JP2014148124A - 成形方法及び成形装置 - Google Patents

成形方法及び成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014148124A
JP2014148124A JP2013018826A JP2013018826A JP2014148124A JP 2014148124 A JP2014148124 A JP 2014148124A JP 2013018826 A JP2013018826 A JP 2013018826A JP 2013018826 A JP2013018826 A JP 2013018826A JP 2014148124 A JP2014148124 A JP 2014148124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
base material
shape
thermoplastic resin
molding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013018826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6151923B2 (ja
Inventor
Tatsuro Ikeda
龍郎 池田
Atsushi Saito
篤 齋藤
Shinichi Handa
真一 半田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Satoh Machinery Works Co Ltd
Original Assignee
Satoh Machinery Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Satoh Machinery Works Co Ltd filed Critical Satoh Machinery Works Co Ltd
Priority to JP2013018826A priority Critical patent/JP6151923B2/ja
Publication of JP2014148124A publication Critical patent/JP2014148124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6151923B2 publication Critical patent/JP6151923B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】繊維を含有する熱可塑性樹脂について、低コストで、かつ、複雑な形状にも容易に成形できるようにする。
【解決手段】繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する方法であって、プレス段階と射出補充段階とを有する。プレス段階においては、所望の大きさ及び形状の成形品よりも小さいとともに単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の基材が加熱された被加熱基材Pをプレスし、プレス成形部101を形成する。射出補充段階においては、所望の大きさ及び形状の成形品を基準にプレス成形部101において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂Mを射出して補充することによって射出補充成形部を形成する。
【選択図】 図4C

Description

本発明は、繊維を含有する熱可塑性樹脂を成形する方法、及び、それに使用される成形装置に関するものである。
合成樹脂(プラスチック)は、金属等と比較して質量密度(比重)が小さい(軽い)とともに種々の形状に成形しやすいという長所がある一方、強度が低いという短所がある。このため、繊維を含有することによって強化された合成樹脂(繊維強化樹脂)が普及している。繊維強化樹脂は、鉄等の金属と比較して強度が高い一方で、比重ははるかに小さいため、各種の用途に大きな需要がある。
長い繊維、特に、連続繊維(連続的に延びる繊維)を含有する熱可塑性樹脂は、従来、次のようにして成形されている。
繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる板状の基材(「プリプレグ」といわれる)であって、その熱可塑性樹脂の融点以上にまで加熱されたもの(「被加熱基材」ということとする)が、その融点未満の温度の型(上型・下型)によってプレスされる。こうして、所定の形状、すなわち、型のキャビティに対応した形状に成形されるのである。
このことは、特許文献1にも開示されている。
そして、従来、上述の方法で所望の大きさの成形品を製造しようとする際には、次のようにされていた。すなわち、所望の大きさよりも若干大きい成形品を形成するのに対応した大きさの基材を使用して成形し、上述のようにしてプレス成形した後、その余分な縁端部を削除していた。
しかしながら、それでは、その分、基材を多く必要とすることとなり、コスト高となる。
また、上述の方法では、特に連続繊維を含有する基材を用いて複雑な形状に成形するのが困難又は不可能である。
すなわち、リブや孔等を有する複雑な形状に成形するためには、その形状に対応した複雑な形状のキャビティを有する型でプレスされることとなるのであるが、基材(プリプレグ)は、その複雑な形状の型(キャビティ)に容易にはなじまない。
例えば、リブを形成するためには、型(キャビティ)には、それに対応した溝があるが、その溝の中に基材(特に繊維)が適切に進入せず、適切に充填されないのである。また、孔を形成するためには、型(キャビティ)は、その孔を取り囲む形状(環的な空間)を有するが、その環的な空間に基材(特に繊維)が適切に回り込まず、適切に充填されないのである。
また、上述の方法において、非連続繊維を含有する基材を用いて複雑な形状に成形しようとする場合は、それが可能であっても、大きなプレス力が必要とされ、事実上、複雑な形状に成形することが困難な場合がある。
特開平8−90571号公報
本発明は、繊維を含有する熱可塑性樹脂について、低コストで成形できる方法、及び、それに加えて複雑な形状にも容易に成形することができる方法、並びに、それらに適した装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する方法であって、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の前記基材が加熱された被加熱基材をプレスし、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有するプレス成形部を形成するプレス段階と、前記所望の大きさ及び形状の成形品を基準に前記プレス成形部において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して補充することによって射出補充成形部を形成する射出補充段階とを有する、成形方法である。
「基材」に含有される「繊維」としては、ガラス繊維,アルミナ繊維,炭素繊維,有機繊維等、又は、それらを複数種類のものを混合したものがある。
「繊維」としては、基材において連続的に延びる連続繊維が好ましい。それが成形品の強度を高める上で、最も効果的だからである。
「基材」を形成する「熱可塑性樹脂」としては、ポリプロピレン,ポリエチレン,アクリル,アクリロニトリル−スチレン−ブタジエンブロック共重合体,ポリスチレン,ナイロン等のポリアミド,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネート,スチレン−ブタジエンブロック共重合体等の一般的な熱可塑性樹脂や,ポリアミド,ポリアセタール,ポリフェニレンスルフィド,ポリアミドイミド,ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチック等がある。
このことは、「射出補充段階」において射出される「熱可塑性樹脂」についても同様である。
「基材」としては、1つ(1枚)の基材のみが使用される場合に限らず、複数(複数枚)の基材が重ねられて使用される場合もある。その場合は、プレス段階においては、複数の基材(いずれも加熱されたもの)全体が被加熱基材としてプレスされ、プレス成形部が形成される。
「前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する」のうちの「及び」の場合は、「前記所望の大きさ及び形状の成形品よりも小さいとともに単純化した形状を有する」であり、単純化すれば、その分小さくなるが、そのことを除外してもさらに小さいものであることをいう。
また、成形品の形状によっては、大きさの異なる複数(複数枚)の基材が重ねられて使用される場合もあり、その場合には、各基材間には段差が存在する。そして、それらの基材(加熱されたもの)がプレスされてプレス成形部が形成された段階であっても、各基材間に対応する部分には段差が残り、その段差部分によって、成形品の形状を基準にして空隙が形成される場合がある。その空隙を有する形状も「所望の形状の成形品を単純化した形状」に該当するものとする。
この発明の成形方法では、次の作用効果が得られる。
まず、プレス段階において、所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の前記基材が加熱された被加熱基材がプレスされ、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有するプレス成形部が形成される。
次に、射出補充段階において、所望の大きさ及び形状の成形品を基準にプレス成形部において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂が射出され補充されることによって射出補充成形部が形成される。
こうして、所望の大きさ及び形状の成形品が形成される。
このように、この発明の成形方法では、成形品の一部(「一部」の一例として「大半部分」)が、基材(繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる)によって形成され得る(プレス成形部として形成され得る)とともに、その不足部分(成形品の残部)が、射出される熱可塑性樹脂によって補充される(射出補充成形部として形成される)。
このため、基材を余分に使用することが回避され、低コスト化が図られる。
また、基材のみでは複雑な形状を有する成形品を形成するのが困難な場合でも、それを単純化した形状が基材によって形成される(プレス成形部として形成される)とともに、それ以外の部分(複雑な形状の部分)が射出される熱可塑性樹脂によって補充される(射出補充成形部として形成される)ことによって、複雑な形状を有する成形品が製造され得る。
このように、この発明の成形方法では、高い強度が得られるという、基材のプレス成形による利点と、種々の形状にも成形され得るという、射出成形の利点の双方が同時に得られるのである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の成形方法であって、前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂は、前記基材を形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である、成形方法である。
すなわち、基材を形成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンであれば、溶融樹脂の熱可塑性樹脂もポリプロピレンである。基材を形成する熱可塑性樹脂が他のものの場合は、溶融樹脂の熱可塑性樹脂も当該他の樹脂である。
この発明の成形方法では、請求項1に係る発明の成形方法の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の成形方法では、基材がプレスされて形成されるプレス成形部と、熱可塑性樹脂によって形成される射出補充成形部とが、同種の樹脂によって形成されるため、成形品全体として均一性を有する品質が得られることとなる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る発明の成形方法であって、前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂は、繊維を含有するものである、成形方法である。
射出補充段階において射出される「熱可塑性樹脂」に含有される「繊維」としては、前述の「基材」に含有される「繊維」と同様に、ガラス繊維,アルミナ繊維,炭素繊維,有機繊維等、又は、それらを複数種類混合したものがある。
その「繊維」は、短繊維又は長繊維であり、好ましくは短繊維である。繊維の長さが短い方が、熱可塑性樹脂とともに射出するのに適しているからである。
なお、「短繊維」とは約2mm以下の繊維であり、「長繊維」とは約3mm〜15mmの繊維である。
この発明の成形方法では、請求項1又は請求項2に係る発明の成形方法の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の成形方法では、射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂には繊維が含有されているので、それによって形成される部分(すなわち、射出補充成形部)の強度も高くなり、成形品全体としての強度が向上することとなる。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の成形方法であって、前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂に含有される繊維は、前記基材に含有される繊維と同種の繊維である、成形方法である。
すなわち、基材に含有される繊維がガラス繊維であれば、溶融樹脂に含有される繊維もガラス繊維である。基材に含有される繊維が他のものの場合は、溶融樹脂に含有される繊維も当該他の繊維である。
この発明の成形方法では、請求項3に係る発明の成形方法の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の成形方法では、基材がプレスされて形成されるプレス成形部に含有される繊維と、熱可塑性樹脂によって形成される射出補充成形部に含有される繊維とが同種であるため、成形品全体として均一性を有する品質が得られることとなる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに係る発明の成形方法であって、前記基材として、連続的に延びる連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる連続繊維含有基材と、非連続的に延びる非連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる非連続繊維含有基材の両方が使用される、成形方法である。
この発明の成形方法では、請求項1〜請求項4のいずれかに係る発明の成形方法の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の成形方法では、基材として、連続繊維含有基材と、非連続繊維含有基材の2種類のものが使用される。このように、基材の一部として連続繊維含有基材が使用される分、成形品の強度が高いものとなる。
一方、非連続繊維含有基材は、プレスされる際に、連続繊維含有基材と比較して、変形しやすく、複雑な形状の型にもなじみやすいため、複雑な形状の部分の一部も、非連続繊維含有基材によるプレス成形部として形成されることとなる。このため、複雑な形状の部分のすべてが射出補充成形部として形成される場合と比較して、成形品の強度が高いものとなる。
すなわち、この成形方法は、強度がより高いという連続繊維含有基材の利点と、プレスされる際に変形しやすいという非連続繊維含有基材の利点の双方が同時に得られるのである。
上記発明をさらに改良した発明として、次の発明が考えられる。
「請求項5に記載の成形方法であって、
前記プレス段階は、前記被加熱基材として、加熱された前記連続繊維含有基材に対して、加熱された前記非連続繊維含有基材が、前記加熱された前記連続繊維含有基材を基準に前記射出補充成形部が形成される側に配設されたものをプレスするものである、
成形方法。」
この改良発明では、さらに、次の作用効果が得られる。
すなわち、複雑な形状の成形品を製造する際には、その複雑な形状の部分(その一部)が射出補充成形部として形成されるのであるが、この改良発明では、射出補充成形部が形成される側(すなわち、複雑な形状の部分の側)に非連続繊維含有基材が配設されるため、プレス段階において連続繊維含有基材とともに非連続繊維含有基材がプレスされる際に、非連続繊維含有基材が、より円滑に、当該複雑な形状の部分の一部に進入することが可能である。
こうして、請求項5に係る発明の効果がより適切に得られる。
請求項6に係る発明は、繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する装置であって、開閉可能な型であって、閉状態の際に形成されるキャビティにおいて、前記基材が加熱された被加熱基材をプレスする型と、前記キャビティに対して溶融状態の熱可塑性樹脂を射出する射出機構とを有する、成形装置である。
この発明の成形装置では、請求項1〜請求項5に係る発明(請求項5に係る発明の改良発明を含む)を容易に実現することができ、各々の発明の作用効果が確実に得られる。
本発明の実施例1の成形装置の全体を示す縦断面図である。 本発明の実施例1の成形装置及び実施例1〜3の成形方法によって製造される成形品の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例1の成形装置及び実施例1の成形方法によって製造される成形品の一例(図2)を仮想的に破断したものを示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は分解縦断面図である。 本発明の実施例1の成形方法(実施例1の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。最初の段階である。 本発明の実施例1の成形方法(実施例1の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図4Aの次の段階である。 本発明の実施例1の成形方法(実施例1の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図4Bの次の段階である。 本発明の実施例1の成形方法(実施例1の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図4Cの次の段階である。 本発明の実施例1の成形方法(実施例1の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図4Dの次の段階である。 本発明の実施例2の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。最初の段階である。図4Aに対応する。 本発明の実施例2の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図5Aの後の段階である。図4Cに対応する。 本発明の実施例2の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図5Bの後の段階である。図4Eに対応する。 本発明の実施例1の成形装置及び実施例3の成形方法によって製造される成形品の一例(図2)を仮想的に破断したものを示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は分解縦断面図である。 本発明の実施例3の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。最初の段階である。 本発明の実施例3の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図7Aの次の段階である。 本発明の実施例3の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図7Bの次の段階である。 本発明の実施例3の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図7Cの次の段階である。 本発明の実施例3の成形方法を示す縦断面図(一部省略)である。図7Dの次の段階である。 本発明の実施例4の成形方法(実施例4の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。最初の段階である。図4Aに対応する。 本発明の実施例4の成形方法(実施例4の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図8Aの後の段階である。図4Bに対応する。 本発明の実施例4の成形方法(実施例4の成形装置の作用)を示す縦断面図(一部省略)である。図8Bの後の段階である。図4Eに対応する。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について、図1〜図4Eに基づいて説明する。
図1に示すように、この成形装置は、下型10,上型20を有している。
上型20は、昇降機構(図示省略)によって、実線で示す上昇位置(開位置)と、二点鎖線で示す下降位置(閉位置)との間を上下動可能であり、両型10,20は開閉可能である。
すなわち、上型20が下降位置(閉位置)に位置する状態で、両型10,20は閉状態となり、両型10,20間にはキャビティ30が形成される。
図2に示すように、この成形装置によって製造される成形品100は、次の形状を有している。
その成形品100は、基本的形状として、平板部110,周壁部120を有している。平板部110は、ほぼ長方形状の平板状をしている。周壁部120は、平板部110の周縁において平板部110とほぼ垂直に延びている。正確にいうと、平板部110から延びるにつれて相互に離隔する方向に、若干傾斜している。
平板部110の裏側には、複数のリブ112が形成されている。各リブ112は、平板部110の縦方向又は横方向に沿って延びるとともに、平板部110に垂直に延びている。
周壁部120には縁部には、フランジ124が形成されている。フランジ124の幅は一律ではなく、凹部127(幅狭部)及び凸部126(幅広部)がある。凸部126には孔128が形成されている。
図3に示すように、成形品100は、プレス成形部101と、射出補充成形部102とからなっている。
その一例として、プレス成形部101は、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)とからなっている。その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、周壁部120の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112である。
図1及び図4Bに示すように、成形装置のキャビティ30の形状は、上述の成形品100(図2)の形状に対応している。
キャビティ30は、その基本的形状として、平板部形成空間31,周壁部形成空間32を有している。平板部形成空間31,周壁部形成空間32は、成形品100(図2)の平板部110,周壁部120に対応している。
さらに、キャビティ30(下型10)は、溝部12(リブ形成空間),窪み部14(フランジ形成空間)を有している。溝部12,窪み部14は、リブ112,フランジ124(図2)に対応している。窪み部14には、孔128(図2)に対応して、凸部18が形成されている。
図1及び図4Aに示すように、下型10には、射出機構40が設けられている。
すなわち、下型10には、溶融樹脂流路41が形成されている。溶融樹脂流路41の上流端には、溶融樹脂供給装置45が接続されている。溶融樹脂流路41は複数に分岐し、それらの下流端は、各溝部12,窪み部14に連通している。
なお、溶融樹脂流路41には、当該溶融樹脂流路41の下流端を開閉する開閉機構(図示省略)が設けられている。
また、溶融樹脂流路41にはヒータ(図示省略)が伴っており、当該溶融樹脂流路41内の溶融樹脂が溶融状態に維持される。
次に、本発明の実施例1の成形方法(上述の成形装置の使用方法・作用)について、図4A〜図4Eに基づいて説明する。
まず、所定の分量の基材P(図4A参照)が用意される。基材P(プリプレグ)は、多数(無数)の連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、長方形状の板状をしている。
無数の連続繊維は、基材Pにおいて、基材Pの縦方向・横方向・厚み方向・各種の斜め方向と、種々の方向に連続的に延びている。
「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である。
すなわち、前述した成形品100を形成する場合には、その成形品100からリブ112及びフランジ124が削除されるとともに、周壁部120の高さが不足する物を形成するのに対応した分量である。すなわち、プレス成形部101(図3)を形成するのに対応した分量である。
なお、この実施例1においては、1枚の基材Pが使用される態様が図示されているが、複数枚の基材Pが重ねられて使用されてもよい。このことは他の実施例においても同様である。
次に、その基材Pが加熱される。こうして、基材Pは、当該基材Pを形成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度とされる。
次に、図4Aに示すように、その基材(被加熱基材)Pが、開状態の成形装置(下型10)にセットされる。下型10・上型20は、基材Pの融点よりも30〜100℃程度低い温度にされている(なお、両型10,20は、当初は基材Pの融点よりも高い温度にされており、次述のように下型10が下降して両型10,20が閉状態とされ、その状態が維持されている際に、上述のような融点より低い温度にされてもよい)。
次に、図4Bに示すように、上型20が閉位置まで下降し、両型10,20は閉状態となる。こうして、基材Pは、両型10,20によってプレスされる。
それによって、基材Pは、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が周壁部形成空間32に沿って下方にたわむ。しかしながら、基材Pは、連続繊維を含有するため、溝部12にはほとんど進入しない。
こうして、キャビティ30内において、プレス成形部101(図3)が形成される。すなわち、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110,周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)が一体的に形成される。
次に、図4Cに示すように、成形装置が閉状態に維持されつつ、キャビティ30(図4B)に対して、溶融状態の熱可塑性樹脂(溶融樹脂)Mが射出される。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。こうして、周壁部120のうちの残部,各溝部12,窪み部14に溶融樹脂Mが充填される。
溶融樹脂Mは、繊維を含有する熱可塑性樹脂である。
その熱可塑性樹脂は、基材Pを形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である。すなわち、基材Pを形成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンであれば、溶融樹脂Mの熱可塑性樹脂もポリプロピレンである。
また、溶融樹脂Mに含有される繊維は、基材Pに含有される連続繊維と同種の繊維である。すなわち、基材Pに含有される繊維がガラス繊維であれば、溶融樹脂Mに含有される繊維もガラス繊維である。ただし、基材Pに含有される繊維は連続繊維であるが(このことは前述)、溶融樹脂Mに含有される繊維は連続繊維ではなく、非連続繊維であり、好ましくは短繊維である。「短繊維」とは、約2mm以下の長さの繊維である。
上述のようにして射出され充填された溶融樹脂Mが冷却され固化することによって、図4Dに示すように、射出補充成形部102(図3)が形成される。すなわち、図3に示すように、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112が形成される。周壁部120の高さ方向における一部とフランジ124とは一体的に形成される。
そして、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、その射出補充成形部102は、プレス成形部101と一体的に形成される。すなわち、図2及び図3に示すように、周壁部120においては、プレス成形部101と射出補充成形部102とが一連的に形成され、リブ112は平板部110に対して一体的に形成される。
また、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、そのフランジ124は、前述した所定の形状に形成されるとともに、フランジ124には孔128が形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
次に、図4Eに示すように、上型20が上昇して、両型10,20が開状態とされ、成形装置(下型10)から成形品100が取り出される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100(図2)が製造されるのである。
以上のように、この製造方法では、プレス成形後に、余分な部分を削除する必要がなく、低コスト化が図られる。
また、リブ112,フランジ124(特に、その凹凸形状,孔128)等の複雑な形状を有する成形品100も容易に製造することができる。
すなわち、メインの部分は連続繊維を含有する基材P(図4A)がプレス成形によって強固に形成されるとともに、周辺的な部分は射出成形によって容易に形成される。
こうして、全体として、成形品100が、強固に、かつ、低コストで容易に製造され得るのである。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について、図5A〜図5Cに基づいて説明する。この実施例2は、実施例1の変形例であるため、相違点を中心に説明し、共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。このことは以下同様である。
図5Cに示すように、実施例2における最終的な成形品100は、実施例1における最終的な成形品100(図2,図4E)と基本的に同一である。すなわち、その成形品100は、基本的形状として、平板部110,周壁部120を有しており、平板部110の裏側には複数のリブ112が形成され、周壁部120には縁部にはフランジ124(孔128を有する)が形成されている。
このため、成形装置(図5A〜図5C)も、実施例1の成形装置(図1,図4A〜図4E)と同一である。
ただし、図5Cに示すように、実施例2においては、プレス成形部101、及び、射出補充成形部102が、実施例1のもの(図3,図4E)と相違している。
実施例2においては、最終的な成形品100のうち、プレス成形部101は、平板部110の大半部分のみであり、他のすべての部分は射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、平板部110のうちの周縁部,周壁部120のすべて,フランジ124,リブ112である。
次に、実施例2の成形方法について説明する。
まず、所定の分量の基材P(図5A参照)が用意される。
「所定の分量」とは、最終的な成形品100を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である(このことは実施例1と同様である)。
ただし、実施例2において「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110の大半部分のみに対応した分量である。すなわち、実施例2におけるプレス成形部101(図5C)を形成するのに対応した分量である。
次に、その基材Pが加熱され、図5Aに示すように、その基材(被加熱基材)Pが、開状態の成形装置(下型10)にセットされる。
次に、上型20が閉位置まで下降し、両型10,20は閉状態となる(図5Bを参考的に参照)。こうして、基材Pは、両型10,20によってプレスされ、キャビティ30(図4B参照)内においてプレス成形部101が形成される。すなわち、最終的な成形品100のうち、平板部110の大半部分が形成される。
次に、図5Bに示すように、成形装置が閉状態に維持されつつ、キャビティ30に対して、溶融状態の熱可塑性樹脂(溶融樹脂)Mが射出される。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、平板部形成空間31のうちの周縁部,周壁部形成空間32,各溝部12,窪み部14に流入し、それらの部分に溶融樹脂Mが充填される。
上述のようにして射出され充填された溶融樹脂Mが冷却され固化することによって、射出補充成形部102が形成される(図5Cを参考的に参照)。
そして、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、その射出補充成形部102は、プレス成形部101と一体的に形成される。平板部110においては、プレス成形部101(大半部分)と射出補充成形部102(周縁部)とが一連的に形成され、リブ112は平板部110に対して一体的に形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
次に、図5Cに示すように、上型20が上昇して、両型10,20が開状態とされ、成形装置(下型10)から成形品100が取り出される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100が製造されるのである。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について、図6〜図7Eに基づいて説明する。この実施例3も、実施例1の変形例である。
図7Eに示すように、実施例3における最終的な成形品100も、実施例1における最終的な成形品100(図2,図4E)と基本的に同一である。すなわち、その成形品100は、基本的形状として、平板部110,周壁部120を有しており、平板部110の裏側には複数のリブ112が形成され、周壁部120には縁部にはフランジ124(孔128を有する)が形成されている。
このため、成形装置(図7A〜図7C)も、実施例1の成形装置(図1,図4A〜図4E)と同一である。
ただし、図6,図7Eに示すように、実施例3においては、プレス成形部101、及び、射出補充成形部102が、実施例1のもの(図3,図4E)と相違している。
実施例3においては、最終的な成形品100のうち、プレス成形部101は、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)と、リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)からなっている。
その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、周壁部120の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112の高さ方向における残部(平板部110とは反対側の一部)である。
まず、所定の分量の基材P(図7A参照)が用意される。
実施例3においては、基材Pとして、メイン基材P1(第1基材P)及びサブ基材P2(第2基材P)が使用される。
メイン基材P1(プリプレグ)は、実施例1における基材P(図4A)と同様に、多数(無数)の連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、長方形状の板状をしている。
サブ基材P2(プリプレグ)は、多数(無数)の非連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、連続繊維を含有していない。そして、メイン基材P1と同じく長方形状の板状をしている。「非連続繊維」としては、いわゆる「長繊維」や「短繊維」がある。「長繊維」とは、約3mm〜15mmの長さの繊維であり、「短繊維」とは、前述したように、約2mm以下の長さの繊維である。
メイン基材P1の繊維とサブ基材P2の繊維は、同種の繊維である。例えば、両方とも炭素繊維である。
「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である(このことは実施例1と同様である)。メイン基材P1とサブ基材P2との合計が「所定の分量」となるようにされる。
ただし、実施例3において「所定の分量」とは、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110のすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)と、リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)に対応した分量である。すなわち、プレス成形部101(図6)を形成するのに対応した分量である。
サブ基材P2は、メイン基材P1よりも肉厚が薄いとともに、若干小さい(平面視における大きさが若干小さい)。
次に、そのメイン基材P1及びサブ基材P2が加熱される。こうして、各基材Pは、当該各基材Pを形成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度とされる。
次に、図7Aに示すように、その両基材P1,P2(両被加熱基材P1,P2)が、開状態の成形装置(下型10)にセットされる。メイン基材P1が上になりサブ基材P2が下になるように、両基材P1,P2が重ねられてセットされる。すなわち、サブ基材P2は、メイン基材P1を基準に、射出補充成形部102(図6,図7E参照)が形成される側に位置する状態で、メイン基材P1に対して重ねられる。両被加熱基材P1,P2を被加熱複合基材ともいうこととする。
次に、図7Bに示すように、上型20が閉位置まで下降し、両型10,20は閉状態となる。こうして、両基材P1,P2は、両型10,20によってプレスされる。
その際、メイン基材P1は、連続繊維を含有するため、実施例1における基材Pと同様に、ほぼ、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が下方にたわむのみである。
しかしながら、サブ基材P2は、連続繊維を含有せず、変形しやすいため、圧縮されて肉厚が薄くなって横に広がり、その周縁部が下方にたわむとともに、溝部12の内部に進入する。
こうして、キャビティ30内において、プレス成形部101(図6)が形成される。すなわち、最終的な成形品100(図2)のうち、平板部110,周壁部120の高さ方向における一部(平板部110の側の一部),リブ112の高さ方向における一部(平板部110の側の一部)が一体的に形成される。
図6,図7Bに示すように、平板部110のうちの肉厚の一部,周壁部120の高さ方向における一部の肉厚の一部は、サブ基材P2によって形成される。そのように、メイン基材P1及びサブ基材P2の割合が設定されている。
しかしながら、メイン基材P1及びサブ基材P2の割合は、適宜調整され得る。
例えば、上述の例よりも、メイン基材P1の割合が多く(肉厚が厚く)され、サブ基材P2が少なく(肉厚が薄く)されることによって、平板部110及び周壁部120の高さ方向における一部はメイン基材P1のみによって形成され、サブ基材P2はリブ112のの高さ方向における一部のみを形成することとなる。
次に、図7Cに示すように、成形装置が閉状態に維持されつつ、キャビティ30(図7B)に対して、溶融状態の熱可塑性樹脂(溶融樹脂)Mが射出される。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂Mが供給され、その溶融樹脂Mは溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。こうして、周壁部120のうちの残部,各溝部12の残部,窪み部14に溶融樹脂Mが充填される。
溶融樹脂Mは、繊維を含有する熱可塑性樹脂である。
その熱可塑性樹脂は、両基材P1,P2を形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である。
また、溶融樹脂Mに含有される繊維は、両基材P1,P2に含有される連続繊維と同種の繊維である。ただし、溶融樹脂Mに含有される繊維は連続繊維ではなく、好ましくは短繊維である。
上述のようにして射出され充填された溶融樹脂Mが冷却され固化することによって、図7Dに示すように、射出補充成形部102(図6)が形成される。すなわち、図6に示すように、周壁部120の高さ方向における一部(平板部110とは反対側の一部),フランジ124,リブ112の一部(平板部110とは反対側の一部)が形成される。周壁部120の高さ方向における一部とフランジ124とは一体的に形成される。
そして、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、その射出補充成形部102は、プレス成形部101と一体的に形成される。すなわち、図2及び図6に示すように、周壁部120においては、プレス成形部101と射出補充成形部102とが一連的に形成され、リブ112においては、その平板部110の側の一部と、平板部110とは反対側の一部とが一体的に形成される。
また、上述のように射出・充填された溶融樹脂Mが冷却固化して射出補充成形部102が形成される際に、そのフランジ124は、前述した所定の形状に形成されるとともに、フランジ124には孔128が形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品100が形成される。
次に、図7Eに示すように、上型20が上昇して、両型10,20が開状態とされ、成形装置(下型10)から成形品100が取り出される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品100(図2)が製造されるのである。
[実施例4]
次に、本発明の実施例4について、図8A〜図8Cに基づいて説明する。この実施例4も、実施例1の変形例である。
図8Cに示すように、実施例4における最終的な成形品400は、実施例1における最終的な成形品100(図2,図4E)と若干異なる。
すなわち、その成形品400は、基本的形状として、略平板部410,周壁部120を有しており、略平板部410の裏側には複数のリブ112が形成され、周壁部120には縁部にはフランジ124(孔128を有する)が形成されている。略平板部410は、その下面(リブ112を除いた下面)は平面状であるが、その上面は、中央部を中心として緩やかに上方に膨らんでいる、すなわち、中央部を中心として肉厚が厚くなっている。
このため、成形装置(図8A〜図8C)も、実施例1の成形装置(図1,図4A〜図4E)と若干異なる。
すなわち、図8に示すように、キャビティ430は、その基本的形状として、略平板部形成空間431,周壁部形成空間32を有している。略平板部形成空間431,周壁部形成空間32は、成形品400の略平板部410,周壁部120に対応している。すなわち、略平板部形成空間431は、その中央部を中心として、高さが高くなっている。
さらに、キャビティ430(下型10)は、溝部12(リブ112形成空間),窪み部14(フランジ124形成空間)を有している。このことは実施例1の成形装置と同様である。
成形品400は、プレス成形部101と、射出補充成形部102とからなっている。
実施例4においては、プレス成形部101は、略平板部410のほぼすべてと、周壁部120の高さ方向における一部(略平板部410の側の一部)とからなっている。
その他の部分が、射出補充成形部102である。すなわち、射出補充成形部102は、略平板部410の一部,周壁部120の高さ方向における残部(略平板部410とは反対側の一部),フランジ124,リブ112である。
次に、実施例4の成形方法について説明する。
まず、所定の分量の基材P(図8A参照)が用意される。
実施例4においては、複数(この場合2枚)の基材Pa,Pbが使用される。
両基材Pa,Pb(プリプレグ)とも、同質のものであり、実施例1における基材Pと同様に、多数(無数)の連続繊維を含有する熱可塑性樹脂であり、長方形状の板状をしている。
実施例1と同様に、「所定の分量」とは、最終的な成形品400を単純化した形状を有するとともに、さらにそれよりも若干小さい大きさの物を形成するのに対応した分量である。2枚の基材Pa,Pbの合計が「所定の分量」となるようにされる。前述した成形品400を形成する場合には、その成形品400からリブ112及びフランジ124並びに略平板部410の一部が削除されるとともに、周壁部120の高さが不足する物を形成するのに対応した分量である。すなわち、プレス成形部101を形成するのに対応した分量である。
成形品400の略平板部410の肉厚が中央部を中心に厚くなっていることに対応して、下側の基材Pbは、上側の基材Paよりも小さい(平面視において小さい)ものとされている。すなわち、上側の基材Paは、実施例1における基材Pと同一の大きさであるが、下側の基材Pbは、成形品400の略平板部410の中央部のみに対応する大きさである。
次に、両基材Pa,Pbが加熱され、図8Aに示すように、その両基材(両被加熱基材)Pa,Pbが重ねられて、開状態の成形装置(下型10)にセットされる。
両基材Pa,Pbが重ねられた際に、前述したように両基材Pa,Pbの大きさは異なるため、両基材Pa,Pbの間には段差が生じている。
次に、図8Bに示すように、上型20が閉位置まで下降し、両型10,20は閉状態となる。こうして、両基材Pa,Pbは、両型10,20によってプレスされる。
その際、両基材Pa,Pbは、連続繊維を含有するため、実施例1における基材Pと同様に、変形する。すなわち、下側の基材Pbは、ほぼ、圧縮されて肉厚が薄くなるだけである。上側の基材Paは、圧縮されて肉厚が薄くなるとともに、その周縁部が下方にたわむのみである。
こうして、キャビティ430内において、プレス成形部101が形成される。すなわち、両基材Pa,Pbは一体的に結合するとともに、最終的な成形品400のうち、略平板部410のうちの大半,周壁部120の高さ方向における一部(略平板部410の側の一部)が一体的に形成される。
このプレス成形部101においても、上側の基材Paと下側の基材Pbとの間には段差が生じている(未だに段差が残っている)。こうして、略平板部410(図8Cを参考として参照)には欠落部分が存在する。
次に、成形装置が閉状態に維持されつつ、キャビティ430に対して、溶融状態の熱可塑性樹脂(溶融樹脂)(M)が射出される(図示省略)。
すなわち、溶融樹脂供給装置45から溶融樹脂が供給され、その溶融樹脂は溶融樹脂流路41を通って、周壁部形成空間32の一部(プレス成形部101としての周壁部120が存在しない部分),各溝部12,窪み部14に流入する。また、略平板部410のうちの段差(略平板部410の欠落部分)にも溶融樹脂は流入する。こうして、略平板部410のうちの段差(欠落部分),周壁部120のうちの残部,各溝部12の残部,窪み部14に溶融樹脂が充填される。
上述のようにして射出され充填された溶融樹脂が冷却され固化することによって、射出補充成形部102が形成される(図8Cを参考的に参照)。すなわち、略平板部410のうちの段差(略平板部410の欠落部分),周壁部120の高さ方向における一部(略平板部410とは反対側の一部),フランジ124,リブ112の一部(略平板部410とは反対側の一部)が形成される。
以上のようにして、所望の大きさ・形状の成形品400が形成される。
次に、図8Cに示すように、上型20が上昇して、両型10,20が開状態とされ、成形装置(下型10)から成形品400が取り出される。
こうして、所望の大きさ・形状の成形品400が製造されるのである。
なお、上記のものはあくまで本発明の数例の実施例にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
例えば、各実施例の特徴が適宜組み合わされた内容の態様で実施されることが可能である。
10 下型
20 上型
30,430 キャビティ
100,400 成形品
101 プレス成形部
102 射出成形部
P 基材
P1 メイン基材(連続繊維含有基材)
P2 サブ基材(非連続繊維含有基材)
Pa 上側の基材
Pb 下側の基材

Claims (6)

  1. 繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する方法であって、
    前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有する物を形成するのに対応した分量の前記基材が加熱された被加熱基材をプレスし、前記所望の大きさ及び形状を有する成形品よりも小さい、及び/又は、単純化した形状を有するプレス成形部を形成するプレス段階と、
    前記所望の大きさ及び形状の成形品を基準に前記プレス成形部において不足している部分について、溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して補充することによって射出補充成形部を形成する射出補充段階と
    を有する、成形方法。
  2. 請求項1に記載の成形方法であって、
    前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂は、前記基材を形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂である、
    成形方法。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の成形方法であって、
    前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂は、繊維を含有するものである、
    成形方法。
  4. 請求項3に記載の成形方法であって、
    前記射出補充段階において射出される熱可塑性樹脂に含有される繊維は、前記基材に含有される繊維と同種の繊維である、
    成形方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の成形方法であって、
    前記基材として、連続的に延びる連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる連続繊維含有基材と、非連続的に延びる非連続繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる非連続繊維含有基材の両方が使用される、
    成形方法。
  6. 繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる基材を用いて所望の大きさ及び形状の成形品を製造する装置であって、
    開閉可能な型であって、閉状態の際に形成されるキャビティにおいて、前記基材が加熱された被加熱基材をプレスする型と、
    前記キャビティに対して溶融状態の熱可塑性樹脂を射出する射出機構と
    を有する、成形装置。
JP2013018826A 2013-02-01 2013-02-01 成形方法 Active JP6151923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013018826A JP6151923B2 (ja) 2013-02-01 2013-02-01 成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013018826A JP6151923B2 (ja) 2013-02-01 2013-02-01 成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014148124A true JP2014148124A (ja) 2014-08-21
JP6151923B2 JP6151923B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=51571510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013018826A Active JP6151923B2 (ja) 2013-02-01 2013-02-01 成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6151923B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016047619A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社浅野 繊維強化樹脂成形品の製造方法及びその金型装置
WO2017164323A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 本田技研工業株式会社 Frpシートプレス成形方法及び装置、並びにfrp成形品
JP2019151382A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 トヨタ自動車株式会社 樹脂ケース
EP3584055A1 (en) 2018-06-04 2019-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Molding device and molded article manufacturing method

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62127214A (ja) * 1985-11-29 1987-06-09 Asahi Glass Co Ltd 繊維強化樹脂成形品の製法
JPH0479911A (ja) * 1990-07-20 1992-03-13 Nhk Spring Co Ltd プラスチックシートフレームおよびその製造方法
JP2008174605A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Toray Ind Inc 繊維強化樹脂
JP2010274636A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Toyota Boshoku Corp 繊維基材の製造方法
JP2012071595A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Toray Ind Inc 複合成形体の製造方法
JP2012153069A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Ono Sangyo Kk 複合体及びその製造装置及び方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62127214A (ja) * 1985-11-29 1987-06-09 Asahi Glass Co Ltd 繊維強化樹脂成形品の製法
JPH0479911A (ja) * 1990-07-20 1992-03-13 Nhk Spring Co Ltd プラスチックシートフレームおよびその製造方法
JP2008174605A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Toray Ind Inc 繊維強化樹脂
JP2010274636A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Toyota Boshoku Corp 繊維基材の製造方法
JP2012071595A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Toray Ind Inc 複合成形体の製造方法
JP2012153069A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Ono Sangyo Kk 複合体及びその製造装置及び方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016047619A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社浅野 繊維強化樹脂成形品の製造方法及びその金型装置
US10994455B2 (en) 2016-03-24 2021-05-04 Honda Motor Co., Ltd. FRP sheet press molding method and device and FRP molded article
CN108778661A (zh) * 2016-03-24 2018-11-09 本田技研工业株式会社 Frp片材冲压成型方法和装置、以及frp成型品
GB2564587A (en) * 2016-03-24 2019-01-16 Honda Motor Co Ltd FRP sheet press molding method and device and FRP molded article
US20190255746A1 (en) * 2016-03-24 2019-08-22 Honda Motor Co., Ltd. Frp sheet press molding method and device and frp molded article
CN108778661B (zh) * 2016-03-24 2020-08-11 本田技研工业株式会社 Frp片材冲压成型方法和装置、以及frp成型品
WO2017164323A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 本田技研工業株式会社 Frpシートプレス成形方法及び装置、並びにfrp成形品
GB2564587B (en) * 2016-03-24 2022-01-05 Honda Motor Co Ltd FRP sheet press molding method and device and FRP molded article
JP2019151382A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 トヨタ自動車株式会社 樹脂ケース
CN110228650A (zh) * 2018-03-05 2019-09-13 丰田自动车株式会社 树脂壳体
US11077982B2 (en) 2018-03-05 2021-08-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Resin case
JP7052428B2 (ja) 2018-03-05 2022-04-12 トヨタ自動車株式会社 樹脂ケース
EP3584055A1 (en) 2018-06-04 2019-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Molding device and molded article manufacturing method
US11298896B2 (en) 2018-06-04 2022-04-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Molding device and molded article manufacturing method

Also Published As

Publication number Publication date
JP6151923B2 (ja) 2017-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6076143B2 (ja) 成形方法及び成形装置
JP6151923B2 (ja) 成形方法
JP5369904B2 (ja) 繊維基材の製造方法
US20170157845A1 (en) Method and apparatus for increasing bonding in material extrusion additive manufacturing
US20150290850A1 (en) Injection molding method and injection molded article
US20120170280A1 (en) Illumination apparatus using a solid state source and a thick composite molded lens
CN106182798A (zh) 压铸模制法和由此模制的增强的热塑性零件
US10160166B2 (en) Production method for fiber-reinforced component
US9359013B2 (en) Resin vehicle part and method for manufacturing same
KR102189820B1 (ko) 펀칭작동이 가능한 차량패널용 사출금형
JP6792827B2 (ja) 複合成形体の製造方法
CN103649186A (zh) 热塑性树脂预浸料坯、使用其的预成型体及复合成型体、以及它们的制造方法
CN1246824A (zh) 塑料模制方法及其产品
US9168560B2 (en) Feeding mold
US8070479B2 (en) Injection mold device
CN107206640A (zh) 由一种含有纤维的材料制造一个模制体的方法及用于实现该方法的设备
US20100316755A1 (en) Mold assembly for making light guide plate
CN108621366A (zh) 一体成型方法和一体成型装置
JP6511941B2 (ja) 樹脂光学成形体及びその製造方法
JP5748105B2 (ja) 成形構造体の製造方法及び成形型
JP2016064579A (ja) 射出成形品の製造方法
JP6572822B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂構造体の製造方法
JP6569593B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂構造体の製造方法
JP2020142457A (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法及びその製造方法に用いる成形用金型
CN107848168A (zh) 复合构件和用于制造复合构件的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160204

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160212

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6151923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250