JP5189726B2 - 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート - Google Patents

被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP5189726B2
JP5189726B2 JP2005079909A JP2005079909A JP5189726B2 JP 5189726 B2 JP5189726 B2 JP 5189726B2 JP 2005079909 A JP2005079909 A JP 2005079909A JP 2005079909 A JP2005079909 A JP 2005079909A JP 5189726 B2 JP5189726 B2 JP 5189726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adherend
sensitive adhesive
pressure
adhesive sheet
heat shrinkage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005079909A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006257358A (ja
Inventor
邦昭 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Somar Corp
Original Assignee
Somar Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Somar Corp filed Critical Somar Corp
Priority to JP2005079909A priority Critical patent/JP5189726B2/ja
Publication of JP2006257358A publication Critical patent/JP2006257358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5189726B2 publication Critical patent/JP5189726B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、合成樹脂フィルム等からなる被着体の少なくとも片面に粘着シートを貼り付け、加熱プレス等の加工後、粘着シートを剥離することにより被着体を加工する方法、及び該加工方法に用いられる粘着シートに関するものである。
従来から合成樹脂フィルムの表面に印刷やメッキ等の手段により様々なパターンを形成することが行われている。また、合成樹脂フィルムは柔軟性や絶縁性を有することから、ポリイミドやポリアミド、ポリアミドイミド又は液晶ポリマー等の耐熱性を有する合成樹脂フィルムの表面に所望により接着剤層を介して銅、銀、金等の金属箔を積層した積層フィルムの金属箔面に回路パターンを形成させたフレキシブルプリント基板も製造されている。
このフレキシブルプリント基板は、携帯電話やノートパソコン、デジタルカメラ等に使用されており、これらの機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、フレキシブルプリント基板も薄型化、高密度化が要求されている。このためフレキシブルプリント基板の製造には厚さ50μm以下の積層フィルムが用いられているため、回路パターンの製造工程(露光、エッチング、レジスト剥離工程等)で積層フィルムにシワや折れが発生するという問題があった。また、フレキシブルプリント基板の製造工程には前記したように主に搬送工程による問題点と、回路パターン形成時やカバーレイフィルム積層時の加熱工程による補強用フィルムの寸法変化やカールが発生するという問題があった。これらの問題を解決するために、(1)積層フィルムの金属箔面とは反対側の面に合成樹脂フィルムの片面にジイソシアネートの環状重合体からなる少なくとも3個のイソシアネート基を有する硬化剤と、活性水素含有基を有する粘着性ポリマーとの反応物からなる剥離・除去可能な粘着層を有する補強用フィルムを予め貼りつけることにより積層フィルムの取り扱い性、剛性を向上させること、及び加熱工程による寸法変化やカール発生防止のためにはJIS C−2318にて定義される加熱収縮率が0.5%以下である合成樹脂フィルムを用いることが提案されている(特許文献1参照)。
また、フレキシブルプリント基板の製造工程における加熱処理には、前記加熱処理の他に、加熱プレス処理を行う場合もある。加熱プレス処理する工程としては、例えば、カバーレイフィルムの押圧積層工程が挙げられる。
この加熱プレス処理は、補強用フィルムを付けたまま、例えば160℃、押圧力50kgf/cmで45分間の処理後、補強用フィルムを剥離するが、処理により粘着力が増加し被着体と補強用フィルムとの剥離性が低下することにより剥離の際に回路パターンを破損する原因となったり、加熱プレス処理後、補強用フィルムを貼り付けた状態で反り返る(所謂、カール)等の問題があった。
このような問題に対し、(2)150℃30分の条件における加熱収縮率が、長さ方向、幅方向ともに0.5%以下であるフィルム基材の片面又は両面に樹脂層貼着用粘着剤層を有する保護フィルム(特許文献2参照)、(3)ポリエステルとポリイミドを含有し、かつ50℃から170℃まで昇温し、さらに50℃まで降温させたときの熱収縮率が0.25%以下であり、150℃から50℃降温部の熱膨張係数が13×10−6/℃以上50×10−6/℃以下であるフレキシブルプリント回路基板の加工時に用いられる補強用ポリエステルフィルム(特許文献3参照)、(4)不活性粒子を5〜60重量%含有するポリエステルからなる二軸配向ポリエステルフィルムであって、該フィルムを150℃、30分熱処理したときの熱収縮率が−0.5〜0.5%以下であり、かつ50℃から170℃まで昇温し、さらに50℃まで降温させたときの熱収縮率が0.25%以下であり、150℃から50℃降温部の熱膨張係数が10×10−6/℃以上50×10−6/℃以下である二軸配向ポリエステルフィルム(特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、前記(2)のものは、前記(1)のものと実質的に変わりがないため、加熱プレス後のカールを抑制するのが困難であり、また前記(3)及び(4)のものは、被着体によりカールやシワが発生する場合があり、いまだ満足できるものではなかった。
特開2001−106998号公報 特開2003−17822号公報 特開2003−101166号公報 特開2004−35720号公報
本発明は、合成樹脂フィルム等からなる被着体を加工する際に、加工性、搬送性等を向上させるためにシートに貼付け、加工等が終了し、不要となった場合には容易に剥離でき、しかも加熱プレス処理加工を施してもカールやシワの発生しない被着体の加工方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の被着体を加工するための粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、被着体の加熱した後の冷却工程での熱収縮量に対し、加熱後、冷却工程での熱収縮量が特定の粘着シートを用いて被着体を加工すると、熱プレス処理加工を行ってもカールやシワの発生がなく、加工精度の高い被着体が得られ、しかも不良品の発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の被着体の加工方法及びこれに用いる粘着シートを提供するものである。
[1] 基材フィルムの片面に粘着剤層を有する粘着シート(a)の該粘着剤層側に被着体(b)を貼り付け、該被着体を加熱プレス加工する被着体(b)の加工方法であって
前記粘着シートは、厚さ25〜100μmのポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハンから選択される基材フィルムの片面に厚さ2〜80μmの粘着剤層を有するものであり、
前記被着体は、25μm以下の樹脂フィルム、金属箔、セラミックシートから選択されるものであり、
予め、前記粘着シート(a)と前記被着体(b)の熱収縮量を測定し、MD方向、TD方向それぞれの粘着シート(a)の熱収縮量Aと被着体(b)の熱収縮量Bの関係(熱収縮量A/熱収縮量B)が1以上2以下を満たす、粘着シート(a)と被着体被着体(b)とを組合せ加熱プレス加工するものであり、
前記熱収縮量は、前記粘着シート(a)と前記被着体(b)とを各々昇温速度10℃/minで30℃から170℃まで加熱後、定荷重4gf、降温速度10℃/minで170℃から30℃まで冷却したときの熱収縮量であることを特徴とする被着体の加工方法。
[2] 前記被着体(b)が、少なくともポリイミド樹脂を含む合成樹脂フィルムであることを特徴とする前記[1]に記載の被着体の加工方法。
[3]前記被着体(b)が、合成樹脂フィルムと金属箔との積層体であり、前記粘着シート(a)を該合成樹脂フィルム側に貼り付けることを特徴とする前記[1]に記載の被着体の加工方法
お、本発明の冷却工程での熱収縮量とは、微少定荷重伸び測定装置(インテスコ社製)を用い、測定開始温度30℃、昇温速度10℃/minで170℃まで加熱後、降温速度10℃/min、30℃まで冷却という測定条件で測定した被測定体の各温度での伸縮率において、冷却工程での変移量(%)を示す。また、この測定は、MD方向、TD方向の両方を測定するものとする。


本発明の被着体の加工方法により被着体を加工すると、被着体の加工工程で加熱プレス処理を行なった場合でも、カールやシワの発生を抑制できる。このことにより、例えば、この方法によりフレキシブルプリント基板を製造すると、回路パターンにシワや断絶等の悪影響を与えることがないため、高精細な回路パターンの形成でき、しかもカールの修正に人手や機械を導入することがないため、作業効率が向上する。また、被着体の加工時において、回路パターンへの悪影響を低減できるため歩留り性を向上することができる。
さらには、本発明の粘着シートは、被着体に応じて設計できるため、確実に加熱プレス工程後のカールやシワの発生を抑制できるのと共に、必要最低限のスペックで粘着シートを製造できるので、作業効率及び加工精度の向上及び加工コスト面で有利である。
このように、本発明は、特にフレキシブルプリント基板の製造に極めて有用な被着体の加工方法、及びそのための粘着シートを提供することができる。
以下、本発明の被着体の加工方法及びこれに用いる粘着シートを実施するための最良の形態について具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
[1]被着体
本発明おいて被着体は、そのものだけではハンドリング性、コシ等の問題で加工が難しいものである。このようなものとしては、例えば25μm以下の樹脂フィルムや金属箔、セラミックシート等が挙げられ、特に、フレキシブルプリント配線板製造用に用いられる合成樹脂フィルム上に導電性を有する層、例えば、銅箔やアルミニウム箔等の金属箔やニッケル、金、白金等のメッキ層を設けた金属張積層板等が挙げられる。
この金属張積層板を構成する合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、アラミド等の合成樹脂フィルムが挙げられる。これらのものは、通常厚さが50μm以下のものが用いられるが、近時、薄型、高精細化により25μm以下のものが用いられるようになっている。
また、前記合成樹脂フィルム上に設けられる導電性を有する層の厚さは、18μm以下、近時は9μm以下のものが用いられるようになってきている。
更に、合成樹脂フィルムと導電性を有する層とは、接着剤層を介して積層していても良い。
本発明においては、このような厚さの薄い被着体の加工において特に効果を発揮する。
[2]粘着シート
本発明の粘着シートは、基材フィルムの片面に粘着剤層を有し、しかもこの粘着シートの冷却工程での熱収縮量Aが前記被着体の該被着体の冷却工程での熱収縮量B以上であるものである。冷却工程での熱収縮量A/冷却工程での熱収縮量Bの値は1以上であり、特に上限はないが、冷却工程での熱収縮量Aが冷却工程での熱収縮量B未満であると、被着体に粘着シートを貼付けた積層体の加工時、熱プレス処理を行なうと積層体にカールやシワが発生し、その結果、被着体表面に施した印刷や表面に形成したパターンが途切れたり、精度が低下するので好ましくない。熱プレス処理後の積層体のカール及びシワ抑制性の面から、特に好ましい粘着シートと被着体との冷却工程での熱収縮量の関係は下記式を満足するものである。
Figure 0005189726
本発明では、この被着体の冷却工程での熱収縮量Bを測定し、その結果に基づき、後述する粘着シートを構成する基材や粘着剤層の物性や粘着シートの製造条件等から粘着シートの冷却工程での熱収縮量AをA≧Bとなるように調整するものである。
本発明の粘着シートは、前記熱収縮量を満足するものを被着体に対して適宜選択するものである。粘着シートを構成する基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン等が挙げられる。これらの基材フィルムは、フィルム成膜時の延伸条件やフィルム中のフィラー含有量、熱可塑性樹脂を配合するなどの方法により粘着シートの冷却工程での熱収縮量を調整することができる。このような方法の具体例としては、基材フィルムがポリエステル樹脂からなる場合、ポリエステルの酸成分にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸等を用い重合、或いは共重合させた重合体や共重合体を用いる方法や、このような重合体や共重合体と他のポリエステル樹脂とをブレンドして用いる方法などが挙げられる。
中でも、被着体が前記金属張積層板、特に導電性を有する層が銅箔、合成樹脂フィルムがポリイミドフィルムである2層CCLの場合、ポリエチレンナフタレートが、フレキシブルプリント配線基板とした時にパターン精度と生産性を向上させることができるので好ましい。
基材フィルムの厚さは、被着体により適宜選択すれば良いが、例えば、被着体が厚さ43μmの2層CCL(銅箔の厚さが18μm、ポリイミドフィルムの厚さが25μm)の場合、25〜100μm程度が好ましい。
次に、粘着シートを構成する粘着剤層は、被着体に貼付け、加工後、不要となった場合に、容易に剥離可能な再剥離性を有するもの、例えば加熱により膨張する熱膨張性微小球やガス発生剤を含有する熱剥離性粘着剤層や紫外線照射により粘着力が低下する粘着剤層、貼付け時と剥離時の粘着力を調整することにより、被着体から剥離するために加熱工程や紫外線照射工程を不用とした再剥離性粘着剤層等が挙げられる。再剥離性を有するものであれば、特に制限はないが、例えば、被着体が前記金属張積層板の場合、粘着シートを剥離後、剥離箇所に補強板やカバーレイフィルムを貼り付ける場合があるので、好ましくは、被着体に糊残り等、粘着シート由来の成分を残留させないものが好ましい。
粘着剤層の厚さは、2〜80μmの範囲が好ましい。80μmを超えると、粘着層中に含まれる残留溶剤の配合割合が多くなるため、加熱により発泡し表面の平滑性を低下させたり、耐熱性及び機械的特性が低下する原因となり、このため生産性の低下、生産コストの上昇の面で好ましくないし、2μm未満では、被着体の表面、特に粗面に対する密着性が低下するので好ましくない。粘着シートの耐熱性、機械的特性及び加工時の生産性の面から好ましい粘着剤層の厚さは2μm〜50μmの範囲である。
本発明の被着体の加工方法について説明する。
本発明では、加工する被着体の冷却工程での熱収縮量Bを測定し、この熱収縮量B以上の冷却工程での熱収縮量を有する粘着シートを被着体に貼付け、積層体とした後、この積層体を加工するものである。
例えば、被着体として前記金属張積層板を用いてフレキシブルプリント配線基板を製造する場合、その加工工程中、カバーレイフィルムを積層したり、銅箔をポリイミドフィルムに転写したりする場合に、熱プレス処理が行なわれる。この場合、粘着シートの冷却工程での熱収縮量Aが被着体の冷却工程での熱収縮量Bよりも小さいと、加工後の積層体にカールやシワが発生する。例えば、銅箔転写工程でカールが発生した場合、パターン形成工程で、パターンマスクが正確に積層できなくなったり、積層するために人手や機械を導入しなければならず、コスト面、生産効率面から好ましくないものであった。また、銅箔転写工程でシワが発生した場合、シワ発生部にパターンを形成するとパターン精度の低下や、パターンに断線が発生するため、歩留り性が低下するので好ましくない。さらに、カバーレイフィルム積層工程でカールやシワが発生すると、カールやしわ部分の絶縁性が低下する。この結果、製品として使用できなくなるため、歩留り、生産効率が低下するので好ましくない。冷却工程での熱収縮量A/冷却工程での熱収縮量Bの値は1以上であり、特に上限はないが、コスト面、生産効率の面から特に好ましい冷却工程での熱収縮量A及びBの関係は下記式を満足するものである。
Figure 0005189726
また、加工工程で加熱処理がなされる場合は、加熱処理工程後のカール発生を防止するため、好ましくは被着体の熱収縮率xと粘着シートの熱収縮率yとができるだけ差が小さいもの、より好ましくは同じものを用いるのが良い。
なお、本発明の熱収縮率(%)とは、微少定荷重伸び測定装置(インテスコ社製)を用い、測定開始温度30℃、昇温速度10℃/minで170℃まで加熱後、降温速度10℃/min、30℃まで冷却という測定条件で測定した被測定体の測定開始温度(30℃)と測定終了温度(30℃)での熱収縮率を示す。
以下、本発明の被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シートにつき実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シートはこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例の粘着シート及び得られたフレキシブルプリント基板については、冷却工程での熱収縮量及び熱プレスにおけるカール発生防止性について評価した。これらの項目については、以下の方法により評価した。
[冷却工程での熱収縮量(%)と熱収縮率(%)]
インテスコ社製、微少定荷重伸び測定装置を用いて、TD、MD方向各々について測定した。
被測定体のサイズ:20mm(MD)×250mm(TD)
被測定体:(1)被着体(2層CCL:製品名「エスパネックスSC12−25−00AE」、新日鐵化学社製、銅箔12μm、ポリイミド25μm)
(2)粘着シート
測定条件:測定開始温度30℃、昇温速度10℃/minで170℃まで加熱後、降温速度10℃/min、30℃まで冷却、定荷重4gf(0.039N)
測定結果:
〔冷却工程での熱収縮量(%)〕:被測定体の各温度での伸縮率をプロットしたときに得られるグラフの170℃から30℃冷却工程での被着体の熱収縮量(B)と粘着シートの該冷却工程での熱収縮量(A)を求めた。
〔熱収縮率(%)〕:被測定体の測定開始温度(30℃)と測定終了温度(30℃)での熱収縮率を求めた。
[熱プレスにおけるカール発生防止性]
被着体として2層CCL:製品名「エスパネックスSC12−25−00AE」、新日鐵化学社製、銅箔12μm、ポリイミド25μm)を用い、この2層CCLのポリイミドフィルム側に粘着シートの粘着剤層を積層し、速度300mm/分の条件で、質量2kgのゴムローラを一往復させることにより圧着して20分間放置し、被測定体を作製した。この被測定体の被着体側から粘着シートを下側にして、170℃、押圧力40kgf/cmの条件で10分間プレスし、粘着シートを下側にしたまま温度30℃、湿度65%RHの条件下で冷却した時の被測定体の状態を目視により次の基準で評価した。なお、被着体及び粘着シートのサイズは(i)20mm(TD)×200mm(MD)、(ii)20mm(MD)×200mm(TD)、(iii)250mm(MD)×120mm(TD)の3パターンとし、(i)はMD、(ii)はTDを評価し、(iii)はMD、TDの両方を総合的に評価した。
○:粘着シートを下側にし、銅箔方向へのカール(浮き上がり量)が見られない。
△:粘着シートを下側にし、銅箔方向へのカールが10mm未満/1隅
×:粘着シートを下側にし、銅箔方向へのカールが10mm以上/1隅
(実施例1)
アクリル系粘着剤(アクリル酸2−エチルヘキシル63.7質量%、酢酸ビニル35質量%、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル1.3質量%から構成されたアクリル酸2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、水酸基価5.6mgKOH/g、重量平均分子量39万、ガラス転移温度−42℃)100質量部、架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体。商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル(株)製、NCO:20.7%)6質量部、フェノール系酸化防止剤(商品名:AO−330、旭電化工業(株)製)0.2質量部、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶剤(混合比1:1)300質量部を均質に攪拌・混合し、粘着剤層形成塗工液を調整した。
ついで、この粘着剤層形成塗工液を、基材となる厚さ50μmのアニール処理したポリエチレンナフタレートフィルム(JIS C 2318に基づく破断強度:179N/mm(MD)、244N/mm(TD))の表面に、乾燥後の膜厚が7μmになるように塗布し、これを80℃で1分間、更に表1に記載の乾燥温度で3分間加熱乾燥することによって粘着剤層を形成した。この粘着剤層の表面に厚さ30μmの延伸ポリプロピレン(OPP:Oriennted Polypropylene、商品名:アルファン、王子製紙(株)製)フィルムを剥離ライナーとして貼着し、23℃の温度条件下で1週間養生することによって、粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、表1に記載の乾燥温度を変えた以外は全て実施例1と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、基材としてアニール処理をしていないポリエチレンナフタレートフィルム(JIS C 2318に基づく破断強度:179N/mm(MD)、244N/mm(TD))を用いた以外は全て実施例2と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(実施例4)
実施例2において、基材としてアニール処理をしていないポリエチレンナフタレートフィルム(JIS C 2318に基づく破断強度:280N/mm(MD)、276N/mm(TD))を用いた以外は全て実施例2と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、基材としてアニール処理をしたポリエチレンナフタレートフィルム(JIS C 2318に基づく破断強度:280N/mm(MD)、276N/mm(TD))を用いた以外は全て実施例1と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、表1に記載の乾燥温度を変えた以外は全て比較例1と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(比較例3)
比較例1において、基材のアニール処理条件を変え、より低熱収縮性のものを用いた以外は全て比較例1と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
(比較例4)
比較例2において、基材のアニール処理条件を変え、より低熱収縮性のものを用いた以外は全て比較例1と同様にして粘着シートを得た。このものの物性を表1に示す。
Figure 0005189726
表1の結果から、本発明の粘着シートは、比較例1〜4のいずれのものよりも熱プレス処理を行ってもカールやシワの発生がないものであることがわかる。これにより、本発明の粘着シートを用いてフレキシブルプリント配線基板を製造することにより、得られる基板は精度の高い回路パターンの形成が可能でしかも生産性に優れるものである。
また、表1の結果から、熱収縮率(%)が低いものを用いるだけでは、熱プレス処理後にカールやシワの発生を防止することができないことが判る。
本発明の被着体の加工方法及びこれに用いる粘着シートは、加熱プレス処理加工後にカールやシワの発生を抑制することができるため、カール修正のための人手や機械を必要とせず、また、被着体にシワ等の発生を抑制できるので、被着体表面に施した加工の精度を低下させることなく、高い品質の被着体を得ることができる。そのため本発明の被着体の加工方法及びこれに用いる粘着シートは、フレキシブルプリント基板の製造に極めて有効なものである。


Claims (3)

  1. 基材フィルムの片面に粘着剤層を有する粘着シート(a)の該粘着剤層側に被着体(b)を貼り付け、該被着体を加熱プレス加工する被着体(b)の加工方法であって
    前記粘着シートは、厚さ25〜100μmのポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハンから選択される基材フィルムの片面に厚さ2〜80μmの粘着剤層を有するものであり、
    前記被着体は、25μm以下の樹脂フィルム、金属箔、セラミックシートから選択されるものであり、
    予め、前記粘着シート(a)と前記被着体(b)の熱収縮量を測定し、MD方向、TD方向それぞれの粘着シート(a)の熱収縮量Aと被着体(b)の熱収縮量Bの関係(熱収縮量A/熱収縮量B)が1以上2以下を満たす、粘着シート(a)と被着体被着体(b)とを組合せ加熱プレス加工するものであり、
    前記熱収縮量は、前記粘着シート(a)と前記被着体(b)とを各々昇温速度10℃/minで30℃から170℃まで加熱後、定荷重4gf、降温速度10℃/minで170℃から30℃まで冷却したときの熱収縮量であることを特徴とする被着体の加工方法。
  2. 前記被着体(b)が、少なくともポリイミド樹脂を含む合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の被着体の加工方法。
  3. 前記被着体(b)が、合成樹脂フィルムと金属箔との積層体であり、前記該粘着シート(a)を該合成樹脂フィルム側に貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の被着体の加工方法。
JP2005079909A 2005-03-18 2005-03-18 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート Active JP5189726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005079909A JP5189726B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005079909A JP5189726B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006257358A JP2006257358A (ja) 2006-09-28
JP5189726B2 true JP5189726B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=37096965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005079909A Active JP5189726B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5189726B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07301789A (ja) * 1994-05-06 1995-11-14 Casio Comput Co Ltd 液晶表示装置およびその製造方法
JP2837829B2 (ja) * 1995-03-31 1998-12-16 松下電器産業株式会社 半導体装置の検査方法
JP4357754B2 (ja) * 2000-10-02 2009-11-04 日東電工株式会社 半導体装置の製造方法
JP2003138228A (ja) * 2001-11-02 2003-05-14 Nitto Denko Corp 半導体ウエハ保護用粘着シート
JP2003340791A (ja) * 2002-05-28 2003-12-02 Misuzu Kogyo:Kk 異種積層材のスリット加工方法
JP2004335505A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板
JP2005050879A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Kyocera Corp 積層型配線基板および電気装置並びにその実装構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006257358A (ja) 2006-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2495779A2 (en) Method for manufacturing thin-film substrate
JP5110613B2 (ja) 樹脂ベース基板用離型材およびその製造方法
JP4547336B2 (ja) フレキシブル積層板の製造方法
US6340518B1 (en) Flexible metal-clad laminates and preparation of the same
KR20180022827A (ko) 편면 금속장 적층판의 제조 방법 및 제조 장치
WO2008091119A1 (en) Surface protective film
CN111867833B (zh) 可折叠背板膜和用于制造可折叠背板膜的方法
JP2011020399A (ja) 剥離性ポリイミドフィルム積層体
JP2006007550A (ja) 両面離型フィルム
JP2010120818A (ja) グラファイト複合フィルム
US6921451B2 (en) Method of and apparatus for protecting thin copper foil and other shiny substrates during handling and rigorous processing, as pcb manufacture and the like, by electric-charge adherence thereto of thin release-layered plastic films and the like, and improved products produced thereby
WO2006067964A1 (ja) 熱プレス成形用離型ポリエステルフィルム
JP5339019B2 (ja) 補強用裏打ちフィルム付き積層ポリイミドフィルム
JP2010094983A (ja) 積層ポリイミドフィルム
JP5189726B2 (ja) 被着体の加工方法及びこれに用いられる粘着シート
JP4500773B2 (ja) フレキシブル積層板の製造方法
JP5607780B2 (ja) グラファイト複合フィルム
JP2020044688A (ja) 積層フィルム
JP2016060128A (ja) 転写フィルム及びそれを用いた樹脂/ガラス積層体の製造方法、並びに樹脂/ガラス積層体
JP4766796B2 (ja) 離型フィルム
KR100721655B1 (ko) 이형 필름 및 그 제조 방법
KR101546393B1 (ko) 플렉시블 금속장 적층판 및 그 제조 방법
KR20190128329A (ko) 반도체 패키지용 캐리어 및 이의 제조방법
JP2005088401A (ja) フィルムキャリア、その製造方法および金属張り板
JP2003318554A (ja) 多層プリント基板製造用アルミニウム離型板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121030

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5189726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250