JP5630100B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)分子内に、アダマンタン型のかご型構造を含む部分構造Aと、重合反応に寄与する重合性反応基Bとを有する化合物を重合して、かご型構造を有する重合体を製造する方法であって、前記かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物と、界面活性剤とを水相中で超音波処理により混合する工程を含むことを特徴とする重合体の製造方法。
(2)前記界面活性剤が、前記かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物と、界面活性剤とを水相中で超音波処理により混合する工程によって、かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物に対して疎水性部位を中心としたミセルを形成するものである第(1)項に記載の重合体の製造方法。
(3)前記重合性反応基Bが、芳香環と、当該芳香環に直接結合するエチニル基またはビニル基とを有することを特徴とする第(1)項又は第(2)項に記載の重合体の製造方法。
(4)前記かご構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物において、前記芳香環由来の炭素数が、当該かご構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物全体の炭素の数に対して、15%以上、38%以下であることを特徴とする第(1)項ないし第(3)項のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
(5)第(1)項ないし第(4)項のいずれか1項に記載の重合体の製造方法により得られる重合体を含む膜形成用組成物。
(6)第(5)項記載の膜形成用組成物を含む有機膜。
(7)第(6)項記載の有機膜を備えたことを特徴とする半導体装置。
本発明は、分子内に、アダマンタン型のかご型構造を含む部分構造Aと、重合反応に寄与する重合性反応基Bとを有する化合物を重合して、かご型構造を有する重合体を製造する方法であって、前記かご構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物と、界面活性剤とを水相中で超音波処理により混合する工程を含むことを特徴とする重合体の製造方法であり、これにより得られる重合体は、収率が向上し、金属不純物の含有も低減されるものである。
かご構造を有する化合物が有する部分構造Aとしては、アダマンタン型のかご型構造を含むものである。これにより、本発明により得られる重合体を含む膜形成用組成物を用いて形成される膜を、低密度のものとすることができ、形成される膜の誘電率を低いものとすることができる。また、後に詳述するような重合性反応基Bを備える、かご型構造を有する化合物の反応性を適切なものとすることができるため、膜を形成すべき部材(例えば、半導体基板)上への膜形成用組成物を付与するのに際し、当該膜形成用組成物の粘度を確実に好適なものとし、最終的に形成される膜の強度を優れたものとすることができる。
本発明に用いるかご構造を有する化合物は、上記のような部分構造Aに加え、重合反応に寄与する重合性反応基Bを有している。重合性反応基Bとしては、反応基として重合性の官能基を有するものであれば、限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を有する基、炭素−炭素三重結合を有する基などの炭素−炭素不飽和結合の重合性官能基を有する基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、シアナト基及びシクロペンタジエニル基などが挙げられ、反応性が高く、より耐熱性が高まる点から、炭素−炭素二重結合を有する基、炭素−炭素三重結合を有する基などの炭素−炭素不飽和結合を有する基が好ましい。
このような界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、前記アニオン界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカリ塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキル硫酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18の脂肪酸アルカリ塩が好ましく、特にドデシル硫酸ナトリウムが好適に使用できる。また、界面活性剤のHLB値が18以上、42以下のものが、分散安定化とミセル形成の観点から好ましく、例えば、分散後1時間静置した状態あっても懸濁もしくは乳化状態を保つことができ、製造上の利便性から好ましい。このような界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HLB=7×Σ(親水基の基数)+Σ(親油基の基数)
(但し、親水基の基数及び親油基の基数は、基の種類によって定められた値であり、例えば、本多健一編集「表面、界面化学大系 基礎編 上巻」の364頁に示された値である。)
超音波処理条件としては、周波数、振幅等が挙げられる。周波数としては、特に制限はないが、分散性の観点から、好ましくは30kHz以下であり、特に10kHz以上、30kHz以下の範囲でより好適に使用できる。振幅についても、大きいほどキャビテーション圧が高くなるため、一般的な振幅範囲である、20μm以上、60μm以下の範囲で使用することが好ましい。
反応時間としては、適宜変更すれば良く、通常0.1時間以上100時間以下程度である。上記反応温度及び反応時間は、前記範囲外でも使用できるが、それぞれ前記上限値より高すぎたり、長すぎたりすると、重合体の分子量が大きくなり、有機溶剤への不溶化を引き起こす恐れがある。一方、反応温度及び反応時間が、それぞれ前記下限値より、低すぎたり、短すぎたりすると、重合体の分子量が小さくなり、塗布膜作成時に、析出物などによる塗布膜の外観不良を引き起こす可能性がある。
により測定したポリスチレン換算の数平均分子量が、10,000以上200,000以下程度である。前記範囲外でも、有機膜に使用できるが、前記範囲内であると、重合体は有機溶剤への溶解性が高く、外観良好な塗布膜を得ることができる。また、前記重合反応により得られる重合体は、分散比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0以上2.5以下程度であり、分散比が狭いため、塗布膜作成用のワニス液調製時に、ろ過を容易に行うことができる。
本発明の有機膜は、前記膜形成用組成物を用いて得られるが、例えば、上記で得られた膜形成用組成物ワニスを、基板などの支持体に塗布し、これを、加熱や活性エネルギー線照射などの処理をすることで製造できる。また、上記で得られた反応溶液をそのまま、又は前記膜形成用組成物を加熱して溶解して、支持体に塗布して製造しても良い。前記加熱や活性エネルギー線照射など処理を行うことにより、重合体中に残存する不飽和結合を、架橋反応することにより、より耐熱性に優れる有機膜を提供することができる。また、本発明の重合体の製造方法により製造した重合体を、膜形成用組成物として使用しているため、金属不純物の含有量が少なく、電気特性、特に破壊電圧、リーク電流に優れる有機膜を提供することができる。
また、基板などの支持体との密着性を高めるために、基板上に密着促進剤層を形成後、その上に有機膜を形成しても良い。
半導体用保護膜などにおいては、0.05〜70μmが好ましく、特に0.1〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に半導体素子の保護特性及び加工性の両方に優れる。
図1は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図1上側)に設けられたSiCN膜2と、SiCN膜2の上に設けられた層間絶縁膜3およびバリアメタル層6で覆われた銅配線層7を有している。本実施形態の半導体装置100は、本発明の有機膜として、層間絶縁膜3を備えている。
層間絶縁膜3には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部内には銅配線層7が設けられている。
また、層間絶縁膜3と、銅配線層7との間には、改質処理層5が設けられている。
また、層間絶縁膜3の上側(SiCN膜2と反対側面)には、ハードマスク層4が形成されている。
まず、上記有機膜で説明した方法を用いて、層間絶縁膜3とハードマスク層4とで構成される絶縁膜の所定の位置に、貫通した配線溝が形成された所定形状をなす絶縁膜を形成する。
次に、前記配線溝の内面に、プラズマ処理等により、改質処理層5を形成し、さらにPVD法やCVD法等の方法により、Ta、Ti、TaN、TiN、WN等で構成されるバリアメタル層6を形成する。
さらに、電解めっき法等により、配線層となる銅配線層7を形成し、その後、CMP法により配線部以外の銅配線層およびバリアメタル層を研磨除去、平坦化することで、半導体装置100を得ることができる。
さらに配線層を積層する場合にも、基本的に上記1層目の配線形成と同様な方法により形成することができる。
本発明の半導体装置において、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
(合成例1)
まず、1,3−ジメチルアダマンタンを用意し、温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の2000mLフラスコに、四塩化炭素:700mL、臭素:35g(0.22mol)を入れ、撹拌しながら、用意した1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20〜30℃に保った。
添加終了後、温度が上昇しなくなってから、さらに1時間反応させた。
その後、冷水:約2000mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。
さらに粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物:37.4gを得た。赤外分光分析(IR分析)によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が322である結果より、生成物が3,5−ジメチル−1,7−ジブロモアダマンタンであることが示された。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):413(M+)
元素分析:理論値(/%)C;93.16、H;6.84、実測値(/%)C;93.11、H;6.82
合成例1において、1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)に代えて、テトラメチルビアダマンタン:65.3g(0.2mol)を用いた以外は、前記合成例1と同様にして、生成物を得た。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):574(M+)
元素分析:理論値(/%)C;91.93、H;8.07、実測値(/%)C;91.87、H;8.00
合成例1において、1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)に代えて、デカメチルペンタアダマンタン:162.7g(0.2mol)を用いた以外は、前記合成例1と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果を示す。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、下記式(5)で表されるかご構造を有する化合物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):1062(M+)
元素分析:理論値(/%)C;90.51、H;9.49、実測値(/%)C;90.49、H;9.47
合成例1において、1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)に代えて、ドデカメチルヘキサアダマンタン:195.1g(0.2mol)を用いたこと以外は、前記合成例1と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、下記式(6)で表されるかご構造を有する化合物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):1223(M+)
元素分析:理論値(/%)C;90.28、H;9.72、実測値(/%)C;90.26、H;9.70
まず、5Lナスフラスコに、合成例1と同様にして得られた3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)、キノリン67.4g(522mmol)、5%パラジウム−炭酸カルシウム0.37g(0.174mmol)、テトラヒドロフラン(1000mL)及び攪拌子をそれぞれ投入し、水素気流下、室温で攪拌を開始し、水素3.35L(139mmol)が消費された時点で、窒素を導入して反応を停止させた。反応液を濾過した後、ろ液の溶媒を減圧除去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、生成物として3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジビニルフェニル)アダマンタン13.0g(31.0mmol;収率89%)を得た。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):420(M+)
元素分析:理論値(/%)C;91.37、H;8.63、実測値(/%)C;91.34、H;8.60
合成例5において、3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)に代えて、合成例2と同様にして得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン:19.9g(34.6mmol)を用いたこと以外は、前記合成例5と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、下記式(7)で表されるかご構造を有する化合物において、n=2の構造であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):582(M+)
元素分析:理論値(/%):C,90.66;H,9.34、実測値(/%):C,90.59;H,9.41
合成例1において、1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)に代えて、ヘキサメチルトリアダマンタン:97.8g(0.2mol)を用いた以外は、合成例1と同様にして3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサメチル−7,7’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’−トリアダマンタン:39.1gを得た。
合成例5において、3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)に代えて、上記で得られた3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサメチル−7,7’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’−トリアダマンタン:25.6g(34.7mmol)を用いたこと以外は、前記合成例5と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、上記式(7)で表されるかご構造を有する化合物において、n=3の構造であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):745(M+)
元素分析:理論値(/%):C,90.26;H,9.74、実測値(/%):C,90.25;H,9.71
合成例1において、1,3−ジメチルアダマンタン:32.9g(0.2mol)に代えて、オクタメチルテトラアダマンタン:130.2g(0.2mol)を用いた以外は、合成例1と同様にして3,3’,3’’,3’’’,5,5’,5’’,5’’’−オクタメチル−7,7’’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’:7’’,1’’’−テトラアダマンタン:49.5gを得た。
合成例5において、3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)に代えて、3,3’,3’’,3’’’,5,5’,5’’,5’’’−オクタメチル−7,7’’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’:7’’,1’’’−テトラアダマンタン:36.8g(34.7mmol)を用いたこと以外は、前記合成例5と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、上記式(7)で表されるかご構造を有する化合物において、n=4の構造であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):907(M+)
元素分析:理論値(/%):C,90.00;H,10.00、実測値(/%):C,89.87;H,9.99
合成例5において、3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)に代えて、合成例3と同様にして得られた3,3’,3’’,3’’’,3’’’’,5,5’,5’’,5’’’,5’’’’−デカメチル−7,7’’’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’:7’’,1’’’:7’’’,1’’’’−ペンタアダマンタン:36.8g(34.7mmol)を用いたこと以外は、前記合成例5と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、上記式(7)で表されるかご構造を有する化合物において、n=5の構造であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):1069(M+)
元素分析:理論値(/%):C,89.82;H,10.18、実測値(/%):C,89.67;H,10.16
合成例5において、3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン14.3g(34.7mmol)に代えて、合成例4と同様にして得られた3,3’,3’’,3’’’,3’’’’,3’’’’’,5,5’,5’’,5’’’,5’’’’,5’’’’’−ドデカメチル−7,7’’’’’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’:7’,1’’:7’’,1’’’:7’’’,1’’’’:7’’’’,1’’’’’−ヘキサアダマンタン:42.4g(34.7mmol)を用いたこと以外は、前記合成例10と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、上記式(7)で表されるかご構造を有する化合物において、n=6の構造であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):1231(M+)
元素分析:理論値(/%):C,89.69;H,10.31、実測値(/%):C,89.67;H,10.28
まず、Journal of Organic Chemistry.,39,2987-3003(1974)に記載の合成法に従って、4,9−ジブロモジアマンタンを合成した。IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が346である結果より、生成物が4,9−ジブロモジアマンタンであることが示された。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):436(M+)
元素分析:理論値(/%)C;93.54、H;6.46、実測値(/%)C;93.46、H;6.38
合成例11において、4,9−ジブロモジアマンタンに代えて、ジブロモペンタ(ジアマンタン)を用意したこと以外は前記合成例11と同様にして、生成物を得た。
なお、ここで得られた生成物について、外観、質量分析、及び元素分析の結果は、下記の通りであり、下記式(8)で表されるかご構造を有する化合物であることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):1181(M+)
元素分析:理論値(/%)C;91.47、H;8.53、実測値(/%)C;91.42、H;8.50
1.重合体の製造
前記合成例1で得られた3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン1.13g(2.73mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.135g(0.822mmol)、トルエン62.4g、ドデシル硫酸ナトリウム(HLB値40)9.98g(34.6mmol)、水101gを500mLビーカーに入れ、超音波処理装置(Branson社製Sonifier450D、周波数20kHz)を用いて、50Wの出力で、氷浴中、1時間超音波処理することすることにより乳化液を調整した。この乳化液を80℃で7時間攪拌することにより乳化重合を行った。GPCによりモノマー転化率が99%以上に達していることを確認した。この溶液に食塩3.2gを加えて30分間攪拌した後、メタノール約700mLを注いだ。得られた析出物を濾別し、エタノールと水の混合溶媒(体積比1:1)200mLで洗浄した後、減圧乾燥することにより重合体の固形物0.91g(収率81%)を得た。GPCにより得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は19,000、数平均分子量(Mn)は11,800、分散比(Mw/Mn)は1.6であった。
なお、重合反応後における反応液中に分散している液滴の平均粒子径を、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子社製、ELSZ−2)により測定したところ、平均粒子径は18nmであった。
上記で得た重合体1gをシクロペンタノン9gに溶解し、孔径が0.05μmのフィルターでろ過することで、塗布液(膜形成用組成物)を調整した。この塗布液をスピンコーターにより、低抵抗の4インチシリコンウェーハに塗布し、200℃のホットプレート上で1分間加熱ベークし、その後、400℃のオーブン中で30分間硬化させることにより、膜厚0.5μmの均一な有機膜を得た。
上記で得た有機膜について、膜厚は、n&kテクノロジー社製n&kアナライザー1500により測定した。
前記合成例1で合成されたかご構造を有する化合物としての3,5−ジメチル−1,7−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン:5gを1,3−ジメトキシベンゼン:45gに溶解させ、乾燥窒素下170℃で3時間反応させた。その後、150℃で6時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノール/テトラヒドロフラン=3/1の混合溶媒に滴下して沈殿物を集めて乾燥し、2.8gの重合体を得た(収率:56%)。得られた重合体:1gを用いて、前記実施例1と同様にして、塗布液を調整し、塗布、硬化の操作を行うことで、均一な有機膜を得た。
かご構造を有する化合物として、合成例2〜10で合成したものをそれぞれ用いた以外は、前記実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体を得、さらに、当該重合体:1gを用いて、前記実施例1と同様にして、塗布液を調整し、塗布、硬化の操作を行うことで、均一な有機膜を得た。
実施例1において、かご構造を有する化合物として、合成例11で合成したものを用い、また界面活性剤として、ステアリルアミン塩酸塩(HLB値7.9)10.6g(34.6mmol)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体を得、さらに、当該重合体:1gを用いて、前記実施例1と同様にして、塗布液を調整し、塗布、硬化の操作を行うことで、均一な有機膜を得た。
実施例1において、かご構造を有する化合物として、合成例12で合成したものを用い、また界面活性剤として、ラウリルアミン塩酸塩(HLB値10.7)7.67g(34.6mmol)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体を得、さらに、当該重合体:1gを用いて、前記実施例1と同様にして、塗布液を調整し、塗布、硬化の操作を行うことで、均一な有機膜を得た。
かご構造を有する化合物として、合成例2〜12で合成したものをそれぞれ用いた以外は、前記比較例1と同様にして重合反応を行い、重合体を得、さらに、当該重合体:1gを用いて、前記実施例1と同様にして、塗布液を調整し、塗布、硬化の操作を行うことで、均一な有機膜を得た。
これに対して、各比較例では、分散比が大きかった。また、重合体中に含まれる金属濃度は400ppb以上と多く、満足のいく結果が得られなかった。
前記各実施例および各比較例にかかる有機膜について、誘電率、破壊電圧、リーク電流および耐熱性のそれぞれの特性を、下記の評価方法により、評価を行った。
有機膜の誘電率は、日本エス・エス・エム(株)製、自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて評価した。
[破壊電圧、リーク電流]
破壊電圧、リーク電流は、誘電率と同様に、日本エス・エス・エム(株)製、自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて評価した。
破壊電圧は、1×10−2Aの電流が流れた時に印加した電圧を破壊電圧とし、電界強度(1×10−2Aの電流が流れた時に印加した電圧(MV)を膜厚(cm)で除した値。単位:MV/cm)で示した。
リーク電流は、1MV/cmの電界強度の時に流れる電流値をリーク電流とし、電流密度(1MV/cmの電界強度の時に流れる電流値(A)を、自動水銀プローブCV測定装置の水銀電極面積(cm2)で除した値。単位:A/cm2)で示した。
[耐熱性]
耐熱性は、熱分解温度で評価した。得られた絶縁膜をTG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製、TG/DTA220)を用いて、窒素ガス200mL/min.フロー下、昇温速度10℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到達した温度を、熱分解温度とした。
これらの結果を表4に示す。
(実施例13)
シリコン基板を用意し、前記シリコン基板上にCVD法により30nm厚のSiCN膜を形成し、次に、実施例1で得られた塗布液を用いて、スピンコートにより、前記SiCN膜上に、実施例1の有機膜と同様の絶縁膜塗膜を150nm厚で形成した。この絶縁膜上にハードマスク層として、CVD法により60nm厚のSiO2膜を形成した。そして、配線溝形成用マスクパターンを転写するための60nm厚の反射防止膜および250nm厚のフォトレジスト膜を設け、フォトレジスト膜に対する露光・現像処理を施した。そして、ドライエッチングにより、反射防止膜、ハードマスク層、絶縁膜をエッチングした。次に、表面に残ったフォトレジスト膜および反射防止膜をアッシングで除去し、更に配線溝内の残渣物を洗浄により除去し、配線溝形成を完了させた。次に配線溝の下面および側面、そしてドライエッチングされていない平坦部上に、バリアメタル層として、PVD法によりTaN膜及びTa膜を併せて20nm厚で設けた。更に、銅シード膜をPVD法により堆積させた後、電解めっき法により、配線溝内へ銅を埋め込んだ。めっき法で成膜した余分な銅はCMPにより除去・平坦化を行った。そして、CMPにより平坦部においてTaN膜及びTa膜併せて20nm堆積させたバリアメタル層を除去・平坦化を行い、ハードマスク層が30nm厚になった時点でCMPを完了させた。CMP完了後、CVD法により30nm厚のSiCN膜を成膜し、更にその上部にCVD法によりSiO2膜を500nm厚で成膜した。更にアルミニウム配線を形成して銅の1層配線の電気特性評価用サンプルを作製した。
なお、SiOC膜を使用した電気特性比較用サンプルは、前記電気特性評価用サンプル作製において、塗布液を用いて、スピンコートにより、SiCN膜上に、絶縁膜塗膜を形成する工程を、CVD法によりSiOC膜を150nm厚で形成すること以外は、前記電気特性評価用サンプル作製と同様にして、電気特性比較用サンプルを準備した。
実施例13と同様な方法により、実施例2−12で得られた塗布液を、それぞれ、用いて形成した絶縁膜からなる、銅1層配線の電気特性評価用サンプルを作成し、配線抵抗(R)と線間容量(C)の積が、絶縁膜として、CVD成膜により形成した誘電率3.0のSiOC膜に対して何パーセント低減したかを評価した。結果は表5に示す。
実施例13と同様な方法により、比較例1−12で得られた塗布液を、それぞれ、用いて形成した絶縁膜からなる、銅1層配線の電気特性評価用サンプルを作成し、配線抵抗(R)と線間容量(C)の積が、絶縁膜として、CVD成膜により形成した誘電率3.0のSiOC膜に対して何パーセント低減したかを評価した。結果は表5に示す。
2 SiCN膜
3 層間絶縁膜
4 ハードマスク層
5 改質処理層
6 バリアメタル層
7 銅配線層
100 半導体装置
Claims (3)
- 分子内に、アダマンタン型のかご型構造を含む部分構造Aと、重合反応に寄与する重合性反応基Bとを有する化合物を重合して、かご型構造を有する重合体を製造する方法であって、前記重合性反応基Bが、芳香環と当該芳香環に直接結合する2つのエチニル基またはビニル基とを有するものであって、かつ、前記化合物中に前記重合性反応基Bを2つ有するものであり、
前記かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物と、オクタノール/水分配係数が3以下である1種以上の有機溶剤と、界面活性剤とを水相中で超音波処理により混合する工程を含むことを特徴とする重合体の製造方法。 - 前記界面活性剤が、前記かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物と、界面活性剤とを水相中で超音波処理により混合する工程によって、かご型構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物に対して疎水性部位を中心としたミセルを形成するものである請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 前記かご構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物において、前記芳香環由来の炭素数が、当該かご構造を含む部分構造Aと重合性反応基Bとを有する化合物全体の炭素の数に対して、15%以上、38%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の重合体の製造方法。
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