利には負荷緩衝液と同一の緩衝液を用いて実施されてもよい。この洗浄工程の有効性は、規定された波長、例えば280nmでの光学密度測定(OD)を通してチェックされる。これは、0値またはベースライン値へ戻されるべきである。このようにして得られたフラクションは、場合によっては収集されてもよい。溶出工程c)の実施は、イオン反発効果を通した一例として、または同様にカオトロピック効果を通した一例として、タンパク質がそれ以上保持されえないようにする、当業者に公知のいずれの溶出剤を用いて実施されてもよい。好ましくは溶出は、イオン反発効果を通して実施される。タンパク質構造形態および電荷は、溶出緩衝液のpHを利用するか、または同様に選択された溶出緩衝液を利用して修飾することができる。
一例として、クロマトグラフィー支持体は、(アニオン交換型の)陽帯電されるであろうリガンドを有すると仮定して、濃度が1.2〜8Mであるウレアと、濃度が25mM〜50mMであるグリシンとの混合物に言及されてもよい。前記濃度は、混合物中の最終濃度である。ウレアとタンパク質のアミノ基との反応は、これの何らかの変性を発生させることがあり、外生化合物(ここではグリシン)からのアミノ基の存在下に、ウレアは、この場合これらのタンパク質、したがって標的タンパク質のより少ない変性しか発生させないであろうということが指摘されるべきである。
溶出液のほかの例は、4〜6の酸性pHの水溶液、濃度が5mM〜50mM、好ましくは30mMのリン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が5mM〜50mM、好ましくは30mMのクエン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が5mM〜50mM、好ましくは30mMのリン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が1mM〜10mM、好ましくは5mMのトリス/NaClおよびカルシウム塩とエチレングリコール;濃度が10mM〜100mM、好ましくは30mMのカプリル酸ナトリウムとエチレングリコールからなる群から選択された成分、好ましくは2もしくは3成分を含んでいる水性混合物を包含し;化合物の存在の結果として、導電率が3mS/cmよりも低い水性混合物、例えば30mMリン酸ナトリウム溶液も用いることができる。上記濃度は、この混合物中の最終濃度である。エチレングリコールを含有する上記二成分混合物については、エチレングリコールの容積割合は、特に20〜70%である。
エチレングリコールを含有するこれらの緩衝液すべてについて、これは、毒性がより低いプロピレングリコール、またはいずれかのほかの溶媒と置き換えられてもよい。ウレアが有利には、アミノ酸の存在下の溶出剤として用いられてもよく(これの最終濃度は、ウレアについては1.2〜8M、グリシンもしくはいずれかのほかのアミノ酸については25〜50mMの様々なものである)、この溶液は、そのカオトロピック力によって、リガンドと吸収されたタンパク質との間の相互作用を抑制することを可能にする。
これらの水性混合物のpHは、非常に好ましくは7〜8.5であり、酸性すぎるpHは、考察されているタンパク質の変性を引起こすことがあり、このようにして不溶性タンパク質を結果として生じることがある。
これらの水性混合物はまた、0.5%〜1.5%、特に1%の非イオン性洗剤、例えば好ましくはTriton(登録商標)X100を含有してもよい。本出願人は、いくつかの実施において、pH値7〜8.5を有するこのような洗剤の存在は、溶出されたタンパク質の回収収率を改善しうることを観察した。
同様に、水および優先的にはWFI(注入のための再蒸留水(bi−dilstilled water))を用いることも可能である。
1つの特別な実施形態において、工程b)の実施のためのpHが5〜8.5である時、溶出は、リガンドのpKaがタンパク質の等電点よりも低いならば、pHをリガンドのpKa以下の値に低下させることによって、あるいはまた、タンパク質の等電点がリガンドのpKaよりも低いならば、pHをタンパク質の等電点以下の値に低下させることによって実施されてもよい。
所望のタンパク質を含有するフラクションの溶出の結論として、精製工程は、汚染物質タンパク質、例えばラクトフェリン、ラクトアルブミン、トランスフェリン、アルブミン、および免疫グロブリンをミルクから除去するために依然として必要である。このような精製手段は、当業者に周知である。例として、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、カチオン−もしくはアニオン−交換クロマトグラフィー、またはサイズ排除クロマトグラフィーに言及することができるが、このリストは限定的なわけではない。
工程d)もまた、有利には標的タンパク質の良好な復元、すなわち適切な折り畳みを実施することを可能にし、このようにして、自然のタンパク質の生物活性と同等の生物活性をタンパク質へ付与する。
場合により復元はまた、変性剤を除去するために、単純透析またはダイアフィルトレーションを通して実施されてもよい。
様々なクロマトグラフィー工程は、特に汲み上げ装置、および検出系を含むいずれかの標準的クロマトグラフィー装置を用いて、特にUV可視吸収を通して実施される。
所望のタンパク質を含有するフラクション中に存在する最後の乳タンパク質を除去するためのこの工程の締めくくりとして、精製された所望のタンパク質を含有するフラクションが回収される。
所望のタンパク質を含有するフラクションを回収するための手段は、当業者に周知である。例として、通常用いられている溶出剤を用いて、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、カチオン−もしくはアニオン−交換クロマトグラフィー、またはサイズ排除クロマトグラフィーに言及することができる。
本発明の1つの実施形態において、ミルクの清澄化からなる工程は好ましくは、スキミングおよび脱脂工程(工程a))の後であって、工程b)に先立って実施される。
ミルクの「清澄化」という用語は、破壊によってミセルを除去し、これによってカゼイン、乳清タンパク質、および所望のタンパク質を含有する清澄化乳清を得ることからなる工程のことを言うと理解すべきである。
この実施形態は、より良好な収率を得ることを可能にするが、その理由は、この場合、カゼインミセルと組み合わされた所望のタンパク質は、精製されたフラクションを富化することができ、このことは、清澄化工程を含まない実施形態ではそうでなく、この場合には、ミセルが除去され、これらと組み合わされた所望のタンパク質をこれらとともに運ぶからである。この実施形態はまた、ミルク中に存在するあらゆる微生物因子もしくは細胞因子、および細胞残屑(例えば細菌、上皮細胞、またはミルクリンパ球)を除去するために、サブミクロン濾過を実施することも可能にする。
より詳しくはミルク清澄化工程は、ミルクとの混合後、ミルクのミセル構造が消滅し、清澄化ミルク(溶液状のカゼインもしくは乳清)を生じるような濃度で、キレート化剤の添加によって行なわれる。キレート化剤を用いたミルクの清澄化は、当業者に周知である。キレート化剤の一例として、クエン酸三ナトリウムもしくはEDTAに言及することができる。例えば0.25Mの最終クエン酸ナトリウム濃度は、ミルクの完全清澄化を与える。
本発明の別の実施形態において、スキミングおよび脱脂工程(工程a))後であって、工程b)に先立ち、カゼインサブユニットクラスターが、特に通常の実施による濾過もしくは遠心分離を通して沈殿する。
任意ではあるが、この工程は、沈殿によってミルクのコロイド状態を脱安定化することを可能にする。所望のタンパク質が、カゼインミセルもしくはサブユニットから放出されるか、解離され、これによって、ミセルと組み合わされたタンパク質を回収することを可能にする。
本発明の1つの特別な実施形態において、疎水性であると同時にイオン性であるこのリガンドは、4−メルカプト−エチル−ピリジンである。
このリガンドを含有する支持体の一例は、MEP HyperCel(登録商標)ゲル(Ciphergen(登録商標))である。一例として、所望のタンパク質の吸着を、このような支持体上で発生させるようにする条件は、タンパク質の等電点(タンパク質上の負電荷)の少なくとも0.5pH以上、およびこのリガンドのpI(ゲル上の陽電荷)の少なくとも1pH単位以下であるpH値を含んでいてもよい。所望のタンパク質がFVIIであるならば、その場合には、選択されたpHは8であってもよい。リガンド上のタンパク質の吸収は好ましくは、タンパク質とリガンドとの間の相互作用が本質的に疎水性であるようなpH条件下に行なわれる。このpHは、好ましくは5〜8.5である。
精製されることになるタンパク質が因子VIIである本発明の特別な実施形態において、溶出は、pHを、このリガンドのpKaよりも低いpH、すなわち4.8よりも低いpHへ低下させることによって行なわれてもよい。
リガンドが4−メルカプト−エチル−ピリジンであるならば、溶出工程c)は、上記の水溶液および混合物を用いて、このリガンドのpKaよりも高いpH、すなわち4.8よりも高いpHで、特に6よりも高く、9よりも低いpHで、非常に有利には7.0〜8.5のpHで、同様に水を用いて、および好ましくはWFI(注入用の再蒸留水)を用いて実施することができる。その場合、このタンパク質は例えば因子VIIである。
さらには本出願人は驚くべきことに、4−メルカプト−エチル−ピリジン型のリガンドを有するMEP HyperCel(登録商標)ゲル、または2−メルカプトピリジン型のリガンドを有するHitrap IgYゲルは、対照分子と「一貫性がある」、すなわち活性化されうる構造を有するFVIIに関して、ある程度の選択性を示すことを発見した。事実、このゲル上に吸着されない形態に関して、本出願人は、活性化されうる形態(アミド分解FVIIアッセイ)と全形態(抗原FVIIアッセイ)との間の相違を定期的に観察した。アミド分解FVIIアッセイは、抗原の試験管内活性化に匹敵しうるものであり、1血漿抗原単位が、定義によれば1アミド分解単位を生じ、したがって活性比は1である。タンパク質は、精製プロセスの間、多くの例の物理化学または生化学変性を受けることがある。この比は、0.8〜1.2の間にある時、正常であると考えられ、これは有利には1である。トランスジェニック動物において、因子VIIの乳分泌は、100%均質であるわけではなく、当業者は、タンパク質の三次元構造のグリコシル化および折り畳みを包含する翻訳後変換におけるこれらの差異に気付いている。このようにして乳腺細胞は、遺伝子組み換え後にFVIIを生成し、前記FVIIはグリコシル化され、ついで折り畳まれ、その後乳腺によってミルク中に分泌される。作製された分子の100%が機能的になる保証はない。自然に含まれている制御メカニズムが修正されて、トランスジェニック細胞になる可能性がある。特に自然のタンパク質と比較して、トランスジェニックタンパク質中の糖形態の成熟における差異が観察されている。
このようにして、4−メルカプト−エチル−ピリジン型のリガンドを有するMEP HyperCel(登録商標)ゲル、または2−メルカプトピリジン型のリガンドを有するHitrap IgYゲル上に吸着されないFVIIの形態は0.4〜0.5の比を有し、溶出形態は1.0〜1.4の比を有する。したがってMEP HyperCel(登録商標)ゲルは、自然形態と最も類似である抗原形態を吸着によって選択し、逆に非結合形態は、トランスジェニック動物による製造において欠陥を示しうると仮定することができる。これは明確な利点であるが、その理由は、この目的が、顕著な副作用をともなわずに人間中に注入されうるヒトFVIIをミルクから抽出することであり、この目的のために、FVIIは、できるだけ自然形態に類似であるべきであるからである。アミド分解/抗原活性比は、この状態が達成されるかどうかを示しているツールである。
本発明の別の特別な実施形態において、疎水性であると同時にイオン性でもあるこのリガンドは、メルカプト−ベンズイミダゾールスルホン酸である。
このリガンドを含有する支持体の一例は、MBI HyperCel(登録商標)ゲル(Ciphergen(登録商標))またはCapto−MMC(GE Healthcare)である。
この型の支持体が用いられる時、pH値が5〜6である、わずかにより酸性の保持条件(工程b)を用いることが適切である。このようなpH値において、カゼインの溶解度は低く、沈殿が発生され始めることさえある。塩、例えば1M NaClの添加は、pH5〜6でカゼインを可溶性のままに保持することを可能にする。溶出は、既に規定されている水溶液および水性混合物を用いて行なうことができる。
工程d)は有利には、アニオン交換クロマトグラフィーによって、特に強塩基型アニオン交換支持体の実施を通して、すなわち−NR3+型の第四アンモニウム基(Rは、アルキル基、例えばメチルもしくはエチルである)を用いて実施される。商業的に入手可能なこのような支持体は、この工程の実施のために適合させることができる。
有利には低いイオン強度およびpHは、アニオン交換工程を特に適切にするが、その理由は、これが、所望分子すなわちFVIIを濃縮させ、活性化因子VIIに転化させ、ついでコンホメーショナル溶出によって精製されるようにするからである(すなわちカルシウム結合に特に関連した形態における変化であり、これはN−末端部分(glaドメイン)中の電荷の変化を生じ、したがって全体のタンパク質電荷は、カルシウム飽和後に負電荷になる)。
好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーによって行なわれる工程d)において、タンパク質の溶出は有利には、カルシウムイオン溶液を用いて実施される。これの濃度は、1〜50mM、好ましくは2〜25mM、より好ましくは3〜12.5mM、または4〜6mMであり、カルシウムイオン源は例えば、塩化カルシウムによって供給される。有利には工程d)において、タンパク質の溶出は、5mMカルシウムイオン溶液で実施される。
別の実施形態において、溶出に用いられる溶液は、銅、亜鉛、またはマンガン塩をベースとしてもよい。
本発明による方法は、組換えタンパク質の抽出のため、または該哺乳動物のミルク中に自然に存在するタンパク質の抽出のために実施されてもよい。
このタンパク質は、ミルク中に自然に存在するタンパク質であってもよく、例えばβ−ラクトグロブリン、ラクトフェリン、α−ラクトアルブミン、またはプロテオースペプトン、またはこれらの混合物であってもよい。
このタンパク質はまた、ミルク中に自然に存在しないタンパク質であってもよい。その例は、因子VII、因子VIII、因子IX、因子X、アルファ−1抗トリプシン、抗トロンビンIII、アルブミン、フィブリノゲン、インスリン、ミエリン、塩基性タンパク質、プロ−インスリン、組織プラスミノゲン活性化剤、および抗体を包含する。
1つの好ましい実施形態において、このタンパク質は組換えタンパク質であり、これを含有するミルクは、トランスジェニックミルクである。事実、ミルク中に自然に存在しないタンパク質は、組換えDNAおよび遺伝子組み換え技術の使用を通して非ヒトトランスジェニック哺乳動物によって、その中で合成することができる。
当業者に周知のこれらの技術は、トランスジェニック動物のミルク中においていずれの所望のタンパク質の合成も可能にする。
このようなタンパク質はその場合、これら2つの用語が本出願において同等として取り扱われ、その場合組換えDNA技術の使用を通して合成されるので、組換えもしくはトランスジェニックタンパク質である。
「トランスジェニック動物」という用語は、特に所望のタンパク質についてコードする断片を包含する、外生DNAの断片がそのゲノム中に組み込まれているいずれかの非ヒト動物のことを言うと理解すべきであり、したがって該動物は、外生DNAによってエンコードされたタンパク質を発現し、この外生DNAをその子孫へ伝達しうる。
したがっていずれの非ヒト哺乳動物も、このようなミルクの生成に適している。
有利な使用は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、およびマウスについて行なうことができるが、このリストは限定的なわけではない。
哺乳動物の乳腺による所望タンパク質の分泌は、トランスジェニック哺乳動物のミルク中へのその分泌をもたらし、組織依存的に組換えタンパク質の発現の制御という意味を含む。
このような制御方法は、当業者に周知である。発現の制御は、特定の動物組織中のタンパク質の発現をもたらす配列を通して達成される。これらの配列は特に、プロモーター配列、ならびにこれらのシグナルペプチド配列を含む。
当業者に周知のプロモーターの例は、WAP(ホエー酸性タンパク質)プロモーター、カゼインプロモーター、およびβ−ラクトグロブリンプロモーターを包含するが、このリストは限定的なわけではない。
トランスジェニック動物のミルク中に組換えタンパク質を生成する方法は、次の工程を含んでいてもよい。すなわち、所望のタンパク質についてコードする遺伝子であって、ミルク中に自然に分泌されるタンパク質のプロモーターによって制御される遺伝子を含有する合成DNA分子が、非ヒト哺乳動物の胚中に転移される工程である。この胚はついで、同じ種のメスの哺乳動物中に導入され、これはついでトランスジェニック動物を生み出す。被験者が十分に発達したら、この哺乳動物の乳分泌が誘発され、ミルクが収集される。ミルクはその場合、所望の組換えタンパク質を含有している。
人間以外のメスの哺乳動物のミルクにおけるタンパク質の調製方法の一例が、(特許文献1)に示されている。これの教示は、本発明による所望のタンパク質の生成へ適用されてもよい。
WAPプロモーターを含有するプラスミドは、WAP遺伝子のためのプロモーターを含有する配列の導入を通して構成され、このプラスミドは、WAPプロモーターに依存するようにされた外来遺伝子を受け入れることができるようにして作製される。所望のタンパク質についてコードする遺伝子が組み込まれ、WAPプロモーターに依存するようにされる。このプロモーター、および所望のタンパク質についてコードする遺伝子を含有するプラスミドは、ウサギ胚のオスの前核中へのマイクロインジェクションによって、トランスジェニック動物、例えばウサギを得るために用いられる。これらの胚はついで、ホルモン的に準備されたメスの卵管へ移される。生成された若いトランスジェニックウサギから抽出されたDNAを用いて、トランス遺伝子の存在が、サザンブロッティングによって検出される。これらの動物のミルク中の濃度は、特異的ラジオイムノアッセイを用いて評価される。
このタンパク質は、有利には凝固タンパク質である。本発明によるタンパク質は有利には、因子II(FII)、因子VII(FVII)、因子IX(FXI)、および因子X(FX)、ならびこれらの活性化形態;およびCタンパク質、活性化Cタンパク質、Sタンパク質、およびZタンパク質、またはこれらの混合物から選択される。
特に有利には、本発明によるタンパク質は、FVIIもしくは活性化FVII(FVIIa)である。
この点に関して、FVIIもしくはFVIIaは、(特許文献1)の教示にしたがって生成されてもよい。この方法の概要は、上に示されている。ヒトFVIIの配列を有するDNA断片が、ついでWAPプロモーターの制御下に置かれる。例えばこのようなDNA配列は、(特許文献11)に記載されているように、配列No.1b中に現れる。
本発明によるFVIIは有利には、活性化される。FVIIaは、ジスルフィドブリッジによって連結された2つの鎖への、様々なプロテアーゼ(FIXa、FXa、および/またはFVIIa)によるチモーゲンの切断を通して生体内で得られる。FVIIa単独では、非常に少ない酵素活性しか有していないが、その補助因子(組織因子(FT))と錯体化された時、これはFXおよびFIXを活性化することによって凝固プロセスを引起こす。
FVIIaの凝固剤効果は、これらが組織因子(FT)と相互作用する時、FVIIのものよりも25〜100倍大きい。
特に有利には、このタンパク質は、因子FVII(因子VII)である。
本発明の1つの実施形態において、FVIIは、Xa、VIIa、IIa、IXa、およびXIIaによって試験管内で活性化されてもよい。
本発明によるFVIIはまた、その精製プロセスの間に活性化されてもよい。
本発明のもう1つの目的は、哺乳動物ミルクの同時スキミングおよび脱脂のためのゼータ陽電位を有するガラスフィルターの使用である。このような実施は有利には、従来の分離を、時間のかかる遠心分離によって、または工業的規模での使用には問題となる。脱脂用の特定の溶媒(クロロホルムまたはフルオロアルカン誘導体、例えばフレオン)の使用と置き換える。
本発明のもう1つの目的は、スキミングおよび脱脂されたミルク中に存在するタンパク質の抽出のための、疎水性であると同時にイオン性でもあるリガンドがグラフトされている支持体の使用である。
本発明のほかの態様および利点は、次の実施例に記載される。これらの実施例は、例証のためにのみ示され、本発明の範囲を制限するわけではない。
ミルク中にヒトFVIIタンパク質を生成するトランスジェニックウサギの生産
最初にp1プラスミドが、WAP遺伝子((非特許文献1)に記載されている)のBamH1−Hind III配列(6.3Kb断片)を、p−ポリIII−Iベクターのポリリンカー中へ((非特許文献2)に記載されている)、Bam H1とHind III配列との間に導入することによって調製された。
このクローニングの間、BamH1部位が欠失され、p1ベクター中に現れるClaI部位によって置き換えられた。このようにしてp1ベクターは、6.3Kb WAPプロモーターの制御下に置かれた外来遺伝子を受け入れうるプラスミドである。この外来遺伝子は、例えばポリリンカーのSalI部位中に導入することができる。プロモーターおよび外来遺伝子全体を含有する挿入断片は、p−ポリIII−Iプラスミドポリリンカーの末端に位置する2つのNot1部位における切断後、プラスミドから単離することができる。
p1プラスミドから得られたp2プラスミドは、ウサギWAP遺伝子(6.3Kb)およびヒトFVII遺伝子のためのプロモーターを含有する。トランスジェニックウサギを得るために用いられる断片は、これら2つのNot1部位間に位置している。
HindIII部位が、クローニング部位として機能するために、部位特異的突然変異誘発を介して遺伝子リーダー配列中に導入された。
トランスジェニックウサギは、従来のマイクロインジェクション技術によって得られた(非特許文献3)。この遺伝子の500コピーを含有する1または2p1プラスミドが、マウスの胚のオスの前核中に注入された。これらの構成は、p−ポリIII−Iベクター中に作製された(非特許文献2)。組換えられた遺伝子を含有するこのベクターのNot1−Not1断片が、マイクロインジェクションされた。これらの胚はついで、ホルモン的に準備された養子(adoptive)メスの卵管へ移された。操作された胚の約10%が、若いウサギを生み出し、操作された胚の約2〜5%が、若いトランスジェニックウサギを生み出した。これらのトランス遺伝子の存在は、ウサギの尾から抽出されたDNAを用いて、サザンブロッティングによって検出された。これらの動物の血液およびミルク中のFVII濃度は、特異的ラジオイムノアッセイを用いて評価された。
FVIIの生物活性は、細胞培養支持体へ、またはウサギ乳房外植片培養支持体へミルクを添加することによって評価された。
本発明によるFVIIをミルク中に生成するトランスジェニックウサギを得るために用いられる技術は、より詳細に(特許文献1)に記載されている。
スキミングおよび脱脂されたフラクションの調製
原料が、1リットルあたり約150gのタンパク質および匹敵しうる量の脂質(15%クリーム)を含有するウサギ生乳(すなわち非スキミング凍結ミルク)からなっているので、まず第一に、これをクロマトグラフィー条件と匹敵しうるものにするために、この媒質を「流動化および脱脂する」必要がある。
そうするために:
− 1容積の解凍生乳が、2容積の水性溶媒と混合された;
− 完全に流動性の混合物が、ゼータ陽電位を有するガラス繊維支持体、すなわちUltipor GF Plusフィルター(Pall Life Scienceによって製造されている)を通して濾過された。
その結果は、クロマトグラフィー技術での使用のために十分に脱脂された、完全に流動性の原料であった。
プロトコル「A」:
水性溶媒は、塩化ナトリウムの添加をともなうか、またはともなわない、低イオン強度(100mM未満)を有するホスフェート溶液であった。
プロトコル「B」:
この溶媒は、キレート化剤、例えばクエン酸三ナトリウムもしくはEDTAを、ミルクとの混合後、ミルクのミセル構造が消滅し、いわゆる「清澄化」ミルク(溶液状カゼインもしくは乳清)を残すような濃度で含有していた。例えばpH8.0で0.25Mの最終クエン酸ナトリウム濃度が、ミルクの完全清澄化を生じた。
実施例2におけるプロトコル「A」による、スキミングおよび脱脂されたフラクションのアフィニティークロマトグラフィー
MEP−HyperCelゲル上で安定化されたミルク中のトランスジェニックもしくは組換えFVII(rFVII)の捕獲は、次のアッセイを用いて証明された:
a)MEPゲルの容積=2mL/生乳F1の容積=4mL
ミルクの容積対MEPゲルの容積の比=2
この実施例において、427mlのミルクが、25℃で4.5mS/cmの導電率を有する0.015MおよびpH8.27のリン酸ナトリウム緩衝液3843mlと混合された(1:9混合物)。この混合物は、1μmの閾値を有するフィルターUtripor GF+上で濾過され、その後のクロマトグラフィーのための清澄化ミルク4240mlを生じた。この清澄化ミルクのpHは8.2であり、導電率は25℃で8mS/cmであった。この溶液40ml(生乳4mlに対応する)が、1.1cm直径カラムにおいて状態調節されたら、ゲル上に注入された。安定化ゲル床の高さは2cmであり、このようにして充填ゲル2mlが提供される(生乳/ゲル比=2)。
生物材料を注入する前に、ゲルは、pH8.2で40mM塩化ナトリウムを含有する25mMリン酸ナトリウム溶液で平衡される。これの導電率は25℃で8mS/cmである(負荷緩衝液)。
ポンプの流量は、1.5ml/分、すなわち、約1分E/E(流入/流出)のゲル中の推定接触時間に調節された。
カラムは、280nmUVランプ検出器へ連結され、光学密度シグナルが、連続的に紙に記録された。生物材料40mlが注入され、サンプル「MEPスタート」が、分析のために取り置かれた。注入後、ゲルは、40mM塩化ナトリウムを含有する25mMリン酸ナトリウム負荷溶液で洗浄される。280nmでODリコーダーにベースラインを再び得るために、これの約8.5mlが必要とされる。「非保持MEP」と呼ばれる非吸収タンパク質フラクション48.3mlが収集される。3つの連続的溶出が実施される。
溶液A=20.6mlのMEP−溶出液1を生じる
→80%負荷緩衝液+20%エチレングリコール
溶液B=17mlのMEP−溶出液2を生じる
→50%負荷緩衝液+50%エチレングリコール
溶液C=テストされない9mlを生じる
→氷酢酸でpH3へ調節された負荷緩衝液。
ゲルはついでNaOH 1Mで再生され、20%エタノール(v/v)を含有する1M塩化ナトリウム媒質中に保持される。分析データが、本明細書の下の表にまとめられる。
Figure 0005196590
結論:
このFVIIの30パーセント(30%)はゲルによって保持されず、これらの溶出液の合計は、用いられたFVIIの59%に相当した。これらの結果(89%)によれば、このFVIIの約10%は回収されなかった。
b)MEPゲルの1容積=10mL/F1生乳の容積=200mL
ミルクの容積対MEPゲルの容積の比は、100mLインクリメントの分別で、3から20に増加した。
Figure 0005196590
結論:
このFVIIの32パーセント(32%)は、このゲルの電荷の関数としてゲルによって保持されなかった(22〜41%)。最適なミルク対ゲルの比は、10:15であった。溶出液(30mMホスフェート中の50%EG、pH8)は、用いられたFVIIの44%に相当した。これらの結果(68%)によれば、このFVIIの30%は回収されなかった。このことは、捕獲形態が非常に疎水性であることを示している。
第二世代(いわゆる「F1」)トランスジェニックウサギミルクに対して実施されたこれら2つのアッセイは、このrFVIIの約30%がいわゆる「混合モード」MEP−HyperCelゲル上に吸着されなかったことを示している。
MEP−HyperCelについての裏付けられた結果:
ここでは目的は、第一世代(いわゆる「F0」)トランスジェニックウサギミルクについての予備結果を裏付けること、およびプロトコル「A」(安定化カゼインミセル)か、またはプロトコル「B」(可溶化カゼイン)のどちらかにしたがって、MEP−HyperCelゲル上に「非結合」であったフラクションを再び処理することであった。
a)MEPゲルの1容積=10mL/F0生乳の容積=133mL
ミルクの容積対MEPゲルの容積の比=13
Figure 0005196590
Figure 0005196590
結論:
このFVIIの46パーセント(46%)は、最初の通過後、ゲルによって保持されなかった。この割合は、2回目の通過については71%まで上昇した。F0ミルクは、F1ミルクよりも大きい割合のこの形態を生じた。
逆に、このFVIIの19%が、最初の通過の間溶出され(MEP1結果=65%)、11%が、2回目の通過の間溶出された(MEP2結果=82%)。全体として(MEP1+2)、結合され、かつEG中に溶出されたFVIIの24%と比較して、このFVIIの33%が非結合のままであった。これらの結果(57%)によれば、このFVIIの約40%は回収されなかった。このことは、保持形態が非常に疎水性であることを示している。
b)MEPゲルの容積=10mL/F0生乳の容積=140mL
ミルクの容積対MEPゲルの容積の比=14
Figure 0005196590
Figure 0005196590
結論:
このFVIIの46パーセント(46%)は、最初の通過後、ゲル上に吸着されなかった。この割合は、0.25Mの濃度に対して十分な量のシトレートでの「ミルクの清澄化」後、2回目の通過の間46%に留まった。
ゲルが30mMホスフェート緩衝液(注入後の洗浄)で洗浄された時、FVII溶出は、全体の19%に相当することが発見された。この溶出は明らかに、FVIIの疎水性がより低い形態を反映していた。
このFVIIの全部で17%が、最初の通過の間に溶出され(MEP1結果=63%)、14%が2回目の通過の間に溶出された(MEP2結果=79%)。全体として(MEP1+2)、吸着され、かつEG中に溶出されたFVIIの23%と比較して、このFVIIの29%が保持されず、時期尚早に溶出された。これらの結果(52%)によれば、このFVIIの約40%は保持されなかった。このことは、この保持形態が非常に疎水性であることを示している。
MEP HyperCel(登録商標)ゲル上での溶出緩衝液テスト
ここでは目的は、エチレングリコールと様々なアジュバントとの組み合わせをテストすることによって、溶出収率を改善することであった。
Figure 0005196590
非イオン性洗剤(Triton X100)の添加および塩基性pHは、溶出収率を改善するように見えた。これらのテストはまた、エチレングリコール(CHOH−CHOH)を、毒性がより低いプロピレングリコール(CHOH−CH−CHOH)と置き換えること、および6Mの濃度での復元をともなう、変性剤であるウレア(NH−CO−NH)中でのテストを含んでいた。
様々な溶出方法もテストされ、次の結果をともなった。
50%エチレングリコール(v/v)でのMEP HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:1.7分(最適化されていない)
溶出:混合物:50%エチレングリコール+1%Triton X100+49%15mMリン酸ナトリウム、pH8
Figure 0005196590
50%プロピレングリコール(v/v)でのMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分(最適化されている)
溶出:混合物:50%プロピレングリコール+1%Triton X100+49%15mMリン酸ナトリウム、pH8
Figure 0005196590
6MウレアでのMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:1.7分
溶出:混合物:6Mウレア+20mMグリシン+50mM HEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)緩衝液、pH8.2
Figure 0005196590
2MウレアでのMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分
溶出:混合物:2Mウレア+20mMグリシン+50mM HEPES緩衝液、pH8.2
Figure 0005196590
0.5MウレアでのMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分
溶出:混合物:0.5Mウレア+20mMグリシン+50mM HEPES緩衝液、pH8.2
Figure 0005196590
ウレアを用いないMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分
溶出:混合物:20mMグリシン+50mM HEPES緩衝液、pH8.2
Figure 0005196590
MEP−HyperCel酸溶出(溶出pH=3<MEPのpKa)
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分
溶出:0.1Mグリシン+pH3になるのに十分な量のHCl
Figure 0005196590
精製水(WFI)中でのMEP−HyperCel溶出
注入:クエン酸ナトリウム(0.25M)で清澄化されたミルク
MEPゲル上での接触時間:8分
溶出:再蒸留WFI
Figure 0005196590
FVII:Ag=ELISA系中でのFVIIの抗原アッセイ(特異的抗体に基づく検出);
血漿中で、1 IU/mLのFVIIは、0.5μg/mLの純粋FVIIタンパク質と同等である;
FVII:am=FVII欠乏ヒト血漿上で組織因子と接触した後に測定された、凝集性FVII含量。
FVII(プロ酵素)がFVIIa(酵素)に転化され、これはFXをFXaに転化し、このことは、血漿凝集を引起こす(トロンビンの発生を介して、これはフィブリノゲンに作用する)。
理論的には、(国際標準血漿中の)分子のすべてが機能性であるならば、その場合には1 IUのFVII:Agは、1 IUのFVII:amにほぼ等しい(r=100%)。
このアッセイにおいて、FVIIa(一部活性化されたFVII)が既に存在するならば、その場合にはFXaの発生は、わずかに加速されることがある(r=100%〜200%)。
しかしながらFVIIが損傷されているか、または「非定型」(組織因子と組み合わされていない)であるならば、その場合にはr<100%である。
FVII:am/FVII:Ag比(パーセンテージとして表示されている)は、精製の間FVII分子の機能的状態を反映する。
Figure 0005196590
結論:
非結合MEPにおいて、FVIIは、欠陥(製造において)およびタンパク質分解を示すように見える。
Q−セファロースFF上でのMEP−HyperCel溶出液の処理
FVIIは、Q−セファロースFFイオン交換器上で2つの形態に分割される。すなわち5mMカルシウム中のほぼ純粋なFVIIの溶出(「5mM Ca2+」フラクションと呼ばれる)および50mMカルシウム中の低純度FVIIの溶出(「50mM Ca2+」フラクションと呼ばれる)である。観察された従来の割合(n=7バッチ)は、それぞれ36%±8%および40%±12%であった。
1容積のQSFFゲル=10mL
Figure 0005196590
Figure 0005196590
表から分かるように、両方の例で、優勢なフラクションは「5mM Ca2+」フラクションであった。全体として3,286IUの「5mM」FVIIが抽出された。ミルクの容積に関して、この収率は、ミルク1リットルあたり12.5mgのrFVIIに対応した。
1容積のQSFFゲル=10mL
Figure 0005196590
Figure 0005196590
表から分かるように、プロトコル「A」による処理における優勢なフラクションは、「5mM Ca2+」フラクションであり、一方、この割合は、プロトコル「B」については変化した。このことは、シトレートでの処理が、あまり望ましくない「50mM」形態の存在を有利にしたことを示している。全体として4,253 IUの「5mM」FVIIが抽出された。ミルクの容積に関して、この収率は、ミルク1リットルあたり15mgのrFVIIに対応した。
MEP−HyperCel+Q−セファロースFF5mMカルシウム溶出液配列から得られたFVIIの特徴
分析特徴は次のとおりである:
− FVII:Ag=252.9 IU/mL − タンパク質=123μg/mL(計算された純度:98%)
− T0 FVII:C=T0において3,224 IU/mL、または13.4の比
− 26hでのT24および室温(RT)で、FVII:C=3,721〜4,365 IU/mL、または15.5〜18.2の比
rFVIIaについての品質管理(NovoNordiskから)→比=21.5〜25.1
− 濃度測定分析:
T0において:非切断rFVIIの50.3%;
室温で18時間後:非切断rFVIIの5.3%の存在
MEP+QSFF配列から得られたFVIIは、活性化が約50%の比で行なわれた、高度に精製されたFVIIを生じた。しかしながらこの活性化は、支持体中で自然にゆっくりと行なわれた。
本発明は、疎水性パッチを形成する第三構造を有し、かつミルク中に存在する球状タンパク質を抽出する方法であり、治療用途のために意図されたタンパク質の精製に応用することができる。

Claims (12)

  1. ミルク中に存在する因子VIIの抽出方法であって、次のものからなる工程:
    a)前記ミルクをスキミングおよび脱脂する工程、
    b)前記因子VIIを含有する脱脂およびスキミングされたフラクションをクロマトグラフィー支持体へ移す工程であって、この支持体上へ、前記因子VIIが前記支持体上に捕獲されうるpH条件下に、疎水性であると同時にイオン性であるリガンドがグラフトされており、前記pHは4.6超である工程、
    c)この因子VIIを溶出する工程、
    d)ミルクタンパク質を、溶出されたフラクションから除去することによって、前記溶出フラクションを精製する工程、および
    e)前記因子VIIを回収する工程
    を含むことを特徴とする、ミルクからの因子VIIの抽出方法。
  2. 前記スキミングおよび脱脂工程(工程a))の後であって前記工程b)に先立って、ミルク清澄化工程が行なわれることを特徴とする、請求項1に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  3. 前記ミルク清澄化工程が、前記ミルクとの混合後、ミルクのミセル構造が消滅し、清澄化ミルク(溶液状カゼインもしくは乳清)を生じるような濃度でのキレート化剤の添加によって行なわれることを特徴とする、請求項2に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  4. 前記スキミングおよび脱脂工程(工程a))の後であって前記工程b)に先立って、カゼインサブユニットクラスターが沈殿することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  5. 疎水性であると同時にイオン性である前記リガンドが、4−メルカプト−エチル−ピリジンであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  6. 前記因子VIIを溶出することからなる工程c)は、濃度が1.2〜8Mであるウレアと、濃度が25mM〜50mMであるグリシンとの混合物、4〜6の酸性pHの水溶液、濃度が5mM〜50mMであるリン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が5mM〜50mMであるクエン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が5mM〜50mMであるリン酸ナトリウムとエチレングリコール;TRIS/濃度が1mM〜10mMであるNaClおよびカルシウム塩とエチレングリコール;濃度が10mM〜100mMであるカプリル酸ナトリウムとエチレングリコールから選択された2または3成分を含んでいる水性混合物;導電率が、化合物の存在と関連して、3mS/cm未満である水性混合物もしくは水を用いて実施されることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  7. 前記因子VIIを溶出することからなる工程c)は、濃度が1.2〜8Mであるウレアと、濃度が25mM〜50mMであるグリシンとの混合物、4〜6の酸性pHの水溶液、
    濃度が30mMであるリン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が30mMであるクエン酸ナトリウムとエチレングリコール;濃度が30mMであるリン酸ナトリウムとエチレングリコール;TRIS/濃度が5mMであるNaClおよびカルシウム塩とエチレングリコール;濃度が30mMであるカプリル酸ナトリウムとエチレングリコールから選択された2または3成分を含んでいる水性混合物;導電率が、化合物の存在と関連して、3mS/cm未満である水性混合物もしくはWFI(注入のための再蒸留水)を用いて実施されることを特徴とする、請求項6に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  8. 前記工程d)が、アニオン交換クロマトグラフィーを通して行なわれることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  9. 前記アニオン交換クロマトグラフィー工程後、タンパク質の溶出が、1mM〜50mMカルシウムイオン溶液を用いて行なわれることを特徴とする、請求項に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  10. 前記因子VIIが組換え因子VIIであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  11. 前記因子VIIが活性化FVII(因子VIIa)であることを特徴とする、請求項10に記載のミルクからの因子VIIの抽出方法。
  12. スキミングおよび脱脂されたミルク中に存在する因子VIIの抽出のための、疎水性であると同時にイオン性であるリガンドが結合されている支持体の使用。
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