JP5192417B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
従来より、燃料タンク内にポンプモジュールを収容したインタンク式の燃料供給装置が公知である。このような燃料供給装置は、燃料タンクの上壁部に形成された開口部を塞ぐ蓋部材(フランジ)と、燃料タンク内に設置されたサブタンクと、このサブタンク内に収容されたポンプモジュールとを備えている。
ポンプモジュールは、吸入した燃料を加圧して吐出する電動フューエルポンプ(燃料ポンプ)、およびこの燃料ポンプの周囲を外周方向に取り囲むように配置された燃料フィルタを有している。
フランジには、フランジの重力方向の下面からサブタンク側に突出するように電気コネクタが設けられている。
このFPCを燃料供給装置のフランジ(燃料タンクの上壁開口を塞ぐ蓋部材)への搭載に関する従来の技術として例えば特許文献1に記載された燃料供給装置がある。
また、フランジの上面から上方側に向けて電気コネクタが延設されている。この電気コネクタは、バッテリ等の電源やエンジン制御ユニット(ECU)に複数のワイヤリード線を束ねたワイヤハーネスを経由して接続する複数のコネクタ端子部(雄ターミナル)がコネクタハウジング内に突出して設けられている。
ここで、特許文献1に記載されたFPCユニットは、回路基板上に搭載されたFPCから複数の回路(基板)端子部が延設されて、複数の導電部材の各フランジ端子部とそれぞれ溶接により接続されている。
ところが、特許文献1に記載の燃料供給装置においては、燃料タンクの上壁開口を塞ぐフランジとFPCユニットのケースとがそれぞれ必要になるという問題点がある。また、FPCの各回路端子部と複数の導電部材の各フランジ端子部とを接続する端子接続工程中に溶接工程が必要になる。
したがって、FPCをフランジに組み付ける際の組付工数が多く、製造コストを上昇させるという問題点がある。
また、蓋部材の外面から延設された筐体にポンプ制御回路を組み付ける過程で、複数の導電体毎に設けられる各導電体端子部とポンプ制御回路の複数の回路端子部とが連結する構造をとることで、ポンプ制御回路から延設された複数の回路端子部を接続する端子接続工程から溶接工程を省くことができる。
これにより、蓋部材に筐体を組み付ける作業(例えば従来の技術で実施されていたスクリューによる締結作業)を廃止することができると共に、複数の回路端子部と複数の導電体端子部とを溶接により接続する端子接続工程(例えば従来の技術で実施されていた溶接工程)を省くことができるので、蓋部材に制御ユニットを搭載した燃料供給装置の製造コストを低減することができる。
また、熱膨張係数の差による、複数の導電体端子部と複数の回路端子部との間の接触荷重の低下を防止するという目的で、制御ユニットは、蓋部材の外面から延設された筐体とこの筐体の開口部を塞ぐ蓋体との間に断熱材を配置することにより、制御ユニットのポンプ制御回路で発生する熱が、蓋部材の外面から延設された筐体を通じて、複数の導電体の各導電体端子部に伝わる(回り込む)等の不具合の発生を抑制することができる。これにより、熱膨張係数の差により複数の導電体端子部と複数の回路端子部との間の接触荷重の低下を防止することができるので、複数の導電体端子部と複数の回路端子部との間の最適な導通状態を確保することができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数の導電体は、蓋部材の外面からポンプ側に対して逆側に延設された複数の導電体端子部を有している。
ここで、例えば複数の導電体端子部の延長(延設)方向と複数の回路端子部の延長(延設)方向とを対向し、且つ複数の回路端子部の延長(延設)方向と蓋部材に設けられた筐体に対するポンプ制御回路の組み付け方向を同一方向とした場合、蓋部材に設けられた筐体にポンプ制御回路を組み付ける過程で、筐体内に突出した複数の導電体端子部と複数の回路端子部とがそれぞれ容易に連結する。
請求項5に記載の発明によれば、蓋部材の下面からポンプ側に延設されたハウジングを有する電気コネクタを備えている。そして、複数の導電体は、電気コネクタのハウジング内に突出した複数のコネクタ端子部を有している。
請求項6に記載の発明によれば、複数の導電体は、蓋部材に埋設された複数の導電プレートである。
請求項7に記載の発明によれば、複数の導電体端子部は、複数の導電体とは別体部品で構成された複数のターミナル(中継ターミナル)である。
請求項8に記載の発明によれば、複数の導電体端子部は、複数の導電体とは一体部品で構成された複数のターミナルである。
本発明は、蓋部材と筐体とを一体化させるという目的を、燃料タンクの開口部を塞ぐ蓋部材の外面から筐体を延設することで実現した。
また、ポンプ制御回路を筐体に組み付ける際に、複数の導電体端子部に複数の回路端子部を溶接する溶接工程を省くという目的を、蓋部材の外面から延設された筐体にポンプ制御回路を組み付ける過程で、複数の導電体毎に設けられる各導電体端子部とポンプ制御回路の複数の回路端子部とが連結する構造をとることで実現した。
図1、図2、図6ないし図8は本発明の実施例1を示したもので、図1は燃料供給装置を示した図で、図2は燃料供給装置のフランジを示した図である。また、図3および図4は本発明の実施例1に対する比較例1を示したもので、FPCを制御回路基板に実装したFPCユニットを示した図である。
燃料タンクの内部には、燃料を貯留する燃料貯留室が形成されている。また、燃料タンクの上壁部(自動車等の車両上下方向、重力方向の上方側に設けられるタンク上壁部)には、円形状の開口部が形成されている。
燃料供給装置は、燃料タンクの開口部を覆うように燃料タンクの上壁に取り付けられた蓋部材としてのフランジ(閉鎖部材)1と、このフランジ1に支持されて燃料タンクの燃料貯留室の内部に収容されるサブタンク2とを備えている。
フランジ1には、燃料ポンプ3に供給する供給電力を制御して消費電力を低減するための燃料ポンプコントローラユニット(燃料ポンプ制御ユニット:以下FPCユニットと言う)が設置されている。
また、第3、第4導電プレート12の一端側には、複数の雄ターミナル(第3、第4コネクタ端子部)23が形成されている。また、第3、第4導電プレート12の他端側には、複数の雄ターミナル(第3、第4フランジ端子部)24が形成されている。これらの第3、第4フランジ端子部24は、FPCケース7内に収容された複数の導電体端子部である第3、第4中継ターミナル15に接続している。
また、第5、第6導電プレート13の一端側には、複数の雄ターミナル(第5、第6フランジ端子部)25が形成されている。これらの第5、第6フランジ端子部25は、FPCケース7内に収容された複数の導電体端子部である第5、第6中継ターミナル16に接続している。また、第5、第6導電プレート13の他端側には、複数の雄ターミナル(第5、第6コネクタ端子部)が形成されている。
なお、FPCユニットの詳細は後述する。
また、第3電気コネクタ19は、フランジ1の上面および下面に一体的に形成された角筒状のコネクタハウジング(2つの第3ハウジング)を有している。これらの第3ハウジング内には、第7、第8導電プレートの第7、第8コネクタ端子部27が突出している。 なお、2つの第1、第2電気コネクタ17、18の詳細は後述する。
シャフト32は、その軸方向の一端(重力方向の上端)がフランジ1に圧入され、軸方向の他端(重力方向の下端)がサブタンク2に形成されている挿入部33(図13参照)に緩く挿入されている。
したがって、燃料タンクが温度変化による内圧の変化や燃料量の変化で膨張または収縮することで、燃料タンクの上壁部の壁面と下壁部(底部)の底面との距離が変動した場合であっても、コイルスプリング34の付勢力(スプリング荷重)によりサブタンク2の底部は燃料タンクの底部内壁(底面)に常に押し付けられるため、サブタンク2を燃料タンクの底部内壁(底面)の位置変動に追従させることができる。
ポンプモジュールは、燃料フィルタ、燃料ポンプ3およびプレッシャレギュレータ等により構成されている。燃料フィルタは、内部に円筒状のフィルタエレメントを収容するフィルタケース36を有し、燃料ポンプ3の径方向の外側を円周方向に覆っている。フィルタケース36の流入口は、燃料ポンプ3の吐出口と嵌合している。フィルタケース36の流入口内には、燃料ポンプ3に燃料が逆流することを防止する逆止弁が収容されている。フィルタエレメントは、燃料ポンプ3の吐出口より吐出される燃料中に含まれる異物を除去する。
また、燃料ポンプ3は、軸方向の両端が開口した金属製のハウジングの一端側にポンプ部が配置され、ハウジングの中間部にモータ部が配置され、ハウジングの他端面(ポンプモジュールの図示上端側)に合成樹脂製のエンドカバーが配置されている。このエンドカバーには、フランジ1の下面から図示下方側に延設された第2電気コネクタ18のコネクタ端子部に複数のワイヤリード線29を経由して接続されるコネクタ部が設けられている。
サブタンク2の燃料貯留室内に燃料を供給するジェットポンプは、燃料ポンプ3による昇圧部の途中から取り出された高圧燃料が供給され、この高圧燃料をノズルからサブタンク2の吸入口へ向けて噴出する。なお、プレッシャレギュレータから排出される余剰燃料をノズルから吸入口へ向けて噴出するようにしても良い。また、ジェットポンプは、燃料を噴出することにより発生する吸引圧によって燃料タンクの燃料貯留室内に貯留されている燃料をサブタンク2の燃料貯留室内に供給する。これにより、燃料タンクの燃料貯留室内の燃料量が減少した場合であっても、サブタンク2の燃料貯留室内は燃料で充満される。
センダゲージ4は、センサ部37、このセンサ部37側の端部を中心として回動するフロートアーム38、およびこのフロートアーム38の先端に取り付けられたフロート39等により構成されている。このフロート39は、燃料タンクの燃料貯留室内の燃料に浮遊する。
そして、センダゲージ4で検出された燃料の残量は、電気信号として複数のワイヤリード線26を経由して、第3電気コネクタ19の一端側、つまり第7、第8コネクタ端子部27からECUへ出力される。
FPCユニットは、FPC5、制御回路基板6、FPCケース7、FPCカバー8、第1〜第6導電プレート11〜13、第1〜第6中継ターミナル14〜16および2つの第1、第2電気コネクタ17、18を有している。
FPC5は、FPCケース7の中に設置されて、少なくともCPU、ROM等の機能を具備したマイクロコンピュータを実装している。CPUは、ROM等のメモリに格納された制御プログラムを実行することにより、燃料ポンプ3に供給する供給電力を可変制御する。マイクロコンピュータは、ICチップに、スイッチング素子と共に設けられている。
第1〜第6バスバーのうちの第1、第2バスバーの各屈曲部よりも一端側は、雌ターミナルである第1、第2中継ターミナル14に接続する雄ターミナルである第1、第2回路基板端子部41となっている。これらの第1、第2回路基板端子部41は、第1、第2バスバーの各屈曲部から第1、第2中継ターミナル側にそれぞれ延設されている。また、第1、第2バスバーの他端側(図示右側)は、第1、第2リード端子42を経由してFPC5に接続している。
また、第5、第6バスバーの各屈曲部よりも先端側は、雌ターミナルである第5、第6中継ターミナル16に接続する雄ターミナルである第5、第6回路基板端子部45となっている。これらの第5、第6回路基板端子部45は、第5、第6バスバーの各屈曲部から第5、第6中継ターミナル側にそれぞれ延設されている。また、第5、第6バスバーの他端側(図示右側)は、第5、第6リード端子46を経由してFPC5に接続している。
なお、第1〜第6回路基板端子部41、43、45は、FPCケース7に設けられるターミナル収納凹部47の底面から突出する第1〜第6フランジ端子部22、24、25に対応した位置に設置されている。
具体的には、ECUからの制御信号に基づいてICチップに設けられたスイッチング素子を動作させる。そして、スイッチング素子の動作により、燃料ポンプ3のモータ部に印加される供給電圧がオン、オフしてパルス状に変化する。したがって、ECUからの制御信号に基づいてパルス幅等を調節することにより、燃料ポンプ3のモータ部に印加される平均電圧が変化し、モータ部の出力(ポンプ回転速度等)が制御される。これによって、燃料ポンプ3の吐出圧力が調整されて、インジェクタを備えるデリバリバルブ内の燃料圧力が最適値に保持される。
ここで、FPC5は、スイッチング素子を動作させてパルス電圧を発生させる構成(燃料ポンプ3に印加する供給電圧のデューティ比制御)のため、スイッチング素子の動作によりノイズが発生する。このため、FPC5を実装する制御回路基板6には、FPC5のICチップで発生したノイズを吸収して、ECU側への流出を抑制するためのフィルタ回路(RC回路またはLC回路)が設けられている。フィルタ回路は、コンデンサ51、52とチョークコイル53とから構成されている。
FPCケース7の外筒壁54の上面には、開口部が形成されている。この開口部の周囲には、FPCカバー8を結合するための角環状の結合端面57が形成されている。このFPCケース7の結合端面57には、円柱状の嵌合ピン(嵌合凸部)58が複数形成されている。これらの嵌合ピン58は、FPCケース7の外筒壁54の結合端面57またはフランジ1の上面(FPCケース7の外筒壁54の側面近傍)から図示上方側に延設(突出するように設置)されている。
フランジ62には、図5に示したように、FPCケース7の結合端面57から延設された複数の嵌合ピン58が貫通する複数の嵌合孔63が形成されている。これらの嵌合孔63は、FPCカバー8のフランジ62をその板厚方向(図示上下方向)に貫通する円形状の貫通孔である。ここで、嵌合ピン58の軸線方向の先端側は、嵌合孔63を貫通してフランジ62の外面(上面)から突き出した後に熱かしめ等により潰される。これにより、FPCケース7の結合端面57にFPCカバー8が固定される。
なお、FPCケース7とFPCカバー8との結合(固定)方法として、スナップフィット結合を採用しても良い。
FPCカバー8には、熱伝導性に優れた電子部品用接着剤シート(以下接着剤シートと略す)9を介してFPC5および制御回路基板6が固定されている。この接着剤シート9の両端面には、FPC5の上面とFPCカバー8の天井面(FPC5の上面およびFPCケース7の底面に対向する対向面)との接着性に優れた接着剤が形成されている。なお、FPCカバー8の天井面に、FPC5および制御回路基板6を接着剤等により固定しても良い。この場合には、接着剤シート9が不要となる。
また、第4導電プレート12は、ワイヤハーネスおよび第1電気コネクタ17を経由してECUの入力端子に接続されて、ポンプ回転信号等をECUに出力するためのダイアグ線を構成している。これにより、第4導電プレート12の第4コネクタ端子部23および第4フランジ端子部24は、出力側ターミナル(雄ターミナル)となる。
一方、第1〜第4導電プレート11、12の第1〜第4フランジ端子部22、24は、FPCケース7のターミナル収納凹部47の底面から仕切り壁55の平面(外筒壁54の内周面に対向する対向面)に沿うようにターミナル収納凹部47内に突出している。これらの第1〜第4フランジ端子部22、24は、第1〜第4中継ターミナル14、15にそれぞれ接続している。
また、第1〜第4中継ターミナル14、15には、内方に折り返された圧接部71がそれぞれ形成されている。そして、第1〜第4中継ターミナル14、15の各圧接部71と各対向片72との間に、FPC5および制御回路基板6から延設された第1〜第4回路基板端子部41、43が挿入されると、圧接部71の圧接片がその接触荷重により第1〜第4回路基板端子部41、43を対向片72に押し付ける。
なお、第1〜第4中継ターミナル14、15の対向片72の背面に、第1〜第4フランジ端子部22、24が予め溶接等により結合されていても良い。また、第1〜第4導電プレート11、12に、第1〜第4フランジ端子部22、24および第1〜第4中継ターミナル14、15が一体的に形成されていても良い。
一方、第5、第6導電プレート13の第5、第6コネクタ端子部は、第2電気コネクタ18のコネクタハウジングの底面からコネクタハウジング内に突出している。
また、第5、第6中継ターミナル16には、内方に折り返された圧接部73が形成されている。そして、第5、第6中継ターミナル16の各圧接部73と各対向片74との間に、FPC5および制御回路基板6から延設された第5、第6回路基板端子部45が挿入されると、圧接部73の圧接片がその接触荷重により第5、第6回路基板端子部45を対向片74に押し付ける。
なお、第5、第6中継ターミナル16の対向片74の背面に、第5、第6フランジ端子部25が予め溶接等により結合されていても良い。また、第5、第6導電プレート13に、第5、第6中継ターミナル16および第5、第6フランジ端子部25が一体的に形成されていても良い。
また、第1電気コネクタ17は、フランジ1の上面に一体的に形成された角筒状のコネクタハウジング(第1ハウジング)を有している。この第1ハウジング内には、第1〜第4導電プレート11、12の一端側、つまり第1〜第4コネクタ端子部21、23が突出している。また、第1電気コネクタ17は、第1ハウジング内を各第1〜第4コネクタ端子部21、23毎に独立した空間を形成するように区画する隔壁(仕切り壁)69を有している。この仕切り壁69は、第1電気コネクタ17の第1ハウジングの底面から図示上方側に延設(突出するように設置)されている。
次に、本実施例のFPC5および制御回路基板6をフランジ1の外面に組み付ける組付方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
また、第1〜第4回路基板端子部41、43および第5、第6回路基板端子部45は、FPC5および制御回路基板6から屈曲部に至るまでフランジ1の形成方向(水平方向)に真っ直ぐに延設され、その後に屈曲部から図示下方側に向けて真っ直ぐに延設されている。
そして、FPC5、制御回路基板6およびフィルタ回路等の電子部品を固定したFPCカバー8を、フランジ1の外面に一体的に形成されたFPCケース7に組み付ける場合の組付方向は、第1〜第6回路基板端子部41、43、45を第1〜第6中継ターミナル14〜16に挿入する挿入方向(嵌合方向)と同一方向となっている。
同時に、第1〜第4フランジ端子部22、24と第1〜第4回路基板端子部41、43とを中継連結する第1〜第4中継ターミナル14、15の接触荷重により、第1〜第4導電プレート11、12の他端側に形成される第1〜第4フランジ端子部22、24と、FPC5および制御回路基板6から延設された第1〜第4回路基板端子部41、43との導通を確保することができる。
したがって、FPC5および制御回路基板6と第1〜第4導電プレート11、12との電気的な接続がなされると同時に、機械的な連結がなされる。
そして、第5、第6回路基板端子部45を、第5、第6中継ターミナル16内に挿入すると、第5、第6中継ターミナル16の圧接部73等により両側から挟み付けられる。これによって、第5、第6回路基板端子部45が第5、第6中継ターミナル16に対して接続されることにより、つまり第5、第6中継ターミナル16の圧接部73が第5、第6回路基板端子部45を圧接することにより、第5、第6中継ターミナル16と第5、第6回路基板端子部45との機械的な連結がなされる。
同時に、第5、第6回路基板端子部45と第5、第6フランジ端子部25とを中継連結する第5、第6中継ターミナル16の接触荷重により、FPC5および制御回路基板6から延設された第5、第6回路基板端子部45と、第5、第6導電プレート13の一端側に形成される第5、第6フランジ端子部25との導通を確保することができる。
したがって、FPC5および制御回路基板6と第5、第6導電プレート13との電気的な接続がなされると同時に、機械的な連結がなされる。
以上のように、本実施例の燃料供給装置においては、フランジ1の外面からFPCケース7を図示上方側に延設することで、フランジ1とFPCユニットのFPCケース7とを一体化(共通化)させることができる。つまり、フランジ1に複数の第1〜第6導電プレート11〜13を埋設し、且つFPC5、制御回路基板6およびフィルタ回路等の電子部品をFPCケース7とFPCカバー8との間に形成されるコントローラ収納部56に設置したFPCユニットを燃料タンクの開口部を塞ぐフランジ1に一体的に搭載(設置)している。
また、FPC5は、ECUから出力される制御信号に基づいて燃料ポンプ3に最適な供給電圧に与えて、燃料ポンプ3の吐出口より吐出される燃料の吐出圧力を制御している。 ここで、通常のFPCを設けない燃料供給装置では、バッテリからの電圧がそのまま燃料ポンプ3に印加されるため、消費電力が大きくなる。しかし、本実施例の燃料供給装置では、フランジ1の外面にFPCユニットを設置しているので、自動車等の車両の燃料タンク内に設置される燃料ポンプ3で消費される電力を低減することができる。
これにより、フランジ1にFPCケース7およびFPCカバー8を組み付ける作業、つまり従来の技術で実施されていたスクリューによる締結作業を廃止することができると共に、従来の技術で実施されていた複数の回路端子部と複数のフランジ端子部とを溶接により接続する溶接工程を省くことができるので、フランジ1にFPCユニットを搭載した燃料供給装置の製造コストを更に低減することができる。
それに対して、FPCケース7の結合端面57とFPCカバー8のフランジ62の結合端面との接触部に断熱性に優れた発泡樹脂シート10を配置することで、この問題を解決するようにしている。
すなわち、FPCケース7の結合端面57とFPCカバー8のフランジ62の結合端面との接触部に発泡樹脂シート10を介在させることによって、FPCカバー8からFPCケース7への熱の伝わりを防ぎ、第1〜第6中継ターミナル14〜16の圧接部71、73の圧接片の接触荷重の低下を防ぐことができる。
また、FPCユニットは、FPC5および制御回路基板6から延設された第1〜第6回路基板端子部41、43、45を雌ターミナル化している。この場合には、第1〜第6導電プレート11〜13の他端側に形成される第1〜第6フランジ端子部22、24、25が、第1〜第6回路基板端子部41、43、45に直接連結する複数の導電体の各導電体端子部となり、第1〜第6中継ターミナル14〜16を廃止することができる。これにより、FPCユニットの端子部を構成する部品点数や組付工数を削減できるので、フランジ1にFPCユニットを搭載した燃料供給装置の製造コストを更に低減することができる。
また、FPC5および制御回路基板6から延設された第1〜第6回路基板端子部41、43、45が雌ターミナルの場合でも、FPCケース7の結合端面57とFPCカバー8のフランジ62の結合端面との接触部に断熱性に優れた発泡樹脂シート10を配置することで、実施例2と同様に、第1〜第6回路基板端子部41、43、45の接触荷重の低下を防ぐことができる。
また、FPCユニットは、第1〜第6導電プレート11〜13の他端側に形成される第1〜第6フランジ端子部22、24、25を雌ターミナル化している。この場合には、FPCケース7のターミナル収納凹部47の底面からFPCカバー側(FPC側または制御回路基板側)に突出する第1〜第6フランジ端子部22、24、25が、FPC5および制御回路基板6から延設された第1〜第6回路基板端子部41、43、45に直接連結する複数の導電体の各導電体端子部となり、第1〜第6中継ターミナル14〜16を廃止することができる。これにより、FPCユニットの端子部を構成する部品点数や組付工数を削減できるので、フランジ1にFPCユニットを搭載した燃料供給装置の製造コストを更に低減することができる。
また、第1〜第6導電プレート11〜13の第1〜第6フランジ端子部22、24、25が雌ターミナルの場合でも、FPCケース7の結合端面57とFPCカバー8のフランジ62の結合端面との接触部に断熱性に優れた発泡樹脂シート10を配置することで、実施例2と同様に、第1〜第6回路基板端子部41、43、45の接触荷重の低下を防ぐことができる。
本実施例のFPCユニットは、実施例1〜3と同様にして、燃料タンクの開口部を塞ぐフランジ1に一体的に設置されている。
また、FPCユニットは、FPCケース7とFPCカバー8との間にコントローラ収納部56を有している。このコントローラ収納部56内には、IC(集積回路)、コンデンサ51、52、チョークコイル53を搭載した制御回路基板6が収容されている。
ICは、燃料ポンプ3に供給する電力を制御するポンプ制御回路(FPC)およびセンダゲージ(液面検出装置)4の作動を制御すると共に、センダゲージ4からの検出信号を処理するセンダゲージ制御回路を1パッケージに収容している。IC等の電子部品の上面には、複数の放熱フィン64が形成されたFPCカバー8に接着剤シート9を介して接触している。
本実施例では、燃料タンク内に設置されるサブタンク2の内部に、少なくとも燃料ポンプ3を有するポンプモジュールを収容しているが、燃料タンクの内部に、直接ポンプモジュールを収容しても良い。
本実施例では、フランジ1の上面に第1、第3電気コネクタ17、19を別々に設置しているが、第1、第3電気コネクタ17、19を一体化しても良い。
本実施例では、フランジ1の下面に第2、第3電気コネクタ18、19を別々に設置しているが、第2、第3電気コネクタ18、19を一体化しても良い。
2 サブタンク
3 ポンプモジュールの燃料ポンプ(電動フューエルポンプ)
4 センダゲージ
5 FPC(ポンプ制御回路)
6 制御回路基板
7 FPCケース(筐体、ハウジング)
8 FPCカバー(ハウジング)
9 FPCユニットの接着剤シート
10 FPCユニットの発泡樹脂シート(断熱体)
11 第1、第2導電プレート
12 第3、第4導電プレート
13 第5、第6導電プレート
14 第1、第2中継ターミナル
15 第3、第4中継ターミナル
16 第5、第6中継ターミナル
17 第1電気コネクタ
18 第2電気コネクタ
19 第3電気コネクタ
21 第1、第2導電プレートの第1、第2コネクタ端子部
22 第1、第2導電プレートの第1、第2フランジ端子部(導電体端子部)
23 第3、第4導電プレートの第3、第4コネクタ端子部
24 第3、第4導電プレートの第3、第4フランジ端子部(導電体端子部)
25 第5、第6導電プレートの第5、第6フランジ端子部(導電体端子部)
26 ワイヤリード線
29 ワイヤリード線
41 第1、第2回路基板端子部(回路端子部)
42 第1、第2リード端子
43 第3、第4回路基板端子部(回路端子部)
44 第3、第4リード端子
45 第5、第6回路基板端子部(回路端子部)
46 第5、第6リード端子
69 第1電気コネクタの仕切り壁(隔壁)
Claims (9)
- 燃料タンクに貯留された燃料を内燃機関に供給する燃料供給装置において、
(a)前記燃料タンクの開口部を塞ぐ蓋部材と、
(b)前記燃料タンク内に収容された燃料ポンプと、
(c)この燃料ポンプに供給する電力を制御するポンプ制御回路を有する制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記蓋部材の外面からポンプ側に対して逆側に延設されて、開口部が形成された有底筒状の筐体、この筐体の開口部を塞ぐ蓋体、前記筐体と前記蓋体との間に配置された断熱材、および前記蓋部材に埋設された複数の導電体を有し、
前記複数の導電体は、前記筐体内に収容された複数の導電体端子部を有し、
前記ポンプ制御回路は、このポンプ制御回路を前記筐体に組み付ける過程で、前記複数の導電体端子部とそれぞれ連結する複数の回路端子部を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1に記載の燃料供給装置において、
前記複数の回路端子部は、前記ポンプ制御回路から前記複数の導電体端子部側に延設されていることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置において、
前記複数の導電体端子部は、前記蓋部材の外面からポンプ側に対して逆側に延設されていることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記蓋部材の外面からポンプ側に対して逆側に延設されたハウジングを有する電気コネクタを備え、
前記複数の導電体は、前記電気コネクタのハウジング内に突出した複数のコネクタ端子部を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記蓋部材の下面からポンプ側に延設されたハウジングを有する電気コネクタを備え、 前記複数の導電体は、前記電気コネクタのハウジング内に突出した複数のコネクタ端子部を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記複数の導電体は、前記蓋部材に埋設された複数の導電プレートであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記複数の導電体端子部は、前記複数の導電体とは別体部品で構成された複数のターミナルであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記複数の導電体端子部は、前記複数の導電体とは一体部品で構成された複数のターミナルであることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の燃料供給装置において、
前記筐体は、前記開口部の周囲に環状の結合端面を有し、
前記蓋体は、前記筐体の結合端面上に設置される環状のフランジを有し、
前記断熱体は、前記筐体の結合端面と前記蓋体のフランジとの接触部に配置されていることを特徴とする燃料供給装置。
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