JP2009066237A - 視覚再生補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 眼球運動による機械的ストレスを抑制し、情報や電力等を効率よく伝送させる。
【解決手段】 外界像を撮像し,それに基づき患者の視覚を形成する刺激パルス用データを生成する刺激パルス用データ生成手段と,データの送信手段と,を持つ体外装置と、データの受信手段と,データを使用して体内に置かれた複数の電極から電気刺激パルス信号を出力させる刺激制御部と,を有する体内装置と、を持つ視覚再生補助装置において、体内装置は、眼窩に取り付けられ,データを送信する体内送信部で,眼窩に沿って並べられる複数の体内送信部と、眼球に取り付けられ体内送信部からのデータを受信する体内受信部で,刺激制御部にデータを送る体内受信部と、体内受信部の位置を検知する位置検知手段と、体内受信部の位置に基づいて,データを送信する体内送信部を選択する送信制御部と、を備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は患者の視覚の一部又は全部を再生する視覚再生補助装置に関する。
近年、失明治療技術の一つとして、複数の電極が形成された基板を有する体内装置を体内に埋植し、網膜を構成する細胞を電気刺激して視覚の再生を試みる視覚再生補助装置の研究がされている。このような視覚再生補助装置は、例えば、体外装置を用いて撮像された映像を所定の信号に変換して体内に設置された体内装置に伝送し、電極から刺激パルス信号を出力して網膜を構成する細胞を電気刺激することにより、視覚の再生を試みる装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2006−280412号公報 特表2002−539859号公報
このような装置では、体外装置から送られてくる電気刺激パルス信号用のデータを用いて多数の電極から電気刺激パルス信号を各々出力させて網膜を構成する細胞を電気刺激するため、体外装置からの情報(信号)を受信し処理を行うとともに、各電極に電気刺激パルス信号を分配する機能が必要となる。
このため、特許文献1のような装置においては、患者眼に直接設置する部分をできるだけ小型化させるために、複数の制御部に各々機能を分担させるようにし、電極に直接繋がる制御部と他の制御部とを導線(ワイヤー)にて接続するようにしている。このとき、眼球に設置された制御部に接続されたワイヤーは、患者眼の眼窩を通り、こめかみに設置された制御部へと到る。
また、特許文献2のような装置においては、眼球に設置された制御部にコイルと、患者の頭部に設置された制御部に接続され、眼窩に設置されたコイルとを用いて非接触にて情報、電力を送受信している。
しかしながら、特許文献1のような装置では、制御部間を接続したワイヤーが患者眼の眼球を取り巻き、眼窩内にあることで、眼球運動による機械的ストレスを受けることとなり、ワイヤーへの対策が必要になる。また、特許文献2のような装置では、眼球運動による眼球側のコイルの移動に伴い、情報、電力等の伝送効率が低下する。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、眼球運動による機械的ストレスを抑制するとともに、情報や電力等を効率よく伝送することができる視覚再生補助装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 体外に置かれた撮像手段にて外界像を撮像し,該外界像に基づいて患者の視覚を形成するための刺激パルス用データを生成する刺激パルス用データ生成手段と,該刺激パルス用データ生成手段にて得られる前記刺激パルス用データを送信する送信手段と,を持つ体外装置と、該送信手段から送信される前記刺激パルス用データを受信する受信手段と,該受信手段にて受け取った前記刺激パルス用データを使用して視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激可能な位置に置かれた複数の電極から電気刺激パルス信号を出力させる刺激制御部と,を有する体内装置と、を備える視覚再生補助装置において、前記体内装置は、さらに,患者眼の眼窩内壁に取り付けられ,前記受信手段にて受け取った前記刺激パルス用データを眼球に向けて送信する体内送信部であって,眼窩内壁に沿って平面上に並べられる複数の体内送信部と、患者眼の眼球に取り付けられ前記体内送信部から送信される前記刺激パルス用データを受信する体内受信部であって,前記刺激制御部に前記刺激パルス用データを送るための体内受信部と、前記体内送信部に対する前記体内受信部の位置を検知する位置検知手段と、該位置検知手段にて検知された前記体内受信部の位置に基づいて,前記刺激パルス用データを送信する前記体内送信部を選択する送信制御部と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の視覚再生補助装置において、前記体内送信部は1次コイル、前記体内受信部は2次コイルからなることを特徴とする。
(3)(1)又は(2)の視覚再生補助装置において、前記体外装置は、該体外装置及び前記体内装置の電力源を備え、前記体内送信部は、前記刺激パルス用データと前記電力源の電力を合わせて、前記体内受信部に送信することを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの視覚再生補助装置において、前記体内受信部は所定の基板上に複数個配設されていることを特徴とする。
(5) (4)の視覚再生補助装置において、前記位置検知手段は前記各体内送信部に対応付けて各々設けられるホール素子と、前記体内受信部近傍に設けられる磁石と、を有することを特徴とする。
(6) (1)〜(5)の何れかの視覚再生補助装置において、前記撮像手段は外界像を広角にて撮像する広角撮像手段であり、前記刺激パルス用データ生成手段は,前記位置検知手段からの情報に基づいて患者の視線方向を取得すると共に、前記外界像の視線方向の所定の領域を抽出して患者の視覚を形成するための刺激パルス用データを生成することを特徴とする。
(7) (1)〜(4)の視覚再生補助装置において、前記撮像手段は前記刺激パルス用データ生成手段からの制御信号に基づいて、撮像光軸を変更する撮像光軸変更手段を有し、前記刺激パルス用データ生成手段は,前記位置検知手段からの情報に基づいて患者の視線方向を取得すると共に、前記撮像光軸変更手段を制御し、前記撮像手段の撮像光軸を前記視線方向に略一致させることを特徴とする。
本発明によれば、眼球運動による機械的ストレスを抑制するとともに、情報や電力等を効率よく伝送することができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は視覚再生補助装置の外観を示した概略図、図2及び図3は視覚再生補助装置における体内装置を示す図である。
視覚再生補助装置1は、図1、図2、図3及び図6に示すように、外界を撮影するための体外装置10と、網膜を構成する細胞に電気刺激を与え視覚の再生を促す体内装置20とからなる(図6に示されるように、体内装置20は、送受信部30と刺激部40から構成される)。体外装置10は、患者が掛けるバイザー11と、バイザー11に取り付けられるCCDカメラ等からなる撮影装置12と、外部デバイス13、1次コイルからなる送信手段14等にて構成されている。
外部デバイス13には、CPU等の演算処理回路を有するデータ変調手段13a、視覚再生補助装置1の電力供給を行うためのバッテリー13bが設けられている。データ変調手段13aは、撮影装置12にて撮影した被写体像(外界像)を画像処理し、さらに得られた画像処理後のデータを、視覚を再生するための刺激パルス用データ(電気刺激パルス用データ)に変換(生成)する処理を行う。送信手段14は、データ変調手段13aにて変換された刺激パルス用データ及び体内装置20を駆動させるための電力を所定の信号、本実施形態では、電磁波として体内装置20側に伝送(無線送信)する。この電磁波には、刺激パルス用データと電力が重畳されている。なお、詳細は後述するが、送信手段14は、体内装置20からの情報に基づき、電磁波の伝送を切換る。また、送信手段14の中心には図示なき磁石が取り付けられている。磁石は後述する受信手段31との位置固定に使用される。
バイザー11は眼鏡形状を有しており、図1に示すように、患者の眼前に装着して使用することができるようになっている。また、撮影装置12はバイザー11の前面に取り付けてあり、患者に視認させる被写体を撮影することができる。
次に、体内装置20の構成を説明する。図2は体内装置20の送受信部(伝送部)30を、図3は体内装置20の刺激部40をそれぞれ模式的に示した図である。図3(a)は刺激部40の上面図、図3(b)は、刺激部40の断面図である。
体内装置20は、図6に示されるように、大別して体外装置10から送信される刺激パルス用データや電力を電磁波にて受信し、処理を行った後送信する送受信部30と、網膜を構成する細胞を電気刺激する刺激部40により構成される。
送受信部30には、体外装置10からの電磁波を受信する2次コイルからなる受信手段31、制御部32が設けられている。制御部32は、受信手段31にて受信された刺激パルス用データを基に、視覚を得るための電気刺激パルス信号と、電気刺激パルス信号を出力させる電極を指定する電極指定信号等を含む制御信号とに変換する。さらに、制御部32は、電気刺激パルス信号及び制御信号(以下、説明の簡便のため情報と略す)を電力と共に、体内送信手段35へと送る役割を有している(詳細は後述する)。これら受信手段31や制御部32は、基板33上に形成されている。また、受信手段31は、体内装置20の駆動状況を体外装置10に伝達する手段を兼ねる。受信手段31は、送信手段14からの信号に負荷をかける負荷変調方式にて、体内装置20の動作状況を体外装置10へと送ることが可能である。なお、送受信部30には送信手段14を位置固定させるための図示なき磁石が設けられている。
体内送信手段35は送信制御部である制御部32から送られる情報及び電力を眼球に取り付けられる刺激部40側に送信する機能を備える。体内送信手段35は、ポリイミド、パリレン等の生体適合性の良い折り曲げ可能な材料からなる基板36上に設けられる複数の体内送信部である微小コイル35aや磁気センサであるホール素子35bから構成される。微小コイル35aは直径が0.5〜5mm、好ましくは1〜3mm程度である微小コイル(ミニコイル)であり、基板36上に所定のパターンに配列されている。パターンとしては、例えば、微小コイル35aが縦横に配置される格子状パターン、微小コイル35aが6個隣接するように配置される略ハニカム状パターン等がある。微小コイル35aは、基板36上に微小コイル35a間の隙間ができるだけ少なくなるようなパターンにて配置されることが好ましい。なお、微小コイル35aが重ねられて配置されてもよい。微小コイル35aは、折り曲げ可能な基板36上に各々が配置されることにより、患者眼の眼窩に配置された際に、眼球の形状(球状)に添うように変形できる。また、基板36は、予め半球状に形成しておいてもよい。このような微小コイル35aはワイヤー50により制御部32に各々電気的に接続されている。ホール素子(検知素子)35bは、後述する刺激部40の磁石の位置を検知する手段となり、各々がワイヤー50により制御部32と接続される。ホール素子35bは、少なくとも微小コイル35aと同数またはそれ以上の数が用いられることが好ましい。また、ホール素子35bの設置間隔は、微小コイル35aの配列よりも狭い間隔で配置されることが好ましく、本実施形態では、略ハニカム状に配置された微小コイル35aの各々の中心及び円周上に等間隔に6点配置される(微小コイル35a大の正六角形の各頂点に配置される)。なお、微小コイル35a、ホール素子35bは、生体適合性を有する樹脂にて覆われている。制御部32は、体内送信手段35の微小コイル35aを用いて情報及び電力を後述する刺激部40に送信するとともに、ホール素子35bを用いて刺激部40の位置を検知する。
ケーブル51は、生体適合性の素材にて作製された中空の部材であり、ケーブル51には微小コイル35aやホール素子35bから各々延びたワイヤー50が内部に収められる。ワイヤー50には生体適合性の高い金属が用いられ、各ワイヤー50はパリレン等の生体適合性がよく絶縁性を有する樹脂にて被膜が施される。
なお、図示は略すが、送受信部30は、ケーブル51を外に出して、気密性の高い容器に収められ、その容器の蓋を密閉される。さらに、容器の上から生体適合性がよく絶縁性を有する樹脂等でコーティングされる。
一方、図3に示す刺激部40には、所定の基板43上に電気刺激パルス信号を出力する複数の電極41、刺激制御部42が設けられている。刺激制御部42は、体内送信手段35から送られてきた情報(電気刺激パルス信号及び電極指定信号を含む制御信号)と電力を含む信号から、電力を抽出すると共に、電極指定信号等を抽出する。その後、刺激制御部42は、電極指定信号に基づいて対応する電気刺激パルス信号を電極41の各々へ振り分ける。刺激制御部42は蓋部材44aと設置台44bによりハーメチックシール(密封)され、設置台44bを介して基板43に実装されている(詳細な説明は略す)。
電極41には金、白金等の生体適合性が高い金属が用いられる。電極41は基板43上に複数個形成される。本実施形態で用いられる基板43は、眼内、特に、層状の眼組織内に設置されるため、眼球の形状に沿うことが好ましく、層間(層内)に長期埋植されても患者の負担が少ないことが好ましい。このため、基板43は、ポリプロピレンやポリイミド等、生体適合性が高く、所定の厚さにおいて湾曲可能な材料を長板状に加工したものをベース部としている。この基板43上にリード線43aが配置され、電極41と刺激制御部42が各々電気的に接続されている。なお、本実施形態では刺激部40の刺激制御部42及び体内受信手段45を強膜上に置き、電極41部分を強膜内,または強膜と脈絡膜との間に設置する構成としているため、図3(b)に示すように、電極形成面は刺激制御部42と反対の基板表面に形成するものとしている。
体内受信手段45は、基板43上で、刺激制御部42を挟んで電極41と反対位置に配置された体内受信部となるコイル45a及びその中央付近に設置された磁石45bからなる。体内受信手段45は、少なくとも1つのコイル(2次コイル)45aにより構成されており(本実施形態では3つ)、コイル45aは、前述の微小コイル35aと同程度なサイズとされる。また、磁石45bは、体内受信部35による位置検知時における被検知素子となる。コイル45aは、リード線43aを介して刺激制御部42と接続されており、電磁誘導により体内送信手段35(微小コイル35a)から電磁波で送信される情報及び電力を受信する。3つのコイル45aは、同一平面上に三角形を形成するように配列されており、先の微小コイル35aで構成されたパターンよりも、その間隔が広く形成されている。コイル45aが構成する三角形の中央(体内受信手段45の中央)には、磁石45bが配置される。また、対向電極49は、刺激制御部42に接続され、電極41から出力される電気刺激パルス信号が効率的に網膜を構成する細胞に向かうようにする役目を持つ。なお、体内受信手段45は、微小コイル35aに対して数倍の直径を持つコイル1つとし、そのコイルの中央に磁石を配置する構成としてもよい。
次に、刺激部40を眼内に埋植した状態を示し、刺激部40の位置検知及び情報と電力伝送の方法を説明する。図4は、刺激部40を患者眼Eに埋植した状態を示す概略図である。図示するように、強膜E3と脈絡膜E2との間(または強膜内)に基板43(電極41)が配置される。対向電極49は図示するように眼内中央の前眼部寄りの位置に置かれる。これによって、網膜E1は電極41と対向電極49との間に位置することになり、電極41からの電気刺激パルス信号が効率的に網膜E1を貫通することとなる。刺激制御部42や体内受信手段45は強膜E3より外に出され、眼球上に配置される。なお、図示は略すが、基板43に設けたタックにて、基板43が強膜E3条に固定される構成や、基板43に孔を設けて、基板43が縫合糸等により強膜E3上に固定される構成としてもよい。
受信手段31は、送信手段14からの信号(刺激パルス用データ及び電力)を受信可能な生体内の所定位置に設置される。例えば、図1に示すように、患者の側頭部の皮膚の下に受信手段31を埋め込むとともに、皮膚を介して受信手段31と対向する位置に送信手段14を設置しておく。受信手段31には、送信手段14と同様に磁石が取り付けられているため、埋植された受信手段31上に送信手段14を位置させることにより、磁力によって送信手段14と送受信部30とが引き合い、送信手段14が側頭部に保持されることとなる。
なお、ワイヤー50を束ねたケーブル51は、側頭部に埋め込まれた送受信部30から側頭部に沿って皮膚下を患者眼に向かって延び、患者の上まぶたの内側を通して眼窩に入れられる。眼窩に入れられたケーブル51は、図4に示すように強膜E3の外側を通り、眼球の後方(眼窩の奥)に設置された体内送信手段35に接続される。なお、体内送信手段35は眼球に接触しない状態で、眼窩の内壁に沿って設置されており、眼球側に取り付けた体内受信手段45と非接触にて対向している。なお、体内送信手段35は患者眼が動いても(旋回しても)、一部の微小コイル35aは常に体内受信手段45と向き合うことができるように、体内受信手段45対して十分な領域を有している。
次に、体内に埋植された送受信部30と刺激部40の情報及び電力の伝送の方法を説明する。図5は、複数の微小コイル35a及びホール素子35bが配列された体内送信手段35上に、眼球上に配置され、体内送信手段35と対向する体内受信手段45(コイル45a及び磁石45b)を模式的に重畳表示させた図である。
図5に示した体内受信手段45に、送受信部30から情報及び電力を伝送する際に、体内送信手段35にあるすべての微小コイル35aから電磁波(情報及び電力)を出力すると、コイル群45から遠い位置にある微小コイル35aからは制御信号及び電力が体内受信手段45に伝送されず、効率的ではない。そこで、本実施形態では、磁石45bの位置をホール素子35bにより検知することにより、適切な位置の微小コイル35aから情報及び電力が出力される構成とする。以下に、出力させる微小コイル35aの選択方法を説明する。
前述のように、体内送信手段35と体内受信手段45が、対向して配置されることにより、体内受信手段45が眼球運動等により動いても、磁石45bの位置はホール素子35bにより検知され、制御部32に磁石45bの位置が取得される。ここで、制御部32は、複数のホール素子35bのうち、最も信号の大きいホール素子35bに磁石45bが位置すると推定する。また、磁石45bの周辺には、磁石45bを中心としてコイル45aが配置されているため、制御部32にはコイル45aの位置も取得される。
情報及び電力が出力される微小コイル35aは、磁石45b及びコイル45aの配置に基づき、以下のように制御部32により選択される。制御部32は、磁石45bの検知位置から得た体内受信手段45に最も近い少なくとも1つの微小コイル35aから情報及び電力を出力させる。制御部32は、体内受信手段45から最も近い微小コイル35aと、その微小コイル35aの周辺の複数の微小コイル35a(体内受信部35aを構成する一部の微小コイル35a)から情報及び電力を出力させる。もしくは、体内受信手段45から最も近い微小コイル35aと、その微小コイル35aに隣接する複数の微小コイル35aから情報及び電力を出力させる。本実施形態では、磁石45bから最も近い微小コイル35aと、隣接する複数(6つ)の微小コイル35a(図中の斜線部)と、から情報及び電力を出力させ、他の微小コイル35aからは、何も出力させない構成とする。
コイルリンクによる情報及び電力の伝送が効率的に行える微小コイル35a、つまり、コイル45aに近い位置にある微小コイル35aから、情報及び電力が出力されることにより、体内送信手段35と体内受信手段45との間で効率的に情報及び電力の伝送が行われる。また、微小コイル35aが眼球の形状に沿うような構成とされることで、体内受信手段45が眼球運動により移動されても、微小コイル35aとコイル45aは、ほぼ平行な位置関係に保たれ、効率的な制御信号及び電力の伝送ができる。また、微小コイル35aとコイル45aの配列パターンが異なることにより、体内受信手段45が体内送信手段35と対向するいずれの位置であっても、微小コイル35aとコイル45aのいずれか1つが重なるように対向する確率が増え、効率的に情報及び電力の伝送が行われる。また、体内での情報及び電力の伝送を無線伝送(ワイヤレス伝送)により実現することにより、眼球と眼窩又は頭部等に埋植するユニット間の接続に加わる機械的な負荷が低減できる。
このとき、微小コイル35aの大きさ及び配置パターンは、電極41のレイアウトと関連付けて形成される。これは、眼球運動に伴う刺激部40の移動量と、撮影装置12で取得した外界像に基づき患者が知覚する視覚の解像度(電極41のレイアウト)とが関連していることに依る。
なお、制御部32による電磁波を出力させる微小コイル35aの選択は、先の7つの例に限るものではない。前述の7つの微小コイル35aに加えて、その周辺の微小コイル35aを選択する構成としてもよい。また、コイル45aの配置数、コイルの形状、大きさ、配置パターンにより、制御部32による微小コイル35aからの電磁波の出力選択は、適宜変更されるものとする。
なお、各ホール素子35bは各々制御部32に接続されるため、制御部32の持つサンプリングレート(サンプリング周波数)毎に磁石45bの位置が制御部32に取得される。また、ホール素子35bの配置間隔が狭いほど、磁石45bの位置の特定が細かくされる。
以上のような構成を備える視覚再生補助装置において、その動作を図6に示す制御系のブロック図を基に説明する。図1に示す撮影装置12により撮影された被写体の撮影データ(画像データ)は、データ変調手段13aに送られる。データ変調手段13aは、撮影した被写体を患者が認識するために必要となる所定のデータパラメータ(刺激パルス用データ)に変換し、さらに電磁波として伝送するのに適した変調信号に変調し、送信手段14より電磁波として体内装置20側に送信する。また同時に、データ変調手段13aは、バッテリー13bから供給されている電力を前述した変調信号(刺激パルス用データ)の帯域と異なる帯域の電磁波として変調信号と合わせて体内装置20側に送信する。
体内装置20側では、体外装置10より送られてくる変調信号と電力とを受信手段31にて受け取り、制御部32に送る。制御部32では受けとった信号から、変調信号が使用する帯域の信号を抽出するとともに、この変調信号に基づいて電気刺激パルス信号と制御信号(電極指定信号を含む)とを形成し、電力と合わせた後、体内送信手段35から電磁波を出力させる。このとき、制御部32では先に説明した方法で刺激部40(体内受信手段45)の位置が検知され、その位置情報に基づいて、体内受信手段45に近い微小コイル35aから情報及び電力出力される。
コイル45aにより受信された情報及び電力は、刺激制御部42で、電気刺激パルス信号、制御信号、電力に分けられる。刺激制御部42は、制御信号に基づき電気刺激パルス信号を各電極41に分配し、出力させる。各電極41から出力される電気刺激パルス信号によって網膜E1を構成する細胞が電気刺激され、患者は視覚(擬似光覚)を得る。
なお、以上説明した刺激部40の位置情報に基づいて、患者の視線方向を推定し、患者が知覚する視覚と視線方向をリンクさせる構成を付加してもよい。例えば、撮影装置12を広角にて外界像を取得する広角撮像手段とする。また、制御部32が取得した刺激部40の位置情報をデータ変調手段13aまで送信し、データ変調手段13aが受け取った刺激部40の位置情報から患者眼の視線方向を推定する構成とする。予め磁石45bの埋植位置と患者眼の視軸の関係を定め、データ変調手段13aのメモリ(図示を略す)に記憶させておけば、データ変調手段13aは、患者眼の視軸位置(視線)がどこに向いているかを実質的に取得できる。さらに、データ変調手段13aは、視線方向の情報に基づいて、撮影装置12で取得した外界像のうち、視線方向の領域を抽出した後、画像処理を行って刺激パルス用データを生成する。この刺激パルス用データに基づいて処理がなされ、電極41から電気刺激パルス信号が出力されると、患者には視線の変化に応じて、知覚される視覚が変化される。
なお、前述の実施形態の撮影装置は、広角にて外界像を取得する装置としたがこれに限るものではない。データ変調手段13aの制御信号に基づいて、モータ駆動制御等により撮像光軸が変更されるCCDカメラ等を撮像装置に用い、先に述べた眼球運動の位置検知に基づいて、データ変調手段13aにて生成される刺激パルス用データが変更される構成としてもよい。
なお、本実施形態では、刺激部40の設置位置を強膜E3側に位置させて、強膜E3側(脈絡膜側)から網膜E1を構成する細胞を電気刺激する構成としたが、これに限るものではない。電極を配置する基板がフレキシブルであることが好ましい部位で患者眼の網膜を構成する細胞を好適に刺激することが可能な位置に電極を設置することができればよい。例えば、層間に電極及び基板を設置すればよい。体内装置を患者眼の眼内(網膜上や網膜下)に置き、電極が形成されている基板先端部分を網膜下(網膜と脈絡膜との間)や網膜上に設置させるような構成とすることもできる。また、網膜E1付近に電極を配置する構成に限るものではなく、電極を視神経に配置する構成としてもよい。このような場合、刺激制御部を強膜上に配置することが好ましい。
なお、以上説明した本実施形態では、送受信部30と刺激部40の情報及び電力の伝送を電磁波を用いたコイルリンクにて行う構成としたがこれに限るものではない。体内送信部を発光素子を所定のパターンに配列させた発光素子アレイとし、体内受信部を受光素子として、光を使った情報及び電力の伝送を行う構成としてもよい。
なお、本実施形態の磁石45bの位置検知では、複数のホール素子35bから出力される信号の強度の大きいホール素子35b付近に磁石45bがあると推定する手法であったが、この手法に限るものではない。ホール素子35bは、磁石からの距離に依存して出力する信号の強度を変える特性を有する。このため、制御部32が各々の出力をモニタし、各ホール素子35bの出力値を比較、演算することにより、磁石45bの位置を検知(推定)する構成としてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、体内送信手段35と体内受信手段45で伝送される情報は、電気刺激パルス信号と刺激制御部42の制御信号で構成されるものとしたがこれに限るものではない。体内送信手段35と体内受信手段45の間に無線での情報及び電力の伝送がなされる構成であればよい。例えば、刺激パルス用データが情報として体内受信手段45に送信され、刺激制御部42にて、刺激パルス用データから電気刺激パルス信号と制御信号を生成する構成としてもよい。
視覚再生補助装置1の外観を示した概略図である。 送受信部30の構成を示す図である。 刺激部40の構成を示す図である。 刺激部40と体内送信手段35を体内に設置した状態を示した図である。 体内送信手段35と体内受信手段45を重畳表示させた図である。 本実施形態における視覚再生補助装置の制御系を示したブロック図である。
符号の説明
1 視覚再生補助装置
10 体外装置
20 体内装置
30 送受信部
35 体内送信手段
31 受信手段
32 制御部
45 体内受信手段
49 対向電極
40 刺激部
41 電極
42 刺激制御部
43 基板
50 ワイヤー
51 ケーブル

Claims (7)

  1. 体外に置かれた撮像手段にて外界像を撮像し,該外界像に基づいて患者の視覚を形成するための刺激パルス用データを生成する刺激パルス用データ生成手段と,該刺激パルス用データ生成手段にて得られる前記刺激パルス用データを送信する送信手段と,を持つ体外装置と、該送信手段から送信される前記刺激パルス用データを受信する受信手段と,該受信手段にて受け取った前記刺激パルス用データを使用して視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激可能な位置に置かれた複数の電極から電気刺激パルス信号を出力させる刺激制御部と,を有する体内装置と、を備える視覚再生補助装置において、
    前記体内装置は、さらに,
    患者眼の眼窩内壁に取り付けられ,前記受信手段にて受け取った前記刺激パルス用データを眼球に向けて送信する体内送信部であって,眼窩内壁に沿って平面上に並べられる複数の体内送信部と、
    患者眼の眼球に取り付けられ前記体内送信部から送信される前記刺激パルス用データを受信する体内受信部であって,前記刺激制御部に前記刺激パルス用データを送るための体内受信部と、
    前記体内送信部に対する前記体内受信部の位置を検知する位置検知手段と、
    該位置検知手段にて検知された前記体内受信部の位置に基づいて,前記刺激パルス用データを送信する前記体内送信部を選択する送信制御部と、
    を備えることを特徴とする視覚再生補助装置。
  2. 請求項1の視覚再生補助装置において、前記体内送信部は1次コイル、前記体内受信部は2次コイルからなることを特徴とする視覚再生補助装置。
  3. 請求項1又は2の視覚再生補助装置において、前記体外装置は、該体外装置及び前記体内装置の電力源を備え、前記体内送信部は、前記刺激パルス用データと前記電力源の電力を合わせて、前記体内受信部に送信することを特徴とする視覚再生補助装置。
  4. 請求項1〜3の何れかの視覚再生補助装置において、前記体内受信部は所定の基板上に複数個配設されていることを特徴とする視覚再生補助装置。
  5. 請求項4の視覚再生補助装置において、前記位置検知手段は前記各体内送信部に対応付けて各々設けられるホール素子と、前記体内受信部近傍に設けられる磁石と、を有することを特徴とする視覚再生補助装置。
  6. 請求項1〜5の何れかの視覚再生補助装置において、前記撮像手段は外界像を広角にて撮像する広角撮像手段であり、
    前記刺激パルス用データ生成手段は,前記位置検知手段からの情報に基づいて患者の視線方向を取得すると共に、前記外界像の視線方向の所定の領域を抽出して患者の視覚を形成するための刺激パルス用データを生成することを特徴とする視覚再生補助装置。
  7. 請求項1〜4の視覚再生補助装置において、前記撮像手段は前記刺激パルス用データ生成手段からの制御信号に基づいて、撮像光軸を変更する撮像光軸変更手段を有し、前記刺激パルス用データ生成手段は,前記位置検知手段からの情報に基づいて患者の視線方向を取得すると共に、前記撮像光軸変更手段を制御し、前記撮像手段の撮像光軸を前記視線方向に略一致させることを特徴とする視覚再生補助装置。
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JP2013048807A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Nidek Co Ltd 視覚再生補助装置

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