JP5194453B2 - 繊維強化樹脂 - Google Patents

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本発明は、繊維強化樹脂に関し、とくに、短繊維の強化繊維を用いた、高い強度を発現可能な繊維強化樹脂に関する。
強化繊維を用いて樹脂を強化した繊維強化樹脂には、連続繊維からなる織物や一方向シートを強化繊維基材とするものと、短繊維の強化繊維を用いたものがある。連続繊維の強化繊維基材を用いた繊維強化樹脂は、強度特性等の異方性が極めて高く、主としてその異方性を前提とした、あるいはその異方性を利用した用途に適用されている。一方、短繊維の強化繊維からなる強化繊維基材を用いた繊維強化樹脂では、この異方性を軽減可能ではあるものの、その製法によっては、相当程度の異方性が残り、かつ、発現可能な強度等の機械特性にも限界がある。
短繊維の強化繊維を用いた繊維強化樹脂の代表的なものとして、SMC(Sheet Molding Compound)により成形された繊維強化樹脂が知られている。強化繊維(例えば、炭素繊維)は、工業的には通常、強化繊維の繊維束(ストランド)として製造され、生産性や製造コスト等を考慮して、通常、単糸数が1,000本(1K)から48,000本(48K)までの繊維束として製造されている。上記SMCでは、このような強化繊維の繊維束が用いられている。
図6に、SMCにおける強化繊維基材の概念を示す。すなわち、SMCでは、半硬化状態の熱硬化性樹脂フィルム(シート)上に、連続繊維の強化繊維からなる強化繊維束を所定の長さにカット(チョップド化)しながら、カットされた短繊維の強化繊維からなる強化繊維束51をランダムな方向に散布し、樹脂をホットプレス含浸してシート化することにより、樹脂含浸した強化繊維基材50が得られる(通常、半硬化樹脂と強化繊維基材50とのプリプレグの形態)。この強化繊維基材50は、一般的には連続して製造される。このようなSMCのシート化工程には、強化繊維束を開繊し、分繊する工程がないので、図中円内の繊維束51のように、強化繊維の繊維束が、その単糸が実質的に分繊されることなく前記所定量(1K〜48K本)に収束されたままの状態(つまり、ストランド形態のままの状態)にあり、その分、強化繊維の配向状態としての等方性は低い。しかし、ストランド状態であるので、繊維束としての剛性が高いため、真直状態の繊維長(上記カット長)は長くすることが可能である。その半面、SMCの特徴である加圧成形時に樹脂含浸された繊維束が、低粘度の樹脂とともにプレス圧で流され、成形体の曲面部や角部、コーナー部などで繊維が曲がったり折れたりする箇所が多くなる。また、成形体の強度を向上するために強化繊維の体積含有率を増大させようとしてプレス圧を強引に上げると、繊維束同士の重なりによる屈曲によって、平坦部でも繊維束の曲がりや繊維折れが発生しやすくなる。これら繊維束の曲がりや繊維折れが発生していると、その部位から破壊に繋がる亀裂が進展しやすくなり、繊維強化樹脂の強度向上が望めないことになる。つまり、従来一般のSMCによって成形された繊維強化樹脂では、強度向上に限界がある。
また、SMCでは、多数の強化繊維が集束された繊維束の状態のままの強化繊維基材であるため、強化繊維束をあるレベル以上に密集させることは困難である(プレス圧で強引に密集させようとすると、上述の問題が顕著になる)。そのため、通常、繊維体積含浸率としては、40%に至らず、繊維体積含浸率増大による強度向上には限界がある。また、各繊維束が1K以上の単糸からなる比較的太い繊維束であるため、繊維束間の樹脂部分が比較的大きくなり、上述のような破壊の起点となる繊維束の曲がりや繊維折れが発生していると、樹脂部分で破壊に繋がる亀裂がより進展しやすくなる。この面からも、従来一般のSMCによって成形された繊維強化樹脂では、強度向上に限界が生じる。
そこで本発明の課題は、上記のような従来一般のSMCによって成形された繊維強化樹脂の限界に鑑み、特定範囲の短繊維の強化繊維束を用いた、等方性の程度の高い、かつ、高い強度等の機械特性を容易に発現可能な繊維強化樹脂を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る繊維強化樹脂は、少なくとも炭素繊維を含む短繊維の強化繊維の繊維束の集団からなる強化繊維基材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂よりなる繊維強化樹脂であって、強化繊維基材の繊維束の90%以上が、単糸数が100本以下となるようにカード精紡機で開繊された繊維束からなり、真直な繊維束数が全繊維束数の70%以上であり、繊維束の配向が二次元的に擬似等方性であり、かつ、強化繊維の体積含有率が35%以上であることを特徴とするものからなる。
この本発明に係る繊維強化樹脂においては、強化繊維基材の繊維束の90%以上が、単糸数が100本以下となるように分繊(開繊)された繊維束からなり、従来一般のSMCにおける1K以上に比べ、少なくとも1オーダー以上少ない単糸数の繊維束まで分繊されている。つまり、このように100本以下であれば、従来一般のSMCに比べて明確かつ十分な有意差を持たせることができる。繊維束の90%以上が、単糸数が100本以下であれば特に限定されず、完全な単糸レベルまで分散されたものであってもよい。ただし現実的には、1K以上のストランド形態のものからカットした状態で、全ての繊維を完全な単糸レベルまで分散させることは困難であるので、単糸数の少ない方は10本以上程度まででよい。
また、本発明に係る繊維強化樹脂においては、真直な繊維束数の全繊維束数に対する比率が70%以上であり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。真直な繊維束数は、後述の測定法によって定量的に測定できる。
また、本発明に係る繊維強化樹脂においては、より等方性の材料を目指しているため繊維束の配向が二次元的に擬似等方性であることが必要である。擬似等方性であるか否かも、後述の判定法によって判定できる。繊維束の配向が二次元的に擬似等方性であることにより、従来のSMCによって成形された繊維強化樹脂に比べ、はるかに均一な機械特性を有する繊維強化樹脂となる。
さらに、本発明に係る繊維強化樹脂においては、強化繊維の体積含有率が35%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、とくに好ましくは50%以上である。繊維束の90%以上が、単糸数が100本以下となるように分繊されており、真直な繊維束数が全繊維束数の70%以上であり、かつ、繊維束の配向が二次元的に擬似等方性であることにより、特別に高いプレス圧を加えなくても、このような高い繊維体積含有率が可能になり、それによって高い機械特性が容易に発現できるようになる。
本発明に係る繊維強化樹脂においては、とくに真直な繊維束数の割合を高く確保し、かつ、高い繊維体積含有率を確保するために、繊維束が、強化繊維の繊維長の95%以上が3mm以上12mm以下の範囲にある炭素繊維を含むことが好ましい。また、繊維束が、強化繊維の繊維長の95%以上が3mm以上40mm以下の範囲にあるガラス繊維を含む構成とすることも可能である。これら炭素繊維とガラス繊維のハイブリッド形態も可能である。
本発明に係る繊維強化樹脂の製造においては、抄紙工程を含むことがとくに好ましい。例えば、上記強化繊維基材が、繊維束を抄紙工程で抄造し、目付を100g/m2以上にした強化繊維基材からなることが好ましい。このような抄紙工程を含むことにより、良好な疑似等方性が確保され、かつ、容易に高い繊維体積含有率が達成される。中でも、上記強化繊維基材が、バッチ抄造により、予め製品形状またはその展開形状に形成された濾過網を用いて抄造された強化繊維基材からなることが好ましい。
本発明に係る繊維強化樹脂においては、上記短繊維の強化繊維の繊維束からなる強化繊維基材と、各種強化繊維基材との組み合わせ形態を採用することもできる。例えば、上記短繊維の強化繊維の繊維束からなる強化繊維基材の少なくとも一面側に連続繊維からなる別の強化繊維基材(例えば、連続繊維からなる強化繊維織物や一方向シート材)が配設されている構成とすることができる。このような連続繊維からなる別の強化繊維基材は、例えば、成形体の表面層形成のために配置することができる。
本発明に係る繊維強化樹脂を所定の形状に成形するに際しては、代表的にはRTM(Resin Transfer Molding)成形方法を採用することができるが、RFI(Resin Film Infusion )成形方法も採用可能である。
本発明に係る繊維強化樹脂によれば、特定の形態まで分繊された大半が真直な繊維束が擬似等方性をもって配向された強化繊維基材とマトリックス樹脂とから構成され、かつ、強化繊維の体積含有率が35%以上と高いので、従来のSMCによる繊維強化樹脂では得られない、高い機械特性を均一に発現させることが可能になる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、より詳細に説明する。
本発明の完成に至った基本的な技術思想について説明する。強化繊維樹脂(FRP)成形体に曲げ荷重などの負荷が掛かった際、その材料の破壊は殆どが強化繊維の端部から亀裂(クラック)が発生し、やがてその亀裂が繊維端部周辺のマトリックス樹脂部を伝播して近くにある他の繊維端部に伝播していき、最終的に成形体を横断して全体破壊に至る。そこで、亀裂が発生した或る繊維の端部近くに他の繊維の端部が存在していないか、存在している割合が低いと、その発生亀裂が伝播し易い対象が無いか、発生亀裂が伝播する確率が低下するため、発生亀裂の伝播作用が低下し、該亀裂はそれ以上成長し難くなる。すなわち、その成形体の破壊抵抗レベルが高まることになり、その結果該成形体の耐荷重が向上することになる。
しかしながら、強化繊維が短繊維で構成されている場合は、必然的に繊維端部が多数存在する。したがって、繊維端部で発生した亀裂は、比較的容易に他の近くの繊維端部に向かってマトリックス樹脂伝いに伝播して行き、やがては該亀裂が成形体の本体を横断してしまい本体の破壊に至ることになる。しかし、亀裂が発生した繊維端部と該亀裂が伝播していく最も近い他の繊維端部との間に強化繊維が横断するように存在すれば(つまり、他の強化繊維がその端部が位置しないように存在すれば)、亀裂の伝播は該強化繊維によって制止され易くなり、亀裂発生から破壊に至る「破壊」に対する抵抗レベルが向上することになる。すなわち、成形体の耐荷重が向上(機械特性が向上)することになる。
この概念を、例えば図1を用いて説明する。図1は、端部(a)に亀裂(クラック)(c)が発生した繊維束(A)と、該端部(a)に最も距離が近い端部(b)を有する繊維束(B)の各端部間(a〜b間)に端部ではない繊維束が所定の本数存在する状態を示している。すなわち、繊維強化樹脂成形体の中の三次元配向状態にある強化繊維束の集合体において、或る繊維束(A)の端部(a)で発生した亀裂(c)は、該繊維束(A)を取り巻くマトリックス樹脂伝いに繊維束(B)の端部(b)の方向に伝播していこうとしても、それらの間の繊維束(例えば、ここでは「健全繊維束」と称する。)によって伝播が遮られ、それ以上進展することが阻止されている状態を示している。ただ、その健全繊維束の数が所定量を下回ると、亀裂の進展が確実に阻止されるとは限らず、破壊へと進展するおそれが残る。このような健全繊維束を所定本数以上存在させるためには、従来のSMCにおける1K以上の繊維束のままでは不可能であり、繊維束の単糸数をある本数以下にすることによって初めて達成可能となる。この思想に基づいて、本発明では、従来のSMCに対し明らかな有意差をもたせるために、従来のSMCに比べ1オーダー以上少ない、単糸数が100本以下の、分繊された繊維束と規定されている。ただし、1K以上のストランドから分繊する場合、全ての繊維束をこのように単糸数100本以下とすることは現実的でないので、本発明では明確に優れた効果が発揮されるよう、繊維束の90%以上がこのような単糸数100本以下の繊維束であることを要件として規定した。
また、上記のように繊維束端部間に所定数以上の健全繊維束を存在させるためには、各繊維束ができるだけ曲がりなく真直な状態である方が有利である。つまり、繊維束が曲がっていると必然的に端部間隔が短くなり、健全繊維束の本数確保が難しくなることから、真直な繊維の本数が多い方が有利であると言える。しかしながら、成形前の基材だけの状態時では総ての繊維束が真直でも、樹脂含浸時に樹脂の流動と共に繊維束が流され、折れや曲がりなどの変形が起きるおそれがある。しかし、上記のように高い耐荷重を発揮させるためには、少なくとも70%以上が真直であることが必要であり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の繊維束が真直であることが望ましい。これによっても、SMCによる繊維強化樹脂と明らかな差を持たせることが可能になる。
ここで、「真直な繊維束」とは、次のような判定方法によって判定されるものであり、本発明では、この方法によって判定された「真直な繊維束」が全繊維束の70%以上であることが必要である。
真直な繊維束の判定は、以下の定義で行う。
(1)繊維強化樹脂を400〜600℃の温度で加熱し、樹脂だけを焼き飛ばす。この際、熱風などにより繊維が動かぬように注意する。
(2)単位体積(1辺が繊維長の3倍の立方体が適当)中の繊維束をピンセットなどで、形態が変化せぬように抜き取る。
(3)次に、繊維長の2倍の長さからなる約60℃に傾斜した円筒体に繊維束を通し、その繊維束に押し込み力を作用させず自然に通過するかを判定する。淀みなく通過した繊維束を「真直な繊維束」と見なす。
但し、上記円筒体の内径は、炭素繊維用は2mm、ガラス繊維用は4mmである。
以上は繊維束が単糸数100本以下に分繊された正常な繊維束に対する測定法であるが、SMCのような単糸数が100本以上になる場合は、太径であるので繊維束を直接定規で測れるため、変極部の凹凸高さが4mm以下を「真直な繊維束」と見なした。
そして、上記の如く、単糸数100本以下の繊維束の割合を90%以上とすることにより、従来のSMCにおける1K以上の繊維束の集団からなる強化繊維基材を用いていた場合に比べ、はるかに等方性の程度を高めることが可能になる。すなわち、本発明においては、繊維束の配向が二次元的に疑似等方性であり、それによって、SMCによる成形体では得られない均一な機械特性が得られることとなる。
ここで「繊維束の配向が二次元的に疑似等方性である」か否かは、本発明では、次のような方法によって定量的に測定できる。
(繊維束の配向の測定方法)
樹脂成形する前の強化繊維基材を、又は成形後に樹脂を焼き飛ばした強化繊維基材を、短繊維の強化繊維長(例えば、12mm)を半径とする円をとって平面状に投影し(平面図としてみて)、その円の360°を各5°づつに区画し、各5°づつの角度範囲の領域内の80%以上に、その角度範囲内の方向に配向している繊維束が存在している場合、「繊維束の配向が二次元的に疑似等方性である」と規定する。
単糸数100本以下の繊維束の割合を90%以上であり、真直な繊維束が全繊維束の70%以上であり、かつ、繊維束の配向が二次元的に疑似等方性であることにより、容易に35%以上の強化繊維の体積含有率が達成可能となる。繊維体積含有率は、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、とくに好ましくは50%以上である。このような高い繊維体積含有率により、高い機械特性が容易に発現できるようになる。
本発明に係る繊維強化樹脂においては、強化繊維は、単糸の直径が例えば5〜20μm(望ましくは、5〜10μm)、長さが2mm〜30mm(特に、3〜12mmが好ましい)の炭素繊維からなり、三次元方向に極めてランダムに配向された状態であるのが望ましく、特に平面方向には上述の如く擬似等方性の配向状態にあることが望ましい。
長さに関しては特に重要で、抄紙工程で分散させることを目指しているが、長さが1/2インチを超えた長さのものから、抄紙工程での繊維の分散性が、分繊された単糸が集合して毛玉状になったり、繊維束が100本を越えるもの同士が、ひどいものは1000本以上のままであったりして、急激に低下する傾向にあり、繊維の単糸間で互いに絡み合ったり、単糸まで分散したものの折れや曲がりが多発する傾向が出てくる。そうなると、繊維束端部間の健全繊維数としての本数は満足しても集合体がその本数を満たしただけで、本来の亀裂伝播を遮断する機能としては低いため、結局強度向上には繋がらないおそれがある。したがって、短繊維の炭素繊維長の95%以上が3〜12mmの範囲にあることが好ましい。
また、炭素繊維の他にガラス繊維を混入させてもよく、それらの混合比率や長さは用途の要求特性で設定すればよいが、基本的にはガラス繊維でも同様で、長さが40mmを超えた辺りから上記の絡み合いや毛玉、折れ等の発生による分散性低下が激増してくる。繊維径と長さの関係、即ちアスペクト比などを考慮すると、炭素繊維の長さは3〜12mmに、ガラス繊維の長さは3〜40mm(炭素繊維とのハイブリッド構成を考慮すると、ガラス繊維の長さも3〜12mmが好ましい。)に設定することが、強度向上に必要な所望の繊維分散性を確保するために(繊維の変形防止や絡み難さの点で)好ましい。特に、上記長さの繊維の全体からめる割合も、望ましくは100%であるが、少なくとも95%以上あると良く、逆にそれを低下すると、その部分からの亀裂伝播が顕著となり、強度向上効果が急激に低下するおそれがある。また、価格面で厳しい用途には、このような強化繊維のハイブリット化は、特に好適である。
また、強化繊維基材を構成する強化繊維としては、単に短繊維のカット繊維だけの状態の他に、短繊維基材又はその積層体の少なくとも片側の表層部に連続繊維基材(例えば織物、一方向シート等)が配置される場合もある。すなわち、特に高い曲げ応力が作用する部位等は、選択的に上記連続繊維を両側表層部に配置すると効果的である。場合によっては、短繊維基材よりも連続繊維基材の量が上回る場合もあり得る。
マトリックス樹脂は、RTM成形上必須の要件である粘度が比較的低い熱硬化性樹脂であり、流動時の粘度が3poise(300cm poise)以下の低粘度状態が望ましい。
本発明の強化繊維の繊維束(ストランド形態)は、通常は製造上(経済性)から単糸数が1,000本(1K)から48,000本(48K)までそれぞれ用途に応じて適宜設定されている。その繊維束を1/10〜1/数10以下の単糸数が100本以下の繊維束まで分繊し、更にランダム方向に分散させるためには、既にパルプや合成繊維の分野では公知となっている以下のような抄造方法が考えられる。
その方法として、強化繊維が炭素繊維の場合、
A.湿式では、抄紙の抄造方法がある。すなわち、
(1)炭素繊維束(ストランド;1K〜48K糸)を所定の繊維長に切断し、貯蔵する。(2)水に界面活性剤や増粘剤などを添加した分散液槽中に切断された炭素繊維を所定量投入する。
(3)槽内の分散液を撹拌して、強化繊維表層に付着しているサイジング剤などによって粘着しているストランド中の単糸同士を相互に分離させて、分散させる。
(4)(ワイヤーと呼ばれる)傾斜網で脱水し、濾過したのち、バインダーを塗布後熱風で乾燥して引き取る。
なお、傾斜網の目開きは、炭素繊維の場合、#60〜#300メッシュ辺りが適正であり、繊維長さや分散液槽に投入するストランドの太さによって使い分けている。
B.乾式では、紡績工程で用いられるカード機に掛ける方法がある。
(1)炭素繊維ストランド(1K〜48K糸)を所定の繊維長に切断し、貯蔵する。
(2)カード機に切断された炭素繊維を所定量投入し、分繊する。
(3)分繊率が低い場合は、再度カード機に掛けて、単糸レベル近くまで分繊させる。
そして、抄紙やカード機で分繊する際の目付も重要である。従来のような100g/m2以下の比較的低い目付で作製すると、実用目付にするためには積層枚数を増やし、厚めの基材になって基材製造効率が悪いことと、FRPの繊維体積率を高めるために厚めの基材を押圧して凝縮させると、繊維に曲がりや折れが発生するなどの問題が起きる。したがって、本発明では上記方法で基材を製造する場合、最低でも100g/m2を超える目付、望ましくは200〜600g/m2の目付で製造のが好ましい。600g/m2を超える高目付にすると、凹凸の大きい複雑な形状の製品を成形する場合、繊維が三次元的な構成をしているため基材がその形状に賦形する際に繊維の曲がりや折れなどの繊維乱れが発生する。特に、曲面のコーナー部の半径が小さい程折れやすく、追随し難い。
本発明においては、強化繊維基材の形態として、短繊維だけで形成された基材に、例えば連続繊維で形成された基材を組み合わせることも可能である。比較的高い曲げ負荷などが作用する場合、適正な健全繊維数からなる短繊維の強化繊維束の集合体であっても、所詮短繊維だけで構成されているため、最も高い応力が作用する表層は耐荷重に限界がある。そのため、高い応力が作用する表層だけは、織物などの連続繊維で構成することにより、各部位に作用する負荷の大きさに応じた補強がなされ、耐力が向上する。例えば図2に示すように、両側の表層に連続強化繊維からなる基材62(各2層)を配置し、中間層だけを上記構成の短繊維の強化繊維からなる基材61で構成するとコストパフォーマンスが高くなり、より実用的なハイブリッド繊維基材60となる。さらに、各層はPVAなどのバインダーで結着され、適度の形態保持性を有し、場合によってはFRP成形前に、所定の成形体の形状に賦形され、成形中に繊維の乱れなどが無いよう事前処置(プリフォーム化)される。
例えば単糸レベル近くまで分散した強化繊維基材は、抄紙によって得られると前述したが、一般的に量産する場合、連続抄造設備にて連続した抄紙基材(製品)を製造し、所定のサイズに切断して製品化されるが、強化繊維で最終製品をFRP成形する場合も、事前に製品形状に強化繊維基材をトリミングしてからFRP成形する。その場合、トリミング後の不要な基材は廃棄されるため、強化繊維材料の歩留まりが悪いという問題がある。そこで、抄紙する際に、最終製品の形状またはその展開図にした形状で抄紙すると、殆ど強化繊維材料を廃棄することが無くなるので、材料歩留まりが大幅に改善できる。そのための抄造装置を図3に例示する。上記のような方法で抄紙を行うには、連続では困難であり、図3に示すような1回ずつ抄紙するバッチ抄造方法で行う必要がある。図3に示すバッチ抄造装置70において、混合分散槽71には強化繊維を濾過するための濾過網74(#60〜#300メッシュ)が底面側に設置され、水に界面活性剤や増粘剤などが添加された分散液と、所定の長さに切断されそのた強化繊維のストランドとが、それぞれの繊維貯蔵槽72および分散液貯蔵槽73から所定量だけ配送される。それらが配送さられた後混合分散槽71は撹拌機75で槽内を撹拌されて、強化繊維のストランドは槽内で単糸レベル近くまで分繊される。その後、底部にある排出口77のコックを解放して混合分散槽71内の分散液は総て槽外に排出される。その際に、強化繊維は被抄紙基材76として濾過網74上に残されて、抄造が完了する。その後、蓋を開けて槽内からその形状が最終製品形状に形成された濾過網74と抄紙された強化繊維基材76を取り出し、適度にPVA(ポリビニルアルコール)などのバインダーを塗布した後オーブンなどで乾燥して、製品形状に形成された強化繊維基材を取り出す。また、排出した分散液は貯蔵槽に戻して可能な限り再利用する。
図4に、上記単糸レベル近くまで分散し、健全繊維束数が適正本数とされた状態の強化繊維基材80を用い、マトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂にてFRP成形する場合の成形方法を示す。すなわち、両面型内にキャビティを有する下型82に、強化繊維基材80を配置して上型81を閉じ、吸引口83から型内の空気を吸引して型のキャビティ内を減圧した後、熱硬化性樹脂を注入口84から圧入して強化繊維基材80に含浸させ、樹脂を加熱硬化させるRTM成形方法を示す。本強化繊維の様に短繊維を高密度、即ちVf(繊維体積含有率)が40%以上の場合は、樹脂の流動抵抗が高く、含浸が非常に難しくなるので、強化繊維積層体の中間に易樹脂流動媒体を入れてもよい。そして、樹脂注入を直接その易樹脂流動媒体に注入し易いように、図示したように該易樹脂流動媒体85を強化繊維基材80よりも樹脂注入側に少し飛び出させ、飛び出した部位(図示の溝部:ランナー)に樹脂注入口84を直接配置すると樹脂注入初期から樹脂流動が円滑に行われ、樹脂含浸が効率よく進行する。なお、図4における86は、上型81、下型82間に配置されたシール用O−リングを示している。
上記易樹脂流動媒体は、強化繊維からなる積層基材の面方向の樹脂流動抵抗より低い樹脂流動特性(例えば、強化繊維積層基材に対して1/2〜1/20の流動抵抗)をなす媒体であれば殆ど何でも適用可能であるが、材質としてFRP成形品のマトリックス樹脂との接着性や濡れ性が所定の特性を下回らないように選定する必要がある。そのような特性を満足すると共に経済性の面からも樹脂製が望ましいが、無機繊維の強化繊維を用いてもよい。樹脂製としては、低い流動抵抗をなすように構成しやすい織布や不織布が形成可能な熱可塑性樹脂が最適である。特に、短繊維又は連続繊維からなるマット形態や、連続繊維でもメッシュ状の織物等が好適である。また、樹脂充填量の観点から易樹脂流動媒体の目付としては、10〜1500g/m2の範囲とすることが好ましい。
具体的な材料としては、下記のものが挙げられる。
(1)耐炎糸不織布:トラスコ中山(株)製カーボンフェルト50CF(布帛の形態:フェルト状不織布、目付:680g/m2)。
(2)コンティニアスストランドマット:日本板硝子社製 (布帛の形態:ガラス連続繊維不織布、目付:300〜600g/m2)。
(3)ガラス繊維不織布:日東紡社製サーフェスマットMF30P100BS6(布帛の形態:ガラス連続繊維不織布、目付:30g/m2)。適用時は5〜15ply積層する。
(4)チョップドストランドマット:旭ファイバーグラス社製“ガラスロン”CM(布帛の形態:ガラス短繊維不織布、目付:300〜600g/m2)。
(5)メッシュ織物:NBC社製ナイロンメッシュンNB20(布帛の形態:ナイロン平織物、厚み:520μm)
図5に別のFRP成形方法を示す。すなわち、半硬化状態の熱硬化性樹脂シート93を、前記強化繊維基材90とペアで積層し、所定の枚数を積層した後に樹脂が完全硬化する温度またはそれ以上に加熱した金型(上型91、下型92)でプレス成形する、所謂RFI(Resin Film Infusion)・ホットプレス成形法である。RTM成形方法に比べて、基材内のガス抜きが難しいためボイドやピンホールなどが発生しやすい欠点はあるが、プレス機でホットプレスするだけで簡易的に成形できることや、樹脂注入装置などの設備が不要で、比較的軽備な設備で済むなどのメリットがある。ただ、ガス抜きは外段取りで該樹脂シートと基材を積層した状態で全体をフィルムで覆い、真空吸引しておくとかなり改善はされる。また、ガス抜きと同時に樹脂硬化温度より20〜40℃低く又はそれ以下の低温の雰囲気下で樹脂を軟化させた状態で成形体の形状に賦形することも、特に複雑な形状の場合は効果的である。更にまた、同じRFI成形でプレスを真空バッグやオートクレーブで行ってもよい。
表1に実施例、比較例の条件および結果を示す。実施例および比較例で適用したマトリックス樹脂は、総てエポキシ樹脂であり、成形方法によってその形態は異なるが、物性上の差異はない。
<実施例1>
(1)強化繊維:東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”T700SC×12K、カット長=8mm
(2)基材分散方法:湿式の分散方法として、抄紙プロセスにて単糸レベル近くまで開繊されており、また90%以上が真直繊維であり繊維同士の絡みや折れ、曲がりなどは、体積比率で全体の5%以下であった。
目付/層:150 g/m2、結着剤;PVA。
各繊維束の単糸本数は20本/束以上のものはなく、また各々の繊維束端部間の健全繊維束数は単糸数で約150本以上のものが全体の95%以上であることを確認した。
(3)FRP成形:RTM成形法を適用。形状、方法は図4に示した通りで、成形温度は100℃であった。
上記(2)の基材を8層積層し、中間に下記の易樹脂流動媒体を配設した。
易樹脂流動媒体部を除く繊維体積含有率が50%になる板厚で成形した。
易樹脂流動媒体:NBC社製メッシュ織物、ナイロンメッシュンNB20(布帛の形態;ナイロン平織物、厚み;520μm)
FRP成形品を約500℃で加熱して樹脂を焼き飛ばし、残った強化繊維を分析した結果は、表1の実施例1に示す通りで本発明を満足するものであった。
<実施例2>
(1)強化繊維:東レ株式会社製炭素繊維(CF)“トレカ”T700SC×6K、カット長=12mm、
日東紡株式会社製ガラス繊維(GF)チョップドストランドCS13C−897、カット長=13mm(フィランメント径=10μm)
(2)基材分散方法:乾式の分散方法として、カード機にて単糸レベル近くまで開繊した。炭素繊維とガラス繊維の比率は、重量比で2:1とした。
目付/層=400g/m2、結着剤;PVA。
各繊維束の単糸本数は50本/束以上のものはなく、また殆どが真直繊維ばかりで、繊維同士が絡み合ったり、折れや曲がりなどは体積比率で全体の3.5%以下であった。
また、各々の繊維束端部間の健全繊維束数は単糸数で約300本以上であるものが全体の90%以上であることを確認した。
(3)FRP成形:RFI成形法を適用した。形状、方法は図5に示した通りである。
上記(2)の基材を3層積層。図5に示す通り、各基材毎にエポキシ樹脂シートを積層し、温度120℃に加熱された金型でホットプレスして成形した。
該エポキシ樹脂シートは、基材に樹脂含浸した際に繊維体積含有率が約52%になる厚みに調整した(樹脂フロー状況で多少ばらつく)。
成形品を同様に加熱し樹脂を焼き飛ばした後の分析結果は表1の通りである。
<比較例1>
(1)強化繊維:東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”T700SC×12K、カット長=23〜25mm
(2)基材分散方法:実施例1と全く同様の抄紙プロセスにて単糸レベル近くまで開繊した。
目付/層=400g/m2、結着剤:PVA。
各繊維束の単糸本数は10本/束〜2K本/束までばらつき、約40%が100本/束以上であった。また、各所に繊維同士の絡みや毛玉、繊維の曲がりが多発していた(体積比率で30%以上)。
各々の繊維束端部間の健全繊維束数は、数束から約100束まであることを確認した。(3)FRP成形:実施例1と全く同様のRTM成形法を適用し、方法、手順、条件も実施例1と同様とした。
上記(2)の基材を8層積層し、中間に実施例1と全く同様の易樹脂流動媒体を配設した。
易樹脂流動媒体部を除く繊維体積含有率が50%になる板厚で成形した。
<比較例2>
(1)強化繊維:東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”T700SC×12K、カット長=18〜20mm
(2)基材分散方法:これまでの方法と異なり、一般的なSMC(Sheet Molding Compound)成形法を適用した。先ずSMC成形のための中間基材を、図6の説明時で適用したSMC成形装置にて実施した。
熱硬化性樹脂フィルム上に、強化繊維束(ストランド)を所定の長さにカット(チョップド化)しながらランダムに方向に散布し、ホットプレスしてカットした繊維束に含浸してシート化(中間基材)を作成した。そして、搬送された該シートを所定の長さに切断し、所定の離型紙を介して積層した。
本SMCのシート化にはストランドを更に開繊し、分繊する工程がないので、ほぼ総ての繊維束は単糸レベル近くまでどころか、殆ど分繊されることはなく所定量(12K=単糸12,000本)に収束されたストランドの状態のままであった。ただ、ストランド状態であるので、繊維束の剛性が高いためカット長を長めにしたが、成形前は殆どが真直状態のままであった。
(3)FRP成形:上記SMC基材を所定量使用し、図5の金型を用いてプレス成形した。金型温度は160℃、プレス圧は80kg/cm2とした。繊維体積含浸率を算出すると約34%に相当した。
FRP成形体を約500℃で樹脂を焼き飛ばし、強化繊維の状態を観察した。プレス成形で樹脂と共に繊維束も流動している箇所が多くあったが、繊維束は余り開繊されることなく、多くが12Kのままから、分散されていても3K位までであった。また、コーナや角部などでは樹脂流動と共に流動した繊維束が曲がった状態のものが多く、更にまた繊維束単位で分散しているため、繊維束端部間に全く他の繊維束がないものから、数本の繊維束(従って、12K〜30K本)が健全繊維束として存在していたが、全く健全繊維束がない部位が多数有ったため、強度向上は望めない結果であった。
上記実施例および比較例に記載した条件でFRP成形した成形体の各種条件および物性測定結果を表1に示す。
Figure 0005194453
以上の比較結果から、本発明による強化繊維の分散状態を達成すれば、実施例1や2のように、従来の分散状態に対して大きく、曲げ強度や、参考までに記載したIzod衝撃値までも改善されると言える。
このように、本発明に係る繊維強化樹脂では、強化繊維が短繊維からなるため、織物等の連続繊維に比べて成形前のプリフォーム時に製品形状に賦形し易く、製品形状に近い所謂ニアネットシェイプが可能となり、成形準備工程と成形後工程(バリ除去処理)の簡略化が図れる。また、成形体の強度が向上し、上記効果をなす短繊維構成でありながら、短繊維構成の課題であった強度が大幅に向上し、織物などの連続繊維構成に近い強度を発揮する。すなわち、コストパフォーマンスが大幅に向上する。
本発明に係る繊維強化樹脂は、三次元形状をなすスポーツ用品、自動車用部材、一般産業用途全般に適用可能である。特に、形状が複雑なほど、従来品に比して優位性を発揮できる。
本発明における強化繊維基材の概念を示す説明図である。 本発明における強化繊維基材の積層形態の一例を示す概略断面図である。 本発明において抄造工程を採用する場合の一例を示すバッチ抄造装置の概略構成図である。 本発明におけるRTM成形の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるRFI成形の一例を示す概略断面図である。 従来のSMCにおける強化繊維基材の一例を示す概略部分平面図である。
符号の説明
A、B:繊維束
a、b:繊維端部
c :亀裂(クラック)
50 :SMC基材
51 :繊維束(ストランド)
60 :ハイブリッド繊維基材
61 :短繊維基材
62 :連続繊維基材
70 :バッチ抄造装置
71 :混合分散槽
72 :繊維貯蔵槽
73 :分散液貯蔵槽
74 :濾過網
75 :撹拌機
76 :被抄紙基材
77 :排出口
80 :強化繊維基材
81 :上型
82 :下型
83 :吸引口
84 :注入口
85 :易樹脂流動媒体
86 :シール用O−リング
90 :強化繊維基材
91 :上型
92 :下型
93 :熱硬化性樹脂シート

Claims (8)

  1. 少なくとも炭素繊維を含む短繊維の強化繊維の繊維束の集団からなる強化繊維基材と熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂よりなる繊維強化樹脂であって、強化繊維基材の繊維束の90%以上が、単糸数が100本以下となるようにカード精紡機で開繊された繊維束からなり、真直な繊維束数が全繊維束数の70%以上であり、繊維束の配向が二次元的に擬似等方性であり、かつ、強化繊維の体積含有率が35%以上であることを特徴とする繊維強化樹脂。
  2. 前記繊維束が、強化繊維の繊維長の95%以上が3mm以上12mm以下の範囲にある炭素繊維を含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂。
  3. 前記繊維束が、強化繊維の繊維長の95%以上が3mm以上40mm以下の範囲にあるガラス繊維を含む、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂。
  4. 前記強化繊維基材が、前記繊維束を抄紙工程で抄造し、目付を100g/m2以上にした強化繊維基材からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  5. 前記強化繊維基材が、バッチ抄造により、予め製品形状またはその展開形状に形成された濾過網を用いて抄造された強化繊維基材からなる、請求項4に記載の繊維強化樹脂。
  6. 前記短繊維の強化繊維の繊維束からなる強化繊維基材の少なくとも一面側に連続繊維からなる別の強化繊維基材が配設されている、請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  7. RTM成形方法で成形されたものからなる、請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  8. RFI成形方法で成形されたものからなる、請求項1〜のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
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