JP5195475B2 - 油温センサの異常判定装置および異常判定方法 - Google Patents

油温センサの異常判定装置および異常判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用自動変速機の作動油の温度を検出する油温センサの異常を判定する技術に関する。
一般に、車両用の自動変速機は、油圧制御回路から供給される作動油により制御される。この作動油は流体であり、温度に応じて粘性等の特性変化が生じることから、安定した変速フィーリングを得るためには油温が適切な温度に維持されることが望ましい。したがって、自動変速機へ供給される作動油の油温を検出する油温センサに異常が発生した場合、変速特性の悪化や耐久力低下に繋がるため、その異常の発生をいち早く判定する必要がある。油温センサの異常判定手法については、たとえば特開2004−340172号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2004−340172号公報に開示された油温判定装置は、自動変速機の変速応答時間を検出し、検出した変速応答時間に基づいて作動油の油温推定値を算出し、油温センサによって検出された油温検出値と油温推定値との間に所定値以上の温度差がある場合に、油温センサに異常が発生したものと判定するものである。
また、特開平8−303564号公報(特許文献2)、特開平5−272622号公報(特許文献3)には、自動変速機の油温推定手法が開示されている。
特開平8−303564号公報に開示された油温推定装置は、自動変速機の運転状況に基づいて自動変速機の発熱量を推定し、車速と自動変速機の周囲温度とに基づいて大気への放熱量を推定し、推定された発熱量と放熱量とに基づいて自動変速機の油温を推定するものである。
特開平5−272622号公報に開示された油温推定装置は、エンジン回転速度とエンジン出力トルクとからトルクコンバータの容量係数を演算し、エンジン回転速度とタービン回転速度とによりトルクコンバータの速度比を演算し、トルクコンバータの容量係数および速度比に基づいて自動変速機の油温を推定するものである。
特開2004−340172号公報 特開平8−303564号公報 特開平5−272622号公報
特開2004−340172号公報に開示された油温判定装置においては、変速応答時間に基づいて油温推定値を算出しているが、変速応答時間と作動油の油温との関係は、変速機のユニット毎に異なる。そのため、油温の推定精度を確保するためには、変速応答時間と作動油の油温との関係を、変速機のユニット毎に予め適合させておく必要があり、膨大な適合工数が必要となる。
また、特開平8−303564号公報に開示された油温判定装置においては、車速と自動変速機の周囲温度とに基づいて大気への放熱量を推定している。しかしながら、変速応答時間と作動油の油温との関係、車速および自動変速機の周囲温度と大気への放熱量との関係は、変速機のユニット毎および変速機が搭載される車両毎に異なる。そのため、油温の推定精度を確保するためには、変速応答時間と作動油の油温との関係、車速および自動変速機の周囲温度と大気への放熱量との関係を、変速機のユニット毎および変速機が搭載される車両毎に予め適合させておく必要があり、膨大な適合工数が必要となる。
また、特開平5−272622号公報に開示された油温推定装置においては、自動変速機の油温の推定に放熱量が考慮されていないため、油温の推定精度を確保するためには、更なる改良が必要である。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、適合工数を低減しつつ変速機の作動油の温度を精度よく推定することができる油温センサの異常判定装置および異常判定方法を提供することである。
第1の発明に係る油温センサの異常判定装置は、駆動力源の回転を変速する車両用の変速機の作動油の温度を検出する油温センサの異常判定装置であって、油温センサと、変速機の発熱に相関する車両状態量を検出する第1検出部と、作動油の放熱に相関する車両状態量を検出する第2検出部と、油温センサ、第1検出部、第2検出部に接続された制御ユニットとを含む。制御ユニットは、油温センサの検出温度と予め定められた温度とを比較した結果に基づいて油温センサが異常であるか否かを判定する第1判定処理を行なう第1判定部と、第1判定処理による油温センサの正常判定時に、発熱に相関する車両状態量に基づいて変速機の発熱量を算出し、発熱量と検出温度とに基づいて作動油の第1放熱量を算出し、第1判定処理による油温センサの正常判定時における第1放熱量と放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習する学習部と、発熱に相関する車両状態量に基づいて発熱量を算出し、学習部の学習結果を用いて放熱に相関する車両状態量に対応する第2放熱量を算出し、発熱量と第2放熱量とに基づいて作動油の温度を推定する推定部とを含む。
第2の発明に係る油温センサの異常判定装置においては、学習部は、第1判定処理による油温センサの正常判定が行われる度に第1放熱量と放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習し、学習の度に得られた第1放熱量と放熱に相関する車両状態量との対応関係の複数の組合せを放熱マップとして記憶する。推定部は、放熱マップを参照して第2放熱量を算出する。
第3の発明に係る油温センサの異常判定装置においては、発熱に相関する車両状態量には、駆動力源の作動履歴、変速機の作動履歴および車両の走行距離の少なくともいずれかが含まれる。放熱に相関する車両状態量には、車両の走行速度履歴および車両の外気温度履歴の少なくともいずれかが含まれる。
第4の発明に係る油温センサの異常判定装置は、検出温度と推定部によって推定された作動油の推定温度との差に基づいて、推定温度の精度が所定の目標精度に達したか否かを判定する精度判定部をさらに含む。第1判定部は、推定温度の精度が所定の目標精度に達していない場合に、第1判定処理を行なう。異常判定装置は、推定温度の精度が所定の目標精度に達した場合に、推定温度と検出温度との差に基づいて油温センサが異常であるか否かを判定する第2判定処理を行なう第2判定部をさらに含む。
第5の発明に係る油温センサの異常判定装置においては、第1判定部は、推定温度の精度が所定の目標精度に達していない場合に、作動油の温度が予め定められた温度よりも高い温度に上昇していると予測される所定量に変速機の発熱に相関する車両状態量が達したか否かを判断し、所定量に変速機の発熱に相関する車両状態量が達したと判定した後に第1判定処理を行なう。第2判定部は、推定温度の精度が所定の目標精度に達した場合に、所定量に変速機の発熱に相関する車両状態量が達したか否かに関わらず、第2判定処理を行なう。
第6の発明に係る油温センサの異常判定方法は、駆動力源の回転を変速する車両用の変速機の作動油の温度を検出する油温センサの異常判定装置が行なう異常判定方法である。異常判定装置には、油温センサと、変速機の発熱に相関する車両状態量を検出する第1検出部と、作動油の放熱に相関する車両状態量を検出する第2検出部とが接続される。異常判定方法は、油温センサの検出温度と予め定められた温度とを比較した結果に基づいて油温センサが異常であるか否かを判定する第1判定処理を行なうステップと、第1判定処理による油温センサの正常判定時に、発熱に相関する車両状態量に基づいて変速機の発熱量を算出し、発熱量と検出温度とに基づいて作動油の第1放熱量を算出し、第1判定処理による油温センサの正常判定時における第1放熱量と放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習するステップと、発熱に相関する車両状態量に基づいて発熱量を算出し、学習部の学習結果を用いて放熱に相関する車両状態量に対応する第2放熱量を算出し、発熱量と第2放熱量とに基づいて作動油の温度を推定するステップと、油温センサの検出温度と作動油の温度を推定するステップで推定された作動油の推定温度との差に基づいて、推定温度の精度が所定の目標精度に達したか否かを判定するステップと、推定温度の精度が所定の目標精度に達した場合、第1判定処理に代えて、推定温度と油温センサの検出温度との差に基づいて油温センサが異常であるか否かを判定する第2判定処理を行なうステップとを含む。
本発明によれば、適合工数を低減しつつ変速機の作動油の温度を精度よく推定することができる。
本実施の形態に係る油温センサの異常判定装置を搭載した車両の構成を示す図である。 エンジンおよびエンジンに関連する周辺機器を示す図である。 ECUの機能ブロック図である。 ECUの処理フローを示す図(その1)である。 ECUの処理フローを示す図(その2)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る油温センサの異常判定装置を搭載した車両10について説明する。この車両10は、FF(Front engine FRONT drive)車両である。なお、FF以外の車両であってもよい。
車両10は、エンジン100と、トルクコンバータ210と、自動変速機200と、駆動輪12と、ディファレンシャルギヤ14と、ドライブシャフト16と、ECU(Electronic Control Unit)400とを含む。
エンジン100は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
自動変速機200は、トルクコンバータ210を経由してエンジン100に連結される。自動変速機200は、複数の変速用の摩擦係合要素(クラッチおよびブレーキ)を有するプラネタリギヤユニット300と、各摩擦係合要素の作動状態を制御する油圧回路220とを含む。油圧回路220は、各摩擦係合要素に供給される作動油(Automatic Transmission Fluid、以下、単に「ATF」ともいう)の油圧を、ECU400からの変速指令に応じて制御する。これにより、自動変速機200は、所望のギヤ段を形成し、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
ATFは、自動変速機200の内部を循環させられるとともに、トルクコンバータ210にも供給される。また、自動変速機200およびトルクコンバータ210で発生した熱はATFに伝達される。ATFは、自動変速機200と図示しないオイルクーラとの間で循環させられており、自動変速機200の冷却油としても作用する。
自動変速機200の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ14と噛合っている。ディファレンシャルギヤ14にはドライブシャフト16がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト16を経由して、左右の駆動輪12に動力が伝達される。
ECU400には、車速センサ50、ポジションスイッチ54、アクセル開度センサ58、ストロークセンサ62、スロットル開度センサ64、エンジン回転数センサ66、入力軸回転数センサ70、出力軸回転数センサ72、および油温センサ80からの信号が入力されている。
車速センサ50は、ドライブシャフト16の回転数から車両10の車速Vを検出する。ポジションスイッチ54は、シフトレバー52の位置(シフトポジション)SPを検出する。アクセル開度センサ58は、アクセルペダル56の操作量(アクセル開度)ACCを検出する。ストロークセンサ62は、ブレーキペダル60のストローク量(ブレーキストローク量)BSを検出する。スロットル開度センサ64は、電子スロットルバルブ114の操作量(スロットル開度)を検出する。エンジン回転数センサ66は、エンジン100の出力軸(クランクシャフト)の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。入力軸回転数センサ70は、自動変速機200の入力軸回転数NINを検出する。出力軸回転数センサ72は、自動変速機200の出力軸回転数NOUTを検出する。油温センサ80は、ATFの温度THOを検出する。なお、以下の説明では、油温センサ80によって検出されたATFの温度THOを、油温検出値THOdeとも記載する。
ECU400は、各センサから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムなどに基づいて、車両10が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
図2を参照して、エンジン100およびエンジン100に関連する周辺機器について説明する。このエンジン100においては、エアクリーナ(図示せず)から吸入される空気が、吸気管110を流通して、エンジン100の燃焼室102に導入される。スロットル開度により、燃焼室102に導入される空気量が調整される。スロットル開度は、ECU400からの信号に基づいて作動するスロットルモータ112により制御される。
燃料は、フューエルタンク(図示せず)に貯蔵され、フューエルポンプ(図示せず)によりインジェクタ104から燃焼室102に噴射される。吸気管110から導入された空気と、インジェクタ104から噴射された燃料との混合気が、ECU400からの制御信号により制御されるイグニッションコイル106を用いて着火されて燃焼する。混合気が燃焼した後の排気ガスは、排気管120の途中に設けられた触媒140で浄化された後、大気に排出される。
ECU400には、エンジン水温センサ108、エアフロメータ116、吸入空気温センサ118、空燃比センサ122、および酸素センサ124からの信号が入力されている。エンジン水温センサ108は、エンジン100の冷却水の温度(エンジン水温)THWを検出する。エアフロメータ116は、エンジン100に吸入される単位時間あたりの空気量(吸入空気量)Gaを検出する。吸入空気温センサ118は、エンジン100に吸入される空気の温度(吸入空気温)THAを検出する。空燃比センサ122は、排気ガス中の空気と燃料との比率を検出する。酸素センサ124は、排気ガス中の酸素濃度を検出する。
ECU400は、各センサからの信号に基づいて、適正な点火時期となるようにイグニッションコイル106を制御したり、適正なスロットル開度となるようにスロットルモータ112を制御したり、適正な燃料噴射量となるようにインジェクタ104を制御したりする。
以上のような構成を有する車両において、自動変速機200は、油圧回路220から供給されるATFにより制御される。このATFは流体であり、温度に応じて粘性等の特性変化が生じることから、安定した変速フィーリングを得るためにはATFの油温を適切な値に維持することが望ましい。したがって、ATFの油温を検出する油温センサ80に異常が発生した場合、変速特性の悪化や耐久力低下に繋がるため、その異常の発生をいち早く判定する必要がある。
そこで、本実施の形態に係るECU400は、油温センサ80の異常判定(フェール判定)として、第1異常判定処理と第2異常判定処理とのいずれかの処理を行なう。
第1異常判定処理では、ECU400は、ATFの温度上昇に密接な関係にある車両状態量をパラメータとしてATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であるか否かを判断し、ATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であると判断した後に、油温検出値THOdeと所定温度T0とを比較し、その比較結果に基づいて油温センサ80が異常であるか否かを判定する。なお、所定温度T0は、エンジン100の始動後のATFの温度上昇を確認可能な値であって、エンジン100の始動直前のATFの温度(エンジン100が停止されていた時間が十分に長い場合には外気温とほぼ同じ温度)と、エンジン100の始動後のATFの上限温度との間の値に設定される。
第1異常判定処理では、油温検出値THOdeと所定温度T0とを比較するという単純な手法によって油温センサ80の異常判定を行なうことができるが、ATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態になるまでは、油温センサ80の異常判定そのものを行なうことができない。そのため、エンジン100の始動開始から油温センサ80の異常判定結果を得るまでの時間(以下、単に「フェール判定時間」ともいう)が比較的長い時間(たとえば数十分程度)となってしまう。
一方、第2異常判定処理では、ECU400は、油温推定値THOesを算出し、この油温推定値THOesに対する油温検出値THOdeの乖離度合いをモニタすることによって油温センサ80が異常であるか否かを判定する。
第2異常判定処理では、ATFが所定温度T0を越える前であっても油温センサ80の異常判定を行なうことが可能であり、フェール判定時間を第1異常判定処理に比べて大幅に短縮可能である。しかしながら、第2異常判定処理では、油温推定値THOesを基準として油温センサ80の異常判定を行なうため、油温推定値THOesの算出精度(油温推定精度)が低い場合には誤判定となることが懸念される。
そこで、本実施の形態に係るECU400は、車両完成後の初期のトリップ(エンジン100の始動から停止までの期間)では、第1異常判定処理を行なうとともに、油温推定値THOesの算出精度を向上させるための処理(後述する車両の放熱特性の学習)を行なう。そして、ECU400は、油温推定値THOesの算出精度を検証し、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した以降のトリップでは、第1異常判定処理ではなく第2異常判定処理を行なう。
図3を参照して、ECU400が行なう油温センサ80の異常判定処理についてさらに詳細に説明する。図3は、油温センサ80の異常判定処理時のECU400の機能ブロック図である。
ECU400は、各センサなどからの情報を受信する入力インターフェイス410と、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部420からデータが読み出されたり格納されたりする記憶部430と、入力インターフェイス410および記憶部430からの情報に基づいて演算処理を行なう演算処理部420と、演算処理部420の処理結果を各機器に出力する出力インターフェイス440とを含む。
演算処理部420は、油温推定部421、推定精度検証部422、第1判定部423、学習部424、第2判定部425を含む。
油温推定部421は、エンジン100および自動変速機200の作動によって生じる発熱量Q、発熱量QのうちのATFに吸収されずに外部に放出される放熱量Qoutを算出し、算出された発熱量Qと放熱量Qoutとに基づいて油温推定値THOesを算出する。
より具体的には、油温推定部421は、まず、各センサからの情報などに基づいて発熱量Qに密接な関係にある車両状態量を検出し、検出された車両状態量をパラメータとして自動変速機200の発熱量Qを算出する。発熱量Qに密接な関係にある車両状態量としては、たとえば1トリップ中におけるエンジン100あるいは自動変速機200の作動履歴を用いればよい。なお、これらの作動履歴は、たとえばアクセル開度センサ58、スロットル開度センサ64、エンジン回転数センサ66、入力軸回転数センサ70、出力軸回転数センサ72、エンジン水温センサ108などの既設のセンサからの情報に基づいて検出あるいは算出することができる。
次に、油温推定部421は、各センサからの情報などに基づいてATFの放熱特性に密接な関係にある車両状態量を検出し、検出した車両状態量に対応する放熱量Qoutを、放熱量マップを用いて算出する。この放熱量マップは、ATFの放熱特性に密接な関係にある車両状態量と放熱量Qoutとの対応関係を予めモデル化したものであって、記憶部430に予め記憶されている。ATFの放熱特性(放熱量)は、自動変速機200およびオイルクーラへの風当たり量、外気温などによって変動するため、本実施の形態においては、ATFの放熱特性に密接な関係にある車両状態量として、車速センサ50が検出した車速Vの平均値Vave(風当たり量に相当)、および吸入空気温センサ118が検出した吸入空気温THA(外気温に相当)の平均値THAaveが用いられる。なお、この放熱量マップは、後述する学習部424の学習結果によってデータ内容が順次更新される。
次に、油温推定部421は、熱量の収支関係から発熱量Qと放熱量Qoutとの差分をATFに吸収された熱量(以下「吸熱量Qin」という)として算出し、算出された吸熱量QinをパラメータとしてATFのエンジン始動時からの温度上昇量を求め、油温推定値THOesを算出する。
このように、油温推定部421による油温推定値THOesの算出には、発熱量Qと放熱量Qoutとが用いられる。ここで、発熱量Qは、基本的にはエンジン100あるいは自動変速機200の作動履歴によってほぼ一義的に決まるため、発熱量Qの算出精度は比較的高い精度となる。しかしながら、放熱量Qoutの算出精度は、必ずしも高い精度であるとは言い切れない。なぜなら、ATFの放熱特性は、車速V(平均車速Vave)などだけでなく、風当たり量に影響する自動変速機200の形状、車両における自動変速機200およびオイルクーラの搭載位置などの車両ごとに異なる要因によっても変動するが、これらの全ての変動要因と放熱量Qoutとの対応関係を放熱量マップとして予めモデル化しておくことが難しいためである。
そこで、本実施の形態においては、推定精度検証部422が油温推定値THOesの算出精度を検証する。推定精度検証部422は、油温推定値THOesに対する油温検出値THOdeの乖離度合いとして油温検出値THOdeと油温推定値THOesとの差分ΔTHOをモニタし、この差分ΔTHOに基づいて油温推定値THOesの算出精度を検証する。
推定精度検証部422は、差分ΔTHOが所定値よりも小さい状態が所定時間t0継続している場合には、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していると判断して変更フラグを「オン」に設定し、そうでない場合には、未だ油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していないと判断して変更フラグを「オフ」に設定する。変更フラグは、記憶部430に記憶されており、初期状態では「オフ」に設定されている。したがって、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達するまで(たとえば初回〜数回あるいは数十回目のトリップまで)は、変更フラグは「オフ」に設定され、その後、後述する学習部424による放熱量マップの学習が繰り返されることによって油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した後は、変更フラグは「オン」に設定される。
第1判定部423は、変更フラグが「オフ」である場合(すなわち未だ油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していない場合)に、上述した第1異常判定処理を行なう。
具体的には、第1判定部423は、ATFの温度上昇と密接な関係にある車両状態量をパラメータとしてATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であるか否かを判断し、ATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であると判断した時点以降に、油温検出値THOdeと所定温度T0とを比較し、その比較結果に基づいて油温センサ80が異常であるか否かを判断する。以下の説明では、ATFの温度上昇と密接な関係にある車両状態量として、1トリップ中における累積駆動時間(エンジン100が車両10を加速させる駆動力を発生していた時間の積算値)、走行距離、エンジン100の始動後からの経過時間を用いる場合について説明する。第1判定部423は、1トリップ中における累積駆動時間が所定時間t1を越えており、かつ1トリップ中における走行距離が所定距離を越えており、かつエンジン100の始動後からの経過時間が所定時間t2を越えている状態であると、ATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であると判断し、その時点で油温検出値THOdeと所定温度T0とを比較し、その比較結果に基づいて油温センサ80が異常であるか否かを判断する。
学習部424は、第1異常判定処理によって油温センサ80が正常であると判定される度に、放熱量マップの学習処理を行なう。学習部424は、第1異常判定処理によって油温センサ80が正常であると判定された時の油温検出値THOde(上昇量)をパラメータとして吸熱量Qinを算出するとともに、上述した油温推定部421と同様、発熱量Qに密接な関係にある車両状態量をパラメータとして発熱量Qを算出する。そして、学習部424は、発熱量Qと吸熱量Qinとの差分を放熱量Qoutとして算出し、算出された放熱量Qoutを、第1異常判定処理によって油温センサ80が正常であると判定された時の車速V(平均車速Vave)および吸入空気温THA(平均吸入空気温THAave)に対応付けて放熱量マップに記憶する。
すなわち、学習部424は、油温検出値THOdeの検出精度が高い場合に限って、油温検出値THOdeに基づいて放熱量Qoutを算出する。そのため、高い精度で放熱量Qoutが算出される。そして、学習部424は、算出された放熱量Qoutを、実際に検出された車速V(平均車速Vave)および吸入空気温THA(平均吸入空気温THAave)をパラメータとして放熱量マップを更新する。この放熱量マップの更新が繰り返されることによって、放熱量マップの精度(放熱量Qoutと、平均車速Vaveおよび平均吸入空気温THAaveとの対応関係の精度)が向上するため、油温推定部421による放熱量マップを用いた油温推定値THOesの算出精度も向上する。
第2判定部425は、変更フラグが「オン」である場合(すなわち油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した場合)に、上述した第2異常判定処理を行なう。
具体的には、第2判定部425は、油温推定部421が算出した油温推定値THOesに対する油温検出値THOdeの乖離度合いとして油温検出値THOdeと油温推定値THOesとの差分ΔTHOをモニタし、この差分ΔTHOが所定値よりも小さい状態が所定時間t0継続しているか否かに基づいて、油温センサ80の異常判定を行なう。
すなわち、ECU400は、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達するまでは、第1異常判定処理で油温センサ80の異常判定を行なうとともに、放熱量マップの学習を繰り返す。そして、ECU400は、放熱量マップの学習が繰り返されることによって油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した後は、第2異常判定処理で油温センサ80の異常判定を行なう。
上述した機能は、ソフトウェアによって実現されるようにしてもよく、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。
図4、5に、上述した機能がソフトウェアによって実現される場合のECU400の処理フローを示す。
図4は、上述した変更フラグを設定する際のECU400の処理フローである。この処理フローは、所定のサイクルで繰り返し実行される。
図4に示すように、ステップ(以下、ステップをSと略す)10にて、ECU400は、エンジン100が始動されたか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S10にてYES)、処理はS11に移され、そうでないと(S10にてNO)、処理は終了する。
S11にて、ECU400は、変更フラグが「オン」であるか否かを判断する。この変更フラグは、上述のように、初期状態では「オフ」に設定されて記憶部430に記憶されており、後述のS14あるいはS15の処理で「オン」あるいは「オフ」に設定される。この処理で肯定的な判断がなされると(S11にてYES)、処理はS12に移され、そうでないと(S11にてNO)、処理は終了する。
S12にて、ECU400は、放熱量マップを用いて油温推定値THOesを算出する。すなわち、ECU400は、上述したように、今回のトリップ中におけるエンジン100あるいは自動変速機200の作動履歴に基づいて発熱量Qを算出するとともに、今回のトリップ中における平均車速Vaveおよび平均吸入空気温THAaveを検出し、検出結果に対応する放熱量Qoutを放熱量マップを参照して算出する。そして、ECU400は、発熱量Qと放熱量Qoutとの差分を吸熱量Qinとして算出し、算出された吸熱量Qinをパラメータとして油温推定値THOesを算出する。なお、放熱量マップについては上述したとおりであるのでここでの説明は繰り返さない。
S13にて、ECU400は、油温検出値THOdeを検出する。S14にて、ECU400は、油温検出値THOdeと油温推定値THOesとの差分ΔTHOが所定値よりも小さい状態が所定時間t0継続しているか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S14にてYES)、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していると判断されて、処理はS15に移される。そうでないと(S14にてNO)、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していないと判断されて、処理はS16に移される。
S15にて、ECU400は、記憶部430に記憶されている変更フラグを「オン」に設定する。S16にて、ECU400は、記憶部430に記憶されている変更フラグを「オフ」に設定する。
図5は、図4の処理フローに従って設定された変更フラグに基づいて第1異常判定処理および第2異常判定処理のいずれかを選択して油温センサ80の異常判定を行なう際のECU400の処理フローである。この処理フローは、所定のサイクルで繰り返し実行される。
図5に示すように、S100にて、ECU400は、変更フラグが「オン」であるか否かを判断する。変更フラグが「オン」でない場合(S100にてNO)、すなわち油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達していない場合には、S200〜S214の処理が実行される。なお、S200〜S212の処理が上述の第1異常判定処理に相当し、S214の処理が上述の放熱量マップの学習処理に相当する。
S200にて、ECU400は、今回のトリップ中における累積駆動時間が所定時間t1を越えたか否かを判断する。S202にて、ECU400は、今回のトリップ中における走行距離が所定距離を越えたか否かを判断する。S204にて、ECU400は、エンジン始動後の経過時間が所定時間t2を越えたか否かを判断する。なお、S200、S202、S204の処理は、ATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態であるか否かを判断するための処理である。S200、S202、S204のすべての処理で肯定的な判断がなされた場合(S200にてYES、かつS202にてYES、かつS204にてYES)、処理はS206以降に移され、油温センサ80の異常判定が行なわれる。S200、S202、S204のいずれかの処理で否定的な判断がなされた場合(S200にてNO、あるいはS202にてNO、あるいはS204にてNO)、油温センサ80の異常判定が行なわれることなく、処理は終了する。
S206にて、ECU400は、油温検出値THOdeを検出する。S208にて、ECU400は、油温検出値THOdeが所定温度T0を超えているか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S208にてYES)、処理はS212に移される。そうでないと(S208にてNO)、処理はS210に移される。
S210にて、ECU400は、油温センサ80が異常であると判定する。S212にて、ECU400は、油温センサ80が正常であると判定する。
S214にて、ECU400は、上述した放熱量マップの学習を実施する。すなわち、ECU400は、S212の処理で油温センサ80が正常であると判定された時の油温検出値THOdeに基づいて放熱量Qoutを算出し、算出された放熱量Qoutを、今回のトリップ開始時からS212の処理で油温センサ80が正常であると判定された時までの平均車速Vaveおよび平均吸入空気温THAaveに対応する放熱量として放熱量マップを更新する。なお、放熱量マップの学習手法の詳細については上述したとおりであるのでここでの説明は繰り返さない。
ECU400は、変更フラグが「オン」に設定されるまでは、S200〜S214の処理を繰り返して行なう。
一方、ECU400は、変更フラグが「オン」に設定されている場合(S100にてYES)、すなわちS214での放熱量マップの学習が繰り返されたことによって油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した場合、S300〜S308の処理を行なう。S300〜S308の処理が上述の第2異常判定処理に相当する。すなわち、変更フラグが「オン」に設定された時点で、S200〜S212の第1異常判定処理に代えて、S300〜S308の第2異常判定処理が実行される。
S300にて、ECU400は、放熱量マップを用いて油温推定値THOesを算出する。すなわち、ECU400は、上述のS12の処理と同様、発熱量Qを算出するとともに、今回のトリップ中における平均車速Vaveおよび平均吸入空気温THAaveを検出し、検出結果に対応する放熱量Qoutを放熱量マップを参照して算出し、発熱量Qと放熱量Qoutとの差分に基づいて油温推定値THOesを算出する。
S302にて、ECU400は、油温検出値THOdeを検出する。S304にて、ECU400は、油温検出値THOdeと油温推定値THOesとの差分ΔTHOが所定値よりも小さい状態が所定時間t0継続しているか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S304にてYES)、処理はS308に移される。そうでないと(S304にてNO)、処理はS306に移される。
S306にて、ECU400は、油温センサ80が異常であると判定する。S308にて、ECU400は、油温センサ80が正常であると判定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るECU400が行なう油温センサ80の異常判定について説明する。
<変更フラグが「オフ」である場合>
変更フラグは初期状態では「オフ」に設定されており、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達するまでは(S14にてNO)、変更フラグは「オフ」に維持される(S14にてNO、S16)。
したがって、車両完成後からの数回あるいは数十回程度の初期のトリップ中においては、変更フラグが「オフ」であり(S100にてNO)、第1異常判定処理によって油温センサ80のフェール判定が行なわれる(S200〜S212)。すなわち、エンジン100の始動後からATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態となった時点(S200にてYES、かつS202にてYES、かつS204にてYES)で、油温センサ80のフェール判定が行なわれる(S208、S210、S212)。言い換えれば、第1異常判定処理では、エンジン100の始動後からATFの温度THOが十分に所定温度T0を越えている状態になるまでは、油温センサ80のフェール判定は行なわれない。
そして、第1異常判定処理で油温センサ80が正常と判定された場合(S208にてYES、S212)、すなわち油温検出値THOdeの検出精度が高い場合には、油温検出値THOdeを用いて放熱量マップの学習処理が行なわれる(S214)。このように油温検出値THOdeの検出精度が高い場合に限って油温検出値THOdeを用いた放熱量マップの学習処理が行なわるため、放熱量マップの誤学習が適切に防止される。
また、推定が難しい放熱量マップを学習することで、放熱量マップの精度(放熱量Qoutと、平均車速Vaveおよび平均吸入空気温THAaveとの対応関係の精度)を状況変化に対応させながら向上させることができる。本実施の形態においては、このような放熱量マップを用いて油温推定値THOesが算出される(S12)ので、油温推定値THOesの算出精度も向上させることができる。
また、放熱量マップの精度を車両完成後の学習によって向上させるため、ATFの放熱特性に影響を与えるすべての変動要因と放熱量Qoutとの対応関係を予めモデル化しておく必要はないので適合工数が低減される。
また、放熱量マップの学習処理を行なうために必要となる温度センサは、いずれも既設の油温センサ80および吸入空気温センサ118であるため、たとえば自動変速機200の周囲温度を検出する専用の温度センサを設ける必要はない。
<変更フラグが「オン」である場合>
上述の放熱量マップの学習(S212)が繰り返されることによって、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達すると(S14にてYES)、変更フラグは「オフ」から「オン」に変更される(S15)。
そして、変更フラグが「オン」に変更された場合(S100にてNO)、その後のトリップにおいては、第1異常判定処理ではなく第2異常判定処理によって油温センサ80のフェール判定が行なわれる(S300〜S308)。すなわち、油温推定値THOesの算出精度が所定レベルに達した以後のトリップ中においては、油温推定値THOesを基準として、油温推定値THOesに対する油温検出値THOdeの乖離度合いをモニタすることによって油温センサ80のフェール判定が行なわれる。したがって、第2異常判定処理では、ATFが所定温度T0を越える前であっても油温センサ80の異常判定を行なうことが可能である。そのため、油温センサ80のフェール判定の精度を確保しつつ、第1異常判定処理に比べて、フェール判定時間を短縮するとともにフェール判定頻度を増加することができる。
以上のように、本実施の形態に係る油温センサの異常判定装置は、フェール判定時間が長い第1判定処理時によって油温センサのフェール判定を行なうとともに、ATFの放熱特性(放熱量)を第1判定処理で油温センサが正常と判定された時の平均外気温、平均車速をパラメータとして学習する。これにより、ATFの放熱特性を適切に学習できるので、多大な適合工数を費やすことなくATFの放熱特性を用いた油温の推定精度を向上させることができる。さらに、この学習を繰り返し、推定温度の算出精度が所定レベルに達した段階で、推定温度を基準として油温センサのフェール判定を行なう第2異常判定処理に切り替える。これにより、誤判定を適切に防止しつつ、フェール判定時間の短縮およびフェール判定頻度の増加を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、12 駆動輪、14 ディファレンシャルギヤ、16 ドライブシャフト、50 車速センサ、52 シフトレバー、54 ポジションスイッチ、56 アクセルペダル、58 アクセル開度センサ、60 ブレーキペダル、62 ストロークセンサ、64 スロットル開度センサ、66 エンジン回転数センサ、70 入力軸回転数センサ、72 出力軸回転数センサ、80 油温センサ、100 エンジン、102 燃焼室、104 インジェクタ、106 イグニッションコイル、108 エンジン水温センサ、110 吸気管、112 スロットルモータ、114 電子スロットルバルブ、116 エアフロメータ、118 吸入空気温センサ、120 排気管、122 空燃比センサ、124 酸素センサ、140 触媒、200 自動変速機、210 トルクコンバータ、220 油圧回路、300 プラネタリギヤユニット、400 ECU、410 入力インターフェイス、420 演算処理部、421 油温推定部、422 推定精度検証部、423 第1判定部、424 学習部、425 第2判定部、430 記憶部、440 出力インターフェイス。

Claims (6)

  1. 駆動力源の回転を変速する車両用の変速機の作動油の温度を検出する油温センサの異常判定装置であって、
    前記油温センサと、
    前記変速機の発熱に相関する車両状態量を検出する第1検出部と、
    前記作動油の放熱に相関する車両状態量を検出する第2検出部と、
    前記油温センサ、前記第1検出部、前記第2検出部に接続された制御ユニットとを含み、
    前記制御ユニットは、
    前記油温センサの検出温度と予め定められた温度とを比較した結果に基づいて前記油温センサが異常であるか否かを判定する第1判定処理を行なう第1判定部と、
    前記第1判定処理による前記油温センサの正常判定時に、前記発熱に相関する車両状態量に基づいて前記変速機の発熱量を算出し、前記発熱量と前記検出温度とに基づいて前記作動油の第1放熱量を算出し、前記第1判定処理による前記油温センサの正常判定時における前記第1放熱量と前記放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習する学習部と、
    前記発熱に相関する車両状態量に基づいて前記発熱量を算出し、前記学習部の学習結果を用いて前記放熱に相関する車両状態量に対応する第2放熱量を算出し、前記発熱量と前記第2放熱量とに基づいて前記作動油の温度を推定する推定部とを含む、油温センサの異常判定装置。
  2. 前記学習部は、前記第1判定処理による前記油温センサの正常判定が行われる度に前記第1放熱量と前記放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習し、学習の度に得られた前記第1放熱量と前記放熱に相関する車両状態量との対応関係の複数の組合せを放熱マップとして記憶し、
    前記推定部は、前記放熱マップを参照して前記第2放熱量を算出する、請求項1に記載の油温センサの異常判定装置。
  3. 前記発熱に相関する車両状態量には、前記駆動力源の作動履歴、前記変速機の作動履歴および前記車両の走行距離の少なくともいずれかが含まれ、
    前記放熱に相関する車両状態量には、前記車両の走行速度履歴および前記車両の外気温度履歴の少なくともいずれかが含まれる、請求項1または2に記載の油温センサの異常判定装置。
  4. 前記異常判定装置は、前記検出温度と前記推定部によって推定された前記作動油の推定温度との差に基づいて、前記推定温度の精度が所定の目標精度に達したか否かを判定する精度判定部をさらに含み、
    前記第1判定部は、前記推定温度の精度が前記所定の目標精度に達していない場合に、前記第1判定処理を行ない、
    前記異常判定装置は、前記推定温度の精度が前記所定の目標精度に達した場合に、前記推定温度と前記検出温度との差に基づいて前記油温センサが異常であるか否かを判定する第2判定処理を行なう第2判定部をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の油温センサの異常判定装置。
  5. 前記第1判定部は、前記推定温度の精度が前記所定の目標精度に達していない場合に、前記作動油の温度が前記予め定められた温度よりも高い温度に上昇していると予測される所定量に前記変速機の発熱に相関する車両状態量が達したか否かを判断し、前記所定量に前記変速機の発熱に相関する車両状態量が達したと判定した後に前記第1判定処理を行ない、
    前記第2判定部は、前記推定温度の精度が前記所定の目標精度に達した場合に、前記所定量に前記変速機の発熱に相関する車両状態量が達したか否かに関わらず、前記第2判定処理を行なう、請求項4に記載の油温センサの異常判定装置。
  6. 駆動力源の回転を変速する車両用の変速機の作動油の温度を検出する油温センサの異常判定装置が行なう異常判定方法であって、前記異常判定装置には、前記油温センサと、前記変速機の発熱に相関する車両状態量を検出する第1検出部と、前記作動油の放熱に相関する車両状態量を検出する第2検出部とが接続され、
    前記異常判定方法は、
    前記油温センサの検出温度と予め定められた温度とを比較した結果に基づいて前記油温センサが異常であるか否かを判定する第1判定処理を行なうステップと、
    前記第1判定処理による前記油温センサの正常判定時に、前記発熱に相関する車両状態量に基づいて前記変速機の発熱量を算出し、前記発熱量と前記検出温度とに基づいて前記作動油の第1放熱量を算出し、前記第1判定処理による前記油温センサの正常判定時における前記第1放熱量と前記放熱に相関する車両状態量との対応関係を学習するステップと、
    前記発熱に相関する車両状態量に基づいて前記発熱量を算出し、前記学習部の学習結果を用いて前記放熱に相関する車両状態量に対応する第2放熱量を算出し、前記発熱量と前記第2放熱量とに基づいて前記作動油の温度を推定するステップと、
    前記油温センサの検出温度と前記作動油の温度を推定するステップで推定された前記作動油の推定温度との差に基づいて、前記推定温度の精度が所定の目標精度に達したか否かを判定するステップと、
    前記推定温度の精度が前記所定の目標精度に達した場合、前記第1判定処理に代えて、前記推定温度と前記油温センサの検出温度との差に基づいて前記油温センサが異常であるか否かを判定する第2判定処理を行なうステップとを含む、油温センサの異常判定方法。
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