JP5188792B2 - 視覚再生補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は患者の視覚を再生するための視覚再生補助装置に関する。
近年、失明治療技術の一つとして、複数の電極が形成された基板を有する体内装置を体内に埋植し、網膜を構成する細胞を電気刺激して視覚の再生を試みる視覚再生補助装置の研究がされている。このような視覚再生補助装置は、例えば、体外装置を用いて撮像された映像を所定の信号に変換して体内に設置された体内装置に送信し、電極から電気刺激パルス信号を出力して網膜を構成する細胞を電気刺激することにより、視覚の再生を試みる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230590号公報
このような装置では、体外装置から送られてくる電力及び電気刺激のための情報を、体内装置で受け取り、それらに基づいて多数の電極から電気刺激パルス信号を各々出力させて網膜を構成する細胞を電気刺激する。このため、体内装置は、眼球等の刺激部位に設置される刺激部と、電力や情報を受け取り、刺激部へと送る受信部を備える構成とされる。このような構成において、受信効率を考えると受信部は体外装置に近い位置(体表面付近)に設置されることが好ましい。一方、刺激部は患者眼に設置されるため、受信部と刺激部とは通常離れた位置に各々置かれることとなる。このため、このような体内装置を患者の体内に埋植する際、刺激部や受信部の取り回しが簡単でない。さらに、患者の体内に設置された体内装置は長期に安定して作動することが求められる。
上記従来技術の問題点に鑑み、体内装置の埋植手術における装置の取り扱いが容易であり、体内で長期に安定して作動する視覚再生補助装置を提供することを技術課題とする。
上記技術課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激するための複数の電極を有する刺激部と、該刺激部と別筐体で構成され,体外から前記刺激部の駆動用の電力及び前記電極から電気刺激パルス信号を出力させるための電気刺激パルス用データの少なくともどちらか一方を取得するための受信部と、を備え、患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激して視覚の再生を促すための視覚再生補助装置において、
前記刺激部と前記受信部とを導線を用いて電気的に接続するための接続手段であって,前記導線を該導線上の所定の位置で分割・接合するためのコネクタ部を有する接続手段を有し、
前記コネクタ部は、
分割された前記導線の一方の先端部を内包する柱状の内筒部からなる第1端部と、
前記内筒部よりも大きい径で形成されるとともに前記内筒部を嵌合するための内形状を有し分割された前記導線の他方の先端部を内包する外筒部からなる第2端部であって,生体適合性を有すると共に体温にて内径方向に収縮する形状記憶素材にて形成された締着部材が前記外筒部の周囲に設けられている第2端部と、を備え、
前記締着部材で用いられる前記形状記憶素材は生体適合性を有するとともに、人の体温(35℃程度)で記憶された形状に復元し,マルテンサイト変態点が摂氏15℃以下である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、体内装置の埋植手術における装置の取り扱いが容易であり、体内で長期に安定して作動させることができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は視覚再生補助装置の外観を示した概略図、図2は視覚再生補助装置における体内装置を示す図である。
視覚再生補助装置1は、図1及び図2に示すように、外界を撮影するための体外装置10と、網膜を構成する細胞に電気刺激を与え視覚の再生を促す体内装置20とからなる。体外装置10は、患者が掛けるバイザ11と、バイザ11に取り付けられるCCDカメラ等からなる撮影装置12と、外部デバイス13、一次コイルからなる送信手段14等にて構成されている。
外部デバイス13には、CPU等の演算処理回路を有するデータ変調手段13a、視覚再生補助装置1(体外装置10及び体内装置20)の電力供給を行うためのバッテリ13bが設けられている。データ変調手段13aは、撮影装置12にて撮影した被写体像を画像処理し、さらに得られた画像処理後のデータを、視覚を再生するための電気刺激パルス用データに変換する処理を行う。送信手段14は、データ変調手段13aにて変換された電気刺激パルス用データ及び後述する体内装置20を駆動させるための電力を所定の信号、本実施形態では、電磁波として体内装置20側に伝送(無線送信)する。この電磁波には、電気刺激パルス用データと電力が重畳されている。また、送信手段14の中心には図示なき磁石が取り付けられている。磁石は後述する受信手段31との位置固定に使用される。
バイザ11は眼鏡形状を有しており、図1に示すように、患者の眼前に装着して使用することができるようになっている。また、撮影装置12はバイザ11の前面に取り付けてあり、患者に視認させる被写体を撮影することができる。
次に、体内装置20の構成を説明する。図2(a)は、体内装置20の外観を示し、図2(b)は刺激部40の断面を示した図である。体内装置20は、大別して体外装置10から送信される電気刺激パルス信号用データ及び電力を電磁波にて受け取る受信部30と、受信部とは別筐体であって、網膜を構成する細胞を電気刺激する刺激部40により構成される。また、詳細は後述するが、受信部30と刺激部40は導線(ケーブル53,54)にて電気的に接続される(導線上に接続手段が設けられている)。なお、ケーブル53とケーブル54とはコネクタユニット(コネクタ部)60にて所定の位置にて分割(分離)・接合することが可能となっている。受信部30には、体外装置10からの電磁波を受信する2次コイルからなる受信手段31や、制御部32(制御手段)が設けられている。制御部32は、受信手段31にて受信された電気刺激パルス用データと電力とを分けるとともに、電気刺激パルス用データを基に、視覚を得るための電気刺激パルス信号と、電気刺激パルス信号と対応する(電気刺激パルス信号を出力させる)電極を指定する電極指定信号等を含む制御信号とに変換し、電力と制御信号を所定の信号として、刺激部40へ送信するための役割を有している。
これら受信手段31や制御部32は、基板33上に形成されている。なお、受信部30には送信手段14を位置固定させるための図示なき磁石が受信手段31の中心に設けられている。対向電極(帰還電極)34はそれぞれの電極44に対向して配置され、効率的よく細胞等を電気刺激するための部材である。
また、刺激部40は、電気刺激パルス信号を出力する複数の電極44、刺激制御部42(刺激制御手段)、これらが設置される基板43を含む。各電極44は、各々が刺激制御部42に接続される。刺激制御部42は、制御部32から送られてきた制御信号(電極指定信号を含む)に基づいて、対応する電気刺激パルス信号を電極44の各々へ振り分けるマルチプレクサ機能を有する。また、電極44は生体適合性が高い素材にて基板43上に形成される。本実施形態で用いられる基板43は、眼内、特に、層状の眼組織内に設置されるため、眼球の形状に沿うことが好ましく、層間(層内)に長期埋植されても患者の負担が少ないことが好ましい。このため、基板43には、生体適合性が高く、所定の厚さにおいて折り曲げ可能(フレキシブル)な材料を平板状に加工したものが用いられる。この基板43には、電極44と刺激制御部42が電気的に接続する導線であるワイヤ41が配置される。ワイヤ41は、生体適合性の高い導体で形成される。また、ワイヤ41の導体表面は、生体適合性を有すると共に絶縁性を有する素材で被覆される。基板43上に実装された刺激制御部42はワイヤ41を介して基板43上に複数個形成された電極44と接続される。
刺激制御部42は、各半導体素子の組合せにより機能を果たす半導体の集積回路であり、半導体基板上に集積回路を機能させるパターン配線が形成された面を基板43側にして接合されている。また、詳細な説明は略すが、刺激制御部42は、その周囲をメッキなどに覆われており、生体からの浸潤等を低減させる構成とされる。なお、刺激制御部42は、セラミックスや金属にて形成された気密ケースを用いて密封処理される構成としてもよい。このような場合、刺激制御部42は、ケースに設けられたビアを介してワイヤ41と接続される。
また、図示は略すが、受信部30は、ケーブル53、対向電極34を外に出して、気密性の高い容器に収められ、その容器の蓋を密閉される。さらに、容器の上から生体適合性がよく絶縁性を有する樹脂等でコーティングされる。これにより、受信部30はハーメチックシールされる。
前述のように、体内において離れた位置に置かれる受信部30と刺激部40とは複数の導線であるワイヤ51(第1導線)、52(第2導線)がコネクタユニット60箇所での係合(接合)によって電気的に接続されている。ワイヤ51、52は、体内に設置された際に眼球運動に対応した伸縮性、耐久性を備えることが好ましく、上述のワイヤ41と同様の素材にて作製され、周囲を絶縁被覆される。また、図2に示されるように、ワイヤ51、52は、取扱いし易いように、生体適合性の高い素材、例えば、シリコーン、パリレン(ポリパラキシリレン、パリレンは登録商標)等により作製されたケーブル53、54に収められる(又は、樹脂により一体的に被覆される)。また、先に述べたように、受信部30と刺激部40とを導線(ケーブル53,54)によって電気的に接続し、さらにこの導線の所定位置でケーブル53,ケーブル54として分割し、さらにケーブル53とケーブル54とを接合できるようにコネクタユニット60が設けられるものである。このようなコネクタユニット60は、術中の装置の取り回しを考慮すると、受信部30側に近くなるように設けられることが好ましい。言い換えれば、受信部30と刺激部40とを接続する導線をできるだけ受信部30側に近い位置にて分割し、この分割箇所に、コネクタユニット60を設けるようにする。コネクタユニット60は、受信部30側から延びるケーブル53の端部となるメスコネクタ80と、刺激部40側から延びるケーブル54の端部となるオスコネクタ70が、嵌合することにより構成される。制御部32(受信部30)に一端を接続されケーブル53に収められたワイヤ51は、コネクタユニット60のメスコネクタ(第2端部、メスハウジング)70に他端を接続される。また、刺激制御部42(刺激部40)に一端を接続されケーブル54に収められたワイヤ52は、コネクタユニット60のオスコネクタ(第1端部、オスハウジング)80に他端を接続される。
次に各コネクタの構成とコネクタの接続について説明する。図3はコネクタユニット60の外観斜視図であり、図4はコネクタユニット60の中心軸での断面図(A−A平面の断面図)ある。図3(a)及び図4(a)は、コネクタユニット60の未接続状態を示し、図3(b)及び図4(b)はコネクタユニット60の接続状態を示す。なお、図3、4では、ケーブル53、54の図示を略した。
メスコネクタ70は、導線であるワイヤ51及び後述するパイプ76を複数まとめて内包する空洞部を備えると共に、後述するオスコネクタ80が貫入する開口を持ち、オスコネクタ80が嵌合する内形状を持つ外筒部を備える筐体71を有し、筐体71の一端にはワイヤ51の先端部分が接続されている。外筒部の内径は、オスコネクタ80が嵌合する大きさとされ、好ましくは、オスコネクタ80の外径と略同径か、若干大きい程度とされる。筐体71は、生体適合性を有すると共に気密性の高い素材、例えば、白金、金、チタン、ステンレス鋼等の金属からの削り出し等により成型される。また、筐体71の素材としては、生体適合性を有すると共に気密性が比較的高い樹脂、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等でもよいし、生体適合性を有するセラミックス等であってもよい。筐体71の開口付近には、後述するオスコネクタ80の筐体81上に設けられた突起が嵌合するための溝(凹部)72がその内壁面に形成されている。各ワイヤ51の先端は、弾性を有する導電性の素材、例えば、ニッケル・チタン合金で形成されたパイプ(中空部材)76に熔接等で電気的に各々接続され、パイプ76は生体適合性を有すると共に絶縁性を有する素材、例えば、シリコーン、エポキシ、パリレン、ポリイミド等の樹脂製のフィラー75にて包埋された状態で、筐体71内に収められる。このとき、ワイヤ51とパイプ76の接続箇所は、筐体71内に収められている。これにより、コネクタ70とケーブル53の接続箇所は、ワイヤ51の柔軟性を有することとなり、手術、体内埋植において、取り回し易くなる。なお、フィラー75は、ワイヤ51及びパイプ76を位置決めする役割を担う。また、フィラー75に柔軟性を備えるシリコーンを用いると、後述するパイプ76とワイヤ51の嵌合の際に、パイプ76の径方向の広がりに応じて、シリコーン製のフィラー75が変形し、フィラー75に隙間、亀裂等が発生しにくくなる。
筐体71の外筒部の外周には、溝72を覆うように、環状の部材であるリング(締着部材)73が配置される。詳細は後述するが、リング73は、オスコネクタ80とメスコネクタ70のを接続した後に、メスコネクタ70を締め付け、コネクタユニット60の気密性を向上させる役割を持つ。リング73は、生体適合性を有すると共に、形状記憶性を有する素材、例えば、ニッケル・チタン合金等の形状記憶合金の削り出し等にて作製される。本実施形態で用いる形状記憶合金は、人の体温(例えば37℃±2℃程度)にて図3、図4で示される接合前の環状径より若干内径方向に小さい初期形状となる(記憶させた形状に復元する)特性を持つものとする。また、筐体71の外筒部の肉厚はリング73の復元力に応じて内径方向に若干縮むことができる程度の強度を持つ厚さとなっている。言い換えれば、リング73には、マルテンサイト変態点が室温(摂氏15〜25程度)以下であり、人の体温付近で復元性を持つ(形状記憶効果を発揮する)形状記憶合金を用いる。なお、本実施形態で用いる形状記憶合金のマルテンサイト変態点は、摂氏零度程度とされてもよい。また、マルテンサイト変態点は氷点下とされてもよい。
一方、オスコネクタ80は、メスコネクタ70の開口から内部に貫入する柱状(図では円柱状)の内筒部を持つ筐体81と、この筐体81にワイヤ52が接続されて構成される。また、筐体81は、筐体71と同様に、ワイヤ52を内包する空洞を有している。なお、筐体81は、筐体71と同様の素材にて成型され、筐体81内には複数のワイヤ52が前述と同様のフィラー85にて包埋され、内包される(筐体81にワイヤ52が接続される)。なお、図示するように、ワイヤ52の先端は、フィラー85よりも若干突き出るとともに対応するパイプ76に対して位置決めされている。また、筐体81の内筒部の円周には、前述の溝72と嵌合する突起(凸部)82が形成される。オスコネクタ80とメスコネクタ70が接続され、突起82が溝72と嵌合した状態で、各パイプ76と対応するワイヤ52とが接続される。また、溝72と突起82が筐体71、81の円周(内周、外周)に形成されることにより、オスコネクタ80とメスコネクタ70の接続(嵌合)時に、コネクタユニット60の内部に体液等が浸潤するのを抑制する。なお、ワイヤ52の先端部(フィラー85から突出した部分)は、絶縁性の被膜が取り除かれている(導線が露出される)。また、ワイヤ52の先端は、角が落とされている。
以上のような構成のオスコネクタ80とメスコネクタ70の接続について説明する。接続は受信部30と刺激部40とを患者の体内の所定位置に各々埋殖した後で最期に接続を行うものとする。図3(a)、図4(a)に示すように、オスコネクタ80とメスコネクタ70を対向させ、筐体81が筐体71に貫入されると、図3(b)、図4(b)に示すように、コネクタユニット60が構成される。このとき、メスコネクタ70(リング73)は、形状記憶特性が生じない程度の温度(マルテンサイト変態点以下の温度、例えば室温以下)にて取り扱いされる。このため、受信部30や刺激部40を埋殖する術中の間は体温による温度上昇を防ぐために、氷やドライアイス等にメスコネクタ70を常時接触、或いは接続直前に接触させて、リング73周辺の温度を下げておいてもよい。また、メスコネクタ70を保持し、リング73を冷却させるプローブを備える冷却装置を用いてもよい。例えば、メスコネクタ70の周囲を覆うようなクリップ状のプローブにペルチャ素子を接続し、ペルチェ素子を駆動させて、プロープを氷点下程度とさせる構成とする。また、メスコネクタ70の開口に、予めメスコネクタ70を広げてた状態で維持するためのプラグ類を取り付けておいてもよい。術中にプラグが嵌合されたメスコネクタ70を冷却し、プラグを外すことで、メスコネクタ70が広がった状態でコネクタユニット60を接合できるので、手術がスムーズにできる。
リング73が室温以下とされ、リング73が展性又は塑性を有している場合、突起82が溝72に到るにつれて、筐体71が多少広がり、溝72に突起82が嵌合される。このとき、リング73も伸展される。また、ワイヤ51がパイプ76の空洞に貫入される(収められる)ことで、ワイヤ51とワイヤ52が電気的に接続される(図4(b)参照)。パイプ76は弾性を有するため、ワイヤ52がパイプ76の内径とほぼ同じ外径であっても、パイプ76の入口(開口)が広がって、ワイヤ51を貫入できる。また、ワイヤ52の先端は角が落とされているため、パイプ76に貫入し易くなり、さらに、パイプ76とワイヤ52の位置決めがし易くなる。パイプ76は内径方向に収縮する弾性力(復元力)を持つため、パイプ52内に貫入されたワイヤ52は、パイプ76により締め付けられ、パイプ76とワイヤ52の電気的及び機械的接続が確保される。また、パイプ76は弾性を持つため、パイプ76とワイヤ52の接続箇所に外力が掛っても、パイプ76がしなって外力を吸収する。これにより、パイプ76とワイヤ52は抜けにくくなる。なお、オスコネクタ80とメスコネクタ70に互いに嵌合するスリットとスリット溝をそれぞれ設けて、パイプ76とワイヤ52の位置会わせをし易くする構成としてもよい。
このように、コネクタユニット60が接続された状態で、体温によってコネクタユニット60(リング73)の温度が上昇し、体温付近となると、リング73は形状記憶性を示し、初期形状(記憶させた形状)となる(復元する、弾性を発揮する)。これにより、溝72が筐体71の円周に沿って、内径方向に締め付けられ、突起82と溝72がより密着される。このようにして、オスコネクタ80とメスコネクタ70の接続が強化され(抜けにくくなり)、コネクタユニット60の気密性が向上され、体液等の浸潤がさらに抑制される。また、コネクタユニット60は、体内に長期配置されるため、リング73の温度は常に体温とされる。このため、リング73の復元力(弾性力)は持続される。このため、長期的にコネクタユニット60の気密性が保たれる。また、コネクタユニット60が抜けて離れてしまうことを抑制できる。
なお、以上説明した本実施形態では、ワイヤ51とパイプ76は、熔接等により接続される構成としたが、嵌合によって接続される構成としてもよい。例えば、ワイヤ51の先端部は、絶縁性の被覆を取り除き、ワイヤ51の外径とほぼ同じ内径を有するパイプ76に差し込まれることで、ワイヤ51とパイプ76が電気的に接続してもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、パイプは、弾性力を持つ中空の導体としたが、これに限るものではない。パイプとワイヤ52と電気的及び機械的に接続される構成であればよい。例えば、前述のリング73のような特性を持つ形状記憶合金で構成されてもよい。ワイヤ52の外径よりも小さい内径を持つパイプを作製し、コネクタユニット60の接続時に、パイプを冷却すると共にパイプをワイヤ52の外径よりも広げ、ワイヤ52をパイプ内に貫入させる。そして、コネクタユニット60が体内に置かれると、パイプが記憶形状へと復元し、ワイヤ52がパイプに締め付けられ、ワイヤ51とパイプが電気的及び機械的に接続されることとなる。
なお、以上説明した本実施形態では、導線であるワイヤ51をパイプ76に貫入させる構成としたがこれに限るものではない。ワイヤ51とワイヤ52が電気的に接続されればよい。オスコネクタ80の空洞内にあるワイヤ52を、パイプ76に貫入させるための柱状の部材(端子)に置き換えてもよい。例えば、弾性力を有するパイプ76の内部に充分貫入可能な強度を持つ柱状の導体を、ワイヤ52の先端に熔接し、オスコネクタ80内に収め、その接続箇所をフィラー85にて包埋する。これにより、ワイヤ52よりも強度の高い端子を、パイプ76に貫入させる構成とできる。
なお、以上説明した本実施形態では、リング73は溝72を覆うように外筒部の外周(表面)上に配置される構成としたが、これに限らない。リング73は、形状記憶特性によって外筒部を押し縮め、嵌合する内筒部を周囲から押圧し密着させることのできる配置であればよい。例えば、筐体71の内部(外壁と内壁の間)に配置される構成であってもよい。また、リング73は、オスコネクタ80とメスコネクタ70を密着させる形状であれば、環状に限るものではない。Eリングのように形成されてもよい。また、これに応じて、オスコネクタ及びメスコネクタも円柱状以外に、角柱等に成型して用いてもよい。
次に、体内装置20の設置及びコネクタユニット60の接続について説明する。図5は、刺激部40を眼内に埋植した状態を示す概略図である。体内装置20の設置おいて、刺激部40と受信部30は別々に埋植され、その後、コネクタユニット60が接続される。
対向電極34は図示するように眼内中央の前眼部寄りの位置に置かれる。これによって、網膜E1は電極44と対向電極34(対向電極)との間に位置することとなる。電極44からの電気刺激パルス信号電流が効率的に網膜を貫通することとなる。
刺激部40に接続されたワイヤ52を束ねたケーブル54は、図5に示すように強膜E3の外側を通り、患者の眼窩、上まぶたの内側を通して、側頭部に到る。このとき、オスコネクタ80は側頭部に位置する。
一方、受信手段31(受信部30)は、体外装置10に設けられた送信手段14からの信号(電気刺激パルス用データ及び電力)を受信可能な生体内の所定位置に設置される。例えば、図1に示すように、患者の側頭部の皮膚の下に受信部30を埋め込むとともに、皮膚を介して受信部30と対向する位置に送信手段14を設置しておく。受信部30には、送信手段14と同様に磁石が取り付けられているため、埋植された受信部30上に送信手段14を位置させることにより、磁力によって送信手段14と受信部30とが引き合い、送信手段14が側頭部に保持されることとなる。このとき、ワイヤ51を束ねたケーブル53と、メスコネクタ70は側頭部に位置する。
このように、刺激部40と受信部30がそれぞれ設置された後、オスコネクタ80とメスコネクタ70を接続し、コネクタユニット60を側頭部に設置する。体内に埋植されたコネクタユニット60は、患者の体温により温められ、リング73の形状記憶特性によって前述したように気密性が向上される。
なお、メスコネクタ70を接続前の状態でリング73の形状記憶特性が生じない程度の温度(例えば室温よりも低い温度)にする場合は、側頭部付近で、接続前にメスコネクタ70を氷等に接触させて冷却させる。その後、オスコネクタ80とメスコネクタ70を接続し、コネクタユニット60が室温程度になったら、コネクタユニット60を側頭部に設置する。
このようにして、受信部30と刺激部40の体内埋植を別々に行うことができ、各ユニット(受信部30、刺激部40)の取り回しが簡単にできる。また、別々に埋植した各ユニットを接続することができると共に、体内装置を長期に安定して患者の体内で作動させることができる。
なお、本実施形態では、体内装置20(刺激部40)の設置位置を強膜E3側に位置させて、強膜E3側(脈絡膜側)から網膜E1を構成する細胞を電気刺激する構成としたが、これに限るものではない。電極を配置する基板がフレキシブルであることが好ましい部位で患者眼の網膜を構成する細胞を好適に刺激することが可能な位置に電極を設置することができればよい。例えば、層間に電極及び基板を設置すればよい。体内装置を患者眼の眼内(網膜上や網膜下)に置き、電極が形成されている基板先端部分を網膜下(網膜と脈絡膜との間)や網膜上に設置させるような構成とすることもできる。
以上のような構成を備える視覚再生補助装置において、その動作を図6に示す制御系のブロック図を基に説明する。図1に示す撮影装置12により撮影された被写体の撮影データ(画像データ)は、データ変調手段13aに送られる。データ変調手段13aは、撮影した被写体を患者が認識するために必要となる所定のデータパラメータ(電気刺激パルス用データ)に変換し、さらに電磁波として伝送するのに適した変調信号を生成し、送信手段14より電磁波として体内装置20側に送信する。
また同時に、データ変調手段13aは、バッテリ13bから供給されている電力を前述した変調信号(電気刺激パルス用データ)の帯域と異なる帯域の電磁波として前記変調信号と合わせて体内装置20側に送信する。
体内装置20側では、体外装置10より送られてくる変調信号と電力とを受信手段31にて受け取り、制御部32に送る。制御部32では受けとった信号から、変調信号が使用する帯域の信号を抽出するとともに、この変調信号に基づいて電気刺激パルス用パラメータ信号と制御信号とを形成し、電極指定信号である制御信号を刺激制御部42に送信する。
刺激制御部42は、受け取った信号に基づき電力及び制御信号を抽出する。刺激制御部42は、制御信号に基づき制御部32から供給される電気刺激パルス信号を各電極44に分配し、出力させる。各電極44から出力される電気刺激パルス信号によって網膜E1を構成する細胞が電気刺激され、患者は視覚(擬似光覚)を得る。なお、制御部32は、受信手段31により体内装置20を駆動させるための電力を得る。
なお、以上説明した本実施形態では、患者眼の強膜E3に基板43を設置し、強膜E3を介して網膜E1を電気刺激する構成としたが、これに限るものではない。受信部と刺激部が離れた位置に置かれる構成の視覚再生補助装置であればよく、患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気的に刺激する構成であればよい。例えば、電気刺激パルス信号を出力する電極を有する刺激部を眼内の視神経乳頭部や眼外の視神経部分に配置し、刺激部への電力供給や指令信号を送る受信部を患者の皮下等の離れた場所に配置して、視神経を電気刺激する構成としてもよい。また、電極を有する刺激部を視交叉や外側膝状体、大脳皮質等の視覚神経系の高次視覚処理を行う組織に配置し、それぞれの組織を構成する細胞を刺激する構成としてもよい。例えば、大脳皮質の後頭葉であれば、錐体細胞等を刺激する又は視覚野V1、V2等を刺激する等である。また、以上説明した本実施形態では、撮像装置からの画像データをデータ変調手段にて所定の信号に変換し、送信手段にて信号を体内へと送る体外装置と、体外装置からの信号を受信手段にて受け、その信号に基づいて各電極から電気刺激パルス信号を出力する体内装置と、で構成される体外撮像型の視覚再生捕縄装置を例に挙げたがこれに限るものではない。眼内に撮像装置やデータ変調手段等を備える刺激部を設置し、刺激部と離れた位置に電力を受信し、刺激部へと送るための受信部を設置する体内撮像型の視覚再生補助装置であってもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、受信部と刺激部の導線をそれぞれのコネクタユニット(オスコネクタ、メスコネクタ)にて接続する構成としたが、これに限るものではない。受信部側の導線と刺激部側の導線を係合することで電気的に接続し、その接続部を一体的に覆うようなコネクタ部を用いる構成としてもよい。また、対向電極34をコネクタユニットにて受信部と接続する構成としてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、受信部30側にメスコネクタ70、刺激部40側にオスコネクタ80を接続し、メスコネクタ70に中空部材であるパイプ76にて受信部30と刺激部40とを電気的に接続する構成としたが、これに限るものではない。オスコネクタとメスコネクタの配置が逆であってもよい。また、中空部材は、オスコネクタ側に設けてもよい。
視覚再生補助装置1の外観を示した概略図である。 視覚再生補助装置1の体内装置20を示した概略図である。 コネクタユニット60の外観斜視図である。 コネクタユニット60の概略断面図である。 体内装置20を体内に設置した状態を示した図である。 視覚再生補助装置1の制御系を示したブロック図である。
符号の説明
1 視覚再生補助装置
10 体外装置
20 体内装置
30 受信部
31 受信手段
32 制御部
34 対向電極
40 刺激部
41 ワイヤ
42 刺激制御部
43 基板
44 電極
60 コネクタユニット
70 メスコネクタ
80 オスコネクタ

Claims (1)

  1. 患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激するための複数の電極を有する刺激部と、該刺激部と別筐体で構成され,体外から前記刺激部の駆動用の電力及び前記電極から電気刺激パルス信号を出力させるための電気刺激パルス用データの少なくともどちらか一方を取得するための受信部と、を備え、患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激して視覚の再生を促すための視覚再生補助装置において、
    前記刺激部と前記受信部とを導線を用いて電気的に接続するための接続手段であって,前記導線を該導線上の所定の位置で分割・接合するためのコネクタ部を有する接続手段を有し、
    前記コネクタ部は、
    分割された前記導線の一方の先端部を内包する柱状の内筒部からなる第1端部と、
    前記内筒部よりも大きい径で形成されるとともに前記内筒部を嵌合するための内形状を有し分割された前記導線の他方の先端部を内包する外筒部からなる第2端部であって,生体適合性を有すると共に体温にて内径方向に収縮する形状記憶素材にて形成された締着部材が前記外筒部の周囲に設けられている第2端部と、を備え、
    前記締着部材で用いられる前記形状記憶素材は生体適合性を有するとともに、人の体温(35℃程度)で記憶された形状に復元し,マルテンサイト変態点が摂氏15℃以下である、
    ことを特徴とする視覚再生補助装置。
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