JP5190629B2 - 作業車両の制動装置 - Google Patents

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本発明は、フォークリフト等の作業車両に関し、特に作業車両の制動装置に関する。
フォークリフトには、作業機としてのマストおよびフォークが設けられている。作業機操作レバーの操作に応じて作業機が駆動されマストがチルトされたりフォークがリフトされたりして、フォークに載せられた積荷の位置、姿勢が変化される。
フォークリフトの制動装置には、従来より、特許文献1にみられるごとく、湿式多板ディスクブレーキがホイールブレーキとして採用されていた。すなわち、ブレーキペダルを踏み込むと、増幅されたブレーキ圧が配管を通じてピストンに作用し、ピストンによってブレーキディスクが押圧され、ブレーキディスクの回転が止まり、これに伴いブレーキディスクに連結されている車輪の回転が止まるように制動装置が構成されている。
特開2002-337672号公報
フォークリフトは、フォーク上に積荷を載せる構造上、ホイールローダなどの他の作業車両に比較して、車体に衝撃が加わると積荷が落下し易い。このため、制動装置には、積荷がフォークから落下することを回避するための性能が要求される。すなわち、ブレーキペダルを不用意に強く踏み込んだとしても、急激にブレーキ圧が上昇しないという特性が制動装置に要求される。
図1のL1は、従来の湿式多板ディスクブレーキの特性を示す。横軸はブレーキペダルのストロークSであり、縦軸はブレーキ圧Pである。同図1の特性L1にて示すように、ブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキの効き始めのストロークS0付近から急激にブレーキ圧Pが立ち上がる。このため、フォーク上の積荷が落下するおそれがあったり、車体やオペレータにショックを与えるおそれがあり、作業効率上や操作感覚上、望ましいものではなかった。
ここで、ブレーキ圧Pの急上昇を回避するために作動油の流量を絞るということが考えられる。しかし、そのように構成すると、作業車両に必要な最低限の制動性能が得られないおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、作業車両に必要な制動性能を確保しつつ、急激にブレーキ圧が立ち上がらない特性の制動装置を提供することを解決課題とするものである。
第1発明は、
ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ弁を作動させ、ブレーキ弁から作動油をブレーキシリンダのブレーキ油室に供給し、ブレーキシリンダのブレーキ油室に供給された作動油によりブレーキシリンダ内のブレーキピストンを作動させ、ブレーキピストンをブレーキディスクに押し付けてブレーキを作動させる作業車両の制動装置において、
ブレーキ弁とブレーキシリンダのブレーキ油室との間の油路に、
ブレーキ弁から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室に供給する流量制御手段であって、ブレーキ弁からの供給作動油量がしきい値に達した時点でブレーキ油室への供給を停止する第1の流量制御手段と、
ブレーキ弁から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室に供給する第2の流量制御手段と
が備えられていること
を特徴とする。
第2発明は、
ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ弁を作動させ、ブレーキ弁から作動油をブレーキシリンダのブレーキ油室に供給し、ブレーキシリンダのブレーキ油室に供給された作動油によりブレーキシリンダ内のブレーキピストンを作動させ、ブレーキピストンをブレーキディスクに押し付けてブレーキを作動させる作業車両の制動装置において、
ブレーキ弁とブレーキシリンダのブレーキ油室との間の油路に、ブレーキ油量制御弁が設けられ、
このブレーキ油量制御弁は、
ブレーキ弁に連通する入口ポートと、
ブレーキシリンダのブレーキ油室に連通する出口ポートと、
入口ポートに供給される作動油によって作動するピストンと、
ピストンと出口ポートとの間に形成された油量調整室と、
油量調整室内の作動油を出口ポートに供給する絞りであって、ピストンが所定ストロークに達した時点で閉じられる第1の絞りと、
第1の絞りよりも開口面積が小さく設定され、油量調整室内の作動油を出口ポートに供給する第2の絞りと
を備えていること
を特徴とする。
第3発明は、第2発明において、
入口ポートから出口ポートへ向う作動油の流れのみを許容するチェック弁が設けられていること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明、第2発明、第3発明において、
作業車両は、フォークリフトであること
を特徴とする。
まず、第2発明について説明する。
第2発明では、図2に示すように、ブレーキ弁6とブレーキシリンダ31のブレーキ油室32との間の油路に、ブレーキ油量制御弁としてのスラックアジャスタ20が設けられる。
このスラックアジャスタ20は、図4に示すように、ブレーキ弁6に連通する入口ポート20aと、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に連通する出口ポート20bと、入口ポート20aに供給される作動油によって作動するピストン21と、ピストン21と出口ポート20bとの間に形成された油量調整室120と、油量調整室120内の作動油を出口ポート20bに供給する絞りであって、ピストン21が所定ストロークに達した時点で閉じられる第1の絞り22と、第1の絞り22よりも開口面積が小さく設定され、油量調整室120内の作動油を出口ポート20bに供給する第2の絞り23とを含んで構成されている。
第3発明では、更に、入口ポート20aから出口ポート20bへ向う作動油の流れのみを許容するチェック弁24を備えている。
第2発明によれば、図5(a)に示すように、ブレーキペダル7を踏み込むと、油量調整室120内の作動油は、第1の絞り22を通過して出口ポート20bに供給される。このため第1の絞り22の開口面積に応じた大流量の作動油が油路8を介して、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に供給される。そして、図5(b)に示すように、ブレーキペダル7の踏み込みを継続し、ピストン21が所定ストローク(たとえばピストン21のフルストロークの手前3mm)に達すると、その時点で第1の絞り22は、(スプール29によって)閉じられる。この時点以降、油量調整室120内の作動油は、第2の絞り23を通過して出口ポート20bに供給されるようになる。このため第2の絞り23の開口面積に応じた流量の作動油が油路8を介して、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に供給される(クッション機能)。
よって図1の特性L2にて示すように、ブレーキペダル7を踏み込むと、ブレーキの効き始めのストロークS0からリニアに、つまりストロークSの増加にほぼ比例してブレーキ圧Pが立ち上がる。このため、フォーク上の積荷を落下させることなく、また車体やオペレータにショックを与えることなく、安定して車両を停止させることができる。これにより従来のものに比較して作業効率が向上するとともに操作感覚が向上する。しかも、ブレーキ圧Pの大きさは、車両を停止させるのに十分な大きさであり、十分な制動性能が得られる(クッション機能)。
第3発明によれば、図5(c)に示すように、更にブレーキペダル7の踏み込みを継続して、ピストン21をストロークさせると、作動油供給室26の圧力がチェック弁24の開弁圧に達し、チェック弁24の入口ポート24a、出口ポート24bの圧力が一定となる。このときブレーキディスク34の磨耗によって油量調整室120および油路8およびブレーキ油室32内の油量がブレーキピストン33を作動させるに不十分な量であれば、チェック弁24の入口ポート24aから出口ポート24bに向けて作動油が通過し、油量調整室120に作動油が補給される。ブレーキペダル7が戻されると、ブレーキ弁6は、作動油排出位置6b側に移動される(図2)。これにより図5(d)、(e)に示すように、作動油供給室26へ作動油が供給されなくなり、作動油供給室26がタンク11に連通するようになるため、チェック弁24が閉弁側に作動するとともに、ピストン21はスプリング27を圧縮しながら戻る。チェック弁24が閉弁するまでに油量調整室120内に必要な油量が補給されることになる(スラックアジャスタ機能)。
本発明によれば、ブレーキディスク34が磨耗したとしても、その磨耗に応じた分の油量をチェック弁24を介して油量調整室120へ補給するようにしているため、ブレーキピストン33の戻り量(ディスククリアランス38)が常に一定となり、新品時から変わらない安定したブレーキ効き応答性を確保することができる。図1で示すと、ブレーキの効き始めのストロークS0が常に一定となる。
本発明は、図2の構成のものに限定されるわけではない。
本発明の装置としては、 ブレーキ弁6とブレーキシリンダ31のブレーキ油室32との間の油路に、下記のような第1の流量制御手段、第2の流量制御手段を備えた構成の装置であればよい。
・ 第1の流量制御手段
ブレーキ弁6から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室32に供給する流量制御手段であって、ブレーキ弁6からの供給作動油量が第1のしきい値に達した時点でブレーキ油室32への供給を停止する。
・第2の流量制御手段
第1の流量制御手段よりも小さい流量の作動油を、ブレーキ弁6から供給される作動油量の増加に応じて、ブレーキ油室32に供給する(第1発明)。
なお、ブレーキ操作子は、ペダル以外の操作子であってもよい。
また、本発明が適用される作業車両は、フォークリフトであってもよく(第4発明)、フォークリフト以外の作業車両であってもよい。
以下、図面を参照して本発明に係る作業車両の制動装置の実施の形態について説明する。
図2は、実施形態の作業車両の制動装置の構成を示す。なお、実施形態では、作業車両としてフォークリフトを想定している。
同図2に示すように、エンジン1の出力軸は、PTO軸2を介して、固定容量型油圧ポンプ3の駆動軸に連結されている。
固定容量型油圧ポンプ3の吐出口3aは、油路4に連通している。油路4は、アキュムレータ5に連通しているとともに、ブレーキ弁6のポンプポート6Pに連通している。
ブレーキ弁6には、ブレーキペダル7が接続されている。ブレーキ弁6は、作動油供給位置6a、作動油排出位置6bを備えている。ブレーキ弁6のタンクポート6Tは、タンク11に連通している。ブレーキ弁6のディスク側ポート6Dは、油路17に連通している。
油路17は、2つの油路17L、17Rに分岐されている。油路17L、17Rは、車体の左右の車輪10L、10Rに対応して設けられている。
各油路17L、17Rはそれぞれブレーキ油量制御弁であるスラックアジャスタ20、20の入口ポート20a、20aに連通している。
スラックアジャスタ20、20の出口ポート20b、20bはそれぞれ、油路8、8を介して湿式多板ディスクブレーキ30のブレーキシリンダ31、31のブレーキ油室32、32に連通している。
ブレーキピストン33、33はそれぞれ、ブレーキディスク34、34を押圧自在に配置されている。
ブレーキディスク34、34はそれぞれ、車体左右の車軸9L、9Rに結合されている。
左右の車軸9L、9Rにはそれぞれ、左右の車輪10L、10Rが結合されている。
図3は、湿式多板ディスクブレーキ30の構成を拡大して示す。図3(a)は、ブレーキ作動時の状態を示す図で、図3(b)は、ブレーキ開放時の状態を示す図である。なお、図3は、車体左右のうち片側、たとえば左側車軸10Lの湿式多板ディスクブレーキ30を示している。
同図3に示すように、湿式多板ディスクブレーキ30は、ブレーキシリンダ31と、ブレーキシリンダ31内に形成され、油路8に連通するブレーキ油室32と、ブレーキシリンダ31内で摺動自在に移動するブレーキピストン33と、ブレーキピストン33により押圧され、車軸9L(右側の場合は車軸9R)に結合されているブレーキディスク34、34と、ブレーキディスク34を挟むように配置されたインナリング35およびアウタリング36と、インナリング35とアウタリング36の間あるいはブレーキピストン33とインナリング35の間に介在されたスプリング37、37を含んで構成されている。右側の車軸9Rの湿式多板ディスクブレーキ30も同様に構成されている。
よって、ブレーキペダル7を踏み込むと、作動油が油路8を介してブレーキ油室32に供給され、ブレーキピストン33がブレーキディスク34に向けて摺動する。これによりブレーキディスク34がブレーキピストン33によって押圧され、ブレーキディスク34の回転が止まる。よって、車軸9L、9Rの回転が止まり、これに応じて車輪10L、10Rの回転が止まる(ブレーキ作動時;図3(a)参照)。
ブレーキペダル7を戻すと、作動油が油路8を介してブレーキ油室32に供給されなくなるため、スプリング37の復元力によってブレーキピストン33がブレーキディスク34から離れる方向に摺動する。これによりブレーキピストン33とブレーキディスク34の間およびインナリング35とブレーキディスク34の間およびアウタリング36とブレーキディスク34の間に隙間(ディスククリアランス)38ができて、ブレーキディスク34が回転が自由な状態になる(ブレーキ開放時;図3(b)参照)。
つぎに、図4を併せ参照してスラックアジャスタ20について説明する。なお、図4は、車体左右のうち片側、たとえば左側の車軸9Lの湿式多板ディスクブレーキ30に対応するスラックアジャスタ20を示している。
スラックアジャスタ20は、つぎの2つの機能を備えている。
(クッション機能)
従来にあっては、図1で特性L1にて説明したように、ブレーキペダル7の急踏み込み時等に発生するピーク圧によって、「ガク効き」、「バックラッシ音」等が発生する。こうしたピーク圧を抑制する方法としては、通常、ブレーキ弁6よりも下流の油圧配管内に絞り又はダンピング機能部品(AOC等)を設置することで、ブレーキ油室32への作動油の供給を緩やかにするのが一般的である。しかし、このような方法を採用するとブレーキの効きの応答性の低下は避けられない。よって、車両として必要とされるブレーキの効きの応答性を確保しつつピーク圧抑制効果とのバランスをみて、絞り量を決定する必要がある。しかし、中小型フォークリフト等の場合には、高いブレーキ効き応答性が要求されるため、ピーク圧抑制とブレーキ効き応答性の両立は困難である。そこで、スラックアジャスタ20としての後述するスラックアジャスタ機能を維持しつつ、制動時にブレーキディスク34同士の接触直前から流量を制御し、最初は大流量を供給し次に小流量に切り換えるように流量を調整することで、ブレーキ効き応答性の低下を最小限に留めピーク圧(バックラッシ音)を抑制するようにしている。
(スラックアジャスタ機能)
湿式多板ディスクブレーキ30は、環境への配慮やメンテナンスフリーの観点から建設機械、産業機械を問わず多くの車種に採用されている。湿式多板ディスクブレーキ30は、使用を継続すると新品時に比べてブレーキディスク34が磨耗して、ブレーキディスク34との間の隙間(ディスククリアランス)38が拡大、増加する。このため制動に必要な作動油量が増え、ブレーキ効きの応答性に大きな影響を与える。また、車体の左右若しくは前後のディスク磨耗量がばらつくと、ブレーキ片効き等の不具合の発生も予測される。そこで、スラックアジャスタ20を設け、後述するチェック弁(24)を介して油量調整室120へ油量を補給することにより、ブレーキディスク34の磨耗によりディスククリアランス38の拡大が生じた際に、ブレーキピストン33の戻り量(ディスククリアランス38)を一定にし、新品時から変わらない安定したブレーキ効き応答性を確保するものである。
スラックアジャスタ20は、大きくは、油路17L(右側の場合は油路17R)を介してブレーキ弁6に連通する入口ポート20aと、油路8を介してブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に連通する出口ポート20bと、入口ポート20aに供給される作動油によって作動するピストン21と、ピストン21と出口ポート20bとの間に形成された油量調整室120と、油量調整室120内の作動油を出口ポート20bに供給する絞りであって、ピストン21が所定ストロークに達した時点で閉じられる第1の絞り22と、第1の絞り22よりも開口面積が小さく設定され、油量調整室120内の作動油を出口ポート20bに供給する第2の絞り23と、入口ポート20aから出口ポート20bへ向う作動油の流れのみを許容するチェック弁24とを含んで構成されている。
すなわち、スラックアジャスタ20のボディ20cには、シリンダ25が形成されている。シリンダ25には、ピストン21が摺動自在に配設されている。シリンダ25は、ピストン21によって、油量調整室120と作動油供給室26とに画成されている。
作動油供給室26は、入口ポート20aに連通している。
作動油供給室26には、スプリング27が配置されている。スプリング27は、油量調整室120に対向するようにピストン21に当接されている。
油量調整室120には、シリンダ28とスプール29が設けられている。
シリンダ28は、内側が中空で両端が開放端となる筒状に形成されている。シリンダ28は、その一端がボディの出口ポート20b側に固定され、他端がピストン21に当接可能となり、シリンダ28の内側中空部が出口ポート20bに連通するように配置されている。シリンダ28の壁には、第1の絞り22と、第2の絞り23への案内油路28aが形成されている。
スプール29は、シリンダ28の内側に配置されている。
スプール29は、内側が中空で一端が開放端となり、他端が閉塞端となる筒状に形成されている。
スプール29は、大径部29Bと小径部29Cとからなる。小径部29Cの壁には、第2の絞り23が形成されている。スプール29の大径部29Bは、シリンダ28の内側面に摺動できる径に形成されている。
スプール29は、その閉塞端がピストン21に当接可能となるように配置されている。スプール29の内側中空部には、スプリング29aが配設されている。
チェック弁24の入口ポート24aは、スラックアジャスタ20の入口ポート20aに連通している。チェック弁24の出口ポート24bは、スラックアジャスタ20の油量調整室120に連通している。
以下、図2に図5を併せ参照して、本実施形態の装置の動作について説明する。
図2に示すように、エンジン1が駆動されると、油圧ポンプ3の吐出口3aから作動油が油路4を介してアキュムレータ5に供給され、アキュムレータ5に作動油が蓄圧される。
(ブレーキペダル7が踏み込まれていないとき)
ブレーキ弁6は、作動油排出位置6bに位置されている。このためスラックアジャスタ20の作動油供給室26は、タンク11に連通している。このためピストン21は、両スプリング27、29aのばね力および作動油供給室26、油量調整室120内の低圧がバランスする位置にあり、油量調整室120は、最大容量となる位置まで戻されている。
油量調整室120および油路8およびブレーキ油室32内には、ブレーキピストン33の作動に必要な量の作動油が蓄えられている。ここで、油量調整室120および油路8およびブレーキ油室32内の油量は、ブレーキピストン33の戻り量を規定し、ブレーキディスク34との間の隙間(ディスククリアランス38;図3(b)参照)を規定する。
なお、チェック弁24があるため、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32内の作動油がタンク11に排出されてしまうことが阻止される。
(ブレーキペダル7の踏み込み時;ブレーキ作動時)
ブレーキペダル7が踏み込まれると、ブレーキ弁6は作動油供給位置6a側に移動する。これにより作動油がブレーキ弁6のポンプポート6Pからディスク側ポート6Dに流れ、油路17、分岐油路17L、17Rを介してスラックアジャスタ20、20の入口ポート20a、20aに供給される。
このため図5(a)に示すように、作動油は、スラックアジャスタ20の作動油供給室26に流入し、スプリング27を伸長させるとともにスプリング29aを縮退させて、ピストン21を、油量調整室120が縮減する方向に押出す。よってピストン21のストロークに追従してスプール29がシリンダ28内をストロークする。これにより油量調整室120内の作動油は、第1の絞り22を通過して出口ポート20bに供給される。このため第1の絞り22の開口面積に応じた大流量の作動油が油路8を介して、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に供給される。
よって、図3(a)で述べたようにブレーキが作動する。
図5(b)に示すように、ブレーキペダル7の踏み込みを継続し、ピストン21が所定ストローク(たとえばピストン21のフルストロークの手前3mm)に達すると、その時点で第1の絞り22は、スプール29の大径部29Bにより閉じられる。この時点以降、油量調整室120内の作動油は、直接あるいはシリンダ28の壁の案内油路28aを介して第2の絞り23を通過して出口ポート20bに供給されるようになる。このため第2の絞り23の開口面積に応じた小流量の作動油が油路8を介して、ブレーキシリンダ31のブレーキ油室32に供給される。よって、図3(a)で述べたブレーキ作動が継続する。なお、第2の絞り23は、第1の絞り22が遮断される前より開放されているが、その時点では流入抵抗の大きさの相違により、作動油の殆どは第1の絞り22を通過し、第2の絞り23を殆ど通過しない(クッション機能)。
図5(c)に示すように、更にブレーキペダル7の踏み込みを継続して、ピストン21をストロークさせると、作動油供給室26の圧力がチェック弁24の開弁圧に達し、チェック弁24の入口ポート24a、出口ポート24bの圧力が一定となる。このときブレーキディスク34の磨耗によって油量調整室120および油路8およびブレーキ油室32内の油量がブレーキピストン33を作動させるに不十分な量であれば、チェック弁24の入口ポート24aから出口ポート24bに向けて作動油が通過し、油量調整室120に作動油が補給される。
(ブレーキペダル7の戻し時;ブレーキ開放時)
ブレーキペダル7が戻されると、ブレーキ弁6は、作動油排出位置6b側に移動される。これにより図5(d)、(e)に示すように、作動油供給室26へ作動油が供給されなくなり、作動油供給室26がタンク11に連通するようになるため、チェック弁24が閉弁側に作動するとともに、スプリング29aのばね力と油量調整室120内の圧力が、スプリング27のばね力と作動油供給室26の圧力に打ち勝ち、ピストン21はスプリング27を圧縮しながら戻る。チェック弁24が閉弁するまでに油量調整室120内に必要な油量が補給されることになる(スラックアジャスタ機能)。
つぎに、図1を参照して、本実施形態装置による効果について説明する。
図1の特性L2は、本実施形態装置の湿式多板ディスクブレーキの特性を示す。
同図1の特性L2にて示すように、ブレーキペダル7を踏み込むと、ブレーキの効き始めのストロークS0付近からリニアに、つまりストロークSの増加にほぼ比例してブレーキ圧Pが立ち上がる。このため、フォーク上の積荷を落下させることなく、また車体やオペレータにショックを与えることなく、安定して車両を停止させることができる。これにより従来のものに比較して作業効率が向上するとともに操作感覚が向上する。しかも、ブレーキ圧Pの大きさは、車両を停止させるのに十分な大きさであり、十分な制動性能が得られる(クッション機能)。
さらに、本実施例によれば、ブレーキディスク34が磨耗したとしても、その磨耗に応じた分の油量をチェック弁24を介して油量調整室120へ補給するようにしているため、ブレーキピストン33の戻り量(ディスククリアランス38)が常に一定となり、新品時から変わらない安定したブレーキ効き応答性を確保することができる。図1で示すとブレーキの効き始めのストロークS0が常に一定となる。
またアキュムレータ5を備えているため、たとえエンジン1等が故障したとしても、アキュムレータ5に蓄圧された作動油で湿式多板ディスクブレーキ30を作動させることができる。
アキュムレータ5を備える場合、ブレーキディスク34の磨耗を見込んだ大容量のものを備える必要がある。しかし、本実施例によれば、ブレーキディスク34が磨耗したときでもブレーキシリンダ31のブレーキ油室32内に常に一定の保持圧がかかり、ブレーキペダル7を踏み込んだときのフィーリングが磨耗前と変わらず、ブレーキディスク34を押し付けるストロークも一定に保つことができるため、アキュムレータ5としては、磨耗を想定した容量大のものを備える必要がなく、アキュムレータ5をコンパクトかつ低コストに抑えることができるようになる。
以上、実施形態では、図2の装置構成を前提として説明した。
しかし、本発明は、図2の構成のものに限定されるわけではない。
本実施形態の装置としては、 ブレーキ弁6とブレーキシリンダ31のブレーキ油室32との間の油路に、下記のような第1の流量制御手段、第2の流量制御手段を備えた構成の装置であればよい。
・ 第1の流量制御手段
ブレーキ弁6から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室32に供給する流量制御手段であって、ブレーキ弁6からの供給作動油量が第1のしきい値に達した時点でブレーキ油室32への供給を停止する。
・第2の流量制御手段
第1の流量制御手段よりも小さい流量の作動油を、ブレーキ弁6から供給される作動油量の増加に応じて、ブレーキ油室32に供給する。
なお、実施形態では、ブレーキ操作子は、ペダルとしているが、ペダル以外の操作子であってもよい。
また、実施形態では、作業車両としてフォークリフトを想定しているが、本発明が適用される作業車両は、フォークリフト以外の作業車両であってもよく、建設機械、産業機械を問わず広く適用することができる。
図1は、従来および本実施形態の湿式多板ディスクブレーキの各特性を対比して示すグラフである。 図2は、実施形態の作業車両の制動装置の構成を示した図である。 図3は、湿式多板ディスクブレーキの構成を拡大して示す図で、図3(a)は、ブレーキ作動時の状態を示す図で、図3(b)は、ブレーキ開放時の状態を示す図である。 図4は、車体左右のうち片側、たとえば左側の車軸の湿式多板ディスクブレーキに対応するスラックアジャスタを示した図である。 図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、図4に示すスラックアジャスタの動作を時系列的に示す図である。
符号の説明
6 ブレーキ弁、7 ブレーキペダル、20 スラックアジャスタ、20a、入口ポート、20b 出口ポート、21 ピストン、22 油量調整室120 第1の絞り、23
第2の絞り、24 チェック弁、30 湿式多板ディスクブレーキ、31 ブレーキシリンダ、32 ブレーキ油室、33 ブレーキピストン、34 ブレーキディスク

Claims (4)

  1. ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ弁を作動させ、ブレーキ弁から作動油をブレーキシリンダのブレーキ油室に供給し、ブレーキシリンダのブレーキ油室に供給された作動油によりブレーキシリンダ内のブレーキピストンを作動させ、ブレーキピストンをブレーキディスクに押し付けてブレーキを作動させる作業車両の制動装置において、
    ブレーキ弁とブレーキシリンダのブレーキ油室との間の油路に、
    ブレーキ弁から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室に供給する流量制御手段であって、ブレーキ弁からの供給作動油量がしきい値に達した時点でブレーキ油室への供給を停止する第1の流量制御手段と、
    ブレーキ弁から供給される作動油量の増加に応じて、作動油をブレーキ油室に供給する第2の流量制御手段と
    が備えられていること
    を特徴とする作業車両の制動装置。
  2. ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ弁を作動させ、ブレーキ弁から作動油をブレーキシリンダのブレーキ油室に供給し、ブレーキシリンダのブレーキ油室に供給された作動油によりブレーキシリンダ内のブレーキピストンを作動させ、ブレーキピストンをブレーキディスクに押し付けてブレーキを作動させる作業車両の制動装置において、
    ブレーキ弁とブレーキシリンダのブレーキ油室との間の油路に、ブレーキ油量制御弁が設けられ、
    このブレーキ油量制御弁は、
    ブレーキ弁に連通する入口ポートと、
    ブレーキシリンダのブレーキ油室に連通する出口ポートと、
    入口ポートに供給される作動油によって作動するピストンと、
    ピストンと出口ポートとの間に形成された油量調整室と、
    油量調整室内の作動油を出口ポートに供給する絞りであって、ピストンが所定ストロークに達した時点で閉じられる第1の絞りと、
    第1の絞りよりも開口面積が小さく設定され、油量調整室内の作動油を出口ポートに供給する第2の絞りと
    を備えていること
    を特徴とする作業車両の制動装置。
  3. 入口ポートから出口ポートへ向う作動油の流れのみを許容するチェック弁が設けられていること
    を特徴とする請求項2記載の作業車両の制動装置。
  4. 作業車両は、フォークリフトであること
    を特徴とする請求項1、2、3に記載の作業車両の制動装置。
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