JP2010077395A - 絶縁膜用重合体及びその重合方法、絶縁膜ならびに電子デバイス - Google Patents

絶縁膜用重合体及びその重合方法、絶縁膜ならびに電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 低誘電率、高耐熱かつ高機械強度を兼ね備えた絶縁膜用重合体を提供することにあり、さらに、それを用いた低誘電率、高耐熱かつ高機械強度を有する絶縁膜およびこれを備える半導体デバイスを提供する。
【解決手段】 炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合することにより得られた数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁膜用重合体及びその重合方法、絶縁膜ならびに電子デバイスに関するものである。
近年、電子材料分野では、半導体デバイスにおける、高集積化、動作の高速化及び高性能化が進むに従い、半導体集積回路の配線抵抗の増大や配線間の電気容量の増大が要因とされる信号遅延が課題となっている。この信号遅延問題を解決し、半導体デバイスの動作をより高速化させるためには、多層配線構造における絶縁膜に、低誘電率の材料を用いることが必要である。また、材料には低誘電率の特性以外に、多層配線構造形成プロセスに耐えうる高機械強度、高耐熱性も求められている。
有機絶縁膜材料としては、低誘電率、高耐熱性、高機械強度という点から、カゴ型構造を含む化合物であり、分子内に−C≡CH基を有する化合物からなる材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。一般に該化合物を重合して重合体を得る場合、重合後の反応溶液を貧溶媒へ再沈殿して重合体を回収するが、回収による低分子量オリゴマー、および未反応モノマー除去による収率低下があった。また、充分な分子量に達しなかったオリゴマーは有機絶縁膜材料として使用できなかった。
特開2004−204008号公報
本発明の目的は、カゴ型構造を有する化合物から得られるオリゴマーを含むプレポリマーを用いて、低誘電率、高耐熱性、高機械強度を兼ね備えた有用な絶縁膜用重合体を提供することにある。また、本発明は、通常そのままでは使用できないオリゴマーを使用して、モノマーから重合した絶縁膜用重合体と同等の品質が得られる絶縁膜用重合体の重合方法を提供することにある。また、低誘電率、かつ高耐熱性、高機械強度に優れた絶縁膜及びその絶縁膜を有する電子デバイスを提供することにある。
即ち、本発明は第(1)項から、第(9)項により達成される。
(1) 炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合することにより得られた数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体。
(2) 前記プレポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した分子量ピークにおいて、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと残存モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、前記モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物のピーク面積Amの割合が70%以下である第(1)項記載の絶縁膜用重合体。
(3) 前記プレポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した分子量ピークにおいて、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと残存モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、前記モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物のピーク面積Amの割合が50%以下である第(1)項又は第2項記載の絶縁膜用重合体。
(4) 前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物が、式(1)で表される化合物である、第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体。
Figure 2010077395
(式(1)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。Zは、それぞれ、カゴ型構造を有する基を示し、同一又は異なるものであってよい。nは1以上の整数である。)
(5) 前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物が、式(2)で表される化合物である、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体。
Figure 2010077395
(式(2)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。R及びRは、それぞれ、水素又は有機基を示す。nは1以上の整数である。)
(6) 炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合して、数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体を重合する方法であって、前記オリゴマーを含むプレポリマーを、フェニルエーテル系溶媒中で、熱重合する絶縁膜用重合体の重合方法。
(7) 無触媒で熱重合することによる、第(6)項記載の絶縁膜用重合体の重合方法。
(8) 第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体を有機溶媒に溶解させた溶液を、基材上に塗布し、加熱、活性エネルギー線、又は加熱と活性エネルギー線照射により硬化させた絶縁膜。
(9) 第(8)項記載の絶縁膜を具備する電子デバイス。
本発明によれば、オリゴマーを含むプレポリマーから重合反応を行うことが可能であり、低誘電率、高耐熱性、高機械強度を兼ね備えた有用な絶縁膜用重合体を得ることができる。よって、得られた重合体を用いて得られる絶縁膜は、低誘電率、高耐熱性、高機械強度を兼ね備えたものであることから、それを用いた電子デバイスは、信号遅延を低減することができる。
図1は、本発明の電子デバイスの一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合することにより得られる数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体である。
本発明は、前記絶縁膜用重合体を重合する方法である。
本発明の絶縁膜は、前記絶縁膜用重合体を用いて得られるものであり、電子デバイスは、前記絶縁膜を具備するものである。
まずは、本発明の絶縁膜用重合体の重合に使用する化合物について説明する。
本発明に用いる炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物は、カゴ型構造として、アダマンタン構造、ポリアマンタン構造、アダマンタン構造が複数連なった構造を骨格として有するポリアダマンタン構造、前記ポリアマンタン構造が複数連なった構造を骨格として有するポリ(ポリアマンタン)構造が挙げられる。
ここで、ポリアマンタン構造としては、ジアマンタン環、トリアマンタン環、テトラマンタン環、ペンタマンタン環及びヘキサマンタン環などが挙げられる。
炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物は、具体的には、式(1)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2010077395
(式(1)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。Zは、それぞれ、カゴ型構造を有する基を示し、同一又は異なるものであってよい。nは1以上の整数である。)
前記式(1)で表される構造を有する化合物は、Zとして、アダンマンタン構造又はポリアマンタン構造を有するものであるが、前記アダンマンタン構造とポリアマンタン構造の両方を有していても良い。これらの中で、式(1)におけるZとして、アダンマンタン構造を有するものとして、下記式(2)で表されるアダマンタン構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2010077395
(式(2)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。R及びRは、それぞれ、水素又は有機基を示す。nは1以上の整数である。)
前記式(1)で表される構造を有する化合物におけるアダマンタン構造又はポリアマンタン構造の数を示すnとしては1以上であり、上限の数としては、特に制限はないが、化合物を重合体とした時の溶媒への溶解性の点からnは4以下が好ましい。
前記式(2)におけるnとして、2以上の化合物は、ポリアダマン構造を有する化合物であり、特に好ましい。また、上記式(2)におけるアダマンタン構造を上記ポリアマンタン構造に置き換えたポリアマンタン構造を有する化合物を用いることができ、nとして2以上の化合物は、ポリ(ポリアマンタン)構造を有する化合物であり好ましい。
ポリアダマンタン構造としては、アダマンタン構造が複数連なった骨格として、具体的には、ビアダマンタン骨格、トリアダマンタン骨格、テトラアダマンタン骨格、ペンタアダマンタン骨格、ヘキサアダマンタン骨格などが挙げられる。
ポリ(ポリアマンタン)構造としては、ポリアマンタン構造が複数連なった骨格として、具体的には、ビ(ジアマンタン)骨格、トリ(ジアマンタン)骨格、テトラ(ジアマンタン)骨格及びペンタ(ジアマンタン)骨格などのジアマンタン構造が複数連なった骨格、ビ(トリアマンタン)骨格、トリ(トリアマンタン)骨格、テトラ(トリアマンタン)骨格及びペンタ(トリアマンタン)骨格などのトリアマンタン構造が複数連なった骨格、ビ(テトラアマンタン)骨格、トリ(テトラアマンタン)骨格、テトラ(テトラアマンタン)骨格及びペンタ(テトラアマンタン)骨格などのテトラアマンタン構造が複数連なった骨格などが挙げられる。
前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物中のアダマンタン構造又はポリアマンタン構造上の水素は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していてもよく、そのようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられ、この中でも、メチル基及びエチル基がより好ましい。アダマンタン又はポリアマンタン構造に、アルキル基を導入することで、有機溶媒への溶解性及び耐熱性を向上させることができる。
さらに、ポリアダマンタン構造を有する化合物及びポリ(ポリアマンタン)構造を有する化合物について、それぞれのアダマンタン構造又はポリアマンタン構造ごとに、同一または異なる置換基を有していても良い。具体的には、前記式(2)おいては、R及びRは、互いに独立して、水素原子または有機基であり、これらは、同一又は異なるものである。さらに、nが2以上の整数の場合、R及びRは、それぞれのアダマンタン構造ごとに、同一又は異なるものであって良い。
前記R及びRとしての有機基としては、脂肪族基及び芳香族基などが挙げられる。前記脂肪族としては、鎖状脂肪族基及び環状脂肪族基などが挙げられ、前記鎖状脂肪族基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基などが挙げられ、前記環状脂肪族基の具体例としては、シクロヘキシル基、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル基及びアダマンチル基などが挙げられる。前記芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、芳香族環が4個以上の多環式芳香族基、フルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基及びビフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、前記鎖状脂肪族基、例えば、メチル基、エチル基であると、有機溶媒への溶解性及び耐熱性を向上させることができる。上記有機基中の水素原子は、フッ素原子、メチル基、メトキシ基及びトリフルオロメチル基などで置換されていても良い。また、R及びRは、炭素−炭素三重結合を含む基であってもよい。
本発明の重合に用いる炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物において、前記炭素−炭素三重結合は、炭素−炭素三重結合を有する基として、炭素−炭素三重結合からなる基に水素以外に、メチル基及びエチル基などの鎖状脂肪族基や、シクロヘキシル基及びアダマンチル基などの環状脂肪族基、フェニル基、ナフチル基及びフルオレニル基などの芳香族基を有していても良い。
前記炭素−炭素三重結合を有する基の具体例として、式(3)で表される基及び式(4)で表される基が好ましく、これらを1つ以上有することが好ましい。
Figure 2010077395
Figure 2010077395
(式中、R及びRは水素原子または有機基を示す。mは1〜5の整数である。)
上記R及びRにおける有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基などの鎖状脂肪族基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基などの環状脂肪族基、フェニル基、ナフチル基及びフルオレニル基などの芳香族基などが挙げられる。
本発明に使用する、前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物の具体例としては、式(1)で表される化合物構造のうち、前記式(3)で表される炭素−炭素三重結合基を含む基を有する具体例としては、Rとして、水素原子を有するものとしては、例えば、4,9−ジエチニルジアマンタン、2,4,7,9−テトラエチニルジアマンタン、4,4’−ジエチニル−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンなど;や、Rとして、前記有機基の中で、メチル基を有するものとして、例えば、4,9−ビス(メチルエチニル)ジアマンタン、2,4,7,9−テトラキス(メチルエチニル)ジアマンタン、4,4’−ビス(メチルエチニル)−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ビス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ビス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラキス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラキス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタキス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサキス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ビス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタンなど;や、Rとして、前記有機基の中で、フェニル基を有するものとして、例えば、4,9−ビス(フェニルエチニル)ジアマンタン、2,4,7,9−テトラキス(フェニルエチニル)ジアマンタン、4,4’−ビス(フェニルエチニル)−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ビス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ビス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラキス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラキス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタキス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサキス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ビス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタンなど;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(メチルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(フェニルエチニル)−1,1’−ビアダマンタン、などが好ましく、さらに、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラエチニル−1,1’−ビアダマンタン、などが、溶解性や耐熱性の面から特に好ましい。ここでは具体例として、ポリアマンタン構造としては、ジアマンタン化合物、ポリアダマンタン構造としては、ビアダマンタン化合物である場合を挙げたが、これに限定されるものではない。
また、前記式(1)で表される化合物のうち、式(4)で表される炭素−炭素三重結合基を含む基を有する具体例としては、Rとして、水素原子を有するものとしては、例えば、4,9−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)ジアマンタン、2,4,7,9−テトラキス(3,5−ジエチニルフェニル)ジアマンタン、4,4’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラキス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラキス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタキス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサキス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−エチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3,4−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンおよび3,3’−ビス(2,3,5−トリエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンなど;や、Rとして、前記有機基の中でもメチル基を有するものとしては、例えば、4,9−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)ジアマンタン、2,4,7,9−テトラキス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)ジアマンタン、4,4’−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラキス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラキス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタキス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサキス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−メチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3,4−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンおよび3,3’−ビス(2,3,5−トリメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンなど;や、Rとして、前記有機基の中でも、フェニル基を有するものとしては、例えば、4,9−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)ジアマンタン、2,4,7,9−テトラキス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)ジアマンタン、4,4’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−9,9’−ビ(ジアマンタン)、3,3’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,5,3’−トリス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラキス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,7−テトラキス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7−ペンタキス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’,7,7’−ヘキサキス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラフェニル−7,7’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3,4−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンおよび3,3’−ビス(2,3,5−トリフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンなど;などが挙げられるがこれらに限られるものではない。これらの中でも、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−エチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3,4−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(4−メチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’−ビス(3,4−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジメチルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンなどが好ましく、さらには、溶解性や耐熱性の面から、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジフェニルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンなどが特に好ましい。ここでは、具体例として、ポリアマンタン構造としては、ジアマンタン化合物、ポリアダマンタン構造としては、ビアダマンタン化合物である場合を挙げたが、これに限定されるものではない。
上で挙げた化合物はあくまで代表例であり、本発明に用いることができる化合物はこれらに限定されるものではない。炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物であれば、本発明に使用することができる。
次に、本発明の絶縁膜用重合体の重合方法の例について説明する。
本発明の絶縁膜用重合体は、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合して得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合することにより得られるものであり、炭素−炭素三重結合を反応させることができる公知の重合方法を適用することが可能である。
前記重合方法としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシド及びアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を用いたラジカル重合による方法、光照射等を用いた光ラジカル重合による方法、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒を用いた重合による方法、溶媒中で加熱して反応させる熱重合による方法、触媒を用いないで加熱して反応させる熱重合による方法、酢酸銅(II)などの遷移触媒を用いた重合による方法、塩化モリブデン(V)、塩化タングステン(VI)及び塩化タンタル(V)などの遷移金属塩化物を用いた重合による方法などを挙げることができる。これらの中でも、触媒等の残存による不純物残存がないことから、無触媒下の熱重合による方法が望ましい。
反応前に、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られたプレポリマーについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略す。)により、分子量測定を行うことが望ましい。プレポリマーは、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量が、10,000以下のオリゴマーを含むものが用いられる。
前記プレポリマーは、通常のモノマーからの重合において、所望の分子量に達しなかったプレポリマーを使用してもよいし、重合体の再沈殿により除去されたプレポリマーを、回収して使用してもよい。このようにすることにより、通常そのままでは使用できないオリゴマーを使用して、モノマーから重合した絶縁膜用重合体と同等の品質が得られる絶縁膜用重合体を得ることができ、収率も向上する。
反応時のプレポリマーの濃度としては、通常、1質量%以上50質量%以下程度である。また、重合を行う際に、プレポリマーは有機溶剤中に溶解している方が好ましい。
上記プレポリマーは、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を含んでいてもよい。プレポリマー中の該化合物は、GPCにより測定した分子量ピークにおいて、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと該化合物を検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、該化合物のピーク面積Amの割合が70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
また、重合を行う際に、上記プレポリマーとは構造の異なる、カゴ型構造を含む化合物、およびカゴ型構造を含む化合物を重合して得られるオリゴマーを、それぞれ、または両方、上記プレポリマーに混合して、重合を行ってもよい。
反応条件は、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物の構造、およびプレポリマーの分子量により、適宜変更すれば良いが、反応温度としては、通常、0℃以上500℃以下程度であり、250℃以下がより好ましい。
反応時間は、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物の構造、およびプレポリマーの分子量により、適宜変更すれば良く、通常0.1時間以上100時間以下程度である。
反応温度、反応時のプレポリマーの濃度及び反応時間は、前記範囲外でも使用できるが、それぞれ、前記上限値より、高すぎたり、長すぎたりすると、重合体の分子量が大きくなり、有機溶剤への不溶化を引き起こす恐れがある。一方、反応温度、反応時のプレポリマーの濃度及び反応時間が、それぞれ、前記下限値より、低すぎたり、短すぎたりすると、重合体の分子量が小さくなり、塗布膜作製時に、析出物などによる塗布膜の外観不良を引き起こす可能性がある。
前記重合反応における有機溶媒としては、プレポリマーを溶解又は分散させる溶媒であれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール及び2−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−ペンタノン及び2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、γ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、エトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン及びジフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、その他、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート等が溶媒と挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いても良い。
これら種々の有機溶媒の中でも、アニソール、エトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン及びジフェニルエーテル等のフェニルエーテル系溶媒が、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を有する化合物の溶解性及び炭素−炭素三重結合の反応性に優れるため、より好ましい。また、これらフェニルエーテル系溶剤は、単独、あるいは2種以上混合して用いるのことができる。
ここで、分子量分布のバラツキを減らし、所望の分子量まで重合を進めるには、GPCによる分子量測定、反応液の粘度測定等による重合追跡を行うことがより好ましい。これにより、溶解性に優れた重合体を得ることができる。
上記で得られる重合体は、オリゴマーであってもポリマー状であっても良いが、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量としては、20,000以上が用いられ、20,000以上500,000以下であることが好ましい。前記範囲外でも、絶縁膜に使用できるが、前記下限値を下回ると、塗布膜作製時に、析出物などによる塗布膜の外観不良を引き起こす可能性がある。前記上限値を超えると、重合体は有機溶剤への不溶化を引き起こす可能性がある。
次に、絶縁膜用重合体の使用方法について説明する。
本発明の絶縁膜用重合体は、絶縁膜形成用材料として用いることができ、一般的には、後述するように、絶縁膜形成用ワニスとして、支持体上に塗布することによって膜を形成することから、該重合体を溶解又は分散させる溶媒を含むことができる。ワニスにするにあたっては、上記にて反応して得た重合体を回収、乾燥させて固形としたものを、有機溶剤に溶解させて絶縁膜形成用ワニスとしてもよいし、前記重合体の製造により得られた反応溶液を、直接、絶縁膜形成用ワニスとして用いてもよいし、また、反応溶液に別の有機溶剤を混合してもよい。
絶縁膜形成用ワニスに用いる有機溶媒としては、前記重合体を溶解又は分散させることができるものであれば、特に限定されないが、上記重合反応に用いる有機溶媒と同様のものを挙げることができる。重合体のワニスにおける濃度としては、前記重合体の構造や分子量により、適宜決めればよいが、ワニス中に前記重合体が、0.1質量%から50質量%が好ましく、さらには0.5質量%から15質量%がより好ましい。
また、前記絶縁膜形成用材料には、必要に応じて、界面活性剤、シランカップリング剤に代表されるカップリング剤などの密着促進剤、加熱により酸素ラジカルやイオウラジカルを発生するラジカル開始剤、ジスルフィド類等の触媒などの各種添加剤を添加することができる。また、前記絶縁膜形成用材料に、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物などを添加することにより、感光性を有する表面保護膜として用いることもできる。また、前記絶縁膜形成用材料に、空孔形成剤を添加してもよい。
本発明における絶縁膜形成用材料の成分の中で、密着性が要求される用途においては、密着促進剤を加えることが好ましい。密着促進剤を加えることにより、例えば、絶縁膜形成用材料より得られる樹脂膜の基板への密着性、また電子デバイスを形成するにあたり、絶縁膜形成用材料より得られる樹脂膜の上部に形成する各種膜との密着性が向上し、電子デバイスの信頼性がより高くなる。
密着促進剤としては、シラン系化合物、もしくはその加水分解化合物や縮合化合物、及びそれらの混合物、アルミニウム系キレート化合物、チタン系キレート化合物及びジルコニウム系キレート化合物などの金属キレート化合物、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール及びポリベンゾチアゾール等のポリベンザゾール化合物などを挙げることができる。具体的な例としては、N−メチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリメトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリエトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピトリエトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−メチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N−メチルアミノエチルトリブトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリヘキソキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N、N−ジメチルアミノエチルトリブトキシシラン、N、N−ジメチルアミノエチルトリヘキソキシシラン及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、などのアミノシラン化合物;テトラエトキシシラン及びテトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及びp−スチリルトリメトキシシランなどのビニルシラン化合物;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、などのエポキシシラン化合物;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などのメタクリルシラン化合物;、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、などのウレイドシラン化合物;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、などのメルカプトシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、などのイソシアネートシラン化合物;N−(3−トリエトキシシリルプロピル−4,5−ジヒドロイミダゾール、などのイミダゾリルシラン化合物;アルミニウムブトキシエチルアセトアセテート、などの金属キレート化合物;等が挙げられる。言うまでもないが、上記の化合物は代表例であり、本発明はこれらに何ら制限されることはない。また、これらを複数併用することもできる。これらの中で、アミノシラン化合物、ビニルシラン化合物、イミダゾリルシラン化合物及びそれらの混合物が好ましく、特にアミノシラン化合物及びアミノシラン化合物の混合系が特に好ましい。これら、密着促進剤の有機絶縁材料への添加量としては、重合体に対して、0.01質量%から10質量%、好ましくは、0.05質量%から5質量%、さらに好ましくは、0.1質量%から3質量%である。
密着促進剤の使用形態としては、上述したように絶縁膜形成用材料に添加するという手法以外に、該絶縁膜形成用材料を用いて樹脂膜を形成する基板を、予め上記密着促進剤で処理を行い、樹脂膜を形成するという手法も適用できる、その際、絶縁膜形成用材料が、密着促進剤を含んでいても、含んでいなくてもよい。
次に、絶縁膜について説明する。
本発明の絶縁膜は、前記絶縁膜形成用材料を用いて得られるが、例えば、上記で得られた絶縁膜形成用ワニスを、基板などの支持体に塗布し、これを、加熱や活性エネルギー線照射などの処理をすることで製造できる。また、上記で得られた反応溶液をそのまま、又は前記絶縁膜形成用材料を加熱して溶解して、支持体に塗布して製造しても良い。前記加熱や活性エネルギー線照射などの処理を行うことにより、重合体中に残存する炭素−炭素三重結合を、架橋反応することにより、より耐熱性、機械特性に優れる絶縁膜を提供することができる。
さらに、本発明の絶縁膜の製造方法について、前記絶縁膜形成用ワニスを用いる場合の具体例を説明すると、まず、前記絶縁膜形成用ワニスを、適当な支持体、例えば、ポリエステルフィルムなどの有機基材、銅箔などの金属板、シリコンウエハやセラミック基板などの半導体基板等の基材に、塗布して塗膜を形成する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等の方法が挙げられる。その後、塗膜を乾燥し、加熱等の処理をして、溶媒除去に続いて、加熱による方法や活性エネルギー線を照射する方法、これら両方の方法を用いる方法などにより硬化させて、耐熱性、機械特性に優れる絶縁膜とすることができる。ここで言う硬化とは、絶縁膜用重合体の重合において、炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物に由来しプレポリマー中に残存する炭素−炭素三重結合が、上記重合反応においても未反応で残存した炭素−炭素三重結合が反応することにより、架橋構造等を形成する、あるいは該重合体同士が凝集することにより相互作用が増大する、等の現象を総称するものである。
前記加熱による方法においては、例えば、ホットプレート等の熱板、ファーネス炉、オーブン及び減圧オーブン等により、150〜450℃で1分〜24時間程度、好ましくは200〜425℃で3分〜5時間、更に好ましく250℃〜400℃で3分〜2時間で加熱して行うことができる。前記活性エネルギー線としては、可視光、紫外光、赤外光及びレーザー光等の活性エネルギー光線、X線、電子線ならびにマイクロ波などが挙げられる。これら活性エネルギー線を照射する際には、同時に加熱を行っても、加熱と別に行ってもよい。加熱及び活性エネルギー線を照射するにあたっては、特に制限はないが、樹脂膜の酸化を抑制するために、雰囲気中における酸素などの酸化性ガスの濃度を10,000ppm以下、好ましくは100ppm以下とすることが好ましい。
本発明の絶縁膜は、上記方法により、半導体基板などの基板に直接塗布して形成しても良いし、有機基材などの支持体に形成した絶縁膜を、該支持体より剥離することにより、ドライフィルムとして使用することもできる。
また、基板などの支持体との密着性を高めるために、基板上に密着促進剤層を形成後、その上に絶縁膜を形成しても良い。
前記絶縁膜の用途としては、例えば、半導体用の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜、エッチング保護膜(エッチングストッパー)、接着剤等が挙げられる。これらの中でも、半導体用の層間絶縁膜及び表面保護膜、エッチング保護膜として好適に用いられる。
上記で得られる絶縁膜のガラス転移温度は、特に限定されないが、350℃以上が好ましく、特に400℃以上が好ましく、最も420〜500℃が好ましい。ガラス転移温度が前記範囲内であると、前記絶縁膜の線膨張係数を低減させることができ、寸法安定性に優れた絶縁膜を得ることができる。
前記絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜などにおいては、0.01〜20μmが好ましく、特に0.02〜10μmが好ましく、最も0.05〜0.5μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、半導体の製造プロセス適合性に優れる。
半導体用保護膜などにおいては、0.05〜70μmが好ましく、特に0.1〜50μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に半導体素子の保護特性及び加工性の両方に優れる。
前記絶縁膜を、半導体用層間絶縁膜として用いる場合、例えば、まず、前記絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハやセラミック基板等の所定の位置に直接塗布して塗膜を形成する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等による方法が挙げられる。その後、塗膜を乾燥し、溶媒を除去し、上記同様に加熱による方法や活性エネルギー線を照射する方法、これら両方の方法用いる方法などにより硬化させて、層間絶縁膜とすることができる。また、予め前記絶縁膜形成用材料を用いてドライフィルムとし、これを所定の位置に積層しても良い。
また、前記絶縁膜を前記半導体用の保護膜として用いる場合も、前記半導体用層間絶縁膜同様に、絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハやセラミック基板等の所定の位置に直接塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等の方法が挙げられる。その後、塗膜を乾燥し、溶媒を除去し、上記同様に加熱による方法や活性エネルギー線を照射する方法、これら両方の方法用いる方法などにより硬化させて、前記絶縁膜で構成される保護膜とすることができる。
次に、本発明の電子デバイスについて、好適な実施の形態に基づいて説明する。但し、本発明はこの形態に限定されるのもではない。
図1は、本発明の電子デバイスの一例を模式的に示す断面図である。
電子デバイス100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図1上側)に設けられた配線構造から構成されている。
トランジスタ等の素子を作り込んだ基板1に、まず1層目の層間絶縁膜2が形成される。該層間絶縁膜2には、本発明の絶縁膜形成用材料より形成された有機絶縁膜、あるいは化学気相堆積(CVD)法により形成した無機絶縁膜などが使用される。該絶縁膜は、素子との電気的接合をとるための配線層が作りこまれており、層間絶縁膜2及びバリアメタル層4で覆われた銅配線層3となる構造を有している。
層間絶縁膜2には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部内には銅配線層3が設けられている。
また、層間絶縁膜2と、銅配線層3との間には、例えば、層間絶縁膜2とバリアメタル層4の密着性を向上する上で、また、前記バリアメタル層4を有しない場合には層間絶縁膜2と銅配線層3の密着性を向上する上で、後述する配線溝の内面にプラズマ処理などにより改質処理層を設けることがある。
また、層間絶縁膜2の上側(半導体基板1と反対側面)には、ハードマスク層5が形成されている。
この1層目の配線の上部には、さらに配線層が形成され、上記同様にして層間絶縁膜などが形成され多層配線構造とすることができる。
前記電子デバイス100の作製方法としては、まず、シリコンウエハにトランジスタ等のデバイスが作製された半導体基板1を用意し、その上に、層間絶縁膜2及びハードマスク層5を形成する。さらに、その上にフォトレジスト層を形成し、ドライエッチングにより、前記層間絶縁膜及びハードマスク層からなる絶縁層の所定の位置に貫通した配線溝を加工する。次に、前記配線溝の内面に、PVD法やCVD法などの方法により、Ta、Ti、TaN、TiN及びWN等で構成されるバリアメタル層4を形成する。さらに、電界メッキ法などにより配線層となる銅層3を形成し、その後、CMP法により配線部以外の銅層及びバリアメタル層を研磨除去、平坦化することで前記電子デバイス100を作製することができる。
さらに配線層を積層する場合にも、基本的に上記1層目の配線形成と同様な方法により形成することができる。
さらに具体的な層間絶縁膜2の形成方法としては、上記半導体基板1の上に、絶縁膜形成用材料を直接塗布して形成することができるが、予め樹脂膜のドライフィルムを用意し、これは半導体基板1の上に積層するように形成することもできる。より具体的には、上記半導体基板1の上に、上記で得た絶縁膜形成用ワニスを直接塗布して塗膜を形成し、加熱及び/又は活性エネルギー線を照射して硬化して形成することができる。ドライフィルムを用いる場合は、予め、上記で得た絶縁膜形成用ワニスを用いて、基材上に樹脂層を形成して乾燥して、ドライフィルムを形成し、これを、上記半導体基板1の上に、積層して、加熱及び/又は活性エネルギー線を照射して硬化して形成することができる。なお、層間絶縁膜を形成する位置はこれに限定されない。
また、本実施の形態では、層間絶縁膜2を用いた電子デバイス100について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の電子デバイスは、上述したような層間絶縁膜を用いているので寸法精度に優れ、絶縁性を十分に発揮できるので、それにより接続信頼性が優れている。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
(1)3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンの合成
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の2000mLフラスコに、金属ナトリウム28g(1.2mol)とn−オクタン1200mlを入れ、内温を0℃に冷やした。激しく撹拌しながら、n−オクタン600mlに予め溶解した1−ブロモ−3,5−ジメチルアダマンタン145.9g(0.6mol)を徐々に滴下した。滴下中、内温は、0℃〜5℃に保った。滴下終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約3000mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。更に粗成生物を、熱ヘキサンにより、再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物65.2gを得た。IR分析によりBr基の吸収(690−515cm−1付近)が消失し、質量分析による分子量が326である結果より、生成物が3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタンであることが示された。
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の2000mLフラスコに、四塩化炭素700mL、臭素35g(0.22mol)を入れ、撹拌しながら、上記で得た3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビアダマンタン54.1g(0.2mol)を、少量ずつ添加した。添加中、内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き1時間反応を続けた。その後、冷水約2000mLに注いで、粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。粗生成物を、熱エタノールにより再結晶した。得られた再結晶物を、減圧乾燥することにより、生成物58.0gを得た。IR分析によりブロモ基の吸収が690〜515cm−1に見られること、質量分析による分子量が484である結果より、生成物が3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ジブロモ−1,1’−ビアダマンタンであることが示された。
フラスコ内で、上記で得た3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ジブロモ−1,1’−ビアダマンタン50g(103.2mmol)及び1,3−ジブロモベンゼン1217g(5161.6mmol)を攪拌し、乾燥窒素下25℃において、臭化アルミニウム(III)24.8g(93.0mmol)を少量ずつ滴下した。これを60℃に昇温して8時間攪拌した後、室温に戻し、反応液を得た。5%塩酸水溶液700mlに、反応液を投入し、攪拌した。水層を除去し、有機層をアセトン2000mlに投入した。析出物をろ過し、アセトン1000mlで3回洗浄することにより、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−1,1’−ビアダマンタン70gを得た。
次に、上記で得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジブロモフェニル)−1,1’−ビアダマンタン50g(62.9mmol)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム3.53g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン6.60g(25.2mmol)、ヨウ化銅(II)4.79g(25.2mmol)、トリエチルアミン750mlをフラスコに添加し、攪拌した。これを75℃に昇温した後、トリメチルシリルアセチレン37.1g(377.7mmol)をゆっくり添加した。これを75℃において7時間攪拌した後、120℃に昇温してトリエチルアミンを留去した。室温に戻し、ジクロロメタン1000mlを反応液に添加し、20分攪拌した。析出物をろ過により除去し、ろ液に5%塩酸水溶液1000mlを加えて分液した。有機層を水1000mlで3回洗浄した後、有機層の溶媒を減圧除去した。得られた化合物をヘキサン1500mlに溶解させた。不溶物をろ過により除去し、ろ液部のヘキサンを減圧除去した。これにアセトン1000mlを投入し、析出物をアセトンで3回洗浄することにより、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジトリメチルシリルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン43gを得た。
さらに、上記で得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジトリメチルシリルエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン39.8g(53.5mmol)と炭酸カリウム1.46g(10.6mmol)を、テトラヒドロフラン600ml及びメタノール300ml混合溶媒中において、窒素雰囲気下、室温で4時間攪拌させた。これを10%塩酸水溶液1000mlに投入して、析出物をろ過し、得られた析出物を水1000mlで洗浄、さらにアセトン1000mlで洗浄したのち乾燥させることにより、3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン21.2gを得た。
以下に、上記で得られた生成物の外観、質量分析および元素分析の結果を示す。これらのデータは、得られた化合物が3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンであることを示している。
外観:白色固体
MS(FD)(m/z):574(M
元素分析:理論値(/%)C;91.93、H;8.07、実測値(/%)C;91.87、H;8.00
(2)3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンの重合と絶縁膜形成用ワニスの製造
上記で得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン13gを1,3−ジメトキシベンゼン117gに溶解させ、乾燥窒素下170℃で2時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノール/ジオキサン=3/2の混合溶媒に滴下して沈殿物を集めて乾燥し、6.6gのプレポリマーを得た。
得られたプレポリマー2gを、シクロペンタノン18gに溶解させ、フィルターでろ過することにより、絶縁膜形成用ワニスとした。
上記で得られたプレポリマーについて、下記条件にて分子量分布の測定を行い、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと残存モノマーを検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、モノマーのピーク面積Amの割合を求めた。
測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)装置(東ソー株式会社製、HLC−8220GPC)を用い、また、カラムとして、TSKgel GMHXL(ポリスチレン換算排除限界4x10(推定))x2本及びTSKgel G2000HXL(ポリスチレン換算排除限界1x10)x2本を直列接続して、検出器として、屈折率計(RI)又は紫外・可視検出器(UV(254nm))を用いて、下記条件により、上記重合体の分子量について、RI又はUVで得られた結果を解析した。測定条件としては、移動相:テトラヒドロフラン、温度:40℃、流量:1.00mL/min、試料濃度:0.1wt%テトラヒドロフラン溶液とした。
得られたプレポリマーの数平均分子量は7,300であり、モノマーのピーク面積割合は29%であった。
(3)絶縁膜の製造
上記で得られた絶縁膜形成用ワニスを用いて、スピンコーターにより、シリコンウエハ上に塗布したが、外観不良のため樹脂膜を形成することができなかった。
(実施例1)
(1)3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンのプレポリマーからの重合と絶縁膜形成用ワニスの製造
合成例1(2)で得られた数平均分子量7,300である3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンのプレポリマー4gを1,3−ジメトキシベンゼン36gに溶解させ、乾燥窒素下170℃で6時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノール/ジオキサン=3/2の混合溶媒に滴下して沈殿物を集めて乾燥し、2.1gのプレポリマーを得た。得られたプレポリマーの数平均分子量は51,900であった。得られたプレポリマー2gを、シクロペンタノン18gに溶解させ、フィルターでろ過することにより、絶縁膜形成用ワニスとした。
(2)絶縁膜の製造
上記で得られた絶縁膜形成用ワニスを用いて、スピンコーターにより、シリコンウエハ上に塗布した。この際、熱処理後の絶縁膜の厚さが、約0.3μmとなるように、スピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後に200℃のホットプレート上で1分間乾燥。その後、400℃のオーブン中で窒素雰囲気下30分間硬化することで、絶縁膜を得た。
(合成例2)
3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンのプレポリマーの回収
合成例1(1)、(2)および実施例1(1)の再沈殿の操作を繰り返して沈殿物を集めた後のろ液を、減圧除去した後乾燥させ3.6gのプレポリマーを回収した。回収されたプレポリマーの数平均分子量は3,600であり、モノマーのピーク面積割合は56%であった。
(実施例2)
(1)3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンのプレポリマーからの重合と絶縁膜形成用ワニスの製造
合成例2(1)で得られた数平均分子量3,600である3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンのプレポリマー3.5gを1,3−ジメトキシベンゼン31.5gに溶解させ、乾燥窒素下170℃で7時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノール/ジオキサン=3/2の混合溶媒に滴下して沈殿物を集めて乾燥し、1.6gのプレポリマーを得た。得られたプレポリマーの数平均分子量は49,100であった。得られたプレポリマー1gを、シクロペンタノン9gに溶解させ、フィルターでろ過することにより、絶縁膜形成用ワニスとした。
(2)絶縁膜の製造
上記で得られた絶縁膜形成用ワニスを用いて、実施例1(2)と同様の操作をし、絶縁膜を得た。
(比較例1)
(1)3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタンの重合と絶縁膜形成用ワニスの製造
合成例1(1)で得られた3,3’,5,5’−テトラメチル−7,7’−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)−1,1’−ビアダマンタン7gを1,3−ジメトキシベンゼン63gに溶解させ、乾燥窒素下170℃で6時間反応させ、反応液を、10倍の体積のメタノール/ジオキサン=3/2の混合溶媒に滴下して沈殿物を集めて乾燥し、4.0gのプレポリマーを得た。得られたプレポリマーの数平均分子量は46,600であった。得られたプレポリマー2gを、シクロペンタノン18gに溶解させ、フィルターでろ過することにより、絶縁膜形成用ワニスとした。
(2)絶縁膜の製造
上記で得られた絶縁膜形成用ワニスを用いて、実施例1(2)と同様の操作をし、絶縁膜を得た。
絶縁膜の評価
実施例1、2及び比較例1で得られた絶縁膜について、誘電率、ガラス転移温度及び弾性率のそれぞれの特性を、下記の評価方法により、評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2010077395
1.誘電率
誘電率は、日本エス・エス・エム(株)製、自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて評価した。
2.ガラス転移温度(Tg)
Tgは、絶縁膜を削り取り、ティー・エイ・インスツルメント社製DSC−Q1000装置で評価した。測定温度範囲を、250℃〜450℃とし、昇温速度を2℃/分とした。ガラス転移温度の評価は、250℃〜450℃の温度範囲においてリバースヒートフローに変極点がないかを解析して求めた。
3.弾性率
弾性率は、MTS社製ナノインデンターで薄膜測定用プログラムを用いて、押し込み深さが膜厚の10分の1までの信号が安定した領域で評価した。
合成例1にて製膜できなかったプレポリマーを用いて重合した重合体からなる実施例1の絶縁膜、実施例1の再沈殿後のろ液から回収したプレポリマーを用いて重合した重合体からなる絶縁膜、および、モノマーを用いて重合した重合体からなる比較例1の絶縁膜は、表1から明らかなように、いずれも誘電率が低く、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れ、且つ弾性率が高く機械強度に優れており、特性の差は確認できなかった。
そのままでは絶縁膜を得ることができないプレポリマー、本来ならば廃棄されるろ液から回収したプレポリマーを、低誘電率、高耐熱性、高機械強度に優れた絶縁膜用重合体に変換することができた。
半導体デバイスの製造
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に、実施例1、2及び比較例1で得られた絶縁膜形成用ワニスを用いて、それぞれ塗布して、厚さ0.1μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、上記で得た層間絶縁膜のそれぞれに、所定のパターンを形成するように、金属配線を形成して、半導体デバイスを得た。また、この半導体デバイスと同様な構成でSiO絶縁膜を有する半導体デバイスとの配線遅延の程度を比較した。評価の基準には、リングオシュレータの発信周波数から換算して求めた信号遅延時間を採用した。両者を比較した結果、本発明で得られた半導体デバイスでは、SiO絶縁膜を有する半導体デバイスより配線遅延が少なく、約25%の速度の向上があることが確認された。
実施例1、2及び比較例1で得られた絶縁膜を層間絶縁膜として用いた半導体装置は、層間絶縁膜の誘電率が低いので、信号遅延の低減効果に優れていた。
1 半導体基板
2 層間絶縁膜
3 銅配線層
4 バリアメタル層
5 ハードマスク層
100 電子デバイス

Claims (9)

  1. 炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合することにより得られた数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体。
  2. 前記プレポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した分子量ピークにおいて、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと残存モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、前記モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物のピーク面積Amの割合が70%以下である請求項1記載の絶縁膜用重合体。
  3. 前記プレポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した分子量ピークにおいて、オリゴマーを検出するピークPのピーク面積Apと残存モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を検出するピークMのピーク面積Amを足し合わせたピーク全面積(Ap+Am)に対して、前記モノマーである炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物のピーク面積Amの割合が50%以下である請求項1又は2記載の絶縁膜用重合体。
  4. 前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物が、式(1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体。
    Figure 2010077395
    (式(1)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。Zは、それぞれ、カゴ型構造を有する基を示し、同一又は異なるものであってよい。nは1以上の整数である。)
  5. 前記炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物が、式(2)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体。
    Figure 2010077395
    (式(2)中、X及びYは、それぞれ、同一又は異なる炭素−炭素三重結合を含む1又は2以上の基を示す。R及びRは、それぞれ、水素又は有機基を示す。nは1以上の整数である。)
  6. 炭素−炭素三重結合を分子中に2個以上有し且つカゴ型構造を含む化合物を重合することにより得られる数平均分子量10,000以下のオリゴマーを含むプレポリマーを重合して、数平均分子量20,000以上の絶縁膜用重合体を重合する方法であって、前記オリゴマーを含むプレポリマーを、フェニルエーテル系溶媒中で、熱重合する絶縁膜用重合体の重合方法。
  7. 無触媒で熱重合することによる、請求項6記載の絶縁膜用重合体の重合方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁膜用重合体を有機溶媒に溶解させた溶液を、基材上に塗布し、加熱、活性エネルギー線、又は加熱と活性エネルギー線照射により硬化させた絶縁膜。
  9. 請求項8記載の絶縁膜を具備する電子デバイス。
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