JP4370805B2 - 車両用自動変速機の油温判定装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油温判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機の油温判定装置に関し、特に、油温センサ故障時におけるフェールセーフ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用自動変速機は、所定の油圧制御回路から供給される作動油により制御される。この作動油は流体であり、温度に応じて粘性等の特性変化が生じることから、安定した変速フィーリングを得るためには油温による適合制御が必要とされる。従って、上記自動変速機へ供給される作動油の油温を検出するための油温センサに異常が発生した場合、変速特性の悪化や耐久力低下に繋がるため、その異常の発生をいち早く判定する必要がある。そこで、車両用自動変速機の油温センサの故障を判定するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された自動変速機の油温検出手段の故障判定装置がそれである。この自動変速機の油温検出手段の故障判定装置は、比較的低速の所定速度以上にて所定時間以上走行し、且つ比較的高速の所定速度以上にて所定時間以上走行した際に、前記自動変速機の油温の変化量が所定値以下である場合には、油温センサに故障が発生したと判定するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−329222号公報
【特許文献2】
特開平3−244868号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の技術は、油温センサからの情報のみによってその油温センサの故障を判定するものであることから、故障判定品質が悪く十分な信頼性を保証できないという問題があった。すなわち、油温センサ故障時における信頼性の高いフェールセーフを実現できる車両用自動変速機の油温判定装置は、未だ開発されていないのが現状である。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、油温センサ故障時における信頼性の高いフェールセーフを実現できる車両用自動変速機の油温判定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、車両用自動変速機へ供給される作動油の油温を判定する油温判定装置であって、その自動変速機に変速指令が出力されてからその変速のイナーシャ相が開始されるまでの応答時間を検出する応答時間検出手段と、予め定められた関係からその応答時間検出手段により検出された応答時間に基づいて前記自動変速機へ供給される作動油の油温を推定する油温推定手段とを、含むことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、前記自動変速機に変速指令が出力されてからその変速のイナーシャ相が開始されるまでの応答時間を検出する応答時間検出手段と、予め定められた関係からその応答時間検出手段により検出された応答時間に基づいて前記自動変速機へ供給される作動油の油温を推定する油温推定手段とを、含むことから、前記自動変速機へ供給される作動油の粘性等の特性を反映するその自動変速機が変速を実行する際のイナーシャ相開始時間に基づいてその作動油の油温を判定することができる。すなわち、油温センサ故障時における信頼性の高いフェールセーフを実現できる車両用自動変速機の油温判定装置を提供することができる。
【0010】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記自動変速機へ供給される作動油の油温を検出するための油温センサにより検出された油温と前記油温推定手段により推定された油温との間に所定値以上の温度差がある場合には、その油温センサに異常が発生したものと判定する油温センサ異常判定手段を含むものである。このようにすれば、前記自動変速機へ供給される作動油の粘性等の特性に基づいて前記油温センサの故障を判定できるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記油温センサ異常判定手段により前記油温センサに異常が発生したものと判定された場合には、前記油温推定手段により推定された油温に基づいて前記自動変速機の制御を実行するものである。このようにすれば、油温センサ故障時においても前記自動変速機を好適に制御できるという利点がある。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例である油温判定装置が適用される車両用駆動力伝達装置10を説明する図である。この動力伝達装置10は、横置き型自動変速機16を有するものであって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものである。この駆動力伝達装置10において、走行用の駆動力源であるエンジン12により発生させられた駆動力は、トルクコンバータ14、自動変速機16、図示しない差動歯車装置、及び一対の車軸等を介して左右の駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0014】
上記エンジン12は、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン等の内燃機関である。また、上記トルクコンバータ14は、上記エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車18と、上記自動変速機16の入力軸20に連結されたタービン翼車22と、一方向クラッチを介して上記自動変速機16のハウジング(変速機ケース)24に連結されたステータ翼車26とを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車18及びタービン翼車22の間にはロックアップクラッチ28が設けられており、係合状態、スリップ状態、或いは解放状態とされるようになっている。このロックアップクラッチ28が完全係合状態とされることにより、上記ポンプ翼車18及びタービン翼車22が一体回転させられるようになっている。
【0015】
前記自動変速機16は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置30を主体として構成されている第1変速部32と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置34及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置36を主体として構成されている第2変速部38とを同軸線上に有し、上記入力軸20の回転を変速して出力歯車40から出力する。この出力歯車40は、図示しないカウンタ軸を介して或いは直接的に差動歯車装置と噛み合わされている。なお、前記自動変速機16は中心線に対して略対称的に構成されていることから、図1では中心線の下半分が省略されている。
【0016】
上記第1変速部32を構成している上記第1遊星歯車装置30は、サンギヤS1、キャリアCA1、及びリングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が前記入力軸20に連結されて回転駆動されると共に、リングギヤR1が第3ブレーキB3を介して回転不能に前記ハウジング24に固定されることにより、キャリヤCA1が中間出力部材として前記入力軸20に対して減速回転させられる。また、上記第2変速部38を構成している上記第2遊星歯車装置34及び第3遊星歯車装置36では、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1乃至RM4が構成されている。具体的には、上記第3遊星歯車装置36のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成され、上記第2遊星歯車装置34のリングギヤR2及び第3遊星歯車装置36のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、上記第2遊星歯車装置34のキャリアCA2及び第3遊星歯車装置36のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、上記第2遊星歯車装置34のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。すなわち、上記第2遊星歯車装置34及び第3遊星歯車装置36は、キャリアCA2及びCA3が共通の部材にて構成されていると共に、リングギヤR2及びR3が共通の部材にて構成されており、且つ上記第2遊星歯車装置34のピニオンギヤが上記第3遊星歯車装置36の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
【0017】
上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は、中間出力部材である前記第1遊星歯車装置30のキャリアCA1に一体的に連結されており、第1ブレーキB1によって選択的に前記ハウジング24に連結されて回転停止させられる。上記第2回転要素RM2(リングギヤR2及びR3)は、第2クラッチC2を介して選択的に前記入力軸20に連結される一方、第2ブレーキB2によって選択的に前記ハウジング24に連結されて回転停止させられる。上記第3回転要素RM3(キャリアCA2及びCA3)は、前記出力歯車40に一体的に連結されており回転を出力するようになっている。上記第4回転要素RM4(サンギヤS2)は、第1クラッチC1を介して選択的に前記入力軸20に連結される。上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。
【0018】
図2は、前記自動変速機16の各変速段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表であり、「○」は係合を、空欄は解放をそれぞれ表している。この図2に示すように、前記自動変速機16において、前記第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が共に係合させられることにより第1変速段が成立させられる。第1速変速段から第2速変速段への1→2変速は、前記第2ブレーキB2が解放されると共に前記第1ブレーキB1が係合させられることにより達成される。第2変速段から第3変速段への2→3変速は、前記第1ブレーキB1が解放されると共に前記第3ブレーキB3が係合させられることにより達成される。第3変速段から第4変速段への3→4変速は、前記第3ブレーキB3が解放されると共に前記第2クラッチC2が係合させられることにより達成される。第4変速段から第5変速段への4→5変速は、前記第1クラッチC1が解放されると共に前記第3ブレーキB3が係合させられることにより達成される。第5変速段から第6変速段への5→6変速は、前記第3ブレーキB3が解放されると共に前記第1ブレーキB1が係合させられることにより達成される。そして、前記第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3が共に係合させられることにより後退変速段が成立させられる。各変速段の変速比は、前記第1遊星歯車装置30、第2遊星歯車装置34、及び第3遊星歯車装置36の各ギヤ比ρ1、ρ2、及びρ3によって適宜定められ、例えばρ1≒0.45、ρ2≒0.38、ρ3≒0.41とすれば、図2に示す変速比が得られ、ギヤ比ステップ(各変速段間の変速比の比)の値が略適切であると共にトータルの変速比幅(=3.62/0.59)も6.1程度と大きく、後退変速段の変速比も適当で、全体として適切な変速比特性が得られる。
【0019】
図3は、前記駆動力伝達装置10を制御するために車両に設けられた電気系統を説明するブロック線図である。この図3に示す電子制御装置42は、例えばCPU、ROM、RAM、インターフェース等を含む所謂マイクロコンピュータであって、予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理することで様々な制御を実行する。上記電子制御装置42には、イグニションスイッチからのスイッチオン信号、エンジン回転センサからのエンジン回転速度Nを示す信号、エンジン水温センサからのエンジン水温Tを示す信号、エンジン吸気温度センサからのエンジン吸気温度Tを示す信号、スロットル開度センサからのスロットル開度θTHを示す信号、アクセル開度センサからのアクセル開度θACを示す信号、ブレーキスイッチからのブレーキ操作を示す信号、車速センサからの車速Vを示す信号、シフトレバー位置センサからのシフトレバーの前後位置を示す信号、シフトレバー位置センサからのシフトレバーの左右位置を示す信号、タービン回転センサからの前記タービン翼車22の回転速度である入力回転速度NINを示す信号、前記自動変速機16の出力歯車40の回転速度である出力回転速度NOUT を示す信号、油温センサ44からの前記自動変速機16へ供給される作動油の油温TATを示す信号、変速パターン切換スイッチの操作位置を示す信号、C1油圧スイッチ46からの前記第1クラッチC1の係合状態を表す信号、B2油圧スイッチ48からの前記第2ブレーキB2の係合状態を表す信号、ABS用電子制御装置からの信号、VSC/TRCの用電子制御装置からの信号、A/C用電子制御装置からの信号等が入力される。一方、上記電子制御装置42から、燃料噴射弁50への燃料噴射信号、イグナイタ52への点火信号、スタータへの駆動信号、シフトポジション表示器への表示信号、ABS用電子制御装置への信号、VSC/TRC用電子制御装置への信号、A/C用電子制御装置への信号等がそれぞれ出力される。また、前記自動変速機16の作動を制御するための油圧制御回路54に備えられたリニアソレノイド弁SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、SLU、及びSLTの駆動を制御するための信号が出力される。
【0020】
図4は、上記油圧制御回路54の要部を簡単に示す図である。この図4に示す油圧ポンプ56は、例えば前記エンジン12の回転駆動に従ってストレーナ58に還流した作動油を所定の油圧にて圧送する。第1レギュレータ弁60は、上記油圧ポンプ56から供給される油圧を元圧としてライン圧Pを調圧する。ソレノイドモジュレータ弁62は、上記第1レギュレータ弁60から供給されるライン圧Pを元圧としてモジュレータ圧Pを調圧して前記リニアソレノイド弁SL1、SL2、SL3、SL4、及びSL5等へ供給する。それらリニアソレノイド弁SL1、SL2、SL3、SL4、SL5は、前記電子制御装置42からの信号に従い上記ソレノイドモジュレータ弁62から供給されるモジュレータ圧Pを元圧としてそれぞれ第1クラッチ制御圧PC1、第2クラッチ制御圧PC2、第1ブレーキ制御圧PB1、第2ブレーキ制御圧PB2、第3ブレーキ制御圧PB3を調圧して前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3へ供給する。上記ソレノイドモジュレータ弁62の上流には、前記自動変速機16へ供給される作動油の油温を検出するための油温センサ44が設けられている。また、前記ソレノイド弁SL1、SL4の下流には、前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための油圧が供給された場合、すなわち第1クラッチ制御圧PC1、第2ブレーキ制御圧PB2が所定圧以上である場合に所定の信号を前記電子制御装置42へ供給するC1油圧スイッチ46、B2油圧スイッチ48が設けられている。
【0021】
図5は、前記自動変速機16へ供給される作動油の油温TATとその自動変速機16に所定の作動を実行させるための作動指令が出力されてからその作動油を介してその自動変速機16の作動が実行されるまでの応答時間tとの関係を例示する図である。この図5に示すように、作動油の油温TATが低下するとその粘性が高くなる等の特性変化により応答時間tは長くなる一方、油温TATが上昇するとその粘性が低くなる等の特性変化により応答時間tは短くなる。すなわち、作動油の油温TATと応答時間tとは反比例の関係を示す。本実施例では、例えば、予め実験的に求められた1→2変速、2→3変速、3→4変速における前記自動変速機16へ供給される作動油の油温TATとその自動変速機16に変速指令が出力されてからその変速のイナーシャ相が開始されるまでの応答時間tINとの関係、及び前記自動変速機16へ供給される作動油の油温TATとその自動変速機16に備えられた油圧式摩擦係合装置である前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからその第1クラッチC1、第2ブレーキB2が係合させられるまでの応答時間tC1、tB2の関係が前記電子制御装置42のROM等に記憶されている。
【0022】
図6は、前記電子制御装置42の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図6に示すイナーシャ相開始判定手段64は、前記自動変速機16による変速に際してその変速のイナーシャ相が開始されたか否かをその変速に関与する摩擦係合装置の作動に対応して変化させられるエンジン回転速度Nの変化に基づいて判定する。
【0023】
応答時間検出手段66は、前記電子制御装置42により前記自動変速機16に所定の作動を実行させるための作動指令が出力されてから前記作動油を介してその自動変速機16の作動が実行されるまでの応答時間tを検出する。具体的には、前記電子制御装置42により前記自動変速機16に変速指令が出力されてから前記イナーシャ相開始判定手段64によりその変速のイナーシャ相の開始が判定されるまでの応答時間tINを検出する。また、前記電子制御装置42により前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからその第1クラッチC1、第2ブレーキB2が係合させられるまで、すなわち前記C1油圧スイッチ46、B2油圧スイッチ48からの信号が前記電子制御装置42へ供給されるまでの立ち上がり応答時間tC1、tB2を検出する。
【0024】
油温推定手段68は、前述した図5に示すような予め定められた関係から上記応答時間検出手段66により検出された応答時間tに基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TESを算出する。具体的には、前記自動変速機16に変速指令が出力されてから前記イナーシャ相開始判定手段64によりその変速のイナーシャ相の開始が判定されるまでの応答時間tINに対応する推定油温TINを算出する。また、前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからその第1クラッチC1、第2ブレーキB2が係合させられるまでの立ち上がり応答時間tC1、tB2に対応する推定油温TC1、TB2を算出し、好適には、更にそれらの推定油温TC1及びTB2の平均値である推定油温TAVを算出する。
【0025】
油温センサ異常判定手段70は、前記油温センサ44により検出された油温すなわちセンシング油温TSEと上記油温推定手段68により推定された油温TESとの温度差ΔTが所定値以上であるか否かを判定し、その判定が肯定される場合には、前記油温センサ44に何らかの異常が発生したものすなわちその油温センサ44が故障したものと判定する。
【0026】
自動変速機制御手段72は、上記油温センサ異常判定手段70により前記油温センサ44に異常が発生したものと判定された場合には、前記油温推定手段68により推定された油温TESに基づいて前記自動変速機16の制御を実行する。すなわち、その判定以降における前記自動変速機16に所定の作動を実行させるための制御において、前記油温推定手段68により推定された油温TESによる適合制御を実行する。
【0027】
図7は、前記電子制御装置42による前記油温センサ44の異常判定作動の要部を説明するフローチャートであり、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
【0028】
先ず、前記応答時間検出手段66に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記自動変速機16に変速指令が出力されてから前記イナーシャ相開始判定手段64によりその変速のイナーシャ相の開始が判定されるまでの応答時間tINが検出される。次に、前記油温推定手段68に対応するSA2において、予め定められた関係からSA1にて検出された応答時間tINに基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TINが算出される。次に、SA3において、前記油温センサ44により検出されたセンシング油温TSEとSA2にて算出された推定油温TINとが略等しいか否か、すなわちそれらセンシング油温TSEと推定油温TINとの温度差ΔTが所定値未満であるか否かが判断される。このSA3の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA3の判断が否定される場合には、SA4において、前記油温センサ44に異常が発生したものと判断される。そして、前記自動変速機制御手段72に対応するSA5において、SA2にて推定された油温TINに基づいて前記自動変速機16の制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA3及びSA4が前記油温センサ異常判定手段70に対応する。
【0029】
図8は、前記電子制御装置42による前記油温センサ44の異常判定作動の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
【0030】
先ず、SB1において、前記第1クラッチC1を係合させるための指令が出力されてからその第1クラッチC1が係合させられるまでの立ち上がり応答時間tC1が検出され、SB2において、前記第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからその第2ブレーキB2が係合させられるまでの立ち上がり応答時間tB2が検出される。次に、SB3において、予め定められた関係からSB1にて検出された応答時間tC1に基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TC1が算出され、SB4において、予め定められた関係からSB2にて検出された応答時間tB2に基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TB2が算出される。次に、SB5において、前記油温センサ44により検出されたセンシング油温TSE、SB3にて算出された推定油温TC1、及びSB4にて算出された推定油温TB2が略等しいか否かが判断される。このSB5の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB5の判断が否定される場合には、SB6において、SB3にて算出された推定油温TC1とSB4にて算出された推定油温TB2とが略等しく、且つ前記油温センサ44により検出されたセンシング油温TSEとそれら推定油温TC1及びTB2の平均値である推定油温TAVとの温度差ΔTが所定値以上であるか否かが判断される。このSB6の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB6の判断が肯定される場合には、SB7において、前記油温センサ44に異常が発生したものと判断される。そして、前記自動変速機制御手段72に対応するSB8において、上記推定油温TC1及びTB2の平均値である推定油温TAVに基づいて前記自動変速機16の制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB1及びSB2が前記応答時間検出手段66に、SB3及びSB4が前記油温推定手段68に、SB5乃至SB7が前記油温センサ異常判定手段70にそれぞれ対応する。
【0031】
このように、本実施例によれば、前記自動変速機16に所定の作動を実行させるための作動指令が出力されてから前記作動油を介してその作動が実行されるまでの応答時間tを検出する応答時間検出手段66(SA1、SB1及びSB2)と、予め定められた関係からその応答時間検出手段66により検出された応答時間tに基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TESを算出する油温推定手段68(SA2、SB3及びSB4)とを、含むことから、前記自動変速機16へ供給される作動油の粘性等の特性に基づいてその作動油の油温を判定することができる。すなわち、前記油温センサ44の故障時における信頼性の高いフェールセーフを実現できる車両用自動変速機の油温判定装置を提供することができる。
【0032】
また、前記応答時間検出手段66(SA1)は、前記自動変速機16に変速指令が出力されてからその変速のイナーシャ相が開始されるまでの応答時間tINを検出するものであるため、その自動変速機16が変速を実行する際のイナーシャ相開始時間に基づいてその自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TINを算出することができるという利点がある。
【0033】
また、前記応答時間検出手段66(SB1及びSB2)は、前記自動変速機16に備えられた油圧式摩擦係合装置である前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからそれら第1クラッチC1、第2ブレーキB2が係合させられるまでの立ち上がり応答時間tC1、tB2を検出するものであるため、前記自動変速機16により変速が実行されずとも、油圧式摩擦係合装置を係合させるための油圧の立ち上がり応答時間に基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TC1、TB2を算出することができるという利点がある。
【0034】
また、前記自動変速機16へ供給される作動油の油温を検出するための油温センサ44により検出されたセンシング油温TSEと前記油温推定手段68により推定された推定油温TESとの間に所定値以上の温度差ΔTがある場合には、その油温センサ44に異常が発生したものと判定する油温センサ異常判定手段70(SA3及びSA4、SB5乃至SB7)を含むものであるため、前記自動変速機16へ供給される作動油の粘性等の特性に基づいて前記油温センサ44の故障を判定できるという利点がある。
【0035】
また、前記油温センサ異常判定手段70により前記油温センサ44に異常が発生したものと判定された場合には、前記油温推定手段68により推定された推定油温TESに基づいて前記自動変速機16の制御を実行する自動変速機制御手段72(SA5、SB8)を含むものであるため、前記油温センサ44の故障時においても前記自動変速機16を好適に制御できるという利点がある。
【0036】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0037】
例えば、前述の実施例において、前記油温推定手段68は、予め定められた関係から前記応答時間検出手段66により検出された応答時間tに基づいて前記自動変速機16へ供給される作動油の推定油温TESを算出するものであったが、前記応答時間検出手段66により検出された応答時間tを指標として前記油温センサ44により検出された油温TATと比較できれば、必ずしも数値としての推定温度TESが算出されなくともよい。要するに、センシング油温TSEに対応する量と推定温度TESに対応する量を比較できればよいのであるから、その比較に用いられる量のディメンジョンは適宜変更され得る。
【0038】
また、前述の実施例において、前記応答時間検出手段66は、前記第1クラッチC1、第2ブレーキB2を係合させるための指令が出力されてからその第1クラッチC1、第2ブレーキB2が係合させられるまでの応答時間tC1、tB2を検出するものであったが、検出の対象となる油圧式摩擦係合装置がそれらに限られないことは言うまでもない。また、その油圧式摩擦係合装置の係合状態を判定する装置は油圧スイッチに限られない。
【0039】
また、前述の実施例において、前記自動変速機制御手段72は、前記油温センサ異常判定手段70により前記油温センサ44に異常が発生したものと判定された場合には、前記油温推定手段68により推定された推定油温TIN又は推定油温TC1及びTB2の平均値である推定油温TAVに基づいて前記自動変速機16の制御を実行するものであったが、それら推定油温TIN及びTAVの平均値に基づいて前記自動変速機16の制御を実行するものであっても構わない。この場合、好適には、他の推定温度と大きく異なる推定油温を除外して平均値が算出される。
【0040】
例えば、前述の実施例では、複数の遊星歯車装置を含む有段変速式の自動変速機16を備えた車両に本発明が適用されていたが、例えば、変速比を無段階に変更し得るベルト式或いはトロイダル式の無段変速機を備えた車両に本発明が適用されても構わない。この場合、前記応答時間検出手段66は、例えば、上記無段変速機に所定の変速比を達成させるための変速指令が出力されてからその変速比が達成されるまでの応答時間を検出する。
【0041】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である油温判定装置が適用される車両用駆動力伝達装置を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機の各変速段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表である。
【図3】図1の駆動力伝達装置を制御するために車両に設けられた電気系統を説明するブロック線図である。
【図4】図3の油圧制御回路の要部を簡単に示す図である。
【図5】図1の自動変速機へ供給される作動油の油温とその自動変速機に所定の作動を実行させるための作動指令が出力されてからその作動油を介してその自動変速機の作動が実行されるまでの応答時間との関係を例示する図である。
【図6】図3の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】図3の電子制御装置による油温センサの異常判定作動の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図3の電子制御装置による油温センサの異常判定作動の他の一例の要部を説明するフローチャートである。
【符号表】
16:自動変速機
44:油温センサ
66:応答時間検出手段
68:油温推定手段
70:油温センサ異常判定手段
C1:第1クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
B2:第2ブレーキ(油圧式摩擦係合装置)

Claims (4)

  1. 車両用自動変速機へ供給される作動油の油温を判定する油温判定装置であって、
    自動変速機に変速指令が出力されてから該変速のイナーシャ相が開始されるまでの応答時間を検出する応答時間検出手段と、
    予め定められた関係から該応答時間検出手段により検出された応答時間に基づいて前記自動変速機へ供給される作動油の油温を推定する油温推定手段と
    を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の油温判定装置。
  2. 前記自動変速機へ供給される作動油の油温を検出するための油温センサにより検出された油温と前記油温推定手段により推定された油温との間に所定値以上の温度差がある場合には、該油温センサに異常が発生したものと判定する油温センサ異常判定手段を含むものである請求項の車両用自動変速機の油温判定装置。
  3. 前記油温センサ異常判定手段により前記油温センサに異常が発生したものと判定された場合には、前記油温推定手段により推定された油温に基づいて前記自動変速機の制御を実行するものである請求項の車両用自動変速機の油温判定装置。
  4. 前記応答時間検出手段は、前記自動変速機による変速に際してその変速のイナーシャ相が開始されたか否かをエンジン回転速度の変化に基づいて判定するものである請求項1から3の何れかの車両用自動変速機の油温判定装置。
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