JPH08328252A - 水性感光性樹脂組成物 - Google Patents

水性感光性樹脂組成物

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JPH08328252A
JPH08328252A JP19353495A JP19353495A JPH08328252A JP H08328252 A JPH08328252 A JP H08328252A JP 19353495 A JP19353495 A JP 19353495A JP 19353495 A JP19353495 A JP 19353495A JP H08328252 A JPH08328252 A JP H08328252A
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photosensitive resin
emulsion
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博司 寒川
Yoshichi Hagiwara
洋七 萩原
Takeshi Saigo
剛 西郷
Scott Harock John
ジョン・スコット・ハロック
Frederick Beckner Alan
アラン・フレデリック・ベックネル
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WR Grace and Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在商業的に使用されている溶剤型の感光性
樹脂組成物と同等又はそれ以上の、十分に満足のいくレ
ジスト性能を有した、希アルカリ水溶液で現像可能な水
性の感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明に係る水性の感光性樹脂組成物
は、 (a)カルボキシル基を含有する高分子化合物の水性エ
マルジョン; (b)光重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物; (c)活性光照射により遊離ラジカルを発生し得る光重
合開始剤;及び (d)接着促進剤; を必須成分として含有し;(a)成分の高分子化合物の
重量平均分子量が1,000から50,000の範囲内
であり、その酸価が140mg−KOH/gを超え25
0mg−KOH/g以下の範囲内であり、且つそのガラ
ス転移温度が50〜200℃の範囲内であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機溶剤を含有しな
い感光性樹脂組成物の製造方法に関するものである。さ
らに詳しくは、水分散液の形態の感光性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント基板の製造、加工等の分野にお
いて、エッチング、メッキ等の基材の化学的、電気化学
的加工の際に使用されるレジスト材料として感光性樹脂
溶液やドライフィルムを用いることが広く行われてい
る。有機溶剤による環境問題、健康問題を鑑み、露光後
の現像工程では、近年、現像液として従来の有機溶媒に
代えて希アルカリ水溶液を用いるようになっている。し
かし感光性樹脂自体は未だに溶媒として有機溶剤を含有
している場合が多く、コーティング時や乾燥時に有機溶
媒の揮発による作業環境の問題がある。このため、最近
ではさらに感光性樹脂それ自身を水性化することが検討
され始めている。
【0003】特開昭54−164119号公報において
は、水分散性のラテックスと水可溶性乃至水分散性の不
飽和化合物とから構成される感光性樹脂組成物が提案さ
れている。また、水分散性のラテックスと水不溶性の不
飽和化合物とから構成される水性の感光性樹脂組成物に
ついては、Y. C. ChiouらによってMRL Bull. Res. Dev.
Vol.2, No.2(1988)p.13-17に記載されている。しか
し、この方法によって調製された組成物は、銅基板に対
してぬれ特性が悪く、塗むらやはじきがあり均一なコー
ティング被膜を得ることが困難であると、ヨーロッパ特
許出願第0546768A1に報告されている。
【0004】水分散性のラテックスと水不溶性の不飽和
化合物とから構成される水性の感光性樹脂組成物のコー
ティング特性や安定性を改善する有効な手段としては、
水分散性のラテックスを塩基で部分中和することによっ
て増粘させ且つ安定化させるという方法が、米国特許第
5,045,435号において開示されている。即ち、
かかる方法においては、カルボキシル化(メタ)アクリ
レートラテックスの酸の一部を、アミン類、無機アルカ
リ等で中和することによって、組成物の安定化及びコー
ティング時のレオロジーの調製を行っている。また、ヨ
ーロッパ特許出願第0546768A1には、アンモニ
アやアミン類によって高度に中和することにより水溶化
されたカルボン酸含有高分子を配合することによって、
組成物の安定化及びコーティング時のレオロジーの調整
を行う方法が開示されている。このような方法によれ
ば、安定で且つ適切なレオロジー特性をもった組成物を
得ることができる。しかし、本発明者らがこれらの開示
された方法に従って調製した水性感光性樹脂組成物のレ
ジスト特性を評価したところでは、現在商業的に使用さ
れている有機溶剤型の感光性樹脂組成物に比べて明らか
に劣っており、満足の行くものではなかった。即ち、従
来の方法によって調製した水性の感光性樹脂組成物を、
銅基板上にコーティングし、乾燥することによって得ら
れる被膜を、引き続いて露光し、露光被膜を希アルカリ
水溶液で現像すると、その未硬化部位については、洗い
だし速度が遅く、ライン間の洗い出しが残るという問題
があった。この問題は、特に100μm以下の線間にお
いて顕著であった。また、硬化部位については、洗いだ
し中に硬化部位が膨潤、破損したり、洗いだし中に硬化
部位が剥離する等の問題があり、その結果として、現像
時の広いラテチュードを得るのが困難であった。
【0005】現在既知の方法によって製造される水性の
感光性樹脂組成物においては、コーティング時のレオロ
ジー特性や組成物の安定性などに関してはほぼ満足のい
くものが得られているが、レジスト特性に関しては既存
の溶剤型のレジスト材料と比べて明らかに劣っており、
したがって、水性の感光性樹脂組成物を用いたレジスト
材料は実用化されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の水性の感光性樹脂組成物の問題点を解消
して、現在商業的に使用されている溶剤型の感光性樹脂
組成物と同等又はそれ以上の、十分に満足のいくレジス
ト性能を有した水性の感光性樹脂組成物を提供すること
である。他の目的は、直接銅張り積層板にコーティング
し、乾燥してコーティング被膜を形成させた際に、室温
においてベタツキがなく、アートワークを直接に接触さ
せることができる被膜を得ることができる、水性の感光
性樹脂組成物を提供することである。
【0007】本発明者らは、上記のような特性を有する
水性の感光性樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、(a)比較的低分子量で且つ高酸価の高分子化合
物の水性エマルジョン、(b)光重合性不飽和化合物、
(c)光開始剤、及び(d)接着促進剤を必須成分とす
る水性感光性樹脂組成物が、極めて広い洗い出しのラテ
チュードを示すことを見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明の組成物が極めて広い洗い出しのラ
テチュードを示す理由としては、(a)成分として以下
に説明するような比較的分子量が小さく且つ酸価の高い
高分子化合物の水性エマルジョンを用いることによっ
て、組成物から得られる被膜の希アルカリ水溶液に対す
る溶解速度が極めて早くなり、そのために、上記に説明
したような、未硬化部位について洗い出し速度が遅く、
ライン間の洗い出しが残るといった問題が解決されると
いうことが挙げられる。また同時に、硬化部位において
は、(a)成分の高分子化合物の一部が洗い出されるた
め、(b)成分の光重合物の組成比率が高くなるため
に、被膜がより疎水性へと変化して、硬化部位が膨潤す
ることがなくなる。しかし、このような低い分子量で且
つ高い酸価の高分子化合物の水性エマルジョンを用いた
場合には、洗い出し中に硬化部位が剥離する問題が新た
に生じてくる。この問題を解決するために、本発明組成
物においては、(d)成分である接着促進剤を配合する
ことが極めて効果的である。その結果、洗い出し速度が
早く、ライン間の洗い出しが良好で、硬化部位が膨潤且
つ剥離しないという極めて広い洗い出しのラテチュード
を有する水性の感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0009】特定の接着促進剤を感光性樹脂組成物に配
合すると、銅基板と光硬化されたレジスト部分との接着
が改善されるということは以前から知られていた(特公
昭50−9177号公報参照)。このような接着促進剤
は、従来、溶媒型の感光性樹脂や、特にラミネート接着
のために本質的に接着に問題のあったドライフィルムな
どに配合して、水性メッキ溶液でアンダーカットされる
のを防止するために用いられていた。しかし、本発明に
おいては、特定の分子量、酸価、およびガラス転移温度
をもった水性エマルジョンからなる水性感光性樹脂組成
物に、接着促進剤を配合することが、現像時における硬
化部位の剥離の防止に極めて有効であることが見出され
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、 (a)カルボキシル基を含有する高分子化合物の水性エ
マルジョン; (b)光重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
物; (c)活性光照射により遊離ラジカルを発生し得る光重
合開始剤;及び (d)接着促進剤; を必須成分として含有する水性の感光性樹脂組成物にお
いて、(a)成分の高分子化合物の重量平均分子量が
1,000から50,000の範囲内であり、その酸価
が140mg−KOH/gを超えて250mg−KOH
/g以下の範囲内であり、且つそのガラス転移温度が5
0〜200℃の範囲内であることを特徴とするものであ
る、希アルカリ水溶液で現像可能な水性感光性樹脂組成
物に関する。
【0011】本発明の組成物における(a)成分は、カ
ルボキシル基を有する単量体(以下、「A成分」とい
う)と、それと共重合可能なカルボキシル基を有さない
単量体(以下、「B成分」という)とを共重合すること
によって調製することができる。
【0012】本発明組成物の(a)成分を調製するため
に用いられるA成分としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸等
や、水酸基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸
エステル類に酸無水物を付加させた化合物などを挙げる
ことができる。特に、アクリル酸及びメタクリル酸が好
ましい。またこれらの単量体は2種類以上を混合して用
いてもよい。
【0013】また、B成分としては、エステルの炭素数
が1から10までのアクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、特に好ましくはアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボ
ルニルメタクリレート;水酸基を有するものとしては、
アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピルなど;また、フェニル基を有するも
のとしては、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられる。ま
た、酢酸ビニル、α−メチルスチレン、スチレン、ビニ
ルトルエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、ブタ
ジエン等の公知の重合性単量体を用いることも可能であ
る。B成分の単量体としては1種類のものを用いること
ができるが、通常は2種類以上の単量体を混合して用い
ることにより、得られる高分子化合物のガラス転移温度
や親水性/疎水性バランスを調整することが好ましい。
【0014】本発明の組成物における(a)成分の高分
子化合物の分子量は、重量平均分子量において50,0
00以下である必要がある。分子量がこの値を超える
と、組成物によって形成される被膜の現像時に、現像速
度が遅くなったり、ライン間の洗い出しが残ったり、硬
化部位が膨潤して脱落したり、あるいは乾燥後にエッジ
が不明瞭になるなどといった問題が生じ、その結果、現
像のラティチュードが狭くなる。これらの問題は、同時
に高分子化合物のガラス転移温度や酸価とも関係してお
り、以下に規定する範囲内においてガラス転移温度や酸
価を自由に選択したい場合は、高分子化合物の重量平均
分子量は更に小さくなくてはならない。その意味におい
て、より好ましい該高分子化合物の重量平均分子量は2
0,000以下である。
【0015】本発明の組成物における(a)成分の高分
子化合物の酸価は、高分子化合物を調製するために用い
られるA成分の共重合比を調節することによって調節す
ることができるが、その酸価は140mg−KOH/g
を超えて250mg−KOH/g以下の範囲内にあるこ
とが好ましい。高分子化合物の酸価が140mg−KO
H/g以下の場合は、希アルカリ水溶液を用いた現像処
理時に、硬化部位から(a)成分の高分子化合物が洗い
出されにくくなるため、硬化部位を疎水性に変化させる
ことができなくなり、本発明に係る感光性組成物の特徴
である極めて広い洗い出しのラテチュードを得ることが
困難となる。また、酸価が250mg−KOH/gを超
える場合には、形成される被膜において、レジスト被膜
としての耐水性、耐エッチング液性等の特性が損なわれ
る。
【0016】本発明組成物の(a)成分の高分子化合物
のガラス転移温度は、高分子化合物を調製するために用
いられるB成分の組み合わせを適宜選択することによっ
て調節することができる。例えば、高分子化合物のガラ
ス転移温度を低くしたいときには、低いガラス転移温度
を与える単量体、例えば、エチルアクリレートやブチル
アクリレートをB成分の一部として用いればよい。逆に
高分子化合物のガラス転移温度を高くしたいときには、
高いガラス転移温度を与える単量体、例えばイソボルニ
ルメタクリレートやアクリルアミド等をB成分の一部と
して用いればよい。このようにして調節されたガラス転
移温度は、フォックス(Fox)の式(ブリテン・オブ・ア
メリカン・フィジクス・ソサエティ,1,3,123頁
(1956))によって算出することができる。このよ
うにして算出される本発明の(a)成分の高分子化合物
のガラス転移温度は、50〜200℃の範囲内であるこ
とが好ましい。高分子化合物のガラス転移温度が50℃
以下の場合には、レジスト溶液として基板に塗布、乾燥
した後もべとつきが残り、アートワークを密着して露光
する際に不都合である。また高分子化合物のガラス転移
温度が200℃を超えると、レジスト溶液として基板に
塗布、乾燥した後、均一なフィルムを得ることが困難で
ある。
【0017】本発明組成物における(a)成分である高
分子化合物の水性エマルジョンは、選択された単量体を
乳化重合法又は懸濁重合法で重合することによって、直
接調製することができる。あるいは、まず高分子化合物
を溶液の形態で調製し、これを、界面活性剤の存在下に
おいて強制撹拌して乳化した後、脱溶媒することによっ
て調製することもできる。しかしながら、乳化重合法に
よって高分子化合物の水性エマルジョンを直接調製する
方法が経済的に最も好ましい。本発明の(a)成分を調
製するための乳化重合は当該技術において公知の方法で
行なうことができる。しかしながら、本発明の組成物に
おける(a)成分として好ましい1,000〜50,0
00の範囲の重量平均分子量をもつ高分子化合物の水性
エマルジョンを得るためには、無機系あるいは有機系の
連鎖移動剤を重合において用いることが好ましい。
【0018】有機系の連鎖移動剤としては、tert−ドデ
カンチオール、1−ドデカンチオール等の公知の連鎖移
動剤をこの目的で用いることができるが、更に効率良く
分子量を低下させることのできる連鎖移動剤を使用する
ことが好ましい。そのためには、(a)成分の高分子化
合物と極性の近似した連鎖移動剤を用いることが有利で
ある。この意味において、R.F.Fedorsのポリマー・エン
ジニアリング・サイエンス,14,147頁(197
4)により提案された方法で計算される溶解度パラメー
ター(SP値)が9以上であるチオール類を連鎖移動剤
として使用することが好ましい。このような連鎖移動剤
としては、例えばチオグリコール酸や、そのメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、メトキシブチル又は2−エチ
ルヘキシルエステル類、ブタンジオールビスチオグリコ
レート、エチレングリコールビスチオグリコレートなど
のチオグリコール酸誘導体、3−メルカプトプロピオン
酸及びその誘導体などが特に好ましい。また、これらの
連鎖移動剤の添加量は、単量体の総量に対して0.1〜
10重量%の範囲内で選ぶことができる。
【0019】乳化重合において用いられる界面活性剤と
しては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルサルフェート等のアニオン
性界面活性剤、あるいは、これらのアニオン性界面活性
剤と、ポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタンエステル等のノニオン性界面活性剤と
の混合物が用いられる。乳化重合において一般的に用い
られているドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムと
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルとの組み合
わせが好都合である。界面活性剤の使用量は、単量体の
総量に対して1〜8重量%の範囲内がよい。特に2〜6
重量%が好ましい。アニオン性界面活性剤とノニオン性
界面活性剤とを混合して用いる場合のこれらの混合比率
は特に制限はないが、ノニオン性界面活性剤の量がアニ
オン性界面活性剤と同等か又はそれ以下である方が、得
られる水性エマルジョンの安定性が優れているために好
ましい。
【0020】本発明の(a)成分として用いられる水性
エマルジョンの固形分含有量は25重量%〜60重量%
の範囲内が好ましい。特に35〜50重量%の範囲内が
好都合である。この値が25重量%未満であると、最終
組成物の固形分濃度も低くなるために、乾燥に時間がか
かり、粘度が低くなるために、コーティングの際に不利
になる。一方、この値が60重量%を超えると、乾燥が
早すぎたり、粘度が高くなりすぎたり、また水性エマル
ジョン自身やその組成物の安定性が悪くなったりする恐
れがある。
【0021】本発明の(b)成分、即ち光重合可能なエ
チレン性不飽和結合を有する化合物としては、単官能性
化合物、2官能性化合物、あるいは多官能性化合物の1
種類あるいは数種類の混合物を用いることができる。し
かし、組成物を硬化させる際に架橋密度を高めることが
必要であるため、2官能以上の多官能性化合物を主成分
として、単官能性化合物は多くは配合しないことが望ま
しい。また、エッチング後、不要になったレジストを除
去する工程において、苛性ソーダなどによる剥離性を向
上させる目的で、カルボキシル基を有する単量体を、
(b)成分中に更に少量混合してもよい。この目的に好
都合な単量体は、(a)成分の調製に用いるA成分とし
て前記したものと同じでも良いし、あるいは水酸基を有
するアクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類に
酸無水物を付加させた化合物を用いてもよい。
【0022】本発明の(b)成分として用いるのに好ま
しい2官能化合物の例としては、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、プロピレングリコールジア
クリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変
性ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、エチレンオキサイド変
性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサ
イド変性ビスフェノールAジアクリレート、グリセリン
ジグリシジルエーテルジアクリレート、及び上記アクリ
レートに対応するメタクリレート類を挙げることができ
る。
【0023】本発明の(b)成分として用いるのに好ま
しい多官能化合物の例としては、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、及びそれらのエチレ
ンオキサイド変性又はプロピレンオキサイド変性アクリ
レート類、並びに上記アクリレートに対応するメタクリ
レート類を挙げることができる。
【0024】更に本発明の(b)成分として用いること
のできる単官能性化合物の例としては、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、N−ビニルピロリドン、アクロイルモルホリン、
メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、メト
キシポリエチレングリコールアクリレート、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノプロピルアクリレート、メラミンアクリ
レート、又は上記アクリレートに対応するメタクリレー
ト類、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
イソボルニルアクリレート、及び上記アクリレートに対
応するメタクリレート類を挙げることができる。
【0025】本発明組成物における(a)成分の高分子
化合物は、(b)成分の光重合可能なエチレン性不飽和
化合物に対して相溶性が良いことが必要である。これら
の成分間の相溶性が良くないときは、(b)成分が
(a)成分の水性エマルジョン粒子に吸収されないた
め、長期間安定な組成物を得られないばかりか、組成物
を銅基板にコーティングして乾燥した後、透明で均一な
被膜を得ることができなかったり、(b)成分であるエ
チレン性不飽和化合物が被膜からブリーディングすると
いった問題が生じる。これは、被膜を顕微鏡下で観察す
ることにより簡単に見極められる。(a)成分の(b)
成分に対する相溶性が良くない場合には、必要に応じて
(a)成分の高分子化合物の調製において用いられるB
成分の一部として、スチレン、ヒドロキシアクリレー
ト、ヒドロキシメタクリレート、フェノキシアクリレー
ト、2−ヒドロキシフェノキシプロピルアクリレート等
を用いて、高分子化合物の親水性/疎水性バランスを調
節することによって、B成分に対する相溶性を調整する
ことができる。
【0026】本発明組成物の(c)成分、即ち活性光照
射により遊離ラジカルを発生し得る光重合開始剤として
は、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアント
ラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベン
ズアントラキノンのようなキノン類、ベンゾイン、ピバ
ロイン、アシロインエーテルなどのようなα−ケタルド
ニルアルコール類、エーテル類、α−フェニルベンゾイ
ン、α,α’−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェ
ノン、4,4’−ビスジアルキルアミノベンゾフェノン
等のケトン類、チオキサントン誘導体、2,4,5−ト
リアリールイミダゾリル2量体などを挙げることができ
る。これらは単独もしくは2種類以上を混合して用いる
ことができる。また、(c)成分の配合量は、単量体の
総量に対して1〜50重量%の範囲内で選ばれる。
【0027】本発明組成物の(d)成分、即ち接着促進
剤としては、窒素原子もしくは硫黄原子を少なくとも2
個以上含む複素環式化合物、あるいは窒素原子と硫黄原
子とを少なくとも2個以上含む複素環式化合物を用いる
ことができる。特に、ベンゾトリアゾール及びその誘導
体が好ましい。本発明組成物において用いられる(d)
成分の添加量は、組成物の固形分に対して、0.01〜
3重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲内
である。
【0028】本発明の感光性樹脂組成物には、保存中に
重合反応が起こることを防止するために、公知の重合禁
止剤を、(b)成分に対して50〜2000ppmの範
囲で添加するのが好ましい。これらの重合禁止剤の例と
しては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル、ピロガロール、2,6−ジターシャリーブチル
−4−メチルフェノール、フェノチアジン等が挙げられ
る。また、これらの重合禁止剤は、本発明の(b)成分
を構成する化合物中に、通常200〜400ppm程度
含有されて商業的に市販されていることが多く、その場
合には、予め(b)成分中に含まれている量を合わせて
上記の範囲内になればよい。
【0029】本発明の感光性樹脂組成物には更に必要に
応じて、硫酸バリウム、酸化ケイ素、タルク、クレー、
炭酸カルシウムなどの公知の充填剤、ロイコ染料、フタ
ロシアニングリーン、カーボンブラックなどの公知慣用
の着色剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、レベリング剤、消
泡剤、粘度調整剤、レオロジーモディファイヤー等を添
加することができる。
【0030】(調製方法)本発明にかかる水性の感光性
樹脂組成物は、予め、(b)成分中に、(c)成分及び
(d)成分を60℃以下の温度で溶解させた後、温度を
室温まで下げて単量体前混合物として調製しておき、次
にこの単量体前混合物を、(a)成分の水性エマルジョ
ン中に均一に分散させ、引き続いて単量体前混合物を水
性エマルジョン中の粒子内に吸収させることによって調
製することができる。このように、水性エマルジョン粒
子中に単量体前混合物を吸収させることが、安定で均一
な水性の感光性樹脂組成物を得るためには好ましい。単
量体前混合物が完全に水性エマルジョン粒子に吸収され
たかどうかを確かめるためには、組成物を適当な基板に
コーティングして80℃前後にて乾燥させたときに、均
一な被膜が得られるかどうかを見るのが最も簡単な方法
である。吸収が十分に行われていない場合には、均一な
被膜が得られず、単量体の油滴が顕微鏡下で観察され
る。
【0031】本発明の水性の感光性樹脂組成物の具体的
な調製方法を下記に示す。なお、同様に単量体前混合物
を水性エマルジョン中の粒子内に吸収させることができ
るのであれば、下記に示す方法の改良型や、それらを組
み合わせた方法や、更に新たに考案される方法を用いて
もよい。
【0032】(1)界面活性剤を使う方法 この方法は、界面活性剤を用いることにより、単量体前
混合物を(a)成分の水性エマルジョン中に均一に分散
させるという方法であり、比較的穏やかな撹拌条件で分
散させることができるので、水性エマルジョン粒子の破
壊を招く恐れがないし、また分散された粒子が細かくな
るため、引き続いて単量体前混合物を水性エマルジョン
中の粒子内に比較的速やかに吸収させることができると
いう利点を有する。本方法においては、(a)成分の水
性エマルジョン中に予め含まれている界面活性剤は、分
散のためには有効でなく、新たに界面活性剤を加える必
要がある。新たに加える界面活性剤の添加量は、単量体
の総量に対する重量比で0.1%〜15%の範囲内であ
ればよい。界面活性剤は、予め単量体前混合物中に溶解
させておいてもよいし、また、予め(a)成分である水
性エマルジョン中に溶解させておいてもよいし、あるい
は、単量体前混合物と一緒に水性エマルジョンに添加し
てもよい。
【0033】(2)超音波を使う方法 この方法は、界面活性剤を使わずに、単量体前混合物と
(a)成分の水性エマルジョンとを直接混合し、この混
合物に超音波を照射することによって、単量体前混合物
を水性エマルジョン中に分散させ、引き続いて吸収させ
る方法である。本方法においては、(a)成分の水性エ
マルジョンのカルボキシル基は少なくとも5mg−KO
H/g相当分以上が塩基によって中和されていることが
望ましい。このように水性エマルジョンのカルボキシル
基の一部を中和することによって水性エマルジョンが安
定化され、超音波の衝撃によって水性エマルジョンが凝
集する恐れを低減することができる。
【0034】(3)中和高分子を使う方法 この方法は、下記に説明するように、予め(a)成分の
水性エマルジョンの一部を高度に中和して水溶液として
おき、この水溶液をもって界面活性剤と同等の作用をさ
せることにより、単量体前混合物を(a)成分の水性エ
マルジョン中に均一に分散させ、引き続いて吸収させる
という方法である。
【0035】本発明組成物の(a)成分中の固形分であ
る高分子化合物と(b)成分の不飽和結合を有する化合
物との重量比は、9:1から5:5の範囲内が好まし
い。高分子化合物の比率が9:1より多いと不飽和結合
を有する化合物による十分な架橋が得られず、優れた解
像度が得られない。また、高分子化合物の微粒子が融着
して均一な被膜を作るためにも、その比率が9:1より
少ないことが好ましい。また、高分子化合物の比率が
5:5より少ないと、得られる被膜がベタつき、アート
ワークを直接被膜に接触させることができなくなるので
好ましくない。
【0036】(水性エマルジョンの中和)本発明組成物
の(a)成分のカルボキシル基を含有する高分子化合物
の水性エマルジョンは、無機塩基あるいは有機塩基でそ
のカルボキシル基の一部を中和することが望ましい。こ
の目的で用いることのできる好ましい無機塩基は、アル
カリ金属塩類、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどである。また、有機塩基として
は、アンモニア、三級アミン類、例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなど
が挙げられる。また、これらの塩基を2種類以上混合し
て用いることもできる。
【0037】高分子化合物のカルボキシル基の一部を中
和することの第1の利点は、乾燥後の被膜のベタつきや
ブロッキングが起こりにくくなることである。第2の利
点は、カルボキシル基の一部がアニオン化することによ
り、該水性エマルジョンが安定化され、且つ該組成物が
同時に安定化されることである。第3の利点は、中和に
より該水性エマルジョンの粘度が上昇するので、コーテ
ィングに適切な粘度に調節することが可能なことであ
る。また、はじきなどの問題も改善される。第4の利点
は、中和により水性エマルジョンのpHが酸性側から中
性付近に近づくため、酸性条件下では不安定な添加物
を、本発明の組成物に配合することができるようになる
ということである。
【0038】水性エマルジョンの高分子化合物を中和す
ることなしに本発明を実施することも可能であるが、上
記のように中和の利点は大きいので、中和を行うことが
好ましい。中和量は、高分子化合物のカルボキシル基の
5〜100mg−KOH/g相当分を中和することが適
当である。中和量が5mg−KOH/g未満だと上記の
利点がほとんど得られないし、また100mg−KOH
/gを超えると水性エマルジョンが水溶化して、(b)
成分を水性エマルジョンの粒子中に吸収させることがで
きなくなるし、また(b)成分との相溶性も悪くなり、
均一な被膜が得られなくなるおそれがある。
【0039】
【発明の効果】本発明にかかる感光性樹脂組成物は、有
機溶剤を一切用いることがないため、有機溶剤飛散に起
因する問題を全く生じることがなく、且つ、従来の溶媒
型のエッチングレジストと同等もしくはそれ以上のラテ
チュードを有する組成物を提供する。したがって、本発
明によれば、従来の水性の感光性樹脂組成物の問題点を
解消して、現在商業的に使用されている溶剤型の感光性
樹脂組成物と同等又はそれ以上の、十分に満足のいくレ
ジスト性能を有した水性の感光性樹脂組成物を提供する
ことができる。かかる本発明の感光性樹脂組成物は、直
接銅張り積層板にコーティングし、乾燥してコーティン
グ被膜を形成させると、室温においてベタツキがなく、
アートワークを直接に接触させることができる被膜を得
ることができる。
【0040】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0041】(合成例1)乳化重合による水性エマルジ
ョン1の調製 撹拌装置、温度計、還流管と滴下漏斗を取付けた500
mlのセパラブルフラスコに、表1に示す配合割合で、
界面活性剤を脱イオン水に溶解した水溶液を入れ、引き
続いて単量体混合物の1/8量を同フラスコに仕込ん
だ。フラスコの温度を75℃に上昇させた後、重合開始
剤のAPS溶液を加えた。反応熱により反応混合物の温
度は約80℃に上昇した。その後、残りの7/8量の単
量体混合物を、同じ温度で保ったまま約2時間かけて滴
下漏斗から滴下させた。その後、更に同じ温度で2時間
撹拌を続けた後、室温に冷却した。100メッシュのフ
ィルターを通して、固形分約40重量%の乳白色の水性
エマルジョン溶液を得た。これを水性エマルジョン1と
した。
【0042】
【表1】 (合成例2)乳化重合による水性エマルジョン2及び3
の調製 合成例1と同様な方法で、連鎖移動剤の量を変えたり、
単量体成分としてアクリル酸エチルを除外し、及び/又
はスチレンを加えることによってより高いガラス転移温
度を有する水性エマルジョン2及び3を、それぞれ調製
した。
【0043】(合成例3)乳化重合による水性エマルジ
ョンR1〜R2の調製 合成例1と同様な方法で、連鎖移動剤を配合しない場合
(R1)とごく少量の連鎖移動剤を用いた場合(R2)
の水性エマルジョンを、それぞれ固形分含有量が40重
量%になるように調製した。これらを分子量が高い比較
例として用いた。
【0044】以上のとおり調製した水性エマルジョン
と、ローム・アンド・ハース社により市販されている水
性エマルジョン:アクリゾルI−2074の重量平均分
子量をゲル透過クロマトグラフィー(GPC)の測定に
よって、ポリエチレンオキサイド換算で求めた。以上の
結果をまとめて表2に記す。
【0045】
【表2】 (単量体前混合物1と2の調製)表3に示す各成分を、
示されている重量比で混合し、50℃で約30分間加温
して完全に溶解させた後、室温に冷却した。均一な薄紫
色の溶液が得られた。それぞれをベンゾトリアゾール
(接着促進剤)を含む単量体前混合物1と、ベンゾトリ
アゾールを含まない単量体前混合物2とし、水性の感光
性樹脂組成物の調製に用いた。
【0046】
【表3】 (実施例1)96mgの水酸化リチウム1水和物を1.
5gの脱イオン水に溶解して中和用の水溶液を調製し
た。つぎに、合成例1で得られた水性エマルジョン1の
10グラムを磁気スタラーで撹拌させながら、水酸化リ
チウム水溶液を水性エマルジョンに滴下した。粘度がや
や上昇し、32mg−KOH/g(20当量%)に相当
するカルボキシル基が中和された中和水性エマルジョン
を得た。引き続いて、この中和水性エマルジョンに2.
51gの前記の単量体前混合物1を加え、数分間撹拌し
た後、市販の超音波洗浄器を用いて、30分間超音波を
照射した。均一で安定な水性の感光性樹脂組成物を得
た。この組成物を基板上にコーティングした後、80℃
で乾燥させると透明で光沢のある被膜が得られた。ま
た、組成物は室温で1週間放置した後も、単量体の分離
等は認められなかった。表4にその組成比率を示す。
【0047】
【表4】 このようにして得られた水性の感光性樹脂組成物を、予
め化学洗浄してその表面を清浄にしておいた銅張り積層
板の上に、26番のワイヤーロッドを用いてコーティン
グした。これを80℃のオーブン中で5分間乾燥させ
た。透明で光沢のある均一な約20μmの厚みを有した
被膜を得た。この被膜の表面はべたつきがなく全くドラ
イであった。次に、この基板に、異なった透過率を段階
的に有するステップタブレット(コダックステップタブ
レットNo.2、濃度ステップ0.15、濃度領域0.
05〜3.05)と30μmまでの線画像を有する解像
力チャートを直接接触させて、市販の紫外線露光機を用
いて減圧下に160mJ/cm2の紫外線を照射した。
その後、基板を25℃に調整した1%の炭酸ナトリウム
水溶液中に浸漬し、水溶液を撹拌しながら現像した。未
露光部が洗い流される最低現像時間(以下、ブレークポ
イントと言う)と、ステップタブレットを通して硬化さ
せた部位が剥離もしくは膨潤し始める現像時間を測定し
た。その比をラテチュードとして求めた。
【0048】即ち、ラテチュード=(ステップタブレッ
トの1〜6段を通して硬化させた部位のうちどれかが剥
離もしくは膨潤し始める現像時間)/(ブレークポイン
ト)である。
【0049】ブレークポイントは22秒と早く、ステッ
プタブレットの9段までが硬化した。また、そのラテチ
ュードは15倍以上と極めて広いものであった。また、
30μmの線幅が30μmの間隔でもって5本配置され
ている線画像における線間の洗いだしも良く、30μm
のラインアンドスペースが良好に現像できた。
【0050】(実施例2及び3)水性エマルジョン2及
び3を用いた以外は実施例1と同様にして、均一で安定
な水性感光性樹脂組成物を得た。同様にそのブレークポ
イントとラテチュードを評価した。ブレークポイントは
十分に早く、またラテチュードは最大で15倍以上と極
めて広いものであった。
【0051】(実施例4)ローム・アンド・ハースス社
より市販されている水性エマルジョン:アクリゾルI−
2074(固形分46%)を、脱イオン水で固形分が4
0%になるように希釈した。次に、実施例1と同様にし
て、水性の感光性樹脂組成物を調製し、そのブレークポ
イントとラテチュードを評価した。ブレークポイントは
21秒と早く、ラテチュードは15倍以上と極めて優れ
たものであった。
【0052】以上の実施例の結果を表5に要約する。
【0053】
【表5】 (比較例1)合成例3で得られた、高分子化合物の重量
平均分子量が316,000の水性エマルジョンR1を
用いた以外は、実施例1と同様にして、水性の感光性樹
脂組成物を調製し、そのブレークポイントとラテチュー
ドを評価した。ブレークポイントは長く、実用に適さな
いものであった。またラテチュードは1以下であり、ブ
レークポイント以前に硬化部位が膨張し始めた。
【0054】(比較例2)合成例3で得られた、高分子
化合物の重量平均分子量が65,000の水性エマルジ
ョンR2を用いた以外は、実施例1と同様にして水性の
感光性樹脂組成物を調製し、そのブレークポイントとラ
テチュードを評価した。ブレークポイントは実用に適す
る範囲内であったが、ラテチュードは1.1と狭くブレ
ークポイント後、すぐに硬化部位が膨張し始めた。
【0055】分子量が高い場合には広いラテチュードが
得られないことが分かった。
【0056】以上の比較例の結果を表6に要約する。
【0057】
【表6】 (比較例3)合成例2で得られた水性エマルジョン3を
用い、ベンゾトリアゾールの含まれていない単量体前混
合物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性の
感光性樹脂組成物を調製し、そのブレークポイントとラ
テチュードを評価した。ブレークポイントは実施例3と
同様に早かったが、ブレークポイント後、硬化部位が急
速に剥離し始めた。そのため、ラテチュードは1.5倍
と狭かった。
【0058】(比較例4)ローム・アンド・ハース社の
水性エマルジョン:アクリゾルI−2074を用いて、
比較例3と同様に、ベンゾトリアゾールの含まれていな
い水性の感光性樹脂組成物を調製し、そのブレークポイ
ントとラテチュードを評価した。ブレークポイントは実
施例4と同様に早かったが、ブレークポイント後まもな
く硬化部位が剥離し始めた。このため、ラテチュードは
2.0倍と狭いものであった。ベンゾトリアゾールが添
加されていない場合には硬化部位の剥離が顕著であるこ
とが分かった。
【0059】以上の比較例の結果を表7に要約する。
【0060】
【表7】 (参考例1)モンサント社より市販されているスチレン
/マレイン酸共重合体(スクリプセット550)4g
と、単量体前混合物1の2.51gとを、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート8g中に溶解し、溶
媒型の感光性樹脂組成物を得た。実施例1と同様の方法
で、ブレークポイントとラテチュードを評価した。ブレ
ークポイント、ラテチュード共に、現在市販されている
溶媒型の感光性樹脂組成物と同程度であった。溶媒型で
あれば分子量が高くても実用性のあることが明らかにな
った。
【0061】(参考例2)単量体前混合物2を用いて、
参考例1と全く同様に、ベンゾトリアゾールの含まれて
いない溶媒型の感光性樹脂組成物を調製した。ブレーク
ポイント、ラテチュード共に参考例1とほぼ同じであっ
た。従来技術から調製される溶媒型の感光性樹脂組成物
では、ベンゾトリアゾールの添加によってそのラテチュ
ードが改善されていないことがわかった。
【0062】以上の参考例の結果を表8に要約する。
【0063】
【表8】 (実施例5)水性エマルジョン3を用い、ベンゾトリア
ゾールに代えて同量のベンゾトリアゾール誘導体:BT
−LX(城北化学工業(株)社製)を配合した単量体前
混合物を用いた以外は、実施例2と同様にして水性の感
光性樹脂組成物を調製し、そのブレークポイントとラテ
チュードを評価した。そのブレークポイントは十分早
く、ラテチュードは十分広かった。ベンゾトリアゾール
誘導体でも同等の効果が得られることがわかった。
【0064】実施例5の結果を表9に要約する。
【0065】
【表9】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/02 LHR C08L 33/02 LHR 101/08 LTB 101/08 LTB G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 7/027 502 7/027 502 7/085 7/085 H05K 3/06 H05K 3/06 H 3/18 7511−4E 3/18 D (72)発明者 西郷 剛 神奈川県厚木市戸室145−4 (72)発明者 ジョン・スコット・ハロック アメリカ合衆国メリーランド州21042、エ リコット市、キングズブリッジ・ロード 10324 (72)発明者 アラン・フレデリック・ベックネル アメリカ合衆国メリーランド州21043、エ リコット市、トゥレイル・ヴィユー・ドラ イブ 8549

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボキシル基を含有する高分子
    化合物の水性エマルジョン; (b)光重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合
    物; (c)活性光照射により遊離ラジカルを発生し得る光重
    合開始剤;及び (d)接着促進剤; を必須成分として含有し;(a)成分の高分子化合物の
    重量平均分子量が1,000から50,000の範囲内
    であり、その酸価が140mg−KOH/gを超えて2
    50mg−KOH/g以下の範囲内であり、且つそのガ
    ラス転移温度が50〜200℃の範囲内であることを特
    徴とするものである、希アルカリ水溶液で現像可能な水
    性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分の水性エマルジョンのカルボ
    ン酸の5〜100mg−KOH/g相当分があらかじめ
    塩基で中和されていることを特徴とする希アルカリ水溶
    液で現像可能な請求項1に記載の水性感光性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a)成分の水性エマルジョンが、連鎖
    移動剤の存在下での乳化重合によって調製されるもので
    ある請求項1又は2に記載の希アルカリ水溶液で現像可
    能な水性感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)成分の水性エマルジョンが、溶解
    度パラメーター(SP値)が9.0以上である連鎖移動
    剤の存在下での乳化重合によって調製されるものである
    請求項3に記載の希アルカリ水溶液で現像可能な水性感
    光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a)成分の水性エマルジョンが、チオ
    グリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸及びそれら
    のエステル類を連鎖移動剤として用いた乳化重合によっ
    て調製されるものである請求項4に記載の希アルカリ水
    溶液で現像可能な水性感光性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (a)成分の水性エマルジョン中の高分
    子化合物の酸成分がアクリル酸もしくはメタクリル酸で
    あって、他の共重合成分がメタクリル酸エステル、アク
    リル酸エステル、スチレン、ビニルエステルから選ばれ
    るものである請求項3に記載の希アルカリ水溶液で現像
    可能な水性感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (d)成分の接着促進剤がベンゾトリア
    ゾール又はその誘導体である請求項1又は2に記載の希
    アルカリ水溶液で現像可能な水性感光性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の希アル
    カリ水溶液で現像可能な水性感光性樹脂組成物を用いて
    製造されたプリント配線板。
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