JPH0538717A - 反応射出成形体補強用の複合シート - Google Patents

反応射出成形体補強用の複合シート

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JPH0538717A
JPH0538717A JP3196529A JP19652991A JPH0538717A JP H0538717 A JPH0538717 A JP H0538717A JP 3196529 A JP3196529 A JP 3196529A JP 19652991 A JP19652991 A JP 19652991A JP H0538717 A JPH0538717 A JP H0538717A
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fiber
sheet
fibers
composite sheet
reinforcing
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JP3196529A
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Tetsuo Matsushita
哲男 松下
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 強化用繊維が実質的に繊維方向に揃えて配列
したウェブに、短繊維状の熱可塑性重合体繊維を該強化
用繊維の間に入り込んで交絡一体していることを特徴と
する反応射出成形体補強用の複合シートである。 【効果】 取り扱い、加工性に優れるとともに、樹脂の
含浸性も極めて良好なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応射出成形に用いら
れる補強用複合シートに関するものであり、更に詳しく
は、本発明は樹脂の含浸性が良く、加工性に優れ取り扱
いが容易で、且つ繊維的特性の高い反応射出成形体補強
用の複合シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(RIM)は、モノマー、
プレポリマー等からなる2成分以上の反応性液体原料
を、ミキシングヘッド中で衝突混合した後直ちに成形型
内へ射出し型内で短時間のうちに重合固化させ成形品を
製造する方法である。その特徴としては、原料の粘度が
低い為型内での流動が良く、成形圧力、温度が低くて良
いこと、又、重合反応と成形を同時に行うため原料の配
合割合を変えることにより成形加工時に成形品の特性を
調節できること等があり、特に下型、中量の成形品の経
済的成形法として注目されてきている。しかしながらR
IM成形品は、金属に比較して熱膨張率が過大、耐熱性
が不十分、剛性が不足等の問題点があり、これを改善す
る為に反応性液体原料に短繊維状の補強材や充填剤を加
えたものを用いる反応射出成形法(R−RIM)が開発
された。しかしこの方法では、補強材や充填剤を加えた
反応性液体原料の粘度の増加が生じ、粘度を成形体を成
形するのに可能な範囲にとどめる為に補強材や充填剤の
添加量が制限され、且つ補強材の形状が短繊維状や粒状
の為、成形体の特性改良には限度があり、又添加した補
強材、充填剤による成形設備の摩耗、詰り等が生じ易
く、更に短繊維状補強材を用いる場合は、繊維が液体原
料の流れに沿って配向し物性の異方性、ソリが生ずる問
題点があった。そこで補強材の種類や含有量やその配向
配置等の選択の自由度をます為に、成形型のキャビティ
に連続状繊維補強材を予め配置して反応射出成形を行う
方法(RIMやS−RIM)が開発され、例えば特開昭
61−31218号公報、特開平3−114713号公
報等に開示されている。この方法によって得られる成形
体は連続状繊維補強材か高繊維含有率で含有させること
ができる。その結果、R−RIM法によって得られる成
形体に比較して、強度弾性率、熱膨張率、耐熱性等に優
れたものである。
【0003】この場合用いる補強用繊維は、例えば織
物、編物、不織布等のシート状、あるいは繊維の方向を
一方向に揃えたヤーン状等として用いられ、繊維の種類
あるいはその形態によって使い分けられるが、これらの
形態のうち、繊維が実質的に繊維長方向を揃えて配列さ
れたヤーン状形態の材料が、その繊維長方向において、
本来繊維が有する強度、弾性率を始めとする機械的性質
や、熱的性質等を顕著に成形品のそれに反映できること
から補強材料としては優れているといえる。しかしなが
ら、このように方向を揃えて繊維を配置するためには、
複数の繊維の束を順序よく同方向に、それぞれの束が互
いに隣接するように並べることが必要であり、操作性、
作業効率の点では極めて劣ったものである。
【0004】これに対して、繊維を一方向に揃えて連結
させたシート状物、あるいはこれらを製造する方法は既
に知られている。例えば、堆積された繊維層面に、これ
と垂直方向から針をさし通して引き抜くことを繰り返
し、この際針に設けられたカエリで上下層の繊維を絡め
て一体化してシート状とする所謂ニードルパンチ法;あ
るいは高圧気体流を当てて繊維同士を絡めて不織布状と
する方法(特開昭59−66554号公報);あるいは
一方向に揃えて配置した繊維束に、高速の非圧縮性流
体、水流等を当てて繊維同士を絡み合わせて不織性シー
トとする方法も、既に特公昭48−13749号公報、
特開昭52−140667号公報、特公昭59−540
6号公報などに開示されている。
【0005】しかしながら上述の従来の技術で得られる
繊維シートは、高性能の成形体補強用の繊維シートとし
ては未だ満足できるものではなかった。即ちニードルパ
ンチ法で得られるシートは、繊維の上下方向の絡み合い
が強く極めて嵩高となりこの結果含浸する樹脂の量の比
率が高くなることや、針による繊維自体の損傷が激しい
為に高性能の補強性繊維シートとはならない。
【0006】又高圧、高速の圧縮流体を当て繊維同士を
絡める方法は、特に繊維がガラス繊維や炭素繊維等の剛
直で脆い繊維の場合は繊維の切断やこすれによる損傷が
激しく、且つ繊維長方向の繊維の絡みや配列乱れが過度
になる為に、高性能の補強用繊維シートとはならないこ
とが分かった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、高性能の
繊維強化樹脂材料を得るための取り扱い性に優れた補強
用繊維シートを得ることを目的に行われたものであり、
従来の技術がシートとするための一体化に主眼をおい
て、高性能発現が妨げられる上記の問題を解決しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明の反応射出成形体補
強用の複合シートは、強化用繊維が実質的に繊維方向に
揃えて配列したウェブに短繊維状の熱可塑性重合体繊維
を該強化用繊維の間に入り込んで交絡一体化しているこ
とを特徴とする反応射出成形体補強用の複合シートであ
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
反応射出成形体補強用の複合シート及びその製造法の詳
細はWO90−7024号公報に記載されているが、好
ましい態様の複合シートの製造法の一例を示すと、熱可
塑性樹脂の繊維を切断して、この短繊維を液中に分散せ
しめ、分散体を抄紙して繊維がランダムに配向した短繊
維ウェブシートを作る。一方強化用長繊維を平面上に一
方向に引き揃えたシートを用意しこの上下面に短繊維ウ
ェブシートを積層し一方向引き揃え強化繊維シートをサ
ンドイッチ状にはさむ。その後積層シートの上、下面か
ら水噴流をあてて短繊維ウェブを構成する短繊維を強化
繊維シートの中に入りこませ、強化繊維と熱可塑性樹脂
短繊維が交絡一体化した複合シートを得る。
【0010】本発明の複合シートを構成する強化用繊維
は、連続した長繊維であっても、あるいは不連続の所謂
短繊維であってもよい連続した長繊維である場合には、
得られる補強用シートの形態安定性が高く、また繊維強
化樹脂材料とした時高い機械的性能が得られるので好ま
しい。不連続の短繊維の場合であっても特に本発明の効
果を損なうものではなく、特に繊維長の限定を受けるも
のではないが、高性能の繊維強化材料とするには繊維長
が長いことの方が有利であるために、通常は25mm以
上の長さの短繊維が好ましく用いられる。
【0011】本発明の補強用繊維シートにおいて、繊維
は実質的に繊維長方向を揃えて配列されていることが重
要である。即ち、繊維強化樹脂材料において、その機械
的性能は繊維長方向においてその補強効果を最も顕著に
発現する。従って、使用される繊維は、それぞれの繊維
長方向が揃っているほど効率よく機械的性能を発現でき
るからである。
【0012】本発明において「実質的に繊維長方向を揃
えて配列される」とは、シート全体としての平均化され
た繊維長方向に対して、それぞれの繊維がほぼ平行に並
んでいることを意味する。本発明に用いられる強化用繊
維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭
化ケイ素繊維、金属繊維、アルミナ繊維等公知のものが
単独又は組み合せて目的に応じて使い分けられる。
【0013】本発明の複合シートを構成するもう一方の
熱可塑性重合体繊維は短繊維をランダム又は一方向もし
くは多方向に配置して、単繊維に自由度がある状態で不
織布状にしたものであったり、長繊維をスワール状に配
置して自由度を与えて不織布状にしたものであるが、強
化用繊維ウェブとの交絡一体化のし易さ、得られる複合
シートの柔軟性から短繊維自体の剛性が低いものが好ま
しく、用いる重合体の種類によって変わるが、一般的に
はその長さ100cm好ましくは10cm以下、さらに
好ましくは、5cm以下が良く、1mm以下では長繊維
にからまないので好ましくない。又短繊維の直径は一般
的には200μ以下、好ましくは100μ以下、さらに
好ましくは50μ以下の短繊維が良い。
【0014】熱可塑性重合体の種類としては、例えばポ
リオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリア
ミド、アクリル樹脂、ポリオキシメチレン、ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエー
テルイミド等の重合体またはこれらのコポリマー類の1
種又は2種以上を併用して用いることができる。
【0015】本発明の複合シートを構成する強化用繊維
の複合シート全体に対する体積含有率(Vf)は特に限
定されるものではないが一般的には95〜20%の範囲
で用いられる。強化用繊維のVfが高い程、反応射出成
形体の引張り、圧縮、曲げ等の静的機械特性は向上する
が、衝撃等のエネルギー吸収特性は低下する傾向にあ
り、成形体に必要とされる特性に応じて、適宜Vfは決
定されるべきである。
【0016】反応射出成形に用いる樹脂は、特に限定さ
れるものではないが、一般には、ポリウレタン、ポリウ
レア、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステル
フェノール、ジシクロペンタジエン、架橋ポリエステル
−ポリアミド等の熱硬化性樹脂、ナイロン等の熱可塑性
樹脂やその変性樹脂が、成形体の機械、熱、化学的性質
等の必要特性、コスト等を考慮して適宜選択して用いら
れる。
【0017】本発明の補強された反応射出成形体の成形
は、重合して上述の樹脂となる反応触媒を含む所定の温
度に保持された2種以上のモノマー、プレポリマーをポ
ンプで送り、ミキシングヘッド中で一定の比率で瞬間的
に混合し直ちに、本発明の補強用繊維シートが予めセッ
トされた所定の温度の成形型のキャビティ内に射出し型
内で短時間のうちにこれらのモノマー、プレポリマーを
補強シートに含浸させるとともに反応固化させることに
よって得られる。又この時モノマーやプレポリマー中に
充填剤、着色剤、難燃剤、離型剤、フォーム剤等の添加
剤が混合されていてもさしつかえない。
【0018】高品質、高性能の反応射出補強成形体の具
備すべき重要な要件の一つは、補強用材料の含有量が高
く且つ樹脂が均一に含浸充填されていることである。こ
の時、金型キャビティ内に射出し重合反応される反応性
液体原料(モノマーやプレポリマー)側に要求される条
件としては、射出原料がキャビティの末端のすみずみま
で短時間で且つ均一に流れる様な良好な流動特性を有す
る低粘度液体であることが必要であり、成形サイクルに
関係する重合反応性を含めて種々の種類の樹脂システム
が開発されている。
【0019】一方補強用材料側に要求される条件として
は、補強材料を構成する強化繊維が本来有する特性が最
終成形体の特性に最も効率的に反映できる形態であるこ
と、及び補強材料を予め金型キャビティにセットするに
際し、充填密度を上げられること、及び金型キャビティ
に射出された反応性液体原料が金型キャビティにセット
された補強材料の気孔容積全体に容易且つ均一に浸透、
流動する形態、構造を有していることがあげられる。
【0020】本発明の反応射出成形体補強用の複合シー
トは強化繊維が実質的に繊維方向を揃えて配列され、短
繊維状の熱可塑重合体繊維が強化用繊維の中へ入り込ん
で交絡一体化している為に、シートの形態保持性、取り
扱い性に優れるとともに、シートを積層した時の積層体
の積層密度が高く従って金型キャビティへのシートの充
填密度を高くすることが可能であり、又複合シートの絡
み合い部分の吸液効果と、配列された繊維に沿っての吸
液効果の為に、成形型キャビティ内での射出された反応
性液体原料の複合シート気孔容積部への含浸、浸透が優
れている特徴を有している。この含浸、浸透性に優れて
いる特徴は、複合シートの気孔部に反応性液体原料が浸
透する時の流体抵抗が少く、従って複合シートが反応性
液体原料の流動抵抗により、流動方向に流されることに
よって生じる繊維含有率の斑や、複合シートの配向の乱
れに起因する成形体のそり、寸法安定性の悪化が生じ難
く、均質な品質の複雑、大型、薄肉、厚肉の成形体を安
定して製造できる。
【0021】又、本発明の強化繊維が実質的に繊維方向
を揃えて配列することにより生ずるもう一つの大きな特
徴は、複合シートを構成する強化繊維が有する特性を、
成形体へ最も効率的に反映でき(物性のトランスレーシ
ョンが良い)、成形体に要求される特性に応じて、繊維
の配列方向の組み合せを予め成形型のキャビティにセッ
トするに際し任意に設定することが可能で、従って効率
的な特性設計と、設計の自由度を大きくとれることであ
る。即ち本発明の補強用複合シートは高い繊維含有率の
成形体となしうること、及び強化繊維が本来有する特性
を最も効率的に成形体へ反映することができることが相
まって、特性要求レベルの高い構造用成形体用補強材料
としての利用価値の高いものである。
【0022】反応射出成形に用いる成形型は、この成形
法は射出成形や熱可塑あるいは熱硬化性樹脂の圧縮成形
に比較して成形圧力が低くて良いことから、型の型締め
力が低くて良く、型の材質としては型の構造とも関係す
るが、鉄、アルミ等の削り出しによる機械加工の金層型
から、電鋳型、溶射金層型、亜鉛合鋳造型、樹脂型等が
価格、成形品のサイズ、試作型か長期に使う量産型かの
使用目的や型締め方法等によって使い分けられるが、本
発明の補強用複合シートを用いるに当っては、シートへ
の反応性液体原料の含浸性に優れる為、原料の型キャビ
ティへの射出圧力が低くて良く、従って型の締付圧力は
通常の反応射出成形に較べて低くすることが可能で、そ
の結果コストの安い材料の成形型でも利用できる利点が
ある。
【0023】本発明の補強用複合シートを成形型のキャ
ビティへセットするに当っては、特に凸凹等の様な複雑
な形状を有する成形体を製造する場合には、セットする
前に予め複合シートを予備成形(プリフォーム)を行っ
て成形体の形状に対応する形状として成形体に対して補
強複合シートの形状の追従を促した方が好ましい。本発
明の複合シートは、熱可塑性重合体繊維を含む為、この
繊維を熱により加熱溶融し、複合シート同志を適度に接
合一体化することによって容易に予備成形体として繊型
することが可能である。予備成形の方法としては、例え
ば設計した積層角度、積層枚数になる様に積層した複合
シートを成形体に対応する形状の上下型にセット後加
熱、圧縮し熱可塑性重合体繊維の一部を加熱溶融し成形
体形状に類似の一体化した複合シートの予備成形体を得
ることができる。この時、熱可塑重合体繊維の含有量に
よって変るが熱可塑性重合体繊維の溶融が過度になりす
ぎると積層複合シートの接合が強くなって嵩密度が大き
くなりすぎて反応射出成形時に反応性液体原料の含浸を
防げ均一な成形体を得ることが困難となるので予備成形
時の温度、時間、圧力等を本発明の目的を妨げない様に
調節することが必要である。
【0024】又、本発明の複合シートの予備成形の方法
として上述の熱可塑性重合体繊維の熱融着法以外にも、
例えば複合シートにバインダーとしてポリビニルアルコ
ールや不飽和ポリエステル、アクリル、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂をエマルジョンの形で含浸させた後積層
し成形体類似の上下型で加熱圧縮する方法、又は本発明
の効果を妨げない程度に、積層した複合シートをニード
ルパンチ又はステッチ等の物理的方法で一体化後成形体
類似の形に裁断する方法、あるいは成形体類似の形に予
め裁断した複合シートを積層後、本発明の効果を妨げな
い程度にニードルパンチ又はステッチする方法等があ
る。
【0025】又、本発明の補強シートは、成形体の軽量
化、コストダウン等を目的として、ウレタン発泡体等の
発泡体を芯材としてその廻りに繊維シートを配置し成形
型キャビティにセットし反応射出成形する方法や、同様
目的の為にプラスチックの中空芯材に繊維シートを配
置、又はプラスチックフィルムの中空フィルム芯材の廻
りに繊維シートを配置して、金型キャビティにセットし
て中空芯材に高い空気圧を作用させた状態で反応射出成
形する方法にも用いられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、実施例中、特にことわりのない限り、%は重量を示
す。又成形体の引張り強度、弾性率はJIS K−70
73によって測定した。
【0027】
【参考例1】ナイロン6−6重合体を紡糸して、770
デニール/770フィラメントの長繊維を得た。この長
繊維を多数本集めてギロチン型カッターで5mmの長さ
に切断して短繊維を得た。次いでこの短繊維を水に投入
しポリアクリルアマイドを加えてスラリー液として20
0メッシュの金網上で抄造して目付20,50,150
g/m2 のシートを得た。
【0028】又別にポリアクリロニトリル系炭素繊維
(新旭化成カーボンファイバー社製、ハイカーボロン6
Kf系)をボビンから引き出して周長1.5m、巾1m
のドラムワインダーにドラムの一方の端部から他方の端
部へ向けトラバースしながら捲きつけた後、ヤーンがバ
ラバラにならない様に巾30mmの粘着テープをドラム
の巾方向の一箇所に貼り、その上からカッターで粘着テ
ープと共にヤーンを切断してドラムワインダーからはず
す方法で巾50cm、長さ1.5mの目付554g/m
2 及び155g/m2 の2種類の引き揃えられた炭素繊
維ウェブを得た。
【0029】次に上記の目付550g/m2 炭素繊維ウ
ェブの上下に目付20g/m2 のナイロン6−6の抄造
シートを置き、ウェブをサンドイッチ状にはさんだ。こ
のサンドイッチシートを繊維の長さ方向が、ネットの移
動方向に一致する様にして、200メッシュの4m/分
の速度で移動する金網ネット上に乗せた。次いで、この
シートの表と裏側からに、5mm間隔で等間隔に直線状
に並んだ直径0.2mmのノズル500個を有し、ネッ
トの巾方向に5mmの往復運動を150rpmで行う水
噴出装置にて30kg/cm2 の水圧の水流をあてナイ
ロン6−6短繊維が炭素繊維に絡み交絡一体化した複合
シートを得た。又、これとは別に目付155g/m2
炭素繊維ウェブの上下に目付50g/m2 のナイロン抄
造シートを置き同様な方法で交絡一体化した複合シート
を得た。
【0030】これらの複合シートの構成は表1の通りで
ある。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例1】参考例1で得られた1a及び1bの複合繊
維シートを表2の通りの枚数を繊維の配列方向を揃えて
積層し、寸法400mm×400mm×3mmの寸法を
有する金型キャビティにセットし、油化シェル(株)の
エポキシ樹脂、主剤エピコートE−807、硬化剤エポ
メートLX−INを100:37の比率でキャビティへ
射出し金型温度55℃で60分反応硬化させた。この様
にして得られた成形体の一部を、繊維方向(0°)に切
り出し引張り強度、補性率測定用の試験サンプルを作成
し測定に供した。又残った成形体を電気炉で処理するこ
とによって、エポキシ樹脂及びナイロン6−6繊維を焼
却除去して炭素繊維のみを残して、強化炭素繊維のシー
トの乱れ具合や流れ具合を観察した。又これとは別に成
形体の一定位置の8ヵ所を切り出し、切り出した成形体
を樹脂に分理し研磨後、成形体の断面を光学顕微鏡にて
観察しボイドの含有状態を調べた。
【0033】その結果を表2に示したが、本発明の複合
シートは、樹脂の含浸性が良く、高い繊維体積含有率の
ボイド含有量の少い機械的特性に優れた成形体を与える
ことが分る。
【0034】
【表2】
【0035】又1b複合シートより得た成形体は柔軟で
衝撃特性に優れるものであった。
【0036】
【参考例2】参考例1の炭素繊維をガラス繊維(日本電
気硝子社製 ER7352.2Kf糸)に代えた以外
は、同じ方法にて目付400g/m2 及び353g/m
2 の2種類のガラス繊維ウェブを得た。次いで目付40
0g/m2 のガラス繊維ウェブの上下に参考例1で得た
目付20g/m2 のナイロン6−6抄造シート、及び目
付353g/m2 のガラス繊維ウェブの上下に目付15
0g/m2 のナイロン6−6抄造シートをサンドイッチ
状にはさみ参考例1と同様な方法で表3に示す構成の交
絡一体化した複合シートを作った。
【0037】
【表3】
【0038】
【実施例2】参考例2で得た2a,2bの複合シートを
実施例2と同様の方法で成形し表4の結果を得た。
【0039】
【表4】
【0040】
【実施例3】参考例1の1a及び参考例2の2aの複合
シートをそれぞれ6枚と10枚積層し、270℃に加熱
された熱風炉の中に5分間放置した。5分後炉よりすば
やく取り出し、カートリッジヒーターで215℃に加熱
された平らな押板を有するホットプレスで10K/cm
2 の圧力で1分加圧した。得られた積層板はいずれもナ
イロン6−6繊維同志が過度に融着し、一体化したもの
で取り扱いが容易で反応射出成形体の予備成形体として
適したものであった。
【0041】これらの予備成形体を補強材として実施例
1と同様に反応射出成形して得られた成形体はボイド、
シート乱れもなく良好なものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明の反応射出成形体補強用の複合シ
ートは、配列した強化繊維に熱可塑性繊維が絡んで一体
化している為に、取り扱い加工性に優れるとともに、樹
脂の含浸性も極めて良好なものである。又強化繊維が繊
維方向に揃って配列している為成形体の補強効果も優れ
均質で高い機械的特性の成形体が得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化用繊維が実質的に繊維方向に揃えて
    配列したウェブに短繊維状の熱可塑性重合体繊維を該強
    化用繊維の間に入り込んで交絡一体化していることを特
    徴とする反応射出成形体補強用の複合シート。
JP3196529A 1991-08-06 1991-08-06 反応射出成形体補強用の複合シート Withdrawn JPH0538717A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000061363A1 (fr) * 1999-04-08 2000-10-19 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Preforme destinee a un materiau composite et un tel materiau
US6828016B2 (en) 1999-04-08 2004-12-07 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Preform for composite material and composite material
JP2009539659A (ja) * 2006-06-16 2009-11-19 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 半芳香族ポリアミド複合物品およびその調製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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