JP5186846B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関する。
半導体装置の高速化および低消費電力化に伴い、いくつも絶縁膜が積層される多層配線構造が取り入れられており、この半導体の多層配線における各配線間の容量低減のため、配線間で用いられる絶縁層の低誘電率化が進められている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、多層配線構造で高集積化するに伴い、パッケージング工程やパッケージング後において、積層された絶縁膜の剥離に起因してパッケージの信頼性が不十分となる場合があった。
特開平5−121396号公報
このような事情のもとで本発明の目的は、パッケージとした時に信頼性に優れる半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パッケージとした時の信頼性が、積層された多層絶縁膜の上下の界面における密着性に大きく影響されていることを見出した。
すなわち、前記目的は、下記に記載の本発明(1)〜(11)により達成される。
(1)半導体素子と、前記半導体素子の一方の面側に設けられた積層体とを有する半導体装置であって、前記積層体は、カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成される樹脂層と、前記樹脂層の半導体素子に近い側の面に接合される第1接合層と、前記樹脂層の他方の面側に接合される第2接合層と、を有し、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力をAとし、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力をBとしたとき、A/B=0.5〜3.0となる関係を満足することを特徴とする半導体装置。
(2)前記樹脂層と第1接合層との120℃での密着力をA1と、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力をB1としたとき、A1/B1=0.5〜3.0である上記(1)に記載の半導体装置。
(3)前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1が、ナノスクラッチ装置による測定値において3[mN]以上である上記(2)に記載の半導体装置。
(4)前記第1接合層が、ケイ素原子または窒素原子を含む化合物で構成されているものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)前記第1接合層が、銅拡散防止層、絶縁層およびエッチングストッパー層の少なくとも1つである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の半導体装置。
(6)前記第2接合層が、ケイ素原子を含む化合物で構成されているものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の半導体装置。
(7)前記第2接合層は、前記樹脂層を保護する保護層、絶縁膜およびエッチングストッパー層の少なくとも1つである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の半導体装置。
(8)前記カゴ型構造を有する化合物は、アダマンタン構造を最小単位に有する化合物である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9)前記カゴ型構造を有する化合物は、不飽和結合を有する官能基を複数以上有しているものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の半導体装置。
(10)前記樹脂組成物が、密着助剤を含んでいることを特徴とする上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の半導体装置。
(11)前記密着助剤は、シラン化合物である上記(10)に記載の半導体装置。
本発明によれば、パッケージとした時に信頼性に優れる半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の半導体装置について説明する。
本発明の半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子の一方の面側に設けられた積層体とを有する半導体装置であって、前記積層体は、カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成される樹脂層と、前記樹脂層の半導体素子に近い側の面に接合される第1接合層と、前記樹脂層の他方の面側に接合される第2接合層と、を有し、前記樹脂層と前記第1接合層との密着力をAとし、前記樹脂層と前記第2接合層との密着力をBとしたとき、A/B=0.5〜3.0となる関係を満足することを特徴とする。
以下、図1に示す好適な実施形態に基づいて、本発明の半導体装置について説明する。
図1は半導体装置を模式的に示す模式図である。半導体装置100は、半導体基板1の上側(図1中の上側)に、積層体2とを有している。
積層体2は、第1接合接合層に相当するエッチングストッパー層3と、樹脂層に相当する層間絶縁膜層4と、第2接合層に相当するハードマスク層5とがこの順に積層されている。そして、これらの各層を貫通するように、銅配線6が設けられている。銅配線6の上端部61を除く周囲は、バリアメタル層7が設けられている。
層間絶縁膜層4は、カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成されており、層間絶縁膜層4とエッチングストッパー層3との25℃での密着力をAとし、層間絶縁膜層4とハードマスク層5との25℃での密着力をBとしたとき、A/B=0.5〜3.0となる関係を満足することを特徴とする。これにより、半導体装置の信頼性を向上することができる。
ここで、層間絶縁膜層4とエッチングストッパー層3との25℃での密着力Aは、例えばナノスクラッチ装置で評価することができる。また、層間絶縁膜層4とハードマスク層5との25℃での密着力Bは、例えばナノスクラッチ装置で評価することができる。
また、ナノスクラッチ装置を用いた層間絶縁膜層4とエッチングストッパー層3との密着力測定方法としては、例えばシリコンウェーハ上にエッチングストッパー層3を成膜し、エッチングストッパー層3の上に層間絶縁膜層4を成膜した試料を、ナノスクラッチ装置により測定方法が挙げられる。
ここで、ナノスクラッチ装置による密着力測定は、試料を支持台に固定し、試料表面に荷重カンチレバーを接触させて荷重カンチレバーに徐々に荷重をかけていく方法であり、試料表面に傷がついた点における荷重、スクラッチ痕幅、半径、開き角度などのスクラッチ痕の形状、さらに、試料の機械強度、膜厚から算出することができる。
この際、表面SEM等により剥離界面を特定することにより、目的の密着力が測定できているか確認することができる。
また、例えば、加温したホットプレート上に一定時間おいた試料を、前記ナノスクラッチ装置を用いて測定を行うことにより、規定の温度での密着力を測定することができる。
層間絶縁膜層4と、ハードマスク層5との密着力Bも同様にナノスクラッチ装置を用いて測定することができ、具体的には、シリコンウェーハ上に層間絶縁膜層4を成膜し、さらに層間絶縁膜層4の上にハードマスク層5を成膜した資料についてナノスクラッチ装置を用いて測定できる。
密着力や試料の硬さの影響などを考慮して、適宜、シリコンウェーハと層間絶縁膜層4および/もしくはエッチングストッパー層3の間や、ハードマスク層5および/もしくは層間絶縁膜層4の上部に膜を形成してもよい。
より具体的には、A/B=0.8〜2.5であることが好ましく、特にA/B=1.0〜2.0であることが好ましい。前記範囲内であると、異種の膜が積層された構造において、異種膜間に応力が存在している場合においても、剥離などの発生を抑制でき、パッケージの信頼性に優れる。
このように、密着力の比を特定の値とすることにより、半導体装置の信頼性を向上することができる理由は、以下の通りである。
25℃での密着力AおよびBが弱い場合、半導体装置製造時におけるCMP工程において剥離が生じることが知られている。また、半導体装置の電気特性としても、密着力の弱い界面から電流が漏れ、リーク電流が増大することや、さらには、長期的な信頼性においても、密着性の弱い界面から欠陥が起こることが知られており、層間の密着性が強いことが半導体装置には求められている。
しかしながら、25℃での密着力AおよびBのそれぞれが高く、その製造時や電気特性において信頼性が高い半導体装置についても、パッケージング後の温度サイクルによる熱ストレス等により半導体パッケージ内部に剥離等の不良が生ずる場合があった。これは25℃での密着力AとBの値の差が小さければ、熱ストレスによりかかるチップへ応力が、カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成される樹脂層と第1接合層の界面、および前記樹脂層と第2接合層の界面に分散されるが、25℃での密着力AとBの値の差が大きい場合、密着力が小さいの界面に応力が集中し、前記界面で内部剥離が生じるためである。
本発明者らは密着力とパッケージ信頼性の関係について鋭意検討した結果、25℃での密着力AとBの比(A/B)を0.5〜3.0とすることにより、パッケージ信頼性を向上させることができることを突き止めた。
さらには、熱サイクルによるパッケージ信頼性試験で実際に加温される温度120℃における密着力のA1とB1の比(A1/B1)が0.5〜3.0とすることにより、パッケージにおける信頼性をさらに向上できることも分かった。
前記カゴ型構造を有する化合物としては、例えばアダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位として有する化合物が挙げられる。これらの中でもアダマンタン構造を最小単位に有する化合物が好ましい。これにより、誘電率をより低下させることができる。さらに、熱安定性と製膜性とのバランスに優れる。
前記アダマンタン構造を最小単位に有する化合物をとしては、アダマンタン、ポリアマンタン、ポリアダマンタン、ポリ(ポリアマンタン)等を有する化合物が挙げられる。
前記アダマンタンを有する基としては、例えばアダマンタンとして、アダマンチル基;ポリアマンタンとして、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基等の(脂肪族)多環式骨格構造を有する基が挙げられ、更には、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基等が挙げられる。前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基としては、ポリ構造を有する基等が挙げられるが、ポリアダマンタンとして、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基の場合、例えば、ジ(1,3−アダマンタン)基およびジ(2,2−アダマンタン)基等のビアダマンチル基、トリ(1,3−アダマンタン)基およびトリ(2,2−アダマンタン)基等のトリアダマンチル基、テトラ(1,3−アダマンタン)基およびテトラ(2,2−アダマンタン)基等のテトラアダマンチル基、ペンタ(1,3−アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基等のペンタアダマンチル基、ヘプタ(1,3−アダマンタン)基およびヘプタ(2,2−アダマンタン)基等のヘプタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカアダマンチル基等や、更にアダマンチル基の個数の多いポリアダマンタンを有する基等が挙げられ、また、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基以外の基の場合、前記ポリアダマンタンを有する基において、該アダマンチル基を前記ポリアマンタンに置換したポリ(ポリアマンタン)を有する基が挙げられ、例えば、ジ−(ジアマンタン)基、トリ−(ジアマンタン)基、テトラ−(ジアマンタン)基、ペンタ−(ジアマンタン)基、ヘキサ−(ジアマンタン)基、ヘプタ−(ジアマンタン)基、オクタ−(ジアマンタン)基、ノナ−(ジアマンタン)基、デカ−(ジアマンタン)基およびウンデカ−(ジアマンタン)基、等のジアマンタン基を複数個有する基、ジ−(トリアマンタン)基、トリ−(トリアマンタン)基、テトラ−(トリアマンタン)基、ペンタ−(トリアマンタン)基、ヘキサ−(トリアマンタン)基、ヘプタ−(トリアマンタン)基、オクタ−(トリアマンタン)基、ノナ−(トリアマンタン)基、デカ−(トリアマンタン)基およびウンデカ−(トリアマンタン)基、等のトリアマンタン基を複数個有する基、ジ−(テトラアマンタン)基、トリ−(テトラアマンタン)基、テトラ−(テトラアマンタン)基、ペンタ−(テトラアマンタン)基、ヘキサ−(テトラアマンタン)基、ヘプタ−(テトラアマンタン)基、オクタ−(テトラアマンタン)基、ノナ−(テトラアマンタン)基、デカ−(テトラアマンタン)基およびウンデカ−(テトラアマンタン)基、等のテトラアマンタン基を複数個有する基、等が挙げられる。
前記アダマンタンおよびポリアマンタンの水素は、アルキル基、アリール基、ハロゲン等の置換基を有していても良く、これらの中でも、置換基としては、例えば炭素数1以上、20以下のアルキル基が好ましく、誘電率の低減効果に優れる。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等が挙げられ、この中でも、メチル基およびエチル基がより好ましい。アダマンタン構造に、アルキル基を導入することで、有機溶媒への溶解性および耐熱性を向上させることができる。
前記アダマンタン構造を有する化合物としては、例えば下記式(1)または式(2)で表される化合物を挙げることができる。
ここで、式(1)または式(2)中のR〜R16を構成する有機基としては、例えば脂肪族基または芳香族基が挙げられる。
前記脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基およびデシル基等の炭素数1以上〜10以下の鎖状脂肪族基が挙げられ、前記芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記鎖状脂肪族基および芳香族基中の水素原子は、フッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基などで置換されていても良い。
これらの中でも、置換基としては、例えば炭素数1以上、10以下の鎖状脂肪族基が好ましく、誘電率低減に優れる。そのような鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等が挙げられ、この中でも、さらに、メチル基およびエチル基がより好ましい。これらアルキル基を導入することで、有機溶媒への溶解性および耐熱性を向上させることができる。
また、前記カゴ型構造を有する化合物としては、例えば上述したアダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位として樹脂の主鎖、側鎖、末端等に有する樹脂が挙げられる。具体的には、カゴ型構造を有するポリアミド系樹脂(例えば、カゴ型構造を有するポリイミド樹脂、カゴ型構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂等)等が挙げられ、カゴ型構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂が好ましい。これにより、低誘電率化と優れた機械特性とバランスに優れる。
このようなカゴ型構造を有するベンゾオキサゾールは、次のようなビスアミノフェノールと、ジカルボン酸類との組み合わせにより得ることができる。1)アダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位を有するビスアミノフェノールと、アダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位を有するジカルボン酸類との組み合わせ、2)アダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位を有するビスアミノフェノールと、上述の最小単位を有さないジカルボン酸類との組み合わせ、3)上述の最小単位を有さないビスアミノフェノールと、アダマンタン構造、アイサン構造、テトラヘドラン構造、キュバン構造、ドデカヘドラン構造、フラーレン構造、カゴ型シルセスキオキサン等のカゴ状シロキサン等を最小単位を有するジカルボン酸類との組み合わせ等が挙げられる。カルボン酸類とは、官能基として、カルボキシル基、カルボン酸塩化物、カルボン酸エステル等を含んでおり、以下では、これらを代表してカルボン酸と表記する。
前記最小単位を有するビスアミノフェノールとしては、例えば9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジ(1−アダマンチル)−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−アダマンチルフェニル)−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−フルオレン、9,9−ビス[(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(1−アダマンチル)−フルオレン、9,9−ビス[(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−フェニル]−フルオレン、9,9−ビス[(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アダマンチル−フルオレンおよび9,9−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−2,7−フルオレンなどのアダマンタン構造とフルオレン構造とを有するビスアミノフェノール化合物、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4,6−ジアダマンチル−ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−ベンゼン、4,6−ジ(1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,6−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,6−ジ(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチ−アダマンチル−フェノキシ)ベンゼンおよび4,6−ジ(1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)ベンゼンなどのアダマンタン構造とベンゼン構造とを有するビスアミノフェノール化合物、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(3−(5,7−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))ビフェニル、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−ビフェニル、2,2’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ)フェノキシ]−5,5’−ビス(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)ビフェニル)、2,2’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ)フェノキシ−フェニル]−5,5’−ビス(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル)フェノキシ]−ビフェニルおよび2,2’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル)フェノキシ]−5,5’−ビス(1−アダマンチル)ビフェニルなどのアダマンタン構造とビフェニル構造とを有するビスアミノフェノール化合物、
また、主鎖にアダマンタン構造を有する化合物として、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシル−フェニル)アダマンタンおよびビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)アダマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)アダマンタンおよびビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)アダマンタンなどのアダマンタン構造の最小単位を有する化合物、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)ジアマンタンや、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)ジアマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェニル)トリマンタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)テトラマンタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ−フェニル)ビアダマンタン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ−フェニル)ビアダマンタン、などのオリゴアダマンタン構造やアダマンチル基の数をさらに多く有するポリアダマンタン構造を有する化合物、
さらには、3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−(3−アダマンチル−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−テトラマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンなどの、側鎖にもアダマンタン構造を有していても良い、主鎖にアダマンタン構造を有する化合物、
などが挙げられるが、これらに限定されない。これら以外にも、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカマンチル基などを有するビスアミノフェノールなども挙げられが、カゴ型構造の定義内にある構造であれば、これに限定されない。
また、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有するオリゴ構造を有する化合物として、例えば、6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシル−フェニル)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビ(ジアマンタン)、6,6’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビ(ジアマンタン)なども挙げられるが、ダイヤモンドイド構造の定義内にある構造であれば、これに限定されない。また、多環式骨格構造を有する基の結合位置もこれに限定されない。
上記ビスフェノール化合物中のアダマンタン構造、およびアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基およびtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基、アリール基、ハロゲンなどが結合していても良い。
これらのビスアミノフェノール化合物は、単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記最小単位を有するジカルボン酸としては、例えば1,3−アダマンタン−ジカルボン酸、2,2−アダマンタン−ジカルボン酸および1,2−アダマンタン−ジカルボン酸等のアダマンタン−ジカルボン酸:、
1,6−ジアマンタンジカルボン酸、4,9−ジアマンタンジカルボン酸および2,2−ジアマンタンジカルボン酸等のジアマンタンジカルボン酸類:、
1,3−トリアマンタンジカルボン酸および1,6−トリアマンタンジカルボン酸等のトリアマンタンジカルボン酸類:、
1,3−テトラマンタンジカルボン酸、1,6−テトラマンタンジカルボン酸および1,8−テトラマンタンジカルボン酸等のテトラマンタンジカルボン酸類:、
3,3’−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸、3,5−(1,1’−ビアダマンタン)−ジカルボン酸等のビアダマンタン−ジカルボン酸類:、
1,3’’−(1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、2,2−(1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸、2’,2’−(1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン)−ジカルボン酸等のトリアダマンタンジカルボン酸類:
1,3−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(2−カルボキシ−フェニル)−アダマンタン、4,9−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、4,9−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、4,9−ビス(2−カルボキシ−フェニル)−ジアマンタン、1,6−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−トリアマンタン、1,6−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−トリ−トリアマンタン、ビス(2−カルボキシ−フェニル)−トリアマンタン、1,6−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、1,6−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、1,6−ビス(2−カルボキシ−フェニル)−テトラアマンタン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、1,3−ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−アダマンタン、4,9−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、4,9−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、4,9−ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−ジアマンタン、1,6−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−トリアマンタン、1,6−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−トリアマンタン、1,6−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−テトラアマンタン、1,6−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ)−テトラアマンタン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−アダマンタン、1,3−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−アダマンタン、4,9−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−ジアマンタン、1,6−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−トリアマンタン、および1,6−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−テトラアマンタン、などのアダマンタン構造を有するビス安息香酸:
3,3’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(2−カルボキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン、3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−1,1’;3’,1’’;3’’,1’’’−テトラアダマンタン、ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(2−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン、3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−1,1’;3’,1’’;3’’,1’’’−テトラアダマンタン、3,3’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’;3’,1’’−トリアダマンタン、および3,3’’’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ−フェニル)−1,1’;3’,1’’;3’’,1’’’−テトラアダマンタン、などのオリゴアダマンタン構造やアダマンチル基の数をさらに多く有するポリアダマンタン構造を有するビス安息香酸、
さらには、2,7−ジアダマンチルフルオレン−9,9−ビス安息香酸、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェニル)フルオレン、2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)フルオレン−9,9−ビス安息香酸、9,9−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−2,7−ジアダマンチル−フルオレン、9,9−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジアダマンチル−フルオレン、および9,9−ビス[(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェノキシ)−フェニル]−フルオレン、などのアダマンタン構造とフルオレン構造とを有するジカルボン酸、4,6−ジ[(3−(5,7−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))−1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシル−フェノキシ)−4,6−ジアダマンチル−ベンゼンおよび1,3−ビス(4−カルボキシル−フェノキシ)−4,6−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−ベンゼンなどのアダマンタン構造とベンゼン構造とを有するジカルボン酸、
3,3’−ビス[4−(3−カルボキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(3−カルボキシ−6−(3−アダマンチル−アダマンチル)−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス[4−(4−カルボキシ−6−テトラマンチル−フェノキシ)−フェニル]−1,1’−ビアダマンタンなどの、側鎖と主鎖にダイヤモンドイド構造を有する化合物、
などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記ジカルボン酸化合物中のアダマンタン構造およびアダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基およびtert−ブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基、アリール基、ハロゲンなどが結合していても良い。
これらのジカルボン酸化合物は、単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記最小単位を有さないビスアミノフェノールとしては、例えば9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミおよび2,2’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ)フェノキシ]ビフェニルなどの化合物、
2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−エチニル−1,1’−ビナフタレンおよび2,2’−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−6,6’−ビス−フェニルエチニル−1,1’−ビナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ビナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−エチニル−ナフタレン、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2,6−ビス−フェニルエチニル−ナフタレン)、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−2−フェニルエチニルナフタレンおよび1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニルナフタレン等のエチニル(フェニルエチニル)−ナフタレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−エチニル−フルオレン、9,9−ビス−4−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)フェニル−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−エチニル−フルオレンおよび9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ビス−フェニルエチニル−フルオレン等のエチニル(フェニルエチニル)−フルオレンを有するビスアミノフェノール化合物:、
1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−エチニル−ベンゼン、1,3−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4−フェニルエチニル−ベンゼン、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−エチニル−ベンゼンおよび1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−3−フェニルエチニル−ベンゼン等のエチニル(フェニルエチニル)−ベンゼンを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ジフェニルエーテルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ジフェニルエーテル等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2−フェニルエチニル−ビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5−フェニルエチニル−ビフェニルおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6−フェニルエチニル−ビフェニル等のエチニル(フェニルエチニル)−ビフェニルを有するビスアミノフェノール化合物:、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−6,6’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホンおよび3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルエチニル−ジフェニルスルホン等のエチニル(フェニルエチニル)−ジフェニルスルホンを有するビスアミノフェノール化合物:、
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−プロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−プロパンを有するビスアミノフェノール化合物:
2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−エチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノ−6−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−フェニルエチニル−フェニル)−ヘキサフルオロプロパン等のエチニル(フェニルエチニル)−フェニル−ヘキサフルオロプロパンを有するビスアミノフェノール化合物等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記最小単位を有さないジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、9,9−ビスカルボキシフェニルフルオレン、9,9−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]フルオレン、1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)ベンゼンおよび2,2’−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]ビフェニルなどの化合物、
5−フェニルエチニルイソフタル酸、5−(4−フェニルエチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−エチニルイソフタル酸、5−(4−エチニル−フェノキシ)−イソフタル酸、5−アダマンチルエチニル−イソフタル酸および5−フェニルエチニル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、等のエチニル構造を有する化合物等が挙げられ、これらを単独また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物からポリベンゾオキサゾール前駆体を得る方法としては、例えば、適当な溶媒ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを溶解または分散させて反応させる方法がある。この際、反応を促進させるために適当な塩基を加えてもよい。反応させる温度や時間は、反応させる化合物の反応性などに応じて適宜きめればよい。前期反応溶媒をそのままワニスとして用いてもよいし、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を適当な溶媒を用いて再沈回収して用いてもよい。
このようなカゴ型構造を有する化合物(カゴ型構造を有する樹脂)は、特に限定されないが、重合性不飽和結合を有する官能基を複数以上有していることが好ましい。これにより、分子内に架橋構造が構築でき、機械的強度および耐熱性を向上することができる。
前記重合性不飽和結合を有する官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基、炭素−炭素三重結合を有する基、炭素−窒素三重結合を有する基等が挙げられる。これらの中でも、炭素−炭素三重結合を有する基が、重合体の合成の容易さと耐熱性の観点でより好ましく、特にエチニル基が好ましい。これらの官能基は、フェニル基等の置換基を有していても良い。また、これらの重合性不飽和結合を有する基は、フェニル基、ナフチル基等の基に結合したものを挙げることもできる。
前記重合性不飽和結合を有する基の具体例としては、前記炭素−炭素三重結合を有する基として、エチニル基を代表とする下記式(3)〜(5)で表されるものを挙げることがきる。
式(3)中のZが芳香族基の場合としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニレン基、ジフェニルフルオレニレン基およびビフェニレン基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記芳香族基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基およびトリフルオロメチル基等で置換されていても良い。
式(3)中の脂肪族基(R17)としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基およびデシレン基等の炭素数1〜10の鎖状脂肪族基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記脂肪族基中の水素原子は、例えばフッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されていても良い。
式(3)中の有機基(R18)としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
式(4)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
式(5)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
また、前記炭素−炭素二重結合を有する基としてビニル基を代表とする下記式(6)〜(8)で表されるものを挙げることができる。
式(6)中のZとしての芳香族基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、芳香族環が4〜6個の多環式芳香族基、フルオレニレン基、ジフェニルフルオレニレン基およびビフェニレン基等が挙げられるが、これらに限定されない。前記芳香族基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基およびトリフルオロメチル基等で置換されていても良い。
式(6)中の脂肪族基(R17)としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基およびデシレン基等の炭素数1〜10の鎖状脂肪族基等が挙げられるが、これらに限定されない。上記脂肪族基中の水素原子は、例えばフッ素原子およびトリフルオロメチル基等のハロゲン基;、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチルおよびペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル基;、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基およびペンチルオキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等で置換されていても良い。
式(6)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
式(7)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
式(8)中の有機基としては、例えば鎖状脂肪族基および環状脂肪族基等の脂肪族基、芳香族基等が挙げられる。前記鎖状脂肪族基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基およびオクチル基等;、前記環状脂肪族基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基およびアダマンチル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、フェノキシフェニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基およびビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、前記有機基中の水素原子は、例えばフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基およびフェニル基等で置換されていても良い。
また、炭素−窒素三重結合を含む基として、ニトリル基を代表として挙げることができ、さらには、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、およびシクロペンタジエニル基等も挙げることができる。
前記重合性不飽和基の数は、複数以上であることが好ましく、より具体的には4つであることが好ましい。これにより、架橋密度が高めることが可能となり、機械的強度および耐熱性を向上することができる。
前記カゴ型構造を有する化合物は、前記重合性不飽和基を反応させて得られた重合体であっても構わない。この場合、前記カゴ型構造を有する化合物の重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、2,000以上、500,000以下であることが好ましく、特に10,000以上、300,000以下であることが好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、特に溶媒への溶解性およびろ過性に優れる。
前記樹脂組成物には、上述したカゴ型構造を有する化合物以外に、密着助剤、反応促進剤等を添加することも可能である。これらの中でも特に密着助剤を含むことが好ましい。これにより、半導体装置の信頼性をより向上することができる。
前記密着助剤としては、例えばシラン系化合物、もしくはその加水分解化合物や縮合化合物、およびそれらの混合物、アルミニウム系キレート化合物、チタン系キレート化合物およびジルコニウム系キレート化合物等の金属キレート化合物、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾールおよびポリベンゾチアゾール等のポリベンザゾール化合物等を挙げることができる。
より具体的な例としては、N−メチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリメトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリエトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリエトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−メチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N−メチルアミノエチルトリブトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリヘキソキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N、N−ジメチルアミノエチルトリブトキシシラン、N、N−ジメチルアミノエチルトリヘキソキシシランおよび3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物;、テトラエトキシシランおよびテトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン化合物;、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびp−スチリルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物;、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物;、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン化合物;、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン化合物;、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、等のメルカプトシラン化合物;、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン化合物;、N−(3−トリエトキシシリルプロピル−4,5−ジヒドロイミダゾール等のイミダゾリルシラン化合物;、アルミニウムブトキシエチルアセトアセテート等の金属キレート化合物;等が挙げられる。これらを単独または複数併用することができる。これらの中でもシラン化合物およびそれらの混合物が好ましい。これにより、密着力をより向上することができる。
前記密着助剤の前記組成物への添加量としては、前記樹脂組成物中の前記カゴ型構造を有する化合物に対して、0.01〜10重量%が好ましく、特に0.05〜5重量%が特に好ましく、0.1〜3重量%が最も好ましい。添加量が前記範囲内であると、特に密着力と誘電率のバランスに優れる。
前記密着助剤の添加による方法以外に、前記第1接合層を予め密着助剤で処理を行った後に樹脂層を形成する、あるいは形成された樹脂層を密着助剤で処理を行い、前記第2接合層を形成することもできる。この場合、樹脂層を形成するための樹脂組成物に密着助剤を添加していても、していなくても良い。
前記樹脂組成物には、上述したカゴ型構造を有する化合物、密着助剤以外に、空孔形成剤、空孔形成補助剤、レベリング剤等を添加しても構わない。
前記空孔形成剤としては、融点20℃以上の有機化合物、界面活性剤、アゾビス化合物、有機過酸化物、ポリアミドアミン構造などからなるデンドリマー、ポリメタクリル酸系ハイパーブランチポリマー等が挙げられる。これらの中でも、界面活性剤またはハイパーブランチポリマーが好ましい。これにより、空孔形成剤を、カゴ型構造を有する化合物中に、均一に分散することが可能となる。空孔形成剤を均一に分散できると、更に加熱、抽出処理により、均一に微細孔を有する樹脂層を得ることができる。
上述したような樹脂組成物を、例えば有機溶剤に溶解させてワニスとし、これを基材に塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を加熱および/または活性放射線照射により、反応させて樹脂層を得ることができる。このような樹脂ワニスは、前記カゴ型構造を有する化合物を適当な有機溶媒に溶解させることによって得ることができる。前記カゴ型構造を有する化合物は、乾燥させて固形としたものを有機溶剤に溶解させて樹脂層用ワニスとしても良いし、前記カゴ型構造を有する化合物の製造により得られた反応溶液を、直接、ワニスとして用いても良い。
前記ワニスに用いる有機溶媒としては、前記カゴ型構造を有する化合物を溶解または分散させることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノールおよび2−ブタノール等のアルコール系溶剤、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−ペンタノンおよび2−ヘプタノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、γ−ブチロラクトンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、エトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼンおよびジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、その他、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等が溶剤として好適であり、これらは単独でも2種以上を混合して用いても良い。
前記ワニスの濃度としては、前記カゴ型構造を有する化合物の構造や分子量により、適宜決めればよいが、前記ワニス中に、前記カゴ型構造を有する化合物が、0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜15重量%が好ましい。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1と、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1との比は、特に限定されないが、0.5〜3.0であることが好ましく、特に1.0〜1.6であることが好ましい。120℃での密着力の比(A1/B1)が前記範囲内であると、パッケージの温度昇降サイクル試験などの信頼性試験において剥離が低減され、パッケージの信頼性に優れる。
前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は、特に限定されないが、ナノスクラッチ装置による測定値において3.0[mN]以上であることが好ましく、特に4.0[mN]以上であることが好ましい。密着力B1が前記範囲内であると、特にパッケージの温度昇降サイクル試験などの信頼性試験において剥離が低減され、パッケージの信頼性に優れる。
層間絶縁膜層4とエッチングストッパー層3との25℃での密着力Aは、特に限定されないが、ナノスクラッチ装置による測定値において3[mN]以上であることが好ましく、特に4[mN]以上であることが好ましい。密着力Aが前記範囲内であると、半導体装置を製造する際の、例えば、CMP工程などの大きな機械的負荷がかかる際に剥離が低減される。
また、層間絶縁膜層4とハードマスク層5との25℃での密着力Bは、特に限定されないが、ナノスクラッチ装置による測定値において3[mN]以上であることが好ましく、特に4[mN]以上であることが好ましい。密着力Bが前記範囲内であると、半導体装置を製造する際の、例えば、CMP工程などの大きな機械的負荷がかかる際に剥離が低減される。
このような層間絶縁膜層4の厚さは、特に限定されないが、30〜500nmであることが好ましく、特に30〜300nmであることが好ましい。
ここで、エッチングストッパー層3は、層間絶縁膜層4とは異なるエッチング耐性を有するものである。エッチングとは、銅配線6およびバリアメタル7を設けるために、層間絶縁膜層4に貫通して溝を形成する手法である。例えば、プラズマ等によるエッチングにより溝を形成する場合、層間絶縁膜層4と、層間絶縁膜層4に比べて遅いエッチング速度を有する層をエッチングストッパー層3に設けることにより、層間絶縁膜層4のみに溝を形成することができる。このようなエッチングストッパー層3は、例えばケイ素、炭素等の元素で構成されているものである。
エッチングストッパー層3の厚さは、特に限定されないが、50nm以下であることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に電気特性に優れる。
また、ハードマスク層5は、化学的機械的研磨(CMP)耐性を有するものである。
CMPとは、層間絶縁膜層4と銅配線6およびバリアメタル7を研磨し、平坦化するものであるが、層間絶縁膜層4に充分な硬さや均一な削れ性が無い場合には、層間絶縁膜層4の上層にハードマスク層5を設けて、層間絶縁膜層4を保護するものである。ハードマスク層5は、例えばケイ素、炭素、酸素等で構成されているものである。
ハードマスク層5の厚さは、特に限定されないが、50nm以下であることが好ましい。ハードマスク層5には、機械的強度や優れた研磨性が必要なため、誘電率が高い膜が用いられる。そのため、ハードマスク層5の厚さが前記範囲内であると、半導体装置は低誘電率を示し電気特性に優れる
本発明では、上述したように層間絶縁膜層4とエッチングストッパー層3との密着力をAとし、層間絶縁膜層4とハードマスク層5との密着力をBとしたとき、A/B=0.5〜3.0となる関係を満足することを特徴とするが、このような特性を満たすためには、下記のような手法を挙げることができる。
1)カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物に密着助剤を添加する方法、
2)エッチングストッパー層3および/またはハードマスク層5を構成する材料に密着助剤を添加する方法、
3)層間絶縁膜層4および/またはハードマスク層5の上部の表面を化学的に修飾する方法および/または物理的に処理する方法、
等が挙げられるがこれに限られるものではない。特に、前記樹脂組成物をワニスとして塗布し、塗布膜を反応させて樹脂層を得る場合、予め前記ワニスに密着助剤を添加することで容易に上記密着力特性を満たすことができる。
層間絶縁膜層4をエッチングストッパー層3上に形成するにあたり、エッチングストッパー層の表面を化学的に修飾、および/または物理的に処理することもできる。さらに、層間絶縁膜層4の上にハードマスク層を形成するにあたり、層間絶縁膜層4の表面も同様に化学的に修飾、および/または物理的に処理することもできる。
また、エッチングストッパー層3および/またはハードマスク層5を構成する材料に密着助剤を添加することもできる。
以上のように上記実施形態では、第1接合層としてエッチングストッパー層3を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。第1接合層としては、例えば銅拡散防止層、他の絶縁層、保護層等が挙げられる。これらの中でも第1接合層は、銅拡散防止層、絶縁層、エッチングストッパー層の少なくとも1つであることが好ましく、特に限定されないが、ケイ素原子または窒素原子を含む化合物で構成されていることが好ましい。これにより信頼性を向上することができる。
また、第1接合層は、前期カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成される樹脂層と異なるエッチング耐性を有する層間絶縁膜層であっても良い。そのような層間絶縁膜層としては、無機CVD膜や無機塗布膜、有機塗布膜、またこれらの絶縁膜中に空孔を含むことによりさらに低誘電率を示す膜などが挙げられるが、これに限られるものではない。
特に、第1接合層が直接銅配線と接するような半導体装置である場合、第1接合層は銅拡散防止層であってもよい。銅拡散防止層としては、ケイ素や窒素などの元素を含む無機CVD膜や、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールなどの窒素元素を含むような有機塗布膜を含む例が挙げられるが、これに限られるものではない。
また、上記実施形態では、樹脂層として層間絶縁膜層4を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。樹脂層としては、層間絶縁膜層4以外に、例えば、保護層、エッチングストッパー層等が挙げられる。
また、上記実施形態では、第2接合層としてハードマスク層5を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。第2接合層としては、例えば、保護層、他の絶縁膜層、エッチングストッパー層、ハードマスク層等が挙げられる。これらの中でも第1接合層は、ハードマスク層、絶縁層、エッチングストッパー層の少なくとも1つであることが好ましく、特に限定されないが、ケイ素原子を含む化合物で構成されていることが好ましい。これにより、信頼性を向上することができる。
特に、第2接合層の上部に配線構造を有するような半導体装置である場合、第2接合層はエッチングストッパー層であってもよい。エッチングストッパー層の例は、第1接合層のエッチングストッパー層と同様である。
また、第二接合層は、前記樹脂層に対してエッチング選択性を有する層間絶縁膜層であってもよく、このような層間絶縁膜層の例は、第1接合層で示したエッチング耐性を有する層間絶縁膜層の例と同様である。
本発明では、前記樹脂層が、かご型構造を含む化合物を含む樹脂組成物で構成されていることにより低誘電率を示すことから、前記樹脂層は層間絶縁膜層として好適に用いることができる。そのため、本発明では第1接合層として、銅拡散防止層、絶縁層、エッチングストッパー層の少なくとも1つであることが好ましく、第2接合層として、ハードマスク層、エッチングストッパー層、絶縁層の少なくとも1つであることが好ましい。
また、バリアメタル層7としてはチタンやチタンナイトライド、タンタルやタンタルナイトライドなどを使用することができる。ここでは特に上端部61を除く周囲にバリアメタル層が存在する例を示したが、下端部に存在しない場合や、上端部下端部ともに存在しない場合もある。
上述したような半導体装置は、次のような製造方法で得ることができる。
シリコンウェーハに、トランジスタ等のデバイスが作製された半導体基板1を用意する。半導体基板1は、多層配線構造を有していてもよい。半導体基板1の上にエッチングストッパー層3を形成し、さらにその上に、層間絶縁膜層4およびハードマスク層5を形成し、層間絶縁膜層4およびハードマスク層5に配線層を形成するためのフォトレジスト層を形成する。エッチングストッパー層3、層間絶縁膜層4およびハードマスク層5は、CVD法またはスピンコート法等の方法により製膜をすることができる。
次いで、フォトレジスト層を用いて、ドライエッチングにより、層間絶縁膜層4およびハードマスク層5の所定の位置に貫通して、配線溝を加工し、前記配線溝の内面に、PVD法などによりバリアメタル層7を形成する。さらに、PVD法により銅のシード層を形成し、電界メッキ法により銅配線6を形成する。
これらのバリアメタル層7および銅のシード層は、CVD法により製膜することも可能である。前記バリアメタル層7は、必要により2種以上の金属層を積層して用いることができる。
前記銅配線6は、電界メッキ法による銅層の製膜方法に替えて、CVD法により作製する方法であってもよい。銅配線6の材質としては、銅以外に、銅を含む合金であってもよく、例えば、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄、コバルト、マンガン、ベリリウム、ニッケル、金、銀およびパラジウムなど金属との合金であってもよい。
その後、CMP法により配線部以外の銅層およびバリアメタル層を2段階以上のステップで研磨除去し、平坦化をすることで銅配線6を作製することができる。
銅配線6の微細化に対応するため、配線抵抗上昇を防ぐためのバリアメタル層7の薄膜化がなされるが、薄膜の形成においては、ALD法等により形成することも可能である。
このような製造方法により、半導体基板1上に積層体2を有する半導体装置100を得ることができるが、これらの製造工程の一部または全部を繰り返すことにより、配線層を多層とした多層配線構造を有する半導体装置を得ることができる。
このような半導体装置の上部に、パシベーション層と呼ばれる絶縁層等を形成して半導体パッケージを得ることができる。パシベーション層としては、例えば、CVD法で製膜されるSiCNなどが挙げられるが、これに限られるものではない。前記パシベーション層の所定の位置に開口部を形成し、アルミなどの金属からなるパッド電極埋め込み、ダイシングなどの装置により、前記半導体装置100を適当な大きさに分割する。さらに前記パッド電極とリードフレームとを、金などの金属からなるワイヤボンドにより接続、あるいは、前記パッドに半田ボールなどのバンプを形成し、フリップチップ方式によりインターポーザーなどの基板と接続する。さらに、半導体装置100の周りを適当な封止剤で封止、あるいはフリップチップ方式によりバンプ接続したものは、半導体チップと基板との間の空間をアンダーフィル材にて充填することにより、半導体パッケージを製造することができる。
このようにして得られた半導体パッケージは、上述したような半導体装置を用いているので信頼性に優れるものとなっている。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1)
1.カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物の調製および樹脂層の誘電率測定。
ビスアミノフェノールとして、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン(0.1モル)、ジカルボン酸塩化物として、1,3−アダマンタンジカルボン酸クロリド(0.4モル)および5−フェニルエチニルイソフタル酸クロリド(0.6モル)をNMP中で重合し、カゴ型構造を有する化合物A(カゴ型構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体であるポリ(ヒドロキシアミド))を得た。このポリ(ヒドロキシアミド)をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を低抵抗シリコンウェーハに塗布し、ホットプレート上200℃/
1分でベークした後、酸素濃度100ppm以下とした窒素オーブン中400℃/30分
硬化し150nmの樹脂層を形成した。該膜の誘電率を、日本エス・エス・エム(株)社
製自動水銀プローブCV装置SSM495により測定したところ、2.57であった。
2.半導体装置の製造
トランジスタ等のデバイスが作製された半導体基板に、プラズマCVD法によりSiCN膜を30nm形成し、上記と同様に上記ポリ(ヒドロキシアミド)溶液を塗布し、引き続きベーク、焼成することにより150nm厚の樹脂層を形成した。さらに、この樹脂層の上にプラズマCVD法によりSiO膜を60nm形成した。
次に、フォトレジストを用いて露光、現像、SiO膜および樹脂層をドライエッチング、エッチング残渣の洗浄後にバリアメタル、CuシードをPVDにより成膜、Cuメッキ、CMPを実施し、Cuバリア絶縁膜としてプラズマCVD法によりSiCN膜を30nm形成しCu1層配線を形成した。同様の操作を3回繰り返すことにより、Cu3層配線を作製した。次に、パッシベーションとしてSiO膜を形成した後、Cu配線と接続するAlバッドを形成し、ポリイミドバッファーコート層を形成、ダイシングによりチップを切り出し、銀ペーストを用いてリードフレームに接着し、ワイヤーボンディングにてリードフレームと接続し、半導体封止用エポキシモールディングコンパウンドで封止することにより半導体装置を得た。
なお、前記樹脂層と、前記第1接合層との密着力および前記樹脂層と前記第2接合層との密着力は、次のように評価した。
最上面にプラズマCVDにより成膜したSiCNを形成した300mmSiウェーハに、上記ポリ(ヒドロキシアミド)のシクロヘキサノン溶液を塗布し、ホットプレートにより200℃/1分でベークした後、窒素オーブン中400℃/30分焼成し、150nm厚の樹脂層を形成した(第1接合層の形成)。また、該樹脂層の上面にプラズマCVD法によりSiO膜を成膜した(第2接合層の形成)。
ナノテック社製ナノスクラッチテスターを用いて、25℃および120℃における樹脂層と第1接合層との密着力および樹脂層と第2接合層との密着力を測定した結果を以下に示す。ここで、第1接合層の密着力測定は、該樹脂層上にSiO膜を形成する前に行った。また、測定はウェーハ中心部および中心から15cm離れた4点の計5点で各5回、合計25回の測定を行い、その平均値を密着力とした。また、120℃での密着力の測定は、表面温度を120℃に設定したホットプレート上に試料を設置し、ウェーハ表面温度を安定させるため、設置10分後から測定を開始した。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは5.6〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは6.2〔mN〕であった(A/B=0.90)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は5.0〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は5.8〔mN〕であった(A1/B1=0.86)。
参考例2)
カゴ型構造を有する化合物として、以下のものを用いて樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
参考例1と同様な方法で、ビスアミノフェノールとして、9,9−ビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(0.1モル)、ジカルボン酸塩化物として、3,3’−(5,5’,7,7’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン)ジカルボン酸クロリド(0.6モル)、5−フェニルエチニルイソフタル酸クロリド(0.4モル)を用いてカゴ型構造を有する化合物B(カゴ型構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体であるポリ(ヒドロキシアミド))を得た。このポリ(ヒドロキシアミド)をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.67であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは7.3〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは5.8〔mN〕であった(A/B=1.3)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は6.7〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は5.5〔mN〕であった(A1/B1=1.2)。
参考例3)
カゴ型構造を有する化合物として、以下のものを用いて樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
4,9−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)ジアマンタンをアニソール中還流条件下で反応し、カゴ型構造を有する化合物C(重合体)を得た。この重合体をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、密着助剤Aとして3−アミノプロピルトリエトキシシランを重合体に対して2重量%含む樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.68であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは6.0〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは3.4〔mN〕であった(A/B=1.4)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は4.2〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は3.1〔mN〕であった(A1/B1=1.4)。
(実施例4)
カゴ型構造を有する化合物として、以下のものを用いて樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
7,7'−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−3,3',5,5'−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンをジメトキシベンゼン中180℃で3時間反応し、カゴ型構造を有する化合物D(重合体)を得た。この重合体をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、密着助剤Aとして3−アミノプロピルトリエトキシシランを重合体に対して2重量%含む樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.27であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは8.8〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは6.0〔mN〕であった(A/B=1.5)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は8.5〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は5.2〔mN〕であった(A1/B1=1.6)。
参考例5)
カゴ型構造を有する化合物として、以下のものを用いて樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
参考例1と同様な方法で、ビスアミノフェノールとして、9,9−ビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(0.1モル)、ジカルボン酸塩化物として、1,3−アダマンタンジカルボン酸クロリド(0.6モル)、5−フェニルエチニルイソフタル酸クロリド(0.4モル)を用いてカゴ型構造を有する化合物E(カゴ型構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体であるポリ(ヒドロキシアミド))を得た。このポリ(ヒドロキシアミド)をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、密着助剤Bとしてビニルトリエトキシシランを重合体に対して2重量%含む樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.78であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは9.2〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは4.0〔mN〕であった(A/B=2.3)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は8.9〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は3.7〔mN〕であった(A1/B1=2.4)。
参考例6)
参考例3において、密着助剤として以下のものを用いた以外は参考例3と同様にした。
密着助剤Cとして3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンを用いた。樹脂層の誘電率は2.63であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは4.5〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは6.8〔mN〕であった(A/B=0.67)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は5.0〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は7.2〔mN〕であった(A1/B1=0.69)。
(実施例7)
実施例4において、密着助剤として以下のものを用いた以外は実施例と同様にした。
密着助剤Cとして3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンを用いた。樹脂層の誘電率は2.25であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは9.6〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは5.4〔mN〕であった(A/B=1.8)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は9.5〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は5.0〔mN〕であった(A1/B1=1.9)。
参考例8)
第1接合層と、第2接合層とを以下のようにした以外は、参考例1と同様にした。
第1接合層をSiC膜とし、第2接合層をSiOC膜とした。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは6.4〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは11.4〔mN〕であった(A/B=0.56)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は6.0〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は11.2〔mN〕であった(A1/B1=0.54)。
参考例9)
第1接合層と、第2接合層とを以下のようにした以外は、参考例1と同様にした。
第1接合層をSiC膜とし、第2接合層をSiOC膜とした。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは7.2〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは12.5〔mN〕であった(A/B=0.58)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は6.5〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は11.8〔mN〕であった(A1/B1=0.55)。
(比較例1)
カゴ型構造を有する化合物として以下のものを用いて、樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
4,9ジエチニルジアマンタンを、メシチレン中Pd(PPh3)4を触媒として150℃で3時間反応し、カゴ型構造を有する化合物F(重合体)を得た。この重合体をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.43であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは6.8〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは1.6〔mN〕であった(A/B=4.3)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は6.1〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は1.2〔mN〕であった(A1/B1=5.1)。
(比較例2)
カゴ型構造を有する化合物として以下のものを用いて、樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
オキシジフタル酸二無水物(0.1モル)と3,5−ジアミノアダマンタン(0.1モル)を、NMP中10%濃度にて室温で5時間反応し、カゴ型構造を有する化合物G(カゴ型構造を有するポリイミド樹脂前駆体であるポリアミド酸)のNMP溶液を得た。このポリアミド酸NMP溶液に樹脂分濃度5%となるようにシクロヘキサノンを添加し、樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.98であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは12.6〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは3.6〔mN〕であった(A/B=3.5)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は12.2〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は3.0〔mN〕であった(A1/B1=4.1)。
(比較例3)
カゴ型構造を有する化合物の代わりに、カゴ型構造を有しないとして以下のものを用いて、樹脂組成物を得た以外は参考例1と同様にした。
下記式のスキームにより樹脂(H)を合成し、樹脂(H)をシクロヘキサノンに5%となるように溶解し、樹脂組成物を調製した。樹脂層の誘電率は2.78であった。
なお、前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力Aは5.2〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力Bは4.7〔mN〕であった(A/B=1.1)。
また、前記樹脂層と前記第1接合層との120℃での密着力A1は4.8〔mN〕であり、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1は3.6〔mN〕であった(A1/B1=1.3)。
各実施例、参考例および比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容とともに示す。得られた結果を表1に示す。
1.パッケージ信頼性
パッケージ信頼性は、温度昇降サイクル試験における層間絶縁膜層の剥離の有無で評価した。温度昇降サイクル条件は、120℃、−50℃の処理を各30分、1,000サイクルまで繰り返して行った。温度昇降サイクル試験後の剥離の評価は、日立建機ファインテック(株)製超音波探査映像装置FineSAT300にて行った。各符号は、以下の通りである。なお、評価に投入したパッケージは25個であり、温度昇降100サイクル、250サイクル、500サイクル、1,000サイクルにおいて剥離の有無を観察した。剥離有のパッケージ数を以下に示す。なお、1,000サイクル到達前に剥離したものは以後の評価には投入せず、剥離数はそれらも含めた数を示した。
2.電気特性
電気特性を、120℃、−50℃の処理を各30分間、500サイクル行った後、ビアチェーン抵抗変化で評価した。温度サイクル処理前の抵抗値に対して、抵抗値が10%未満の場合に○、10%以上の場合をXとした。
表1から明らかなように、実施例および参考例1〜9は、上述の温度昇降サイクル試験を250サイクル実施しても剥離が全く発生しなかった。特に参考例2および実施例4は、1,000サイクル実施しても剥離が発生しなかった。これらにより、本発明はパッケージ信頼性に優れていることが示唆された。
また、実施例および参考例1〜9は、上述の優れたパッケージ信頼性を有した状態で、電気特性にも優れていた。
半導体装置を模式的に示す模式図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 積層体
3 エッチングストッパー層
4 層間絶縁膜層
5 ハードマスク層
6 銅配線
61 上端部
7 バリアメタル層
100 半導体装置

Claims (9)

  1. 半導体素子と、前記半導体素子の一方の面側に設けられた積層体とを有する半導体装置であって、
    前記積層体は、カゴ型構造を有する化合物を含む樹脂組成物で構成される樹脂層と、前記樹脂層の半導体素子に近い側の面に接合される第1接合層と、前記樹脂層の他方の面側に接合される第2接合層と、を有し、
    前記カゴ型構造を有する化合物は、下記式(1)で表わされる化合物であって、
    前記樹脂層と前記第1接合層との25℃での密着力をAとし、前記樹脂層と前記第2接合層との25℃での密着力をBとしたとき、A/B=0.5〜3.0となる関係を満足することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記樹脂層と第1接合層との120℃での密着力をA1と、前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力をB1としたとき、A1/B1=0.5〜3.0である請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記樹脂層と前記第2接合層との120℃での密着力B1が、ナノスクラッチ装置による測定値において3[mN]以上である請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1接合層が、ケイ素原子または窒素原子を含む化合物で構成されているものである請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記第1接合層が、銅拡散防止層、絶縁層およびエッチングストッパー層の少なくとも1つである請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 前記第2接合層が、ケイ素原子を含む化合物で構成されているものである請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 前記第2接合層は、前記樹脂層を保護する保護層、絶縁膜およびエッチングストッパー層の少なくとも1つである請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 前記樹脂組成物が、密着助剤を含んでいることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の半導体装置。
  9. 前記密着助剤は、シラン化合物である請求項に記載の半導体装置。
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