JP6151923B2 - 成形方法 - Google Patents
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Description
繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる板状の基材(「プリプレグ」といわれる)であって、その熱可塑性樹脂の融点以上にまで加熱されたもの(「被加熱基材」ということとする)が、その融点未満の温度の型(上型・下型)によってプレスされる。こうして、所定の形状、すなわち、型のキャビティに対応した形状に成形されるのである。
このことは、特許文献1にも開示されている。
しかしながら、それでは、その分、基材を多く必要とすることとなり、コスト高となる。
すなわち、リブや孔等を有する複雑な形状に成形するためには、その形状に対応した複雑な形状のキャビティを有する型でプレスされることとなるのであるが、基材(プリプレグ)は、その複雑な形状の型(キャビティ)に容易にはなじまない。
例えば、リブを形成するためには、型(キャビティ)には、それに対応した溝があるが、その溝の中に基材(特に繊維)が適切に進入せず、適切に充填されないのである。また、孔を形成するためには、型(キャビティ)は、その孔を取り囲む形状(環的な空間)を有するが、その環的な空間に基材(特に繊維)が適切に回り込まず、適切に充填されないのである。
また、上述の方法において、非連続繊維を含有する基材を用いて複雑な形状に成形しようとする場合は、それが可能であっても、大きなプレス力が必要とされ、事実上、複雑な形状に成形することが困難な場合がある。
「基材」を形成する「熱可塑性樹脂」としては、ポリプロピレン,ポリエチレン,アクリル,アクリロニトリル−スチレン−ブタジエンブロック共重合体,ポリスチレン,ナイロン等のポリアミド,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネート,スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の一般的な熱可塑性樹脂や,ポリアミド,ポリアセタール,ポリフェニレンスルフィド,ポリアミドイミド,ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチック等がある。
このことは、「射出補充段階」において射出される「熱可塑性樹脂」についても同様である。
また、成形品の形状によっては、大きさの異なる複数(複数枚)の基材が重ねられて使用される場合もあり、その場合には、各基材間には段差が存在する。そして、それらの基材(加熱されたもの)がプレスされてプレス成形部が形成された段階であっても、各基材間に対応する部分には段差が残り、その段差部分によって、成形品の形状を基準にして空隙が形成される場合がある。その空隙を有する形状も「所望の形状の成形品を単純化した形状」に該当するものとする。
まず、プレス段階において、所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の前記基材が加熱された被加熱基材がプレスされ、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有するプレス成形部が形成される。
次に、射出補充段階において、所望の大きさ及び形状の成形品を基準にプレス成形部において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂が射出され補充されることによって射出補充成形部が形成される。
こうして、所望の大きさ及び形状の成形品が形成される。
このため、基材を余分に使用することが回避され、低コスト化が図られる。
また、基材のみでは複雑な形状を有する成形品を形成するのが困難な場合でも、それを単純化した形状が基材によって形成される(プレス成形部として形成される)とともに、それ以外の部分(複雑な形状の部分)が射出される熱可塑性樹脂によって補充される(射出補充成形部として形成される)ことによって、複雑な形状を有する成形品が製造され得る。
このように、この発明の成形方法では、高い強度が得られるという、基材のプレス成形による利点と、種々の形状にも成形され得るという、射出成形の利点の双方が同時に得られるのである。
すなわち、この発明の成形方法では、基材として、連続繊維含有基材と、非連続繊維含有基材の2種類のものが使用される。このように、基材の一部として連続繊維含有基材が使用される分、成形品の強度が高いものとなる。
一方、非連続繊維含有基材は、プレスされる際に、連続繊維含有基材と比較して、変形しやすく、複雑な形状の型にもなじみやすいため、複雑な形状の部分の一部も、非連続繊維含有基材によるプレス成形部として形成されることとなる。このため、複雑な形状の部分のすべてが射出補充成形部として形成される場合と比較して、成形品の強度が高いものとなる。
すなわち、この成形方法は、強度がより高いという連続繊維含有基材の利点と、プレスされる際に変形しやすいという非連続繊維含有基材の利点の双方が同時に得られるのである。
すなわち、複雑な形状の成形品を製造する際には、その複雑な形状の部分(その一部)が射出補充成形部として形成されるのであるが、この発明では、射出補充成形部が形成される側(すなわち、複雑な形状の部分の側)に非連続繊維含有基材が配設されるため、プレス段階において連続繊維含有基材とともに非連続繊維含有基材がプレスされる際に、非連続繊維含有基材が、より円滑に、当該複雑な形状の部分の一部に進入することが可能である。
こうして、前述の効果がより適切に得られる。
その「繊維」は、短繊維又は長繊維であり、好ましくは短繊維である。繊維の長さが短い方が、熱可塑性樹脂とともに射出するのに適しているからである。
なお、「短繊維」とは約2mm以下の繊維であり、「長繊維」とは約3mm〜15mmの繊維である。
すなわち、この発明の成形方法では、射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂には繊維が含有されているので、それによって形成される部分(すなわち、射出補充成形部)の強度も高くなり、成形品全体としての強度が向上することとなる。
すなわち、この発明の成形方法では、基材がプレスされて形成されるプレス成形部に含有される繊維と、熱可塑性樹脂によって形成される射出補充成形部に含有される繊維とが同種であるため、成形品全体として均一性を有する品質が得られることとなる。
次に、本発明の参考例1について、図1〜図4Eに基づいて説明する。
図1に示すように、この成形装置は、下型10,上型20を有している。
上型20は、昇降機構(図示省略)によって、実線で示す上昇位置(開位置)と、二点鎖線で示す下降位置(閉位置)との間を上下動可能であり、両型10,20は開閉可能である。
すなわち、上型20が下降位置(閉位置)に位置する状態で、両型10,20は閉状態となり、両型10,20間にはキャビティ30が形成される。
その成形品100は、基本的形状として、平板部110,周壁部120を有している。平板部110は、ほぼ長方形状の平板状をしている。周壁部120は、平板部110の周縁において平板部110とほぼ垂直に延びている。正確にいうと、平板部110から延びるにつれて相互に離隔する方向に、若干傾斜している。
平板部110の裏側には、複数のリブ112が形成されている。各リブ112は、平板部110の縦方向又は横方向に沿って延びるとともに、平板部110に垂直に延びている。
周壁部120には縁部には、フランジ124が形成されている。フランジ124の幅は一律ではなく、凹部127(幅狭部)及び凸部126(幅広部)がある。凸部126には孔128が形成されている。
その一例として、プレス成形部101は、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)とからなっている。その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、周壁部120の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112である。
キャビティ30は、その基本的形状として、平板部形成空間31,周壁部形成空間32を有している。平板部形成空間31,周壁部形成空間32は、成形品100(図2)の平板部110,周壁部120に対応している。
さらに、キャビティ30(下型10)は、溝部12(リブ形成空間),窪み部14(フランジ形成空間)を有している。溝部12,窪み部14は、リブ112,フランジ124(図2)に対応している。窪み部14には、孔128(図2)に対応して、凸部18が形成されている。
すなわち、下型10には、溶融樹脂流路41が形成されている。溶融樹脂流路41の上流端には、溶融樹脂供給装置45が接続されている。溶融樹脂流路41は複数に分岐し、それらの下流端は、各溝部12,窪み部14に連通している。
なお、溶融樹脂流路41には、当該溶融樹脂流路41の下流端を開閉する開閉機構(図示省略)が設けられている。
また、溶融樹脂流路41にはヒータ(図示省略)が伴っており、当該溶融樹脂流路41内の溶融樹脂が溶融状態に維持される。
無数の連続繊維は、基材Pにおいて、基材Pの縦方向・横方向・厚み方向・各種の斜め方向と、種々の方向に連続的に延びている。
「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である。
すなわち、前述した成形品100を形成する場合には、その成形品100からリブ112及びフランジ124が削除されるとともに、周壁部120の高さが不足する物を形成するのに対応した分量である。すなわち、プレス成形部101(図3)を形成するのに対応した分量である。
なお、この参考例1においては、1枚の基材Pが使用される態様が図示されているが、複数枚の基材Pが重ねられて使用されてもよい。このことは他の実施例においても同様である。
それによって、基材Pは、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が周壁部形成空間32に沿って下方にたわむ。しかしながら、基材Pは、連続繊維を含有するため、溝部12にはほとんど進入しない。
こうして、キャビティ30内において、プレス成形部101(図3)が形成される。すなわち、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110,周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)が一体的に形成される。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。こうして、周壁部120のうちの残部,各溝部12,窪み部14に溶融樹脂Mが充填される。
その熱可塑性樹脂は、基材Pを形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である。すなわち、基材Pを形成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンであれば、溶融樹脂Mの熱可塑性樹脂もポリプロピレンである。
また、溶融樹脂Mに含有される繊維は、基材Pに含有される連続繊維と同種の繊維である。すなわち、基材Pに含有される繊維がガラス繊維であれば、溶融樹脂Mに含有される繊維もガラス繊維である。ただし、基材Pに含有される繊維は連続繊維であるが(このことは前述)、溶融樹脂Mに含有される繊維は連続繊維ではなく、非連続繊維であり、好ましくは短繊維である。「短繊維」とは、約2mm以下の長さの繊維である。
また、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、そのフランジ124は、前述した所定の形状に形成されるとともに、フランジ124には孔128が形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100(図2)が製造されるのである。
また、リブ112,フランジ124(特に、その凹凸形状,孔128)等の複雑な形状を有する成形品100も容易に製造することができる。
すなわち、メインの部分は連続繊維を含有する基材P(図4A)がプレス成形によって強固に形成されるとともに、周辺的な部分は射出成形によって容易に形成される。
こうして、全体として、成形品100が、強固に、かつ、低コストで容易に製造され得るのである。
次に、本発明の参考例2について、図5A〜図5Cに基づいて説明する。この参考例2は、参考例1の変形例であるため、相違点を中心に説明し、共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。このことは以下同様である。
このため、成形装置(図5A〜図5C)も、参考例1の成形装置(図1,図4A〜図4E)と同一である。
参考例2においては、最終的な成形品100のうち、プレス成形部101は、平板部110の大半部分のみであり、他のすべての部分は射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、平板部110のうちの周縁部,周壁部120のすべて,フランジ124,リブ112である。
「所定の分量」とは、最終的な成形品100を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である(このことは参考例1と同様である)。
ただし、参考例2において「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110の大半部分のみに対応した分量である。すなわち、参考例2におけるプレス成形部101(図5C)を形成するのに対応した分量である。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、平板部形成空間31のうちの周縁部,周壁部形成空間32,各溝部12,窪み部14に流入し、それらの部分に溶融樹脂Mが充填される。
そして、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、その射出補充成形部102は、プレス成形部101と一体的に形成される。平板部110においては、プレス成形部101(大半部分)と射出補充成形部102(周縁部)とが一連的に形成され、リブ112は平板部110に対して一体的に形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100が製造されるのである。
次に、本発明の実施例1について、図6〜図7Eに基づいて説明する。この実施例1も、参考例1の変形例である。
このため、成形装置(図7A〜図7C)も、参考例1の成形装置(図1,図4A〜図4E)と同一である。
実施例1においては、最終的な成形品100のうち、プレス成形部101は、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)と、リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)からなっている。
その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、周壁部120の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部)である。
実施例1においては、基材Pとして、メイン基材P1(第1基材P)及びサブ基材P2(第2基材P)が使用される。
メイン基材P1(プリプレグ)は、参考例1における基材P(図4A)と同様に、多数(無数)の連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、長方形状の板状をしている。
サブ基材P2(プリプレグ)は、多数(無数)の非連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、連続繊維を含有していない。そして、メイン基材P1と同じく長方形状の板状をしている。「非連続繊維」としては、いわゆる「長繊維」や「短繊維」がある。「長繊維」とは、約3mm〜15mmの長さの繊維であり、「短繊維」とは、前述したように、約2mm以下の長さの繊維である。
メイン基材P1の繊維とサブ基材P2の繊維は、同種の繊維である。例えば、両方とも炭素繊維である。
ただし、実施例1において「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)と、リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)に対応した分量である。すなわち、プレス成形部101(図6)を形成するのに対応した分量である。
サブ基材P2は、メイン基材P1よりも肉厚が薄いとともに、若干小さい(平面視における大きさが若干小さい)。
その際、メイン基材P1は、連続繊維を含有するため、参考例1における基材Pと同様に、ほぼ、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が下方にたわむのみである。
しかしながら、サブ基材P2は、連続繊維を含有せず、変形しやすいため、圧縮されて肉厚が薄くなって横に広がり、その周縁部が下方にたわむとともに、溝部12の内部に進入する。
こうして、キャビティ30内において、プレス成形部101(図6)が形成される。すなわち、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110,周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部),リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)が一体的に形成される。
図6,図7Bに示すように、平板部110のうちの肉厚の一部,周壁部120の高さ方向における一部の肉厚の一部は、サブ基材P2によって形成される。そのように、メイン基材P1及びサブ基材P2の割合が設定されている。
例えば、上述の例よりも、メイン基材P1の割合が多く(肉厚が厚く)され、サブ基材P2が少なく(肉厚が薄く)されることによって、平板部110及び周壁部120の高さ方向における一部はメイン基材P1のみによって形成され、サブ基材P2はリブ112のの高さ方向における一部のみを形成することとなる。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。こうして、周壁部120のうちの残部,各溝部12の残部,窪み部14に溶融樹脂Mが充填される。
その熱可塑性樹脂は、両基材P1,P2を形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である。
また、溶融樹脂Mに含有される繊維は、両基材P1,P2に含有される連続繊維と同種の繊維である。ただし、溶融樹脂Mに含有される繊維は連続繊維ではなく、好ましくは短繊維である。
また、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、そのフランジ124は、前述した所定の形状に形成されるとともに、フランジ124には孔128が形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100(図2)が製造されるのである。
次に、本発明の参考例3について、図8A〜図8Cに基づいて説明する。この参考例3も、参考例1の変形例である。
すなわち、その成形品400は、基本的形状として、略平板部410,周壁部120を有しており、略平板部410の裏側には複数のリブ112が形成され、周壁部120には縁部にはフランジ124(孔128を有する)が形成されている。略平板部410は、その下面(リブ112を除いた下面)は平面状であるが、その上面は、中央部を中心として緩やかに上方に膨らんでいる、すなわち、中央部を中心として肉厚が厚くなっている。
すなわち、図8Bに示すように、キャビティ430は、その基本的形状として、略平板部形成空間431,周壁部形成空間32を有している。略平板部形成空間431,周壁部形成空間32は、成形品400の略平板部410,周壁部120に対応している。すなわち、略平板部形成空間431は、その中央部を中心として、高さが高くなっている。
さらに、キャビティ430(下型10)は、溝部12(リブ112形成空間),窪み部14(フランジ124形成空間)を有している。このことは参考例1の成形装置と同様である。
参考例3においては、プレス成形部101は、略平板部410のほぼすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(略平板部410の側の一部)とからなっている。
その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、略平板部410の一部,周壁部120の高さ方向における残部(略平板部410とは反対側の一部),フランジ124,リブ112である。
参考例3においては、複数(この場合2枚)の基材Pa,Pbが使用される。
両基材Pa,Pb(プリプレグ)とも、同質のものであり、参考例1における基材Pと同様に、多数(無数)の連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、長方形状の板状をしている。
両基材Pa,Pbが重ねられた際に、前述したように両基材Pa,Pbの大きさは異なるため、両基材Pa,Pbの間には段差が生じている。
その際、両基材Pa,Pbは、連続繊維を含有するため、参考例1における基材Pと同様に、変形する。すなわち、下側の基材Pbは、ほぼ、圧縮されて肉厚が薄くなるだけである。上側の基材Paは、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が下方にたわむのみである。
こうして、キャビティ430内において、プレス成形部101が形成される。すなわち、両基材Pa,Pbは一体的に結合するとともに、最終的な成形品400のうち、略平板部410のうちの大半,周壁部120の高さ方向における一部(略平板部410の側の一部)が一体的に形成される。
このプレス成形部101においても、上側の基材Paと下側の基材Pbとの間には段差が生じている(未だに段差が残っている)。こうして、略平板部410(図8Cを参考として参照)には欠落部分が存在する。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂が供給され、その溶融樹脂は溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。また、略平板部410のうちの段差(略平板部410の欠落部分)にも溶融樹脂は流入する。こうして、略平板部410のうちの段差(欠落部分),周壁部120のうちの残部,各溝部12の残部,窪み部14に溶融樹脂が充填される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品400が形成される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品400が製造されるのである。
例えば、各実施例の特徴が適宜組み合わされた内容の態様で実施されることが可能である。
20 上型
30,430 キャビティ
100,400 成形品
101 プレス成形部
102 射出補充成形部
P 基材
P1 メイン基材(連続繊維含有基材)
P2 サブ基材(非連続繊維含有基材)
Pa 上側の基材
Pb 下側の基材
Claims (3)
- 繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する方法であって、
前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の前記基材が加熱された被加熱基材をプレスし、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有するプレス成形部を形成するプレス段階と、
前記所望の大きさ及び形状の成形品を基準に前記プレス成形部において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して補充することによって射出補充成形部を形成する射出補充段階とを有し、
前記基材として、連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる連続繊維含有基材と、非連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる非連続繊維含有基材の両方が使用され、
前記プレス段階は、前記被加熱基材として、加熱された前記連続繊維含有基材に対して、加熱された前記非連続繊維含有基材が、前記加熱された前記連続繊維含有基材を基準に前記射出補充成形部が形成される側に配設されたものをプレスするものである、
成形方法。 - 請求項1に記載の成形方法であって、
前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂は、繊維を含有するものである、
成形方法。 - 請求項2に記載の成形方法であって、
前記連続繊維含有基材に含有される連続繊維、及び、前記非連続繊維含有基材に含有される非連続繊維、並びに、前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂に含有される繊維は、同種の繊維である、
成形方法。
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