JP2010242705A - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンと自動変速機とを備えた車両において、エンジンシステム異常時にエンジンの目標トルクと実トルクとの差を適切に把握する。
【解決手段】ECUは、エンジンシステムの異常が判定された場合(S100にてYES)、エンジンを中立状態(無負荷状態)にするように目標エンジントルクを制御し(S112)、エンジンが中立状態に安定した時のエンジン回転速度から実エンジントルクを推定し(S116、S200)、目標エンジントルクと実エンジントルクとのトルク差をシステム正常時のアクセル開度偏差に換算し(S200〜S204)、アクセル開度偏差に基づいて、運転者の加速意思あるいは減速意思を判断するための基準となる中立アクセル開度ラインを設定する(S206)。
【選択図】図4
【解決手段】ECUは、エンジンシステムの異常が判定された場合(S100にてYES)、エンジンを中立状態(無負荷状態)にするように目標エンジントルクを制御し(S112)、エンジンが中立状態に安定した時のエンジン回転速度から実エンジントルクを推定し(S116、S200)、目標エンジントルクと実エンジントルクとのトルク差をシステム正常時のアクセル開度偏差に換算し(S200〜S204)、アクセル開度偏差に基づいて、運転者の加速意思あるいは減速意思を判断するための基準となる中立アクセル開度ラインを設定する(S206)。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンと自動変速機とを備えた車両の駆動力制御に関し、特に、エンジンシステムに異常が生じた場合の駆動力制御に関する。
エンジンと自動変速機とを備えた車両においては、一般的に、車両発進時のトルク増大作用および回転差吸収作用を得るために、エンジンと自動変速機との間にトルクコンバータが設けられる。
特開2006−125213号公報(特許文献1)には、エンジンと自動変速機との間にトルクコンバータを備えた車両において、トルクコンバータの入力軸の回転速度(エンジン回転速度)と出力軸の回転速度(タービン回転速度)との比率である速度比を算出し、算出された速度比およびエンジン回転速度に基づいて、トルクコンバータの出口トルク(自動変速機に入力されるトルク)を算出することができる点が開示されている。また、実際のアクセル開度に対応するエンジントルク補正マップと、トルクコンバータの速度比と、エンジン回転速度とに基づいて、エンジンの目標トルクを設定する点が開示されている。
ところで、エンジンシステムに異常が生じた場合、同じ目標トルクであっても、実際にエンジンから出力される実トルクは正常時に比べてずれが生じるため、運転者の意思に反して車両が加減速するなど車両の制御性が悪化する場合がある。したがって、エンジンシステムに異常が生じた場合、実トルクが目標トルクに対してどの程度ずれているのかを把握し、その結果でエンジンを制御することが望ましい。
しかしながら、特開2006−125213号公報には、エンジンシステム異常時にエンジンをどのように制御するかについては何ら記載されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンと自動変速機とを備えた車両において、エンジンシステム異常時にエンジンの目標トルクと実トルクとの差を適切に把握することができる制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、駆動力源と、トルクコンバータを介して駆動力源に接続された自動変速機と、目標トルクに基づいて駆動力源の出力トルクを制御する駆動装置と、を備えた車両を制御する。この制御装置は、駆動装置が異常であるか否かを判断する判断部と、駆動装置が異常である場合、駆動力源の状態を駆動力源の回転速度と自動変速機の入力軸回転速度とが略一致する中立状態にするように目標トルクを設定する第1制御部とを含む。
第2の発明に係る制御装置は、第1制御部によって中立状態が所定時間以上継続している場合、駆動力源の回転速度に基づいて駆動力源の実トルクを推定する推定部をさらに含む。
第3の発明に係る制御装置は、所定条件の成立後に、第1制御部に代えて、推定部が推定した実トルクと推定部が実トルクを推定した時の目標トルクとのトルク差に応じた値に基づいて、目標トルクを設定する第2制御部をさらに含む。
第4の発明に係る制御装置は、駆動装置の正常時における、運転者による加速要求量と駆動力源の出力トルクとの対応関係を示す情報を予め記憶する記憶部と、対応関係を示す情報を用いて、推定部が推定した実トルクを駆動装置の正常時に駆動力源に出力させるために必要な第1加速要求量と、推定部が実トルクを推定した時の目標トルクを駆動装置の正常時に駆動力源に出力させるために必要な第2加速要求量との要求量偏差を算出する算出部とをさらに含む。トルク差に応じた値は、要求量偏差である。
第5の発明に係る制御装置においては、第2制御部は、要求量偏差に基づいて、駆動装置の異常時に駆動力源の状態を中立状態とするトルクを駆動力源から出力させるために必要な中立加速要求量を駆動力源の回転速度に応じて算出し、運転者による実際の加速要求量と中立加速要求量との比較結果に基づいて目標トルクを設定する。
第6の発明に係る制御装置においては、第2制御部は、実際の加速要求量が中立加速要求量よりも大きい場合、運転者の加速意思があると判断して目標トルクを増加させ、実際の加速要求量が中立加速要求量よりも小さい場合、運転者の減速意思があると判断して目標トルクを減少させる。
第7の発明に係る制御装置においては、トルクコンバータは、駆動力源の回転速度と自動変速機の入力軸回転速度との差であるスリップ量に応じた大きさのトルクを駆動力源から自動変速機に伝達する。第2制御部は、実際の加速要求量と中立加速要求量との差に基づいてスリップ量の目標値を設定し、スリップ量の実際の値が目標値となるように目標トルクをフィードバック制御する。
第8の発明に係る制御方法は、駆動力源と、トルクコンバータを介して駆動力源に接続された自動変速機と、目標トルクに基づいて駆動力源の出力トルクを制御する駆動装置と、を備えた車両の制御装置が行なう制御方法である。制御方法は、駆動装置が異常であるか否かを判断するステップと、駆動装置が異常である場合、駆動力源の状態を駆動力源の回転速度と自動変速機の入力軸回転速度とが略一致する中立状態にするように目標トルクを設定するステップとを含む。
本発明によれば、駆動力源(たとえばエンジン)と自動変速機とを備えた車両において、駆動装置(たとえばエンジンシステム)の異常時に駆動力源(たとえばエンジン)の目標トルクと実トルクとの差を適切に把握することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両のパワートレーンについて説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両のパワートレーンについて説明する。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、駆動力源であるエンジン100と、トルクコンバータ200と、有段式の自動変速機300と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。なお、自動変速機300は、無段式であってもよい。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有しトルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200の出力軸は、自動変速機300の入力軸に接続される。
トルクコンバータ200は、入力軸側のポンプ羽根車220の回転速度(すなわちエンジン100の回転速度)と出力軸側のタービン羽根車230の回転速度(すなわち自動変速機300の入力軸回転速度)との差であるスリップ量に応じた大きさのトルクを、エンジン100側から自動変速機300側に伝達する。
自動変速機300は、複数のプラネタリギヤユニットおよび油圧式の複数の摩擦係合要素と、複数の摩擦係合要素に供給される油圧を調整するための油圧回路260とを含む。油圧回路260は、オイルポンプと、ECU8000からの制御信号に基づいて制御される各種ソレノイドと、油路(いずれも図示せず)とから構成される。ECU8000は、油圧回路260の各種ソレノイドを制御することにより、複数の摩擦係合要素の係合力を制御して、自動変速機300の変速比を制御する。
これらのパワートレーンを制御するECU8000には、エンジン回転速度センサ400、タービン回転速度センサ410、出力軸回転速度センサ420、ポジションスイッチ430、アクセル開度センサ440、ブレーキ踏力センサ450などが、ワイヤハーネスなどを介して接続される。
エンジン回転速度センサ400は、エンジン100の回転速度(エンジン回転速度)Neを検出する。タービン回転速度センサ410は、トルクコンバータ200のタービン羽根車230の回転速度(タービン回転速度)Ntを検出する。出力軸回転速度センサ420は、自動変速機300の出力軸の回転速度(出力軸回転速度)Noutを検出する。ポジションスイッチ430は、運転者によって操作されるシフトレバーの位置(シフトポジション)SPを検出する。アクセル開度センサ440は、運転者によるアクセルペダルの実際の操作量(実アクセル開度)APを検出する。ブレーキ踏力センサ450は、運転者がブレーキペダルを踏む力(ブレーキ踏力)を検出する。これらの各センサは、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
図2を参照して、本実施の形態に係る車両のエンジンシステムについて説明する。このエンジンシステムは、エンジン100およびエンジン100に関連する周辺機器から構成され、ECU8000が設定する目標トルクに応じてエンジン100の出力トルクを制御する。
エンジン100においては、エアクリーナ(図示せず)から吸入される空気が、吸気管110を流通して、エンジン100の燃焼室102に導入される。スロットルバルブ114の作動量(スロットル開度)は、ECU8000からの信号に基づいて作動するスロットルモータ112により制御される。スロットル開度により、燃焼室102に導入される空気量が調整される。
燃料は、インジェクタ104から燃焼室102に噴射される。吸気管110から導入された空気と、インジェクタ104から噴射された燃料との混合気が、ECU8000からの制御信号により制御されるイグニッションコイル106を用いて着火されて燃焼する。
混合気が燃焼した後の排気ガスは、排気管120の途中に設けられた触媒140によって浄化された後、大気に排出される。
ECU8000には、エンジン水温センサ108、エアフロメータ116、吸入空気温センサ118、空燃比センサ122、および酸素センサ124からの信号が入力されている。
エンジン水温センサ108は、エンジン冷却水の温度(エンジン水温)TWを検出する。エアフロメータ116は、吸入空気量(エンジン100に吸入される単位時間あたりの空気量)Gaを検出する。吸入空気温センサ118は、吸入空気の温度(吸入空気温)TAを検出する。空燃比センサ122は、排気ガス中の空気と燃料との比率を検出する。酸素センサ124は、排気ガス中の酸素濃度を検出する。これらの各センサは、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、各センサから送られてきた信号などに基づいて、エンジントルクの目標値である目標エンジントルクTEtgtを設定し、実際にエンジン100が出力しているトルク(実エンジントルク)が目標エンジントルクTEtgtとなるように、スロットルモータ112(スロットル開度)、イグニッションコイル106(点火時期)、インジェクタ104(燃料噴射量)を制御する。また、ECU8000は、各センサから送られてきた信号などに基づいて実エンジントルクの推定も行なっている。
以上のような構成を有する車両において、実エンジントルクの推定精度や実現精度が悪化すると予測される異常がエンジンシステムに生じた場合(たとえばスロットルモータ112などのエンジンシステムを構成するアクチュエータや、エアフロメータ116などのエンジンシステムを構成するセンサが故障した場合など)には、運転者の意思に反して車両が加速したりあるいは減速したりするなど、車両の制御性が悪化する場合がある。これは、エンジンシステム異常によって実エンジントルクの推定精度や実現精度が悪化することにより、同じ目標エンジントルクTEtgtを設定しても、システム正常時に出力される実エンジントルクと、システム異常時に出力される実エンジントルクとの間にずれが生じるためである。したがって、エンジンシステムに異常が生じた場合、実エンジントルクが目標トルクに対してどの程度ずれているのかを定量的に把握し、その結果でエンジン100を制御することが望ましい。ところが、エンジンシステム異常時に正常時と同じ手法で実エンジントルクを推定したのでは、上述したように、実エンジントルクを適切に推定できない場合がある。
そこで、本発明においては、エンジンシステムの異常が生じた場合、一時的にエンジン100を無負荷状態にするように目標エンジントルクTEtgtを設定し、エンジン100が無負荷状態で安定した状態でエンジン回転速度Neに基づいて実エンジントルクを精度よく推定することによって、エンジンシステム異常時における実エンジントルクと目標エンジントルクTEtgtとのトルク差を精度よく把握する。
さらに、本発明においては、把握したトルク差に基づいて運転者の加速意思あるいは減速意思を判断するための基準となるアクセル開度を求め、基準となるアクセル開度と実際のアクセル開度との比較結果に基づいて、目標エンジントルクTEtgtを増減させる。
図3に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU8000の機能ブロック図を示す。図3に示すように、ECU8000は、エンジン回転速度Ne、タービン回転速度Nt、実アクセル開度APなどの各センサなどからの情報を受信する入力インターフェイス8100と、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部8200からデータが読み出されたり格納されたりする記憶部8300と、入力インターフェイス8100および記憶部8300からの情報に基づいて演算処理を行なう演算処理部8200と、演算処理部8200の処理結果を各機器に出力する出力インターフェイス8400とを含む。
演算処理部8200は、異常判断部8210、第1トルク制御部8220、実トルク推定部8230、アクセル開度偏差算出部8240、第2トルク制御部8250を含む。
異常判断部8210は、エンジンシステムが異常であるか否かを判断する。異常判断部8210は、上述したように、エンジンシステムを構成するアクチュエータ(たとえばスロットルモータ112など)やセンサ(たとえばエアフロメータ116など)が故障した場合など、実エンジントルクの推定精度や実現精度が悪化すると予測される場合に、エンジンシステムが異常であると判断する。
第1トルク制御部8220は、エンジンシステムが異常である場合、エンジン回転速度Neから実エンジントルクを精度よく推定することが可能な状態を一時的に形成するために、エンジン100の状態をエンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとが略一致する中立状態(無負荷状態)にするようにエンジントルクを制御する。
具体的には、第1トルク制御部8220は、エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの偏差(=Ne−Nt)を所定値cより小さい範囲内に収束させるように、目標エンジントルクTEtgtをフィードフォワード制御あるいはフィードバック制御する。
実トルク推定部8230は、第1トルク制御部8220によってエンジン100が中立状態で安定している時のエンジン回転速度Ne(N)に基づいて、エンジン100が中立状態で安定している時に実際に出力されている実エンジントルクTE(N)を推定する。この実エンジントルクTE(N)と、実エンジントルクTE(N)を推定した時の目標エンジントルクTEtgt(N)とを比較することによって、Ne=Ne(N)である場合におけるシステム異常後の目標トルクと実トルクとの偏差を把握することが可能となる。
アクセル開度偏差算出部8240は、目標エンジントルクTEtgt(N)と実エンジントルクTE(N)との偏差に対応するアクセル開度の偏差αを算出する。この処理は、Ne=Ne(N)である場合におけるシステム異常後の目標トルクと実トルクとの偏差を、Ne=Ne(N)である場合におけるシステム正常時のアクセル開度の偏差に換算するものである。
具体的には、アクセル開度偏差算出部8240は、実エンジントルクTE(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度A、および、目標エンジントルクTEtgt(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度Bを算出し、アクセル開度Aからアクセル開度Bを減じた値をアクセル開度偏差αとして算出する。
第2トルク制御部8250は、システム異常時の中立アクセル開度A(N)abをエンジン回転速度Neに応じて算出し、実アクセル開度APとシステム異常時の中立アクセル開度A(N)abとの比較結果に基づいて、目標エンジントルクTEtgtを設定する。なお、中立アクセル開度とは、エンジン100を中立状態とするトルクをエンジン100から出力させるために必要なアクセル開度を意味する。
第2トルク制御部8250は、まず、システム正常時の中立アクセル開度ラインとアクセル開度偏差αとに基づいて、システム異常時の中立アクセル開度ラインを設定する。ここで、システム正常時の中立アクセル開度ラインとは、システム正常時の中立アクセル開度A(N)norとエンジン回転速度Neとの関係を定めたラインであり、予め記憶部8300に記憶されている。また、システム異常時の中立アクセル開度ラインとは、システム異常時の中立アクセル開度A(N)abとエンジン回転速度Neとの関係を定めたラインである。
第2トルク制御部8250は、アクセル開度偏差αがNe(N)を含む全エンジン回転速度Neに渡って一律に生じる定常偏差であるとみなして、記憶部8300に予め記憶されたシステム正常時の中立アクセル開度ラインに、アクセル開度偏差αを加えたラインを、システム異常時の中立アクセル開度ラインに設定する。このようにシステム異常時の中立アクセル開度ラインを設定することによって、任意のエンジン回転速度Neに対してシステム異常時の中立アクセル開度A(N)abを求めることが可能となる。
そして、第2トルク制御部8250は、システム異常時の中立アクセル開度ラインを用いて、現在のエンジン回転速度Neに対応するシステム異常時の中立アクセル開度A(N)abを算出し、現在の実アクセル開度APが中立アクセル開度A(N)abよりも大きい場合は、運転者の加速意思があると判断して目標エンジントルクTEtgtを増加させる。これにより、実エンジントルクが増加されて車両が加速される。また、第2トルク制御部8250は、現在の実アクセル開度APが中立アクセル開度A(N)abよりも小さい場合は、運転者の減速意思があると判断して目標エンジントルクTEtgtを減少させる。これにより、実エンジントルクが増加されて車両が減速される。
上述したECU8000の機能は、ソフトウェアによって実現されるようにしてもよく、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。
図4、7は、上述した機能をソフトウェアによって実現する場合のECU8000の処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理は、予め定められたサイクルタイムで繰り返し行なわれる。
図4は、エンジンシステム異常時の中立アクセル開度ラインを確定させるまでのECU8000の処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、エンジンシステムが異常であるか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU8000は、タービン回転速度Ntがエンジン回転速度Neよりも所定量a以上大きいか否か(Nt≧Ne+aであるか否か)を判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでないと(S102にてNO)、処理はS106に移される。
S104にて、ECU8000は、所定割合R1で目標エンジントルクTEtgtを増加させる。すなわち、ECU8000は、フィードフォワード制御で目標エンジントルクTEtgtを増加させることにより、エンジン回転速度Neを早期に増加させてタービン回転速度Ntに早期に近づける。
S106にて、ECU8000は、タービン回転速度Ntがエンジン回転速度Neよりも所定量b以上小さいか否か(Nt≦Ne−bであるか否か)を判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S106にてYES)、処理はS110に移される。そうでないと(S106にてNO)、処理はS108に移される。
S108にて、ECU8000は、所定割合R2で目標エンジントルクTEtgtを減少させる。すなわち、ECU8000は、フィードフォワード制御で目標エンジントルクTEtgtを減少させることにより、エンジン回転速度Neを早期に低下させてタービン回転速度Ntに早期に近づける。
S110にて、ECU8000は、タービン回転速度Ntとエンジン回転速度Neとの差の絶対値|Nt−Ne|が所定値cよりも小さい状態(すなわちタービン回転速度Ntとエンジン回転速度Neとが略一致した状態)が所定時間d継続したか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S110にてYES)、処理はS114に移される。そうでないと(S110にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、ECU8000は、タービン回転速度Ntとエンジン回転速度Neとの差の絶対値|Nt−Ne|が所定値cよりも小さい状態となるように、目標エンジントルクTEtgtをフィードバック制御する。
S114にて、ECU8000は、エンジン100が中立状態(無負荷状態)で安定したと判断する。
S116にて、ECU8000は、エンジン100が中立状態で安定している時のエンジン回転速度Ne(N)を検出し、このエンジン回転速度Ne(N)に基づいて、上述した実エンジントルクTE(N)を推定する。ECU8000は、たとえば、図5に示すようなマップを用いて実エンジントルクTE(N)を推定する。図5に示すマップは、無負荷状態のエンジン回転速度Neとエンジントルクとの関係を予め実験等により求めてマップ化したものである。図5に示すように、無負荷状態では、エンジントルクは、エンジン回転速度Neによって一義的に決まる。ECU8000は、エンジン回転速度Ne(N)に対応するエンジントルクを図5に示すマップを用いて算出し、算出されたエンジントルクを実エンジントルクTE(N)に設定する。
S200にて、ECU8000は、上述したアクセル開度A(実エンジントルクTE(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度)を算出する。ECU8000は、たとえば、図6に示すようなマップを用いてアクセル開度Aを算出する。図6に示すマップは、エンジンシステム正常時のエンジントルクとアクセル開度との関係をマップ化したものである。ECU8000は、実エンジントルクTE(N)に対応するアクセル開度を図6に示すマップを用いて算出し、算出されたアクセル開度をアクセル開度Aに設定する。
S202にて、ECU8000は、上述したアクセル開度B(実エンジントルクTE(N)を推定した時の目標エンジントルクTEtgt(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度)を算出する。ECU8000は、たとえば、目標エンジントルクTEtgt(N)に対応するアクセル開度を図6に示すマップを用いて算出し、算出されたアクセル開度をアクセル開度Bに設定する。
S204にて、ECU8000は、上述したアクセル開度偏差α(=アクセル開度A−アクセル開度B)を算出する。
S206にて、ECU8000は、上述したように、アクセル開度偏差αが全エンジン回転速度Neに渡って一律に生じる定常偏差であるとみなして、記憶部8300に予め記憶されたエンジンシステム正常時の中立アクセル開度ラインに、アクセル開度偏差αを加えたラインを、システム異常時の中立アクセル開度ラインとして設定する。
S208にて、ECU8000は、エンジン100の中立状態での安定後、所定時間eが経過したか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S208にてYES)、処理はS210に移される。そうでないと(S208にてNO)、処理はS212に移される。
S210にて、ECU8000は、S206の処理で設定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを確定させる。
S212にて、ECU8000は、S206の処理で設定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを用いてエンジン100が中立状態で安定し始めた時のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abを算出し、エンジン100が中立状態で安定し始めた時の実アクセル開度APが算出した中立アクセル開度A(N)abよりも大きかったか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S212にてYES)、処理はS214に移される。そうでないと(S212にてNO)、処理はS216に移される。
S214にて、ECU8000は、S206の処理で設定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを用いて現在のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abを算出し、算出した中立アクセル開度A(N)abよりも現在の実アクセル開度APが小さいか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S214にてYES)、処理はS210に移される。そうでないと(S214にてNO)、この処理は終了する。
S216にて、ECU8000は、S206の処理で設定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを用いて現在のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abを算出し、算出した中立アクセル開度A(N)abよりも現在の実アクセル開度APが大きいか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S216にてYES)、処理はS210に移される。そうでないと(S216にてNO)、この処理は終了する。
図7は、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が中立アクセル開度ラインの確定処理(図4のS210の処理)の後に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、ECU8000は、S300にて、確定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを用いて現在のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abを算出し、算出した中立アクセル開度A(N)abよりも現在の実アクセル開度APが大きいか否かを判断する。この処理で肯定的な判断がなされると(S300にてYES)、処理はS302に移される。そうでないと(S300にてNO)、処理はS304に移される。
S302にて、ECU8000は、運転者の加速意思があると判断し、所定割合R3で目標エンジントルクTEtgtを増加させる。
S304にて、ECU8000は、運転者の減速意思があると判断し、所定割合R4で目標エンジントルクTEtgtを減少させる。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU8000の動作について、図8〜10を参照しつつ説明する。
図8に示すように、Nt≦Ne−bである時刻t1にて、エンジンシステムの異常が判定された場合(S100にてYES)を想定する。
この場合、まず、所定割合R2でフィードフォワード制御によって目標エンジントルクTEtgtの減少が開始される(S102にてNO、S106にてNO、S108)。
その後、エンジン回転速度Neが徐々に低下し、時刻t2にてNt>Ne−bとなると(S106にてNO)、|Nt−Ne|<cとなるように目標エンジントルクTEtgtのフィードバック制御が開始される(S110にてNO、S112)。
時刻t3にて|Nt−Ne|<cとなり、時刻t4にて|Nt−Ne|<cの状態が所定時間d継続すると(S110にてYES)、エンジン100が中立状態に安定したと判断され(S114)、中立状態安定後のエンジン回転速度Ne(N)から実エンジントルクTE(N)が推定される(S116)。
このように、エンジン100を一時的に中立状態に制御し、その時のエンジン回転速度Ne(N)から実エンジントルクTE(N)を推定するため、システム異常時であっても実エンジントルクTE(N)を精度よく推定できる。
これにより、システム異常後において、目標トルクに対して実トルクがどの程度ずれているのかを精度よく把握することができる。すなわち、図8に示すように、目標エンジントルクTEtgt(N)に対して実エンジントルクTE(N)がトルク差ΔTE1だけ大きいことを把握することができる。また、実アクセル開度APから推定したトルク(運転者の要求するトルク)TEapに対して実エンジントルクTE(N)がトルク差ΔTE2だけ大きいことも把握可能である。また、システム正常時の推定手法に基づいて算出した実エンジントルクTEに対して、実エンジントルクTE(N)がどの程度すれているのかも把握することができる。これらのトルク差情報を用いることによって、目標エンジントルクTEtgtをその後どのように制御すれば、運転者の意図しない加速や減速を軽減できるのかを判断することが可能となる。
本実施の形態においては、トルク差ΔTE1をシステム正常時のアクセル開度偏差αに換算する。すなわち、図8に示すように、実エンジントルクTE(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度Aと、目標エンジントルクTEtgt(N)をシステム正常時にエンジン100に出力させるために必要なアクセル開度Bとの差を、アクセル開度偏差αとして算出する(S200〜S204)。
そして、アクセル開度偏差αが全エンジン回転速度Neに渡って一律に生じる定常偏差とみなして、システム異常時の中立アクセル開度ラインを設定する(S206)。これにより、任意のエンジン回転速度Neに対する中立アクセル開度A(N)abを算出することが可能となる。
その後、図9に示すように、時刻t4から所定時間eが経過した時刻t5にて、中立アクセル開度ラインが確定されると(S208にてYES、S210)、中立アクセル開度ラインを用いて現在のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abが算出される。
そして、実アクセル開度APが中立アクセル開度A(N)abよりも小さいため(S300にてNO)、運転者の減速意思があると判断されて、目標エンジントルクTEtgtが所定割合R4で減少される(S304)。これにより、実エンジントルクが低下してエンジン回転速度Neが低下するため、車両が減速される。
また、図10に示すように、時刻t4から所定時間eの経過前(S208にてNO)である時刻t6にて、実アクセル開度APが中立アクセル開度A(N)abよりも大きくなった場合(S212にてNO、S216にてYES)、時刻t6にて、中立アクセル開度ラインが確定される(S210)。
そして、時刻t6以降において、実アクセル開度APが中立アクセル開度A(N)abよりも大きいため(S300にてYES)、運転者の加速意思があると判断されて、目標エンジントルクTEtgtが所定割合R3で増加される(S302)。これにより、時刻t4から所定時間eの経過前であっても、運転者の加速意思を実エンジントルクの増加に早期に反映させて車両を加速させることができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるECUは、エンジンシステムに異常が生じた場合、まず、エンジンを一時的に中立状態に安定させ、その時のエンジン回転速度から実エンジントルクを推定する。そのため、システム異常時であっても実エンジントルクを精度よく推定できる。さらに、推定した実エンジントルクと目標エンジントルクとのトルク差に基づいて、運転者の加速意思あるいは減速意思を判断するための基準となる中立アクセル開度を求め、中立アクセル開度と実際のアクセル開度との比較結果に基づいて、目標エンジントルクを増減させる。そのため、システム異常時であっても運転者が意図しない加速や減速を軽減することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置について説明する。前述の第1の実施の形態に係る制御装置においては、実アクセル開度APと中立アクセル開度A(N)abとの比較結果で運転者の加速意思、減速意思を推定して目標エンジントルクTEtgtを増加あるいは減少させるが、その目標エンジントルクTEtgtの増加割合あるいは減少割合は、実アクセル開度APに関わらず一定値である。これに対し、本実施の形態に係る制御装置は、実アクセル開度APと中立アクセル開度A(N)abとの偏差をスリップ量(エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの差)の目標値に変換し、実際のスリップ量が目標値になるように目標エンジントルクTEtgtをフィードバック制御するものである。その他の構造、機能、処理は、前述の第1の実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置について説明する。前述の第1の実施の形態に係る制御装置においては、実アクセル開度APと中立アクセル開度A(N)abとの比較結果で運転者の加速意思、減速意思を推定して目標エンジントルクTEtgtを増加あるいは減少させるが、その目標エンジントルクTEtgtの増加割合あるいは減少割合は、実アクセル開度APに関わらず一定値である。これに対し、本実施の形態に係る制御装置は、実アクセル開度APと中立アクセル開度A(N)abとの偏差をスリップ量(エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとの差)の目標値に変換し、実際のスリップ量が目標値になるように目標エンジントルクTEtgtをフィードバック制御するものである。その他の構造、機能、処理は、前述の第1の実施の形態と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。
図11は、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が中立アクセル開度ラインの確定処理(図4のS210の処理)の後に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、S400にて、ECU8000は、確定したシステム異常時の中立アクセル開度ラインを用いて現在のエンジン回転速度Neに対応する中立アクセル開度A(N)abを算出し、現在の実アクセル開度APと、算出した中立アクセル開度A(N)abとのアクセル開度偏差β(=AP−A(N)ab)を算出する。
S402にて、ECU8000は、アクセル開度偏差βに対応するスリップ目標値を算出する。ECU8000は、たとえば図12に示すマップを用いて、アクセル開度偏差βに対応するスリップ量(=Ne−Nt)の目標値ΔStgtを算出する。図12に示すマップは、アクセル開度偏差βと目標値ΔStgtとの対応関係を予め設定したマップであって、記憶部8300に予め記憶されている。図12に示すように、偏差βが大きいほど目標値ΔStgtが大きくなるように設定される。これは、スリップ量に応じた大きさのトルクを伝達するというトルクコンバータ200の特性を考慮して、偏差βの大きさ(運転者の加速要求レベル)に応じて目標値ΔStgtを設定することにより、トルクコンバータ200の伝達トルクを運転者の加速要求レベルに応じた値にするものである。
S404にて、ECU8000は、実際のスリップ量ΔSが目標値ΔStgtとなるように、目標エンジントルクTEtgtをフィードバック制御する。
このように、本実施の形態に係る制御装置であるECUは、中立アクセル開度ラインの確定後において、実アクセル開度APと中立アクセル開度との偏差をスリップ量の目標値に変換し、実際のスリップ量が目標値になるように目標エンジントルクをフィードバック制御する。そのため、前述の第1の実施の形態のように運転者の加速意思あるいは減速意思に応じて目標エンジントルクを予め定められた割合で増減させる場合に比べて、エンジンシステム異常時においても、運転者のアクセルペダルの踏み込み量になるべく近いトルクを発生させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、102 燃焼室、104 インジェクタ、106 イグニッションコイル、108 エンジン水温センサ、110 吸気管、112 スロットルモータ、114 スロットルバルブ、116 エアフロメータ、118 吸入空気温センサ、120 排気管、122 空燃比センサ、124 酸素センサ、140 触媒、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、260 油圧回路、300 自動変速機、400 エンジン回転速度センサ、410 タービン回転速度センサ、420 出力軸回転速度センサ、430 ポジションスイッチ、440 アクセル開度センサ、450 ブレーキ踏力センサ、8000 ECU、8100 入力インターフェイス、8200 演算処理部、8210 異常判断部、8220 トルク制御部、8230 実トルク推定部、8240 アクセル開度偏差算出部、8250 トルク制御部、8300 記憶部、8400 出力インターフェイス。
Claims (8)
- 駆動力源と、トルクコンバータを介して前記駆動力源に接続された自動変速機と、目標トルクに基づいて前記駆動力源の出力トルクを制御する駆動装置と、を備えた車両の制御装置であって、
前記駆動装置が異常であるか否かを判断する判断部と、
前記駆動装置が異常である場合、前記駆動力源の状態を前記駆動力源の回転速度と前記自動変速機の入力軸回転速度とが略一致する中立状態にするように前記目標トルクを設定する第1制御部とを含む、車両の制御装置。 - 前記制御装置は、前記第1制御部によって前記中立状態が所定時間以上継続している場合、前記駆動力源の回転速度に基づいて前記駆動力源の実トルクを推定する推定部をさらに含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記制御装置は、所定条件の成立後に、前記第1制御部に代えて、前記推定部が推定した前記実トルクと前記推定部が前記実トルクを推定した時の前記目標トルクとのトルク差に応じた値に基づいて、前記目標トルクを設定する第2制御部をさらに含む、請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記制御装置は、
前記駆動装置の正常時における、運転者による加速要求量と前記駆動力源の出力トルクとの対応関係を示す情報を予め記憶する記憶部と、
前記対応関係を示す情報を用いて、前記推定部が推定した前記実トルクを前記駆動装置の正常時に前記駆動力源に出力させるために必要な第1加速要求量と、前記推定部が前記実トルクを推定した時の前記目標トルクを前記駆動装置の正常時に前記駆動力源に出力させるために必要な第2加速要求量との要求量偏差を算出する算出部とをさらに含み、
前記トルク差に応じた値は、前記要求量偏差である、請求項3に記載の車両の制御装置。 - 前記第2制御部は、前記要求量偏差に基づいて、前記駆動装置の異常時に前記駆動力源の状態を前記中立状態とするトルクを前記駆動力源から出力させるために必要な中立加速要求量を前記駆動力源の回転速度に応じて算出し、運転者による実際の加速要求量と前記中立加速要求量との比較結果に基づいて前記目標トルクを設定する、請求項4に記載の車両の制御装置。
- 前記第2制御部は、前記実際の加速要求量が前記中立加速要求量よりも大きい場合、運転者の加速意思があると判断して前記目標トルクを増加させ、前記実際の加速要求量が前記中立加速要求量よりも小さい場合、運転者の減速意思があると判断して前記目標トルクを減少させる、請求項5に記載の車両の制御装置。
- 前記トルクコンバータは、前記駆動力源の回転速度と前記自動変速機の入力軸回転速度との差であるスリップ量に応じた大きさのトルクを前記駆動力源から前記自動変速機に伝達し、
前記第2制御部は、前記実際の加速要求量と前記中立加速要求量との差に基づいて前記スリップ量の目標値を設定し、前記スリップ量の実際の値が前記目標値となるように前記目標トルクをフィードバック制御する、請求項5に記載の車両の制御装置。 - 駆動力源と、トルクコンバータを介して前記駆動力源に接続された自動変速機と、目標トルクに基づいて前記駆動力源の出力トルクを制御する駆動装置と、を備えた車両の制御装置が行なう制御方法であって、
前記制御方法は、
前記駆動装置が異常であるか否かを判断するステップと、
前記駆動装置が異常である場合、前記駆動力源の状態を前記駆動力源の回転速度と前記自動変速機の入力軸回転速度とが略一致する中立状態にするように前記目標トルクを設定するステップとを含む、車両の制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009095007A JP2010242705A (ja) | 2009-04-09 | 2009-04-09 | 車両の制御装置および制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012225269A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-15 | Toyota Motor Corp | エアフローメーターの故障検出装置 |
-
2009
- 2009-04-09 JP JP2009095007A patent/JP2010242705A/ja not_active Withdrawn
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