JP5189757B2 - 帯電防止フィルム - Google Patents

帯電防止フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5189757B2
JP5189757B2 JP2006318274A JP2006318274A JP5189757B2 JP 5189757 B2 JP5189757 B2 JP 5189757B2 JP 2006318274 A JP2006318274 A JP 2006318274A JP 2006318274 A JP2006318274 A JP 2006318274A JP 5189757 B2 JP5189757 B2 JP 5189757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
antistatic
resins
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006318274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008132605A (ja
Inventor
武 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DNP Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
DNP Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DNP Fine Chemicals Co Ltd filed Critical DNP Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2006318274A priority Critical patent/JP5189757B2/ja
Publication of JP2008132605A publication Critical patent/JP2008132605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5189757B2 publication Critical patent/JP5189757B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、帯電防止フィルムに関し、更に詳しくは、カーボンナノチューブを含有する特定の組成の帯電防止層を有する帯電防止フィルムに関する。
帯電防止フィルムは、少なくともその片面に帯電防止層が形成されている。この帯電防止層を形成させるためには、基材に蒸着させる乾式法、基材に塗布する湿式法がある。乾式法は減圧システム等の複雑な設備が必要となり生産性が低いが、湿式法では比較的単純な装置でよく、生産性も高く、連続的又は大型基板への適用も容易である。
湿式法による帯電防止フィルムは、基材の片面に、アルミニウム、スズ等の金属微粒子や酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)等の金属酸化物微粒子、金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子、導電性カーボン等の導電材を含有した帯電防止層を設けている。
帯電防止フィルムに十分な帯電防止性能を発現させるためには、上記導電材が互いに近接又は接触していなければならず、帯電防止層中に、上記微粒子等の導電材を相当量存在させる必要がある。しかしながら、湿式法では、上記帯電防止層中に、基材に対して密着性を良くするためのバインダー樹脂や分散性を良くするための分散剤を含有させなければならず(特許文献1)、本来の導電材の持つ導電性能を低下させてしまうという問題点があった。
特開2006−054377号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、透明性、電気特性、密着性等に優れ、従来の導電材より大幅に少ない存在量であっても帯電防止性能を発現できる帯電防止フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カーボンナノチューブを含有する特定の組成の帯電防止層を使用することによって、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材上に帯電防止層を有する帯電防止フィルムであって、該帯電防止層がカーボンナノチューブ(A)、分散剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する分散液を塗布してなることを特徴とする帯電防止フィルムを提供するものである。
また、本発明は、上記帯電防止フィルム製造用のカーボンナノチューブ分散液を提供するものである。
本発明によれば、湿式法であるにもかかわらず密着性に優れ、大幅に少ない導電材存在量で帯電防止性能を発現でき、透明性と電気特性が両立された帯電防止フィルムを提供することができる。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意に変形して実施することができる。
本発明の帯電防止フィルムは、カーボンナノチューブ(A)、分散剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する分散液を、基材上に塗布してなる帯電防止層を有する。
<カーボンナノチューブ(A)>
本発明の帯電防止フィルムの帯電防止層に用いられるカーボンナノチューブ(A)の種類は特に限定はなく、用途に応じ、単層、2層又は多層カーボンナノチューブの全てのものが使用できる。砕けたり潰れたりしにくいので分散させやすさの点からは多層カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブの直径、長さにも特に限定はなく、あらゆる大きさのものが使用可能であるが、直径については0.5nm〜1000nmが好ましく、3.5nm〜400nmが特に好ましく、5nm〜200nmが更に好ましい。直径が大きすぎる場合は基材への密着性が劣る場合がある。また、長さについては0.1μm〜50μmが好ましく、0.2μm〜40μmが特に好ましく、0.5μm〜30μmが更に好ましい。長さが短すぎる場合は導電性に劣る場合があり、長さが長すぎる場合は基材への密着性が劣る場合がある。
カーボンナノチューブ(A)は塩基性を示すもの、酸性を示すもの、ほぼ中性を示すものの全てが使用可能である。中でも、pHが7以上のものが好ましく、8以上が特に好ましく、9以上が更に好ましい。上限は特に限定はないが、12以下が好ましく、11以下が特に好ましい。カーボンナノチューブ(A)のpHが7以上のものは、それを塗布して得られた塗膜の導電性が良好である。従って、帯電防止層の膜厚を薄くできるので透明性を更に上げることができる。
本発明において、「カーボンナノチューブ(A)のpH」は、実施例に記載の方法で測定した値として定義される。
pHが7以上のカーボンナノチューブ(A)の製造方法は特に限定はないが、合成時に用いた触媒の除去等のために酸性処理を行わないものであることが好ましい。また、たとえ酸性処理を行ったとしても、更に表面が塩基性となるような処理を行ったものであることが好ましい。
また、カーボンナノチューブ(A)の表面官能基のうち、カルボキシル基のような酸性官能基を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液、アンモニア水等で表面処理したものも好ましい。例えば、水酸化ナトリウム水溶液等の中にカーボンナノチューブを分散させてプロトン交換反応を行わせたものも好ましい。
<分散剤(B)>
本発明で用いられる分散剤(B)としては、一般に分散液を調製するのに用いられる分散剤であれば特に限定されず、例えば、高分子分散剤、界面活性剤、カップリング剤等を使用することができる。
本発明の分散剤(B)としては、以下の(1)(2)(3)の高分子分散剤を好ましいものとして挙げることができる。
(1)主鎖又は側鎖にカーボンナノチューブ親和性基と溶媒親和性基を有する櫛形構造の高分子。
(2)主鎖に複数のカーボンナノチューブ親和性基を有する高分子。
(3)主鎖の片末端にカーボンナノチューブ親和部を有する直鎖状の高分子。
以下、本発明に用いられる分散剤(B)として好ましい高分子分散剤を、上記(1)(2)(3)という分類に従って説明する。高分子分散剤(1)は、側鎖が、櫛の歯のように主鎖に結合しているものをいう。櫛形構造の高分子における「カーボンナノチューブ親和性基」とは、カーボンナノチューブの表面に対して強い吸着力を有する官能基をいう。
上記のカーボンナノチューブ親和性基は、側鎖末端に限らず側鎖の途中や主鎖中に複数存在していてもよい。このようなカーボンナノチューブ親和性基としては、例えば、第3級アミノ基、第4級アンモニウム、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基、オレイル基等を挙げることができる。このカーボンナノチューブ親和性基が1つ又は複数存在し、カーボンナノチューブ表面に対するアンカーとして機能する。
高分子分散剤(1)における溶媒親和性基としては、例えば、親油性の重合鎖等が挙げられる。
高分子分散剤(1)としては、具体的には特に限定されないが、例えば、特開平5−177123号公報、特開昭54−037082号公報、特公平7−024746号公報等に開示されているものを挙げることができる。
高分子分散剤(1)において、カーボンナノチューブ親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。1分子中にカーボンナノチューブ親和性基が2〜3000個含まれれば、少なくとも安定した分散性が維持でき、また粘度が増加することにより発生する分散性の悪化の影響も受けることはない。より好ましくは、25〜1500個である。
高分子分散剤(1)において、溶媒親和性基を有する側鎖が1分子中に2〜1000個存在するものが好ましい。1分子中に前記側鎖が2〜1000個含まれていれば、溶媒和により安定した分散性が得られ、また粘度の上昇に起因した分散性の影響も受けることはない。より好ましくは、5〜500個である。
高分子分散剤(2)は、複数のカーボンナノチューブ親和性基を主鎖に沿って配置する構造を有する高分子である。高分子分散剤(2)としては、具体的には特に限定はないが、例えば、特開平4−210220号公報、特開昭60−016631号公報、特開平2−000612号公報、特開昭63−241018号公報、特開平1−279919号公報、特開平6−100642号公報等に開示されているものを挙げることができる。
高分子分散剤(2)は、カーボンナノチューブ親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2〜3000個であれば、少なくとも安定した分散性が維持でき、また粘度が増加することにより発生する分散性の悪化の影響も受けることはない。より好ましくは25〜1500個である。
高分子分散剤(3)は、具体的には特に限定はないが、例えば、特開昭46−7294号公報、米国特許第4656226号明細書、米国特許第4032698号明細書、米国特許第4070388号明細書、特開平1−204914号公報等に開示されているA−Bブロック型高分子等を挙げることができる。
高分子分散剤(3)は、カーボンナノチューブ親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。この範囲であれば、少なくとも安定した分散性が維持でき、また粘度が増加することにより発生する分散性の悪化の影響も受けることはない。より好ましくは5〜1500個である。
高分子分散剤(1)、(2)、(3)等の高分子分散剤を含めた本発明の分散剤(B)のアミン価は特に限定はないが、5〜100mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。アミン価が5mgKOH/g未満の場合は、カーボンナノチューブ(A)表面への吸着力が不足するため、分散剤(B)がカーボンナノチューブ(A)表面から脱着しやすくなり、分散安定性の低下を生じる場合がある。一方、分散剤のアミン価が100mgKOH/gを越える場合は、カーボンナノチューブ(A)表面に吸着した分散剤の吸着成分に対する立体的反発層の比率が過小となり、充分な分散安定性が得られない場合がある。特に好ましくは、アミン価6〜80mgKOH/gの分散剤であり、更に好ましくは、アミン価7〜70mgKOH/gの分散剤である。
本発明の分散剤(B)の数平均分子量は特に限定はないが、数平均分子量300以上の高分子分散剤が好ましく、数平均分子量が1000〜10万の範囲にあることがより好ましい。この範囲であれば、分散性も安定し、かつ、粘度が高くなりすぎるということもないため、良好な分散性を得ることができる。すなわち、数平均分子量が1000未満の場合は、カーボンナノチューブ(A)の表面に吸着した分散剤が立体反発層として充分に機能せず、カーボンナノチューブ(A)の再凝集がおこる場合がある。また、数平均分子量が10万を超えるときは、再現性良く分散液を製造することが困難になったり、逆に凝集剤として作用したりする場合がある。特に好ましい分散剤の数平均分子量は1000〜1万の範囲であり、1000〜5000の範囲が更に好ましい。
本発明の分散剤(B)としては、上記した高分子分散剤(1)、(2)又は(3)であり、かつ、上記範囲のアミン価を有するものが、上記した理由により特に好ましい。
本発明における好ましい分散剤(B)としては、具体的には例えば、ゼネカ社製ソルスパース20000、24000、26000、27000、28000;ビックケミー社製ディスパービック160、161、162、163、164、165、166、170、180、182、2000、2001等;EFKAケミカル社製EFKA−46、47、49、ポリマー100、120、150、401、402、403、450、451、452、453;味の素ファインテクノ社製アジスパーPB711、PA111、PB811、PB821、PB822、PW911;共栄社化学社製フローレンDOPA−158、DOPA−22、DOPA−17、TG−730W、G−700、TG−720W等を挙げることができる。
<有機溶剤(C)>
本発明の分散液に含有される有機溶剤(C)としては、少なくとも、塩基性を示すカーボンナノチューブ(A)及び分散剤(B)を、溶解及び/又は分散させ得るものであれば特に限定はないが、20℃において水に任意の割合では相溶しない溶媒が分散性、分散安定性を保つ上で好ましい。
かかる有機溶媒(C)としては、有機溶媒と水との合計質量に対して、その有機溶媒が20℃で40質量%以下しか相溶せず、かつ、疎水性有機溶媒と水との合計質量に対して、水が20℃で20質量%以下しか相溶しないものが好ましい。また、有機溶媒と水との合計質量に対して、その溶媒が20℃で30質量%以下しか相溶せず、かつ、有機溶媒と水との合計質量に対して、水が20℃で10質量%以下しか相溶しないものが特に好ましい。水との相溶性が高すぎる溶媒を用いた場合は、本発明におけるカーボンナノチューブ(A)の分散安定性が得られなかったり、分散剤(B)が溶媒に相溶しなかったりする場合がある。
有機溶媒(C)としては、具体的には例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のアルキレングリコール類のモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート等のアルキレングリコール類のジアセテート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等のラクトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸アルキルエステル類等が好ましいものとして挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上の混合溶媒で用いられる。
特に好ましくは、カーボンナノチューブ(A)の分散安定性が優れている点、分散剤(B)が相溶しやすい点等から、ケトン類、エステル類、エーテル類又は芳香族炭化水素類であり、更に好ましくはケトン類又はエステル類である。
<バインダー樹脂>
本発明の帯電防止フィルムの帯電防止層を形成させるための分散液には、実質的にバインダー樹脂を含有しないことが好ましい。すなわち、本発明の帯電防止フィルムが有する帯電防止層中には、実質的にバインダー樹脂が含有されていないことが好ましい。ここで、バインダー樹脂とは、種々の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、生分解性樹脂等であって、カーボンナノチューブ(A)を帯電防止層中に固定するためのものをいい、高分子界面活性剤や上記した高分子分散剤を意味するものではない。
帯電防止層中にバインダー樹脂が含有されていると、帯電防止フィルムにおいて、透過率やヘイズ等の透明性と、表面抵抗や帯電減衰等の電気特性との両立ができない場合がある。すなわち、透明性を確保するために帯電防止層の膜厚を薄くすると電気特性が悪くなる(すなわち、表面抵抗が大きくなったり、帯電減衰速度が小さくなったりする)場合があり、逆に、電気特性を確保するために帯電防止層の膜厚を厚くすると透明性が悪くなる(すなわち、透過率が小さくなったり、ヘイズが大きくなったりする)場合がある。
無機フィラー又は有機フィラーは、それを含有する層を形成させる場合、バインダー樹脂を併用して該フィラーを固定させ、バインダー樹脂の効果によって基材上にその層を密着させることが一般的に行われている。導電材についても同様であり、導電材を含有する帯電防止層を形成する場合、バインダー樹脂が必須と考えられていた。しかしながら、カーボンナノチューブの場合、意外にもバインダー樹脂は必須ではなく、バインダー樹脂と併用しなくても層を良好に形成し、その層は基材上にも良好に密着することを見出した。しかも、バインダー樹脂を含有しないと、電気特性と透明性が両立できるようになる。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
実際、カーボンナノチューブ以外の導電材、例えば、金属微粒子、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」と略記する)、酸化アンチモンスズ(以下、「ATO」と略記する)等の金属酸化物微粒子、導電性カーボン等はバインダー樹脂を用いないと、層として固定化されることはなく、基材に対する密着性を確保できない。バインダー樹脂が含有されない場合の、良好な層形成や密着性確保は、その点でもカーボンナノチューブ独特のものである。そして、上記したように、バインダー樹脂を含有しないカーボンナノチューブ含有帯電防止層は、良好な透明性と良好な電気特性の両立という、極めて顕著な効果を奏するものである。
<含有割合>
本発明における分散液中の各成分の含有割合は、カーボンナノチューブ(A)の分散性、分散安定性が良好で、分散液の塗布性、塗膜の透明性、電気特性等が良好であれば特に限定はないが、好ましい範囲としては、以下の範囲が挙げられる。「%」は分散液全体に対しての質量%である。
カーボンナノチューブ(A) 0.01〜20%
分散剤(B) 0.1〜30%
有機溶剤(C) 50〜99.9%
また、特に好ましい範囲としては、
カーボンナノチューブ(A) 0.03〜10%
分散剤(B) 0.2〜20%
有機溶剤(C) 70〜99.5%
また、更に好ましい範囲としては、
カーボンナノチューブ(A) 0.1〜8%
分散剤(B) 0.5〜10%
有機溶剤(C) 82〜99.2%
塩基性を示すカーボンナノチューブ(A)の含有量は、多すぎると分散しにくい場合がある。一方、これより低濃度でも分散はするが、そのような分散液は利用価値が低い場合があり、帯電防止層の導電性を充分に高くできない場合がある。
分散剤(B)の含有量は、多すぎると分散液の粘度が増大し、カーボンナノチューブ(A)の分散が困難になる場合があり、少なすぎると、カーボンナノチューブ(A)に作用する分散剤量が不足して良好に分散できない場合がある。
また、本発明の分散液中には、更に要すれば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、フィラー等を含有させることもできる。その場合には、本発明における分散液の分散性や本発明の帯電防止フィルムの上記効果を損なわない範囲で含有される。
本発明の帯電防止フィルムにおける帯電防止層の膜厚は、電気特性、透明性、密着性等の性能を満足できれば特に限定はなく、後述する樹脂層の有無にかかわらず、0.01g/m〜10g/mが好ましく、0.1g/m〜1g/mが特に好ましく、0.15g/m〜0.5g/mが更に好ましい。帯電防止層の膜厚が薄すぎる場合は電気特性等が劣る場合があり、一方、帯電防止層の膜厚が厚すぎる場合は透明性、密着性等が劣る場合がある。
<分散方法>
分散方法については特に限定はなく、公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、ビーズミル分散法等のメディア分散法;超音波分散法、ロールミル分散法等のメディアレス分散法等が挙げられる。このうち、分散安定性等の点から、好ましくは超音波分散法又はビーズミル分散法であり、特に好ましくはビーズミル分散法である。
<樹脂層>
本発明の帯電防止フィルムにおける帯電防止層の上には、樹脂層が設けられていても設けられていなくてもよいが、設けられていることが好ましい。樹脂層は、機械的強度向上、帯電防止層の保護、外観向上等のために設けられる。
機械的強度等を増強させるために、帯電防止層中にバインダー樹脂を含有させると、透明性と電気特性の両立ができない場合がある。また、バインダー樹脂を含有しない帯電防止層の上に樹脂層を設けた場合、樹脂層の(すなわち、帯電防止フィルムの)表面抵抗は大きくなる場合もあるが、帯電減衰は良好であり、帯電防止フィルムとして良好に機能する。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものでもあり、それによって、電気特性と機械的強度との両立をも達成することができた。
樹脂層を形成する樹脂は上記性能をよくでき、帯電防止層に対する密着性に問題がなければ特に限定はなく、種々の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、光硬化性樹脂としては、重合性二重結合含有樹脂、光酸触媒による硬化性樹脂等が挙げられ、生分解性樹脂としてはポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。その他、アイオノマー樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、アルキレン−(メタ)アクリレート系樹脂が挙げられ、これらの混合物であってもよい。ここで、「系樹脂」なる表現には共重合体が含まれる。また、熱硬化性樹脂には各種熱硬化剤が含まれていてもよく、光硬化性樹脂には光重合開始剤等の光硬化剤や(メタ)アクリル系モノマーが含まれていてもよい。
樹脂層に用いられる特に好ましい樹脂としては、機械的強度、種々の基材への密着性、透明性等の点から、ウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。
樹脂層の膜厚は、機械的強度、電気特性、透明性、密着性等の性能を満足できれば特に限定はないが、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmが特に好ましい。樹脂層の膜厚が薄すぎる場合は、機械的強度等が劣る場合があり、一方、厚すぎる場合は電気特性、透明性等が劣る場合がある。
帯電防止層の上に別に樹脂層を設けることに代えて、帯電防止層中にバインダー樹脂を含有させる方法がある。しかしながら、その方法では電気特性と透明性を両立させることができない場合がある。本発明は、表面強度が必要である場合であっても、帯電防止層中にバインダー樹脂を含有させずに、上記帯電防止層上に別途に樹脂層を設けることによって電気特性と透明性を両立させることができたことに特徴がある。本発明の帯電防止フィルムは、上記帯電防止層を用いることによって、意外にも樹脂層が設けられている場合であっても、帯電防止能力が十分に存在することを見いだしてなされたものでもある。すなわち、上記した帯電防止層を形成させることによって、その上に樹脂層を設けた場合であっても、表面抵抗はたとえ増大することはあっても、帯電減衰を十分に高いままに保持することができ、結果として帯電防止能が十分にある帯電防止フィルムが得られる。
本発明の帯電防止フィルムは、トレー、保護フィルム、筐体、カバーテープ、食品包材、光学部材、ディスプレイ部材等の導電性、帯電防止等を要求される用途に好適に用いられる。
<基材>
本発明の帯電防止フィルムは、基材上に帯電防止層を有する。該基材としては帯電防止フィルムの物性を損なわなければ特に限定はなく、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」と略記する)、ポリスチレン(以下、「PS」と略記する)、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記する)、ポリプロピレン(以下、「PP」と略記する)、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。このうち、TAC、PS又はPETが透明性、密着性等の点で特に好ましい。基材の表面は接着性等の表面物性改良のため表面処理が施されていてもよい。
基材の透過率は、80%以上が好ましく、90%以上が特に好ましい。また、ヘイズは10以下が好ましく、3以下が特に好ましい。基材の厚さは、機械的強度、電気特性、透明性等の性能を満足できれば特に限定はないが、1μm〜1000μmが好ましく、10μm〜100μmが特に好ましい。基材の厚さが薄すぎる場合は、機械的強度等が劣る場合がある。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、表中の値も含め、「%」は「質量%」を示し、「部」は「重量部」を示す。
[測定方法と定義]
実施例におけるそれぞれの物性値は、以下のように測定した。また、本発明においては、かかる物性値等は以下のように測定した値として定義される。
<カーボンナノチューブのpH>
・測定装置:ラコムテスター計 EUTECH Instruments、OAKTON Instruments(USA規格対応)
・測定方法:USA規格対応の標準液(pH=4.0、6.8、10.0、室温によって若干異なる)で機器を校正した後、20℃でイオン交換水20gにカーボンナノチューブ0.1gを添加し、超音波洗浄機にて5分間処理後、20℃でテスターの電極を懸濁液に入れ数値を読みとった。そして、この懸濁液のpHを「カーボンナノチューブのpH」と定義する。
<分散剤のアミン価(mgKOH/g)>
測定試料数gを精秤し、氷酢酸に溶解させた。そこに、市販の検査用過塩素酸(HClO4)0.1N酢酸溶液をビュレットにて滴下し滴定した。電位差滴定により当量点に達した時点の滴下量から、mgKOH/gを算出し、「分散剤のアミン価(mgKOH/g)」とした。なお、分散剤が市販品等で既に溶液になっている場合には、その溶液をそのまま測定試料として精秤して測定に用い、後で測定値を分散剤濃度換算して分散剤単身(固形分又は不揮発分)でのアミン価を求めた。
<帯電防止層の膜厚(g/m)>
・樹脂層を有しない(樹脂層を形成する前の)帯電防止フィルムを、8cm×12.5cmに切り出し、精密天秤で精秤し、その後、基材を溶解せずに帯電防止層を溶解する溶剤で帯電防止層を除去し、乾燥後、再度精密天秤で、その重量を測定することにより、その差をとって、帯電防止層の膜厚(g/m)とした。
<樹脂層、基材、「比較例の帯電防止層」等のμmオーダーの層の膜厚(μm)>
膜厚計(マイクロメーター)(ソニー社製「μ−mate」)にて膜厚(μm)を測定した。樹脂層又は「比較例の帯電防止層」の膜厚は、樹脂層又は「比較例の帯電防止層」形成前後の膜厚を膜厚計(マイクロメーター)にて測定し、その膜厚の差をとることにより求めた。
<表面抵抗(Ω)>
・測定装置:ハイレスターUP MCP−HT450(三菱化学社製)
・測定原理:MCC−B法
・測定方法:装置の測定方法説明資料に従い、帯電防止フィルムの上から、表面に電極(プローブ)を押し当て、20℃で、表面を流れる電流値から表面抵抗(Ω)を測定した。
<帯電減衰(秒)>
・測定装置:MODEL 406D STATIC DECAYMETER(Electro−Tech Systems,Inc社製)
・測定原理:帯電防止フィルムの上から、表面に電荷を与え、材料をアースした時、その拡散する時間(秒)を測定した。
・測定方法:装置の測定方法説明資料に従い測定する。電源を入れた後15分間ウォーミングアップし、校正器「STM−1」をセットし、取扱説明書記載の校正手順に従って校正した。「STM−1」を外し、試料を電極間に挟み込み、電圧を5kV印加、アースし、印加電圧が印加時の実質1%以下になるまでの時間(秒)を計測した。
<透過率(%)>
・測定装置:ヘイズメーター HM−150(村上色彩技術研究所製)
・測定方法:全光線透過率測定新規格(ISO 13468−1、JIS K7361)に準じて測定した。
検出部位に何もない状態(空気)で校正を行い(自動校正)、次いで、帯電防止フィルムごと検出部位にはさみ、帯電防止層側(樹脂層がある場合は樹脂層側)を光源側にして測定した。
<ヘイズ>
・測定装置:ヘイズメーター HM−150(村上色彩技術研究所製)
・測定方法:ヘーズ測定新規格(ISO 14782,JIS K 7136)に準じて測定した。
検出部位に何もない状態(空気)で校正を行い(自動校正)、次いで、帯電防止フィルムごと検出部位にはさみ、帯電防止層側(樹脂層がある場合は樹脂層側)を光源側にして測定した。
<密着性(テープ剥離)>
帯電防止フィルムの帯電防止層面に、24mm幅の市販の透明粘着テープを密着させ、密着部分の半分はゆっくりはがし(弱剥離)、密着部分の残り半分は勢いよくはがし(強剥離)、それぞれの剥離具合を目視で観察して以下の基準で判定した。
◎:帯電防止層が全く剥離していない
○:剥離はないが、剥離面が変形している
△:弱剥離又は強剥離のどちらか一方で剥離している
×:弱剥離及び強剥離の両方で剥離している
[導電材の種類と膜厚を変化]
実施例1
メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と略記する)21g中に、表1に示すカーボンナノチューブ「CNT−1」を1.5g、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と略記する)に40%となるように溶解させた液7.5gを加え、直径2mm及び0.3mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェイカーで常法に従って、分散処理を施した。この分散液に、シクロヘキサノン470gを加え、カーボンナノチューブ分散液を得た。なお、「アジスパーPB821」の有効成分単身のアミン価は、9mgKOH/gであった。
上記分散液をTACよりなる基材に、乾燥塗布量0.24g/mとなるように塗布し、100℃のオーブン中で2分乾燥して帯電防止層を形成して、帯電防止フィルムを製造した。
実施例2〜4及び比較例1
実施例1において、カーボンナノチューブ「CNT−1」を、表1及び表2に記載したものに代えた以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造した。「ATO」は酸化アンチモンスズを示す。
比較例2
比較例1において、乾燥塗布量を0.24g/mから0.60g/mに変更した以外は、比較例1と同様にして帯電防止フィルムを製造した。
Figure 0005189757
上記評価方法に従って、透明性(透過率とヘイズ)、電気特性(表面抵抗)、密着性(テープ剥離)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005189757
カーボンナノチューブではバインダー樹脂が存在しなくても、密着性(テープ剥離)が極めて良好であった(実施例1〜4)。一方、ATO微粒子T−1では、バインダー樹脂が存在しないと、密着性(テープ剥離)がカーボンナノチューブに比べ不良であった(比較例1、2)。また、カーボンナノチューブの場合、塗布量0.24g/mとすれば、透過率、ヘイズ、表面抵抗の何れもが帯電防止フィルムとして優れた値をとることができたが(実施例1〜4)、ATO微粒子の場合は最適塗布量が存在しなかった。すなわち、塗布量0.24g/mでは表面抵抗が大きすぎ(比較例1)、塗布量0.60g/mではヘイズが大きくしかも密着性(テープ剥離)が不良となり(比較例2)、何れも帯電防止フィルムとして劣っていた。
更に、実施例1〜4の中で比較すると、pH=10.0の「CTN−1」が最も表面抵抗が小さく(実施例1)、pHが小さくなると、表面抵抗が大きくなった(実施例2〜4)。
[基板を変化]
実施例5
実施例1において、基材をTACからPSに代えた以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造した。
実施例6
実施例1において、基材をTACから易接着性PETに代えた以外は、実施例1と同様にして帯電防止フィルムを製造した。
上記評価方法に従って、透明性(透過率とヘイズ)、電気特性(表面抵抗)、密着性(テープ剥離)を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005189757
TAC:トリアセチルセルロースフィルム、富士写真フィルム社製「T−80UZ」
PS :ポリスチレンフィルム、シーアイ化成社製「BONSET EPS−45T」
PET:易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製「A4300」
本発明の帯電防止フィルムは、基材によらず全て、透明性、表面抵抗及び密着性(テープ剥離)が良好であった(実施例1、5、6)。更にその中でも、TAC(実施例1)、PS(実施例5)、PET(実施例6)の順に、表面抵抗と密着性(テープ剥離)が良好であった。
[樹脂層を有する帯電防止フィルム、及び、バインダー樹脂を含有する帯電防止層を有する帯電防止フィルム]
実施例7
実施例1で得られた帯電防止フィルムの帯電防止層の上に、更に、下記「樹脂1溶液」を塗布・乾燥し、その後、FUSION(フュージョンUVシステムズジャパン社製)を用いて、積算照度約150mJ/cmで光照射して樹脂1を光硬化させ、樹脂層を膜厚12μmとなるように設けて帯電防止フィルムを製造した。
実施例8
実施例1で得られた帯電防止フィルムの帯電防止層の上に、更に、下記「樹脂2溶液」を塗布・乾燥し、樹脂層を乾燥膜厚12μmとなるように設けて帯電防止フィルムを製造した。
比較例3
実施例1又は実施例7で用いた「カーボンナノチューブ分散液」膜厚0.24g/mとなる量、及び、実施例7で用いた「樹脂1溶液」膜厚12μmとなる量を、その量比で予め混合し、TAC上に乾燥膜厚12μmとなるように塗布・乾燥し、その後、実施例7と同様にして樹脂1を光硬化させて、「バインダー樹脂を含有する帯電防止層」を有する帯電防止フィルムを製造した。このときの混合比は、帯電防止フィルムの単位面積中に存在するカーボンナノチューブとバインダー樹脂が、実施例7のカーボンナノチューブと「樹脂層中の樹脂」の比率と同様になるようにした。
比較例4
実施例1又は実施例7で用いた「カーボンナノチューブ分散液」膜厚0.24g/mとなる量、及び、下記「樹脂3溶液」膜厚12μmとなる量を、その量比で予め混合し、TAC上に乾燥膜厚12μmとなるように塗布・乾燥して、「バインダー樹脂を含有する帯電防止層」を有する帯電防止フィルムを製造した。このときの混合比は、帯電防止フィルムの単位面積中に存在するカーボンナノチューブとバインダー樹脂が、実施例7のカーボンナノチューブと「樹脂層中の樹脂」の比率と同様になるようにした。
比較例5
実施例1又は実施例7で用いた「カーボンナノチューブ分散液」膜厚0.24g/mとなる量、及び、下記「樹脂4溶液」膜厚12μmとなる量を、その量比で予め混合し、TAC上に乾燥膜厚12μmとなるように塗布・乾燥し、その後、オーブンを用いて、120℃で30分間加熱して樹脂4を熱硬化させて、「バインダー樹脂を含有する帯電防止層」を有する帯電防止フィルムを製造した。このときの混合比は、帯電防止フィルムの単位面積中に存在するカーボンナノチューブとバインダー樹脂が、実施例7のカーボンナノチューブと「樹脂層中の樹脂」の比率と同様になるようにした。
比較例6
比較例3において、カーボンナノチューブをCNT−1からL−MWNTs−5に代えた以外は比較例3と同様にして、「バインダー樹脂を含有する帯電防止層」を有する帯電防止フィルムを製造した。
比較例7
比較例3において、カーボンナノチューブをCNT−1からA−MWNTs−1020に代えた以外は比較例3と同様にして、「バインダー樹脂を含有する帯電防止層」を有する帯電防止フィルムを製造した。
樹脂1溶液:
下記(1)、(2)、(3)及び(4)の混合物
(1)ウレタンオリゴマー(日本合成化学社製「紫光1700B」) 40質量部
(2)アクリル系多官能モノマー(東亞合成社製「アロニクスM−9050」) 27質量部
(3)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュア184」 2質量部
(4)メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略記する) 31質量部
樹脂2溶液:
ポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン社製「ダイヤナールBR83」の40%MIBK溶液
樹脂3溶液:
下記(1)、(2)及び(3)の混合物
(1)ポリエステル(東洋紡社製「バイロン200」 11質量部
(2)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合ポリマー(ダウケミカル社製「VAGH」) 9質量部
(3)MEK 80質量部
樹脂4溶液:
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート1004」)の20%MEK溶液
Figure 0005189757
上記評価方法に従って、透明性(透過率とヘイズ)、電気特性(表面抵抗と帯電減衰
)を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0005189757
表5に示したように、樹脂層を有する帯電防止フィルムにおいては、樹脂層に用いる樹脂によっては表面抵抗が大きくなるものもあったが、帯電減衰は何れも極めて良好だったので(実施例7、8)、帯電防止フィルムとして帯電防止能力が優れていることが判明した。一方、バインダー樹脂を含有する帯電防止層では、樹脂の種類を変化させても、カーボンナノチューブの種類を変化させても、何れも表面抵抗と帯電減衰が極めて悪く(比較例3〜7)、帯電防止フィルムとして使用できるものではなかった。
本発明のカーボンナノチューブを含有する帯電防止フィルムは、透明性と電気特性に優れているので、帯電防止、表面導電性付与、透明性等が要求されるトレー、導電フィルム等、複合材料をはじめ、エレクトロニクス、メカニクス、化学反応材料等にも広く利用されるものである。

Claims (3)

  1. 基材上に帯電防止層及び該帯電防止層の上に更に樹脂層を有する帯電防止フィルムであって、
    該帯電防止層が、実質的にバインダー樹脂を含まないものであり、かつ、酸性処理を行なわないか又は表面が塩基性となるような処理を行なってpHを7〜12としたカーボンナノチューブ(A)、第3級アミノ基、第4級アンモニウム、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基及びオレイル基からなる群より選ばれるカーボンナノチューブ親和性基を有し、アミン価6〜80mgKOH/gの高分子分散剤である分散剤(B)及び有機溶剤(C)を含有する分散液を塗布してなるものであり、
    該樹脂層が、ウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂及び光硬化性樹脂からなる群より選ばれる樹脂からなる膜厚10μm〜50μmのものであることを特徴とする帯電防止フィルム。
  2. 基材上に帯電防止層及び該帯電防止層の上に更に樹脂層を有する帯電防止フィルムの製造方法であって、
    該帯電防止層を、酸性処理を行なわないか又は表面が塩基性となるような処理を行なってpHを7〜12としたカーボンナノチューブ(A)、第3級アミノ基、第4級アンモニウム、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基及びオレイル基からなる群より選ばれるカーボンナノチューブ親和性基を有し、アミン価6〜80mgKOH/gの高分子分散剤である分散剤(B)及び有機溶剤(C)を含有し、バインダー樹脂を実質的に含まない分散液を塗布して形成し、
    該樹脂層を、ウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂及び光硬化性樹脂からなる群より選ばれる樹脂を、膜厚10μm〜50μmとなるように形成することを特徴とする帯電防止フィルムの製造方法。
  3. 請求項1に記載の帯電防止フィルム製造用のカーボンナノチューブ分散液であって、pHが7〜12であるカーボンナノチューブ(A)、分散剤(B)及び有機溶剤(C)を含有し、実質的にバインダー樹脂を含まないカーボンナノチューブ分散液。
JP2006318274A 2006-11-27 2006-11-27 帯電防止フィルム Expired - Fee Related JP5189757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006318274A JP5189757B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 帯電防止フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006318274A JP5189757B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 帯電防止フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008132605A JP2008132605A (ja) 2008-06-12
JP5189757B2 true JP5189757B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=39557803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006318274A Expired - Fee Related JP5189757B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 帯電防止フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5189757B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101307962B1 (ko) 2010-03-19 2013-09-12 엘지디스플레이 주식회사 터치인식 횡전계형 액정표시장치 및 이의 제조 방법
KR101298234B1 (ko) 2010-03-19 2013-08-22 엘지디스플레이 주식회사 터치인식 횡전계형 액정표시장치 및 이의 제조 방법
JP6656450B1 (ja) * 2019-04-25 2020-03-04 株式会社マルアイ 電子部品搬送トレイ・キャリアテープ用のシートとそれを用いた電子部品搬送トレイ・キャリアテープ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH106443A (ja) * 1996-06-26 1998-01-13 Mitsubishi Materials Corp セラミックスグリーンシート成形用キャリアーフィルム
JP2004276232A (ja) * 2003-02-24 2004-10-07 Mitsubishi Electric Corp カーボンナノチューブ分散液およびその製造方法
JP2005035810A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Mikuni Color Ltd 0次元又は1次元炭素構造体の分散液
JP4501445B2 (ja) * 2004-02-06 2010-07-14 東洋インキ製造株式会社 カーボンナノチューブ組成物、およびそれを含有するカーボンナノチューブ分散液
JP2006035773A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Takiron Co Ltd 粘接着性導電成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008132605A (ja) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007297255A (ja) カーボンナノチューブを含有する分散液
TW539868B (en) Antistatic film for display
KR101150719B1 (ko) 자외선 경화형 기능성 하드코팅제
KR101110508B1 (ko) 하드코트필름
JP5720688B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
KR101865982B1 (ko) 하드 코트 필름, 편광판 및 화상 표시 장치
JP6075296B2 (ja) 光学積層体及び画像表示装置
JP6505370B2 (ja) 積層体およびインデックスマッチング層形成用組成物
KR20090004733A (ko) 하드코팅필름 및 그 제조방법
JP2010196014A (ja) 反射防止フィルム、及び紫外線硬化性樹脂材料組成物塗液
WO2004044063A1 (ja) 紫外線硬化型帯電防止性ハードコート樹脂組成物
JP5189757B2 (ja) 帯電防止フィルム
KR101949558B1 (ko) 광학 적층체 및 그 제조 방법
JP5672806B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
KR102380913B1 (ko) 대전방지 하드코팅 조성물 및 이를 포함하는 자외선 경화형 대전방지 코팅제
JP2005290230A (ja) 帯電防止層を有する反射防止フィルム及び帯電防止層形成用コーティング組成物
JP2008156430A (ja) 帯電防止用組成物および帯電防止ハードコート形成物
JP2008233371A (ja) 反射防止フィルム
JP2005316425A (ja) 低屈折率層およびそれを用いた画像表示装置
KR101111410B1 (ko) 하드 코팅액 및 하드 코팅 필름
JP2005316426A (ja) 帯電防止層と低屈折率層とを有する反射防止積層体およびそれを用いた画像表示装置
JP2009144011A (ja) 帯電防止皮膜形成用樹脂組成物、帯電防止基材、液晶装置
JP2011254046A (ja) 三次元曲面構造体の製造方法
JP2005305392A (ja) アンチモン含有酸化スズ粒子分散液の製造方法及び透明性導電膜
JP2005292510A (ja) 帯電防止層を有する反射防止フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees